特許拒絶査定不服審判
2019-005689
ゲームプログラム、方法、および情報処理装置
- 審判番号
- 2019-005689
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-090176外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年04月26日
- 審決日
- 2020年10月27日
- 公報発行日
- 2021年02月26日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2018-90176「ゲームプログラム、方法、および情報処理装置」拒絶査定不服審判事件〔令和1年11月14日出願公開、特開2019-195419〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成30年5月8日の出願であって、平成30年10月9日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月13日付けで意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成31年2月5日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、平成31年4月26日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 平成31年4月26日の手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成31年4月26日の手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載の補正を含むものであり、本件補正前の平成30年12月13日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、それぞれ以下のとおりである(下線部は補正箇所を示す。)。
(本件補正前)
「【請求項1】
ゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、プロセッサと、メモリと、ユーザの入力操作を受け付ける操作部と、を備えるコンピュータにおいて実行されるものであり、
前記ゲームプログラムに基づくゲームは、前記ユーザの入力操作に応じて動作する操作キャラクタを、他のキャラクタと戦闘させるゲームであり、
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
前記戦闘の時に、前記操作キャラクタ、または、前記戦闘に参加可能なキャラクタであって、特定の操作キャラクタの乗り物となるキャラクタである仲間キャラクタに、前記戦闘に係るアクションを実行させるステップと、
前記操作キャラクタの装備品に前記仲間キャラクタを関連付けるステップと、
前記装備品に前記仲間キャラクタが関連付けられた場合、前記仲間キャラクタを以降の戦闘に参加不可能とするとともに、前記仲間キャラクタに応じた効果を前記装備品に付与するステップと、を実行させ、
前記アクションを実行させるステップでは、前記仲間キャラクタが前記戦闘に参加している場合、該仲間キャラクタに前記戦闘に係るアクションを実行させ、前記仲間キャラクタが前記戦闘に参加していない場合、前記操作キャラクタに前記戦闘に係るアクションを実行させ、
前記効果を付与するステップでは、前記仲間キャラクタの所持する能力およびスキルの少なくとも一方に応じた効果を前記装備品に付与する、ゲームプログラム。」
(本件補正後)
「【請求項1】
ゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、プロセッサと、メモリと、ユーザの入力操作を受け付ける操作部と、を備えるコンピュータにおいて実行されるものであり、
前記ゲームプログラムに基づくゲームは、前記ユーザの入力操作に応じて動作する操作キャラクタを、他のキャラクタと戦闘させるゲームであり、
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
前記戦闘の時に、前記操作キャラクタ、または、前記戦闘に参加可能なキャラクタであって、特定の操作キャラクタの乗り物となるキャラクタである仲間キャラクタに、前記戦闘に係るアクションを実行させるステップと、
前記操作キャラクタの装備品に前記仲間キャラクタを関連付けるステップと、
前記装備品に前記仲間キャラクタが関連付けられた場合、前記仲間キャラクタを以降の戦闘に参加不可能とするとともに、前記仲間キャラクタに応じた効果を前記装備品に付与するステップと、
所定の抽選アイテムを消費した場合の抽選結果に応じて、ある操作キャラクタに関連付けることで前記仲間キャラクタとなる副キャラクタを、前記ユーザに付与するキャラクタとして決定するステップと、
前記決定するステップにおいて決定した前記副キャラクタを前記ユーザに付与するステップと、を実行させ、
前記アクションを実行させるステップでは、前記仲間キャラクタが前記戦闘に参加している場合、該仲間キャラクタに前記戦闘に係るアクションを実行させ、前記仲間キャラクタが前記戦闘に参加していない場合、前記操作キャラクタに前記戦闘に係るアクションを実行させ、
前記効果を付与するステップでは、前記仲間キャラクタの所持する能力およびスキルの少なくとも一方に応じた効果を前記装備品に付与する、ゲームプログラム。」
2 補正の適否
本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「前記プロセッサに」「実行させ」る「ステップ」について、「所定の抽選アイテムを消費した場合の抽選結果に応じて、ある操作キャラクタに関連付けることで前記仲間キャラクタとなる副キャラクタを、前記ユーザに付与するキャラクタとして決定するステップ」と、「前記決定するステップにおいて決定した前記副キャラクタを前記ユーザに付与するステップ」とを追加するものであるが、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「前記プロセッサに」「実行させ」る各「ステップ」のいずれかを限定するものではなく、新たなステップを追加するものであり、発明を特定するために必要な事項を限定するものに該当するものといえないことは明らかである。
ゆえに、本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するものとはいえないから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮に該当しないことが明らかであり、同条第5項第1号(請求項の削除)、第3号(誤記の訂正)、第4号(明りょうでない記載の釈明)のいずれにも該当しない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
3 独立特許要件について
上記2の補正却下に係る補正の目的が、仮に、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するとして、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「補正発明」という。)が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、すなわち、本件の特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、念のため検討しておく。
(1)本願補正発明
本願補正発明は、前記1(本件補正後)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献に記載された事項
ア 原査定の拒絶の理由で引用され本願の出願前に日本国内又は外国において、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったウェブページである「騎乗や共闘にとどまらず、装備やキャラの強化にまで影響する「ICARUS ONLINE」のフェローシステムを紹介、4Gamer.net、2015年 4月23日、[online]、平成30年10月4日検索、URL、http://www.4gamer.net/games/025/G002522/20150421025」(以下「引用文献」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(ア)「トップ>PC>RPG>ICARUS ONLINE」(最上部)
(イ)「プレイレポート 2015/04/23 14:12 ・・・
騎乗や共闘にとどまらず、装備やキャラの強化にまで影響する「ICARUS ONLINE」のフェローシステムを紹介
ライター:丹治正行
WeMade OnlineとNHN PlayArtが共同で運営する新作MMORPG「ICARUS ONLINE」では、本日(2015年4月23日)からオープンβテストが開始される。
今年初頭に行われたクローズドβテストから約3か月の調整期間を経て、満を持しての登場となる本作は、古き良きMMORPGの雰囲気はそのままに、CryENGINE 3による美麗なグラフィックスが加味された正当進化系のMMORPGだ。
クラスごとにプレイ感が異なるバランスの良いバトルシステム、プレイヤー自身が英雄となれるヒロイック・ファンタジーな世界観とストーリー、そして豊富なコンテンツと、ゲームの見どころはたくさんある。その中でも、取り分けて注目してもらいたいのが、モンスターを捕獲して、騎乗したり、一緒に戦ったりと、さまざまなに活用する「フェロー」システムだ。」(「騎乗や共闘にとどまらず、装備やキャラの強化にまで影響する「ICARUS ONLINE」のフェローシステムを紹介」の欄)
(ウ)「地上を駆ける馬から空を飛ぶドラゴンまで
さまざまな「フェロー」が登場
ICARUS ONLINEでは、プレイヤーが捕獲したモンスターのことを「フェロー」と呼んでいる。
フェローには、地上フェローと飛行フェローの2種類が存在し、どちらもプレイヤー自身が騎乗でき、徒歩よりも速く移動できる。飛行タイプは空を飛べ、より快適に移動できるのだが、モンスターの種類によって最大高度が設けられている点には注意したい。たとえば、最大高度を超えて上昇しようとすると、強制的に召喚が解除されて、そこから落下してしまうのだ。そのまま落ちれば大ダメージは免れない。とはいえ、そのまま落ちればの話で、落下中でもフェローを召喚できるので、慌てず落ち着いて飛行フェローを呼び出せば問題ないだろう。
なお、フェローが飛べる高度は、ゲームの攻略にも関係してくる要素になる。たとえば、とあるインスタンスダンジョンはかなり高い場所に入口があるため、そもそもその高度まで飛べるフェローを手に入れなければ、入ることすらできないのだ。」(「地上を駆ける馬から空を飛ぶドラゴンまでさまざまな「フェロー」が登場」の欄)
(エ)「●フェロー情報の見方
捕獲したフェローの情報画面では、所持するフェローのレベルや能力、スキルの詳細などが閲覧できる。ちなみに、フェローのDPS(秒単位の平均ダメージ)は、あとで紹介する「ペット化」したときのもの。また本作では騎乗戦闘も可能だが、そのときの攻撃はプレイヤーキャラクターのDPSに依存している点に注意しよう。」(「●フェロー情報の見方」の欄)
(オ)「フェローの多種多様な活用手段
では、捕獲したフェローを具体的にどのように活用していくのかを見ていこう。
フェローに騎乗すると移動速度が速くなるというのは冒頭でも紹介したとおりだ。クエストなどで長距離を移動するときは積極的に使って、時間を短縮したいところ。飛行可能なフェローなら、近づくと襲い掛かってくるアクティブ系のモンスターがいるエリアでも、地上のモンスターからは攻撃を受けないため安全に移動可能だ。地上で敵に絡まれたときに、逃げる用途で召喚してもいいだろう。
・・・・・
また、本作では騎乗状態から敵モンスターを攻撃できる。これは通常の攻撃方法ではなく、ストーリーの進行上で入手できる「スピア」や「ボウガン」を使うことになる。
・・・・・
さらに、フェローをペット化して一緒に戦うことも可能だ。ペットに指示を出して戦闘するのは、一般的なMMORPGのペットシステムと同様なので迷うことはないだろう。なお、等級の低いフェローであれば、ゲーム内のショップで「ペット呪文書」を購入して使えば簡単にペット化できる。しかし、等級が高いフェロー用のアイテムは入手方法が特殊で難しくなっている。また、一度ペット化したら通常のフェローに戻すことはできないので、ペット化するかどうかは熟考したうえで決めよう。」(「フェローの多種多様な活用手段」の欄)
(カ)「●フェローの成長
フェローの成長は、召喚している時間で経験値が加算されていく仕組みだ。一方、フェローは召喚していると、そのフェローの「気力」を消費し、これがなくなると召喚が解除される。
フェローのレベルアップ時に気力が全回復するので、低いレベルであれば連続して使い続けることも可能だが、スキルの使用や、スピアやボウガンでの攻撃を行うたびに気力を消費するので、基本的には複数のフェローを使いまわすことになるだろう。
フェローの強化は、フェロー専用の装備を身につけることでも可能だ。フェロー専用装備は、生産やドロップ品として入手でき、爪/鞍/ソウルストーンの3部位に装着できる。通常のキャラクター装備と同様に、セット効果を持つものも存在しているようだ。」(●フェローの成長の欄)
(キ)「フェローは装備の強化やキャラクターの成長にも影響する
フェローは、騎乗したり一緒に戦ったりするだけでなく、石に「封印」することで、アイテムとして用いることができるのも本作の特徴となっている。
封印したフェローはアイテム「封印石」となり、装備に能力を付与したり、後述する「特性力(ポイント)」に変換するために使えるようになる。フェローを封印するときのレベルが高いほど効果も高くなることから、「フェローを捕獲」「レベルを上げる」「封印」という流れが、本作のやりこみ要素にもなるだろう。なお、ペット化したフェローも封印可能だが、フェローからペットへの変更と同様に、封印したフェロー/ペットを戻すことはできない。
装備への能力付与は、封印石が持つ「封印石効果」を装備のステータスに上乗せするというものだ。効果は封印石のアイテム詳細で確認できる。効果の中には、決まった値分だけ上昇させるものもあれば、数値の割合(%)分を上昇させるものもあるので、さまざまな封印石を集めて、自分好みの強力な装備を作り出せそうだ。
・・・・・
一方、封印石を消費して「特性力」というポイントにも変換できる。増やしたポイントは「特性スキル」の習得に利用でき、プレイヤーキャラクターの能力強化を図れるのだ。なお特性スキルは、キャラクターレベル20以降のクエストを通して利用可能となる。特性力も、フェローの等級やレベルが高いほど得られるポイントが多くなるので、フェローの捕獲/育成が重要となる。
・・・・・
このように本作では、フェローがプレイヤーキャラクター強化にも密接に関係し、ただのペット、騎乗生物に収まっていないことが分かるだろう。しかし、実際のプレイ上では段階を経てできることが増えていくので、フェローシステムが持つ魅力になかなか触れられないという面があった。そのため、期間が限られた過去のテストでは、一般的なMMORPGのペットシステムとの違いがよく分からないままだったプレイヤーもいたことだろう。」(「フェローは装備の強化やキャラクターの成長にも影響する」の欄)
(認定事項1)
上記(ア)の「トップ>PC>RPG>ICARUS ONLINE」の記載、及び上記(イ)の「新作MMORPG『ICARUS ONLINE』」の記載から、ICARUS ONLINEは、PC(パーソナルコンピュータ)用のMMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game、マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロール・プレイング・ゲーム)のゲームプログラムの名であると認められる。
(認定事項2)
上記(カ)の「フェローの強化は、フェロー専用の装備を身につけることでも可能だ。フェロー専用装備は、生産やドロップ品として入手でき、爪/鞍/ソウルストーンの3部位に装着できる。通常のキャラクター装備と同様に、セット効果を持つものも存在しているようだ。」の記載から、フェローだけでなく、通常のキャラクターであるプレイヤーキャラクターに装備を備えることができること、及び、装備を備えることでキャラクタを強化できることが理解できる。
そうすると、上記(キ)の「封印したフェローはアイテム「封印石」となり、装備に能力を付与・・・するために使えるようになる。・・・装備への能力付与は、封印石が持つ「封印石効果」を装備のステータスに上乗せするというものだ。・・・このように本作では、フェローがプレイヤーキャラクター強化にも密接に関係し」との記載における「装備」は、「プレイヤーキャラクター」の「装備」であると認められる。
上記記載事項及び認定事項を総合すれば、引用文献には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「ICARUS ONLINEという名のPC用のMMORPGのゲームプログラムであって、
前記MMORPGは、
モンスターを捕獲して、騎乗したり、一緒に戦ったりと、さまざまに活用するフェローシステムを有し、
プレイヤーキャラクターが捕獲したモンスターであるフェローには、地上フェローと飛行フェローの2種類が存在し、どちらもプレイヤーキャラクターが騎乗でき、徒歩よりも早く移動でき、
騎乗戦闘も可能だが、そのときの攻撃はプレイヤーキャラクターのDPS(秒単位の平均ダメージ)に依存しており、
飛行可能なフェローなら、近づくと襲い掛かってくるアクティブ系のモンスターがいるエリアでも、地上のモンスターからは攻撃を受けないため安全に移動可能で、地上で敵に絡まれたときに、逃げる用途で召喚してもよく、
騎乗状態から敵モンスターを攻撃でき、これは通常の攻撃方法ではなく、ストーリーの進行上で入手できる「スピア」や「ボウガン」を使うことになり、
フェローをペット化して一緒に戦うことも可能であり、ペットに指示を出して戦闘するのは、一般的なMMORPGのペットシステムと同様であり、一度ペット化したら通常のフェローに戻すことはできず、
フェローは、石に「封印」することで、アイテムとして用いることができ、
封印したフェローは、アイテム「封印石」となり、プレイヤーキャラクターの装備に能力を付与するために使えるようになり、フェローを封印するときのレベルが高いほど効果も高くなり、ペット化したフェローも封印可能だが、封印したフェロー/ペットを戻すことはできず、
装備への能力付与は、封印石が持つ「封印石効果」を装備のステータスに上乗せするものであり、効果の中には、決まった値分だけ上昇させるものもあれば、数値の割合(%)分を上昇させるものもあり、
一方、封印石を消費して「特性力」というポイントにも変換でき、増やしたポイントは「特性スキル」の習得に利用でき、プレイヤーキャラクターの能力強化を図れ、特性力も、フェローの等級やレベルが高いほど得られるポイントが多くなる
ゲームプログラム。」
(3)対比・判断
ア 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
(a)引用発明の「ICARUS ONLINEという名のPC用のMMORPGのゲームプログラム」は、本願補正発明の「ゲームプログラム」に相当する。
(b)引用発明の「ICARUS ONLINEという名のPC用のMMORPGのゲームプログラム」は、PC(パーソナルコンピュータ)において実行されるものであり、PC(パーソナルコンピュータ)が、プロセッサと、メモリと、ユーザの入力操作を受け付ける操作部と、を備えることは技術常識である。
したがって、引用発明の「ICARUS ONLINEという名のPC用のMMORPGのゲームプログラム」が、プロセッサと、メモリと、ユーザの入力操作を受け付ける操作部と、を備えるPCにおいて実行されるものであることは、本願補正発明の「前記ゲームプログラムは、プロセッサと、メモリと、ユーザの入力操作を受け付ける操作部と、を備えるコンピュータにおいて実行されるものであ」ることに相当する。
(c)引用発明の「ゲームプログラム」における「MMORPG」において、「騎乗戦闘も可能だが、そのときの攻撃はプレイヤーキャラクターのDPS(秒単位の平均ダメージ)に依存して」いることから、プレイヤーキャラクターが、騎乗戦闘だけでなく、騎乗しない戦闘が可能であることが理解でき、また、「飛行可能なフェローなら、近づくと襲い掛かってくるアクティブ系のモンスターがいるエリアでも、地上のモンスターからは攻撃を受けないため安全に移動可能で、地上で敵に絡まれたときに、逃げる用途で召喚してもよ」いことや、「騎乗状態から敵モンスターを攻撃でき、これは通常の攻撃方法ではなく、ストーリーの進行上で入手できる「スピア」や「ボウガン」を使うことにな」ることから、プレイヤーキャラクターの戦闘相手は、敵モンスターというキャラクタであることが理解できる。
そして、プレイヤーキャラクターがユーザの入力操作に応じて動作するという技術常識に鑑みれば、引用発明は、本願補正発明の「前記ゲームプログラムに基づくゲームは、前記ユーザの入力操作に応じて動作する操作キャラクタを、他のキャラクタと戦闘させるゲームであ」ること相当する構成を備えるものといえる。
(d)上記(c)で検討したように、引用発明の「MMORPG」は、ユーザの入力操作に応じて動作するプレイヤーキャラクターを、敵モンスターと戦闘させるものであるから、戦闘の時に、プレイヤーキャラクターに、戦闘に係るアクションを実行させることは明らかである。
さらに、引用発明において、プレイヤーキャラクターに、戦闘に係るアクションを実行させるのは、「MMORPGのゲームプログラム」が、「PC」の「プロセッサ」により行うものであることは明らかである。
したがって、引用発明は、本願補正発明の「前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、前記戦闘の時に、前記操作キャラクタに、前記戦闘に係るアクションを実行させるステップ」「を実行させ」ることに相当する構成を備えるといえる。
(e)引用発明の「MMORPG」において、「封印石を消費して「特性力」というポイントにも変換でき、増やしたポイントは「特性スキル」の習得に利用でき、プレイヤーキャラクターの能力強化を図れ、特性力も、フェローの等級やレベルが高いほど得られるポイントが多くなる」ことから、封印石が、フェローの情報を保持していることは明らかである。
したがって、引用発明の「MMORPG」において、「石に「封印」」することで」「封印したフェロー」が「アイテム「封印石」となり、プレイヤーキャラクターの装備に能力を付与するために使」うことは、プレイヤーキャラクターの装備に、フェローの情報を保持した封印石を関連付けることといえるから、プレイヤーキャラクターの装備にフェローを関連付けることといえる。
さらに、引用発明において、「MMORPGのゲームプログラム」が、プロセッサに、これらを実行させることは明らかである。
したがって、引用発明は、本願補正発明の「プロセッサに」「前記操作キャラクタの装備品に前記仲間キャラクタを関連付けるステップ」「を実行させ」ることに相当する構成を備えるものといえる。
(f)引用発明の「MMORPG」は、「封印したフェロー」「を戻すことはできない」ことから、「石に「封印」」することで」「封印したフェロー」が「アイテム「封印石」となり、プレイヤーキャラクターの装備に能力を付与するために使」う時には、既に「フェロー」が「封印」されて「戻すことはできな」くなっており、フェローが以降の戦闘に参加不可能となることは明らかであるから、プレイヤーキャラクターの装備にフェローが関連付けられた場合、フェローを以降の戦闘に参加不可能とするものといえる。
また、引用発明の「MMORPG」は、「石に「封印」」することで」「封印したフェロー」が「アイテム「封印石」となり、プレイヤーキャラクターの装備に能力を付与するために使」う場合、「フェローを封印するときのレベルが高いほど効果も高くな」り、「装備への能力付与は、封印石が持つ「封印石効果」を装備のステータスに上乗せするものであり、効果の中には、決まった値分だけ上昇させるものもあれば、数値の割合(%)分を上昇させるものもあ」るのであるから、プレイヤーキャラクターの装備にフェローが関連付けられた場合、フェローに応じた効果をプレイヤーキャラクターの装備に付与するものといえる。
さらに、引用発明において、「MMORPGのゲームプログラム」が、プロセッサに、これらを実行させることは明らかである。
したがって、引用発明は、本願補正発明の「前記装備品に前記仲間キャラクタが関連付けられた場合、前記仲間キャラクタを以降の戦闘に参加不可能とするとともに、前記仲間キャラクタに応じた効果を前記装備品に付与するステップ」に相当する構成を備えるものといえる。
(g)引用発明の「MMORPG」は、「フェロー」に「プレイヤーキャラクターが騎乗」し「徒歩よりも早く移動」している際、「騎乗戦闘も可能だが、そのときの攻撃はプレイヤーキャラクターのDPS(秒単位の平均ダメージ)に依存して」いることから、騎乗戦闘のときに、フェローに戦闘に係るアクションを実行させるものか否か不明であるが、少なくとも、フェローに移動に係るアクションを実行させるものといえるから、本願補正発明の「前記アクションを実行させるステップでは、前記仲間キャラクタが前記戦闘に参加している場合、該仲間キャラクタに前記戦闘に係るアクションを実行させ」ることと、引用発明とは、「前記アクションを実行させるステップでは、前記仲間キャラクタが前記戦闘に参加している場合、該仲間キャラクタにアクションを実行させ」る点で共通する。
また、上記(c)の検討を踏まえれば、引用発明の「MMORPG」は、騎乗しない戦闘において、敵モンスターと戦闘が可能であることから、フェローが戦闘に参加していない場合、プレイヤーキャラクターに戦闘に係るアクションを実行させるものといえるから、引用発明は、本願補正発明の「前記アクションを実行させるステップでは」「前記仲間キャラクタが前記戦闘に参加していない場合、前記操作キャラクタに前記戦闘に係るアクションを実行させ」ることに相当する構成を備えるといえる。
(h)引用発明の「MMORPG」は、「石に「封印」」することで」「封印したフェロー」が「アイテム「封印石」となり、プレイヤーキャラクターの装備に能力を付与するために使」う場合、「フェローを封印するときのレベルが高いほど効果も高くな」り、「装備への能力付与は、封印石が持つ「封印石効果」を装備のステータスに上乗せするものであり、効果の中には、決まった値分だけ上昇させるものもあれば、数値の割合(%)分を上昇させるものもあ」るのであるから、効果を付与するステップでは、フェローの所持する能力に応じた効果をプレイヤーキャラクターの装備に付与するものといえる。
したがって、引用発明は、本願補正発明の「前記効果を付与するステップでは、前記仲間キャラクタの所持する能力およびスキルの少なくとも一方に応じた効果を前記装備品に付与する」ことに相当する構成を備えるものといえる。
してみると、本願発明と引用発明とは、
「ゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、プロセッサと、メモリと、ユーザの入力操作を受け付ける操作部と、を備えるコンピュータにおいて実行されるものであり、
前記ゲームプログラムに基づくゲームは、前記ユーザの入力操作に応じて動作する操作キャラクタを、他のキャラクタと戦闘させるゲームであり、
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
前記戦闘の時に、前記操作キャラクタに、前記戦闘に係るアクションを実行させるステップと、
前記操作キャラクタの装備品に前記仲間キャラクタを関連付けるステップと、
前記装備品に前記仲間キャラクタが関連付けられた場合、前記仲間キャラクタを以降の戦闘に参加不可能とするとともに、前記仲間キャラクタに応じた効果を前記装備品に付与するステップと、を実行させ、
前記アクションを実行させるステップでは、前記仲間キャラクタが前記戦闘に参加している場合、該仲間キャラクタにアクションを実行させ、前記仲間キャラクタが前記戦闘に参加していない場合、前記操作キャラクタに前記戦闘に係るアクションを実行させ、
前記効果を付与するステップでは、前記仲間キャラクタの所持する能力およびスキルの少なくとも一方に応じた効果を前記装備品に付与する、ゲームプログラム。」
である点で一致し、次の点で相違する。
(相違点1)
仲間キャラクタが戦闘に参加している場合、本願補正発明は、仲間キャラクタに戦闘に係るアクションを実行させるのに対し、引用発明は、フェローに移動に係るアクションを実行させるが、戦闘に係るアクションを実行させるか否か明らかでない点。
(相違点2)
ゲームプログラムがプロセッサに実行させるステップとして、本願補正発明は「所定の抽選アイテムを消費した場合の抽選結果に応じて、ある操作キャラクタに関連付けることで前記仲間キャラクタとなる副キャラクタを、前記ユーザに付与するキャラクタとして決定するステップと、前記決定するステップにおいて決定した前記副キャラクタを前記ユーザに付与するステップと」を有するのに対し、引用発明はそのようなステップを有するか否か明らかでない点。
イ 判断
(相違点1について)
戦闘ゲームに係るゲームプログラムにおいて、プレイヤキャラクタが騎乗可能なフェローキャラクタが戦闘に参加している場合、フェローキャラクタに戦闘に係るアクションを実行させることは、例えば、
(ア)特開2004-195166号公報(下線は当審で付した。)
「【0028】 以下、図により本発明のゲームを説明する。 図3は、ディスプレイ5に表示された戦闘前の画面を例示している。主人公42を地上に降りたドラゴン41に接近させると、主人公42は該ドラゴン41に乗り両者は一体化される。一体化されると主人公42に代わり、ドラゴン41がプレイヤにより操作可能となる。
【0029】 図4は、戦闘画面であり敵キャラクタ43が上空にある場合を例示している。 ドラゴン41と主人公42とが一体化された状態では、有翼で飛翔可能なドラゴン41を操作し該敵キャラクタ43と戦闘を行わせる。」
(イ)特開2010-136744号公報(下線は当審で付した。)
「【0049】
図7は、ステップS114において実行された召喚獣ドライブモード移行演出が終了し、召喚獣ドライブモードバトル制御が開始されたときに表示部13に表示されるバトル画面の例を示す説明図である。この場合におけるバトル画面には、例えば図7に示すように、敵キャラクタNPC1~NPC3と、ドライブモード時キャラクタである移動体に変形している召喚獣SC(本例では召喚獣X)と、召喚獣SCに乗ったプレイヤキャラクタPCと、プレイヤキャラクタPCのHP値を表示するHPゲージ101と、ドライブモードタイムの残存値を表示するドライブモードタイムゲージ107と、プレイヤPによって操作されるカーソルKとが表示される他、選択可能なコマンドを表示するコマンド表示領域108が設けられる。ここでは、コマンド表示領域108に、「ドライブをやめる」、及び「必殺技A」、「必殺技B」の3つのコマンドが表示されている。
(ウ)シューティング千夜一夜 ~第197夜~ ドラゴンブリード、2012年4月22日、[online]、令和2年9月30日検索、URL、https://web.archive.org/web/20120422172015/http://khex.blog42.fc2.com:80/blog-entry-565.html(下線は当審で付した。)
「シューティング千夜一夜 ~第197夜~ ドラゴンブリード
2007年12月22日(土)23:23
・・・・・
国の反逆者が多大なるモンスターを召還したのを受け、国王であるカイアス王子が、伝説の龍「バハムート」に乗って、魔王「ザンバキオス」を倒すというストーリーで始まる本作。
1レバー2ボタンで自機のカイアス王子、オプションであるバハムートを制御します。
ボタンは1ボタンが攻撃ボタン、2ボタンがジャンプやバハムート昇降に使います。
攻撃ボタンでカイアス王子とバハムートが攻撃を行います。
基本的にボタンを押す事で両方が攻撃する形ですが、分離攻撃の際はカイアス王子側のショットがドラゴンのパワーアップにより強化されます。
バハムートに乗った状態で攻撃ボタンを押しっぱなしにすると、バハムートの口にエフェクトが現れ、放す事で「ドラゴンブレス」を放出します。
威力が高いため、攻撃としては優秀です。」
に記載されているように周知技術であり、引用発明において、フェローに騎乗した状態での戦闘バリエーションを増やす等の目的で、上記周知技術を適用して、騎乗状態において、フェローに戦闘に係るアクションを実行させるようにすることは、当業者が容易になし得たことである。
(相違点2について)
ゲームプログラムにおいて、通常のゲーム進行にしたがって得られるキャラクター等のアイテムを、所定の抽選アイテムを消費した場合の抽選結果に応じて、ユーザに付与することによって、その後のゲームの攻略が有利になるようにすることは、例えば、
(ア)特許第6213692号公報(平成29年10月18日公開、下線は当審で付与した。)
「【0035】
付与部202は、対戦ゲームや抽選ゲームにおいて、後述するキャラクター情報に設定された複数キャラクターのうちの1又は複数のキャラクターをユーザーに対して付与する。」
「【0053】
この対戦の結果、敵キャラクターを倒すことでクエストをクリアすることができた場合には、ゲーム内通貨やゲームコイン等のゲームポイント、キャラクターを報酬(成果)としてユーザーに取得させる(付与する)ことがある。このゲーム内通貨は、課金により購入することもできる。ユーザーは、付与されたキャラクターを用いて対戦ゲームや合成ゲームを行うことができる。
【0054】
本実施形態における抽選ゲームは、ユーザーからキャラクターの抽選実行の操作(付与要求操作)を受け付けると、ユーザーの保有するゲーム内通貨を消費し、抽選条件に基づいて抽選対象であるキャラクター群から無作為(ランダム)に選択したキャラクターをユーザーに付与するゲームである。ユーザーは、付与されたキャラクターを用いて対戦ゲームや合成ゲーム等を行うことができる。なお、抽選ゲームでのみユーザーに付与されるキャラクターも存在する。」
(イ)特開2015-126776号公報
「【0035】
このプレーヤ端末5000のプレーヤ1は、ゲームオブジェクトである図1に示す仮想的なゲームカード(以下、単に「カード」という。)3をゲーム内で使用する。カード3は複数種類用意され、各々に関連付けられたキャラクタ表示31及びカード属性表示33との組合せによって区別される。カード属性表示33は、例えば、1から7の何れかの数字として定められる。各カード3には、コンピュータ制御の敵キャラクタや他プレーヤ等の対戦相手との対戦プレイ(バトル)に用いるレベルや攻撃力、HPといった能力パラメータ値が定められている。この能力パラメータ値は可変となっている。
【0036】
カード3は、アカウント登録時においてバトルに最低限必要な枚数が付与される他、ゲーム中に獲得したり、課金アイテムとして購入によって獲得したり、ガチャと呼ばれる抽選によって獲得することができる。」
(ここで、ガチャと呼ばれる抽選が、所定の抽選アイテムを消費した場合に行えたり、所定の抽選アイテムを消費することなく行えたりするものであることは、技術常識である。)
に記載されているように、常套手段であるから、引用発明においても、捕獲行為という通常のゲーム進行にしたがって得られるモンスター(フェロー)を、所定の抽選アイテムを消費した場合の抽選結果に応じて、ユーザに付与することによって、その後のゲームの攻略が有利になるようにして、ゲームの興趣向上を図ることに十分な動機付けを見い出すことができ、そのようにして、相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。
そして、本願補正発明の発明特定事項によって奏される効果も、引用発明及び上記周知技術から、当業者が予測し得る範囲内のものである。
(4)審判請求書における請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、
ア 引用文献には、モンスターを捕獲することについて、
(ア)「捕獲はミニゲームのような仕様になっており、捕獲スキルを使って対象のモンスターに近づき、ジャンプして飛び乗ったあとに、画面で指示されるキー(W/A/S/D)を入力して捕獲成功ゲージを上昇させていく。対象となるモンスターのレベルがキャラクターよりも高いと、捕獲の成功確率は低くなる」
(イ)「フェローを確保しておくための枠は、初期で3枠と最大数が限られている。なので、いずれは枠を空けるために、所有しているフェローを解放したり、後述する「封印」したりする必要があるだろう。」
(ウ)「フェローは、騎乗したり一緒に戦ったりするだけでなく、石に「封印」することで、アイテムとして用いることができるのも本作の特徴となっている。封印したフェローはアイテム「封印石」となり、装備に能力を付与したり、後述する「特性力(ポイント)」に変換するために使えるようになる。フェローを封印するときのレベルが高いほど効果も高くなることから、「フェローを捕獲」「レベルを上げる」「封印」という流れが、本作のやりこみ要素にもなるだろう。」の記載があり、
イ 当業者が引用文献の以上の各記載(ア)~(ウ)に接した場合、記載(ア)のように、まず、ユーザが興味を抱いたモンスター(フェロー)に対して、捕獲のための操作を行うこと及びユーザが操作するキャラクタのレベルが高くなるにつれて、ユーザが興味を抱くモンスターを捕獲できる確率が高くなることを理解し、よって、たとえユーザが興味を抱いたモンスターであっても、ユーザが操作するキャラクタのレベルが低い場合は、当該モンスターを獲得することが困難となる一方、モンスターを獲得すると、当該モンスターを使用することで、ユーザが操作するキャラクタのレベルを上げていくことにも資することとなるため、ユーザに興味がないモンスターであっても、ユーザが操作するキャラクタのレベルで容易に獲得できるモンスターであれば、当該モンスターを獲得し、操作をすることで、ユーザが操作するキャラクタの強化を行うことができ、
ウ よって、引用文献において、仮に、ユーザが操作するキャラクターのレベルにかかわらずユーザにとって興味のあるモンスターを獲得できるようにすると、その他のモンスターを獲得しようと動機づけること、ユーザが操作するキャラクタのレベルを上げようと動機づけることを妨げることとなってしまうおそれが生じ、この場合、上記の引用文献の記載(ウ)にあるように、「「フェローを捕獲」「レベルを上げる」「封印」という流れが、本作のやりこみ要素にもなる」とされているにもかかわらず、当該やりこみ要素(すなわち、ゲームの興趣性)を没却させるおそれを生じさせることとなるから、当業者が引用文献1に接したとしても、引用文献1の技術に対し、仲間キャラクタを抽選によって付与する構成を組み合わせる動機付けはない
旨主張する。
しかしながら、ゲームプログラムにおいて、通常のゲーム進行にしたがって得られるキャラクター等のアイテムを、所定の抽選アイテムを消費した場合の抽選結果に応じて、ユーザに付与することによって、その後のゲームの攻略が有利になるようにすることは、常套手段であるから、引用発明においても、捕獲行為という通常のゲーム進行にしたがって得られるモンスター(フェロー)を、所定の抽選アイテムを消費した場合の抽選結果に応じて、ユーザに付与することによって、その後のゲームの攻略が有利になるようにして、ゲームの興趣向上を図ることに十分な動機付けを見い出すことができる。
そして、そのようにしても、抽選によってモンスター(フェロー)を得るためには、抽選アイテムを消費しなければならないし、また、抽選であるからユーザが興味を抱いたモンスター(フェロー)を確実に得ることができるとも限らないから、必ずしも、捕獲行為によってユーザが興味を抱いたモンスター(フェロー)を得ようとユーザに動機づけることを妨げるものではなく、したがって、必ずしも、「「フェローを捕獲」「レベルを上げる」「封印」という流れの、本作のやりこみ要素(ゲームの興趣性)を没却させるおそれを生じさせることとなるものではなく、ゆえに、仲間キャラクタを抽選に付与する構成を組み合わせる動機づけがないとまではいえない。
なお、引用発明に、仲間キャラクタを抽選によって付与する構成を組み合わせる動機付けがないとまではいえないことは、以下のウェブページに、引用発明のMMORPGと同名の「ICARUS ONLIN」について、フェローガチャが、2017.5.11(木)から2017.5.28(日)23:59まで実施されるとの記載があること、また、「今回のガチャ」や「2種類のフェローの当選確率がそれぞれ5倍アップしています」との記載から、以前にもガチャが行われていたことを伺わせることからも裏付けられる。
好みのフェローをゲットしよう! フェローガチャ、2017年6月13日、[online]、令和2年9月30日検索、URL、https://web.archive.org/web/20170613141548/http://icarus.gamecom.jp/Event/2017/38_FellowGacha/
「ICARUS
ONLINE
好みのフェローをゲットしよう!
フェローガチャ 確率5倍アップ
2017.5.11(木)~2017.5.28(日)23:59まで
種族「シャリング」の新クラス「マジシャン」の実装を祈念して、
フェローガチャを実施します。
今回のガチャではあたり報酬として、超★激レアフェローが含まれています!!
1日最大6回までガチャを回すことが可能です。
さらに、お気に入りが出るまでガチャを回すことができます。
参加方法
公式サイトへログイン後、下の「まわす」ボタンをクリック
フェローガチャとは
様々なフェローを獲得できるガチャを1日3回利用できます。
ガチャ回数が上限に達してしまった場合は、TwitterまたはSkypeでイベント情報を拡散すると、
追加で3回ガチャを回すことができます。
・・・・・
超★激レアフェローはこの2匹!
・・・・・
※「三日月のアイルロ」および「満月のピスカ」は英雄等級フェローです。
また、2匹はすべて同様のステータスおよび同様のスキルを所持しており、能力に差はございません。
※上記の2種類のフェローの当選確率がそれぞれ5倍アップしています。」
したがって、請求人の主張は採用できない。
(5)小括
したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
4 まとめ
以上より、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであり、仮に、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮に該当するとしても、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成30年12月13日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1の(本件補正前)に記載したとおりのものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定の拒絶の理由のうち請求項1に係るものは、
(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・騎乗や共闘にとどまらず、装備やキャラの強化にまで影響する「ICARUS ONLINE」のフェローシステムを紹介、4Gamer.net、2015年 4月23日、[online]、平成30年10月4日検索、URL、http://www.4gamer.net/games/025/G002522/20150421025(引用文献)
・特開2004-195166号公報(周知技術を示す文献)
・特開2010-136744号公報(周知技術を示す文献)
・特開2014-213203号公報(周知技術を示す文献)
というものである。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献の記載事項は、前記第2[理由]3(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本願補正発明の発明特定事項である「前記プロセッサに」「実行させ」る「ステップ」について、「所定の抽選アイテムを消費した場合の抽選結果に応じて、ある操作キャラクタに関連付けることで前記仲間キャラクタとなる副キャラクタを、前記ユーザに付与するキャラクタとして決定するステップ」と、「前記決定するステップにおいて決定した前記副キャラクタを前記ユーザに付与するステップ」とを省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]3(3)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2019-005689