特許拒絶査定不服審判
2019-012754
イオン注入システム及びイオンビームを用いてワークピースを処理する方法
- 審判番号
- 2019-012754
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-548713外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年09月25日
- 審決日
- 2020年06月19日
- 公報発行日
- 2020年12月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】杉村 憲司
- 【請求人代理人】石川 雅章
- 分類
- P18 .121-Z (H01J) / P18 .575-Z (H01J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-548713「イオン注入システム及びイオンビームを用いてワークピースを処理する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 8月 6日国際公開、WO2015/116373、平成29年 4月 6日国内公表、特表2017-510024〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
平成27年 1月13日 国際出願(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年1月31日、米国)
平成29年12月26日 手続補正書
平成30年11月19日 拒絶理由通知(同年11月27日発送)
平成31年 2月14日 意見書・手続補正書
令和 1年 6月11日 拒絶査定(同年6月18日送達)
令和 1年 9月25日 本件審判請求・手続補正書
令和 2年 1月 7日 上申書
第2 令和1年9月25日付け手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和1年9月25日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の概略
本件補正のうち、特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、補正前に
「イオンビームを発生するイオン源と、
2つの異なるサイズのアパーチャを有する画定アパーチャ板と、
前記2つの異なるサイズのアパーチャの各々の背後にそれぞれ配置された2つの電荷収集器と、
前記画定アパーチャ板を前記イオンビームの一部分を通して動かすアクチュエータと、
前記2つの電荷収集器と通信して前記イオンビームのイオンビーム電流を監視する制御システムと、
を備え、
前記制御システムは、
前記2つの異なるサイズのアパーチャの幅の比に基づいて初期アパーチャ比を決定し、
前記2つの電荷収集器により測定された電荷の比に基づいて最新のアパーチャ比を計算し、且つ
前記最新のアパーチャ比と前記初期アパーチャ比を用いて、前記イオン注入システムを制御する、イオン注入システム。」
とあるものを、補正後は、
「イオンビームを発生するイオン源と、
2つの異なるサイズのアパーチャを有する画定アパーチャ板と、
前記2つの異なるサイズのアパーチャの各々の背後にそれぞれ配置された2つの電荷収集器と、
前記画定アパーチャ板を前記イオンビームの一部分を通して動かすアクチュエータと、
前記2つの電荷収集器と通信して前記イオンビームのイオンビーム電流を監視する制御システムと、
を備え、
前記制御システムは、
前記2つの異なるサイズのアパーチャの幅の比に基づいて初期アパーチャ比を決定し、
前記2つの電荷収集器により測定された電荷の比に基づいて最新のアパーチャ比を計算し、且つ
前記最新のアパーチャ比を前記初期アパーチャ比と比較し、その比較の結果を用いて、前記イオン注入システムを制御する、イオン注入システム。」(当審注:下線は、審判請求人が補正箇所に付した下線である。)
とするものである。
上記特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、イオン注入システムを制御する際に用いる値について、「前記最新のアパーチャ比と前記初期アパーチャ比」を「前記最新のアパーチャ比を前記初期アパーチャ比と比較し、その比較の結果」に限定するものであるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすか)否かについて検討する。
2 本願補正発明
本件補正後の請求項1の記載は、上記1の補正後として記載したとおりである。ここで補正後の請求項1には、「前記イオン注入システムを制御する」との記載があるが、「イオン注入システム」は前出しないから、「前記イオン注入システムを制御する」は「イオン注入システムを制御する」の誤記と認め、本件補正後の請求項1に係る発明を以下のとおり認定する。
「イオンビームを発生するイオン源と、
2つの異なるサイズのアパーチャを有する画定アパーチャ板と、
前記2つの異なるサイズのアパーチャの各々の背後にそれぞれ配置された2つの電荷収集器と、
前記画定アパーチャ板を前記イオンビームの一部分を通して動かすアクチュエータと、
前記2つの電荷収集器と通信して前記イオンビームのイオンビーム電流を監視する制御システムと、
を備え、
前記制御システムは、
前記2つの異なるサイズのアパーチャの幅の比に基づいて初期アパーチャ比を決定し、
前記2つの電荷収集器により測定された電荷の比に基づいて最新のアパーチャ比を計算し、且つ
前記最新のアパーチャ比を前記初期アパーチャ比と比較し、その比較の結果を用いて、イオン注入システムを制御する、イオン注入システム。」(以下「本願補正発明」という。)
3 引用する刊行物と引用発明
(1)引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に日本国内で頒布された特開2009-9903号公報(以下「引用例」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている(なお、下線は、当審が付加した。以下同様である。)。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、ビーム量測定装置及び半導体装置の製造方法に関する。」
イ 「【背景技術】
【0002】
例えば、半導体ウェーハに不純物イオンを注入するイオン注入工程においては、イオンビームの照射量を所望の値に制御することが重要である。そこで、半導体ウェーハにイオンビームを照射する前と照射中のいずれか、または両方において、イオンビームの照射量を測定し、これに基づいて照射量(照射時間)の制御を行っている。例えば、特許文献1では、ファラデーカップを用いてイオンビームの照射量を測定している。
【0003】
イオンビームの測定において、測定における外乱防止や、イオンビームが測定子以外の領域に照射されることによる測定装置のダメージ(劣化)を防ぐため、測定子以外の領域へのイオンビームの照射を制限(遮蔽)するアパーチャーを用いることがある。アパーチャーは開口が形成されたプレート状を呈し、イオンビームは開口を通過して測定子に至る。
【0004】
アパーチャーを使ったイオンビームの測定を繰り返し行っていくと、イオンビームによって開口縁部が削れて、開口の大きさが大きくなってしまうことがある。なお、開口縁部に異物が付着するなどして開口の大きさが小さくなる場合もある。開口寸法の変動はそのままイオンビーム量の測定誤差となってあらわれ、この測定値をイオン注入量評価の目安
として用いると、半導体製品の品質に影響を及ぼす場合がある。これを防ぐめ、所定期間使用したアパーチャーは正規の開口寸法を持った新品に交換しなければならない。この交換周期は、開口劣化による測定誤差を未然に防止するため、比較的短めに設定しており、まだ劣化していないのにアパーチャー交換しなければならないこともあり、定期メンテナンスが無駄に多くなりがちであった。
【特許文献1】特開平9-45274号公報」
ウ 「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、アパーチャーの開口の大きさの変動量に依存しない正確な測定を行えるビーム量測定装置及び半導体装置の製造方法を提供する。」
エ 「【0011】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るビーム量測定装置の構成を表す模式図である。
【0012】
本実施形態に係るビーム量測定器は、大きさ(平面面積)の異なる2つの開口11、12を有するアパーチャー10と、2つの開口11、12のそれぞれに対応して設けられた2つの測定子15、16と、測定子15、16の出力信号(測定値)が入力され後述する演算を行う演算装置18とを備える。
【0013】
アパーチャー10はプレート状を呈し、アパーチャー10の一方の面側にはイオンビーム100の照射源(図示省略)が設けられ、他方の面側に測定子15、16がそれぞれ開口11、12に対向する位置に設けられている。各測定子15、16は例えばファラデーカップであり、それぞれ、各開口11、12を通過したイオンビーム100の量を測定する。
【0014】
アパーチャー10は、測定子15、16以外の領域へのイオンビーム100の照射を制限(遮蔽)する。これにより、測定における外乱が防止され、また、イオンビーム100が測定子15、16以外の領域に照射されることによる測定装置のダメージ(劣化)が防止される。
【0015】
一般に、イオンビームの測定を繰り返し行っていくと、図2において破線で表すように、イオンビーム100によって開口11、12が削れて、開口11、12の大きさが大きくなってしまう。なお、開口縁部に異物が付着するなどして開口11、12の大きさが小さくなる場合もある。開口11、12の大きさが変動してしまうと、単位時間、単位面積あたりのイオンビーム量は一定であるにもかかわらず、測定されるイオンビーム量が開口11、12の形状変化と共に変化してしまい、その測定値に基づいて判断されるウェーハ上へのイオンビーム照射量の制御に誤った判断なされる。
【0016】
そこで、本実施形態では、以下に説明するように、測定子15、16の測定値S1、S2と、開口11、12の大きさの初期値(イオンビーム100によって削れたり、異物の付着等によって開口幅が変動する前の開口幅)L1、L2とに基づいて、開口11、12の大きさの変動量Dに依存しない、単位時間あたり、単位面積あたりのイオンビーム量(粒子の流量)Fを、演算装置18が算出する。
【0017】
なお、本実施形態では、測定している領域内でイオンビーム量(粒子量)が均一であるとして、開口11と開口12とで、時間経過と共に同じ量D削れるとする。
【0018】
まず、議論を単純化するために、開口11、12の大きさの変動量を一次元(例えば図1、2において横方向の幅)で考える。これは、開口11、12が、図1、2において紙面奥行き方向に十分の長さをもち奥行き方向の開口寸法変動量が無視できるときに成立する。
【0019】
各測定子15、16のそれぞれの測定値(各測定子15、16がそれぞれ測定したイオンビーム量)をS1、S2とする。この測定値S1、S2は、それぞれ、開口11、12の幅(L1+2D)、(L2+2D)に比例し、また、イオンビーム量Fに比例する。
【0020】
各測定子15、16の測定値S1、S2を電流量のように単位時間あたりのものと考え、また、各開口11、12の大きさの初期値L1、L2を、それぞれ、L1=L、L2=a×L(a>1)とおけば、S1、S2は、数式1、数式2のように表せる。
【0021】
【数1】
S1=k×F×(L+2D)・・・・・・・・・・・・・・・・・(数式1)
【0022】
【数2】
S2=k×F×(a×L+2D)・・・・・・・・・・・・・・・(数式2)
【0023】
ここで、比例係数kは、開口11、12の紙面奥行き方向の長さと、イオンビーム100の測定効率を反映する量であり、通常一定の値を保っていると考える。
【0024】
数式1、数式2より、イオンビーム量Fと、開口11、12の大きさの変動量Dは、それぞれ、数式3、数式4となる。
【0025】
【数3】
F=(S2-S1)/[k×L×(a-1)]・・・・・・・・・(数式3)
【0026】
【数4】
D=L(-S2+a×S1)/[2×(S2-S1)]・・・・・(数式4)
【0027】
数式3、数式4において、Lとaは開口11、12の大きさの初期値として既知の値であり、また比例係数kも一定の値を保っていると考えることができるので、アパーチャー10の劣化量、すなわち開口11、12の大きさの変動量Dに依存しないイオンビーム量Fと、開口11、12の大きさの変動量Dを求めることができる。なお、数式3において、イオンビーム量Fの比例係数となる、1/[kL(a-1)]は装置の設計値を使用してもよいし、あるいは最初に開口11、12の変動量D=0のときに取得した値を基準にしてもよい。
…
【0050】
前述した数式3、数式9、数式13に表されるイオンビーム量Fは開口の大きさの変動量Dに依存していない。すなわち、本実施形態によれば、イオンビーム測定を繰り返していく中で、アパーチャーの開口の大きさが変動しても、その変動量Dに依存しない単位時間、単位面積あたりのイオンビーム量(粒子の流量)Fを得ることができる。したがって、イオン注入工程において半導体ウェーハに照射するイオンビーム量評価の目安となるイオンビーム量Fを、アパーチャー10の劣化に影響を受けることなく正確に求めることができ、半導体製品の品質低下を抑制することができる。
【0051】
また、数式4、数式10、数式14に表されるように、開口の大きさの変動量Dについても、測定子15、16の測定値S1、S2、既知の値である開口の大きさの初期値に基づいて定量的に求めることができ、この変動量Dを管理することにより、アパーチャー10の適切な交換時期を判断できる。この結果、まだ劣化してないのにアパーチャーを交換してしまうことを回避でき、アパーチャーの交換寿命を長期化できるようになり、無駄に多く定期メンテナンス行う必要がない。また、開口の大きさの変動量Dを管理することで、開口に亀裂が生じて変動量Dが突発的に大きくなったり、開口縁部に異物が付着して突発的に小さくなったりするなどの異常の認知が可能となり、その異常に対して迅速に対応可能となる。」
オ 「【0062】
[第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法として、処理基板(半導体ウェーハ)へのイオン注入処理における注入量計測手順を示すフローチャートである。なお、注入処理に係るイオンビームの生成調整は既に行われているものとして、以下説明していく。
【0063】
はじめに、イオン注入処理の処理条件の一つである単位面積あたりの処理基板へのイオンビーム照射量が処理レシピから読み込まれる(ステップS1)。
【0064】
次に、前述した実施形態に係るビーム量測定装置によって、前記測定値S1、S2、開口の大きさの初期値に基づいて、開口形状劣化に依存しない単位時間単位面積あたりのイオンビーム量Fが計測される(ステップS2)。このイオンビーム量Fの算出原理は既に述べているのでここでは説明を省略する。
【0065】
次に、処理条件である単位面積あたりの照射量と、算出されたイオンビーム量Fを用いて注入処理時間(イオンビーム照射時間)Tが算出される(ステップS3)。Tは、例えば、T=単位面積当たりの照射量/Fとして求めることができる。
【0066】
最後に、処理基板に前記時間Tの間、イオンビームが照射される(ステップS4)。
【0067】
本実施形態のイオン注入方法を用いることで、イオンビーム量測定装置のアパーチャーの劣化に影響を受けることなく処理基板に目的の量のイオンビームを照射することが可能となり、半導体製品の品質の変動を抑制できる。
【0068】
本実施形態で処理時間Tの算出は最も単純な式で記述したが、算出式はこれに限定されない。処理時間の算出は処理基板の駆動方法にも依存するので、装置構成と処理基板の駆動方法に応じた適切な算出式を設定すればよい。また、本実施形態の変形例として、照射量が多いときには、複数回に分けてイオン照射処理を実施し、各イオン照射処理前に、処理時間の算出を実施してもよい。」
カ 図1、図2、図8は、以下のとおりである。
(2)引用発明
ア 上記(1)オによれば、引用例には、開口形状劣化に依存しない単位時間単位面積あたりのイオンビーム量Fを第1の実施形態に係るビーム量測定装置によって計測し、処理条件である単位面積あたりの照射量と、算出されたイオンビーム量Fを用いて注入処理時間(イオンビーム照射時間)Tを算出し、前記時間Tの間、イオンビームを処理基板(半導体ウェーハ)に照射してイオンを注入する半導体装置の製造方法が開示されている。ここで、半導体装置(半導体ウェーハ)にイオンビームを照射してイオンを注入する処理にイオン注入装置を用いることは、当業者に明らかである。してみると、引用例には、実質的に、
「開口形状劣化に依存しない単位時間単位面積あたりのイオンビーム量Fを第1の実施形態に係るビーム量測定装置によって計測し、処理条件である単位面積あたりの照射量と、算出されたイオンビーム量Fを用いて注入処理時間(イオンビーム照射時間)Tを算出し、前記時間Tの間、イオンビームを処理基板(半導体ウェーハ)に照射してイオンを注入するイオン注入装置。」
が開示されている。
イ 上記(1)エ【0012】~【0027】によれば、第1の実施形態に係るビーム量測定装置として、
「大きさ(平面面積)の異なる2つの開口11、12を有するアパーチャー10と、
アパーチャー10の一方の面側に設けられたイオンビーム100の照射源と、
2つの開口11、12のそれぞれに対応して設けられ、それぞれ、各開口11、12を通過したイオンビーム100の量を測定する測定子15、16と、
測定子15、16の出力信号(測定値)が入力され、下記の演算を行う演算装置18と、
を備えるビーム量測定装置。
記
F=(S2-S1)/[k×L×(a-1)]
D=L(-S2+a×S1)/[2×(S2-S1)]
但し、
F:開口11、12の大きさの変動量Dに依存しない、単位時間あたり、単位面積あたりのイオンビーム量(粒子の流量)
D:開口11、12の大きさの変動量
S1、S2:測定子15、16の測定値
L1、L2:開口11、12の大きさの初期値
L1:開口11の大きさの初期値(=L)
L2:開口12の大きさの初期値(=a×L(a>1))
L:L1(開口11の大きさの初期値として既知の値)
a:L2/L1(a>1,開口11、12の大きさの初期値として既知の値)
k:比例係数(開口11、12の紙面奥行き方向の長さと、イオンビーム100の測定効率を反映する量であり、通常一定の値を保っている)
イオンビーム量Fの比例係数となる、1/[kL(a-1)]は装置の設計値を使用してもよいし、あるいは最初に開口11、12の変動量D=0のときに取得した値を基準にしてもよい。」
が開示されている。
ウ 上記(1)イ【0004】の記載によれば、 背景技術として、
・アパーチャーを使ったイオンビームの測定を繰り返し行っていくと、イオンビームによって開口縁部が削れて、開口の大きさが大きくなってしまうこと、
・測定誤差を防止するために劣化したアパーチャを正規の開口寸法を持った新品に交換しなければならないこと、
が開示されている。また、(1)オ【0051】の記載によれば、
・開口の大きさの変動量Dを管理することにより、アパーチャー10の適切な交換時期を判断できること、
が開示されている。
してみると、引用例には、「開口の大きさの変動量Dを管理することにより、劣化して開口の大きさが大きくなったアパーチャを正規の開口寸法を持った新品に交換する適切な交換時期を判断できる」ことが開示されている。
エ 以上によれば、引用例には、以下の発明が記載されている。
「ビーム量測定装置によって開口形状劣化に依存しない単位時間単位面積あたりのイオンビーム量Fを計測し、処理条件である単位面積あたりの照射量と、算出されたイオンビーム量Fを用いて注入処理時間(イオンビーム照射時間)Tを算出し、前記時間Tの間、イオンビームを処理基板(半導体ウェーハ)に照射してイオンを注入するとともに、前記ビーム量測定装置によって求めた開口の大きさの変動量Dを管理することにより、劣化して開口の大きさが大きくなったアパーチャを正規の開口寸法を持った新品に交換する適切な交換時期を判断できる、イオン注入装置であって、
前記ビーム量測定装置は、
大きさ(平面面積)の異なる2つの開口11、12を有するアパーチャー10と、
アパーチャー10の一方の面側に設けられたイオンビーム100の照射源と、
2つの開口11、12のそれぞれに対応して設けられ、それぞれ、各開口11、12を通過したイオンビーム100の量を測定する測定子15、16と、
測定子15、16の出力信号(測定値)が入力され、下記の演算を行う演算装置18と、
を備える、
イオン注入装置。
記
F=(S2-S1)/[k×L×(a-1)]
D=L(-S2+a×S1)/[2×(S2-S1)]
但し、
F:開口11、12の大きさの変動量Dに依存しない、単位時間あたり、単位面積あたりのイオンビーム量(粒子の流量)
D:開口11、12の大きさの変動量
S1、S2:測定子15、16の測定値
L1、L2:開口11、12の大きさの初期値
L1:開口11の大きさの初期値(=L)
L2:開口12の大きさの初期値(=a×L(a>1))
L:L1(開口11の大きさの初期値として既知の値)
a:L2/L1(a>1,開口11、12の大きさの初期値として既知の値)
k:比例係数(開口11、12の紙面奥行き方向の長さと、イオンビーム100の測定効率を反映する量であり、通常一定の値を保っている)
イオンビーム量Fの比例係数となる、1/[kL(a-1)]は装置の設計値を使用してもよいし、あるいは最初に開口11、12の変動量D=0のときに取得した値を基準にしてもよい。」(以下「引用発明」という。)
4 対比
本願補正発明と引用発明を対比する。
(1)引用発明の「イオンビーム100の照射源」は、本願補正発明の「イオンビームを発生するイオン源」に相当する。
(2)引用発明の「大きさ(平面面積)の異なる2つの開口11、12」は、本願補正発明の「2つの異なるサイズのアパーチャ」に相当し、引用発明の「アパーチャー10」は、本願補正発明の「画定アパーチャ板」に相当する。
(3)引用発明の「2つの開口11、12のそれぞれに対応して設けられ、それぞれ、各開口11、12を通過したイオンビーム100の量を測定する測定子15、16」は、本願補正発明の「前記2つの異なるサイズのアパーチャの各々の背後にそれぞれ配置された2つの電荷収集器」に相当する。
(4)引用発明の「演算装置18」は、「測定子15、16の出力信号(測定値)が入力され」、粒子の流量であるFと開口の大きさの変動量であるDを演算するところ、引用発明において「演算装置18」に「測定子15、16の出力信号(測定値)が入力され」ることは、本願補正発明において「制御システム」が「前記2つの電荷収集器と通信」することに相当し、引用発明において粒子の流量であるFを演算することは、本願補正発明において「イオンビーム電流を監視する」ことに相当する。
(5)引用発明の「イオン注入装置」は、本願補正発明の「イオン注入システム」に相当する。
(6)以上によれば、本願補正発明と引用発明は、
「イオンビームを発生するイオン源と、
2つの異なるサイズのアパーチャを有する画定アパーチャ板と、
前記2つの異なるサイズのアパーチャの各々の背後にそれぞれ配置された2つの電荷収集器と、
前記2つの電荷収集器と通信して前記イオンビームのイオンビーム電流を監視する制御システムと、
を備える、
イオン注入システム。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1:本願補正発明は、「前記画定アパーチャ板を前記イオンビームの一部分を通して動かすアクチュエータ」を備えるのに対し、引用発明は、その様なアクチュエータを備える旨の特定を有しない点。
相違点2:本願補正発明は、制御システムが、
「前記2つの異なるサイズのアパーチャの幅の比に基づいて初期アパーチャ比を決定し、
前記2つの電荷収集器により測定された電荷の比に基づいて最新のアパーチャ比を計算し、且つ
前記最新のアパーチャ比を前記初期アパーチャ比と比較し、その比較の結果を用いて、イオン注入システムを制御する」
るのに対し、引用発明は、演算装置18が、
「測定子15、16の出力信号(測定値)が入力され、下記の演算を行って」「開口形状劣化に依存しない単位時間単位面積あたりのイオンビーム量Fを計測」するとともに、「D:開口11、12の大きさの変動量」を求め、
「処理条件である単位面積あたりの照射量と、算出されたイオンビーム量Fを用いて注入処理時間(イオンビーム照射時間)Tを算出し、前記時間Tの間、イオンビームを処理基板(半導体ウェーハ)に照射してイオンを注入するとともに、開口の大きさの変動量Dを管理することにより、劣化して開口の大きさが大きくなったアパーチャを正規の開口寸法を持った新品に交換する適切な交換時期を判断」する点
「 記
F=(S2-S1)/[k×L×(a-1)]
D=L(-S2+a×S1)/[2×(S2-S1)]
但し、
F:開口11、12の大きさの変動量Dに依存しない、単位時間あたり、単位面積あたりのイオンビーム量(粒子の流量)
D:開口11、12の大きさの変動量
S1、S2:測定子15、16の測定値
L1、L2:開口11、12の大きさの初期値
L1:開口11の大きさの初期値(=L)
L2:開口12の大きさの初期値(=a×L(a>1))
L:L1(開口11の大きさの初期値として既知の値)
a:L2/L1(a>1,開口11、12の大きさの初期値として既知の値)
k:比例係数(開口11、12の紙面奥行き方向の長さと、イオンビーム100の測定効率を反映する量であり、通常一定の値を保っている)
イオンビーム量Fの比例係数となる、1/[kL(a-1)]は装置の設計値を使用してもよいし、あるいは最初に開口11、12の変動量D=0のときに取得した値を基準にしてもよい。」
5 判断
以下、上記相違点について検討する。
(1)相違点1について
ア はじめに、本願補正発明のイオン注入システムが「画定アパーチャ板を前記イオンビームの一部分を通して動かすアクチュエータ」を備える技術的意義について、発明の詳細な説明の記載を参酌して検討する。
本願の発明の詳細な説明には、
「【0019】…アクチュエータ150は画定アパーチャ板120をイオンビーム110の通路内に進入し退出させるように作用する。いくつかの実施形態では、アクチュエータ150は水平(即ちx方向)移動のみを与えるが、他の実施形態では、垂直(即ちy方向)移動も許される。」
「【0025】 本実施形態では、ボックス300に示すように、新しい画定アパーチャ板120をイオン注入システム内に設置する。次に、ボックス310に示すように、画定アパーチャ板120をイオンビーム110の通路内に移動させる。いくつかの実施形態では、画定アパーチャ板120をイオンビーム110を横切って水平に移動させる。他の実施形態では、画定アパーチャ板120をイオンビーム全体を横断しないでイオンビームの通路内の固定位置へと移動させる。他の実施形態も可能である。しかしながら、その目的は画定アパーチャ板120の両アパーチャ121,122がイオンビーム110の通路内に入るようにすることにある。制御システム140はアクチュエータ150を制御して画定アパーチャ板120を所望の位置へ移動させる。」
との記載がある。上記記載によれば、イオン注入システムが「画定アパーチャ板を前記イオンビームの一部分を通して動かすアクチュエータ」を備える技術的意義は、画定アパーチャ板120をイオンビーム110の通路内に進入させたり退出させることにあるものと解される。
イ 以下、上記アの検討を踏まえて、相違点1について検討する。
半導体基板等にイオンビームを照射してイオンを注入するシステムにおいて、イオンビーム電流を測定する測定装置(アパーチャ板と測定器)をイオンビーム通路内に出入させるよう機械的な移動手段を設けることは、例えば、
(ア)特開2006-114289号公報(「【0051】…遮蔽板30は、図1に示すように、イオンビームBの走査方向と同一方向に、遮蔽板ホルダー36を介して機械的に移動可能である。また、この遮蔽板ホルダー36は軸回転自在であり、遮蔽板30は、例えば、図2に示すように水平に倒すことにより、ファラデーカップ20の前面から取り外し可能である。」)
(イ)特開2013-206833号公報(「【0071】移動測定式又は固定測定式の注入位置ビーム電流測定装置78は、通常はビームスキャン位置から退避している。図4Bに示すように、移動測定式の注入位置ビーム電流測定装置78は、スリット測定部78-1とマルチホール測定部78-2を有する。移動測定式の注入位置ビーム電流測定装置78は、イオン注入前などに、退避位置から、ビームスキャン領域上をスキャンされているイオンビームと直交して水平方向へ移動しながら、イオン注入位置の水平方向上の各位置(数十から数千ポイント位置以上)におけるイオンビーム密度(ビーム電流密度)を、スリット測定部78-1により測定する。」)
(ウ)特表2001-516151号公報(「【0026】…図5及び図7を参照して、注入制御システムを説明する。ファラデー組立体16は、X’方向に沿ってファラデー16の動作をもたらすリニアアクチュエーター68に搭載されている。ファラデー16は、表面をX’Y’平面内に配置されたアパーチャープレート69に適合されている。…ファラデー16は、スリット70がXの方向に沿って走査されたビーム13の横方向範囲内のどこにでも配置できるように、リニアアクチュエーター68により動かされる。…」)
(エ)特開2009-9903号公報(引用例の第4の実施形態:「【0070】本実施形態に係るイオンビーム量測定装置60は、大きさ(平面面積)の異なる2つの開口51、52を有するアパーチャー50と、2つの開口51、52のそれぞれに対応して設けられた2つの測定子55、56と、演算装置58とを備えている。また、図示しない駆動手段によって、イオンビーム量測定装置60全体が一体となって、図9において紙面の左右方向に移動可能である。」)
に記載されるよう周知の技術事項である。引用発明は、処理基板(半導体ウェーハ)にイオンビームを照射してイオンを注入するイオン注入装置であるところ、アパーチャ10と測定子15、16を必要な時にイオンビームの通路内に侵入させたり退出させることができるように上記周知の技術事項を採用し、アパーチャー10と測定子15、16をイオンビーム通路内に出入させるよう機械的な移動手段であるアクチュエータを設け、上記相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項となすことは、当業者が容易に想到し得ることである。
(2)相違点2について
ア はじめに、上記相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項のうち、
「前記最新のアパーチャ比を前記初期アパーチャ比と比較し、その比較の結果を用いて、イオン注入システムを制御する」
ことの技術的意味について、発明の詳細な説明を参酌して検討する。
本願の発明の詳細な説明には、
「【0030】
制御システム140はその後、判定ボックス360において、最新のアパーチャ比をボックス330又はボックス325内の初期アパーチャ比と比較する。これらの比が互いに所定の許容範囲内にある場合、制御システム140は、浸食の量は許容範囲であると決定し、ボックス340に戻り通常動作を続けることを許可する。制御システム140が、最新のアパーチャ比と初期アパーチャ比との偏差が大きすぎると決定する場合には、ボックス370に示すように、オペレータに通知される。」
との記載がある。
上記記載と図3を参酌すれば、本願補正発明の上記発明特定事項の制御は、「最新のアパーチャ比」と「初期アパーチャ比」が互いに所定の許容範囲内にある場合(浸食の量が許容範囲内である場合)通常動作を続け、偏差が大きすぎる場合(浸食の量が許容範囲外である場合)オペレータに通知する制御であって良いものと解される。
イ 上記アの検討を踏まえ、相違点2について検討する。
(ア)引用発明は、演算装置18が
F=(S2-S1)/[k×L×(a-1)]
D=L(-S2+a×S1)/[2×(S2-S1)]
を演算する際に、
a:L2/L1(a>1,開口11、12の大きさの初期値として既知の値)
を用いている。ここで、引用発明は、「1/[kL(a-1)]は装置の設計値を使用してもよい」ことを踏まえると、開口11、12の大きさの初期値の比であるaの値は、装置の設計値に基づいて決定して良いものと言える。そうすると、引用発明は、上記相違点2に係る本願補正発明の特定事項のうち、「前記2つの異なるサイズのアパーチャの幅の比に基づいて初期アパーチャ比を決定し」との特定事項を備えている。
(イ)引用発明は、開口の大きさの変動量Dを
D=L(-S2+a×S1)/[2×(S2-S1)]
により演算しているところ、Dの式を変形すると、
D=L(-1+a×S1/S2)/[2×(1-S1/S2)]
である。してみると、引用発明は、開口の大きさの変動量Dを演算する際に、最新のアパーチャ比を意味する「S1/S2」を直接用いるものではないが、「S1/S2」を実質的に用いているといえる。そして、引用発明において、開口の大きさの変動量Dを演算する際に、「S1」、「S2」を用いることに替えて「S1/S2」を用いるようになすことは、単なる式変形の域を超えない以上、当業者が適宜なし得る設計事項に過ぎず、上記相違点2に係る本願補正発明の特定事項のうち、「前記2つの電荷収集器により測定された電荷の比に基づいて最新のアパーチャ比を計算し、且つ前記最新のアパーチャ比を前記初期アパーチャ比と比較し、その比較の結果を用い」るようになすことに困難性はない。
(ウ)一般に、製造装置や処理装置において、部品の交換の必要性を検出した際、制御装置が、ユーザーに通報や警報を発したり、あるいは、製造装置や処理装置を停止するよう制御することは、周知の技術手段である。引用発明は、「開口の大きさの変動量Dを管理することにより、劣化して開口の大きさが大きくなったアパーチャを正規の開口寸法を持った新品に交換する適切な交換時期を判断」しているところ、制御装置が前記判断を行ない、交換時期である旨判断した際に通報や警報を発したり、あるいはイオン注入装置を停止するよう制御することに困難性はない。
(エ)以上によれば、引用発明において、相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項となすことは、当業者が容易に想到し得ることである。
(オ)請求人は、審判請求書において、本願補正発明の「更に別の実施形態では、図4に示すように、制御システム140は最新のアパーチャ比と初期アパーチャ比との偏差を用いて補正係数を決定する。その後この補正係数を用いて実際のイオンビーム電流を計算する。この補正係数により制御システム140は計算したイオンビーム電流を用いてドーズ量を決定し、注入プロセスを適切に調整及び変更することによって、注入プロセスを継続することができる。(本願発明の明細書の段落[0040]を参照。)」と主張するので、念のため、別の実施形態についても、以下に検討しておく。
引用発明は、「ビーム量測定装置によって開口形状劣化に依存しない単位時間単位面積あたりのイオンビーム量Fを計測し」、「算出されたイオンビーム量Fを用いて注入処理時間(イオンビーム照射時間)Tを算出し、前記時間Tの間、イオンビームを処理基板(半導体ウェーハ)に照射してイオンを注入」している。してみると、引用発明は実際のイオンビーム電流を計算し、イオン注入を行っているから、上記請求人が主張する点は、引用発明が備えている。したがって、請求人の上記主張は採用できない。
(3)作用効果について
本願補正発明が奏する作用効果は、引用発明と周知の技術事項に基づいて、当業者が容易に予測しうる程度のものである。
(4)小括
以上によれば、本願補正発明は、引用発明と周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により独立して特許を受けることができないものである。
6 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和1年9月25日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲は、平成31年2月14日付けの手続補正によって補正された特許請求の範囲であり、その請求項1は、上記「第2 1」に補正前の請求項1として摘記したとおりである。ここで請求項1には、「前記イオン注入システムを制御する」との記載があるが、「イオン注入システム」は前出しないから、「前記イオン注入システムを制御する」は「イオン注入システムを制御する」の誤記と認め、請求項1に係る発明を以下のとおり認定する。
「イオンビームを発生するイオン源と、
2つの異なるサイズのアパーチャを有する画定アパーチャ板と、
前記2つの異なるサイズのアパーチャの各々の背後にそれぞれ配置された2つの電荷収集器と、
前記画定アパーチャ板を前記イオンビームの一部分を通して動かすアクチュエータと、
前記2つの電荷収集器と通信して前記イオンビームのイオンビーム電流を監視する制御システムと、
を備え、
前記制御システムは、
前記2つの異なるサイズのアパーチャの幅の比に基づいて初期アパーチャ比を決定し、
前記2つの電荷収集器により測定された電荷の比に基づいて最新のアパーチャ比を計算し、且つ
前記最新のアパーチャ比と前記初期アパーチャ比を用いて、イオン注入システムを制御する、イオン注入システム。」(以下「本願発明」という。)
2 引用する刊行物と引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は、上記「第2 3」に記載したとおりである。
3 対比・判断
本願発明のイオン注入システムを制御する際に用いる値について、「前記最新のアパーチャ比と前記初期アパーチャ比」を「前記最新のアパーチャ比を前記初期アパーチャ比と比較し、その比較の結果」に限定した本願補正発明は、上記「第2」で検討したとおり、引用発明と、周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらにイオン注入システムを制御する際に用いる値について限定したものに相当する本願補正発明が、前記「第2 5」に記載したとおり引用発明と周知の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明と周知の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明と周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
よって、上記結論のとおり審決する。
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2019-012754