特許拒絶査定不服審判
2019-016333
画素アレイの駆動方法
- 審判番号
- 2019-016333
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-542239
- 請求日
- 2019年12月03日
- 審決日
- 2020年09月17日
- 公報発行日
- 2021年03月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人】北京京東方光電科技有限公司
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 審判長/審判官
- 審判長 中塚 直樹
- 審判官 濱本 禎広
- 審判官 岡田 吉美
- 分類
- P18 .121-Z (G09G) / P18 .575-Z (G09G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2017-542239「画素アレイの駆動方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 5月 6日国際公開、WO2016/065849、平成29年12月 7日国内公表、特表2017-536583〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成27年4月10日(パリ条約による優先権主張2014年10月31日、中華人民共和国)の出願であって、平成31年1月31日付けの拒絶理由の通知(平成31年2月8日発送)に対し、令和元年5月8日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、令和元年7月30日付けで拒絶査定がされ(令和元年8月5日送達)、これに対して令和元年12月3日に審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。
第2 令和元年12月3日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和元年12月3日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 補正の内容
令和元年12月3日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)により、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1が、下記の補正前請求項1から補正後請求項1に補正された。
<補正前請求項1>
「 【請求項1】
横縦比が1:2乃至1:1の間にある異なる色の複数のサブ画素を有する複数の画素ユニットを含む画素アレイの駆動方法であって、
表示される画像を複数の色分量を有する複数の理論的な画素ユニットに区画するステップと、
各サブ画素に、該サブ画素の中心を中心とし、該サブ画素と同行又は同列であり且つ同じ色を有する隣接的なサブ画素の中心と該サブ画素の中心とのラインの中間点を夫々4つの頂点とするひし形サンプリング領域を区画するサブステップと、
各理論的な画素ユニットと該サブ画素のひし形サンプリング領域との重なり面積と、該ひし形サンプリング領域の面積との比を、該サブ画素のひし形サンプリング領域に対する該理論的な画素ユニットの面積割合として算出するサブステップと、
該サブ画素のひし形サンプリング領域に対する各理論的な画素ユニットの面積割合に、該サブ画素と同じ色の該理論的な画素ユニットの色分量を掛けて得られる各積の和を該サブ画素の輝度値とするサブステップとを有する、
区画された各理論的な画素ユニットの色分量に基づき、各画素ユニットの各サブ画素の輝度値を算出するステップとを含み、
各理論的な画素ユニットの面積は、各画素ユニットの面積よりも小さい、
画素アレイの駆動方法。」
<補正後請求項1>
「 【請求項1】
横縦比が1:2乃至1:1の間にある異なる色の複数のサブ画素を有する複数の画素ユニットを含む画素アレイの駆動方法であって、
表示される画像を複数の色分量を有する複数の理論的な画素ユニットに区画するステップと、
各サブ画素に、該サブ画素の中心を中心とし、該サブ画素と同行又は同列であり且つ同じ色を有する隣接的なサブ画素の中心と該サブ画素の中心とのラインの中間点を夫々4つの頂点とするひし形サンプリング領域を区画するサブステップと、
各理論的な画素ユニットと該サブ画素のひし形サンプリング領域との重なり面積と、該ひし形サンプリング領域の面積との比を、該サブ画素のひし形サンプリング領域に対する該理論的な画素ユニットの面積割合として算出するサブステップと、
該サブ画素のひし形サンプリング領域に対する各理論的な画素ユニットの面積割合に、該サブ画素と同じ色の該理論的な画素ユニットの色分量を掛けて得られる各積の和を該サブ画素の輝度値とするサブステップとを有する、
区画された各理論的な画素ユニットの色分量に基づき、各画素ユニットの各サブ画素の輝度値を算出するステップとを含み、
前記理論的な画素ユニットは、目的の解像度に対応する前記表示される画像の面積単位であり、
各理論的な画素ユニットの面積は、各画素ユニットの面積よりも小さい、
画素アレイの駆動方法。」(下線は、補正箇所を示す。)
本件補正により、本件補正前の「理論的な画素ユニット」について、「目的の解像度に対応する前記表示される画像の面積単位」であることが限定され、かつ本件補正前の請求項1に係る発明と本件補正後の請求項1に係る発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であることから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正である。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて検討する。
2 本件補正後の本願発明
本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)は、本件補正により補正された特許請求の範囲、明細書及び図面からみて、その請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
3 引用刊行物に記載された発明
(1)引用刊行物1について
ア 引用刊行物1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前の平成16年10月7日に頒布された刊行物である特表2004-530924号公報(以下「引用刊行物1」という。)には、「1つの副画素フォーマット・データから別の副画素データ・フォーマットへの変換」(発明の名称)に関して、図面とともに以下の事項が記載されている。
<記載事項1>
「【請求項 10】
第1のフォーマットの原始画素データを、複数の3色画素を有する第2のフォーマットのディスプレイ用に変換する方法であって、
前記第1のフォーマットの前記原始画素データ内の各色のデータ点毎に暗示サンプル領域を決定し、
前記ディスプレイ内の各色のエミッタ毎にリサンプル領域を決定し、
前記暗示サンプル領域と前記リサンプル領域との各部分的な重なりの百分率重なり面積を前記リサンプル領域毎に決定してデータ値を得、
前記暗示サンプル領域毎に前記データ値に前記百分率重なり面積を掛けて積を作り、
各前記積を加えて前記リサンプル領域毎の輝度値を得る、
ことを含む変換方法。」
<記載事項2>
「【請求項 14】
前記輝度値で前記ディスプレイを駆動することを更に含む、請求項10記載の変換方法。」
<記載事項3>
「【請求項 22】
第1のフォーマットの原始画素データ内の各色のデータ点毎に、複数の3色画素を有する第2のフォーマットのディスプレイ用のリサンプル領域を決定する方法であって、
各前記3色画素の各エミッタの幾何学的中心を決定し、
1つの前記3色画素の前記エミッタの前記幾何学的中心と、隣接する前記3色画素の別の同色の前記エミッタの前記幾何学的中心との間に等距離に形成した線により各前記リサンプル領域を定義し、
前記線の格子を形成する、
ことを含むリサンプル領域を決定する方法。」
<記載事項4>
「【0020】 図10は、3色画素39の配置38の別の実施の形態の例を示す。3色画素39は正方形内の1個の青エミッタ32と、2個の赤エミッタ34と、2個の緑エミッタ36とから成る。3色画素39は正方形であり、X,Y座標システムの原点にある。青エミッタ32は正方形の原点の中心にあり、X,Y座標システムの第1、第2、第3、第4象限に延びる。1対の赤エミッタ34は対向する象限(すなわち、第2象限と第4象限)内に配置され、1対の緑エミッタ36は対向する象限(すなわち、第1象限と第3象限)内に配置され、どちらも青エミッタ32が占めていない象限の部分を占める。図10に示すように、青エミッタ32は菱形であり、その頂点は座標システムのX軸とY軸に並ぶ。赤エミッタ34と緑エミッタ36の対向する対は一般に正方形で、切り欠かれて内側に面する頂点は青エミッタ32の各辺に平行な縁を形成する。
【0021】 配列はパネル全体に繰り返されて望ましいマトリクス分解能を持つ装置を形成する。繰り返す3色画素は「チェッカ盤」を形成し、赤エミッタ34と緑エミッタ36は交替に並び、青エミッタ32は装置全体に均一に分布するが分解能は赤エミッタ34と緑エミッタ36の半分である。赤エミッタ34aと34bについては後で説明する。この3色画素配列の1つの利点はカラー・ディスプレイの分解能が改善されることである。その理由は、赤エミッタと緑エミッタだけが輝度チャンネルで高い分解能の知覚に大きく寄与するからである。したがって、青エミッタの数を減らしていくつかを赤エミッタと緑エミッタに置き換えると、人の視覚と一層密接に調和して分解能が向上する。赤エミッタと緑エミッタとを垂直軸で半分に分割して空間アドレス可能性を高めることは、従来技術の垂直単色ストライプより優れている。赤エミッタと緑エミッタとが交替する「チェッカ盤」により空間周波数分解能を水平軸方向にも垂直軸方向にも高めることができる。
【0022】 第1のデータ・フォーマットの画像を第2のデータ・フォーマットのディスプレイ上に再構築するには、各エミッタの幾何学的中心の再構築点を分離してサンプリング格子を作ることによりサンプル領域を定義する必要がある。図11は図10の3色画素の配置38についての実質的な再構築点の配置40を示す。再構築点(例えば、図11の33,35,37)は3色画素39内のエミッタ(例えば、それぞれ図10の32,34,36)の幾何学的位置の中心にある。赤再構築点35と緑再構築点37とはディスプレイ全体に赤と緑の「チェッカ盤」配列を形成する。青再構築点33は装置全体に均一に分布するが、分解能は赤再構築点35と緑再構築点37の半分である。副画素表示ではこれらの色再構築点をサンプリング点として処理し、これを用いて、別々に処理される色平面毎に実質的なサンプリング領域を構築する。図12は実質的な青サンプリング点46(図11の青再構築点33に対応する)と、図11の再構築配列についての青色平面42のサンプリング領域44とを示す。再構築点の正方形格子では、最小境界線は正方形格子である。
【0023】 図13は、図11の赤再構築点35と図7の赤再構築点25とに対応する実質的な赤サンプリング点51と、赤色平面48の実質的なサンプリング領域50,52,53,54を示す。サンプリング点51はディスプレイ境界に対して45°の正方形格子配列を形成する。したがってサンプリング格子の中心の配列内では、サンプリング領域は正方形格子を形成する。正方形格子がディスプレイの境界と部分的に重なるところでは「縁効果」があるので、同じ面積になるようにまた各サンプルの境界線が最小になるように形状を調整する(例えば、54)。サンプル領域を調べると、サンプル領域50はサンプル領域52と同じ面積を有するが、サンプル領域54はやや面積が大きく、隅のサンプル領域53はやや小さいことが分かる。このために誤差が生じる。すなわち、サンプル領域53内の変化するデータは過大に表され、サンプル領域54内の変化するデータは過小に表される。しかし数百万というエミッタを持つディスプレイでは誤差は極めて小さく、画像の隅で消える。」
<記載事項5>
「【0025】 図15は、赤、緑、青の値が等しい空間分解能格子上にありまた一致している、従来技術の画素データ・フォーマット70についてサンプル点74とその実質的なサンプル領域72との配列を示す。従来技術のディスプレイ・システムでは、単に図1に示す種類の従来技術のRGBストライプ・パネル上の各色平面からのデータを用いて、このデータの形を平面パネル・ディスプレイ上に再構築している。図1では各色の副画素の分解能はサンプル点と同じであって、行内の3つの副画素を単一の結合され混合された多色画素を構成するものとして処理し、各色の副画素の実際の再構築点の位置は無視した。この技術では、これをディスプレイの「固有モード」と呼ぶことが多い。これは副画素の、特に赤と緑の位置情報を無駄にする。
【0026】 対照的に、本出願は入力RGBデータを互いに重なる3平面として処理する。RGBフォーマットからのデータを変換するには各平面を別々に処理する。元の従来技術のフォーマットからの情報を本出願の一層効率的な副画素配置上に表示するには、リサンプリングによるデータ・フォーマットの変換が必要である。各サンプル点の出力が入力データの重み関数であるようにしてデータをリサンプリングする。各データ・サンプルの空間周波数に依存して、各出力サンプル点の重み関数は同じこともあり、異なることもある。これについては後で説明する。
【0027】 図16は、図15のサンプル点を図11の副画素表示済みサンプル点33、35、37の上に重ねた配置76を示す。ここで、図15のサンプル点74は図11の赤(赤再構築点35)と緑(緑再構築点37)の「チェッカ盤」配列と同じ空間分解能格子上にありまた一致する。図17は図15のサンプル点74とその実質的なサンプル領域72とを図12の青色平面サンプリング点46の上に重ねた配置78を示す。ここで、図15のサンプル点74は図11の赤(赤再構築点35)と緑(緑再構築点37)の「チェッカ盤」配列と同じ空間分解能格子上にありまた一致する。図17については後で更に説明する。
【0028】 図18は図15のサンプル点74とその実質的なサンプル領域72とを図13の赤色平面サンプリング点35と赤サンプリング領域50,52,53,54の上に重ねた配列80を示す。ここで、図15のサンプル点74は図11の赤(赤再構築点35)と緑(緑再構築点37)の「チェッカ盤」配列と同じ空間分解能格子上にありまた一致する。正方形サンプル領域52である内部の配列は一致する元のサンプル点74とそのサンプル領域82とを完全にカバーし、また延長して、サンプル領域52内にある周囲の各サンプル領域84の1/4をカバーする。アルゴリズムを決定するため、入力サンプル領域72の上の出力サンプル領域50,52,53,54のカバレージの分数すなわち部分的重なりを記録し、次にその対応するサンプル点74の値を掛けて出力サンプル領域35に適用する。図18で、中心の(すなわち一致する)入力サンプル領域84が埋める正方形サンプル領域52の面積は正方形サンプル領域52の半分である。したがって、対応するサンプル点74の値に1/2(すなわち、0.5)を掛ける。調べてみると、周囲の一致しない各入力領域84が埋める正方形サンプル領域52の面積はそれぞれ1/8(すなわち、0.125)である。したがって、対応する4つの入力サンプル点74の値に1/8(すなわち、0.125)を掛ける。次にこれらの値を前の値(例えば、0.5を掛けた値)に加えて、所定のサンプル点35の最終出力値を得る。」
<記載事項6>
「【0096】 約2:3以上のスケーリング比では、副画素のPenTileTMマトリクス配置のための副画素表示済みリサンプルデータ集合は、得られた画素を表すのにより効率的である。記憶および/または送信を行う画像をPenTileTMディスプレイ上に表示し、かつスケーリング比が2:3以上の場合は、記憶装置空間および/または帯域幅を節約するためにリサンプリングを行った後に記憶および/または送信を行うのがよい。リサンプルされたかかる画像を「予備表示された(prerendered)」と呼ぶ。このように、この予備表示は実質的に無損失の圧縮アルゴリズムとして機能する。本発明の利点は、ほとんど全ての記憶された画像をとり、任意の実際的な色副画素配置上に表示することができることである。」
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【0022】、【0023】、【0025】、【0028】、図11及び図13を参照しつつ図18を見ると、「赤色平面のサンプリング領域は、赤色画素の中心を中心とし、当該赤色画素と、当該赤色画素と同行又は同列であって、そのうちの隣接する赤色画素の中心とのラインの中間点をそれぞれ4つの頂点とする正方形サンプル領域であること」及び「緑色平面のサンプリング領域は、緑色画素の中心を中心とし、当該緑色画素と、当該緑色画素と同行又は同列であって、そのうちの隣接する緑色画素の中心とのラインの中間点をそれぞれ4つの頂点とする正方形サンプル領域であること」が見て取れる。
【0022】、【0025】、【0027】、図12を参照しつつ図17を見ると、「青色平面のサンプリング領域は、青色画素の中心を中心とし、当該青色画素と、当該青色画素との斜め方向に隣接する青色画素の中心とのラインの中間点をそれぞれ4つの頂点とする正方形サンプル領域であること」が見て取れる。
【0020】、図10からみて、3色画素は1個の青エミッタと、2個の赤エミッタと、2個の緑エミッタとからなることが見て取れる。また、【0027】、【0028】、【図17】、【図18】からみて、1個の青エミッタと2個の赤エミッタと2個の緑エミッタとからなる画素を1画素とみた場合、その面積は、第1のフォーマットの原始画素データ内の各色のデータ点毎に決定された暗示サンプル領域の4マス分(4倍)であることが見て取れる。(仮に、3色画素は2個の赤及び緑エミッタを有しているから2画素とみた場合でも、その面積は、暗示サンプル領域の2マス分(2倍)である。)
イ 引用刊行物1に記載された発明の認定
上記記載事項1から6及び上記図10から13、15から18の記載からみて、引用刊行物1には、以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。
なお、【請求項 10】、【請求項 22】に記載の「リサンプル領域」と、【0022】、【0023】、【0028】の「サンプリング領域」とは、引用刊行物1の記載の内容からみて、同じものであることは明らかであるから、「サンプリング領域」という表現に統一した。
「複数の3色画素を有するディスプレイを駆動する方法であって(【請求項 10】、【請求項 14】)、
第1のフォーマットの原始画素データ内の各色のデータ点毎に暗示サンプル領域を決定し、前記ディスプレイ内の各色のエミッタ毎にサンプリング領域を決定するものであり(【請求項 10】)、
各前記3色画素の各エミッタの幾何学的中心を決定し、1つの前記3色画素の前記エミッタの前記幾何学的中心と、隣接する前記3色画素の別の同色の前記エミッタの前記幾何学的中心との間に等距離に形成した線により、各前記サンプリング領域を決定するものであり(【請求項 22】)、
赤色平面のサンプリング領域は、赤色画素の中心を中心とし、当該赤色画素と、当該赤色画素と同行又は同列であって、そのうちの隣接する赤色画素の中心とのラインの中間点をそれぞれ4つの頂点とする正方形サンプル領域であり(【図18】)、
緑色平面のサンプリング領域は、緑色画素の中心を中心とし、当該緑色画素と、当該緑色画素と同行又は同列であって、そのうちの隣接する緑色画素の中心とのラインの中間点をそれぞれ4つの頂点とする正方形サンプル領域であり(【図18】)、
青色平面のサンプリング領域は、青色画素の中心を中心とし、当該青色画素と、当該青色画素との斜め方向に隣接する青色画素の中心とのラインの中間点をそれぞれ4つの頂点とする正方形サンプル領域であり(【図17】)、
前記暗示サンプル領域と前記サンプリング領域との各部分的な重なりの百分率重なり面積を前記サンプリング領域毎に決定してデータ値を得るものであり(【請求項 10】)、
前記暗示サンプル領域毎に前記データ値に前記百分率重なり面積を掛けて積を作り、各前記積を加えて前記サンプリング領域毎の輝度値を得ることにより(【請求項 10】)、
第1のフォーマットの原始画素データを、複数の3色画素を有する第2のフォーマットのディスプレイ用に変換するものであり(【請求項 10】)、
前記暗示サンプル領域は、赤、緑、青の値が等しい空間分解能格子上にあり、また一致しており(【0025】、【図15】)、
前記暗示サンプル領域の面積は1個の青エミッタと2個の赤エミッタと2個の緑エミッタとからなる画素の面積よりも小さい(【0020】、【0027】、【0028】、【図10】、【図17】、【図18】)、
前記輝度値で前記ディスプレイを駆動する方法(【請求項 14】)。」
(2)引用刊行物2について
ア 引用刊行物2に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前の平成26年9月10日に頒布された刊行物である中国特許出願公開第104036710号明細書(以下「引用刊行物2」という。)には、以下の事項が記載されている。なお、原文は中国語で記載されているため、当審による仮訳を併せて示す。
<記載事項7>
(1.画素アレイ、この画素アレイは複数の画素セルを含み、各前記の画素セルは複数の色が異なったサブピクセルを含み、その特徴は、各前記のサブピクセルが横軸方向の長さとこのサブピクセルに沿って縦方向に沿う長さの比は1:2に1:1の間に至る。
2.請求項1に記載の画素アレイ、その特徴は、前記画素セルは3個の色が異なった前記サブピクセルを含み、各前記のサブピクセルが横軸方向の長さとこのサブピクセルに沿って縦方向に沿う長さの比が2:3とする。)
<記載事項8>
([0086]図6に示すように、本発明の一態様として、画素アレイを提供し、この画素アレイは複数の画素セルを含み、各前記の画素セルは3個の色が異なったサブピクセルを含み、そのうち、各前記のサブピクセルが横軸方向の長さとこのサブピクセルに沿って縦方向に沿う長さの比は1:2に1:1の間に至る。)
<記載事項9>
([0090]本発明としての実施形態は、図2a~図2d、図5a~図5fと図6に示すように、各前記のサブピクセルが横軸方向の長さとこのサブピクセルに沿って縦方向に沿う長さの比が2:3とする。図2a、3個のサブピクセルは順次以下である:赤サブ画素R、青サブピクセルBと緑色サブ画素G;図2b、3個のサブピクセルは順次青サブピクセルB、赤サブ画素Rと緑色サブ画素Gとする;図2c、3個のサブピクセルは順次赤サブ画素R、緑色サブ画素Gと青サブピクセルBとし、図2dに、3個のサブピクセルは順次青サブピクセルB、緑色サブ画素Gと赤サブ画素Rとする。)
【図6】
【図6】から、赤、青、緑のそれぞれの画素の中心が隣接する行又は列の間で千鳥上に配置されていることが見て取れる。
(3)引用刊行物3について
ア 引用刊行物3に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前の平成26年6月25日に頒布された刊行物である中国特許出願公開第103886825号明細書(以下「引用刊行物3」という。)には、以下の事項が記載されている。なお、原文は中国語で記載されているため、当審による仮訳を併せて示す。
<記載事項10>
([0031]好ましくは、各前記の実際のサブピクセルは横軸方向に沿う長さとこの実際サブピクセルが縦方向に沿う長さの比が1:2とする;あるいは、各前記のサブピクセルが横軸方向の長さとこのサブピクセルに沿って縦方向に沿う長さの比が1:1とする。)
<記載事項11>
([0098]あるいは、図5a~図5fと図6に示すように、各前記の実画素ユニットが3個の色を含んで互いに異なることができる実際のサブピクセルは、各前記の実際のサブピクセルが横軸方向の長さとこの実際サブピクセルに沿って縦方向に沿う長さの比が2:3とする。)
【図6】
【図6】から、赤、青、緑のそれぞれの画素の中心が隣接する行又は列の間で千鳥上に配置されていることが見て取れる。
4 対比
本願補正発明と引用発明1を対比する。
ア ディスプレイ一般において、「赤色画素」、「緑色画素」及び「青色画素」の3つのサブ画素でカラー表示の1画素を構成し、当該1画素をアレイ状に配置することは技術常識であるから、「複数の3色画素を有するディスプレイを駆動する方法」である引用発明1と「横縦比が1:2乃至1:1の間にある異なる色の複数のサブ画素を有する複数の画素ユニットを含む画素アレイの駆動方法」である本願補正発明は、「異なる色の複数のサブ画素を有する複数の画素ユニットを含む画素アレイの駆動方法」という点で共通する。
イ 引用発明1の「第1のフォーマットの原始画素データ」は、本願補正発明の「表示される画像」に相当する。また、引用発明1が「前記暗示サンプル領域と前記サンプリング領域との各部分的な重なりの百分率重なり面積を前記サンプリング領域毎に決定してデータ値を得るものであり、前記暗示サンプル領域毎に前記データ値に前記百分率重なり面積を掛けて積を作り、各前記積を加えて前記サンプリング領域毎の輝度値を得ることにより、第1のフォーマットの原始画素データを、複数の3色画素を有する第2のフォーマットのディスプレイ用に変換するものであ」る点を踏まえると、引用発明1の「各色のデータ点毎に暗示サンプル領域を決定」することは、本願補正発明の「複数の色分量を有する複数の理論的な画素ユニットに区画する」ことに相当する。
よって、引用発明1の「第1のフォーマットの原始画素データ内の各色のデータ点毎に暗示サンプル領域を決定」することは、本願補正発明の「表示される画像を複数の色分量を有する複数の理論的な画素ユニットに区画するステップ」に相当する。
ウ 引用発明1の「3色画素の各エミッタの幾何学的中心」は、本願補正発明の「サブ画素の中心」に相当する。引用発明1の「サンプリング領域」は本願補正発明の「サンプリング領域」に相当する。また、正方形はひし形の一種である。
これらの点も踏まえると、引用発明1は「赤色平面のサンプリング領域は、赤色画素の中心を中心とし、当該赤色画素と、当該赤色画素と同行又は同列であって、そのうちの隣接する赤色画素の中心とのラインの中間点をそれぞれ4つの頂点とする正方形サンプル領域であり」、「緑色平面のサンプリング領域は、緑色画素の中心を中心とし、当該緑色画素と、当該緑色画素と同行又は同列であって、そのうちの隣接する緑色画素の中心とのラインの中間点をそれぞれ4つの頂点とする正方形サンプル領域であり」、「青色平面のサンプリング領域は、青色画素の中心を中心とし、当該青色画素と、当該青色画素との斜め方向に隣接する青色画素の中心とのラインの中間点をそれぞれ4つの頂点とする正方形サンプル領域であ」るから、「各サブ画素に、該サブ画素の中心を中心とし、該サブ画素と同行又は同列であり且つ同じ色を有する隣接的なサブ画素の中心と該サブ画素の中心とのラインの中間点を夫々4つの頂点とするひし形サンプリング領域を区画するサブステップ」である本願補正発明とは、「各サブ画素に、該サブ画素の中心を中心とするひし形サンプリング領域を区画するサブステップ」を有し、かつ「そのうちの2色のサブ画素について、各サブ画素に、該サブ画素の中心を中心とし、該サブ画素と同行又は同列であり且つ同じ色を有する隣接的なサブ画素の中心と該サブ画素の中心とのラインの中間点を夫々4つの頂点とするひし形サンプリング領域を区画するサブステップ」を有する点で共通する。
エ 引用発明1の「暗示サンプル領域」は、本願補正発明の「各理論的な画素ユニット」に相当し(上記「イ」参照)、引用発明1の「正方形」の「サンプリング領域」は本願補正発明の「ひし形サンプリング領域」に相当するから(上記「ウ」参照)、引用発明の「暗示サンプル領域と前記サンプリング領域との各部分的な重なり」は、本願補正発明の「各理論的な画素ユニットと該サブ画素のひし形サンプリング領域との重なり」に相当する。引用発明1の「正方形」の「暗示サンプル領域と前記サンプリング領域との各部分的な重なりの百分率重なり面積を前記サンプリング領域毎に決定してデータ値を得」ることは、本願補正発明の「各理論的な画素ユニットと該サブ画素のひし形サンプリング領域との重なり面積と、該ひし形サンプリング領域の面積との比を、該サブ画素のひし形サンプリング領域に対する該理論的な画素ユニットの面積割合として算出するサブステップ」に相当する。
オ 引用発明1の「暗示サンプル領域毎」の「データ値」、「正方形」の「暗示サンプル領域と前記サンプリング領域との各部分的な重なり」の「百分率重なり面積」及び「各前記積を加えて前記サンプリング領域毎の輝度値を得る」は、それぞれ本願補正発明の「該サブ画素と同じ色の該理論的な画素ユニットの色分量」、「該サブ画素のひし形サンプリング領域に対する各理論的な画素ユニットの面積割合」及び「各積の和を該サブ画素の輝度値とする」に相当する。
よって、引用発明1の「前記暗示サンプル領域毎に前記データ値に前記百分率重なり面積を掛けて積を作り、各前記積を加えて前記サンプリング領域毎の輝度値を得ること」は、本願補正発明の「該サブ画素のひし形サンプリング領域に対する各理論的な画素ユニットの面積割合に、該サブ画素と同じ色の該理論的な画素ユニットの色分量を掛けて得られる各積の和を該サブ画素の輝度値とするサブステップ」に相当する。
カ 引用発明1の「第1のフォーマットの原始画素データを、複数の3色画素を有する第2のフォーマットのディスプレイ用に変換」することは、本願補正発明の「区画された各理論的な画素ユニットの色分量に基づき、各画素ユニットの各サブ画素の輝度値を算出するステップ」に相当する。
キ 引用発明1の「前記暗示サンプル領域は、赤、緑、青の値が等しい空間分解能格子上にあり、また一致している」は、等しい空間分解能格子上にあり、第1のフォーマットの解像度に対応した面積となることは明らかであるから、本願補正発明の「前記理論的な画素ユニットは、目的の解像度に対応する前記表示される画像の面積単位であ」ることに相当する。
ク 引用発明1の「前記暗示サンプル領域の面積は1個の青エミッタと2個の赤エミッタと2個の緑エミッタとからなる画素の面積よりも小さい」は、本願補正発明の「各理論的な画素ユニットの面積は、各画素ユニットの面積よりも小さい」に相当する。
したがって、本願補正発明と引用発明1は、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。
<一致点>
異なる色の複数のサブ画素を有する複数の画素ユニットを含む画素アレイの駆動方法であって、
表示される画像を複数の色分量を有する複数の理論的な画素ユニットに区画するステップと、
各サブ画素に、該サブ画素の中心を中心とするひし形サンプリング領域を区画するサブステップであって、そのうちの2色については、各サブ画素に、該サブ画素の中心を中心とし、該サブ画素と同行又は同列であり且つ同じ色を有する隣接的なサブ画素の中心と該サブ画素の中心とのラインの中間点を夫々4つの頂点とするひし形サンプリング領域を区画するサブステップとと、
各理論的な画素ユニットと該サブ画素のひし形サンプリング領域との重なり面積と、該ひし形サンプリング領域の面積との比を、該サブ画素のひし形サンプリング領域に対する該理論的な画素ユニットの面積割合として算出するサブステップと、
該サブ画素のひし形サンプリング領域に対する各理論的な画素ユニットの面積割合に、該サブ画素と同じ色の該理論的な画素ユニットの色分量を掛けて得られる各積の和を該サブ画素の輝度値とするサブステップとを有する、
区画された各理論的な画素ユニットの色分量に基づき、各画素ユニットの各サブ画素の輝度値を算出するステップとを含み、
前記理論的な画素ユニットは、目的の解像度に対応する前記表示される画像の面積単位である、
各理論的な画素ユニットの面積は、各画素ユニットの面積よりも小さい、
画素アレイの駆動方法、である点。
<相違点>
異なる色の複数のサブ画素が、本願補正発明では「横縦比が1:2乃至1:1の間にある」ものであり、各サブ画素に、該サブ画素の中心を中心とするひし形サンプリング領域を区画するサブステップが、3色の全色について、各サブ画素に、該サブ画素の中心を中心とし、該サブ画素と同行又は同列であり且つ同じ色を有する隣接的なサブ画素の中心と該サブ画素の中心とのラインの中間点を夫々4つの頂点とするひし形サンプリング領域を区画するサブステップであるのに対して、引用発明1では、異なる色の複数のサブ画素が「横縦比が1:2乃至1:1の間にある」ことの特定はなく、青色については、青色画素のサンプル領域は、青色画素の中心を中心とし、当該青色画素と、当該青色画素との斜め方向に隣接する青色画素の中心とのラインの中間点をそれぞれ4つの頂点とする正方形サンプル領域である点。
5 当審の判断
上記相違点について検討する。
引用発明1においては、サンプリング領域を決定する方法については、三色共通に「各前記3色画素の各エミッタの幾何学的中心を決定し、1つの前記3色画素の前記エミッタの前記幾何学的中心と、隣接する前記3色画素の別の同色の前記エミッタの前記幾何学的中心との間に等距離に形成した線により各前記サンプリング領域を定義」する手法を用いているが、赤色と緑色については、画素のサンプル領域は、当該画素の中心を中心とし、当該画素と、当該画素と同行又は同列であって、同じ色の画素のうちの隣接する画素の中心とのラインの中間点をそれぞれ4つの頂点とする正方形サンプル領域となっているが、青色画素のサンプル領域は、青色画素の中心を中心とし、当該青色画素と、当該青色画素との斜め方向に隣接する青色画素の中心とのラインの中間点をそれぞれ4つの頂点とする正方形サンプル領域となっており、赤色緑色と異なっている。この理由は、赤色画素と緑色画素は、隣接する行又は列の間で千鳥上の配置になっているが、青色の場合には、千鳥色の配置になっていないことに起因する。
引用発明1は、赤、緑、青の値が等しい空間分解能格子上にありまた一致している、従来の画素データ・フォーマットを、リサンプリングによるデータ・フォーマットの変換により、副画素の任意の実際的な配置上に表示することを可能にしたものであり(【0011】)、【0014】に「当業者が理解するように、本発明の以下の説明は単なる例であって、制限するものではない。本発明の他の実施の形態は当業者が容易に考えることができる。」と記載されているように、様々な画素配列のディスプレイに適用を試みることは、当業者にとっては通常の創作活動にほかならない。
ここで、横縦比が1:2から1:1の間にある異なる色の複数のサブ画素を有する複数の画素ユニットを含む画素アレイであって、赤、青、緑のそれぞれの画素の中心が隣接する行又は列の間で千鳥上に配置されているものは、引用刊行物2(中国特許出願公開第104036710号明細書)や引用刊行物3(中国特許出願公開第103886825号明細書)に示されているように、本願の優先日前に周知のものである(上記「3(2)」及び「3(3)」を参照)。
してみれば、引用発明1を上記の周知の画素アレイに適用して、異なる色の複数のサブ画素が横縦比が1:2から1:1の間にあるようにし、かつ、青色画素が隣接する行又は列の間で千鳥上の配置になっているので、青色画素のサンプル領域についても、青色画素の中心を中心とし、当該青色画素と、当該青色画素と同行又は同列であって、そのうちの隣接する青色画素の中心とのラインの中間点をそれぞれ4つの頂点とする正方形サンプル領域として、本願補正発明のように構成することは、当業者にとっては、通常の創作能力の発揮にすぎず、困難性を認めることはできない。
そして、本願補正発明によって奏される効果については、引用発明1及び周知技術から当業者が予測し得る程度を超える格別顕著な効果の存在は認められない。
したがって、本願補正発明は、引用発明1及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
6 まとめ
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和元年5月8日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、その請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「 【請求項1】
横縦比が1:2乃至1:1の間にある異なる色の複数のサブ画素を有する複数の画素ユニットを含む画素アレイの駆動方法であって、
表示される画像を複数の色分量を有する複数の理論的な画素ユニットに区画するステップと、
各サブ画素に、該サブ画素の中心を中心とし、該サブ画素と同行又は同列であり且つ同じ色を有する隣接的なサブ画素の中心と該サブ画素の中心とのラインの中間点を夫々4つの頂点とするひし形サンプリング領域を区画するサブステップと、
各理論的な画素ユニットと該サブ画素のひし形サンプリング領域との重なり面積と、該ひし形サンプリング領域の面積との比を、該サブ画素のひし形サンプリング領域に対する該理論的な画素ユニットの面積割合として算出するサブステップと、
該サブ画素のひし形サンプリング領域に対する各理論的な画素ユニットの面積割合に、該サブ画素と同じ色の該理論的な画素ユニットの色分量を掛けて得られる各積の和を該サブ画素の輝度値とするサブステップとを有する、
区画された各理論的な画素ユニットの色分量に基づき、各画素ユニットの各サブ画素の輝度値を算出するステップとを含み、
各理論的な画素ユニットの面積は、各画素ユニットの面積よりも小さい、
画素アレイの駆動方法。」
第4 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1-10に係る発明は、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1から3に記載された発明に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
なお、下記引用文献1から3はいずれも、前記「第2」の「3 引用刊行物に記載された発明」において示した引用刊行物1から3と同じものである。
引用文献1.特表2004-530924号公報
引用文献2.中国特許出願公開第104036710号明細書(周知技術を示す文献)
引用文献3.中国特許出願公開第103886825号明細書(周知技術を示す文献)
第5 引用文献に記載された発明
引用文献1に記載された発明は、前記「第2」の「3 引用刊行物に記載された発明」に記載したとおりである。
第6 対比・判断
本願発明は、前記「第2」の「5 当審の判断」で検討した本願補正発明について、「理論的な画素ユニットは、目的の解像度に対応する前記表示される画像の面積単位であり」という限定事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに当該発明特定事項の一部を限定したものに相当する本願補正発明が、前記「第2」の「5 当審の判断」において記載したとおり、引用発明1及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明1及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明1及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本件出願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2019-016333