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商標異議申立

2025-900062

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審判番号
2025-900062
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2024-070157
登録番号
6884662
請求日
2025年03月18日
審決日
2025年10月08日
公報発行日
2025年11月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社グリーンライフコーポレーション
  • 【権利者代理人】正木 裕士
  • 【権利者代理人】三上 祐子
  • 【異議申立人】トヨタ自動車 株式会社
  • 【異議申立人代理人】青木 博通
  • 【異議申立人代理人】中田 和博
  • 【異議申立人代理人】片山 礼介
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 真鍋 伸行
分類
T1651.261-Y (W39) / T1651.262-Y (W39) / T1651.263-Y (W39) / T1651.271-Y (W39)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第3条第2項、商標法第43条の3第4項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6884662号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6884662号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6884662号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、第39類「顧客の家庭等における電力の使用状況などに基づく省エネルギーのための電気の供給に関する情報の提供・助言・指導」を指定役務として、令和6年6月28日に登録出願、同年12月11日に登録査定、同7年1月10日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第4520753号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成12年2月10日登録出願、第39類「電気の供給」のほか、第35類ないし第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同13年11月9日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続している。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第43号証(枝番号を含む。以下、枝番号のすべてを示すときは、枝番号を省略する。)を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号該当について 本件商標は、楕円の中にLの文字を配した図形と「エネルギーチェンジ光熱費0円革命!!電気軽自動車をプレゼント!」からなる結合商標であり、文字部分に出所識別性がないので、楕円の中にLの文字を配した図形が支配的な部分となり、この部分が分離して看者に把握されることは明らかである。 そこで、本件商標の楕円の中にLの文字を配した図形と引用商標を比較すると、いずれも、楕円の中にLの文字を配した図形である点で共通し、さらに、Lの文字の上辺が太く、下辺が上辺に比べると細い点、L字の角度が90度ではなく40度ほどである点、L字を囲む楕円が途中で切れている点が共通する。 外観上、上記の共通点は看者に強い印象を与えるものであり、時と所を違えて離隔的観察をした場合、看者は、一般に本件商標と引用商標の上記共通点に強い印象を受け、これを記憶し、想起することは明らかである。 相違点は、本件商標の方が引用商標よりやや扁平な楕円である点であり、些細な違いにすぎない。 よって、本件商標と引用商標とは、商標の構成全体の有する外観上の印象が相紛らわしいものであり、類似することは明らかである。 また、称呼及び観念についても、本件商標及び引用商標からは、「マルエル」、「サークルエル」の共通の称呼及び観念が生ずることは明らかである。 このように、本件商標と引用商標は、外観、称呼、観念が類似し、全体的印象も共通する。さらに、引用商標は、著名であり、その著名性(取引の実情)を斟酌した場合には、よりー層、出所の混同の可能性が高まり、本件商標が引用商標に類似となることは明らかである。 過去の審決、判決の判断からしても、本件商標が引用商標に類似することは明らかである(甲5~甲15)。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号該当について ア 本件商標と引用商標の類似性 本件商標が引用商標と類似することは、上記(1)のとおりである。 イ 引用商標の周知著名性と独創性の程度 引用商標は、楕円の中にLの文字を配した図形で、Lの文字の上辺が太く、下辺が上辺に比べると細い点、L字の角度が90度ではなく40度ほどである点、L字を囲む楕円が途中で切れている点に特徴のある独創性の高い商標である。 申立人は、2005年8月から、引用商標を自動車のフロントグリル、トランク、ハンドル、操作画面、ホイール、エンジンや自動車の販売店舗の看板に使用している(甲17~甲24)。 また、引用商標を自動車以外にも、各種商品について使用し、「Lexus Collection」とし、販売し(甲25)、これらの商品の宣伝広告も行っているから、本件商標の出願日前から周知著名になっている。 (ア)引用商標の使用期間及び使用場所 引用商標は、2005年8月から商品「自動車」及びその販売店舗の看板に全国で、20年にわたり使用され(甲17~甲24)、使用場所は、全国225店舗の申立人の自動車販売店である(甲23、甲24)。 (イ)引用商標の使用に係る自動車の各年の販売台数、売上高、販売活動費 引用商標の使用に係る自動車の各年の販売台数、売上高、販売活動費は、陳述書(甲26)のとおり、発売当初の2005年は、販売台数15,822台、売上高796億円、販売活動費5億4,600万円であったが、2023年には、販売台数9万台、売上高6,300億円、販売活動費50億円に達している。 (ウ)引用商標に係る自動車を紹介した書籍 「Googleブックス」及び「Amazon」の検索によると、引用商標に係る自動車を紹介した書籍が出版されている(甲27)。 (エ)引用商標に関する新聞広告 引用商標の使用された自動車の新聞広告は、読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞、毎日新聞などの全国紙のほかに、北海道新聞、徳島新聞、愛媛新聞、中日新聞、福井新聞、沖縄タイムス、琉球新報などの地方紙にも掲載されている(甲28)。 (オ)引用商標に関する雑誌広告 引用商標の使用に係る乗用自動車の広告が、雑誌に掲載されている(甲29)。 (カ)テレビ及びYOUTUBEによる広告 引用商標の使用に係る自動車についてLexusの公式チャンネルで広告を行っている(甲30、甲31)。 (キ)防護標章登録、周知著名商標リストヘの掲載 引用商標とほぼ同一の商標登録第2387164号商標(第12類)に関し、第39類ほかの役務・商品について防護標章登録を認めており(甲32)、周知著名性リストにも掲載されている(甲33)。また、審決においても、引用商標の周知、著名性を認定している(甲34)。 (ク)商標法第3条第2項適用による位置商標の登録 引用商標と共に使用されているクリアランスランプの立体形状、フロントグリルの立体形状も位置商標として、登録されている(甲35、甲36)。 (ケ)ブランド価値評価ランキング ブランドランキングで定評のあるInterBrand社のブランド価値評価ランキングで、日本企業の中で、2013年にブランド価値が2,556ミリオンドル(3,638億円)で8位、2017年にブランド価値が3,690ミリオンドル(5,245億円)で9位、2018年にブラン価値が3,940ミリオンドル(5,601億円)で11位にランキングされている(甲37~甲39)。このような高い価値評価からも、引用商標が日本において周知・著名である。 (コ)映画「ブラックパンサー」 2018年公開の映画「ブラックパンサー」のポスターにも引用商標の使用に係る乗用自動車が使用された。 ウ 本件商標の指定役務と引用商標の使用に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度 引用商標の使用されている自動車「LEXUS RZ」は、電気自動車であって(甲40)、電気自動車には、電気の供給が必要であり、本件商標の指定役務「電気の供給に関する情報」は、電気自動車の所有者の必要とする情報である。よって、本件商標の指定役務と引用商標の使用に係る電気自動車との間に、性質、用途、目的において関連性がある。 エ 商品等の取引者及び需要者の共通性 本件商標の指定役務は、電気の供給に関する役務であり、引用商標の使用されている自動車「LEXUS RZ」は、電気自動車であり、本件商標の指定役務と引用商標の使用商品の取引者と需要者は共通する。 オ 小括 以上述べたように、本件商標と引用商標の類似性、引用商標の周知著名性、本件商標の指定商品・役務と引用商標の使用に係る商品・役務の共通性、取引者及び需要者の共通性を考慮すれば、本件商標が指定役務に使用された場合、申立人の業務に係る商品又は役務と混同(狭義の混同又は広義の混同)を生ずるおそれがあることは明らかである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知性について ア 申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 (ア)申立人は、自動車メーカーであり、申立人の製造販売に係る引用商標が使用された自動車は、1989年に北米国際オートショーにおいて「LEXUS」ブランドの自動車として発表され、我が国においては、2005年から販売が開始され、引用商標は、自動車のフロントグリル、ハンドル、ホイール、エンジン等及び全国の販売店舗の看板に使用されている(甲17~甲24)。 (イ)申立人の従業員の作成した陳述書によれば、引用商標を使用した自動車の各年の販売台数、売上高、販売活動費は、発売当初の2005年は、販売台数15,822台 、売上高約796億円、販売活動費5億4,600万円であったが、2023年には、販売台数約9万台、売上高約6,300億円、販売活動費約50億円に達している(甲26)。 (ウ)引用商標を使用した自動車に関して特集された書籍が、2005年から2021年にかけて複数出版されている(甲27)。 (エ)引用商標に係る自動車については、全国版及び地方版の新聞(甲28)及び雑誌(甲29)、YOUTUBE(甲30、甲31)等において広告がされている。 (オ)InterBrand社のブランド価値評価ランキングにおいて、引用商標が「LEXUS」の標章とともに、日本企業の中で、2017年にブランド価値が36億9,000万ドルで9位、2018年にブランド価値が39億4,000万ドルで11位にランキングされている(甲38、甲39)。 イ 上記アからすると、引用商標を使用した自動車は、1989年に米国で「LEXUS」ブランドの自動車として発表され、我が国においては、2005年に販売が開始され、その販売台数、売上高及び販売活動費は、年々増加していること、引用商標を使用した自動車が、新聞、雑誌及びYOUTUBEを介して広く広告されていること、さらに、ブランド価値評価ランキングにおいて、日本企業の中で、引用商標が2017年に9位、2018年に11位にランキングされ、高く評価されていることがうかがえるから、これらを踏まえれば、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る自動車ブランド(LEXUS)のマークを表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間において広く認識されているものと判断するのが相当である。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、右側面に2箇所切れ目を有する、欧文字の「G」を模したとおぼしき黒色の横長楕円図形の内部に、「L」の欧文字を模したとおぼしき緑色の図形を配してなる図形を表し、その下に「エネルギーチェンジ光熱費0円革命!!」及び「電気軽自動車をプレゼント!」の文字を上下二段に書してなるところ、図形部分と文字部分とは、互いに接することなく表され、視覚的に分離して看取されるものである。 そして、本件商標の構成中の図形部分は、その構成から、図案化した欧文字の「G」と「L」を組み合わせたものとの印象を与え得るものの、特定の称呼及び観念を生じるものではなく、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないとみるべき事情は見当たらない。 他方、構成中の文字部分は、本件商標の指定役務との関係においては、役務の宣伝文句を表したものと認識され得るものであって、自他役務の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものというべきである。 そうすると、本件商標をその指定役務に使用するときは、構成中の図形部分が、自他役務の出所識別標識としての取引者、需要者に対し、強く支配的な印象を与えることから、当該図形部分を要部として抽出し、これと他人の商標を比較して、商標の類否を判断することができるものである。そして、当該図形部分は、特定の称呼及び観念を生じない。 イ 引用商標 引用商標は、別掲2のとおり、太い楕円輪郭線内に欧文字の「L」を模したとおぼしき図形を配し、円輪郭線においては、L字図形が接する2箇所に切れ目を有するものである。 そして、引用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る自動車ブランド(LEXUS)のマークを表すものとして、我が国の需要者等に広く知られていたものである。 そうすると、引用商標は、その構成から特定の称呼は生じないが、「申立人に係る自動車ブランドのマーク」の観念が生じる。 ウ 本件商標と引用商標の類否 本件商標の要部である図形部分と引用商標とを比較するに、本件商標の図形部分は、上記アのとおり、図案化した欧文字の「G」と「L」を組み合わせたものとの印象を与え得るのに対し、引用商標は、上記イのとおり、楕円輪郭内に欧文字の「L」を模したとおぼしき図形を配してなると認識されるものであることに加え、両者は、外側の楕円図形の湾曲度合いや形状、色彩の有無、切れ目の場所等において相違するものである。そうすると、両者は視覚的に著しく異なる印象を与えるといえるから、外観上、明確に区別することができ、相紛れるおそれはない。 また、本件商標の図形部分からは、特定の称呼及び観念が生じないのに対し、引用商標からは、特定の称呼は生じないが、「申立人の業務に係る自動車ブランドのマーク」の観念が生じるから、称呼において比較することはできず、観念において相紛れるおそれはない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼において比較することができず、外観及び観念において、相紛れるおそれはないから、これらを総合すれば、両者は非類似の商標というべきである。 エ 小括 以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、その指定役務を比較するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について 引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る自動車を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間において広く認識されているものといえる。 しかしながら、本件商標と引用商標とは、上記(2)のとおり、類似する商標とはいえないから、その類似性の程度は低い。 また、本件商標の指定役務は、電気の供給に関する情報の提供を含むものであるのに対し、引用商標は、自動車に使用して需要者等に広く認識されているものであるところ、自動車には電気自動車が含まれるとしても、両者はその業界、販売場所ないし提供場所、用途等において相違するものであるから、互いに関連性を有する商品及び役務であるとはいえない。 そうすると、本件商標は、需要者等が引用商標を連想又は想起することはなく、その役務が申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないとするのが相当である。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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