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特許訂正審判

2019-390108

物品提供装置

審判番号
2019-390108
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2018-176769外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年09月17日
審決日
2019年11月25日
公報発行日
2020年02月28日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P141 .852-Y (G07F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項特許法126条5項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6550181号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
特許第6550181号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。

理由

目次 ▾ 9項目
【理 由】

第1 手続の経緯

本件訂正審判の請求に係る特許第6550181号は、平成30年9月21日に特許出願され、令和1年7月5日に特許請求の範囲の請求項1ないし18に係る発明について、特許権の設定登録(令和1年7月24日特許掲載公報発行)されたものである。

そして、令和1年9月17日付けで本件訂正審判が請求がされ、同年10月23日付けで審判請求書を対象とする手続補正書(方式)が提出された。

第2 請求の趣旨

令和1年10月23日付け手続補正により補正された本件審判請求の趣旨は、特許第6550181号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容

請求人が求める訂正の内容は次のとおりである。なお、以下において、願書に添付した明細書を「特許明細書」、特許請求の範囲を「本件特許の特許請求の範囲」という。また、本件特許の特許請求の範囲の請求項1~18を「訂正前」の請求項1~18ということもある。また、当審にて訂正箇所に下線を付した。

1 訂正事項1

本件特許の特許請求の範囲の請求項1における「1台の提供ユニットと複数台の案内ユニットとを具備し、」を「複数台の提供ユニットと1台の案内ユニットとを具備し、」に訂正する。請求項1を引用する請求項2~18も同様に訂正する。

2 訂正事項2

特許明細書の段落【0006】に「1台の提供ユニットと複数台の案内ユニットとを具備し、」とあるのを「複数台の提供ユニットと1台の案内ユニットとを具備し、」と訂正する。

第4 当審の判断

訂正事項1~2について検討する。

1 訂正の目的の適否

(1)訂正事項1について

ア 特許明細書等の記載事項等について

折りたたみ中(クリックで表示)

(ア)特許明細書には、以下の記載がある(下線は当審にて付与した。以下同様。)。

「【0009】
本発明に係る物品提供装置は、複数台または1台の提供ユニット10(図1を参照)と1台の案内ユニット20(図2を参照)とを組み合わせて構築され(図3および図10を参照)、需要者の要求に応じて物品を提供する装置である。」
「【0022】
次に、図3を用いて、提供ユニット10と案内ユニット20とを組み合わせて構築された物品提供装置(一構築例)の構成について説明する。」
「【0023】
図3に示した物品提供装置は、5台の提供ユニット10と1台の案内ユニット20とを組み合わせて構築されたものであって、下段に3台の提供ユニット10が並び、上段に2台の提供ユニット10と1台の案内ユニット20が並んでおり、案内ユニット20が提供ユニット10に挟まれた配置形態を有している。先に述べたように提供ユニット10と案内ユニット20は左右方向寸法および上下方向寸法が同じか略同じであるため、物品提供装置の前面視輪郭は矩形状である。」
「【0027】
次に、図4~図9を用いて、図3に示した物品提供装置の動作について、作用効果を交えて説明する。」
「【0030】
前記チェックにより、5台の提供ユニット10の物品収容部12全てに物品ARが有るときには、前記管理信号は「全てが提供可能」に係るものとなる。この場合には、案内ユニット20の画像表示部22に、図4(C)に示した物品選択画面S2、すなわち、操作手順を示すメッセージ「欲しい物品をタッチ」の他に、提供可能を表す第1画像としての5個のカラー画像(物品紹介用のテキスト等を含んでいてもよい)Ia1~Ia5が、5台の提供ユニット10の配置位置に対応したレイアウトで配置番号1~5とともに表示される(図4(A)のステップST4)。ちなみに、物品選択画面S2の表示中は、前記メッセージに対応する音声や効果音等を発音部27から出力してもよい。」
「【0031】
一方、前記チェックにより、5台の提供ユニット10の物品収容部12の一部に物品ARが無いときには、前記管理信号は「一部が提供不可能」に係るものとなる。例えば3番目の提供ユニット10の物品収容部12に物品ARが無い場合には、案内ユニット20の画像表示部22に、図4(D)に示した物品選択画面S2、すなわち、操作手順を示すメッセージ「欲しい物品をタッチ」の他に、提供不可能を表す第2画像としての1個のモノクロ画像Ia3’と、提供可能を表す第1画像としての4個のカラー画像Ia1、Ia2、Ia4およびIa5が、5台の提供ユニット10の配置位置に対応したレイアウトで配置番号1~5とともに表示される(図4(A)のステップST4)。前記モノクロ画像Ia3’にはカラー画像Ia3のモノクロ版を好ましく使用できるが、提供不可能を表す専用のモノクロ画像を用いてもよい。ちなみに、物品選択画面S2の表示中は、前記メッセージに対応する音声や効果音等を発音部27から出力してもよい。」
「【0051】
図3には、5台の提供ユニット10と1台の案内ユニット20とを上下2段に組み合わせて構築した物品提供装置を示したが、上段の提供ユニット10の台数を3台以上とし、下段の提供ユニット10の台数を4台以上としてもよい。また、図3に示した下段3台の提供ユニット10と同台数の提供ユニット10を上段の上にさらに積み重ねて、上下3段の物品提供装置を構築してもよいし、この場合には上段の提供ユニット10の台数を4台以上とし、中段の提供ユニット10の台数を3台以上とし、下段の提供ユニット10の台数を4台以上としてもよい。」
「【0052】
また、図3には、物品提供装置として案内ユニット20が提供ユニット10に挟まれた配置形態を有するものを示したが、提供ユニット10の台数が少ない場合や設置スペースが小さい場合等では、図10(A)示したように案内ユニット20が上段の端に位置するような配置形態や、図10(B)および図10(C)に示したように案内ユニット20が一段並びの端に位置するような配置形態を採用してもよい。」

(イ)本件特許の特許請求の範囲には、以下の記載がある。

「【請求項1】
需要者の要求に応じて物品を提供可能な物品提供装置であって、
1台の提供ユニットと複数台の案内ユニットとを具備し、
前記提供ユニットは、物品を収容するための物品収容部であって、手前に引き出すことによって物品の収容が行えるようになっている物品収容部と、前記物品収容部に収容されている物品を提供するための物品提供部とを備え、
前記案内ユニットは、前記物品収容部に収容されている物品の収容状況を管理するための収容状況管理部と、前記収容状況管理部からの管理信号に基づいて物品収容情報を提示するための情報提示部とを備え、
前記情報提示部は、画像表示部を含み、前記管理信号が提供可能に係るものである場合に第1画像を前記物品収容情報として前記画像表示部に表示する一方、前記管理信号が提供不可能に係るものである場合に前記第1画像とは異なる第2画像を前記物品収容情報として前記画像表示部に表示するように構成され、前記画像表示部に表示される前記第1画像と前記第2画像は前記提供ユニットの配置位置に対応したレイアウトを有する、
物品提供装置。」
「【請求項2】
前記案内ユニットは、前記物品の提供に係る代金の支払いを受け付ける代金受付部と、
前記代金受付部による代金の受付を条件として、前記物品提供部を提供不可能状態から提供可能状態に変化させるための提供制御部とをさらに備える、
請求項1に記載の物品提供装置。」
「【請求項3】
前記案内ユニットは、前記物品の提供に係る代金を支払うための代金決済部と、前記代金決済部による代金決済を管理する決済管理部と、前記決済管理部からの決済完了信号に基づいて前記物品提供部を提供不可能状態から提供可能状態に変化させるための提供制御部とをさらに備える、
請求項1または2に記載の物品提供装置。」
「【請求項6】
前記案内ユニットは、複数台の前記提供ユニットの何れかの選択を行うための選択部をさらに備え、
前記提供制御部は、前記受付部による代金の受付を条件として、前記選択部により選択された提供ユニットの物品提供部を提供不可能状態から提供可能状態に変化させる、
請求項2に記載の物品提供装置。」
「【請求項7】
前記案内ユニットは、複数台の前記提供ユニットの何れかの選択を行うための選択部をさらに備え、
前記提供制御部は、前記代金決済部による代金決済を条件として、前記選択部により選択された提供ユニットの物品提供部を提供不可能状態から提供可能状態に変化させる、
請求項3に記載の物品提供装置。」

イ 「1台の提供ユニット」を「複数台の提供ユニット」に訂正することについて

(ア)上記アに示すように、本件特許の特許請求の範囲の請求項1には、「1台の提供ユニットと複数台の案内ユニットとを具備し、」と記載されている。一方で、請求項1を間接的に引用する請求項6又は7にはそれぞれ「前記案内ユニットは、複数台の前記提供ユニットの何れかの選択を行うための選択部をさらに備え、」と記載されている。そうすると、当該請求項1と請求項6又は7とは「提供ユニット」が「1台」であるか「複数台」であるかで技術的に矛盾しており、いずれかに誤記が存在するものと認められる。

(イ)ここで、本件特許の特許請求の範囲の請求項1,6及び7はいずれも、少なくとも「前記情報提示部は、画像表示部を含み、前記管理信号が提供可能に係るものである場合に第1画像を前記物品収容情報として前記画像表示部に表示する一方、前記管理信号が提供不可能に係るものである場合に前記第1画像とは異なる第2画像を前記物品収容情報として前記画像表示部に表示するように構成され、前記画像表示部に表示される前記第1画像と前記第2画像は前記提供ユニットの配置位置に対応したレイアウトを有する」構成(以下「構成A」という。)を含むものである。

(ウ)また、特許明細書には、当該構成Aに対応した物品提供装置について、【0022】に「図3を用いて、提供ユニット10と案内ユニット20とを組み合わせて構築された物品提供装置(一構築例)の構成について説明する」と記載され、【0023】に「図3に示した物品提供装置は、5台の提供ユニット10と1台の案内ユニット20とを組み合わせて構築されたものであって」と記載され、【0027】に「次に、図4~図9を用いて、図3に示した物品提供装置の動作について、作用効果を交えて説明する」と記載され、【0030】に「前記管理信号は『全てが提供可能』に係るものとなる。この場合には、案内ユニット20の画像表示部22に、・・・(中略)・・・提供可能を表す第1画像としての5個のカラー画像(物品紹介用のテキスト等を含んでいてもよい)Ia1~Ia5が、5台の提供ユニット10の配置位置に対応したレイアウトで配置番号1~5とともに表示される(図4(A)のステップST4)」と記載され、【0031】に「前記管理信号は『一部が提供不可能』に係るものとなる。例えば3番目の提供ユニット10の物品収容部12に物品ARが無い場合には、画像表示部22に、・・・(中略)・・・提供不可能を表す第2画像としての1個のモノクロ画像Ia3’と、提供可能を表す第1画像としての4個のカラー画像Ia1、Ia2、Ia4およびIa5が、5台の提供ユニット10の配置位置に対応したレイアウトで配置番号1~5とともに表示される(図4(A)のステップST4)」と記載されている。

(エ)上記(ウ)から、特許明細書には、上記構成Aに対応した物品提供装置として、「前記管理信号は『全てが提供可能』に係るものとなる」場合には、「画像表示部22」に、「提供可能を表す第1画像としての5個のカラー画像」「Ia1~Ia5が、5台の提供ユニット10の配置位置に対応したレイアウトで配置番号1~5とともに表示され」、「前記管理信号は『一部が提供不可能』に係るものとなる」、「例えば3番目の提供ユニット10の物品収容部12に物品ARが無い場合には」、「画像表示部22」に、「提供不可能を表す第2画像としての1個のモノクロ画像Ia3’と、提供可能を表す第1画像としての4個のカラー画像Ia1、Ia2、Ia4およびIa5が、5台の提供ユニット10の配置位置に対応したレイアウトで配置番号1~5とともに表示される」、「5台の提供ユニット10と1台の案内ユニット20とを組み合わせて構築された」「物品提供装置(一構築例)」が記載されている。

したがって、特許明細書には、上記構成Aに対応した物品提供装置として、複数台の提供ユニットを具備するものが「一構築例」で示されている。一方で、特許明細書には、上記構成Aに対応した提供ユニットが1台の物品提供装置は記載されていない。

(オ)ここで、上記請求項6又は7と、「一構築例」の特許明細書の上記構成Aに対応した物品提供装置とは、共に「提供ユニット」が「複数台」であるから技術的に整合する一方、上記請求項1と「一構築例」の物品提供装置とは、「提供ユニット」が「1台」であるか「複数台」であるかで整合しない。

(カ)そして、訂正事項1のように、訂正前の請求項1に「1台の提供ユニットと・・・を具備し、」とあるのを、訂正後の「複数台の提供ユニットと・・・を具備し、」とすれば、上記(ア)の矛盾は解消するものとなる。

ウ 「複数台の案内ユニット」を「1台の案内ユニット」に訂正することについて

上記「ア(ア)」に示す【0009】、【0023】、【0051】及び【0052】、本件特許の図3,10のいずれにおいても、「物品提供装置」として「1台の案内ユニット20」が示されている。一方で、物品提供装置として複数台の案内ユニットを具備することは、特許明細書、本件特許の図面のいずれにも記載されていない。以上から、物品提供装置は1台の案内ユニットにより構築されることが理解できる。

しかしながら、訂正前の請求項1には、「複数台の案内ユニット」が記載されているから、当該記載は、特許明細書及び本件特許の図面の内容と矛盾し、かつ技術的に見ても整合しないものとなっている。

訂正事項1のように、訂正前の請求項1に「・・・複数台の案内ユニットとを具備し、」とあるのを、訂正後の「・・・1台の案内ユニットとを具備し、」とすれば、上記矛盾は解消し、かつ技術的に見ても整合するものとなる。

エ 以上のとおりであるから、訂正事項1のように、訂正前に「1台の提供ユニットと複数台の案内ユニットとを具備し、」とあるのを、訂正後に「複数台の提供ユニットと1台の案内ユニットとを具備し、」とすれば、特許明細書及び本件特許の特許請求の範囲における請求項6,7並びに本件特許の図面との矛盾は解消し、かつ技術的にも整合するものとなる。

よって、訂正事項1は、誤記を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号の「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。

(2)訂正事項2について

訂正事項2は、訂正事項1と同様の事項を訂正をするものであるから、訂正事項1と同様に、誤記の訂正に該当し、特許法第126条第1項ただし書第2号の「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。

2 訂正事項が願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるかについて

願書に最初に添付した明細書【0023】には「図3に示した物品提供装置は、5台の提供ユニット10と1台の案内ユニット20とを組み合わせて構築されたものであって」との記載があるから、願書に最初に添付した明細書には「複数台の提供ユニットと1台の案内ユニットとを具備し」との事項が示されているといえる。

したがって、訂正事項1及び2は、いずれも願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものである。

3 特許請求の範囲の実質的な拡張・変更がないかについて

訂正事項1及び2は、上記1のとおり、正しい記載内容が明らかである誤記を、正しい内容に訂正するものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

4 特許法第126条第7項の「訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるもの」であるかについて

訂正事項1及び2は、誤記の訂正を目的とするものであるので、訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができることが要件となるところ、訂正後における特許請求の範囲の請求項1-18に記載されている事項により特定される各発明を拒絶すべき理由を発見しないので、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ではない。

第5 むすび

本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。

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2019-390108

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