特許拒絶査定不服審判
2022-005568
タッチ表示パネルおよび表示装置
- 審判番号
- 2022-005568
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-514827
- 請求日
- 2022年04月13日
- 審決日
- 2022年10月04日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人】北京京東方光電科技有限公司
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 審判長/審判官
- 審判長 稲葉 和生
- 審判官 中野 裕二
- 審判官 富澤 哲生
- 分類
- P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-514827「タッチ表示パネルおよび表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 7月12日国際公開、WO2018/126658、令和 2年 1月30日国内公表、特表2020-503572、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)7月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2017年1月3日、中国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 4月15日付け:拒絶理由通知書
令和3年 7月19日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年12月 3日付け:拒絶査定
令和4年 4月13日 :審判請求書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和3年12月3日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-5に係る発明は、以下の引用文献1-3に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.中国特許出願公開第105653087号明細書
2.特開2014-157219号公報
3.米国特許出願公開第2016/0378254号明細書
第3 本願発明
本願請求項1-5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明5」という。)は、令和3年7月19日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-5に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
表示領域に設けられた複数のタッチ信号線および複数のデータ線と、周辺領域に設けられた複数のリード端子と、を含むタッチ表示パネルであって、
前記複数のリード端子は、前記複数のデータ線とそれぞれ接続された複数の第1端子と、前記複数のタッチ信号線とそれぞれ接続された複数の第2端子と、を含み、
前記複数のリード端子は、行方向または列方向について前記第1、第2端子が、接続されているデータ線およびタッチ信号線と配列順序が一致して設置されるように、マトリックス状に配列され、
前記表示領域は、複数列の画素を含み、2列ごとの画素に1つのタッチ信号線が配設されるか、前記表示領域は、複数列の画素を含み、1列ごとの画素に1つのタッチ信号線が配設され、
前記画素は、赤色のサブ画素、緑色のサブ画素および青色のサブ画素を含み、前記タッチ信号線は、赤色のサブ画素と緑色のサブ画素との間に配設されている
タッチ表示パネル。」
また、本願発明2-5は、本願発明1を減縮した発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。訳は当審訳。以下同じ。)。
「
[図:0001389325000001.jpg]
」
[当審訳]
「【0018】 図1は、従来の設計に提供される表示パネルの概略図である。図1に示すように、表示パネル10は、表示領域11及び枠領域12を含む。表示領域11に、第1信号線111a及び第2信号線111bを含む複数の信号線111が設置される。非表示領域12は、扇形配線121及び半導体チップ122を含む。扇形配線121は、第1扇形配線121a及び第2扇形配線121bを含む。半導体チップ122に、第1端子124a及び第2端子124bを含む複数の端子124が設置される。図1から明らかなように、扇形配線121の一端は、半導体チップ122上の複数の端子124に電気的に接続されている。他端は表示領域11上の信号線111に電気的に接続されている。これにより、半導体チップ122は、端子124を介してセクタに信号を送信する。さらに、扇形配線121を介して表示領域の信号線111に伝送される。」
「
[図:0001389325000002.jpg]
」
[当審訳]
「【0019】図2は、図1に示す表示パネル10における半導体チップ122の端子124の分布模式図である。図2に示すように、半導体チップ122は第1端子124a及び第2端子124bを含み、第1端子124aは半導体チップ122の2つの端領域に位置する一方、第2端子124bは半導体チップ122の中間領域に位置する。また、第1端子124aの数は、第2端子124bの数より少ない。図1に示す表示パネル10において、ここで、第1信号線111b(当審注:「第1信号線111b」は「第2信号線111b」の誤記と認められる。以下同じ。)は、表示領域11における各画素(図示されていない。)にデータ信号を提供するデータ信号線であり、第2信号線111a(当審注:「第2信号線111a」は「第1信号線111a」の誤記と認められる。)は、表示領域11における各タッチ電極(図示されていない。)にタッチ信号を提供するタッチ信号線である。当業者であれば理解できるように、表示パネルにおけるデータ信号線の数はタッチ信号線の数よりはるかに多い。また、データ信号線は扇形配線によって半導体上に接続される。端子124は電気的に接続され、即ち図1に示す第1信号線111bが第1扇形配線121b(当審注:「第1扇形配線121b」は「第2扇形配線121b」の誤記と認められる。)を介して半導体チップ122上の第2端子124bまで接続される。したがって、第1端子124aの数は、第2端子124bの数よりはるかに少ない。」
「【図1】
[図:0001389325000003.jpg]
」
「【図2】
[図:0001389325000004.jpg]
」
ここで、引用文献1に記載されている事項について検討する。
ア 上記【0018】の「表示領域11に、第1信号線111a及び第2信号線111bを含む複数の信号線111が設置される。」及び「半導体チップ122に、第1端子124a及び第2端子124bを含む複数の端子124が設置される。」との記載並びに上記【図1】の記載から、「表示領域11に、複数の第1信号線111a及び複数の第2信号線111bを含む複数の信号線111が設置され」ること及び「半導体チップ122に、複数の第1端子124a及び複数の第2端子124bを含む複数の端子124が設置され」ることが記載されていると認められる。
イ 上記【0018】の「扇形配線121の一端は、半導体チップ122上の複数の端子124に電気的に接続されている。他端は表示領域11上の信号線111に電気的に接続されている。」との記載、上記【0019】の「第1信号線111bが第1扇形配線121bを介して半導体チップ122上の第2端子124bまで接続され」との記載及び上記【図1】の記載から、「複数の第1信号線111aがそれぞれ複数の第1端子124aまで接続され、複数の第2信号線111bがそれぞれ複数の第2端子124bまで接続されている」ことが記載されていると認められる。
したがって、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「表示パネル10は、表示領域11及び非表示領域(枠領域)12を含み、
表示領域11に、複数の第1信号線111a及び複数の第2信号線111bを含む複数の信号線111が設置され、
非表示領域(枠領域)12は、扇形配線121及び半導体チップ122を含み、
扇形配線121は、第1扇形配線121a及び第2扇形配線121bを含み、
半導体チップ122に、複数の第1端子124a及び複数の第2端子124bを含む複数の端子124が設置され、
扇形配線121の一端は、半導体チップ122上の複数の端子124に電気的に接続され、他端は表示領域11上の信号線111に電気的に接続され、
第1端子124aは半導体チップ122の2つの端領域に位置する一方、第2端子124bは半導体チップ122の中間領域に位置し、
第2信号線111bは、表示領域11における各画素にデータ信号を提供するデータ信号線であり、
第1信号線111aは、表示領域11における各タッチ電極にタッチ信号を提供するタッチ信号線であり、
複数の第1信号線111aがそれぞれ複数の第1端子124aまで接続され、複数の第2信号線111bがそれぞれ複数の第2端子124bまで接続されている
表示パネル10。」
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0048】
《実施の形態1》
図1には表示パネルに実装されるドライバICの外部接続端子配列の第1の実施形態が例示される。ドライバIC1aは表示パネルなどの被駆動回路の駆動に用いる半導体チップであり、ベアチップ若しくはフリップチップとも称される。特に制限されないが、ドライバIC1aはCMOS集積回路製造技術などの半導体集積回路製造技術によって単結晶シリコンに代表される半導体基板などの基板上に所要の回路が形成されて成る。
【0049】
ドライバIC1aは平面視で矩形を呈し、矩形の平行な一対の第1の縁辺2と第2の縁辺3の夫々の縁辺寄りに外部接続端子4、5の列が形成されている。第1の縁辺2寄りには第1の外部接続端子4が配列され、第2の縁辺寄りには第2の外部接続端子5が配置される。外部接続端子4は、特に制限されないが、2列で千鳥状に配置されている。特に制限されないが、外部接続端子4は外部接続端子5に比べて配置密度が高くされる。外部接続端子4、5は、特に制限されないが、半導体基板の上の最上層の配線層の配線の一部が表面保護層から外部に露出された電極パッドに、金バンプが形成されて成る。」
「【0054】
図5にはTFTアレイ基板22におけるドライバIC1aの実装形態が例示される。30は前記TFTアレイ基板上22のドライバICの実装領域24で前記ドライバIC1aのCOG実装位置に引き出された駆動側実装配線、40は同じくホスト側実装配線である。駆動側実装配線30には例えばTFTのゲート線及びソース線を含み、液晶表示パネル21の解像度などに応じてその本数が決まり、高解像度化によりその本数は増大の一途をたどる。TFTアレイ基板22の幅に対してドライバIC1aの長変寸法は格段に小さいために、駆動側実装配線30は途中で屈曲されて中央部に集められて配線ピッチが縮小されている。駆動側実装配線30ほどではないがホスト側実装配線40についても同様に途中で屈曲されて中央部に集められて配線ピッチが縮小されている。ホスト側実装配線40はその一部が図示されたFPC(Flexible printed circuits)配線50に接続され、このFPC配線50を介して図示を省略するホスト(ホスト装置)にインタフェースされる。
【0055】
千鳥状に配置された第1の外部接続端子4は対応する駆動側実装配線30に接続される。第2の外部接続端子5は対応するホスト側実装配線40に接続される。ドライバIC1aは実装配線30,40の上から対応する端子4,5を接続するようにして実装される。例えば実装配線30,40はITO(Indium Tin Oxide)パターンによる透明電極で形成され、ドライバIC1の端子4,5を構成する金バンプとの間にAFC(Anisotropy Conductive Film)を介在させ、ドライバIC1aを上から加圧することにより、AFCの導電ビーズを潰して所要の電気的な導通が採られ、且つ、AFCのバインダでドライバIC1aが実装領域24に固定される。」
「【図1】
[図:0001389325000005.jpg]
」
「【図5】
[図:0001389325000006.jpg]
」
3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
「[0004] An in-cell touch panel according to at least one embodiment of the present disclosure comprises an array substrate provided with a plurality of sub-pixels, and a plurality of gate lines and a plurality of data lines that are disposed on the array substrate, intersected with each other and insulated from each other, a plurality of self capacitive electrodes which are disposed in a same layer and independent of each other, and a plurality of touch lines connecting the self capacitive electrodes to a touch detection chip. The plurality of gate lines and the plurality of data lines are intersected with each other to define the plurality of sub-pixels; each of the sub-pixels is configured with a long side and a short side; and the touch lines are disposed along the direction of short sides of the sub-pixels.」
[当審訳]
「【0004】
本発明の少なくとも一つの実施例では、複数のサブ画素を備えたアレイ基板と、前記アレイ基板上に設けられ、互いに交差して絶縁する複数のゲート線とデータ線と、同じ層に設置され、互いに独立する複数の自己容量電極と、各前記自己容量電極をそれぞれタッチ検出チップに接続した複数のタッチ線とを有するインセルタッチパネルを提供する。前記複数のゲート線と前記複数のデータ線が互いに交差して前記複数のサブ画素を画定し、各サブ画素は、長辺と短辺を有し、前記タッチ線は、前記サブ画素の短手方向に沿って延びるように設けられる。」
「[0033] FIG. 1 is a top structure schematic view of an in-cell touch panel, and shows the schematic of the self capacitive touch solution. A single node is designed as a square electrode (self capacitive electrode 03) of about 5 mm*5 mm. Then the electrode is connected to the touch detection chip 04 through a conductive line; the driving signal Tx is applied to the electrode by the touch detection chip 04, and the electrode can receive the feedback signal. In the working process, for example, the finger for operation is directly coupled, so that the change of the touch value is large. A common self capacitive double data lines solution is shown in the FIG. 1. An extra data line is added for each of the pixels to act as a touch line, and is connected with a self capacitive electrode 03 through a via hole. The touch lines 05 and the data lines 01 are of metal structures in a same layer. Each of the pixels here, for example, comprises three sub-pixels (for example, RGB sub-pixels). A pixel electrode 09 is disposed in each of the sub-pixels correspondingly.
[0034] The specific examples of the in-cell touch panel and the display device according to the embodiments of the present disclosure will be described in detail in connection with the figures related to the embodiments of the disclosure. The thickness of the layers and the shapes of the layers in the figures do not reflect the real scale, and the purpose is to only schematically illustrate the content of the present disclosure.
[0035] An in-cell touch panel according to at least one embodiment of the present disclosure is shown in FIG. 2a and FIG. 2b. It comprises an array substrate provided with a plurality of sub-pixels 11, and a plurality of gate lines 10 disposed on the array substrate and a plurality of data lines 01 disposed on the array substrate which are intersected with each other and are insulated from each other, a plurality of self capacitive electrodes 03 which are disposed in a same layer and independent of each other, and a plurality of touch lines 05 connecting self capacitive electrodes 03 to the touch detection chip 04 respectively. The plurality of gate lines 10 and the plurality of data lines 01 are intersected with each other to define the plurality of sub-pixels 11; and each of the sub-pixels 11 comprises a pixel electrode 09 and a switching element (for example, a thin film transistor (TFT)). Each of the sub-pixels 11 is configured with a long side and a short side. For example, the length L of a gate line defining a sub-pixel is greater than the length W of the data line defining the sub-pixel. The touch lines 05 are disposed along the direction of the short sides of the sub-pixels. In the example as shown in FIG. 2, the direction of the long sides of the sub-pixels is horizontal, and the direction of the short sides of the sub-pixels is vertical. The touch lines 05 and the data lines 01 are disposed in parallel.」
[当審訳]
「【0033】 図1はインセルタッチパネルの上面視における構造を示す模式図であり、自己容量タッチソリューションの回路図を示す。一般的に単一ノードが約5mm*5mm前後の方形電極(自己容量電極03)に設計され、この電極が一本の導線によってタッチ検出チップ04に接続され、この電極にタッチ検出チップ04によって駆動信号Txが印加される。また、この電極は自身でフィードバック信号を受けることができる。動作中に、例えば操作のための指は直接結合されるため、指によるタッチの変化量が比較的に大きい。図1は通常の自己容量ダブルデータ線の設計ソリューションを示している。タッチ線の役割を果たした余分の一本のデータ線(Data line)が各画素に加えられ、ビアホールを介して自己容量電極03に接続される。タッチ線05とデータ線01は同じ層の金属構造である。ここで、各画素は例えば三つのサブ画素(例えば、RGBサブ画素)を含む。各サブ画素の中に一つの画素電極09が設けられる。
【0034】 以下は図面に参照し、本発明の実施例におけるインセルタッチパネル及びディスプレイ装置の実施形態に対して詳しく説明する。図面中の各膜層の厚さと形状が実際のものではなく、模式的に本発明の内容を説明するためのものである。
【0035】 本発明の少なくとも一つの実施例に係るインセルタッチパネルでは、図2aまたは図2bに示すように、複数のサブ画素11を備えたアレイ基板と、前記アレイ基板上に設けられて互いに交差して絶縁する複数のゲート線10とデータ線01と、同じ層に設置されて互いに独立する複数の自己容量電極03と、データ線01に平行して各自己容量電極03をそれぞれにタッチ検出チップ04に接続した複数のタッチ線05とが含まれる。複数のゲート線10と複数のデータ線01が互いに交差して複数のサブ画素11を画定し、各サブ画素11は、画素電極09とスイッチング素子(例えば、薄膜トランジスタ(TFT))を含む。各サブ画素11は、長辺と短辺を有する。ここで、例えば、サブ画素11を画成するゲート線の長さLをこのサブ画素を画成するデータ線の長さWより長くする。タッチ線05がサブ画素の短手方向に沿って延びるように設置される。図2に示される例では、サブ画素11の長辺方向が水平方向であり、短手方向が垂直方向であり、タッチ線05とデータ線01が平行に設置されている。」
「[0040] For example, a plurality of touch lines 05 are disposed on the array substrate in a period of one pixel, or a plurality of touch lines 05 also can be disposed on the array substrate in a period of a plurality of pixels. That is, the touch lines are disposed every other pixel, or the touch lines are disposed every plurality of pixels.」
[当審訳]
「【0040】 例えば、複数のタッチ線05は、一つの画素が一つの周期とされるようにアレイ基板上に設けられてもよく、複数の画素が一つの周期とされるように設けられてもよい。すなわち、一つの画素おきに一本のタッチ線が設置され、或は、複数の画素おきに一本のタッチ線が設置される。」
「[0045] For example, the touch lines 05 and the data lines 01 are disposed on a same layer and are insulated from each other, and they are routed in a same direction; in the structure, the touch lines 05 and the data lines 01 can be obtained by the patterning of a same conductive layer (metal layer). In this way, the joints between the touch lines 05 and the touch detection chip 04 do not occupy the two side frames, which is favorable to the narrow bezel design of a touch panel.」
[当審訳]
「【0045】 例えば、タッチ線05とデータ線01が同じ層に設置され、互いに絶縁し、配線方向が同じである。この構造において、タッチ線05とデータ線01は、同一の導電層(金属層)のパターンより得られる。このようにすれば、タッチ線05とタッチ検出チップ04の接続部が両側のべゼルを占めないようにすることができ、狭いベゼル設計のタッチパネルの実現に有利である。」
「【図1】
[図:0001389325000007.jpg]
」
「【図2a】
[図:0001389325000008.jpg]
」
したがって、引用文献3には、「各画素はRGBサブ画素を含み、複数のデータ線と複数のタッチ線とが含まれ、一つの画素おきに一本のタッチ線が設置され、或は、複数の画素おきに一本のタッチ線が設置され、タッチ線とデータ線が同じ層に設置され、互いに絶縁し、配線方向が同じである、インセルタッチパネル」という技術的事項が記載されていると認められる。
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「表示領域11」は、本願発明1の「表示領域」に相当する。
イ 引用発明の「非表示領域(枠領域)12」は、上記第4の1の【図1】によると、「表示領域11」の周辺の領域であるといえるから、本願発明1の「周辺領域」に相当するといえる。
ウ 引用発明において、「第2信号線111bは、表示領域11における各画素にデータ信号を提供するデータ信号線であり、第1信号線111aは、表示領域11における各タッチ電極にタッチ信号を提供するタッチ信号線である」ことから、引用発明の「第1信号線111a」及び「第2信号線111b」は、本願発明1の「タッチ信号線」及び「データ線」に相当する。
エ 引用発明において、「表示領域11に、複数の第1信号線111a及び複数の第2信号線111bを含む複数の信号線111が設置され」ていることから、表示領域11に、複数の第1信号線111a及び複数の第2信号線111bが設置されているといえる。
オ 引用発明において、「扇形配線121の一端は、半導体チップ122上の複数の端子124に電気的に接続され、他端は表示領域11上の信号線111に電気的に接続され」ていることから、引用発明の「端子124」は、本願発明1の「リード端子」に相当する。
カ 引用発明において、「非表示領域(枠領域)12は、扇形配線121及び半導体チップ122を含み」、「半導体チップ122に、複数の第1端子124a及び複数の第2端子124bを含む複数の端子124が設置され」ていることから、非表示領域(枠領域)12に、複数の端子124が設置されているといえる。
キ 引用発明の「表示パネル10」は、「タッチ電極」を有しているから、本願発明1の「タッチ表示パネル」に相当する。
ク 引用発明において、「表示パネル10は、表示領域11及び非表示領域(枠領域)12を含」んでおり、上記ア-キも踏まえると、本願発明1と引用発明は、「表示領域に設けられた複数のタッチ信号線および複数のデータ線と、周辺領域に設けられた複数のリード端子と、を含むタッチ表示パネル」である点で一致する。
ケ 上記ウのとおり、引用発明の「第1信号線111a」及び「第2信号線111b」は、本願発明1の「タッチ信号線」及び「データ線」に相当し、また、上記オのとおり、引用発明の「端子124」は、本願発明1の「リード端子」に相当するから、引用発明の「第1端子124a」及び「第2端子124b」は、本願発明1の「第2端子」及び「第1端子」に相当する。そうすると、本願発明1と引用発明は、「前記複数のリード端子は、前記複数のデータ線とそれぞれ接続された複数の第1端子と、前記複数のタッチ信号線とそれぞれ接続された複数の第2端子と、を含」む点で一致する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「表示領域に設けられた複数のタッチ信号線および複数のデータ線と、周辺領域に設けられた複数のリード端子と、を含むタッチ表示パネルであって、
前記複数のリード端子は、前記複数のデータ線とそれぞれ接続された複数の第1端子と、前記複数のタッチ信号線とそれぞれ接続された複数の第2端子と、を含む
タッチ表示パネル。」
(相違点1)
本願発明1では「前記複数のリード端子は、行方向または列方向について前記第1、第2端子が、接続されているデータ線およびタッチ信号線と配列順序が一致して設置されるように、マトリックス状に配列され」るのに対し、引用発明では、「第1端子124aは半導体チップ122の2つの端領域に位置する一方、第2端子124bは半導体チップ122の中間領域に位置し」ている点。
(相違点2)
本願発明1では「前記表示領域は、複数列の画素を含み、2列ごとの画素に1つのタッチ信号線が配設されるか、前記表示領域は、複数列の画素を含み、1列ごとの画素に1つのタッチ信号線が配設され」るのに対し、引用発明では、第1信号線111aと画素との位置関係について特定されていない点。
(相違点3)
本願発明1では「前記画素は、赤色のサブ画素、緑色のサブ画素および青色のサブ画素を含み、前記タッチ信号線は、赤色のサブ画素と緑色のサブ画素との間に配設されている」のに対し、引用発明では、第1信号線111aとサブ画素との位置関係について特定されていない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、相違点3について先に検討する。
引用文献2には、タッチ信号線とサブ画素との位置関係について記載も示唆もない。
また、上記第4の3に記載のとおり、引用文献3には、「各画素はRGBサブ画素を含み、複数のデータ線と複数のタッチ線とが含まれ、一つの画素おきに一本のタッチ線が設置され、或は、複数の画素おきに一本のタッチ線が設置され、タッチ線とデータ線が同じ層に設置され、互いに絶縁し、配線方向が同じである、インセルタッチパネル」という技術的事項が記載されている。しかしながら、引用文献3には、相違点3に係る本願発明1の「前記画素は、赤色のサブ画素、緑色のサブ画素および青色のサブ画素を含み、前記タッチ信号線は、赤色のサブ画素と緑色のサブ画素との間に配設されている」構成が記載されているとはいえず、このような構成を示唆する記載もない。
よって、相違点3に係る本願発明1の構成は、引用文献2-3に記載されたものではなく、周知技術であるともいえないから、当業者といえども、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項から、相違点3に係る本願発明1の構成を容易に想到することはできない。
したがって、上記相違点1-2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
2 本願発明2-5について
本願発明2-5も、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1-5は、当業者が引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-005568