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特許拒絶査定不服審判

2019-011474

クロロトリフルオロプロペンとヘキサフルオロブテンとの組成物

審判番号
2019-011474
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-106247外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年09月02日
審決日
2021年07月14日
公報発行日
2022年01月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .161-WZ (C09K) / P18 .56 -WZ (C09K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条の2
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条の2、特許法第184条の4第3項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2017-106247「クロロトリフルオロプロペンとヘキサフルオロブテンとの組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成29年11月 9日出願公開、特開2017-201022〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2010年(平成22年)11月25日を国際出願日とする特許出願(特願2013-540448号)の一部を平成27年12月2日に新たな特許出願として出願した特願2015-235390号の一部を平成29年5月30日に新たな特許出願としたものであって、平成30年8月29日付けで拒絶理由が通知され、同年11月27日に意見書及び手続補正書が提出され、平成31年4月23日付けで拒絶査定がされた。これに対して令和元年9月2日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出され、令和2年4月22日付けで当審により拒絶理由の通知がされ、同年6月30日に意見書及び手続補正書が提出され、同年11月4日付けで当審により拒絶理由(最後)の通知がされ(以下、「当審拒絶理由」という。)、令和3年2月10日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由の概要は次のとおりである。 「(拡大先願)この出願の請求項1~5に係る発明は、その出願の日前の外国語特許出願(特許法第184条の4第3項の規定により取り下げられたものとみなされたものを除く。)であって、その出願後に国際公開がされた下記の外国語特許出願の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の外国語特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記外国語特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない(同法第184条の13参照)。 記 特願2013-508138号(PCT/US2011/033843、国際公開第2011/137087号、特表2013-529233号公報(以下、「先願明細書等」という。)を参照。) 第3 令和3年2月10日に提出された手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正は、最後の拒絶理由通知(当審拒絶理由)の指定期間内においてするものであって、本願の特許請求の範囲の請求項1について、「トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンと、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンHCFO-1233zd(E)とから成る組成物の発泡剤としての使用。」を、「トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンと、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンHCFO-1233zd(E)とを含む組成物の、ポリウレタンおよびポリイソシアヌレート発泡体組成物を提供するための発泡剤としての使用。」と補正する補正事項を含む。 そうすると、本件補正により、本件補正前の請求項1に係る発明において、「発泡剤としての使用」が「ポリウレタンおよびポリイソシアヌレート発泡体組成物を提供するための発泡剤としての使用」と限定されることになる。 また、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。したがって、上記補正事項を含む本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものを含む。 そこで、以下、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、拡大先願(特許法第29条の2)の観点から検討することとする。 2 本件補正発明 本件補正発明は、上記1に記載したとおりのものである。 3 上記第2の当審拒絶理由で引用した「先願明細書等」の記載(翻訳として特表2013-529233号の記載を参照し、原文の後に()内に示す。翻訳の下線は当審が付与した。) (1)「SUMMARY OF THE INVENTION This application includes two different types of azeotropic or azeotrope-like mixtures. This disclosure provides a composition consisting essentially of (a) E-FO-1336mzz and (b) E-HCFO-1233zd (E-1 -chloro-3,3,3- trifluoropropene, E-CF3CH=CHCI); wherein the E-HCFO-1233zd is present in an effective amount to form an azeotrope-like mixture with E- FO-1336mzz. (発明の概要 本出願には、2つの異なるタイプの共沸もしくは共沸様混合物が含まれる。 本開示は、(a)E-FO-1336mzzと(b)E-HCFO-1233zd(E-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、E-CF3CH=CHCl)とから本質的になる組成物であって、E-HCFO-1233zdがE-FO-1336mzzと共沸様混合物を形成するのに有効な量で存在する組成物を提供する。)」(国際公開第2011/137087号の明細書2頁5~12行(行番号は左に表示されたもの)) (2)「According to calculation, azeotrope-like compositions consisting essentially of from about 1 to about 99 mole percent E-FO-1336mzz and from about 99 to about 1 mole percent E-HCFO-1233zd are formed at temperatures ranging from about -40 °C to about 140 °C (i.e., over this temperature range, the difference in dew point pressure and bubble point pressure of the composition at a particular temperature is less than or equal to 5 percent (based upon the bubble point pressure)). Some embodiments of azeotrope-like compositions are listed in Table 1 . Additional embodiments of azeotrope-like compositions are listed in Table 2. (計算によれば、約1~約99モルパーセントのE-FO-1336mzzと約99~約1モルパーセントのE-HCFO-1233zdとから本質的になる共沸様組成物は、約-40℃~約140℃の範囲の温度で形成される(すなわち、この温度範囲にわたって、特定温度での本組成物の露点圧力と沸点圧力との差は、(沸点圧力を基準として)5パーセント以下である)。 共沸様組成物の幾つかの実施形態を表1に示す。共沸様組成物の追加の実施形態を表2に示す。) Table 1. Azeotrope-like Compositions [図:0001380198000001.jpg] Table 2. Azeotrope-like Compositions [図:0001380198000002.jpg] ( [図:0001380198000003.jpg] [図:0001380198000004.jpg] )」(同8頁10行から9頁4行) (3)「The azeotropic or azeotrope-like compositions of the present invention can be used in a wide range of applications, including their use as aerosol propellants, refrigerants, solvents, cleaning agents, blowing agents (foam expansion agents) for thermoplastic and thermoset foams, heat transfer media, gaseous dielectrics, fire extinguishing and suppression agents, power cycle working fluids, polymerization media, particulate removal fluids, carrier fluids, buffing abrasive agents, and displacem ent drying agents. One embodiment of this invention provides a process for preparing a thermoplastic or thermoset foam. The process comprises using an azeotropic or azeotrope-like composition as a blowing agent, wherein said azeotropic or azeotrope-like composition consists essentially of E- 1 ,1 ,1 ,4,4,4-hexafluoro-2-butene and a component selected from the group consisting of E-HCFO-1233zd and HCFO-1233xf. (本発明の共沸もしくは共沸様組成物は、エアゾール噴射剤、冷媒、溶媒、クリーニング剤、熱可塑性および熱硬化性発泡体用の発泡剤(発泡体膨張剤)、熱媒、ガス状誘電体、消火剤および鎮火剤、動力サイクル作動流体、重合媒体、微粒子除去流体、キャリア流体、バフ研磨剤、および置換乾燥剤としてのそれらの使用をはじめとする、広範囲の用途に使用することができる。 本発明の一実施形態は、熱可塑性または熱硬化性発泡体の製造方法を提供する。本方法は、共沸もしくは共沸様組成物を発泡剤として使用する工程を含み、ここで、前記共沸もしくは共沸様組成物は、E-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンと、E-HCFO-1233zdおよびHCFO-1233xfからなる群から選択される成分とから本質的になる。)」(同12頁3~16行) 4 先願明細書等に記載された発明(先願発明) 上記3(1)~(3)から明らかなように、先願明細書等には、「(a)E-FO-1336mzzと「E-HCFO-1233zd(E-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、E-CF3CH=CHCl)とから本質的になる組成物」に関し、それぞれ「1~99モル%」及び「99~1モル%」からなるものについて「約-40℃~約140℃の範囲の温度で」共沸(混合物)用組成物であることが示されている。 また、「E-FO-1336mzz」は「トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン」と同意であり、「E-HCFO-1233zd(E-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、E-CF3CH=CHCl)」は「E-HCFO-1233zd」と同意であることは明らかである。 そして、先願明細書等には、そのような共沸用組成物が熱可塑性又は発泡剤として使用することが記載されている。 そうすると、先願明細書等には、「1~99モル%のトランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(E-FO-1336mzz)と、1~99モル%の1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(E-HCFO-1233zd)とから成る共沸様組成物の発泡剤としての使用。」(以下、「先願発明」という。)が記載されていると認められる。 なお、先願発明は、国際出願(PCT/US2011/033843)の優先権主張に係る明細書(2010年4月29日出願、61/329,294号)に記載されている。 5 当審の判断 (1)対比・判断 本件補正発明と先願発明とを対比する。 先願発明の「共沸用組成物」、「トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(E-FO-1336mzz)」、及び「1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(E-HCFO-1233zd)」は、本件補正発明の「組成物」、「トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン」及び「1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンHCFO-1233zd(E)」に、それぞれ相当することは明らかである。 また、本件補正発明と先願発明とは、「組成物の発泡剤としての使用」である点で共通する。 そうすると、本件補正発明と先願発明とは、 「トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンと、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンHCFO-1233zd(E)とを含む組成物の発泡剤としての使用。」である点で一致し、次の点で一応の相違が認められる。 (相違点) 「発泡剤としての使用」について、本件補正発明は、「ポリウレタンおよびポリイソシアヌレート発泡体組成物を提供するための」ものであることが特定されているのに対し、先願発明は、そのような規定がされていない点。 ここで、相違点について検討する。 先願発明のような共沸様組成物を発泡体を製造するための発泡剤として使用する場合、発泡体として、多くの場合「ポリウレタンおよびポリイソシアヌレート発泡体」が用いられることは当業者にとって明らかである。 そうすると、先願発明の発泡剤に「ポリウレタンおよびポリイソシアヌレート発泡体組成物を提供するための発泡剤」が含まれるということができる。 したがって、本件補正発明と先願発明とに実質的な差異を見いだすことができず、本件補正発明は、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。 (2)まとめ 以上のことから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の結論のとおり決定する。 第4 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし5に係る発明は、令和2年6月30日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンと、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンHCFO-1233zd(E)とから成る組成物の発泡剤としての使用。」 2 当審拒絶理由について 先願明細書等に記載された発明は、上記第3 4に記載したとおりのものである。 そこで、本願発明と先願発明とを対比する。 先願発明の「共沸用組成物」、「共沸用組成物の組成物の発泡剤としての使用」、「トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(E-FO-1336mzz)」及び「1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(E-HCFO-1233zd)」は、本願発明の「組成物」、「組成物の発泡剤としての使用」、「トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン」及び「1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンHCFO-1233zd(E)」に、それぞれ相当する。 また、先願発明は、「トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(E-FO-1336mzz)」及び「1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(E-HCFO-1233zd)」とから成るものであることは明らかである。 そうすると、本願発明と先願発明とは、「トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンと、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンHCFO-1233zd(E)とから成る組成物の発泡剤としての使用。」である点で一致し、実質的な差異を見いだすことができない。 したがって、本願発明は、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。 第5 むすび 前記第4のとおり、本願発明は、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-011474

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