2019-017813
遊技機
- 審判番号
- 2019-017813
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-156782外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年12月27日
- 審決日
- 2020年12月01日
- 公報発行日
- 2021年03月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社サンセイアールアンドディ
- 【請求人代理人】田邊 淳也
- 分類
- P18 .121-WZ (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 19項目
1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
本願は、平成30年8月23日の出願であって、令和1年6月12日付けで拒絶の理由が通知され、同年8月23日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年10月4日付けで拒絶査定がなされた。これに対し同年12月27日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出され、これに対して、令和2年8月18日付けで当審において拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年10月19日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和2年10月19日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A~Qは、本願発明を分説するため当審で付与した。)。
(本願発明)
「【請求項1】A 複数の表示演出を実行可能な表示手段を備える遊技機であって、B 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第1の表示演出をおこなう場合があり、C 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第2の表示演出をおこなう場合があり、続きを表示(全18行)D 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第3の表示演出をおこなう場合があり、E 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第4の表示演出をおこなう場合があり、F 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第5の表示演出をおこなう場合があり、G 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第6の表示演出をおこなう場合があり、H 前記第1の表示演出は、待ち受け表示をおこなう演出であり、I 前記第2の表示演出は、大当たり遊技中の大当たり遊技表示をおこなう演出であり、J 前記第3の表示演出は、遊技者の遊技に関してのめり込みを注意喚起する第1ののめり込み注意喚起表示をおこなう演出であり、K 前記第4の表示演出は、前記第1ののめり込み注意喚起表示とは異なる第2ののめり込み注意喚起表示をおこなう演出であり、L 前記第2ののめり込み注意喚起表示は、のめり込みを注意喚起するための文言が前記第1ののめり込み注意喚起表示と異なっており、M 前記第5の表示演出は、前記第1ののめり込み注意喚起表示および前記第2ののめり込み注意喚起表示とは異なる表示であって遊技者に対して忘れ物に注意するように注意喚起する忘れ物注意喚起表示をおこなう演出であり、N 前記第6の表示演出は、前記遊技機の製造メーカーを表す製造メーカー表示をおこなう演出であり、O 前記第1の表示演出と前記第2の表示演出と前記第3の表示演出と前記第4の表示演出と前記第5の表示演出と前記第6の表示演出とを含む組み合わせ演出がおこなわれる場合があり、P 前記組み合わせ演出では、前記第1の表示演出における前記待ち受け表示と前記第3の表示演出における前記第1ののめり込み注意喚起表示とが同時期に前記表示手段に表示された後、前記第2の表示演出がおこなわれ、前記第2の表示演出がおこなわれた後、前記第4の表示演出と前記第5の表示演出とがおこなわれ、前記第4の表示演出における前記第2ののめり込み注意喚起表示と前記第5の表示演出における前記忘れ物注意喚起表示とは前記表示手段において同時に表示され、前記第6の表示演出は、前記第2の表示演出の後であって、前記第4の表示演出と前記第5の表示演出とがおこなわれる前におこなわれる、Q ことを特徴とする遊技機。」
3 拒絶の理由の概要
当審拒絶理由の概要は、
(理由1)
令和1年12月27日に提出された手続補正書により補正がされた請求項1に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、
(理由2)
令和1年12月27日に提出された手続補正書により補正がされた請求項1に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明、又は引用文献1に記載された発明及び周知の事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、
(理由3)
この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない、
というものである。
4 引用文献に記載された事項
(1) 引用文献1
当審拒絶理由に引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった上記引用文献1には、「遊技機」の発明に関し、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様。)。
ア 「【0010】第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。・・・・・・【0015】次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。・・・【0016】表示装置41は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。」
イ 「【0608】遊技機10において実行される特図ゲームは、大当り1と、大当り2と、大当り3と、大当り4と、小当りとを当り種別に含む。各当りには、ラウンド数と、確率変動と、普電サポートと、エンディング種別とが設定されている。・・・【0611】続きを表示(全24行)たとえば、大当り1は、当り中のラウンド数「16」と、当り終了後の変動表示「100回」までの確率変動と、さらに確率変動終了後の変動表示「100回」までの普電サポートを有する性能である。また、大当り1は、大当り終了後に表示装置41において、「エンディング1」または「エンディング2」を表示する。・・・【0617】次に、エンディング種別について図103から図108を用いて説明する。図103は、第1の実施形態のエンディング種別ごとの表示態様の一例を示す図である。まず、「エンディング1」について説明する。「エンディング1」は、当りの終了後に確率変動がある遊技状態となる当りのうち、当りが連続したときに1回目となる当りのとき、当該当りの終了時に選択されるエンディングである。たとえば、「エンディング1」は、確率変動および普電サポートがない遊技状態で発生した当りが大当り1または大当り2のときに、当該当りの終了時に選択される。・・・【0620】「エンディング1」は、確変明示モード突入表示の後、タイミングT13からタイミングT14まで(たとえば、5000ms)企業ロゴ表示をおこなう。企業ロゴ表示は、静止画であってもよいし動画であってもよく、また時間内でフェードインあるいはフェードアウトするものであってもよい。また、企業ロゴ表示は、音声や音楽を伴うものであってもよい。【0621】ここで企業ロゴ表示について図105を用いて説明する。図105は、第1の実施形態の当り終了後の企業ロゴ表示の一例を示す図である。図105(1)に示す企業ロゴ表示は、遊技機10に関連する企業のロゴを表示する。企業ロゴ表示は、遊技機10の製造企業名に限らず、販売企業名や遊技機10のブランド名等であってもよく、また2以上の企業ロゴを同時表示あるいは切替表示するものであってもよい。また、遊技機10は、図105(2)に示すように、確変明示モード突入表示と並行(たとえば重畳)して企業ロゴ表示をおこなうものであってもよい。このように遊技機10は、遊技者にとって有利な遊技状態を案内する案内表示とともに企業ロゴを表示することにより、企業ロゴに対する好感度を遊技者に与えることができる。・・・【0622】「エンディング1」は、企業ロゴ表示の後、タイミングT14からタイミングT15まで(たとえば、2000ms)注意喚起A表示をおこなう。注意喚起A表示は、遊技者に対しておこなう第1の注意喚起表示であり、たとえばプリペイドカードの取り忘れに対する注意を喚起する表示である。注意喚起A表示は、ピクトグラムを含む静止画であってもよいし動画であってもよく、また時間内でフェードインあるいはフェードアウトするものであってもよい。また、注意喚起A表示は、音声や警告音を伴うものであってもよい。・・・【0624】「エンディング1」は、注意喚起A表示の後、タイミングT15からタイミングT16まで(たとえば、2000ms)注意喚起B表示をおこなう。注意喚起B表示は、遊技者に対しておこなう第2の注意喚起表示であり、たとえば遊技へののめり込みに対する注意を喚起する表示である。注意喚起B表示は、ピクトグラムを含む静止画であってもよいし動画であってもよく、また時間内でフェードインあるいはフェードアウトするものであってもよい。また、注意喚起B表示は、音声や警告音を伴うものであってもよい。【0625】ここで注意喚起B表示について図107を用いて説明する。図107は、第1の実施形態の当り終了後の注意喚起B表示の一例を示す図である。図107(1)に示す注意喚起B表示は、メッセージ「のめり込みに注意しましょう」を表示する。注意喚起B表示は、遊技者にとって不愉快なものとして受け止められる虞れがあるが、遊技機10は、注意喚起B表示の掲出タイミングを限定することで、遊技者の不快感の軽減と注意喚起効果の向上との両立を図ることができる。・・・【0627】・・・また、遊技機10は、タイミングT14からタイミングT16の間に、注意喚起A表示と注意喚起B表示とを並行して表示してもよい。」
【図107】
ウ 「【0692】[ステップD57]制御部は、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にある場合に大当り系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD58)、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にない場合にステップD59に進む。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示等)を指令するコマンドであり、この大当り系コマンドのデータがとり得る範囲が大当り系コマンド範囲である。」
エ 「【0813】次に、第3の実施形態のオプション設定時の表示画面について図128と図129を用いて説明する。図128は、第3の実施形態のオプション設定時の表示画面の一例(その1)を示す図である。図129は、第3の実施形態のオプション設定時の表示画面の一例(その2)を示す図である。【0814】(1)に示す表示画面720は、客待ち画面の1つである。表示画面720は、客待ち表示721と、設定操作案内表示722を含む。表示画面720は、動画や静止画表示しながら遊技者の遊技開始を待つ客待ち表示721を表示しながら、定期または不定期に客待ち表示721に設定操作案内表示722を重畳する。設定操作案内表示722は、オプション設定に関する操作案内表示であり、プッシュボタン25のイメージと、操作説明とを表示する。遊技機10は、客待ち画面の表示中にプッシュボタン25の操作を受け付けることで、オプション設定可能な状態に移行する。・・・【0816】(2)に示す表示画面720aは、客待ち画面からオプション設定画面に切り替わる際に挿入される。表示画面720aは、注意喚起表示723を含む。注意喚起表示723は、大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と小さなフォントの詳細な注意事項とを表示する。遊技機10は、注意喚起表示723の掲出タイミングをオプション設定のタイミングとすることで、遊技者が遊技開始前あるいは遊技を中断して冷静な状態で注意喚起をおこなうことができる。したがって、遊技機10は、遊技者が注意喚起を甘受しやすい状態で注意喚起をおこなうことができ、遊技者の不快感の軽減と注意喚起効果の向上との両立を図ることができる。」
【図128】
オ 「【0936】また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。・・・」
カ 図103から、企業ロゴ表示の後、注意喚起A表示及び注意喚起B表示をおこなうことが看取される。
【図103】
キ 【0816】の「表示画面720aは、客待ち画面からオプション設定画面に切り替わる際に挿入される。表示画面720aは、注意喚起表示723を含む。注意喚起表示723は、大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と小さなフォントの詳細な注意事項とを表示する。」との記載と、図128(2)に示されている、注意喚起表示723の上段の大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と下段の小さなフォント表示から、
「客待ち画面からオプション設定画面に切り替わる際に挿入される、表示画面720aは、上段に大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と、その下段に小さなフォントの詳細な注意事項とを表示する、注意喚起表示723を含み」との事項が導かれる。
ク 【0625】の「図107(1)に示す注意喚起B表示は、メッセージ「のめり込みに注意しましょう」を表示する。」との記載と、【0816】の「注意喚起表示723は、大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と小さなフォントの詳細な注意事項とを表示する。」との記載、図107(1)及び図128(2)の記載から、
「注意喚起B表示は、注意喚起表示723と「のめり込みに注意しましょう」の文言が一致する一方、注意喚起表示723はさらに詳細な注意事項の文言を有する点で注意喚起B表示と異なり」との事項が導かれる。
そして、上記記載事項ア~オに記載された事項、図面に記載された事項カ、及び、記載事項及び図面から導かれる事項(以下、「認定事項」という。)キ~クを総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a~qは、本願発明のA~Qに概ね対応させて当審にて付与した。また、丸括弧内に示された段落番号は、引用文献1における引用箇所を示す。また、同丸括弧内に示された認定事項記号は、関連する認定事項を示す。)。
(引用発明)
a 遊技機10であって(【0010】)、
遊技機10は、遊技盤30が収納され(【0010】)、遊技盤30の表面には、遊技領域32が形成され、遊技領域32には、表示装置41を備え(【0015】)、
表示装置41は、表示画面を有する装置で構成され、表示画面には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示され、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれ、遊技の進行にもとづく演出のための画像(大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示され(【0016】)、
bh 客待ち画面である表示画面720は、客待ち表示721を含み(【0814】)、
cip 大当り中演出に関する動作として、ラウンド画面の表示等を行い(【0692】)、
dj 客待ち画面からオプション設定画面に切り替わる際に挿入される、表示画面720aは、上段に大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と、その下段に小さなフォントの詳細な注意事項とを表示する、注意喚起表示723を含み(認定事項キ)、
注意喚起表示723の掲出タイミングをオプション設定のタイミングとすることで、遊技者が遊技開始前あるいは遊技を中断して冷静な状態で注意喚起をおこなうことができ、遊技者の不快感の軽減と注意喚起効果の向上との両立を図ることができ(【0816】)、
eklp 遊技機10において実行される特図ゲームは、大当り1と、大当り2と、大当り3と、大当り4と、小当りとを当り種別に含み、各当りには、エンディング種別が設定され(【0608】)、
エンディング種別「エンディング1」は、確率変動および普電サポートがない遊技状態で発生した当りが大当り1または大当り2のときに、当該当りの終了時に選択され(【0617】)、
「エンディング1」は、大当り終了後に表示装置41において、表示され(【0611】)、
「エンディング1」は、遊技へののめり込みに対する注意を喚起する表示である注意喚起B表示をおこない、注意喚起B表示は、メッセージ「のめり込みに注意しましょう」を表示し(【0624】、【0625】)、
注意喚起B表示は、注意喚起表示723と「のめり込みに注意しましょう」の文言が一致する一方、注意喚起表示723はさらに詳細な注意事項の文言を有する点で注意喚起B表示と異なり(認定事項ク)、
fm 「エンディング1」は、プリペイドカードの取り忘れに対する注意を喚起する表示である、注意喚起A表示をおこない(【0622】)、
gn 「エンディング1」は、遊技機10の製造企業名を表示する企業ロゴ表示をおこない(【0620】、【0621】)、企業ロゴ表示の後、注意喚起A表示及び注意喚起B表示をおこない(【0622】、【0624】、図103)、
o 各構成は組み合わせて適用するものであり(【0936】)、
p 注意喚起A表示と注意喚起B表示とを並行して表示する(【0627】)、
q 遊技機10(【0010】)。」
5 本願発明と引用発明の対比
本願発明と引用発明とを分説にしたがって対比する。
(1)(構成A)
引用発明の構成aの「遊技機10」、「表示装置41」は、それぞれ本願発明の構成Aの「遊技機」、「表示手段」に相当する。
また、引用発明の構成aの「複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示され、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれ、遊技の進行にもとづく演出のための画像(大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示され」ることは、本願発明の構成Aの「複数の表示演出を実行」することに相当する。
してみると、引用発明の構成aは、本願発明の構成Aに相当する構成を有する。
(2)(構成B、H)
引用発明の構成bhの「客待ち表示721」「を含」む「客待ち画面である表示画面720」を表示することは、本願発明の構成Bの「複数の表示演出のうちの一つの演出として」の「第1の表示演出をおこなう」ことに相当するとともに、引用発明の構成bhの「客待ち表示721」「を含」む「客待ち画面である表示画面720」は本願発明の構成Hの「待ち受け表示をおこなう演出」に相当する。
してみると、引用発明の構成bhは、本願発明の構成B、Hに相当する構成を有する。
(3)(構成C、I)
引用発明の構成cipの「大当り中演出に関する動作として、ラウンド画面の表示等を行」うことは、本願発明の構成Cの「複数の表示演出のうちの一つの演出として」の「第2の表示演出をおこなう」ことに相当するとともに、引用発明の構成cipの「大当り中演出に関する動作として」の「ラウンド画面の表示」は本願発明の構成Iの「大当たり遊技中の大当たり遊技表示をおこなう演出」に相当する。
してみると、引用発明の構成cipは、本願発明の構成C、Iに相当する構成を有する。
(4)(構成D、J)
引用発明の構成diの「上段に大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」とその下段に小さなフォントの詳細な注意事項とを表示する、注意喚起表示723」は、その掲出態様からみて、「上段」の「大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」」は注意喚起の概要を示したものとみるべきであり、「下段」の「小さなフォントの詳細な注意事項」は、「上段」に「大きなフォント」で示した「メッセージ「のめり込みに注意しましょう」」について、より具体的にその注意内容を詳細に示したものと解するのが相当である。そうすると、引用発明の構成diにおける「大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」」は本願発明の構成Jの「遊技者の遊技に関してのめり込みを注意喚起する第1ののめり込み注意喚起表示をおこなう演出」に相当することに加え、引用発明の構成diにおける「小さなフォントの詳細な注意事項」もまた、本願発明の構成Jの「遊技者の遊技に関してのめり込みを注意喚起する第1ののめり込み注意喚起表示をおこなう演出」に相当するものであるといえる。
したがって、引用発明の構成diの「大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と小さなフォントの詳細な注意事項とを表示する、注意喚起表示723」を「掲出」することは、本願発明の構成Dの「複数の表示演出のうちの一つの演出として」の「第3の表示演出をおこなう」ことに相当するとともに、引用発明の構成diの「大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と小さなフォントの詳細な注意事項とを表示する、注意喚起表示723」は、本願発明の構成Jの「遊技者の遊技に関してのめり込みを注意喚起する第1ののめり込み注意喚起表示をおこなう演出」に相当する。
してみると、引用発明の構成djは、本願発明の構成D、Jに相当する構成を有する。
(5)(構成E、K、L)
引用発明の構成eklpの「メッセージ「のめり込みに注意しましょう」を表示」する「注意喚起B表示をおこなう」ことは、本願発明の構成Eの「複数の表示演出のうちの一つの演出として」の「第4の表示演出をおこなう」ことに相当するとともに、引用発明の構成eklpの「メッセージ「のめり込みに注意しましょう」を表示」する「注意喚起B表示」は本願発明の構成Kの「第2ののめり込み注意喚起表示をおこなう演出」に相当する。
また、引用発明の構成eklpの「注意喚起B表示は、注意喚起表示723と「のめり込みに注意しましょう」の文言が一致する一方、注意喚起表示723はさらに詳細な注意事項の文言を有する点で注意喚起B表示と異な」ることは、本願発明の構成Kの「第2ののめり込み注意喚起表示」が「前記第1ののめり込み注意喚起表示とは異なる」ことに相当するとともに、同構成Lの「前記第2ののめり込み注意喚起表示は、のめり込みを注意喚起するための文言が前記第1ののめり込み注意喚起表示と異なって」いることに相当する。
してみると、引用発明の構成eklpは、本願発明の構成E、K、Lに相当する構成を有する。
(6)(構成F、M)
引用発明の構成fmの「プリペイドカードの取り忘れに対する注意を喚起する表示である、注意喚起A表示をおこな」うことは、本願発明の構成Fの「複数の表示演出のうちの一つの演出として」の「第5の表示演出をおこなう」ことに相当するとともに、引用発明の構成fmの「プリペイドカードの取り忘れに対する注意を喚起する表示である、注意喚起A表示」は本願発明の構成Mの「前記第1ののめり込み注意喚起表示および前記第2ののめり込み注意喚起表示とは異なる表示であって遊技者に対して忘れ物に注意するように注意喚起する忘れ物注意喚起表示をおこなう演出」に相当する。
してみると、引用発明の構成fmは、本願発明の構成F、Mに相当する構成を有する。
(7)(構成G,N)
引用発明の構成gnの「遊技機10の製造企業名を表示する企業ロゴ表示をおこな」うことは、本願発明の構成Gの「複数の表示演出のうちの一つの演出として」の「第6の表示演出をおこなう」ことに相当するとともに、引用発明の構成gnの「遊技機10の製造企業名を表示する企業ロゴ表示」は本願発明の構成Nの「前記遊技機の製造メーカーを表す製造メーカー表示」に相当する。
してみると、引用発明の構成gnは、本願発明の構成G、Nに相当する構成を有する。
(8)(構成O)
引用発明の構成oの「各構成」を「組み合わせて適用する」ことは、引用発明の構成a~gnを踏まえると、本願発明の構成Oの「前記第1の表示演出と前記第2の表示演出と前記第3の表示演出と前記第4の表示演出と前記第5の表示演出と前記第6の表示演出とを含む組み合わせ演出がおこなわれる」ことを含むことは明らかである。
してみると、引用発明の構成oは、本願発明の構成Oに相当する構成を有する。
(9)(構成P)
ア 引用発明の構成bhの「客待ち表示721を含」む「客待ち画面である表示画面720」(本願発明の構成Pの「前記第1の表示演出における前記待ち受け表示」に相当)を表示すること、及び
引用発明の構成djの「客待ち画面からオプション設定画面に切り替わる際に挿入される」「大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と小さなフォントの詳細な注意事項とを表示する、注意喚起表示723」(本願発明の「第3の表示演出における前記第1ののめり込み注意喚起表示」に相当)を表示することは、両者で本願発明の構成Pの
「前記第1の表示演出における前記待ち受け表示と前記第3の表示演出における前記第1ののめり込み注意喚起表示とが同時期に前記表示手段に表示され」ることと、
「前記第1の表示演出における前記待ち受け表示と前記第3の表示演出における前記第1ののめり込み注意喚起表示とが前記表示手段に表示され」る点(以下、「構成P共通点」という。)で共通する。
イ また一般的に、遊技機においては、「客待ち画面」の後に遊技者が遊技を開始し、その結果として大当りが発生して大当り演出がおこなわれるとの順序で遊技が進行することが技術常識であることを考慮すると、引用発明cipにおける「大当り中演出に関する動作として、ラウンド画面の表示等を行」うこと(本願発明の「第2の表示演出がおこなわれ」ることに相当)は、「客待ち画面」の後におこなわれるものといえるから、引用発明の構成bhの「客待ち表示721を含」む「客待ち画面である表示画面720」を表示すること、及び、引用発明の構成djの「客待ち画面からオプション設定画面に切り替わる際に挿入される」「大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と小さなフォントの詳細な注意事項とを表示する、注意喚起表示723」を表示すること(両者は本願発明の構成Pと、構成P共通点で共通する。)よりも後におこなわれるものといえる。
してみると、引用発明の構成bhの「客待ち表示721を含」む「客待ち画面である表示画面720」を表示すること、及び、引用発明の構成djの「客待ち画面からオプション設定画面に切り替わる際に挿入される」「大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と小さなフォントの詳細な注意事項とを表示する、注意喚起表示723」を表示すること(両者で本願発明の構成Pと、構成P共通点で共通)、
及び引用発明cipにおける「大当り中演出に関する動作として、ラウンド画面の表示等を行」うこと(本願発明の「第2の表示演出がおこなわれ」ることに相当)は、本願発明の構成Pと
「前記組み合わせ演出では、前記第1の表示演出における前記待ち受け表示と前記第3の表示演出における前記第1ののめり込み注意喚起表示とが前記表示手段に表示された後、前記第2の表示演出がおこなわれ」る点で共通する。
ウ 引用発明の構成eklpの「メッセージ「のめり込みに注意しましょう」を表示」する「注意喚起B表示」(本願発明の「第4の表示演出」に相当)と、同構成fmの「プリペイドカードの取り忘れに対する注意を喚起する表示である、注意喚起A表示」(本願発明の「第5の表示演出」に相当)を「並行して表示」(同構成p)(本願発明の「前記第4の表示演出と前記第5の表示演出」に相当)することは、同構成eklpによれば、「大当り終了後に表示装置41において、表示され」る「エンディング1」での表示なのだから、引用発明の構成cipにおける「大当り中演出に関する動作として、ラウンド画面の表示等を行」うこと(本願発明の「第2の表示演出がおこなわれ」ることに相当)の後、「おこなわれ」る演出といえる。
また、引用発明の構成eklpの「メッセージ「のめり込みに注意しましょう」を表示」する「注意喚起B表示」と、同構成fmの「プリペイドカードの取り忘れに対する注意を喚起する表示である、注意喚起A表示」を「並行して表示」(同構成p)することは、本願発明の構成Pの「前記第4の表示演出における前記第2ののめり込み注意喚起表示と前記第5の表示演出における前記忘れ物注意喚起表示とは前記表示手段において同時に表示され」ることに相当する。
してみれば、引用発明の構成eklpの「メッセージ「のめり込みに注意しましょう」を表示」する「注意喚起B表示」と、同構成fmの「プリペイドカードの取り忘れに対する注意を喚起する表示である、注意喚起A表示」を「並行して表示」(同構成p)することは、本願発明の構成Pの「前記第2の表示演出がおこなわれた後、前記第4の表示演出と前記第5の表示演出とがおこなわれ、前記第4の表示演出における前記第2ののめり込み注意喚起表示と前記第5の表示演出における前記忘れ物注意喚起表示とは前記表示手段において同時に表示され」ることに相当する。
エ 引用発明の構成gn及び構成pの「「エンディング1」は、遊技機10の製造企業名を表示する企業ロゴ表示をおこない」「企業ロゴ表示の後、注意喚起A表示及び注意喚起B表示をおこない」「注意喚起A表示と注意喚起B表示とを並行して表示する」ことは、本願発明の構成Pの「前記第6の表示演出は、前記第2の表示演出の後であって、前記第4の表示演出と前記第5の表示演出とがおこなわれる前におこなわれる」ことに相当する。
オ 上記ア~エを総合すると、引用発明と本願発明の構成Pとは、
「前記組み合わせ演出では、前記第1の表示演出における前記待ち受け表示と前記第3の表示演出における前記第1ののめり込み注意喚起表示とが前記表示手段に表示された後、前記第2の表示演出がおこなわれ、前記第2の表示演出がおこなわれた後、前記第4の表示演出と前記第5の表示演出とがおこなわれ、前記第4の表示演出における前記第2ののめり込み注意喚起表示と前記第5の表示演出における前記忘れ物注意喚起表示とは前記表示手段において同時に表示され、前記第6の表示演出は、前記第2の表示演出の後であって、前記第4の表示演出と前記第5の表示演出とがおこなわれる前におこなわれる」点で共通する。
(10)(構成Q)
引用発明の「遊技機10」が本願発明の「遊技機」に相当することは、上記(1)(構成A)にて説示のとおりである。
してみると、引用発明の構成qは、本願発明の構成Qに相当する構成を有する。
そうすると、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は、以下のとおりである。
(一致点)
「A 複数の表示演出を実行可能な表示手段を備える遊技機であって、B 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第1の表示演出をおこなう場合があり、C 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第2の表示演出をおこなう場合があり、D 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第3の表示演出をおこなう場合があり、続きを表示(全17行)E 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第4の表示演出をおこなう場合があり、F 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第5の表示演出をおこなう場合があり、G 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第6の表示演出をおこなう場合があり、H 前記第1の表示演出は、待ち受け表示をおこなう演出であり、I 前記第2の表示演出は、大当たり遊技中の大当たり遊技表示をおこなう演出であり、J 前記第3の表示演出は、遊技者の遊技に関してのめり込みを注意喚起する第1ののめり込み注意喚起表示をおこなう演出であり、K 前記第4の表示演出は、前記第1ののめり込み注意喚起表示とは異なる第2ののめり込み注意喚起表示をおこなう演出であり、L 前記第2ののめり込み注意喚起表示は、のめり込みを注意喚起するための文言が前記第1ののめり込み注意喚起表示と異なっており、M 前記第5の表示演出は、前記第1ののめり込み注意喚起表示および前記第2ののめり込み注意喚起表示とは異なる表示であって遊技者に対して忘れ物に注意するように注意喚起する忘れ物注意喚起表示をおこなう演出であり、N 前記第6の表示演出は、前記遊技機の製造メーカーを表す製造メーカー表示をおこなう演出であり、O 前記第1の表示演出と前記第2の表示演出と前記第3の表示演出と前記第4の表示演出と前記第5の表示演出と前記第6の表示演出とを含む組み合わせ演出がおこなわれる場合があり、P´前記組み合わせ演出では、前記第1の表示演出における前記待ち受け表示と前記第3の表示演出における前記第1ののめり込み注意喚起表示とが前記表示手段に表示された後、前記第2の表示演出がおこなわれ、前記第2の表示演出がおこなわれた後、前記第4の表示演出と前記第5の表示演出とがおこなわれ、前記第4の表示演出における前記第2ののめり込み注意喚起表示と前記第5の表示演出における前記忘れ物注意喚起表示とは前記表示手段において同時に表示され、前記第6の表示演出は、前記第2の表示演出の後であって、前記第4の表示演出と前記第5の表示演出とがおこなわれる前におこなわれる、Q 遊技機。」
(相違点)(構成P)
「組み合わせ演出」における、「第1の表示演出における前記待ち受け表示と前記第3の表示演出における前記第1ののめり込み注意喚起表示」に関し、本願発明は、
「前記第1の表示演出における前記待ち受け表示と前記第3の表示演出における前記第1ののめり込み注意喚起表示とが同時期に前記表示手段に表示され」るのに対し、引用発明の「客待ち表示721を含」む「客待ち画面である表示画面720」(前記第1の表示演出における前記待ち受け表示)と「客待ち画面からオプション設定画面に切り替わる際に挿入される」「大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と小さなフォントの詳細な注意事項とを表示する、注意喚起表示723」(第3の表示演出における前記第1ののめり込み注意喚起表示)は、同時期に表示されるものではない点。
6 相違点の検討
上記相違点について検討する。
待ち受け表示をおこなう演出(第1の表示演出)がおこなわれているときに、のめり込み注意喚起表示をおこなう演出(第3の表示演出)をおこなうことは、例えば引用文献2(特に【0081】の「客待ち状態中には遊技の進行に関する演出が行われないため、多数の警告を報知しても、例えば、特別図柄判定の判定結果を示す演出の妨げにならない。・・・このため、・・・のめりこみ警告、・・・が報知される。これにより、・・・遊技にのめりこみ過ぎていないか等を遊技者に意識させる機会を与えることが可能である。」との記載や、図4等を参照。)や、
特開2018-12000号公報(特に【1222】の「また、画像表示装置14の表示部140で実行する客待ち演出として、例えば、・・・、遊技者に対する注意喚起の情報(例えば「18歳未満遊技禁止」「のめり込み禁止」「子供の車内報知禁止」等)を表示する注意喚起表示の何れか2つ以上の演出表示の組み合わせ(順不問)としてもよい。」との記載を参照)や、
特開2017-189666号公報(特に【0187】の「次に、第2待機状態において実行される客待ち演出について説明する。本実施形態における客待ち演出には、キャラクタ演出と、各種の注意喚起と、ロゴ演出と、が含まれている。本実施形態のパチンコ遊技機10において第2待機状態では、キャラクタ演出が実行された後、各種の注意喚起が実行され、その後、ロゴ演出が実行される。本実施形態では、キャラクタ演出の実行が開始されてからロゴ演出が終了するまでの時間が、第2待機状態となる時間に相当する。また、第2待機状態において実行される各種の注意喚起には、ゴト行為に関する注意喚起、遊技機をたたくことに関する注意喚起、のめり込みに関する注意喚起、車内放置に関する注意喚起、18歳未満で遊技を行うことに関する注意喚起、及び、悪質な攻略法の販売に関する注意喚起がある。」との記載や、図10(d)等を参照。)
にみられるように従来より周知の事項であり、引用発明の「客待ち画面からオプション設定画面に切り替わる際」に「大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と小さなフォントの詳細な注意事項とを表示」することに代えて、「客待ち画面である表示画面720」の表示(第1の表示演出)がおこなわれているときに「大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と小さなフォントの詳細な注意事項とを表示」することは、当業者が容易に想到することである。
そして、引用文献1の【0816】に記載の「遊技者が遊技開始前あるいは遊技を中断して冷静な状態で注意喚起をおこなうことができる。したがって、遊技機10は、遊技者が注意喚起を甘受しやすい状態で注意喚起をおこなうことができ、遊技者の不快感の軽減と注意喚起効果の向上との両立を図ることができる。」との作用効果は、遊技者の遊技開始前である「客待ち画面である表示画面720」の表示(第1の表示演出)がおこなわれているときに「大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と小さなフォントの詳細な注意事項とを表示」しても達成することができることからみて、「客待ち画面である表示画面720」の表示(第1の表示演出)がおこなわれているときに「大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」と小さなフォントの詳細な注意事項とを表示」することに阻害要因もない。
そして、本願発明の作用効果は、引用発明及び周知の事項から予測できるものである。
そうすると、本願発明は引用発明及び周知の事項から当業者が容易に発明をすることができたものである。
7 請求人の主張について
(1) 審判請求人は、令和2年10月19日提出の意見書(以下、単に「意見書」という。)の「(2)理由1、2について」「(2-2)請求項1に係る発明と引用文献1~2との対比」において、
「引用文献1には、以下のa~nが記載されております。・・・e,j 遊技へののめり込みに対する注意を喚起する表示である注意喚起B表示をおこない、注意喚起B表示は、メッセージ「のめり込みに注意しましょう」を表示し、注意喚起B表示は、注意喚起表示723と「のめり込みに注意しましょう」のフォントの大きさ、及び詳細な注意事項の有無が異なること(段落0624、0625、0816、図107(1)、128(2)等)。・・・しかしながら、引用文献1において、上記jにおける「エンディング1」の注意喚起A表示の「のめり込みに注意しましょう」と、上記iにおける注意喚起表示723の「のめり込みに注意しましょう」とは同じ文言の表示です。また、注意喚起表示723には、詳細な注意事項がある旨が記載されておりますが、この詳細な注意事項の具体的な内容が分からず、のめり込みに関する情報であるのかそれともその他の注意事項であるのか断定することができません。すなわち、「エンディング1」の注意喚起A表示におけるのめり込みを注意喚起する文言と、注意喚起表示723におけるのめり込みを注意喚起する文言とは同じであると思料致します。従って、引用文献1には、本願の主要構成部の一つである上記構成[5]「前記第2ののめり込み注意喚起表示は、のめり込みを注意喚起するための文言が前記第1ののめり込み注意喚起表示と異なっている点」について開示も示唆もされておりません。」
と主張している。
しかし、上記「5 本願発明と引用発明の対比」「(4)(構成D、J)」にて説示のように、引用発明の構成diの「上段に大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」とその下段に小さなフォントの詳細な注意事項とを表示する、注意喚起表示723」については、その掲出態様からみて、「上段」の「大きなフォントのメッセージ「のめり込みに注意しましょう」」は注意喚起の概要を示したものとみるべきであり、「下段」の「小さなフォントの詳細な注意事項」は、「上段」に「大きなフォント」で示した「メッセージ「のめり込みに注意しましょう」」について、より具体的にその注意内容を詳細に示したものと解するのが相当である。
そうすると、意見書における「注意喚起表示723には、詳細な注意事項がある旨が記載されておりますが、この詳細な注意事項の具体的な内容が分からず、のめり込みに関する情報であるのかそれともその他の注意事項であるのか断定することができません。」との解釈を根拠とし、「すなわち、「エンディング1」の注意喚起A表示におけるのめり込みを注意喚起する文言と、注意喚起表示723におけるのめり込みを注意喚起する文言とは同じであると思料致します。」との主張を採用して、本願について特許をすべきものとする審決をすることはできない。
(2) 審判請求人は、意見書の「(2)理由1、2について」「(2-2)請求項1に係る発明と引用文献1~2との対比」において、
「また、引用文献1では、プリペイドカードの取り忘れに対する注意喚起A表示と、「エンディング1」において、のめり込みに対する注意喚起B表示とを並行して表示することについては記載されておりますが、遊技機10の製造メーカーを表す製造メーカー表示を、大当たり遊技演出の後であって、注意喚起A表示と注意喚起B表示の前におこなうことについては開示も示唆もされておりません。」と主張している。
しかし、上記「5 本願発明と引用発明の対比」「(6)(構成G,N)」にて説示のとおり、引用発明の構成gnの「遊技機10の製造企業名を表示する企業ロゴ表示をおこな」うことは、本願発明の構成Gの「複数の表示演出のうちの一つの演出として」の「第6の表示演出をおこなう」ことに相当するとともに、引用発明の構成gnの「遊技機10の製造企業名を表示する企業ロゴ表示」は本願発明の構成Nの「前記遊技機の製造メーカーを表す製造メーカー表示」に相当する。さらに「(8)(構成P)」エにて説示のとおり、引用発明の構成gn及び構成Pの「「エンディング1」は、遊技機10の製造企業名を表示する企業ロゴ表示をおこない」「企業ロゴ表示の後、注意喚起A表示及び注意喚起B表示をおこない」「注意喚起A表示と注意喚起B表示とを並行して表示する」ことは、本願発明の構成Pの「前記第6の表示演出は、前記第2の表示演出の後であって、前記第4の表示演出と前記第5の表示演出とがおこなわれる前におこなわれる」ことに相当するものである。
そうすると、引用文献1では、遊技機10の製造メーカーを表す製造メーカー表示を、大当たり遊技演出の後であって、注意喚起A表示と注意喚起B表示の前におこなうことについては開示も示唆もされていないとする請求人の上記主張は、引用文献1に基づいた主張となっておらず、当該主張を採用して、本願について特許をすべきものとする審決をすることはできない。
8 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2019-017813