特許異議申立
2019-701046
ポリエステル樹脂組成物の積層体
- 審判番号
- 2019-701046
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2017-234463
- 登録番号
- 6547817
- 請求日
- 2019年12月20日
- 審決日
- 2024年01月23日
- 公報発行日
- 2026年02月27日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】大日本印刷株式会社
- 【権利者代理人】中村 行孝
- 【権利者代理人】朝倉 悟
- 【権利者代理人】宮嶋 学
- 【権利者代理人】浅野 真理
- 【権利者代理人】柏 延之
- 【権利者代理人】永井 浩之
- 【権利者代理人】佐藤 泰和
- 【権利者代理人】小島 一真
- 【異議申立人】白澤 榮樹
- 審判長/審判官
- 審判長 井上 茂夫
- 審判官 藤井 眞吾
- 審判官 稲葉 大紀
- 分類
- P1651.121-ZAA(B32B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項、特許法第113条第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6547817号発明「ポリエステル樹脂組成物の積層体」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6547817号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔4~14〕、15~28について訂正することを認める。
特許第6547817号の請求項1~28に係る特許を取り消す。
理由
理 由
第1 手続の経緯
1 本件特許、本件特許異議の申立て
特許第6547817号(以下「本件特許」という。)の請求項1~14に係る特許についての出願は、平成22年10月29日に出願した特願2010-244721号(以下「原出願」という。)の一部を、平成28年3月14日に新たな特許出願とした特願2016-49799号の一部を、平成29年12月6日に新たな特許出願としたものであって、令和元年7月5日にその特許権の設定登録がされ、令和元年7月24日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和元年12月20日 :特許異議申立人白澤榮樹(以下「申立人」という。)による本件特許に対する特許異議の申立て
令和2年 6月 2日付け:取消理由通知書
令和2年 8月 7日 :特許権者による意見書の提出
令和3年 1月26日付け:取消理由通知書(決定の予告)
令和3年 3月29日 :特許権者による訂正請求書及び意見書の提出
令和3年 4月23日 :特許権者による補正書の提出
令和3年 7月 6日付け:訂正拒絶理由通知書
令和3年 8月 6日 :特許権者による意見書の提出
令和3年11月17日 :申立人による意見書の提出
2 異議の決定
特許庁は、令和4年3月22日、「特許第6547817号の請求項1ないし14に係る特許を取り消す。」との決定をし、その謄本が令和4年3月31日に特許権者に送達された。
3 取消判決
特許権者は、令和4年4月28日、上記決定を不服として知的財産高等裁判所に訴えを提起したところ(令和4年(行ケ)第10030号)、同裁判所は、令和5年3月9日、「1 特許庁が異議2019-701046号事件について令和4年3月22日にした決定を取り消す。2 訴訟費用は被告の負担とする。」旨の判決を言い渡し、この判決はその後確定した。
4 審理の再開
その後、本件特許異議の申立ての審理が再開された。審理再開後の手続の経緯は、次のとおりである。
令和5年 5月19日付け:取消理由通知書(決定の予告)
令和5年 7月24日 :特許権者による訂正請求書及び意見書の提出(以下、この訂正請求書による訂正請求を「本件訂正請求」といい、訂正そのものを「本件訂正」という。)
令和5年 9月12日 :申立人による意見書の提出
なお、令和3年3月29日にされた訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。
第2 本件訂正請求
1 訂正の内容
本件訂正請求の趣旨は、「特許第6547817号の特許請求の範囲を本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項4~28について訂正することを求める。」ものであり、本件訂正の内容は、訂正箇所に下線を付して示すと、以下のとおりである。
(1)訂正事項1(請求項4に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項4における「請求項1~3のいずれか一項に記載の」との記載を「請求項2または3に記載の」と訂正する。
また、請求項4を引用する請求項5~14も同様に訂正する。
(2)訂正事項2(請求項7に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項7における「請求項1~6のいずれか一項に記載の」との記載を「請求項2~6のいずれか一項に記載の」と訂正する。
また、請求項7を引用する請求項8~14も同様に訂正する。
(3)訂正事項3(請求項8に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項8における「請求項1~7のいずれか一項に記載の」との記載を「請求項2~7のいずれか一項に記載の」と訂正する。
(4)訂正事項4(請求項14に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項14における「請求項1~7のいずれか一項に記載の」との記載を「請求項2~7のいずれか一項に記載の」と訂正する。
(5)訂正事項5(訂正後請求項15に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項4の引用関係を解消して独立の請求項である請求項15とし、
「少なくとも2層を有する積層体であって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まないことを特徴とする、積層体(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)。」とする。
(6)訂正事項6(訂正後請求項16に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項6の引用関係を解消して独立の請求項である請求項16とし、
「少なくとも2層を有する積層体であって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上であり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まないことを特徴とする、積層体(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるもの、並びに、医薬品、食品及びシャンプーの包装用途のものを除く)。」とする。
(7)訂正事項7(訂正後請求項17に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項7の引用関係を解消して独立の請求項である請求項17とし、
「少なくとも3層を有し、第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体であって、
前記第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
前記第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層であり、
前記第3の層が、無機物または無機酸化物からなることを特徴とする、積層体。」とする。
(8)訂正事項8(訂正後請求項18に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項7の引用関係を解消して独立の請求項である請求項18とし、
「少なくとも3層を有し、第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体であって、
前記第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
前記第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層であり、
前記第3の層が、アルミニウム箔からなることを特徴とする、積層体。」とする。
(9)訂正事項9(訂正後請求項19に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項6を引用する請求項7の引用関係を解消して独立の請求項である請求項19とし、
「少なくとも3層を有し、第1の層、第2の層、及び第3の層をこの順に含んでなる積層体であって、
前記第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上であり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
前記第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層であり、
前記第3の層が、アルミニウム箔からなることを特徴とする、積層体。」とする。
(10)訂正事項10(訂正後請求項20に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項8の引用関係を解消して独立の請求項である請求項20とし、
「少なくとも2層を有する積層体を備える積層フィルムであって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層であることを特徴とする、積層体を備える、積層フィルム。」とする。
(11)訂正事項11(訂正後請求項21に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項8の引用関係を解消して独立の請求項である請求項21とし、
「少なくとも3層を有し、第1の層、接着層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体を備える積層フィルムであって、
前記第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
前記第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層であることを特徴とする、積層体を備える、積層フィルム。」とする。
(12)訂正事項12(訂正後請求項22に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項6を引用する請求項8の引用関係を解消して独立の請求項である請求項22とし、
「少なくとも2層を有する積層体を備える積層フィルムであって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上であり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層であることを特徴とする、積層体を備える、積層フィルム(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)。」とする。
(13)訂正事項13(訂正後請求項23に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項7を引用する請求項8の引用関係を解消して独立の請求項である請求項23とし、
「少なくとも3層を有する積層体を備える積層フィルムであって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有し、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層であり、
第3の層が、無機物または無機酸化物からなることを特徴とする、積層体を備える、積層フィルム。」とする。
(14)訂正事項14(訂正後請求項24に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項13の引用関係を解消して独立の請求項である請求項24とし、
「少なくとも2層を有する積層体を備えるラミネートチューブであって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有し、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まないことを特徴とする、積層体を備える、ラミネートチューブ(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)。」とする。
(15)訂正事項15(訂正後請求項25に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項14の引用関係を解消して独立の請求項である請求項25とし、
「少なくとも2層を有する積層体を備える包装製品であって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まないことを特徴とする、積層体を備える、包装製品(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるもの、並びに医薬品、食品及びシャンプーの包装製品を除く)。」とする。
(16)訂正事項16(訂正後請求項26に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項14の引用関係を解消して独立の請求項である請求項26とし、
「少なくとも2層を有する積層体を備える包装製品であって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有し、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まないことを特徴とする、積層体を備える、包装製品(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)。」とする。
(17)訂正事項17(訂正後請求項27に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項6を引用する請求項14の引用関係を解消して独立の請求項である請求項26とし、
「少なくとも2層を有する積層体を備える包装製品であって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有し、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上であり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層であることを特徴とする、積層体を備える、包装製品。」とする。
(18)訂正事項18(訂正後請求項28に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項7を引用する請求項14の引用関係を解消して独立の請求項である請求項28とし、
「少なくとも3層を有する積層体を備える包装製品であって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有し、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層であり、
第3の層が、無機物または無機酸化物からなることを特徴とする、積層体を備える、包装製品。」とする。
2 一群の請求項、及び別の訂正単位とする求め
(1)一群の請求項
本件訂正前の請求項4~14は、請求項5~14が、本件訂正請求の対象である請求項4の記載を引用する関係にあるから、本件訂正は、一群の請求項〔4~14〕について請求されている。
(2)別の訂正単位とする求め
訂正請求書において、特許権者は、上記1(1)~(18)の訂正が認められた場合は、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項15~28を、それぞれ別の訂正単位として扱うよう求めている。
3 訂正の適否
(1)訂正事項1~4について
訂正事項1~4は、請求項4、7、8、14が引用する請求項のうち、請求項1を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(2)訂正事項5について
訂正事項5は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項4について、独立形式に改めて新たに請求項15と項番を付し、「積層体」について「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)」とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
この「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)」とすることにより新たな技術的事項が導入されるものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項5は、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)訂正事項6について
訂正事項6は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項6について、独立形式に改めて新たに請求項16と項番を付し、「積層体」について「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるもの、並びに、医薬品、食品及びシャンプーの包装用途のものを除く)」とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
この「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるもの、並びに、医薬品、食品及びシャンプーの包装用途のものを除く)」とすることにより新たな技術的事項が導入されるものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項6は、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(4)訂正事項7について
訂正事項7は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項7について、独立形式に改めて新たに請求項17と項番を付し、「第2の層」について「ナイロン樹脂からなる樹脂層であり」とし、さらに「積層体」について「第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる」とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項7のうち、「第2の層」の「ナイロン樹脂からなる樹脂層であり」との事項は明細書の【0062】に、「積層体」の「第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる」との事項は明細書の【0024】、【0025】に記載されており、いずれも本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項7は、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(5)訂正事項8について
訂正事項8は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項7について、独立形式に改めて新たに請求項18と項番を付し、「第2の層」について「ナイロン樹脂からなる樹脂層であり」とし、「第3の層」について「アルミニウム箔」とするものとし、「積層体」について「第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる」とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項8のうち、「第2の層」の「ナイロン樹脂からなる樹脂層であり」との事項は明細書の【0062】に、「積層体」の「第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる」との事項は明細書の【0024】、【0025】に、「第3の層」の「アルミニウム箔」との事項は明細書の【0068】に記載されており、いずれも本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項8は、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(6)訂正事項9について
訂正事項9は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項6を引用する請求項7について、独立形式に改めて新たに請求項19と項番を付し、「第2の層」について「ナイロン樹脂からなる樹脂層であり」とし、「第3の層」について「アルミニウム箔」とし、「積層体」について「第1の層、第2の層、及び第3の層をこの順に含んでなる」とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項9のうち、「第2の層」の「ナイロン樹脂からなる樹脂層であり」との事項は明細書の段落【0062】に、「積層体」の「第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる」との事項は明細書の【0024】、【0025】に、「第3の層」の「アルミニウム箔」との事項は明細書の【0068】に記載されており、いずれも本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項9は、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(7)訂正事項10について
訂正事項10は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項8について、独立形式に改めて新たに請求項20と項番を付し、「第2の層」について「ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層である」とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項10のうち、「第2の層」の「ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層である」との事項は明細書の【0061】に記載されており、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項10は、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(8)訂正事項11について
訂正事項11は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項8について、独立形式に改めて新たに請求項21と項番を付し、「第2の層」について「ナイロン樹脂からなる樹脂層であり」とし、「積層体」について「第1の層、接着層、及び第2の層をこの順に含んでなる」とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項11のうち、「第2の層」の「ナイロン樹脂からなる樹脂層であり」との事項は明細書の【0062】に、「積層体」の「第1の層、接着層、及び第2の層をこの順に含んでなる」との事項は明細書の【0023】に記載されており、いずれも本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項11は、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(9)訂正事項12について
訂正事項12は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項6を引用する請求項8について、独立形式に改めて新たに請求項22と項番を付し、「第2の層」について「ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層である」とし、「積層フィルム」について「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)」とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項12のうち、「第2の層」の「ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層である」との事項は明細書の【0061】に記載され、「積層フィルム」について「但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く」ことにより新たな技術的事項が導入されるものではなく、いずれも本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項12は、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(10)訂正事項13について
訂正事項13は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項7を引用する請求項8について、独立形式に改めて新たに請求項23と項番を付し、「2軸延伸樹脂フィルム」について「5~12.13μmの厚みを有し」とし、「第2の層」について「ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層である」とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項13のうち、「第2の層」の「ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層である」との事項は明細書の【0061】に記載され、「2軸延伸樹脂フィルム」の「5~12.13μmの厚みを有し」との事項は明細書の【0073】に記載されており、いずれも本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項13は、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(11)訂正事項14について
訂正事項14は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項13について、独立形式に改めて新たに請求項24と項番を付し、「2軸延伸樹脂フィルム」について「5~12.13μmの厚みを有し」とし、「ラミネートチューブ」について「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)」とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項14のうち、「2軸延伸樹脂フィルム」の「5~12.13μmの厚みを有し」との事項は明細書の【0073】に記載され、「ラミネートチューブ」について「但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く」ことにより新たな技術的事項が導入されるものではなく、いずれも本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項14は、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(12)訂正事項15について
訂正事項15は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項14について、独立形式に改めて新たに請求項25と項番を付し、「包装製品」について「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるもの、並びに医薬品、食品及びシャンプーの包装製品を除く)」とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
この「但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるもの、並びに医薬品、食品及びシャンプーの包装製品を除く」ことにより新たな技術的事項が導入されるものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項15は、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(13)訂正事項16について
訂正事項16は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項14について、独立形式に改めて新たに請求項26と項番を付し、「2軸延伸樹脂フィルム」について「5~12.13μmの厚みを有し」とし、「包装製品」について「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)」とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項16のうち、「2軸延伸樹脂フィルム」の「5~12.13μmの厚みを有し」との事項は明細書の【0073】に記載され、「積層体を備える、包装製品」について「但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く」ことにより新たな技術的事項が導入されるものではなく、いずれも本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項16は、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(14)訂正事項17について
訂正事項17は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項6を引用する請求項14について、独立形式に改めて新たに請求項27と項番を付し、「第2の層」について「ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層である」とし、「2軸延伸樹脂フィルム」について「5~12.13μmの厚みを有し」とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項17のうち、「第2の層」の「ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層である」との事項は明細書の【0061】に記載され、「2軸延伸樹脂フィルム」の「5~12.13μmの厚みを有し」との事項は明細書の【0073】に記載されており、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項17は、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(15)訂正事項18について
訂正事項18は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項7を引用する請求項14について、独立形式に改めて新たに請求項28と項番を付し、「2軸延伸樹脂フィルム」について「5~12.13μmの厚みを有し」とし、「第2の層」について「ナイロン樹脂からなる樹脂層であり」とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項17のうち、「2軸延伸樹脂フィルム」の「5~12.13μmの厚みを有し」との事項は明細書の【0073】に、「ナイロン樹脂からなる樹脂層であり」との事項は明細書の【0062】に記載されており、いずれも本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項17は、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
4 本件訂正請求についてのまとめ
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔4~14〕、15~28について訂正することを認める。
第3 本件特許発明
上記第2のとおり本件訂正請求が認められたことから、本件特許の請求項1~28に係る発明(以下「本件発明1」等という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~28に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1~28の記載は、次のとおりである。
「【請求項1】
少なくとも2層を有する積層体であって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まないことを特徴とする、積層体。
【請求項2】
前記樹脂組成物が、ジオール単位が化石燃料由来のジオールまたはバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルのリサイクルポリエステルをさらに含んでなる、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記樹脂組成物が、前記リサイクルポリエステルを、樹脂組成物全体に対して5~45質量%含んでなる、請求項2に記載の積層体。
【請求項4】
前記樹脂組成物が添加剤をさらに含んでなる、請求項2または3に記載の積層体。
【請求項5】
前記樹脂組成物が、前記添加剤を、樹脂組成物全体に対して5~50質量%含んでなる、請求項4に記載の積層体。
【請求項6】
前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上である、請求項4または5に記載の積層体。
【請求項7】
無機物または無機酸化物からなる第3の層をさらに有する、請求項2~6のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項8】
請求項2~7のいずれか一項に記載の積層体を備える、積層フィルム。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体を備える、包装用袋。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体を備える、シート成形品。
【請求項11】
請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体を備える、ラベル材料。
【請求項12】
請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体を備える、蓋材。
【請求項13】
請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体を備える、ラミネートチューブ。
【請求項14】
請求項2~7のいずれか一項に記載の積層体を備える、包装製品。
【請求項15】
少なくとも2層を有する積層体であって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まないことを特徴とする、積層体(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)。
【請求項16】
少なくとも2層を有する積層体であって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上であり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まないことを特徴とする、積層体(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるもの、並びに、医薬品、食品及びシャンプーの包装用途のものを除く)。
【請求項17】
少なくとも3層を有し、第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体であって、
前記第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
前記第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層であり、
前記第3の層が、無機物または無機酸化物からなることを特徴とする、積層体。
【請求項18】
少なくとも3層を有し、第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体であって、
前記第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
前記第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層であり、
前記第3の層が、アルミニウム箔からなることを特徴とする、積層体。
【請求項19】
少なくとも3層を有し、第1の層、第2の層、及び第3の層をこの順に含んでなる積層体であって、
前記第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上であり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
前記第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層であり、
前記第3の層が、アルミニウム箔からなることを特徴とする、積層体。
【請求項20】
少なくとも2層を有する積層体を備える積層フィルムであって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層であることを特徴とする、積層体を備える、積層フィルム。
【請求項21】
少なくとも3層を有し、第1の層、接着層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体を備える積層フィルムであって、
前記第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
前記第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層であることを特徴とする、積層体を備える、積層フィルム。
【請求項22】
少なくとも2層を有する積層体を備える積層フィルムであって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上であり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層であることを特徴とする、積層体を備える、積層フィルム(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)。
【請求項23】
少なくとも3層を有する積層体を備える積層フィルムであって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有し、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層であり、
第3の層が、無機物または無機酸化物からなることを特徴とする、積層体を備える、積層フィルム。
【請求項24】
少なくとも2層を有する積層体を備えるラミネートチューブであって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有し、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まないことを特徴とする、積層体を備える、ラミネートチューブ(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)。
【請求項25】
少なくとも2層を有する積層体を備える包装製品であって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まないことを特徴とする、積層体を備える、包装製品(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるもの、並びに医薬品、食品及びシャンプーの包装製品を除く)。
【請求項26】
少なくとも2層を有する積層体を備える包装製品であって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有し、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まないことを特徴とする、積層体を備える、包装製品(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)。
【請求項27】
少なくとも2層を有する積層体を備える包装製品であって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有し、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、添加剤をさらに含んでなり、前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上であり、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層であることを特徴とする、積層体を備える、包装製品。
【請求項28】
少なくとも3層を有する積層体を備える包装製品であって、
第1の層が、2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有し、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ、
第2の層が、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層であり、
第3の層が、無機物または無機酸化物からなることを特徴とする、積層体を備える、包装製品。」
第4 令和5年5月19日付け取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由の概要
本件訂正前の本件特許に対して、当審が令和5年5月19日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の概要は、次のとおりである。
1 取消理由1
本件特許の請求項1~14に係る発明は、引用文献4に記載された発明、引用文献5に記載された事項及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
2 取消理由2
本件特許の請求項1~22に係る発明は、引用文献7に記載された発明、引用文献5に記載された事項及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
引用文献3:国際公開2010/101698号
引用文献4:特開2007-210208号公報
引用文献5:特開2009-91694号公報
引用文献6:特開2009-67467号公報
引用文献7:社団法人日本包装技術協会、「食品包装便覧」、第1版、社団法人日本包装技術協会、1988年(昭和63年)3月1日、480~487、490~505、517~525ページ
第5 当審の判断
1 引用文献に記載された事項、発明
(1)引用文献4について
ア 引用文献4には、次の事項が記載されている。
(ア)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるガスバリア性積層フィルムであって、
基材の、蒸着膜が形成される面側には、前処理またはプライマーコート処理が施されてなり、
前記ガスバリア性塗布膜は、前記無機酸化物膜上にガスバリア性塗工液を塗布した後、加熱することにより形成されたものである、ことを特徴とする、ガスバリア性積層フィルム。
・・・
【請求項4】
前記基材が、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム、または、2軸延伸ポリオレフィン系樹脂フィルムからなる、請求項1~3のいずれか一項に記載のガスバリア性積層フィルム。
・・・
【請求項23】
請求項1~13に記載のガスバリア性積層フィルムを用いた包装用積層材であって、前記積層フィルムのガスバリア性塗布膜上にヒートシール性樹脂層が設けられてなる、ことを特徴とする、包装用積層材。
・・・
【請求項25】
前記ヒートシール性樹脂層がポリオレフィン系樹脂からなる、請求項23または24に記載の包装用積層材。
【請求項26】
前記ガスバリア性塗布膜と前記ヒートシール性樹脂層との間に、中間基材が設けられてなる、請求項23~25のいずれか一項に記載の包装用積層材。
【請求項27】
請求項23~26のいずれか一項に記載の包装用積層材を用いた包装袋であって、一方の包装用積層材のヒートシール性樹脂層側と、他方の包装用積層材のヒートシール性樹脂層側とが対抗するように重ね合わせ、その端部がヒートシールされてなる、包装袋。」
(イ)「【発明の分野】
【0001】
本発明は、ガスバリア性を有する積層フィルムおよびその製造方法に関し、より詳細には、優れたガスバリア性を有しつつ透明性を備え、耐衝撃性にも優れる、ガスバリア性積層フィルムおよびその製造方法に関する。」
(ウ)「【発明を実施するための最良の形態】
・・・
【0021】
次に、本発明のガスバリア性積層フィルムを構成する材料、その製造方法等について説明する。
【0022】
基材
本発明のガスバリア性積層フィルムを構成する基材としては、化学的ないし物理的強度に優れ、無機酸化物の蒸着膜を形成する条件等に耐え、それら無機酸化物の蒸着膜等の特性を損なうことなく良好に保持し得ることができる樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
【0023】
このような樹脂のフィルムないしシートとしては、具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフイン系樹脂、環状ポリオレフイン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル-ブタジエン-スチレン共重合体(BS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
【0024】
本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシートの中でも、特に、ポリエステル系樹脂、ポリオレフイン系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシートを使用することが好ましい。
【0025】
本発明において、上記の各種の樹脂フィルムないしシートとしては、例えば、上記の各種の樹脂1種ないしそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、さらには、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により、各種の樹脂のフィルムないしシートを製造し、さらに、所望により、例えば、テンター方式、あるいは、チューブラマ方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸した各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
【0026】
本発明において、各種の樹脂フィルムないしシートの膜厚としては、6~200μm程度、より好ましくは、9~100μm程度が好ましい。
【0027】
なお、上記の各種の樹脂1種ないしそれ以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
【0028】
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、その他等を使用することができ、さらには、改質用樹脂等も使用することができる。
・・・
【0033】
蒸着膜
次に、本発明のガスバリア性積層フィルムを構成する蒸着膜について説明する。本発明においては、蒸着膜は、化学気相成長法または物理気相成長法により形成することができる。
・・・
【0035】
さらに具体的には上記の樹脂のフィルムないしシートの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスを原料とし、キヤリヤーガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、さらに酸素を供給ガスとして使用し、かつ低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。」
(エ)「【0145】
包装用積層材
次に、本ガスバリア性積層フィルムを用いた包装袋として、一例としてガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール層を順次設けた包装材用積層材について説明する。
・・・
【0148】
ラミネート接着剤層
次に、積層材を構成するラミネート用接着剤層について説明する。ラミネート用接着剤層を構成する接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、2-エチルヘキシルエステル等のホモポリマー、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンーブタジェンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤、その他等の接着剤を使用することができる。
【0149】
上記の接着剤は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、さらに接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
・・・
【0151】
ヒートシール性樹脂層
次に、ヒートシール性樹脂層について説明する。ヒートシール性樹脂層を構成するヒートシール性樹脂としては、熱によって溶融し相互に融著し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレ、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフイン系樹脂、その他等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
【0152】
本発明においては、ラミネート用接着剤層の面に、上記の樹脂のフィルムないしシートをドライラミネートして、ヒ一トシール性樹脂層を形成することができる。
・・・
【0161】
本発明においては、ラミネート用接着剤層とヒートシール性樹脂層との間に、樹脂フィルムを狭持してもよい。このような中間層を設けることにより、強度や耐突き刺し性等が向上する。樹脂のフィルムとしては、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた強度を有し、耐突き刺し性等に優れ、その他、耐熱性、防湿性、耐ピンホール性、透明性、その他等に優れた樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
【0162】
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他の強靱な樹脂フィルムないしシートを使用することができる。
・・・
【0169】
本発明は、以上において説明したように、基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、次いで、該無機酸化物の蒸着膜の上にガスバリア性塗布膜を設けたガスバリア性積層体を用いて、種々のコーティング法もしくは印刷法、あるいは、ドライラミネート法、その他等の方法を用いて、プライマー剤層、印刷模様層、および、ラミネート用接着剤層を順次に設け、さらに、該ラミネート用接着剤層の上に、ヒートシール性樹脂層を設け、さらには上記のラミネート用接着剤層とヒートシール性樹脂層との間に、強度を有し、耐突き刺し性に優れた樹脂のフィルムを積層することにより、包装袋用の積層材を製造することができる。」
(オ)「【0170】
包装袋
上記の積層材を用いた包装袋について説明する。装用袋からなる袋状容器本体は、上記したガスバリア性積層フィルムからなる積層材を使用して、この積層材を二つ折にし、そのヒートシール性樹脂層の面を対向させて重ね合わせ、その端部をヒートシールして筒状の包装体を形成し、次いで底部をシールして内容物を充填し、さらに天部をシールすることにより、包装体を製造することができる。」
(カ)「【0174】実施例1
(1)厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロールに装着し、次いで、下記に示す条件で、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着面;コロナ処理面
導入ガス;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム1.0:3.0:3.0
(単位:slm)
真空チャンバー内の真空度;2~6×10-6mBar
蒸着チャンバー内の真空度;2~5×10-3mBar
冷却・電極ドラム供給電力;10kW
ライン速度;100m/min
【0175】
次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kw、酸素ガス:アルゴンガス=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-5Torrで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させたプラズマ処理面を形成した。
【0176】
(2)他方、下記表1に示す組成に従って、組成(a)のEVOH、イソプロピルアルコール、およびイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、予め調製した組成(b)のエチルシリケート40、イソプロピルアルコー、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌し、さらに予め調製した組成(c)のポリビニルアルコール水溶液、酢酸、イソプロピルアルコールおよびイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のバリア性塗布膜形成用組成物を得た。
【表1】
[図:0001432013000001.jpg]
【0177】
次に、上記の(1)で形成したプラズマ処理面に、上記で調製したガスバリア性塗布膜用組成物をグラビアロールコート法によりコーティングして、コーティング後、200℃の乾燥炉中を300m/分の速度で通過することにより、加熱処理を行い、厚さ0.4g/m2(乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、ガスバリア性積層フィルムを製造した。」
イ 引用文献4に記載された発明
(ア)引用文献4には、「ガスバリア性積層フィルム」(【請求項1】)を用いた、「ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けた包装用積層材」(【0145】)が記載されている。
(イ)この「ガスバリア性積層フィルム」は、「基材上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなる」(【請求項1】)ものである。
(ウ)「ガスバリア性積層フィルム」の「基材」については、「2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム、または、2軸延伸ポリオレフィン系樹脂フィルムからなる」(【請求項4】)とされるところ、実施例1には、そのうちの「2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム」である「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム」を基材とした実施例が記載されている。
(エ)また、「ヒートシール性樹脂層」は、「ガスバリア性塗布膜上にヒートシール性樹脂層が設けられてなる」(【請求項23】)ものであり、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等が例示(【0151】)されるように、「ヒートシール性樹脂層がポリオレフィン系樹脂からなる」(【請求項25】)ものである。
(オ)以上の記載から、引用文献4には、次の発明(以下「引用発明A」という。)が記載されている。
「ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けた包装用積層材であって、
ガスバリア性積層フィルムは、基材が2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからなり、基材上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられ、
ガスバリア性塗布膜上にヒートシール性樹脂層が設けられている、
ヒートシール性樹脂層がポリオレフィン系樹脂からなる、包装用積層材。」
(2)引用文献5について
ア 引用文献5には、次の事項が記載されている。
(ア)「【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記することがある。)は、機械的強度、化学的安定性、透明性等に優れ、かつ、安価であり、各種の繊維、シート、フィルム、容器等として世界中で最も多く使用されている合成樹脂素材のひとつである。
【0003】
ところで、PETは従来、石油から得られるナフサを接触改質、熱分解して得られるキシレン、エチレンを粗原料とし、キシレン→パラキシレン→テレフタル酸、およびエチレン→エチレンオキシド→エチレングリコールといった経路で得られたテレフタル酸(以下、TPAと略記することがある。)とエチレングリコール(以下、EGと略記することがある。)をエステル化反応後、重縮合反応させて製造されている。このように、従来のPETは、限りある貴重な化石資源である石油を原材料としたものである。さらに、従来のPETは、焼却廃棄された場合、本来化石資源中に封じ込められていた炭素が二酸化炭素となって空気中に放出されるため、新たに発生する二酸化炭素により温室効果が増長されることとなり、地球温暖化の一因となっている。
【0004】
これに対し、バイオマスの起源である植物は、太陽エネルギーと二酸化炭素および水から光合成により澱粉やセルロースなどの植物バイオマスを作ることができる。こういったバイオマスを出発原料として活用すれば石油資源の使用量を抑制することができ、例えばバイオマス由来の炭素をPETの原料として利用すれば、これが使用後焼却処理して炭酸ガスと水に分解されたとしても、それらは再び光合成によって植物に取り込まれることになり、究極のリサイクルシステムが構築できることになる。すなわち、バイオマス原料を用いた分、温室効果ガスである二酸化炭素の新たな増加を抑制できることになる。このことは最近「カーボンニュートラル」と称されているものであり、将来の望ましい姿であるとされている。
【0005】
現在、バイオマス由来の化学物質としては、トウモロコシ、サトウキビ、サツマイモなどから得られる澱粉や糖分を微生物で発酵させて得られたバイオマスエタノールが知られている。ポリエステル原料として使用可能なバイオマス由来物質としては、バイオマスエタノールを原料としたエチレングリコールやバイオマス由来の1,3-プロパンジオール・・・などがある。
【0006】
また、バイオマス由来物質を原料としてなるポリエステルは、化学構造的には従来の石油材料起源のポリエステルとなんら変わらないため、ポリエステルとしての優れた物性はそのまま維持されている。」
(イ)「【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、石油資源の枯渇を抑制し、地球温暖化の原因物質である大気中の二酸化炭素の増加を抑制する手段として、従来のような石油系由来の原料のみからなるPETに替えて、生物産生のバイオマス素材を原料としたPETを提供しようとするものである。」
(ウ)「【発明の効果】
【0010】
また、本発明のPETは、放射性炭素の測定によるところのバイオマス由来の炭素を10%以上含有したものであるため、PET素材としての石油資源の消費を削減できるものであり、また、焼却廃棄にあたっても大気中への二酸化炭素の純増を、抑制することができる。
【0011】
本発明のPETは、ポリマー物性としては従来の化石資源由来のPETに比べて何ら遜色を有するものではないため、繊維、不織布、シート、フィルムや成型物などの用途に使用することができ、自動車内装材用途においても好適に使用することができる。」
(エ)「【発明を実施するための最良の形態】
・・・
【0013】
本発明のPETとしては、放射性炭素(炭素14)測定によるところのバイオマス由来炭素を、ポリマー中の全炭素に対して10.0%以上含有していることが必要である。また、上限としては、25.0%以下であることが好ましく、より好ましくは24.0%以下であり、さらに好ましくは23.4%以下である。
【0014】
本発明のPETとしては、既述のとおり、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするものであるが、例えば、エチレンテレフタレートのみからなる場合、ポリマーを構成する炭素は、テレフタル酸モノマーで8原子、エチレングリコールモノマーで2原子存在し、テレフタル酸とエチレングリコールが1:1のモル比で反応したものとなる。ここで、テレフタル酸をバイオマス原料から誘導することは、現状では技術的な確立はなされていない。したがって、バイオマス由来のPETとしては、石油由来のテレフタル酸とバイオマス由来のエチレングリコールの組み合わせとなり、バイオマス由来のエチレングリコールのみを使用したPETでは、計算上バイオマス由来の炭素の含有割合は20.0%となる。また、上記エチレングリコールのうち、50モル%をバイオマス由来、残り50モル%を石油由来のエチレングリコールとした場合、得られるPET中のバイオマス由来炭素の含有割合は10%となる。或は、100%バイオマス由来のエチレングリコールからなるPETと100%化石資源由来からなるPETとのブレンド又は共重合体についても、バイオマス由来炭素の含有割合は10.0%となる。
・・・
【0016】
したがって、本発明のPETとしては、該バイオマス由来炭素の含有割合が10%未満である場合、得られるポリエステルとしては、石油資源の使用量削減や温室効果ガスの排出抑制の面では効果が乏しいものとなる。また、該含有割合が25.0%を超える場合については、共重合成分が過多となるため、本来のPETの物性が損なわれる虞があり、好ましくない。」
(オ)「【0023】
また、本発明のPETとしては、求められる物性を損なわない範囲で、酸化チタン粉末のようなダル化剤、蛍光増白剤、その他の染料、顔料、難燃化剤、紫外線吸収剤、吸湿剤、熱安定化剤、抗菌剤、防カビ剤、消臭剤などの配合剤を含んでいてもよい。」
(カ)「【0024】
次に、本発明のPETの加工法について説明する。
本発明のPETを用いて繊維を製造する場合、300℃近い高温で溶融したPETをノズル孔から押し出し、冷却した糸条を延伸し、必要に応じて切断し、あるいはそのまま巻き取って製品とする。シート、フィルムの場合も繊維製造に準じて、細長いノズル孔から溶融PETを押し出し、必要に応じて延伸して製品とする。
・・・
【0027】
本発明におけるバイオマス由来炭素を含むPETは、従来の石油由来のPETが使用されている、いずれの用途分野においても置き換えは可能であるが、近年、積極的にバイオマス由来の素材を採用しようとしている自動車内装材に適用することがより好ましい。」
イ PETが、エチレングリコールをジオール単位とし、テレフタル酸をジカルボン酸単位とする原料からなることは技術常識であることも踏まえると、引用文献5から、次の(ア)~(エ)の事項が把握される。
(ア)上記ア(ア)の「PETは従来、石油から得られるナフサを接触改質、熱分解して得られるキシレン、エチレンを粗原料とし、キシレン→パラキシレン→テレフタル酸、およびエチレン→エチレンオキシド→エチレングリコールといった経路で得られたテレフタル酸(以下、TPAと略記することがある。)とエチレングリコール(以下、EGと略記することがある。)をエステル化反応後、重縮合反応させて製造されている」(【0003】)との記載から、引用文献5に記載された「100%化石資源由来からなるPET」(【0014】)は、石油由来のエチレングリコールをジオール単位とし、石油由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とするものである。
(イ)上記ア(エ)より、引用文献5に記載された「バイオマス由来のPET」は、石油由来のテレフタル酸とバイオマス由来のエチレングリコールの組み合わせからなるものである。
(ウ)上記ア(エ)の「上記エチレングリコールのうち、50モル%をバイオマス由来、残り50モル%を石油由来のエチレングリコールとした場合、得られるPET中のバイオマス由来炭素の含有割合は10%となる。或は、100%バイオマス由来のエチレングリコールからなるPETと100%化石資源由来からなるPETとのブレンド又は共重合体についても、バイオマス由来炭素の含有割合は10.0%となる。」(【0014】)との記載から、「100%化石資源由来からなるPET」、すなわち、化石燃料由来のPETとバイオマス由来のPETはブレンドすることができるものである。
(エ)上記ア(カ)の「シート、フィルムの場合も繊維製造に準じて、細長いノズル孔から溶融PETを押し出し、必要に応じて延伸して製品とする。」(【0024】)との記載から、シートやフィルムに使用する場合は、細長いノズル孔から溶融PETを押し出し、延伸して製品とする。
ウ 上記ア、イを踏まえると、引用文献5には、次の事項(以下「引用文献5記載事項」という。)が記載されている。
「石油資源の枯渇を抑制し、地球温暖化の原因物質である大気中の二酸化炭素の増加を抑制する手段として、従来のような石油系由来の原料のみからなるPETに替えて、生物産生のバイオマス素材を原料としたPETを提供するもので、シート、フィルムに用いられるポリエチレンテレフタレートであって、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、石油由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とするバイオマス由来のPETと、石油由来のエチレングリコールをジオール単位とし、石油由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とする化石資源由来のPETをブレンドし、細長いノズル孔から溶融PETを押し出し、延伸して製品とすること。」
(3)引用文献7について
ア 引用文献7には、次の事項が記載されている。
(ア)ポリエステルフィルム
「1)概要
ポリエステルフィルムとして広く用いられているものは、不飽和ポリエステルではなく、熱可塑性ポリエステルである。
その代表的なものとしては、テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)であり、共重合成分としてイソフタル酸やポリブチレンテレフタル酸(PBT)などがある。・・・
・・・
ポリエチレンテレフタレート・フィルムの特性としては、優れた透明さと強靭さとが特筆される。フィルム・シートの強靭さと寸法安定性を出すためには、2軸延伸によって配向させた後、ヒートセットして作られる。・・・
・・・
ポリエチレンテレフタレートの耐ガスバリアー性をより一層改良するために、PVDCのコーティングをしたり、PEのラミネートをする方法で耐熱性の向上と、ヒートシール性の付与を行っている。」(480ページ14行~483ページ3行)
(イ)ナイロン
「ナイロンは化学的な構造から言えば、ポリアミド類という事になるが、DuPont社の商品名が余りに有名になりすぎたため、ナイロンは、一般名として使用されるようになった。」(484ページ最下行~485ページ1行)
「ナイロンフィルムの一般的特性は強い強度と耐薬品性、バリアー性が他のフィルムと比較して平均して優れている事が挙げられる。
フィルムとしての特性を更に詳しく述べると、多くのナイロンフィルムは2軸延伸されることによって、配向、結晶化度が上昇し、無延伸フィルムよりも強度、ガスバリアー性が向上する。
代表的な機械的特性として、引張り強さ、衝撃強さ、引裂き強さ、破裂強さ、突刺し強さなどの諸特性はプラスチックフィルム中でも最も強い分野に属する。」(486ページ17~23行)
(ウ)ラミネートフィルム
a 「1955年ポリエチレンのエクストクルージョンコーティングが包装材料の製造方法として日本でも実用化されるようになって以来、ラミネートフィルムは包装機械、およびその周辺設備の進歩と相まって、食品工業、医薬品工業、あるいは他の諸産業分野で、その各々の包装現場が要求する機能や作業性に応じる形で多様化しつつ、改良が積み重ねられ、発展してきた。高分子フィルムは気体や水や有機溶媒を比較的透過しやすく、包装材料として使用する場合には、その他にも要求される諸機能が多岐に渡るので、単体フィルムで満足されないことが多く、2つ以上の材料を組合わせて各材料の欠点を補いつつ優れた特性を保有する集成材、ラミネートフィルムとして適用されるのが一般である。」(490ページ下から4行~492ページ4行)
b 「ラミネートフィルムの構成
内容品の性状、包装作業、包装機械、包装体が実際にさらされる状況などいろいろな設計条件に応じ、ラミネートフィルムの各素材料の基本物性はもとより、複合後のいろいろな環境下での挙動、長期に渡る実用実績、衛生性、コストパフォーマンスなど考慮しつつ、ラミネートフィルムとしての集成構成や複合加工方法が決められる。ラミネートフィルムの一般的構成は最外層に弾性率が高く、寸法安定性のよい2軸延伸フィルムやセロファン、紙などが適用され、中間層には酸素バリアー性のよいポリ塩化ビニリデン共重合体のフィルムやコート層、エチレンビニルアルコール共重合体、アルミニウム箔、アルミニウムやシリカの真空蒸着層などが適用される。最内層はヒートシール性や超音波シール性のあるシーラント材である。このシール層に適用される材料は多種多様で、各種のオレフィンポリマー、オレフィン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエン、コポリエステル系など広範である。・・・
・・・ラミネートフィルムのシーラント層に適用するフィルムについても、低伸び率で加工に供することが複合構成の品質において重要で、低伸長下での加工が可能な品質を素材料フィルムの製造工程に求めることが多い。
ラミネートフィルムのシーラント層に組み込まれるポリマーは、主としてα-オレフィン、α-オレフィン相互の共重合体、エチレンと各種ビニルモノマーとの高圧条件下でのラジカル共重合体である。」(494ページ1行~495ページ4行)
(エ)ラミネートフィルムの構成例
493~494ページの「表1 ラミネートフィルムの主な用途と構成例」には、「PE:表7の各種ポリマーを含む、OV:両面PVDCコート延伸PVAフィルム、エバール:エチレンビニルアルコール共重合体、AL:アルミニウム箔」とし、ラミネートフィルムの構成例のうちPETフィルムを有するものとして、次のものが記載されている。
「PET/PE」、「PVDCコートPET/PE」、「PET/エバール/PE」、「PET/PE/CPP」、「PET/Al蒸着CPP」、「PET/Al/PE」、「PET/PE/Al/PE」、「PET/Al/HDPE」、「PET/Al/CPP」、「PET/ONylon/Al/CPP」
(オ)蒸着フィルム
「(7)食品包装用蒸着フィルムの使用法および具体例
・・・現在包装蒸着用に使用されているプラスチックフィルムの代表的なものは、ポリエステル(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(Ny)、ポリエチレン(PE)、ヒートシーラブル二軸延伸ポリプロピレン、Kコート二軸延伸ポリプロピレンである。他にはセロファン、紙などである。・・・
1)ポリエステル(PET)
ポリエステルフィルムは強靭で耐熱性に優れ、適度の滑り性と透明性を有し、可塑剤や安定剤を含まず、含水率は少ない蒸着適性の最も優れたフィルムである。表3、4、5からも明らかなように、蒸着フィルムは高い防湿性と酸素遮断性を示す。安定した蒸着適性と蒸着密度強度、高いバリアー性のため、菓子、お茶、粉末食品などに多く使用されている。
・・・
5)二軸延伸ナイロン(ONy)
蒸着ナイロンフィルムは、透明性、優れた機械的強度の面で包装材に最近用いられるようになってきた。用途としてはガス充填、保香性、耐ピンホール性の要求される内容物や包装形態の分野であるが、吸湿性があるため蒸着加工、構成については注意しなければならない。」(522ページ下から5行~525ページ5行)
(カ)蒸着フィルムの構成例(524ページの表6)
524ページの「表6 包装用蒸着フィルムの用途別使用例」には、「-AlはAl VMを示す」とし、包装用蒸着フィルムの「構成又は主材料」のうちPETフィルムを有するものとして、次のものが記載されている。なお、「VM」とは、「Vacuum Metallizing」の略であることが技術常識である。
「ONy/印刷/PET-Al/PE」、「印刷/PET-Al/CPP」、「PET/印刷/CPP-Al or LDPE-Al」、「PET/印刷/PET-Al/PE」、「OPP/印刷/PET-Al/PE」、「OPP/印刷/PET-Al」、「ONy/印刷/PET-Al/PE」、「クラフト/PE/PET-Al/PE」、「ONy/印刷/PET-Al/PE」、「OPP/印刷/PET-Al/PE or CPP」、「PE/PET-Al/PE」、「PET-Al/印刷/PE or CPP」、「PET/印刷/PET-Al/PE」、「PET/印刷/LDPE-Al or CPP-Al」、「PET-Al/PE」
イ 引用文献7に記載された発明
引用文献7には、テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムを用いたラミネートフィルムに関し、次の発明(以下「引用発明B」という。)が記載されている。
「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム。」
(4)周知技術等
ア 引用文献3について
引用文献3には、日本語に訳すと、次の事項が記載されている。
(ア)「[0001] 本明細書で使用する「PET」という用語は、PETフレーク、ペレット、再生PETを含む任意の形態のポリエチレンテレフタレート、そのコポリエステル、及びこれらの組合せを指す。・・・
・・・
[0003]PETは、一部にはその透明度、機械的及びガスバリア特性の優れた組合せによってパッケージング物品を製造するために広範に使用される原料組成物である。今日、大半の市場での方法は、石油化学由来の原材料でPETを製造している(以下、「石油由来のPET」と呼ぶ)。したがって、生産コストは石油価格に密接に関連する。石油由来PETは、その石油由来の炭素含有量の多さのために温室効果排出に寄与する。さらに、石油化学製品は数十万年の時を経て自然に生成されるため、石油由来製品は再生不能であり、これは、それらがその消費に見合った速度で再製造も、再産出も、再生成もできないということを意味する。
[0003]工業活動の環境への影響に関して規制がより厳格になり、石油資源がますます枯渇するにつれて、石油ベースPETへの代替案として役に立つバイオベースPETの需要が増している。バイオベースPETが石油ベースPETと同様の化学的及び/又は物理的特性並びに/若しくは化学的構造を有し、石油ベースPET用に現在設計されている技術及び設備を容易にバイオベースPETに適用できればさらに望ましいであろう。例えば、いくつかの適用例では、バイオベースPET製品が既存の石油ベースPET製品の製造設備によって加工でき、及び/又は石油ベースPET製品の再生用に設計されたシステムによって容易に再生可能であれば望ましいであろう。」
(イ)「[0012] また、本発明の実施形態は、a)少なくとも1つのバイオベース材料から少なくとも1つのバイオベースPET成分を形成するステップであって、少なくとも1つのPET成分がモノエチレングリコール(「MEG」)、テレフタル酸(「TA」)、及びこれらの組合せから選択されるステップと、b)上記バイオベースPET成分をバイオベースPETに加工するステップとを含む少なくとも1つのバイオベース材料からバイオベースPETを生成する方法を包含する。・・・」
(ウ)「[0036]・・・
・・・
バイオベースPET包装の再利用
[0037] バイオベースPET包装に製品を充填した後、販路その他の手段によってバイオベースPET包装を消費者へ配送することができる。製品が取り出され又は消費されると、使用されたバイオベースPET包装は再生サプライチェーンで収集される。再生サプライチェーンは、これらに限定されないが、組織化された一連の小型トラック、指定の収集場所を用いた建物内、イベント、及びその他の場所で公衆が利用可能な特別の容器、及び地方自治体の再生プログラムのうち1つ以上を含んでもよい。再生サプライチェーンに入ると、使用済みバイオベースPET包装はPETチップに加工される。本明細書で使用する「PETチップ」という用語は、使用済みバイオベースPET包装及び使用済み石油ベースPET包装を含む使用済みPET包装から主として作成されるチップ(又はペレットとも呼ばれる)及びフレークの形態のPET樹脂を指す。PETチップは、通常、新しいPET包装で使用するために最小限の洗浄と再溶融しか必要としない。
[0038] また、使用済みバイオベースPET包装は、加水分解、メタノリシス、解糖、アルコール分解、アミノ分解、及びこれらの組合せなどの化学的解重合方法によって再生MEG又は再生TAに加工できる。PETチップ、再生MEG、及び/又は再生TAをさらに加工して新しいバイオベースPET製品を形成できる。今日利用可能な工業再生活動の下で、既存の再生サプライチェーンは需要がある新しいPET製品のすべてを生成するのに十分な量の使用済みPET包装を回収していない。したがって、新しいバイオベースMEG及び新しいバイオベースTAの供給を繰り返し行って需要に応える必要がある。
[0039] 図3を参照すると、本発明の特定の実施形態は、a)PET処理センターによって使用済みバイオベースPET302aを加工して、PETチップ306、再生MEG308、再生TA310、及びこれらの組合せから選択した少なくとも1つの再生材料303を生成するステップを含む使用済みバイオベースPETパッケージング302aを再生する方法を包含する。あるいは、この方法は、少なくとも1つの再生材料303をPETチップ306、再生MEG308、及び再生TA310の各グループに分離するステップをさらに含む。一実施形態では、再生材料はPETチップ306であり、この方法はPETチップを成形工程に送るステップをさらに含む。あるいは、再生材料は、再生MEG308又は再生TA310であり、この方法は、任意選択として、再生MEG308を新しいバイオベースMEG312と混合して混合MEGを形成するステップと、再生TA310を新しいバイオベースTA313と混合して混合TAを形成するステップとを含む。より具体的には、この方法は、混合MEGと混合TAとを重合して新しいPETを形成するステップを含む。さらに具体的には、この方法は、特定の割合で再生MEGを新しいMEGと組み合わせるステップを含む。さらにより具体的には、この方法は、特定の割合で再生TAを新しいTAと組み合わせるステップを含む。あるいは、新しいPETをPETチップ306と混合してPET容器302bを生成してもよい。
[0040] したがって、持続可能なバイオベース包装は、新鮮なバイオベース材料から生成された新しいMEG及びTAと再生バイオベース材料から生成された再生MEG及びTAの両方を用いて生成することができる。」
イ 引用文献6について
引用文献6には、次の事項が記載されている。
「【0016】
(1)プラスチック基材層
本発明におけるプラスチック基材層を構成するプラスチックは、特に限定するものではなく、従来、包装材料に使用される各種のプラスチックを使用することができる。例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム;ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム;6,6-ナイロン等のポリアミドフィルム;ポリカーボネートフィルム;ポリアクリロニトリルフィルム;ポリイミドフィルム等が用いられる。
・・・
【0018】
なお、上記樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数10%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
【0019】
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を任意に使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することができる。」
ウ 特開2003-182745号公報(以下「引用文献8」という。)について
引用文献8には、次の事項が記載されている。
「【0013】底テープ(11)や表裏二枚の本体フィルム(12、13)としては、二軸延伸ナイロンフィルム(ONy)/線状低密度ポリエチレン(L-LDPE)、ONy/アルミニウム箔(Al)/L-LDPE、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)/Al/L-LDPE、PET/Al/ONy/L-LDPE等の一般的に公知の複合フィルムが使用できるが、ヒートシール適性、耐内容物性、開封性等を総合的に考慮して決定すれば良い。」
「【0022】
【実施例】以下実施例により本発明のスタンディングパウチをより詳細に説明する。
〈実施例1〉まず、本体フィルムおよび底テープとして、PET(12μm)/Al(7μm)/ONy(25μm)/L-LDPE(120μm)の層構成からなる複合フィルムを準備した。」
エ 特開2000-318752号公報(以下「引用文献9」という。)について
引用文献9には、次の事項が記載されている。
「【0015】包装袋に使用する合成樹脂フィルムとしては、二軸延伸ナイロンフィルム(ONy)/線状低密度ポリエチレン(L-LDPE)、ONy/アルミニウム箔(Al)/L-LDPE、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)/Al/L-LDPE、PET/Al/ONy/L-LDPE等の一般的に公知の複合フィルムが使用されるが、ヒートシール適性、耐内容物性、開封性等を総合的に勘案して決定すれば良い。」
「【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例をさらに具体的に説明する。
〈実施例1〉必要部分に印刷層を設けた厚さ12μmのPETの印刷層を設けた面に厚さ7μmのAlを2液反応型のポリエステル系接着剤を介してドライラミネートした。別に、厚さ15μmのONyと厚さ100μmのL-LDPEを2液反応型のポリエステル系接着剤を介してドライラミネートした。2つの複合フィルムのAl面とONy面を対向させ、2液反応型のポリエステル系接着剤を介してドライラミネートし、〔外面〕PET(12μm)(印刷層)/Al(7μm)/ONy(15μm)/L-LDPE(100μm)〔内面〕構成からなる合成樹脂フィルムを作製した。」
オ 引用文献3(上記ア(ウ))の記載から、次の事項は、本件特許の出願前に周知の技術(以下「周知技術1」という。)であると認められる。
「使用されたバイオベースポリエチレンテレフタレート包装は再生サプライチェーンで収集され、使用済み石油ベースPET包装と共にチップ(又はペレットとも呼ばれる)及びフレークの形態のPET樹脂に加工され、最小限の洗浄と再溶融の後、新しいPET包装に使用されること。」
カ 引用文献4(上記(1)ア(ウ)、特に、【0027】、【0028】)、引用文献5(上記(2)ア(オ))、及び引用文献6(上記イ)の記載から、次の事項は、本件特許の出願前に周知の技術(以下「周知技術2」という。)であると認められる。
「フィルムを構成する樹脂材料の性能を改良、改質するために、その目的に応じて添加剤を添加すること。」
キ 引用文献8(上記ウ)、引用文献9(上記エ)の記載から、次の事項は、本件特許の出願前に周知の技術(以下「周知技術3」という。)であると認められる。
「最外層のポリエチレンテレフタレートの層に続いて、アルミニウム箔、二軸延伸ナイロンフィルムの順に積層すること。」
2 取消理由1について
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と引用発明Aを対比する。
引用発明Aの「ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けた包装用積層材」は、その層構造からみて、本件発明1の「少なくとも2層を有する積層体」に相当する。
引用発明Aの「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」る「基材」と、本件発明1の「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Aの「ポリオレフィン系樹脂からなる」「ヒートシール性樹脂層」と、本件発明1の「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」「第2の層」とは、「樹脂材料からなる層」である限りで一致する。
以上のことから、本件発明1と引用発明Aとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点A]
「少なくとも2層を有する積層体であって、
2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層と、
樹脂材料からなる層を有する、積層体。」
[相違点A-1]
第1の層の樹脂組成物について、本件発明1は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Aは、「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」るものである点。
[相違点A-2]
「樹脂材料からなる層」について、本件発明1は「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」「第2の層」であるのに対し、引用発明Aは「ポリオレフィン系樹脂からなる」「ヒートシール性樹脂層」である点。
イ 判断
(ア)相違点A-1について
石油資源の枯渇を抑制し、地球温暖化の原因物質である大気中の二酸化炭素の増加を抑制することは、本件特許の出願時において、文献を示すまでもなく一般的な課題である。
その課題の解決のために、石油由来の原料からなるポリエチレンテレフタレートを減らして、生物由来のバイオマス素材を原料としたポリエチレンテレフタレートに置換することには動機付けがあり、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし石油由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とするバイオマス由来のポリエチレンテレフタレートと、石油由来のエチレングリコールをジオール単位とし石油由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とする化石燃料由来のポリエチレンテレフタレートをブレンドして、化石燃料由来の原料からなるポリエチレンテレフタレートの使用を減らす、上記引用文献5記載事項を採用することは、当業者が容易に想到することができたものである。
その際、ブレンドするバイオマス由来のポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)の割合は、適宜、設定し得るものであり、「90質量%以下」とする上限について、本件特許の明細書には、「90質量%」を境にして、当業者が予測し得ない格別顕著な効果又は異質な効果を奏する旨の記載も示唆もない。
したがって、引用発明A及び引用文献5記載事項に基づき、相違点A-1に係る本件発明1の構成とすることは当業者が容易に想到し得たことである。
(イ)相違点A-2について
本件特許の出願前、流通するポリオレフィン系樹脂材料の多くは、化石燃料由来の原料からなりバイオマス由来の原料を含まないものが一般的であったから、引用発明Aの「ポリオレフィン系樹脂からなる」「ヒートシール性樹脂層」を、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」ものとすることは、引用発明Aを具体化するにあたり、当業者が適宜なし得たことである。
(ウ)特許権者の主張について
a 特許権者は、令和5年7月24日の意見書において、以下の(a)~(c)の点を主張する。
(a)引用文献5において、従来の化石資源由来のPETに比べて遜色のない特性がフィルムとして得られるか否か検証されておらず、引用発明Aのような薄いフィルムに加工できることを認めるに足りる証拠がないため、引用文献5のバイオマスPETを引用発明Aの基材の樹脂として適用する動機付けは存在しない(意見書28~30ページ)。
(b)乙第3号証(特開2015-36206号公報、以下「乙3」という。他も同様。)には、「バイオマス由来のポリエステルを主成分として含む樹脂組成物を用いたバリア性フィルムでは、蒸着層を形成する際の蒸着方法によってガスバリア性能に著しい影響が生じることが分かった。」(【0007】)と、
乙4(特開2008-94884号公報)には、「バイオマス資源由来のジカルボン酸成分及び/又はジオール成分を原料として用いると、得られたポリエステルは耐加水分解性等の特性が悪く、保存時のポリマーの加水分解が顕著となり、成形加工が困難になるという問題がある知見を得た。」(【0007】)と、
乙5(特開2009-209145号公報)には、「得られるポリエステルチップの色調b値は石油原料から得られたエチレングリコールを使用して生産されるポリエステルチップの色調b値より高い。この原因はバイオ材料由来エチレングリコールがポリエステルの生産過程で、ある一部分の物質と加熱により有色物質を生成し易いためであると考えている。」(【0006】)と、
乙6(国際公開第2013/035559号)には、「バイオマス資源由来のエチレングリコールは純度が低いため、得られるポリマーの融点は低く、耐熱性に課題があった」(【0008】)と、
乙7(特開2014-19827号公報)には、バイオマス由来のポリエステルは「ポリマーの着色は、ボトル、フィルム、繊維などに加工した際の美観を損ねる原因となる。また、衣類を染色する際に、適切な発色が困難となる場合がある。」(【0009】)と、
乙8(特開2018-35338号公報)には、「バイオマスからの製造が困難であるか、又は、バイオマスからの製造は非常に高コストとなり、実用化の見込みがない」(【0003】)と記載されるように、バイオマス由来のポリエステルには、その色調、物性、成形加工性等において課題があり、引用文献5のバイオマス由来のポリエステルを引用発明Aに適用することには阻害要因が存在する(意見書30~36ページ)。
(c)第1層のポリエステルのみバイオマス由来の原料を用い、第2層については、敢えて化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない態様とするのか、その論理付けがなされておらず、相違点A-2の容易想到性を肯定し得ない(意見書36~37ページ)。
b 上記(a)の主張について
引用文献5には、「本発明のPETは、ポリマー物性としては従来の化石資源由来のPETに比べて何ら遜色を有するものではないため、繊維、不織布、シート、フィルムや成型物などの用途に使用することができ、自動車内装材用途においても好適に使用することができる。」(【0011】)と記載され、実施例1~3により、バイオマス由来のPETの重合性は良好で、短繊維化とボトル化の加工性についても良好であることが確認されている。化石資源由来のPETはシートやフィルムに成形することができ、「化石資源由来のPETに比べて何ら遜色を有するものではない」とされるバイオマス由来のPETも、同様にシートやフィルムに成形できるものと予測され、本件特許の出願時(原出願の出願時)において、バイオマス由来のPETがシートやフィルムに成形できないとする技術常識もない。
よって、引用発明Aの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを設けた包装用積層材において、石油資源の枯渇を抑制し、地球温暖化の原因物質である大気中の二酸化炭素の増加を抑制するという本件特許の出願時の一般的な課題の解決にあたり、バイオマス由来のポリエチレンテレフタレートのシートやフィルムへの成形について記載される引用文献5を適用する動機付けがあり、特許権者の上記(a)の主張は採用できない。
c 上記(b)の主張について
上述のように、石油資源の枯渇を抑制し、地球温暖化の原因物質である大気中の二酸化炭素の増加を抑制することが、本件特許の出願時の一般的な課題であったところ、その課題を解決しようとするにあたり、バイオマス由来の成分を用いることによって引用発明Aの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの性能が、一定程度損なわれることがあるとしても、当業者としては、これを補うために各成分の配合量の調整等を試みることが通常であるといえることからすれば、引用発明Aの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの原料を、バイオマス由来のものに置き換えようとすることが阻害されることはないといえるから、特許権者の上記(b)の主張は採用できない。
d 上記(c)の主張について
上述のように、引用発明Aの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを設けた包装用積層材において、本件特許の出願時の一般的な課題の解決にあたり、バイオマス由来のポリエチレンテレフタレートのシートやフィルムへの成形について記載される引用文献5を適用する動機付けは十分に認められるものであるところ、引用発明Aの包装用積層材のいずれかの層をバイオマス由来とすることで、化石燃料由来の原料を減らすことができることを踏まえると、包装用積層材の一部の層を、従来のまま、化石燃料由来の原料のみからとすることは、当業者が容易になし得た設計事項であるといえるから、特許権者の上記(c)の主張は採用できない。
(エ)本件発明1が奏する効果について
本件発明1の奏する作用効果は、引用発明A及び引用文献5記載事項の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明1は、引用発明A及び引用文献5記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(2)本件発明2について
本件発明2と引用発明Aを対比すると、両者は、一致点Aで一致し、相違点A-1、相違点A-2に加え、次の相違点で相違する。
[相違点A-3]
本件発明2は「前記樹脂組成物が、ジオール単位が化石燃料由来のジオールまたはバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルのリサイクルポリエステルをさらに含んでなる」ものであるのに対し、引用発明Aはその点不明である点。
相違点A-1、相違点A-2については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)で述べたとおりである。
相違点A-3について検討する。
本件特許の出願前、ポリエステルを含む樹脂製品のリサイクルは、当業者のみならず広く一般に周知の社会的取り組みであるから、引用発明Aを具体化するにあたり、上記周知技術1を適用し、相違点A-3に係る本件発明2の構成とすることは当業者が容易に想到し得たことである。
そして、本件発明2の奏する作用効果は、引用発明A、引用文献5記載事項及び周知技術1の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
したがって、本件発明2は、引用発明A、引用文献5記載事項及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(3)本件発明3について
本件発明3と引用発明Aを対比すると、両者は、一致点Aで一致し、相違点A-1~相違点A-3に加え、次の相違点で相違する。
[相違点A-4]
本件発明3は「前記リサイクルポリエステルを、樹脂組成物全体に対して5~45質量%含んでなる」ものであるのに対し、引用発明Aはその点不明である点。
相違点A-1~相違点A-3については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)で述べたとおりである。
相違点A-4について検討する。
リサイクルポリエステルを含有させるにあたり、その使用量は設計事項であるから、相違点A-4に係る本件発明3の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。
そして、本件発明3の「5~45質量%」という範囲について、本件特許の明細書には、「5~45質量%」の上下限を境にして、当業者が予測し得ない格別顕著な効果又は異質な効果が奏する旨の記載も示唆もないから、その臨界的意義を認めることはできない。
そして、本件発明3の奏する作用効果は、引用発明A、引用文献5記載事項及び周知技術1の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
したがって、本件発明3は、引用発明A、引用文献5記載事項及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4)本件発明4について
本件発明4と引用発明Aを対比すると、両者は、一致点Aで一致し、相違点A-1~相違点A-4に加え、次の相違点で相違する。
[相違点A-5]
本件発明4は「前記樹脂組成物が添加剤をさらに含んでなる」ものであるのに対し、引用発明Aはその点不明である点。
相違点A-1~相違点A-4については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)、(3)で述べたとおりである。
相違点A-5について検討する。
引用文献4には、「フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ」(【0027】)ると記載されており、フィルムを構成する樹脂材料を改良するために、目的に応じた添加剤を添加することは引用発明Aを具体化する際、当業者が設計上適宜なし得たことである。
そして、本件発明4の奏する作用効果は、引用発明A、引用文献5記載事項、引用文献4の記載事項及び周知技術1の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
したがって、本件発明4は、引用発明A、引用文献5記載事項、引用文献4の記載事項及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(5)本件発明5について
本件発明5と引用発明Aを対比すると、両者は、一致点Aで一致し、相違点A-1~相違点A-5に加え、次の相違点で相違する。
[相違点A-6]
本件発明5は「前記添加剤を、樹脂組成物全体に対して5~50質量%含んでなる」ものであるのに対し、引用発明Aはその点不明である点。
相違点A-1~相違点A-5については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)~(4)で述べたとおりである。
相違点A-6について検討する。
引用文献4には、「添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。」(【0027】)と記載されるように、添加剤を含有させるにあたり、その使用量は設計事項であるから、相違点A-6に係る本件発明5の構成とすることは、引用発明Aを具体化する際、当業者が適宜なし得たことである。
また、本件発明5の「5~50質量%」という範囲について、本件特許の明細書には、「5~50質量%」の上下限を境にして、当業者が予測し得ない格別顕著な効果又は異質な効果が奏する旨の記載も示唆もないから、その臨界的意義を認めることはできない。
そして、本件発明5の奏する作用効果は、引用発明A、引用文献5記載事項、引用文献4の記載事項及び周知技術1の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
したがって、本件発明5は、引用発明A、引用文献5記載事項、引用文献4の記載事項及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(6)本件発明6について
本件発明6と引用発明Aを対比すると、両者は、一致点Aで一致し、相違点A-1~相違点A-6に加え、次の相違点で相違する。
[相違点A-7]
本件発明6は「前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上である」ものであるのに対し、引用発明Aはその点不明である点。
相違点A-1~相違点A-6については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)~(5)で述べたとおりである。
相違点A-7について検討する。
引用文献4には、添加剤として「滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料」(【0028】)が例示されており、引用発明Aにおいて、相違点A-7に係る本件発明6の構成とすることは、引用発明Aを具体化する際、当業者が適宜なし得たことである。
そして、本件発明6の奏する作用効果は、引用発明A、引用文献5記載事項、引用文献4の記載事項及び周知技術1の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
したがって、本件発明6は、引用発明A、引用文献5記載事項、引用文献4の記載事項及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(7)本件発明7について
本件発明7と引用発明Aを対比すると、引用発明Aの「無機酸化物の蒸着膜」は、本件発明7の「無機物または無機酸化物からなる第3の層」に相当する。
そうすると、本件発明7と引用発明Aとは、一致点A及び「無機物または無機酸化物からなる第3の層」を有する点で一致し、相違点A-1~相違点A-7で相違する。
相違点A-1~相違点A-7については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)~(6)で述べたとおりである。
したがって、本件発明7は、引用発明A、引用文献5記載事項、引用文献4の記載事項及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(8)本件発明8について
本件発明8と引用発明Aを対比する。
引用発明Aの「包装用積層材」は、ガスバリア性積層フィルムに、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けたもので、フィルム状の形態であることが明らかであるから、本件発明8の「少なくとも2層を有する積層体」を備える「積層フィルム」に相当する。
そうすると、本件発明8と引用発明Aとは、一致点A及び「無機物または無機酸化物からなる第3の層」を有する点で一致し、相違点A-1~相違点A-7で相違する。
相違点A-1~相違点A-7については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)~(6)で述べたとおりである。
したがって、本件発明8は、引用発明A、引用文献5記載事項、引用文献4の記載事項及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(9)本件発明9について
本件発明9と引用発明Aを対比すると、両者は、一致点A及び「無機物または無機酸化物からなる第3の層」を有する点で一致し、相違点A-1~相違点A-7に加え、次の相違点で相違する。
[相違点A-8]
「少なくとも2層を有する積層体」について、本件発明9は「包装用袋」であるのに対し、引用発明Aはそのような特定がなされていない点。
相違点A-1~相違点A-7については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)~(6)で述べたとおりである。
相違点A-8について検討すると、引用発明Aの「包装用積層材」を「包装用袋」に用いることは当業者が容易になし得たことである。
したがって、本件発明9は、引用発明A、引用文献5記載事項、引用文献4の記載事項及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(10)本件発明13、14について
本件発明13、14は、引用発明Aと、それぞれ、一致点A及び「無機物または無機酸化物からなる第3の層」を有する点で一致し、相違点A-1~相違点A-7で相違する。
相違点A-1~相違点A-7については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)~(6)で述べたとおりである。
また、本件発明13、14と引用発明Aとは、引用発明Aの「包装用積層材」が、「ラミネートチューブ」又は「包装製品」に用いることが特定されていないことで相違する。
しかし、これらは包装材料の用途として本件特許に係る出願前に周知の用途であり、当業者が適宜なし得たことである。
したがって、本件発明13、14は、引用発明A、引用文献5記載事項、引用文献4の記載事項及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(11)本件発明17について
ア 対比
本件発明17と引用発明Aを対比する。
引用発明Aの「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」る「基材」と、本件発明17の「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Aの「無機酸化物の蒸着膜」は、本件発明17の「無機物または無機酸化物からなる」「第3の層」に相当する。
引用発明Aの「ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けた包装用積層材」と、本件発明17の「少なくとも3層を有し、第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体」は、「積層体」という限りで一致する。
以上のことから、本件発明17と引用発明Aとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点A17]
「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層と、
無機物または無機酸化物からなる第3の層を有する、積層体。」
[相違点A17-1]
第1の層の樹脂組成物について、本件発明17は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Aは、「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」るものである点。
[相違点A17-2]
本件発明17は、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層であ」る「第2の層」を含むのに対し、引用発明Aは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点A17-3]
「積層体」について、本件発明17は「少なくとも3層を有し、第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体」であるのに対し、引用発明Aは「ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けた包装用積層材」である点。
イ 判断
(ア)相違点A17-1について
相違点A17-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点A-1についての判断と同様である。
(イ)相違点A17-2について
引用発明Aの「ラミネート接着剤層」と「ヒートシール性樹脂層」を備える「包装用積層材」について、引用発明Aが記載される引用文献4には、「ラミネート用接着剤層とヒートシール性樹脂層との間に、樹脂フィルムを狭持してもよい。このような中間層を設けることにより、強度や耐突き刺し性等が向上する。樹脂のフィルムとしては、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた強度を有し、耐突き刺し性等に優れ、その他、耐熱性、防湿性、耐ピンホール性、透明性、その他等に優れた樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。」(【0161】)と記載され、「上記のラミネート用接着剤層とヒートシール性樹脂層との間に、強度を有し、耐突き刺し性に優れた樹脂のフィルムを積層することにより、包装袋用の積層材を製造することができる。」(【0169】)と記載されるように、ラミネート接着剤層とヒートシール性樹脂層の間に、耐突き刺し性を向上させるために機能する中間層を設けることが記載されている。この中間層の樹脂として、同じく【0162】には「ポリアミド系樹脂」が例示されている。
引用発明Aにおける「ラミネート接着剤層」と「ヒートシール性樹脂層」の間の中間層の材料として何を用いるかは、要求される機能に応じて当業者が適宜選択するものであるところ、突き刺し強さ等の機械的特性に優れることが知られる(引用文献7(上記1(3)ア(イ)))、「ポリアミド系樹脂」である「ナイロン樹脂」を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。
(ウ)相違点A17-3について
本件発明17の「第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体」は、第1の層としてポリエステルの2軸延伸樹脂フィルム、第3の層として無機物または無機酸化物からなる層、第2の層としてナイロン樹脂からなる樹脂層の順に含むものである。
一方、引用発明Aの包装用積層材は「ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けた」もので、「ガスバリア性塗布膜上に、ヒートシール性樹脂層が設けられている」から、基材としての2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、無機酸化物の蒸着膜、ガスバリア性塗布膜、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層の順に積層されたものである。さらに、上記(イ)で述べたように、「ポリアミド系樹脂」の中間層を「ラミネート用接着剤層とヒートシール性樹脂層との間に」狭持してもよいとされており、この場合、基材としての2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(本件発明17の「第1の層」)、無機酸化物の蒸着膜(本件発明17の「第3の層」)、中間層としてのポリアミド系樹脂(ナイロン)の層(本件発明17の「第2の層」)の順の3層を含むこととなる。
よって、相違点A17-3に係る本件発明17の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。
(エ)本件発明17が奏する効果について
本件発明17の奏する作用効果は、引用発明A、引用文献5記載事項及び引用文献4の記載事項の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明17は、引用発明A、引用文献5記載事項及び引用文献4の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(12)本件発明20について
ア 対比
本件発明20と引用発明Aを対比する。
引用発明Aの「ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けた包装用積層材」は、少なくとも2層を有し、ガスバリア性積層フィルムに、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けたもので、フィルム状の形態であることが明らかであるから、本件発明20の「少なくとも2層を有する積層体を備える積層フィルム」に相当する。
引用発明Aの「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」る「基材」と、本件発明20の「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Aの「ポリオレフィン系樹脂からなる」「ヒートシール性樹脂層」と、本件発明20の「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層」である「第2の層」とは、「樹脂材料からなる層」である限りで一致する。
以上のことから、本件発明20と引用発明Aとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点A20]
「少なくとも2層を有する積層体を備える積層フィルムであって、
2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層と、
樹脂材料からなる層を有する積層体を備える、積層フィルム。」
[相違点A20-1]
第1の層の樹脂組成物について、本件発明20は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Aは、「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」るものである点。
[相違点A20-2]
「樹脂材料からなる層」について、本件発明20は「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層である」「第2の層」であるのに対し、引用発明Aは「ポリオレフィン系樹脂からなる」「ヒートシール性樹脂層」であって、樹脂が特定されていない点。
イ 判断
(ア)相違点A20-1について
相違点A20-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点A-1についての判断と同様である。
(イ)相違点A20-2について
引用文献4の【0151】に、「ヒートシール性樹脂層」を構成するポリオレフィン系の樹脂として「ポリプロピレン」が例示されるように、「ポリプロピレン」はヒートシール性樹脂層に広く用いられる樹脂である。また、本件特許の出願前、流通するポリプロピレンは、化石燃料由来の原料からなりバイオマス由来の原料を含まないものが一般的であったから、引用発明Aの「ポリオレフィン系樹脂からなる」「ヒートシール性樹脂層」を、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」、「ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層」とすることは、引用発明Aを具体化するにあたり、当業者が適宜なし得たことである。
(ウ)本件発明20が奏する効果について
本件発明20の奏する作用効果は、引用発明A、引用文献5記載事項及び引用文献4の記載事項の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明20は、引用発明A、引用文献5記載事項及び引用文献4の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(13)本件発明21について
ア 対比
本件発明21と引用発明Aを対比する。
引用発明Aの「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」る「基材」と、本件発明21の「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Aの「ラミネート接着剤層」は本件発明21の「接着層」に相当する。
引用発明Aの「ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けた包装用積層材」は、ガスバリア性積層フィルムに、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けたもので、フィルム状の形態であることが明らかである。
また、引用発明Aの「ガスバリア性積層フィルム」は、「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」る「基材」を有するところ、上記のとおり、引用発明Aの「基材」は、本件発明21の「第1の層」に相当するものである。
そうすると、引用発明Aの「(「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」る「基材」を有する)ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けた包装用積層材」と、本件発明21の「少なくとも3層を有し、第1の層、接着層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体を備える積層フィルム」とは、「第1の層と接着層を含む積層体を備える積層フィルム」の限りで一致する。
以上のことから、本件発明21と引用発明Aの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点A21]
「第1の層と接着層を含む積層体を備える積層フィルムであって、
2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層を有する積層体を備える、積層フィルム。」
[相違点A21-1]
第1の層の樹脂組成物について、本件発明21は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Aは、「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」るものである点。
[相違点A21-2]
本件発明21は「樹脂組成物」が「添加剤をさらに含んでな」るのに対し、引用発明Aはその点不明である点。
[相違点A21-3]
本件発明21は、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層である」「第2の層」を含むのに対し、引用発明Aは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点A21-4]
「第1の層と接着層を含む積層体を備える積層フィルム」について、本件発明21が「少なくとも3層を有し、第1の層、接着層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体を備える積層フィルム」であるのに対し、引用発明Aは「ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けた包装用積層材」である点。
イ 判断
(ア)相違点A21-1について
相違点A21-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点A-1についての判断と同様である。
(イ)相違点A21-2について
相違点A21-2についての判断は、上記(4)で述べた相違点A-5についての判断と同様である。
(ウ)相違点A21-3について
相違点A21-3についての判断は、上記(11)イ(イ)で述べた相違点A17-2についての判断と同様である。
(エ)相違点A21-4について
本件発明21の「第1の層、接着層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体」は、第1の層としてポリエステルの2軸延伸樹脂フィルム、接着層、第2の層としてナイロン樹脂からなる樹脂層の順に含むものである。
一方、引用発明Aの包装用積層材は「ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けた」もので、「ガスバリア性積層フィルム」は基材としての2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを含み、さらに、上記(11)イ(イ)及び上記(ウ)で述べたように、「ポリアミド系樹脂」の中間層を「ラミネート用接着剤層とヒートシール性樹脂層との間に、樹脂フィルムを狭持してもよい」とされ、これは、包装用積層材が、基材(本件発明21の「第1の層」)としての2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ラミネート接着剤層(本件発明21の「接着層」)、中間層としてのポリアミド系樹脂(ナイロン)の層(本件発明21の「第2の層」)の順に3層を含むことを意味する。
よって、相違点A21-4に係る本件発明21の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。
(オ)本件発明21が奏する効果について
本件発明21の奏する作用効果は、引用発明A、引用文献5記載事項及び引用文献4の記載事項の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明21は、引用発明A、引用文献5記載事項及び引用文献4の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(14)本件発明23について
ア 対比
本件発明23と引用発明Aを対比する。
引用発明Aの「ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けた包装用積層材」は、少なくとも3層を有し、ガスバリア性積層フィルムに、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けたもので、フィルム状の形態であることが明らかであるから、本件発明23の「少なくとも3層を有する積層体を備える積層フィルム」に相当する。
引用発明Aの「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」る「基材」と、本件発明23の「2軸延伸樹脂フィルムからなり」、「前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Aの「ポリオレフィン樹脂からなる」「ヒートシール性樹脂層」と、本件発明23の「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層」である「第2の層」とは、「樹脂材料からなる層」である限りで一致する。
引用発明Aの「無機酸化物の蒸着膜」は、本件発明23の「無機物または無機酸化物からなる」「第3の層」に相当する。
以上のことから、本件発明21と引用発明Aの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点A23]
「少なくとも3層を有する積層体を備える積層フィルムであって、
2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層と、
樹脂材料からなる層と、
無機物または無機酸化物からなる第3の層を有する積層体を備える、積層フィルム。」
[相違点A23-1]
第1の層の樹脂組成物について、本件発明23は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Aは、「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」るものである点。
[相違点A23-2]
本件発明23の「2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有」するのに対し、引用発明Aの「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」る「基材」の厚みは特定されていない点。
[相違点A23-3]
「樹脂材料からなる層」について、本件発明23は、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層であ」る「第2の層」であるのに対し、引用発明Aは「ポリオレフィン樹脂からなる」「ヒートシール性樹脂層」であって、樹脂が特定されていない点。
イ 判断
(ア)相違点A23-1について
相違点A23-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点A-1についての判断と同様である。
(イ)相違点A23-2について
引用文献4の【0026】には、引用発明Aの「基材」の厚みに関して、「6~200μm程度、より好ましくは、9~100μm程度が好ましい。」と記載されており、実施例1~11においては、「厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム」が使用されている。
引用発明Aの「基材」の厚みをどの程度とするかは当業者が適宜決め得る事項であり、相違点A23-2で特定される程度とすることに格別の困難性はない。
(ウ)相違点A23-3について
相違点A23-3についての判断は、上記(12)イ(イ)で述べた相違点A20-2についての判断と同様である。
(エ)本件発明23が奏する効果について
本件発明23の奏する作用効果は、引用発明A、引用文献5記載事項及び引用文献4の記載事項の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明23は、引用発明A、引用文献5記載事項及び引用文献4の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(15)本件発明27について
ア 対比
本件発明27と引用発明Aを対比する。
引用発明Aの「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」る「基材」と、本件発明27の「2軸延伸樹脂フィルムからなり」、「前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Aの「ポリオレフィン樹脂からなる」「ヒートシール性樹脂層」と、本件発明27の「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層」である「第2の層」とは、「樹脂材料からなる層」である限りで一致する。
引用発明Aの「ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けた包装用積層材」は、少なくとも2層を有するから、本件発明27の「少なくとも2層を有する積層体を備える包装製品」と、「少なくとも2層を有する積層体を備えるもの」という限りで一致する。
以上のことから、本件発明27と引用発明Aの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点A27]
「少なくとも2層を有する積層体を備えるものであって、
2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層と、
樹脂材料からなる層を有する、積層体を備えるもの。」
[相違点A27-1]
第1の層の樹脂組成物について、本件発明27は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Aは、「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」るものである点。
[相違点A27-2]
本件発明27の「前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有」するのに対して、引用発明Aの「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」る「基材」の厚みは特定されていない点。
[相違点A27-3]
本件発明27は「樹脂組成物」が「添加剤をさらに含んでなり、前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上であ」るのに対し、引用発明Aはその点不明である点。
[相違点A27-4]
「樹脂材料からなる層」について、本件発明27は「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層である」「第2の層」であるのに対し、引用発明Aは「ポリオレフィン樹脂からなる」「ヒートシール性樹脂層」であって、樹脂が特定されていない点。
[相違点A27-5]
「少なくとも2層を有する積層体を備えるもの」について、本件発明27は「包装製品」であるのに対して、引用発明Aはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
(ア)相違点A27-1について
相違点A27-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点A-1についての判断と同様である。
(イ)相違点A27-2について
相違点A27-2についての判断は、上記(14)イ(イ)で述べた相違点A23-2についての判断と同様である。
(ウ)相違点A27-3について
相違点A27-3についての判断は、上記(4)、(6)で述べた相違点A-5、相違点A―7についての判断と同様である。
(エ)相違点A27-4について
相違点A27-4についての判断は、上記(12)イ(イ)で述べた相違点A20-2についての判断と同様である。
(オ)相違点A27-5について
包装材料の用途として、包装製品に用いることは本件特許に係る出願前に周知の用途であり、引用発明Aの「包装用積層材」を包装製品に用いることは、当業者が適宜なし得たことである。
(カ)本件発明27が奏する効果について
本件発明27の奏する作用効果は、引用発明A、引用文献5記載事項及び引用文献4の記載事項の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明27は、引用発明A、引用文献5記載事項及び引用文献4の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(16)本件発明28について
ア 対比
本件発明28と引用発明Aを対比する。
引用発明Aの「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」る「基材」と、本件発明28の「2軸延伸樹脂フィルムからなり」、「前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Aの「無機酸化物の蒸着膜」は、本件発明28の「無機物または無機酸化物からなる」「第3の層」に相当する。
引用発明Aの「ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次設けた包装用積層材」と、本件発明28の第1の層ないし第3の層の「少なくとも3層を有する積層体を備える包装製品」は、「積層体を備えるもの」という限りで一致する。
以上のことから、本件発明28と引用発明Aの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点A28]
「積層体を備えるものであって、
2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層と、
無機物または無機酸化物からなる第3の層を有する、積層体を備えるもの。」
[相違点A28-1]
第1の層の樹脂組成物について、本件発明28は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Aは、「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」るものである点。
[相違点A28-2]
本件発明28の「前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有」するのに対して、引用発明Aの「2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからな」る「基材」の厚みは特定されていない点。
[相違点A28-3]
本件発明28は、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層であ」る「第2の層」を有するのに対し、引用発明Aは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点A28-4]
「積層体を備えるもの」について、本件発明28が、第1の層ないし第3の層の「少なくとも3層を有する積層体を備える」のに対し、引用発明Aは、そのような特定がなされていない点。
[相違点A28-5]
「積層体を備えるもの」について、本件発明28は「包装製品」であるのに対して、引用発明Aはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
(ア)相違点A28-1について
相違点A28-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点A-1についての判断と同様である。
(イ)相違点A28-2について
相違点A28-2についての判断は、上記(14)イ(イ)で述べた相違点A23-2についての判断と同様である。
(ウ)相違点A28-3について
相違点A28-3についての判断は、上記(11)イ(イ)で述べた相違点A17-2についての判断と同様である。
(エ)相違点A28-4について
引用発明Aの包装用積層材において、上記(ウ)のとおりナイロンフィルム(本件発明28の「第2の層」)を加えることにより、相違点A28-4に係る本件発明28の構成とすることは当業者が容易に想到し得たものである。
(オ)相違点A28-5について
相違点A28-4についての判断は、上記(15)イ(オ)で述べた相違点A27-5についての判断と同様である。
(カ)本件発明28が奏する効果について
本件発明28の奏する作用効果は、引用発明A、引用文献5記載事項及び引用文献4の記載事項の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明28は、引用発明A、引用文献5記載事項及び引用文献4の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
3 取消理由2について
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と引用発明Bを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明1の「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「PE」の層と、本件発明1の「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」「第2の層」とは、「樹脂材料からなる層」である限りで一致する。
引用発明Bの「ラミネートフィルム」は、「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した」ものであるから、少なくとも2層を有し、本件発明1の「少なくとも2層を有する積層体」に相当する。
以上のことから、本件発明1と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B]
「少なくとも2層を有する積層体であって、
樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層と、
樹脂材料からなる層を有する、積層体。」
[相違点B-1]
第1の層について、本件発明1は、「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Bは、「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B-2]
「樹脂材料からなる層」について、本件発明1は「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」「第2の層」であるのに対し、引用発明Bは「PE」の層である点。
イ 判断
(ア)相違点B-1について
引用文献7(上記1(3)ア(ア))には、フィルム・シートの強靭さと寸法安定性を出すために、ポリエチレンテレフタレート・フィルムを2軸延伸によって配向させた後、ヒートセットすることが記載されている。そうすると、引用発明Bにおけるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムについて、基材として強靭さと寸法安定性を得るために2軸延伸したものを用いることに格別の困難性はない。
このポリエチレンテレフタレート(PET)は、化石燃料由来の原料から製造されるのが通常であるところ、石油資源の枯渇を抑制し、地球温暖化の原因物質である大気中の二酸化炭素の増加を抑制することは一般的な課題であり、引用発明Bの「ポリエチレンテレフタレート・フィルム」の材料として、化石燃料由来の原料からなるポリエチレンテレフタレート、すなわち、バイオマス由来のポリエステルに代替する動機付けがある。
そのため、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし石油由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とするポリエチレンテレフタレートと、石油由来のエチレングリコールをジオール単位とし石油由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とする化石燃料由来のポリエチレンテレフタレートをブレンドし溶融させ、延伸してフィルムとする、上記引用文献5記載事項を参照して、引用発明Bのポリエチレンテレフタレート・フィルムの樹脂材料とすることは、当業者が容易に想到することができたものである。
その際、ブレンドするバイオマス由来のポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)の割合は、適宜、設定し得るものであり、「90質量%以下」とする上限について、本件特許の明細書には、「90質量%」を境にして、当業者が予測し得ない格別顕著な効果又は異質な効果を奏する旨の記載も示唆もない。
したがって、引用発明B、引用文献5記載事項及び引用文献7の記載事項に基づき、相違点B-1に係る本件発明1の構成とすることは当業者が容易に想到し得たことである。
(イ)相違点B-2について
本件特許の出願前、流通する樹脂材料は、化石燃料由来の原料からなりバイオマス由来の原料を含まないものが一般的であったから、引用発明Bの「PE」、すなわちポリエチレンを、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」ものとすることは、引用発明Aを具体化するにあたり、当業者が適宜なし得たことである。
(ウ)特許権者の主張について
a 特許権者は、令和5年7月24日の意見書において、以下の(a)、(b)の点を主張する。
(a)本件発明1は、引用発明Bとは、2軸延伸であることと、バイオマス由来であることで相違し、2軸延伸樹脂フィルムからなる構成を克服して初めて、バイオマス由来に係る構成が問題になるという直列の関係にあり、かかる相違点は、いわゆる「容易の容易」の関係にあり、これらの複数の段階を経て本件発明1に想到するのは当業者といえども容易ではない(意見書41~52ページ)。
(b)乙3~乙6及び乙8に記載されるように、バイオマス由来のポリエステルには、その色調、物性、成形加工性等において課題があり、引用文献5のバイオマス由来のポリエステルを引用発明Bに適用することには阻害要因が存在する(意見書53~56ページ)。
b 上記主張(a)について
2軸延伸であることと、バイオマス由来であることとは、2軸延伸であるもののバイオマス由来ではないものや、2軸延伸ではないもののバイオマス由来であるものというように、いづれか一方のみでも成立し得ることは明らかであり、また、本件明細書からも、2軸延伸であってかつバイオマス由来であることによる相乗効果を読み取ることはできないから、両者は、互い独立した態様であるといえる。したがって、両者は、特許権者が主張するような「直列の関係」にあるものではなく、特許権者の上記(a)の主張は当を得ないものである。
加えて、引用文献5には、バイオマス由来の原料を含むポリエチレンテレフタレートを延伸してフィルムにできることが記載されており、この引用文献5記載事項を参照すれば、相違点B-1に係る本件発明1の構成とすることは当業者が容易に想到し得るものであるから、この点からみても、特許権者の上記(a)の主張は採用できない。
c 上記主張(b)について
上記2(1)イ(ウ)cで述べたように、石油資源の枯渇を抑制し、地球温暖化の原因物質である大気中の二酸化炭素の増加を抑制することが、本件特許の出願時の一般的な課題であったところ、その課題を解決しようとするにあたり、バイオマス由来の成分を用いることによって引用発明Aの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの性能が、一定程度損なわれることがあるとしても、当業者としては、これを補うために各成分の配合量の調整等を試みることが通常であるといえることからすれば、引用発明Bのポリエチレンテレフタレート・フィルムの原料を、バイオマス由来のものに置き換えようとすることが阻害されることはないといえるから、特許権者の上記(b)の主張は採用できない。
(エ)本件発明1が奏する効果について
本件発明1の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項及び引用文献7の記載事項の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
本件発明1は、引用発明B、引用文献5記載事項及び引用文献7の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(2)本件発明2について
本件発明2と引用発明Bを対比すると、両者は、一致点Bで一致し、相違点B-1、相違点B-2に加え、次の相違点で相違する。
[相違点B-3]
本件発明2は「前記樹脂組成物が、ジオール単位が化石燃料由来のジオールまたはバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルのリサイクルポリエステルをさらに含んでなる」ものであるのに対し、引用発明Bはその点不明である点。
相違点B-1、相違点B-2については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)で述べたとおりである。
相違点B-3について検討する。
本件特許に係る出願前、ポリエステルを含む樹脂製品のリサイクルは、当業者のみならず広く一般に周知の社会的取り組みであるから、引用発明Bを具体化するにあたり、周知技術1を適用し、相違点B-3に係る本件発明2の構成とすることは当業者が容易に想到し得たことである。
そして、本件発明2の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献7の記載事項及び周知技術1の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
したがって、本件発明2は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献7の記載事項及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(3)本件発明3について
本件発明3と引用発明Bを対比すると、両者は、一致点Bで一致し、相違点B-1~相違点B-3に加え、次の相違点で相違する。
[相違点B-4]
本件発明3は「前記リサイクルポリエステルを、樹脂組成物全体に対して5~45質量%含んでなる」ものであるのに対し、引用発明Bはその点不明である点。
相違点B-1~相違点B-3については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)で述べたとおりである。
相違点B-4について検討する。
リサイクルポリエステルを含有させるにあたり、その使用量は設計事項であるから、相違点B-4に係る本件発明3の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。
そして、本件発明3の「5~45質量%」という範囲について、本件特許の明細書には、「5~45質量%」の上下限を境にして、当業者が予測し得ない格別顕著な効果又は異質な効果が奏する旨の記載も示唆もないから、その臨界的意義を認めることはできない。
そして、本件発明3の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献7の記載事項及び周知技術1の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
したがって、本件発明3は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献7の記載事項及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4)本件発明4について
本件発明4と引用発明Bを対比すると、両者は、一致点Bで一致し、相違点B-1~相違点B-4に加え、次の相違点で相違する。
[相違点B-5]
本件発明4は「前記樹脂組成物が添加剤をさらに含んでなる」ものであるのに対し、引用発明Bはその点不明である点。
相違点B-1~相違点B-4については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)、(3)で述べたとおりである。
相違点B-5について検討する。
フィルムを構成する樹脂材料に、目的に応じた添加剤を添加することは周知の技術(周知技術2)であり、引用発明Bの「2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物」に添加剤を添加し、相違点B-5に係る本件発明4の構成とすることは、引用発明Bを具体化する際、当業者が設計上適宜なし得たことである。
そして、本件発明4の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献7の記載事項及び周知技術1、2の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
したがって、本件発明4は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献7の記載事項及び周知技術1、2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(5)本件発明5について
本件発明5と引用発明Bを対比すると、両者は、一致点Bで一致し、相違点B-1~B-5に加え、次の相違点で相違する。
[相違点B-6]
本件発明5は「前記添加剤を、樹脂組成物全体に対して5~50質量%含んでなる」ものであるのに対し、引用発明Bはその点不明である点。
相違点B-1~相違点B-5については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)~(4)で述べたとおりである。
相違点B-6について検討する。
添加剤を含有させるにあたり、その使用量は設計事項であるから、相違点B-6に係る本件発明5の構成とすることは、引用発明Bを具体化する際、当業者が適宜なし得たことである。
そして、本件発明5の「5~50質量%」という範囲について、本件特許の明細書には、「5~50質量%」の上下限を境にして、当業者が予測し得ない格別顕著な効果又は異質な効果が奏する旨の記載も示唆もないから、その臨界的意義を認めることはできない。
そして、本件発明5の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献7の記載事項及び周知技術1、2の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
したがって、本件発明5は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献7の記載事項及び周知技術1、2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(6)本件発明6について
本件発明6と引用発明Bを対比すると、両者は、一致点Bで一致し、相違点B-1~B-6に加え、次の相違点B-7で相違する。
[相違点B-7]
本件発明6は「前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上である」ものであるのに対し、引用発明Bはその点不明である点。
相違点B-1~相違点B-6については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)~(5)で述べたとおりである。
相違点B-7について検討する。
引用文献4の【0028】には、添加剤として「滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料」が例示され、引用文献6の【0019】には、添加剤として「滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤」と、また、引用文献5には、「本発明のPETとしては、求められる物性を損なわない範囲で、酸化チタン粉末のようなダル化剤、蛍光増白剤、その他の染料、顔料、難燃化剤、紫外線吸収剤、吸湿剤、熱安定化剤、抗菌剤、防カビ剤、消臭剤などの配合剤を含んでいてもよい。」(【0023】)と記載されているから、引用発明Bにおいて、相違点B-7に係る本件発明6の構成とすることは、引用発明Bを具体化する際、当業者が適宜なし得たことである。
そして、本件発明6の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4~7の記載事項及び周知技術1、2の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
したがって、本件発明6は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4~7の記載事項及び周知技術1、2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(7)本件発明7について
本件発明7と引用発明Bを対比すると、両者は、一致点Bで一致し、相違点B-1~相違点B-7に加え、次の相違点B-8で相違する。
[相違点B-8]
本件発明7は、「無機物または無機酸化物からなる第3の層をさらに有する」のに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
相違点B-1~相違点B-7については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)~(6)で述べたとおりである。
相違点B-8について検討する。
引用文献7には、「ポリエチレンテレフタレートの耐ガスバリアー性をより一層改良するために、PVDCのコーティングをしたり」(上記1(3)ア(ア))、「中間層には酸素バリアー性のよい・・・アルミニウム箔、アルミニウムやシリカの真空蒸着層などが適用される。」(上記1(3)ア(ウ)b)と記載されており、また、アルミニウム箔や真空アルミ蒸着膜を有するラミネートフィルムの構成例が多数記載されている(上記1(3)ア(エ))。
そうすると、引用発明Bにおいて、引用文献7のこれらの記載を参考にして、無機物または無機酸化物からなる第3の層をさらに有する構成とすることに格別な困難性はない。
したがって、本件発明7は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4~7の記載事項及び周知技術1、2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(8)本件発明8について
本件発明8と引用発明Bを対比する。
引用発明Bの「ラミネートフィルム」は本件発明8の「積層フィルム」に相当する。
そうすると、本件発明8と引用発明Bとは、一致点Bで一致し、相違点B-1~相違点B-8で相違する。
相違点B-1~相違点B-8については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)~(7)で述べたとおりである。
したがって、本件発明8は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4~7の記載事項及び周知技術1、2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(9)本件発明9~14について
本件発明9~14は、引用発明Bと、それぞれ、一致点Bで一致し、相違点B-1~相違点B-8で相違する。
加えて、本件発明9~14は、「包装用袋」、「シート成形品」、「ラベル材料」、「蓋材」、「ラミネートチューブ」及び「包装製品」であるのに対し、引用発明Bは「積層フィルム」の用途が特定されていない点で、それぞれ相違する。
相違点B-1~相違点B-8については、上記(1)イ(ア)、(1)イ(イ)、(2)~(7)で述べたとおりである。
また、「包装用袋」、「シート成形品」、「ラベル材料」、「蓋材」、「ラミネートチューブ」及び「包装製品」は、包装フィルムの用途として本件特許に係る出願前に周知の用途であり、当業者が適宜なし得たことである。
したがって、本件発明9~14は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4~7の記載事項及び周知技術1、2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(10)本件発明15について
ア 対比
本件発明15と引用発明Bを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明15の「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「PE」の層と、本件発明15の「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」「第2の層」とは、「樹脂材料からなる層」である限りで一致する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」と、本件発明15の「少なくとも2層を有する積層体」であり、「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)」ものとは、「少なくとも2層を有する積層体」という限りで一致する。
以上のことから、本件発明15と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B15]
「少なくとも2層を有する積層体であって、
樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層と、
樹脂材料からなる層を有する、積層体。」
[相違点B15-1]
第1の層について、本件発明15は「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B15-2]
本件発明15の「樹脂組成物」が「添加剤をさらに含んでな」るのに対し、引用発明Bはその点不明である点。
[相違点B15-3]
「樹脂材料からなる層」について、本件発明15は「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」「第2の層」であるのに対し、引用発明Bは「PE」の層である点。
[相違点B15-4]
「少なくとも2層を有する積層体」について、本件発明15は「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)」ものであるのに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
(ア)相違点B15-1について
相違点B15-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点B-1についての判断と同様である。
(イ)相違点B15-2について
相違点B15-2についての判断は、上記(4)で述べた相違点B-5についての判断と同様である。
(ウ)相違点B15-3について
相違点B15-3についての判断は、上記(1)イ(イ)で述べた相違点B-2についての判断と同様である。
(エ)相違点B15-4について
引用発明Bの「ラミネートフィルム」は、「無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられ」たものとは特定されておらず、それらの層を備えないラミネートフィルムは、文献を挙げるまでもなく周知の技術であるから、引用発明Bの「ラミネートフィルム」を「無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられ」たものとしないことは、適宜なし得たものである。
(オ)本件発明15が奏する効果について
本件発明15の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献7の記載事項及び周知技術2の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明15は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献7の記載事項及び周知技術2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(11)本件発明16について
ア 対比
本件発明16と引用発明Bを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明16の「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「PE」の層と、本件発明16の「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」「第2の層」とは、「樹脂材料からなる層」である限りで一致する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」と、本件発明16の「少なくとも2層を有する積層体」であり、「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるもの、並びに、医薬品、食品及びシャンプーの包装用途のものを除く)」ものとは、「少なくとも2層を有する積層体」という限りで一致する。
以上のことから、本件発明16と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B16]
「少なくとも2層を有する積層体であって、
樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層と、
樹脂材料からなる層を有する、積層体。」
[相違点B16-1]
第1の層について、本件発明16は「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B16-2]
本件発明16は、「樹脂組成物」が「添加剤をさらに含んでなり、前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上であ」るのに対し、引用発明Bはその点不明である点。
[相違点B16-3]
「樹脂材料からなる層」について、本件発明16は「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」「第2の層」であるのに対し、引用発明Bは「PE」の層である点。
[相違点B16-4]
「少なくとも2層を有する積層体」について、本件発明16は「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるもの、並びに、医薬品、食品及びシャンプーの包装用途のものを除く)」ものであるのに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
(ア)相違点B16-1について
相違点B16-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点B-1についての判断と同様である。
(イ)相違点B16-2について
相違点B16-2についての判断は、上記(4)、(6)で述べた相違点B-5、相違点B-7についての判断と同様である。
(ウ)相違点B16-3について
相違点B16-3についての判断は、上記(1)イ(イ)で述べた相違点B-2についての判断と同様である。
(エ)相違点B16-4について
引用発明Bの「ラミネートフィルム」は、「無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられ」るとは特定されておらず、そのような層を備えないラミネートフィルムは、文献を挙げるまでもなく周知の技術である。
また、引用発明Bの「ラミネートフィルム」の用途について、引用文献7(上記1(3)ア(ウ)a)には、食品工業、医薬品工業に限らず、「他の諸産業分野」でも用いられてきた旨記載されており、引用発明Bの「ラミネートフィルム」を、「医薬品、食品及びシャンプーの包装用途」以外に用いることは適宜なし得たものである。
(オ)本件発明16が奏する効果について
本件発明16の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4~7の記載事項及び周知技術2の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明16は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4~7の記載事項及び周知技術2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(12)本件発明17について
ア 対比
本件発明17と引用発明Bを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明17の「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」と、本件発明17の「少なくとも3層を有し、第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体」とは、「積層体」という限りで一致する。
以上のことから、本件発明17と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B17]
「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層を有する、積層体。」
[相違点B17-1]
第1の層について、本件発明17は「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B17-2]
本件発明17は、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層」である「第2の層」を含むのに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点B17-3]
本件発明17は、「無機物または無機酸化物からなる」「第3の層」を含むのに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点B17-4]
「積層体」について、本件発明17は「少なくとも3層を有し、第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体」であるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」である点。
イ 判断
(ア)相違点B17-1について
相違点B17-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点B-1についての判断と同様である。
(イ)相違点B17-2について
引用発明Bのラミネートフィルムは、引用発明Bに係る引用文献7の記載によれば、「内容品の性状、包装作業、包装機械、包装体が実際にさらされる状況などいろいろな設計条件に応じ、ラミネートフィルムの各素材料の基本物性はもとより、複合後のいろいろな環境下での挙動、長期に渡る実用実績、衛生性、コストパフォーマンスなど考慮しつつ、ラミネートフィルムとしての集成構成や複合加工方法が決められる」(上記1(3)ア(ウ)b)とされる。
引用発明Bのラミネートフィルムも、「内容品の性状、包装作業、包装機械、包装体が実際にさらされる状況など」に応じて、ラミネートフィルムとしての集成構成として必要な層を積層し得るものであり、包装材料として求められる機械的強度に対応するために、引張り強さ、衝撃強さ、引裂き強さ、破裂強さ、突刺し強さなどの諸特性がプラスチックフィルム中でも最も強い分野に属するとされるナイロンフィルム(上記1(3)ア(イ))を積層することは、適宜なし得たものである。
(ウ)相違点B17-3について
上記(イ)で述べたように、引用発明Bのラミネートフィルムの集成構成は、「内容品の性状、包装作業、包装機械、包装体が実際にさらされる状況など」に応じて決められるところ、酸素バリア性が良いとされる、アルミニウム箔や、アルミニウムなどの真空蒸着層(上記1(3)ア(ウ)b)という無機物または無機酸化物からなる層を選択して、積層することは、適宜なし得たものである。
(エ)相違点B17-4について
本件発明17の「第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体」は、第1の層としてポリエステルの2軸延伸樹脂フィルム、第3の層として無機物または無機酸化物からなる層、第2の層としてナイロン樹脂からなる樹脂層の順に含むものである。
この点、最外層のポリエチレンテレフタレート(ポリエステル、本件発明17の「第1の層」)に続いて、アルミニウム箔(本件発明17の「第3の層」)、二軸延伸ナイロンフィルム(本件発明17の「第2の層」)の順に積層することは、周知の技術(周知技術3)である。
上記(イ)、(ウ)で述べたように、引用発明Bのラミネートフィルムの集成構成は、「内容品の性状、包装作業、包装機械、包装体が実際にさらされる状況など」に応じて決められ、ナイロンフィルムと、アルミニウム箔などの無機物からなる層を積層することが、適宜なし得たものであり、その積層順を周知技術3のようにして、相違点B17-4に係る本件発明17の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。
(オ)本件発明17が奏する効果について
本件発明17の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献7の記載事項及び周知技術3の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明17は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献7の記載事項及び周知技術3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(13)本件発明18について
ア 対比
本件発明18と引用発明Bを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明18の「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」と、本件発明18の「少なくとも3層を有し、第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体」とは、「積層体」という限りで一致する。
以上のことから、本件発明18と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B18]
「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層を有する、積層体。」
[相違点B18-1]
第1の層について、本件発明18は「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B18-2]
本件発明18は「樹脂組成物」が「添加剤をさらに含んでな」るのに対し、引用発明Bはその点不明である点。
[相違点B18-3]
本件発明18は、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層」である「第2の層」を含むのに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点B18-4]
本件発明18は、「アルミニウム箔からなる」「第3の層」を含むのに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点B18-5]
「積層体」について、本件発明18は「少なくとも3層を有し、第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体」であるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」である点。
イ 判断
(ア)相違点B18-1について
相違点B18-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点B-1についての判断と同様である。
(イ)相違点B18-2について
相違点B18-2についての判断は、上記(4)で述べた相違点B-5についての判断と同様である。
(ウ)相違点B18-3について
相違点B18-3についての判断は、上記(12)イ(イ)で述べた相違点B17-2についての判断と同様である。
(エ)相違点B18-4について
相違点B18-4についての判断は、上記(12)イ(ウ)で述べた相違点B17-3についての判断と同様であり、酸素バリア性が良いとされるアルミニウム箔(上記1(3)ア(ウ)b)を積層することは、適宜なし得たものである。
(オ)相違点B18-5について
本件発明18の「第1の層、第3の層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体」は、第1の層としてポリエステルの2軸延伸樹脂フィルム、第3の層としてアルミニウム箔、第2の層としてナイロン樹脂からなる樹脂層の順に含むものである。
この点、最外層のポリエチレンテレフタレート(ポリエステル、本件発明18の「第1の層」)に続いて、アルミニウム箔(本件発明18の「第3の層」)、二軸延伸ナイロンフィルム(本件発明18の「第2の層」)の順に積層することは、周知の技術(周知技術3)である。
上記(12)イ(イ)で述べたように、引用発明Bのラミネートフィルムの集成構成は、「内容品の性状、包装作業、包装機械、包装体が実際にさらされる状況など」に応じて決められ、ナイロンフィルムと、アルミニウム箔を積層することが、適宜なし得るものであり、その積層順を周知技術3のようにして、相違点B18-5に係る本件発明18の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。
(カ)本件発明18が奏する効果について
本件発明18の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献7の記載事項及び周知技術2、3の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明18は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献7の記載事項及び周知技術2、3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(14)本件発明19について
ア 対比
本件発明19と引用発明Bとを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明19の「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」と、本件発明19の「少なくとも3層を有し、第1の層、第2の層、及び第3の層をこの順に含んでなる積層体」とは、「積層体」という限りで一致する。
以上のことから、本件発明19と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B19]
「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層を有する、積層体。」
[相違点B19-1]
第1の層について、本件発明19は「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B19-2]
本件発明19は、「樹脂組成物」が「添加剤をさらに含んでなり、前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上であ」るのに対し、引用発明Bはその点不明である点。
[相違点B19-3]
本件発明19は、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層」である「第2の層」を含むのに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点B19-4]
本件発明18は、「アルミニウム箔からなる」「第3の層」を含むのに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点B19-5]
「積層体」について、本件発明19は「少なくとも3層を有し、第1の層、第2の層、及び第3の層をこの順に含んでなる積層体」であるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」である点。
イ 判断
(ア)相違点B19-1について
相違点B19-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点B-1についての判断と同様である。
(イ)相違点B19-2について
相違点B19-2についての判断は、上記(4)、(6)で述べた相違点B-5、相違点B-7についての判断と同様である。
(ウ)相違点B19-3について
相違点B19-3についての判断は、上記(12)イ(イ)で述べた相違点B17-2についての判断と同様である。
(エ)相違点B19-4について
相違点B19-4についての判断は、上記(13)イ(エ)で述べた相違点B18-4についての判断と同様である。
(オ)相違点B19-5について
本件発明19の「第1の層、第2の層、及び第3の層をこの順に含んでなる積層体」は、第1の層としてポリエステルの2軸延伸樹脂フィルム、第2の層としてナイロン樹脂からなる樹脂層、第3の層としてアルミニウム箔の順に含むものである。
この点、引用文献7の「表1 ラミネートフィルムの主な用途と構成例」には、「PET/ONylon/Al/CPP」の構成例が記載(上記1(3)ア(エ))され、これは、PET、ONylon(二軸延伸ナイロン)、AL(アルミニウム箔)の順に積層することを意味し、ポリエステルフィルム(本件発明19の「第1の層」)、二軸延伸ナイロンフィルム(本件発明19の「第2の層」)、アルミニウム箔(本件発明19の「第3の層」)の順に積層することは、ラミネートフィルムの積層構造として、広く用いられる周知の構造といえる。
そして、上記(12)イ(イ)で述べたように、引用発明Bのラミネートフィルムの集成構成は、「内容品の性状、包装作業、包装機械、包装体が実際にさらされる状況など」に応じて決められ、ナイロンフィルムと、アルミニウム箔を積層することが、適宜なし得るものであり、その積層順を上記周知の積層構造のようにして、相違点B19-5に係る本件発明19の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。
(カ)本件発明19が奏する効果について
本件発明19の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4~7の記載事項及び周知技術2の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明19は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4~7の記載事項及び周知技術2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(15)本件発明20について
ア 対比
本件発明20と引用発明Bとを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明20の「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」と、本件発明20の第1の層と第2の層の「少なくとも2層を有する積層体を備える積層フィルム」とは、「積層体を備える積層フィルム」であるという限りで一致する。
以上のことから、本件発明20と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B20]
「積層体を備える積層フィルムであって、
樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層を有する積層体を備える、積層フィルム。」
[相違点B20-1]
第1の層について、本件発明20は「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B20-2]
本件発明20は、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層」である「第2の層」を含むのに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点B20-3]
「積層体を備える積層フィルム」について、本件発明20は、第1の層と第2の層の「少なくとも2層」を有するものであるのに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
(ア)相違点B20-1について
相違点B20-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点B-1についての判断と同様である。
(イ)相違点B20-2について
引用発明Bのラミネートフィルムにおいて、第1の層であるPETとPEの積層構成に加えて、CPP(無延伸ポリプロピレン)の層を積層することは、引用文献7の「表1 ラミネートフィルムの主な用途と構成例」に記載(「PET/PE/CPP」)されるように、一般に汎用される積層構成であり、当業者が容易に想到し得たものである。
また、一般に流通するポリプロピレンは化石燃料由来の原料を含み、バイオマス由来の原料を含まないものである。
(ウ)相違点B20-3について
引用発明Bのラミネートフィルムに、上記(イ)の化石燃料由来の原料を含みバイオマス由来の原料を含まないCPP(無延伸ポリプロピレン)の層を加えて、相違点B20-3に係る本件発明28の構成とすることは当業者が容易に想到できたことである。
(エ)本件発明20が奏する効果について
本件発明20の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項及び引用文献7の記載事項の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明20は、引用発明B、引用文献5記載事項及び引用文献7の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(16)本件発明21について
ア 対比
本件発明21と引用発明Bとを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明20の「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」と、本件発明21の「少なくとも3層を有し、第1の層、接着層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体を備える積層フィルム」とは、「積層体を備える積層フィルム」という限りで一致する。
以上のことから、本件発明21と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B21]
「積層体を備える積層フィルムであって、
樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層を有する積層体を備える、積層フィルム。」
[相違点B21-1]
第1の層について、本件発明21は「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B21-2]
本件発明21は「樹脂組成物」が「添加剤をさらに含んでな」るのに対し、引用発明Bはその点不明である点。
[相違点B21-3]
本件発明21は、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層」である「第2の層」を含むのに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点B21-4]
「積層体を備える積層フィルム」について、本件発明21は「少なくとも3層を有し、第1の層、接着層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体を備える積層フィルム」であるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」である点。
イ 判断
(ア)相違点B21-1について
相違点B21-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点B-1についての判断と同様である。
(イ)相違点B21-2について
相違点B21-2についての判断は、上記(4)で述べた相違点B-5についての判断と同様である。
(ウ)相違点B21-3について
相違点B21-3についての判断は、上記(12)イ(イ)で述べた相違点B17-2についての判断と同様である。
(エ)相違点B21-4について
本件発明21の「第1の層、接着層、及び第2の層をこの順に含んでなる積層体」は、第1の層としてポリエステルの2軸延伸樹脂フィルム、接着層、第2の層としてナイロン樹脂からなる樹脂層の順に含むものである。
一方、引用発明BのPETとPEのラミネートフィルムに、ナイロンフィルムを積層することは、上記(12)イ(イ)で述べたように適宜なし得たものであるところ、引用文献4(上記1(1)ア(エ))に、「ガスバリア性積層フィルム、印刷層、ラミネート接着剤層、ヒートシール層を順次設けた包装材用積層材」(【0145】)と記載されるように、樹脂等をラミネートする際、層間の接着力を増すためにラミネート接着剤層を介して積層することが周知の技術であるから、ナイロンフィルムを他の層に積層するにあたり、ラミネート接着剤層を間に入れて積層して、相違点B21-4に係る本件発明21の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。
(オ)本件発明21が奏する効果について
本件発明21の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4、7の記載事項及び周知技術2の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明21は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4、7の記載事項及び周知技術2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(17)本件発明22について
ア 対比
本件発明22と引用発明Bとを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明22の「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」と、本件発明22の第1の層と第2の層の「少なくとも2層を有する積層体を備える積層フィルム」であり、「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)」ものとは、「積層体を備える積層フィルム」であるという限りで一致する。
以上のことから、本件発明22と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B22]
「積層体を備える積層フィルムであって、
樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層を有する積層体を備える、積層フィルム。」
[相違点B22-1]
第1の層について、本件発明22は「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」であるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B22-2]
本件発明22は、「樹脂組成物」が「添加剤をさらに含んでなり、前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上であ」るのに対し、引用発明Bはその点不明である点。
[相違点B22-3]
本件発明22は、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層」である「第2の層」を有するものであるのに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点B22-4]
「積層体を備える積層フィルム」について、本件発明20は、第1の層と第2の層の「少なくとも2層を有する積層体を備える積層フィルム」であるのに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
[相違点B22-5]
「積層体を備える積層フィルム」について、本件発明22は、「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)」ものであるのに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
(ア)相違点B22-1について
相違点B22-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点B-1についての判断と同様である。
(イ)相違点B22-2について
相違点B22-2についての判断は、上記(4)、(6)で述べた相違点B-5、相違点B-7についての判断と同様である。
(ウ)相違点B22-3について
相違点B22-3についての判断は、上記(15)イ(イ)で述べた相違点B20-2についての判断と同様である。
(エ)相違点B22-4について
相違点B22-4についての判断は、上記(15)イ(ウ)で述べた相違点B20-3についての判断と同様である。
(オ)相違点B22-5について
相違点B22-4についての判断は、上記(10)イ(エ)で述べた相違点B15-4についての判断と同様である。
(カ)本件発明22が奏する効果について
本件発明22の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4~7の記載事項及び周知技術2の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明22は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4~7の記載事項及び周知技術2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(18)本件発明23について
ア 対比
本件発明23と引用発明Bとを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明22の「2軸延伸樹脂フィルムからなり」、「前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」と、本件発明23の第1の層ないし第3の層の「少なくとも3層を有する積層体を備える積層フィルム」とは、「積層体を備える積層フィルム」であるという限りで一致する。
以上のことから、本件発明23と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B23]
「積層体を備える積層フィルムであって、
樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層を有する積層体を備える、積層フィルム。」
[相違点B23-1]
第1の層について、本件発明23は「2軸延伸樹脂フィルムからなり」、「前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B23-2]
本件発明23の「前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有」するのに対し、引用発明Bのポリエチレンテレフタレート・フィルムの厚みは特定されていない点。
[相違点B23-3]
本件発明23は、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層」である「第2の層」を有するものであるのに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点B23-4]
本件発明23は、「無機物または無機酸化物からなる」「第3の層」を有するものであるのに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点B23-5]
「積層体を備える積層フィルム」について、本件発明23が、第1の層ないし第3の層の「少なくとも3層を有する」のに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
(ア)相違点B23-1について
相違点B23-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点B-1についての判断と同様である。
(イ)相違点B23-2について
引用発明Bのポリエチレンテレフタレート・フィルムの厚みをどの程度とするかは当業者が適宜決め得ることであるところ、ポリエチレンテレフタレート・フィルムの厚みとして「5~12.13μmの厚み」は、例えば、引用文献4(実施例1~11の12μm)、引用文献6(実施例2の12μm)に示されるように特別なものではないことから、引用発明Bにおいて、相違点B23-2に係る本件発明23の構成とすることは当業者が容易に想到できたことである。
(ウ)相違点B23-3について
相違点B23-3についての判断は、上記(15)イ(イ)で述べた相違点B20-2についての判断と同様である。
(エ)相違点B23-4について
相違点B23-4についての判断は、上記(12)イ(ウ)で述べた相違点B17-3についての判断と同様である。
(オ)相違点B23-5について
引用発明Bのラミネートフィルムに、上記(ウ)の化石燃料由来の原料を含みバイオマス由来の原料を含まないCPP(無延伸ポリプロピレン)の層、及び、上記(エ)の無機物または無機酸化物からなる層を加えて、相違点B23-5に係る本件発明23の構成とすることは当業者が容易に想到できたことである。
(カ)本件発明23が奏する効果について
本件発明23の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項及び引用文献4、6、7の記載事項の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明23は、引用発明B、引用文献5記載事項及び引用文献4、6、7の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(19)本件発明24について
ア 対比
本件発明24と引用発明Bとを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明24の「2軸延伸樹脂フィルムからなり」、「前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「PE」の層と、本件発明24の「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」「第2の層」とは、「樹脂材料からなる層」である限りで一致する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」と、本件発明24の「少なくとも2層を有する積層体を備えるラミネートチューブ」であり、「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)」ものとは、「少なくとも2層を有する積層体を備えるもの」という限りで一致する。
以上のことから、本件発明24と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B24]
「少なくとも2層を有する積層体を備えるものであって、
樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層と、
樹脂材料からなる層を有する、積層体を備えるもの。」
[相違点B24-1]
第1の層について、本件発明24は「2軸延伸樹脂フィルムからなり」、「前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B24-2]
本件発明24の「前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有」するのに対し、引用発明Bのポリエチレンテレフタレート・フィルムの厚みは特定されていない点。
[相違点B24-3]
本件発明24は「樹脂組成物」が「添加剤をさらに含んでな」るのに対し、引用発明Bはその点不明である点。
[相違点B24-4]
「樹脂材料からなる層」について、本件発明24は「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」「第2の層」であるのに対し、引用発明Bは「PE」の層である点。
[相違点B24-5]
「少なくとも2層を有する積層体を備えるもの」について、本件発明24は「ラミネートチューブ」であるのに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
[相違点B24-6]
「少なくとも2層を有する積層体を備えるもの」について、本件発明24は、「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)」ものであるのに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
(ア)相違点B24-1について
相違点B24-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点B-1についての判断と同様である。
(イ)相違点B24-2について
相違点B24-2についての判断は、上記(18)イ(イ)で述べた相違点B23-2についての判断と同様である。
(ウ)相違点B24-3について
相違点B24-3についての判断は、上記(4)で述べた相違点B-5についての判断と同様である。
(エ)相違点B24-4について
相違点B24-4についての判断は、上記(1)イ(イ)で述べた相違点B-2についての判断と同様である。
(オ)相違点B24-5について
ラミネートフィルムの用途として、ラミネートチューブに用いることは本件特許の出願前に周知の用途であり、引用発明Bの「ラミネートフィルム」をラミネートチューブに用いることは、当業者が適宜なし得たことである。
(カ)相違点B24-6について
相違点B24-6についての判断は、上記(10)イ(エ)で述べた相違点B15-4についての判断と同様である。
(キ)本件発明24が奏する効果について
本件発明24の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4、6、7の記載事項及び周知技術2の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明24は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4、6、7の記載事項及び周知技術2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(20)本件発明25について
ア 対比
本件発明25と引用発明Bとを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明24の「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「PE」の層と、本件発明25の「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」「第2の層」とは、「樹脂材料からなる層」である限りで一致する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」と、本件発明25の「少なくとも2層を有する積層体を備える包装製品」であり、「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるもの、並びに医薬品、食品及びシャンプーの包装製品を除く)」ものとは、「少なくとも2層を有する積層体を備えるもの」という限りで一致する。
以上のことから、本件発明25と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B25]
「少なくとも2層を有する積層体を備えるものであって、
樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層と
樹脂材料からなる層を有する、積層体を備えるもの。」
[相違点B25-1]
第1の層について、本件発明25は「2軸延伸樹脂フィルムからなり、前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B25-2]
「樹脂材料からなる層」について、本件発明25は「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」「第2の層」であるのに対し、引用発明Bは「PE」の層である点。
[相違点B25-3]
「少なくとも2層を有する積層体を備えるもの」について、本件発明25は「包装製品」であるのに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
[相違点B25-4]
「少なくとも2層を有する積層体を備えるもの」について、本件発明25は「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるもの、並びに医薬品、食品及びシャンプーの包装製品を除く)」ものであるのに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
(ア)相違点B25-1について
相違点B25-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点B-1についての判断と同様である。
(イ)相違点B25-2について
相違点B25-2についての判断は、上記(1)イ(イ)で述べた相違点B-2についての判断と同様である。
(ウ)相違点B25-3について
ラミネートフィルムの用途として、包装製品は本件特許の出願前に周知の用途であり、引用発明Bの「ラミネートフィルム」を包装製品に用いることに困難性はなく、包装対象として医薬品、食品及びシャンプーを除くことも適宜なし得たものである。
(エ)相違点B25-4について
相違点B25-4についての判断は、上記(11)イ(エ)で述べた相違点B16-4についての判断と同様である。
(オ)本件発明25が奏する効果について
本件発明25の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項及び引用文献7の記載事項の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明25は、引用発明B、引用文献5記載事項及び引用文献7の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(21)本件発明26について
ア 対比
本件発明26と引用発明Bとを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明26の「2軸延伸樹脂フィルムからなり」、「前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「PE」の層と、本件発明26の「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」「第2の層」とは、「樹脂材料からなる層」である限りで一致する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」と、本件発明26の「少なくとも2層を有する積層体を備える包装製品」であり、「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)」ものとは、「少なくとも2層を有する積層体を備えるもの」という限りで一致する。
以上のことから、本件発明26と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B26]
「少なくとも2層を有する積層体を備えるものであって、
樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層と
樹脂材料からなる層を有する、積層体を備えるもの。」
[相違点B26-1]
第1の層について、本件発明24は「2軸延伸樹脂フィルムからなり」、「前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B26-2]
本件発明26の「前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有」するのに対し、引用発明Bのポリエチレンテレフタレート・フィルムの厚みは特定されていない点。
[相違点B26-3]
本件発明26は「樹脂組成物」が「添加剤をさらに含んでな」るのに対し、引用発明Bはその点不明である点。
[相違点B26-4]
「樹脂材料からなる層」について、本件発明25は「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない」「第2の層」であるのに対し、引用発明Bは「PE」の層である点。
[相違点B26-5]
「少なくとも2層を有する積層体を備えるもの」について、本件発明26は「包装製品」であるのに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
[相違点B26-6]
「少なくとも2層を有する積層体を備えるもの」について、本件発明26は「(但し、該積層体上に無機酸化物の蒸着膜が設けられ、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜が設けられてなるものを除く)」ものであるのに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
(ア)相違点B26-1について
相違点B26-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点B-1についての判断と同様である。
(イ)相違点B26-2について
相違点B26-2についての判断は、上記(18)イ(イ)で述べた相違点B23-2についての判断と同様である。
(ウ)相違点B26-3について
相違点B26-3についての判断は、上記(4)で述べた相違点B-5についての判断と同様である。
(エ)相違点B26-4について
相違点B25-2についての判断は、上記(1)イ(イ)で述べた相違点B-2についての判断と同様である。
(オ)相違点B26-5について
相違点B26-5についての判断は、上記(20)イ(ウ)で述べた相違点B25-3についての判断と同様である。
(カ)相違点B26-6について
相違点B26-6についての判断は、上記(10)イ(エ)で述べた相違点B15-4についての判断と同様である。
(キ)本件発明26が奏する効果について
本件発明26の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4、6、7の記載事項及び周知技術2の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明26は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4、6、7の記載事項及び周知技術2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(22)本件発明27について
ア 対比
本件発明27と引用発明Bとを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明27の「2軸延伸樹脂フィルムからなり」、「前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」と、本件発明27の第1の層と第2の層の「少なくとも2層を有する積層体を備える包装製品」とは、「積層体を備えるもの」という限りで一致する。
以上のことから、本件発明27と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B27]
「積層体を備えるものであって、
樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層を有する、積層体を備えるもの。」
[相違点B27-1]
第1の層について、本件発明27は「2軸延伸樹脂フィルムからなり」、「前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み」、「前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B27-2]
本件発明27の「前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有」するのに対し、引用発明Bのポリエチレンテレフタレート・フィルムの厚みは特定されていない点。
[相違点B27-3]
本件発明27は「樹脂組成物」が「添加剤をさらに含んでなり、前記添加剤が、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料からなる群から選択される1種または2以上であ」るのに対し、引用発明Bはその点不明である点。
[相違点B27-4]
本件発明27は、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層」である「第2の層」を有するものであるのに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点B27-5]
「積層体を備えるもの」について、本件発明27は、第1の層と第2の層の「少なくとも2層を有する」のに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
[相違点B27-6]
「積層体を備えるもの」について、本件発明27は「包装製品」であるのに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
(ア)相違点B27-1について
相違点B27-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点B-1についての判断と同様である。
(イ)相違点B27-2について
相違点B27-2についての判断は、上記(18)イ(イ)で述べた相違点B23-2についての判断と同様である。
(ウ)相違点B27-3について
相違点B27-3についての判断は、上記(4)、(6)で述べた相違点B-5、相違点B-7についての判断と同様である。
(エ)相違点B27-4について
相違点B27-4についての判断は、上記(15)イ(イ)で述べた相違点B20-2についての判断と同様である。
(オ)相違点B27-5について
相違点B27-5についての判断は、上記(15)イ(ウ)で述べた相違点B20-3についての判断と同様である。
(カ)相違点B27-6について
相違点B27-6についての判断は、上記(2)イ(ウ)で述べた相違点B25-3についての判断と同様である。
(キ)本件発明27が奏する効果について
本件発明27の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4~7の記載事項及び周知技術2の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明27は、引用発明B、引用文献5記載事項、引用文献4~7の記載事項及び周知技術2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(23)本件発明28について
ア 対比
本件発明28と引用発明Bとを対比する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」と、本件発明28の「2軸延伸樹脂フィルムからなり」、「前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ている「第1の層」とは、「樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層」である限りで一致する。
引用発明Bの「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルムに、PEを積層した、ラミネートフィルム」と、本件発明28の第1の層ないし第3の層の「少なくとも3層を有する積層体を備える包装製品」とは、「積層体を備えるもの」という限りで一致する。
以上のことから、本件発明28と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点B28]
「積層体を備えるものであって、
樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含む第1の層を有する、積層体を備えるもの。」
[相違点B28-1]
第1の層について、本件発明27は「2軸延伸樹脂フィルムからなり」、「前記2軸延伸樹脂フィルムを構成する樹脂組成物が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含み、前記ポリエステルが、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸であるバイオマス由来のポリエステルと、前記ジオール単位が化石燃料由来のエチレングリコールであり、前記ジカルボン酸単位が化石燃料由来のテレフタル酸である化石燃料由来のポリエステルとを含んでなり、前記2軸延伸樹脂フィルム中に前記バイオマス由来のポリエステルが90質量%以下含まれ」ているものであるのに対し、引用発明Bは「テレフタル酸とエチレングリコールとの縮重合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなるポリエチレンテレフタレート・フィルム」である点。
[相違点B28-2]
本件発明28の「前記2軸延伸樹脂フィルムが5~12.13μmの厚みを有」するのに対し、引用発明Bのポリエチレンテレフタレート・フィルムの厚みは特定されていない点。
[相違点B28-3]
本件発明28は、「化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなり、且つ、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料を含まない、ナイロン樹脂からなる樹脂層」である「第2の層」であるのに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点B28-4]
本件発明28は、「無機物または無機酸化物からなる」「第3の層」を有するものであるのに対し、引用発明Bは、そのような層を含むか特定されていない点。
[相違点B28-5]
「積層体を備えるもの」について、本件発明28が、第1の層ないし第3の層の「少なくとも3層を有する」のに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
[相違点B28-6]
「積層体を備えるもの」について、本件発明28は「包装製品」であるのに対し、引用発明Bはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
(ア)相違点B28-1について
相違点B28-1についての判断は、上記(1)イ(ア)で述べた相違点B-1についての判断と同様である。
(イ)相違点B28-2について
相違点B28-2についての判断は、上記(18)イ(イ)で述べた相違点B23-2についての判断と同様である。
(ウ)相違点B28-3について
相違点B28-3についての判断は、上記(12)イ(イ)で述べた相違点B17-2についての判断と同様である。
(エ)相違点B28-4について
相違点B28-3についての判断は、上記(12)イ(ウ)で述べた相違点B17-3についての判断と同様である。
(オ)相違点B28-5について
引用発明Bのラミネートフィルムに、上記(ウ)の化石燃料由来の原料を含み、バイオマス由来の原料を含まない、ナイロンフィルム、及び、上記(エ)の無機物または無機酸化物からなる層を加えて、相違点B28-5に係る本件発明28の構成とすることは当業者が容易に想到できたことである。
(カ)相違点B28-6について
相違点B28-6についての判断は、上記(20)イ(ウ)で述べた相違点B25-3についての判断と同様である。
(キ)本件発明28が奏する効果について
本件発明28の奏する作用効果は、引用発明B、引用文献5記載事項及び引用文献4、6、7の記載事項の作用効果の総和以上のものであるとは認められず、格別顕著なものということはできない。
ウ 小括
上記イのとおりであり、本件発明28は、引用発明B、引用文献5記載事項及び引用文献4、6、7の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第6 むすび
以上のとおり、請求項1~28に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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2019-701046