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商標異議申立

2019-900297

イイ

審判番号
2019-900297
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2018-080481
登録番号
商標登録第6163216号(T6163216)
請求日
2019年10月15日
審決日
2020年09月29日
公報発行日
2020年11月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社EPARK
  • 【異議申立人】エンタープライズ ホールディングス インコーポレイテッド
  • 【異議申立人代理人】城山 康文
  • 【異議申立人代理人】岩瀬 吉和
  • 【異議申立人代理人】北口 貴大
審判長/審判官
  • 審判長 冨澤 美加
  • 審判官 山田 正樹
  • 審判官 鈴木 雅也
分類
T1652.261-Y (W39) / T1652.262-Y (W39) / T1652.263-Y (W39) / T1652.271-Y (W39)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第6163216号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第6163216号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 1 本件商標 本件登録第6163216号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1に示すとおりの構成よりなり,平成30年6月19日に登録出願,第39類「駐車場又は駐輪場の提供に関する情報の提供,駐車場又は駐輪場の予約の媒介又は取次,駐車場又は駐輪場の予約の媒介又は取次に関する情報の提供,駐車場又は駐輪場の予約の代行,駐車場の提供に関する契約の媒介又は取次ぎ,レンタカー・ハイヤーの予約の代行・媒介又は取次ぎ」を指定役務として,令和元年6月3日に登録査定,同年7月19日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立てに引用する商標は,以下の4件であり,いずれも,登録商標として現に有効に存続しているものである(以下,これら4件の商標をまとめていうときは「引用商標」という。)。 (1)登録第5056646号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:平成19年2月13日 優先権主張:2006年8月23日 アメリカ合衆国 設定登録日:平成19年6月22日 更新登録日:平成29年4月25日 指定役務:第39類「乗物の貸与,乗物の貸与の予約の代行」 (2)登録5366034号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:平成22年7月20日 設定登録日:平成22年11月5日 指定役務:第39類「乗物の貸与,乗物の貸与の予約の代行」 (3)登録第6079604号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:別掲3のとおり 登録出願日:平成29年12月15日 設定登録日:平成30年9月7日 指定役務:第39類「乗物の貸与,自動車・貨物自動車その他陸上用の乗物の貸与の予約」及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務 (4)国際登録第1149796号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:別掲4のとおり 国際登録日:2012年12月12日 設定登録日:2015年1月16日 指定商品及び指定役務:第39類「Vehicle rental and leasing services; and reservation services for the rental and leasing of vehicles,namely, rental reservations for automobiles,trucks, cars, land vehicles.」並びに第12類,第35類,第36類及び第37類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務 3 登録異議の申立ての理由 申立人は,本件商標の指定役務中,第39類「レンタカー・ハイヤーの予約の代行・媒介又は取次ぎ」について,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標及び引用商標の共通点は,1)いずれも彩色された正方形図形の内部に,欧文字E(e)が配されている,2)いずれもE(e)の文字の高さが,正方形図形の高さの略1/2を占める,3)E(e)の垂直方向中央に位置する横線が,E(e)の左側の縦線(円弧)を突き抜けて表示されている,4)本件商標並びに引用商標1及び2については,構成する正方形図形が緑系に彩色されている点であり,相違点は,本件商標において,正方形図形の四方の角がアールで表されている,大文字Eと小文字eの相違,引用商標では,eの文字が二本線で表されている点である(以下,これらの相違点を順に「相違点1」,「相違点2」,「相違点3」という。)。 また,本申立事件に係る指定役務の提供を受ける需要者等は,レンタカー事業者の営業所やウェブサイト,空港,駅等に設置されている受付カウンター等で本件商標や引用商標を目にする。かかる状況において,殊に簡易・迅速を尊ぶ実際の取引において,上記相違点1が,本件商標と引用商標とを峻別する一助とならない。上記相違点2によっても,本件商標と引用商標とを識別できるとはいえない。上記相違点3によって,本件商標と引用商標とが,実質的に同一でないことを認めるにやぶさかではないが,いずれの態様であっても,欧文字E(e)を表したものであることを把握,認識させる点で共通する。 むしろ,本件商標,引用商標のいずれのE(e)も,その中央の横線が左の縦線(円弧)を突き抜けるように表されているという,普通に用いられる方法ではなく,極めて特徴的な態様からなる点,及び当該E(e)が正方形図形の中心に,(当該正方形図形に比し)略同一の比率で表されている点を考慮すれば,本件商標及び引用商標は,極めて近似した印象を需要者等に対して与え,これが些細な相違にすぎない上記相違点1ないし3を凌駕することは明らかである。 イ 申立人は,アメリカ合衆国に本店を有するレンタカー事業者であり,その収益及び規模は,同業界において,世界最大級を誇る(甲6,甲7)。過去5年間の収益は,年間約200億米ドル(約2兆1,800億円)を誇り,これは,旅行業界において,他の事業者(レンタカー事業者のみならず,航空・船舶事業者,旅行事業者をも含む。)の多くを凌ぐものである。申立人は,その事業に関し,数多くの表彰を受けている(甲6)。 申立人は,自己の事業に関し,「ENTERPRISE」,「ALAMO」及び「NATIONAL」という3つのブランドを使用している。このうち「ENTERPRISE」に関して,引用商標が使用されるとともに,「ENTERPRISE」の「E」が,引用商標と同様の態様で表示されている(甲6,甲7)。 申立人は,平成31年(2019年)4月に,ニッポンレンタカーインターナショナル株式会社(以下「ニッポンレンタカー」という。)との,日本市場及び海外市場におけるフランチャイズ契約を締結した結果,ニッポンレンタカーが運営する営業所(羽田空港,成田空港,中部国際空港,千歳空港等の主要空港に設置されている受付カウンターを含む。)において,引用商標を含む申立人の上記各ブランドが掲出されている(甲6,甲8)。 申立人は,2019営業年度に米国及びカナダにおいて,日本の運転免許保有者に対して,7,700台の自動車を貸与し,その収益は約320万米ドル(約3億5,000万円)であった(甲6)。日本からの北米渡航者は,日本人出国者の約3割を占めており,我が国の需要者等が,北米においても,申立人が運営するENTERPRISEレンタカーサービス,ひいては,引用商標を目にする機会は,決して少なくない。また,申立人は,世界100か国において事業を展開している(甲7)。多くの日本人が,毎年様々な国へ渡航していることにかんがみれば,北米以外の国,地域においても,日本人が引用商標を目にする機会は相当程度あるといえる。 ウ 本件商標と引用商標とは,欧文字E(e)を主たる構成要素とするものであり,当該E(e)の文字は,その中央の横線が左の縦線(円弧)を突き抜けるように表され,かつ,これが,正方形図形の中心に配されると共に,(当該正方形図形に比し)略同一の比率で表されている点で共通する。 本件商標において,当該正方形図形の角がすべてアール状で表されている点で,引用商標と異なるとしても,簡易・迅速を尊ぶ実際の取引において,このような微差が需要者等の注意を惹くとは到底考えられないし,正方形図形の中心に配された文字が,大文字Eと小文字eの別で表されているとしても,上記共通点にかんがみれば,同一事業者が使用するものであると誤認するおそれは相当程度認められる。 よって,上記相違点1ないし3が,本件商標と引用商標を別異の商標たらしめると考えるべき合理的理由を見出せない。 してみれば,本件商標と引用商標は,外観において極めて近似しており,本件商標は,引用商標に類似する。 本件指定役務である「レンタカー・ハイヤーの予約の代行・媒介又は取次ぎ」は,引用商標に係る指定役務「乗物の貸与,自動車・貨物自動車その他陸上用の乗物の貸与の予約」,「乗物の貸与,乗物の貸与の予約の代行」,「vehicle rental and leasing services;and reservation services for the rental and leasing of vehicles,namely,rental reservations for automobiles,trucks,cars,land vehicles」と,提供の手段,目的,場所,提供に関連する物品,需要者の範囲等が一致し,同一の事業者が提供するものであるから,これらの役務は互いに類似する。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人は,ニッポンレンタカーとの間で,日本市場及び海外市場におけるフランチャイズ契約を締結しており,その結果,ニッポンレンタカーが運営する多くの営業所において,引用商標を含む申立人の上記各ブランドが掲出されている。また,我が国からの海外渡航者の多くが,直接又はニッポンレンタカーを通じて,日本国外で,申立人のサービスの予約をし,及びサービス提供を受けている。 その結果,引用商標の我が国の需要者に対する露出が相当程度あり,需要者の間で引用商標は相当浸透していることは想像に難くない, そして,欧文字E(e)を主たる構成要素とし,当該E(e)の文字は,その中央の横線が左の縦線(円弧)を突き抜けるように表され,かつ,これが,正方形図形の中心に配されると共に,(当該正方形図形に比し)略同一の比率で表されている点で引用商標と共通する本件商標が,本件サービスに使用された場合,商標権者が,あたかも申立人と経済的または組織的に何らかの関係がある者であるかの如く誤認混同されるおそれは到底否定できない。 よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は,別掲1のとおり,緑色の隅丸正方形内に,縦線の左側中央部にやや突起している部分があるものの,全体として太字で表された欧文字の「E」と認識される文字を白抜きで配した構成からなるものであって,その構成全体がまとまりのある一体の図形として認識されるとみるのが相当である。 そして,当該図形は,特定の称呼又は観念をもって親しまれたものとはいえず,これより特定の称呼及び観念は生じないものと認められる。 イ 引用商標 引用商標1及び引用商標2は,別掲2のとおり,濃緑色の正方形内に,白抜きの2本の線を当該正方形の左辺中央から右方向へ水平に伸ばし,その終点から反時計回りに楕円を描いた構成からなるものである。 引用商標3は,別掲3のとおり,正方形が灰色で表されている以外は,引用商標1及び引用商標2と同様の構成である。また,引用商標4は,別掲4のとおり,正方形が黒色で表されている以外は,引用商標1及び引用商標2と同様の構成である。 そうすると,引用商標は,その構成全体がまとまりのある一体の図形として認識されるとみるのが相当であり,当該図形は,特定の称呼又は観念をもって親しまれたものとはいえず,これより特定の称呼及び観念は生じないものと認められる。 ウ 本件商標と引用商標の比較 本件商標と引用商標は,それぞれ上記ア及びイのとおりの構成からなるものであり,正方形の形状及び色彩,並びに正方形内に表された文字と図形が明らかに相違するものであって,両者は,商標全体の構成が顕著に相違し,これより受ける印象も全く異なるものであって,外観上,明確に区別できるものである。 また,両者は,特定の称呼及び観念は生じないものであるから,本件商標と引用商標は,称呼及び観念において比較することはできない。 エ 小括 以上によれば,本件商標と引用商標は,称呼及び観念において比較できないとしても,図形の類否を検討する上で最も重要な外観において,明確に区別できることからすれば,両者は,互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって,本件商標と引用商標とは,非類似の商標であるから,役務の類否について言及するまでもなく,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 引用商標の周知性について (ア)申立人の主張及び提出に係る証拠によれば,以下のとおりである。 a 申立人は,アメリカ合衆国に本店を有するレンタカー事業者である(甲6,甲7)。 b 申立人の宣誓供述書によれば,過去5年間の収益は,年間約200億米ドル(約2兆1,800億円)であり,2019営業年度に米国及びカナダにおいて,日本の運転免許保有者による7,700件以上のレンタル実績があり,その収益は約320万米ドル(約3億5,000万円)である(甲6)。 c 申立人が,自己の事業に関して使用しているブランドの「ENTERPRISE」に関して,引用商標が使用されるとともに,「ENTERPRISE」の「E」が,引用商標と同様の態様で表示されていると主張している宣誓供述書(甲6)には,引用商標1及び引用商標2と同じ構成の図形と,黒色の長方形内に白抜きで「nterprise」の欧文字又は同文字と「rent-a-car」の欧文字を2段併記したものを連結した標章が表示されている。 d 申立人は,平成31(2019)年4月に,ニッポンレンタカーとの日本市場及び海外市場におけるフランチャイズ契約を締結し,ニッポンレンタカーが運営する営業所において,引用商標を含む申立人の各ブランドが掲出されている(甲6,甲8)。 (イ)上記(ア)によれば,申立人は,我が国において,ニッポンレンタカーと業務提携を行い,同社の営業所に引用商標を使用していると主張し,証拠として宣誓供述書(甲6)を提出しているが,当該証拠に添付されている写真には,上記のとおり,引用商標1及び引用商標2と同じ構成の図形と,黒色の長方形内に白抜きで「nterprise」の欧文字又は同文字と「rent-a-car」の欧文字を2段併記したものを連結した標章が表示されており,引用商標が単独で使用されているものはなく,また,当該写真のほとんどについて,その撮影日は不明であり,撮影場所を特定する情報も乏しい上,常に「ニッポンレンタカー」、「Alamo」及び「National」の標章と並んで表示されていることからすれば,当該証拠によって、引用商標が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国で著名であったと判断することはできない。 また,申立人の収益高は宣誓供述書による申立人の主張によるものであり,これを裏付ける資料の提出はなく,その主張内容に客観性が認められない上,我が国における自動車の貸与及びその予約の代行に係る実績を示す証拠はないことから,我が国における市場占有率(マーケットシェア)等の量的規模は不明であり,客観的な使用事実に基づいて,引用商標の周知性の程度を推し量ることができない。 その他,申立人の提出に係る甲各号証を総合してみても,引用商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の需要者の間で,申立人の業務に係る役務を表示するものとして,広く認識されていたものと認めるに足りる事実は見いだせない。 したがって,本件商標の登録出願時及び登録査定時に,我が国において,引用商標が申立人の業務に係る役務を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていたとは認められない。 イ 類似性の程度について 本件商標と引用商標は,前記のとおり,図形としての特徴を全く異にするものであって,別異の商標というべきであるから,類似性の程度は極めて低いものである。 ウ 出所の混同について 以上のとおり,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る役務を表すものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものとは認められない上,本件商標と引用商標の類似性の程度は極めて低いことからすれば,たとえ,両者に係る役務が共通し,需要者の範囲を共通にする場合があるとしても,本件商標をその指定役務について使用した場合に,これに接する取引者,需要者が,引用商標ないし申立人を連想又は想起することはないというべきである。 してみれば,本件商標は,他人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。 その他,申立人の提出した証拠によっては,本件商標と引用商標とが,取引者,需要者の間において現実に出所の混同を生じていることを認め得るような,具体的,客観的事実は見いだせない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)申立人の主張について 申立人は,本件商標は欧文字の「E」を配し,引用商標は欧文字「e」を配してなるものであるとして,近似した印象を与える旨主張する。 しかしながら,乙第6号証に表示された標章の態様においては,全体として,「enterprise」の語頭として「e」の欧文字をデザイン化したものとみることができるとしても,引用商標を単独でみた場合には,上記(1)イのとおり,濃緑色の正方形内に,白抜きの2本の線を当該正方形の左辺中央から右方向へ水平に伸ばし,その終点から反時計回りに楕円を描いた構成からなるものであって,特定の欧文字(「e」)のモノグラムを認識するとはいい難いものであり,両商標が使用される指定役務における需要者の通常有する注意力を基準として考慮しても,本件商標と引用商標は異なるものとして認識され,誤認,混同することはないというべきである。 (4)まとめ 以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものではなく,その登録は同条第1項の規定に違反してなされたものとはいえないものであり,他に同法43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。 よって,結論のとおり決定する。

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2019-900297

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