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特許拒絶査定不服審判

2019-003400

駐車構造物及び交差点内で車両を追跡するためのシステム及び方法

審判番号
2019-003400
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-568845外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年03月12日
審決日
2020年10月14日
公報発行日
2021年04月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (G08G) / P18 .536-WZ (G08G) / P18 .537-WZ (G08G)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第4項、特許法第17条の2第5項第4号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-568845「駐車構造物及び交差点内で車両を追跡するためのシステム及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年11月26日国際公開、WO2015/179685、平成29年 7月13日国内公表、特表2017-519289〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 1.手続の経緯 本願は、2015年(平成27年)5月21日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年5月21日:米国、2015年5月20日:米国)を国際出願日とする出願であって、平成30年6月19日に拒絶の理由が通知され(発送日:平成30年6月25日)、これに対し、平成30年9月25日付で意見書及び手続補正書が提出されたが、平成30年10月11日付で拒絶査定がなされ(発送日:平成30年11月12日)、これに対し、平成31年3月12日に拒絶査定不服審判請求がなされるとともに手続補正書が提出され、当審により令和2年1月23日付で最後の拒絶の理由が通知され(発送日:令和2年1月27日)、これに対し、令和2年4月27日付で意見書及び手続補正書が提出されたものである。 2.特許請求の範囲 平成31年3月12日の手続補正で特許請求の範囲は以下のように補正された。 「【請求項1】 電磁放射線を検出区域内に放射するように構成されたエミッタと、 前記検出区域内の逆反射マーカからの前記放射電磁放射線の逆反射からもたらされる逆反射電磁放射線を検出するように構成された検出器であって、 前記逆反射マーカによる該電磁放射線に対応しない電磁放射線の波長を濾過するように構成された光学フィルタを含む検出器と、 前記エミッタと前記検出器とに通信的に結合された制御回路であって、該検出器によって検出された前記逆反射電磁放射線をモニタし、かつ該モニタされた逆反射電磁放射線に基づいて検出区域内の1又は2以上の車両に関連する情報を評価するように構成された前記制御回路と、 前記制御回路に通信的に結合され、かつ前記検出区域内の前記1又は2以上の車両に関連するユーザ知覚可能表示を提供するように構成された自動デバイスであって、該制御回路が、該自動デバイスをして該1又は2以上の車両に関連する該評価された情報に基づいて特定のユーザ知覚可能表示を提供させるように構成される前記自動デバイスと、 駐車スペースを有する駐車構造物であって、前記駐車スペースは車両が該駐車スペースに駐車しているとき車両の予定された位置に対応する区域内に位置する前記逆反射マーカを含み、前記逆反射マーカは前記放射電磁放射線を前記エミッタへ円錐内で反射する、駐車構造物と、を備え 前記駐車スペースが前記検出区域の少なくとも一部に対応しており、かつ前記駐車スペースが前記逆反射マーカによる逆反射に基づいて前記車両によって占有されているかどうかを前記制御回路が判断するように構成されている、ことを特徴とする車両トラフィック制御システム。 【請求項2】 前記光学フィルタは、前記エミッタによって放射される該電磁放射線に対応しない電磁放射線の波長を濾過するように構成されており、これによって、該検出器の光検出特徴部が、放射されて該検出器まで逆反射される前記電磁放射線を含む電磁放射線の波長のみを実質的に感受するようになっている、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。 【請求項3】 前記自動デバイスは、前記駐車スペースに関連付けられたライト、通信デバイス、標識、又はそのいずれかの組合せを含み、前記制御回路は、該駐車スペースの前記占有に基づいて該ライト、該通信デバイス、該標識、又は該その組合せをトリガするように構成される、 ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。 【請求項4】 前記制御回路は、 前記予想場所に対応する前記区域内に位置決めされた前記逆反射マーカに前記逆反射電磁放射線を相関付け、 前記予想場所に対応する前記区域内の前記逆反射マーカによる逆反射の変化に関して前記逆反射電磁放射線をモニタし、かつ 前記逆反射マーカによる逆反射の変化を前記駐車スペース内に駐車された車両による該マーカのカバレージに関連付けて該駐車スペースが占有されているか否かを決定する、 ように構成される、 ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。 【請求項5】 車両の移動を追跡かつ制御する方法であって、 エミッタを用いて駐車構造物の一部分に対応する検出区域を電磁放射線で氾濫させる段階と、 検出器を用いて前記検出区域内の逆反射マーカから逆反射された電磁放射線を検出する段階であって、前記駐車構造物の前記駐車スペースは車両が該駐車スペースに駐車しているとき車両の予定された位置に対応する区域内に位置する前記逆反射マーカを含み、前記逆反射マーカーは、前記放射電磁放射線を前記エミッタへ円錐内で反射する、電磁放射線を検出する段階と、 前記検出器の光学フィルタを用いて、前記逆反射マーカによる該電磁放射線に対応しない電磁放射線の波長を濾過する段階と、 少なくとも前記検出器に通信的に結合された制御回路を用いて前記逆反射電磁放射線をモニタし、前記駐車スペースが前記車両によって占有されているかどうかを評価する段階と、 前記制御回路を用いて前記駐車スペースの占有に少なくとも部分的に基づいて自動デバイスを制御し、前記検出区域内の前記車両の移動に影響を及ぼす段階と、 を含むことを特徴とする方法。 【請求項6】 前記逆反射電磁放射線をモニタして前記検出区域内の1又は2以上の車両に関連する情報を評価する段階は、 前記放射電磁放射線をもはや逆反射しない逆反射マーカを示す変化に関して該逆反射電磁放射線をモニタする段階と、 前記放射電磁放射線をもはや逆反射しない前記マーカを前記駐車構造物内の特定の駐車スペースに相関付けて駐車スペース占有データを決定する段階と、 を含み、 前記制御回路を用いて前記駐車スペースの占有に少なくとも部分的に基づいて前記自動デバイスを制御して前記検出区域内の前記車両の移動に影響を及ぼす段階は、該制御回路に通信的に結合されたディスプレイを用いて前記駐車構造物内、又は該駐車構造物の外側、及び該駐車構造物に至る通路に沿ったユーザ知覚可能駐車スペース推奨を提供する段階を含む、 ことを特徴とする請求項5に記載の方法。 【請求項7】 前記自動デバイスは、前記駐車スペースに関連付けられたライト、通信デバイス、標識、又はそのいずれかの組合せを含み、前記制御回路は、該駐車スペースの前記占有に基づいて該ライト、該通信デバイス、該標識、又は該その組合せをトリガするように構成される、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。」 令和2年4月27日の手続補正で特許請求の範囲は以下のように補正された。 「【請求項1】 電磁放射線を検出区域内に放射するように構成されたエミッタと、 前記検出区域内の逆反射マーカからの前記放射電磁放射線の逆反射からもたらされる逆反射電磁放射線を検出するように構成された検出器であって、 前記逆反射マーカによる該電磁放射線に対応しない電磁放射線の波長を濾過するように構成された光学フィルタを含む検出器と、 前記エミッタと前記検出器とに通信的に結合された制御回路であって、該検出器によって検出された前記逆反射電磁放射線をモニタし、かつ該モニタされた逆反射電磁放射線に基づいて検出区域内の1又は2以上の車両に関連する情報を評価するように構成された前記制御回路と、 前記制御回路に通信的に結合され、かつ前記検出区域内の前記1又は2以上の車両に関連するユーザ知覚可能表示を提供するように構成された自動デバイスであって、該制御回路が、該自動デバイスをして該1又は2以上の車両に関連する該評価された情報に基づいて特定のユーザ知覚可能表示を提供させるように構成される前記自動デバイスと、 駐車スペースを有する駐車構造物であって、前記駐車スペースは車両が該駐車スペースに駐車しているとき車両の予定された位置に対応する区域内に位置する前記逆反射マーカを含み、前記逆反射マーカは前記電磁放射線を、当該電磁放射線が放射された方向で、前記エミッタ及び前記検出器が配置された領域へ反射し、前記電磁放射線は拡散反射及び鏡面反射を受けず、鏡面反射においては前記電磁放射線は入射角度と同じ角度で反対へ反射する、駐車構造物と、を備え 前記駐車スペースが前記検出区域の少なくとも一部に対応しており、かつ前記駐車スペースが前記逆反射マーカによる逆反射に基づいて前記車両によって占有されているかどうかを前記制御回路が判断するように構成されている、ことを特徴とする車両トラフィック制御システム。 【請求項2】 前記光学フィルタは、前記エミッタによって放射される該電磁放射線に対応しない電磁放射線の波長を濾過するように構成されており、これによって、該検出器の光検出特徴部が、放射されて該検出器まで逆反射される前記電磁放射線を含む電磁放射線の波長のみを実質的に感受するようになっている、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。 【請求項3】 前記自動デバイスは、前記駐車スペースに関連付けられたライト、通信デバイス、標識、又はそのいずれかの組合せを含み、前記制御回路は、該駐車スペースの前記占有に基づいて該ライト、該通信デバイス、該標識、又は該その組合せをトリガするように構成される、 ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。 【請求項4】 前記制御回路は、 前記予定された位置に対応する前記区域内に位置決めされた前記逆反射マーカに前記逆反射電磁放射線を相関付け、 前記予定された位置に対応する前記区域内の前記逆反射マーカによる逆反射の変化に関して前記逆反射電磁放射線をモニタし、かつ 前記逆反射マーカによる逆反射の変化を前記駐車スペース内に駐車された車両による該マーカのカバレージに関連付けて該駐車スペースが占有されているか否かを決定する、 ように構成される、 ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。 【請求項5】 車両の移動を追跡かつ制御する方法であって、 エミッタを用いて駐車構造物の一部分に対応する検出区域を電磁放射線で氾濫させる段階と、 検出器を用いて前記検出区域内の逆反射マーカから逆反射された電磁放射線を検出する段階であって、前記駐車構造物の駐車スペースは車両が該駐車スペースに駐車しているとき車両の予定された位置に対応する区域内に位置する前記逆反射マーカを含み、前記逆反射マーカは、前記電磁放射線を、当該電磁放射線が放射された方向で、前記エミッタ及び前記検出器を含む領域へ反射し、前記電磁放射線は拡散反射及び鏡面反射を受けず、鏡面反射においては前記電磁放射線は入射角度と同じ角度で反対へ反射する、電磁放射線を検出する段階と、 前記検出器の光学フィルタを用いて、前記逆反射マーカによる該電磁放射線に対応しない電磁放射線の波長を濾過する段階と、 少なくとも前記検出器に通信的に結合された制御回路を用いて前記逆反射電磁放射線をモニタし、前記駐車スペースが前記車両によって占有されているかどうかを評価する段階と、 前記制御回路を用いて前記駐車スペースの占有に少なくとも部分的に基づいて自動デバイスを制御し、前記検出区域内の前記車両の移動に影響を及ぼす段階と、 を含むことを特徴とする方法。 【請求項6】 前記逆反射電磁放射線をモニタして前記検出区域内の1又は2以上の車両に関連する情報を評価する段階は、 前記放射電磁放射線をもはや逆反射しない逆反射マーカを示す変化に関して該逆反射電磁放射線をモニタする段階と、 前記放射電磁放射線をもはや逆反射しない前記マーカを前記駐車構造物内の特定の駐車スペースに相関付けて駐車スペース占有データを決定する段階と、 を含み、 前記制御回路を用いて前記駐車スペースの占有に少なくとも部分的に基づいて前記自動デバイスを制御して前記検出区域内の前記車両の移動に影響を及ぼす段階は、該制御回路に通信的に結合されたディスプレイを用いて前記駐車構造物内、又は該駐車構造物の外側、及び該駐車構造物に至る通路に沿ったユーザ知覚可能駐車スペース推奨を提供する段階を含む、 ことを特徴とする請求項5に記載の方法。 【請求項7】 前記自動デバイスは、前記駐車スペースに関連付けられたライト、通信デバイス、標識、又はそのいずれかの組合せを含み、前記制御回路は、該駐車スペースの前記占有に基づいて該ライト、該通信デバイス、該標識、又は該その組合せをトリガするように構成される、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。」 令和2年4月27日の手続補正は、当審による令和2年1月23日付の最後の拒絶の理由に示す事項についてするものであるから、特許法第17条の2第5項第4号の明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。 3.最後の拒絶の理由 令和2年1月23日付の当審の最後の拒絶の理由の概要は以下のとおりである。 「この出願は、明細書、特許請求の範囲及び図面の記載が下記の点で、特許法第36条第4項及び第6項に規定する要件を満たしていない。 記 (1)請求項1に「前記逆反射マーカは前記放射電磁放射線を前記エミッタへ円錐内で反射する」との訳語があるが、この場合の逆反射マーカは具体的にどの様な構成であるのか図面さえ示されていないため、何故円錐内で反射できるのか明細書を参照しても全く不明であり、又、円錐はエミッタから放出される放射電磁放射線が円錐形状を意味するのか(図1のビーム28)、逆反射マーカが反射する放射電磁放射線が円錐形状を意味するのか、それ以外か、明細書を参照しても特定できず不明であり、又、円錐内とはどの様なことを意味するのか明細書を参照しても不明(エミッタからのビームが形成する円錐の内側を反射光が通過する意味か、逆反射マーカの反射面が円錐であって反射光は当該円錐内で形成される意味か、逆反射マーカが反射する放射電磁放射線が円錐形状に収まる意味か、それ以外か。)であり、又、円錐の頂部(頭部)は、エミッタ側か逆反射マーカ側かそれ以外か明細書を参照しても特定できず不明であり、又、逆反射マーカは放射線をエミッタに向けて反射しているが、エミッタは電磁放射線を検出区域内に放射する機能のみを有しているから、逆反射された電磁放射線を検出器が検出できず、どの様にして検出を行うのか明細書を参照しても不明である。請求項5も同様である。 なお、上述の様に発明の構成が不明のため、進歩性に関する判断を行っていない。」 4.最後の拒絶の理由に対する当審の判断 最後の拒絶の理由に対し、平成31年3月12日付手続補正書の請求項1の「前記逆反射マーカは前記放射電磁放射線を前記エミッタへ円錐内で反射する」を、令和2年4月27日付手続補正書の請求項1の「前記逆反射マーカは前記電磁放射線を、当該電磁放射線が放射された方向で、前記エミッタ及び前記検出器が配置された領域へ反射し、前記電磁放射線は拡散反射及び鏡面反射を受けず、鏡面反射においては前記電磁放射線は入射角度と同じ角度で反対へ反射する」と補正した。 当該補正により、電磁放射線は、放射線が放射された方向でエミッタ及び検出器が配置された領域へ反射され、拡散反射及び鏡面反射ではない反射を行うものとなった。 光の反射は、通常、拡散反射、鏡面反射(正反射)、再帰反射に分類され、拡散反射と鏡面反射でなければ、再帰反射となる。この点について、再帰反射は英語で「retroreflection」であり、令和2年4月27日付意見書の「「逆反射マーカ」は「retro-reflective markers」の訳語であり、逆反射させるものとして、リトロリフレクターは周知の技術であり、当業者であれば本願発明における「逆反射マーカ」の構成を明確に理解できるものです。」との主張とも整合する。 再帰反射について検討すると、再帰反射とは、光源から来た光を広い照射角にわたって入射光の航路にほぼ沿う方向へ反射する現象であり、ガラスビーズ方式とプリズム方式があり、交通標識、自転車後部の反射板、ナンバープレート等に用いられるものであるから、請求項1の「前記逆反射マーカは前記電磁放射線を、当該電磁放射線が放射された方向で、前記エミッタ及び前記検出器が配置された領域へ反射し、前記電磁放射線は拡散反射及び鏡面反射を受けず、鏡面反射においては前記電磁放射線は入射角度と同じ角度で反対へ反射する」は、再帰反射の反射現象を記載し、当該反射は拡散反射でも鏡面反射でもないことを記載するものである。 明細書には、 「一部の実施形態において、追跡システムは、物体の位置を推定するために、物体上に置かれた逆反射マーカの位置を追跡する。本明細書に使用する逆反射マーカは、ほぼ電磁放射線が放射された方向に電磁放射線を逆反射して戻すように設計された反射マーカである。より具体的には、本発明の開示に従って使用される逆反射マーカは、照明された場合に、電磁放射線を放射源に向けて狭い円錐内で反射して戻す。それとは対照的に、光沢材料のようなある一定の他の反射材料は、電磁放射線が多くの方向に反射される拡散反射を行うことができる。更に別の同じく電磁放射線を反射するミラーは、一般的に逆反射を行わない。」(【0012】) 「逆反射マーカ24は、電磁放射線ビーム28から入射する電磁放射線(例えば、赤外線波長、紫外線波長、可視光波長、又は電波等)の大部分を検出器16に向けて入射角と実質的に同じ角度を有する中心軸を有する比較的明確に定められた円錐の範囲で反射して戻すことができる。この反射は、システム10による逆反射マーカ24の位置の識別、及びメモリ22に格納された様々な情報(例えば、パターン、見込まれる位置)に対する当該位置の相関性の識別を容易にする。その後に、この位置情報(反射電磁放射線に基づいて得られた)は、様々な分析ルーチン及び/又は制御ルーチンを実行するために、例えば、アミューズメントパーク機器12のトリガ又は他の制御が引き起こされるか否かを決定するために制御ユニット18によって利用することができる。」(【0023】) 「逆反射マーカ24による逆反射は、反射電磁放射線の円錐が検出器16上に入射するようなものであるので、この場合に、制御ユニット18は、反射電磁放射線が最も強い円錐の中心を点反射源に相関付けることができる。この相関性に基づいて、制御ユニット18は、この点源の位置を識別及び追跡することができ、又は多くのそのような逆反射マーカ24による反射パターンを識別及びモニタすることができる。」(【0028】) と、再帰反射時の反射現象が記載されており、請求項1の記載は明細書の記載とも整合する。 なお、請求項5も同様である。 そうすると、再帰反射時の反射現象が明確となり、請求項1の「前記逆反射マーカは前記電磁放射線を、当該電磁放射線が放射された方向で、前記エミッタ及び前記検出器が配置された領域へ反射し、前記電磁放射線は拡散反射及び鏡面反射を受けず、鏡面反射においては前記電磁放射線は入射角度と同じ角度で反対へ反射する」との補正により、発明の詳細な説明の記載は、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものとなり、特許請求の範囲の記載は発明が明確となったから、特許法第36条第4項及び第6項に規定する要件を満たしていないとすることはできない。 5.原査定の拒絶の理由 当審の最後の拒絶理由は上述のように解消したので、原査定の理由について検討する。 原査定の拒絶の理由の概要は以下のとおりである。 「この出願の請求項1~7に係る発明は、引用例1(特開平6-223298号公報)に記載された発明または引用例2(米国特許第5432508号明細書)に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」 なお、本願の請求項1に係る発明を、以下「本願発明」という。 6.引用例 原査定の拒絶の理由に引用された引用例1(特開平6-223298号公報)には、図面と共に、以下の事項が記載されている。 a「【請求項1】 共通または共通相当の電力線からの電力を利用して、駐車場における各駐車エリアの駐車状態を検知し、全駐車エリアの駐車状態を求めるようにした駐車状態検知システムにおいて、各駐車エリア毎に設けられ、各駐車エリアを光で照射すると共に、各駐車エリア床面から反射光を受信して各駐車エリアにおける駐車状態を検知するための複数の光センサと、各駐車エリア床面に上記各光センサと各々対応するように貼着され、各光センサが送信した光線を送信元の各光センサへ向けて反射するリフレクタと、所定数の駐車エリア毎に設けられると共に、その各駐車エリアに設けられた上記各光センサと電力線および信号線により接続されたモデムと、上記モデムと電力線により接続され、上記モデムを介した電力線通信により、センサ作動指令を上記複数の光センサへ送信すると共に、上記複数の光センサが検知した駐車状態信号を収集して全駐車エリアの駐車状態を求める中央制御部と、を具備することを特徴とする駐車状態検知システム。」 b「【0018】中央制御部21は、各スレーブモデム24と電力線23により接続されるマスタモデム21aと、マスタモデム21aを介し電力線23を利用した電力線通信により、後述するように各スレーブモデム24のノードアドレスおよび各光センサ25のサブアドレスが設定されたセンサ作動指令を各スレーブモデム24へ送信するセンサ作動指令部21bと、駐車情報収集部21cとを有する。 【0019】駐車情報収集部21cは、電力線23を利用した電力線通信により、各スレーブモデム24との間で、例えば通信速度9600bpsの1:nのポーリングセレクション方式で通信を行って、各スレーブモデム24が保持する駐車情報を収集すると共に、各駐車エリア11の駐車状態を求め、それを複数台の表示部3に表示させるように構成されている。尚、本実施例では、駐車状態の判断は駐車情報収集部21cで行うものとして説明するが、本発明では、この方法以外に、光センサ25によって検知した受信レベルをスレーブモデム24が駐車情報に信号処理する際に、後述するスレショルド値と比較して、その比較結果を駐車情報にするようにしても良い。」 c「【0024】図3は、本実施例における光センサ25およびリフレクタ26の配置を示している。 【0025】各光センサ25は、駐車場1における各駐車エリア11中央上方の天井1aに設置されており、スレーブモデム24からの電力線23を介したセンサ作動指令に基づき、各光センサ25が相互干渉、すなわち他の光センサ25から影響を受けないように各々が担当する駐車エリア11に光線を照射すると共に、その照射光による反射光を受信してそのレベルを検知するように構成されている。なお、駐車場床面1bに対する各光センサ25の光軸(取付け角度)は、垂直方向よりやや傾けてなるべく車両14からの反射光が直接戻ってこないようにセットする。 【0026】リフレクタ26は、各駐車エリア11の床面1b上で光センサ25の光軸上に取換え可能に貼着されるもので、その構造と機能については次の図4で説明する。 【0027】図4は、リフレクタ26の断面構造の一例を示している。 【0028】図に示すような断面構造のリフレクタ26は、例えば自転車の後部等に設けられ、夜間走行中に車両からのライトを反射してドライバの注意を引く反射板や反射テープ等と同一のもので、微細な球状の反射体26aが敷き詰められたシート上を、透明なプラスチックやテープ等の樹脂シート材、若しくは透明な硝子等により被覆した構造で、反射体26aが入射した光線を反射して、その反射光の内大部分をその入射方向に反射できるような構造に構成されている。 【0029】このため、このような構造のリフレクタ26の場合、光センサ25の光軸上に正確に貼着せず、あるいは貼着位置や角度に多少のズレがあって、そのリフレクタ26面に垂直に光線が入射しない場合でも、反射光をその送信元の光センサ25に帰すことができる。 【0030】なお、その他のレフレクタ26の構造として、平面あるいは凸面状等の反射鏡であっても良いが、どちらにしてもその反射鏡の位置や角度を、反射光がその送信元のセンサへ帰るように正確に合わせる必要がある。また、リフレクタ26は、その表面の汚れ、耐力等も考えておく必要がある。 【0031】次に、このように構成された駐車状態検知システムの動作を、図面を参照して説明する。 【0032】まず、図1において、マスタモデム21aおよび電力線23を介した電力線通信により、各スレーブモデム24に向けて、中央制御部21のセンサ作動指令部21bから予め計画した順序にしたがってセンサ作動指令が送信されると共に、各駐車エリア11における所定時間毎の駐車状態を検出するため、当該所定時間毎に駐車情報収集部21cからポーリングフレームが送信される。 【0033】各スレーブモデム24では、DLC24c(図2参照)が自ノード(モデム)宛のセンサ作動指令を受信して、後述するように設定されたサブアドレスに基づき自己が管理する光センサ25を選択して、センサ作動指令を送信し、各光センサ25に光線を送信させると共に、その反射光を受信させる。 【0034】各光センサ25からの光線照射は、光センサ25が相互干渉、すなわち他の光センサ25の影響を受けないのであれば、複数台同時に動作させても良いが、相互干渉するようであれば光センサ25を1台づつ動作させるようにする。 【0035】ところで、自らが発した光線による反射光を受信した各光センサ25は、受信の際にその受信レベルを検知して2値化等の信号処理を行い、駐車情報として各々が管理されているスレーブモデム24のDLC24c内のRAM等に保持させる。 【0036】そして、各スレーブモデム24は、駐車情報収集部21cからポーリングフレームを受信する都度、そのポーリングフレームにセットされたサブアドレスにしたがって光センサ24を選択して、その光センサ24の駐車情報をRAM等から読出し、その駐車情報をレスポンスフレームに載せて駐車情報収集部21cへ送る。 【0037】駐車情報収集部21cでは、電力線23、およびマスタモデム21aを介した電力線通信により、各スレーブモデム24からレスポンスフレームを受信して、そのレスポンスフレームに載っている駐車情報を取り出し、各駐車エリア11における駐車状態を判断する。 【0038】駐車状態の判断は、駐車情報が示している受信レベルと、車両が在車状態にある場合の受信レベルと空車状態にある場合の受信レベルとの間のスレショルド値とを比較することにより行う。 【0039】つまり、光センサ25から各駐車エリア11に向けて照射された光線は、車両が在車状態にある場合には、車両に当たった際に吸収されたり、あるいは送信元の光センサ25の方向とは異なる方向に反射する場合もあるが、反射した際に当該光センサ25に帰る場合もある。 【0040】しかし、車両14が在車状態にある場合の光センサ25における当該車両14からの反射光の受信レベルは、車両14が空車状態にある場合の光センサ25におけるリフレクタ26からの反射光の受信レベルと比較して十分小さいため、在車状態にある場合の反射光の受信レベルと、空車状態である場合の反射光の受信レベルとを予め計測して、その間の値をスレショルド値として記憶しておき、そのスレショルド値と検知した受信レベルとを比較することにより駐車状態を判断することができる。すなわち、検知した受信レベルがスレショルド値より小さい場合には、その駐車エリア11が在車状態にあると判断するのに対し、検知した受信レベルがスレショルド値より大きい場合には、その駐車エリア11が空車状態にあると判断する。 【0041】そして、駐車情報収集部21cでは、各駐車エリア11における駐車状態を判断した後、表示部3に、当該駐車場においてどの駐車エリア11が“在車”状態にあるか、あるいは“空車”状態にあるか等の各駐車エリア11の駐車状態を表示したり、どこの駐車エリア11の光センサ25が“故障”、あるいは“正常”であるかの表示を行う。」 上記記載及び図面を参照すると、光センサと中央制御部は電力線、信号線、モデムを介して接続されている。 上記記載及び図面を参照すると、中央制御部に表示部は通信的に結合されている。 上記記載及び図面を参照すると、中央制御部の駐車状態の判断により、表示部に在庫状態、空車状態を表示させている。 上記記載及び図面を参照すると、各駐車エリア毎にリフレクタが設けられ、かつ前記各駐車エリアが前記リフレクタによる反射に基づいて車両が在庫状態か空車状態かを前記中央制御部が判断するよう構成されている。 上記記載事項からみて、引用例1には、 「光を各駐車エリアに照射し、 自らが発した光線による前記各駐車エリアのリフレクタからの反射光を検出する天井に設置された光センサと、 前記光センサと電力線、信号線、モデムにより接続された中央制御部であって、前記光センサが受信の際にその受信レベルを検知して2値化等の信号処理を行って駐車情報を得て、駐車状態の判断は、駐車情報が示している受信レベルと、車両が在車状態にある場合の受信レベルと空車状態にある場合の受信レベルとの間のスレショルド値とを比較することにより行う前記中央制御部と、 前記中央制御部に通信的に結合され、前記各駐車エリアの駐車状態を表示させる表示部であって、前記中央制御部が、駐車状態の判断に基づいて車両が在車状態か空車状態かを表示させる前記表示部と、 前記各駐車エリアを有する駐車場であって、前記各駐車エリアの床面上で前記光センサの光軸上に貼着される前記リフレクタを含み、前記リフレクタは、自転車の後部等に設けられ夜間走行中に車両からのライトを反射してドライバの注意を引く反射板や反射テープ等と同一のもので、微細な球状の反射体が敷き詰められたシート上を、透明なプラスチックやテープ等の樹脂シート材、若しくは透明な硝子等により被覆した構造で、反射体が入射した光線を反射して、その反射光の内大部分をその入射方向に反射できるような構造に構成されている、前記駐車場と、を備え、 前記各駐車エリア毎に前記リフレクタが設けられ、かつ前記各駐車エリアが前記リフレクタによる反射に基づいて前記車両が在庫状態か空車状態かを前記中央制御部が判断するよう構成されている、駐車状態検知システム。」との発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 7.対比 引用発明の「光」又は「光線」、「光センサ」、「駐車状態検知システム」は、本願発明の「電磁放射線」、「エミッタ」及び「検出器」、「車両トラフィック制御システム」に相当する。 引用発明の「光を各駐車エリアに照射し、自らが発した光線による前記各駐車エリアのリフレクタからの反射光を検出する天井に設置された光センサ」は、各駐車エリアの車両の有無を検出するために、光センサが光を照射し、かつリフレクタからの反射光を検出するものであるから、本願発明の「電磁放射線を検出区域内に放射するように構成されたエミッタと、前記検出区域内の逆反射マーカからの前記放射電磁放射線の逆反射からもたらされる逆反射電磁放射線を検出するように構成された検出器」と、「電磁放射線を検出区域内に放射するように構成されたエミッタと、前記検出区域内の反射マーカからの前記放射電磁放射線の反射からもたらされる反射電磁放射線を検出するように構成された検出器」で一致する。 引用発明の「前記光センサと電力線、信号線、モデムにより接続された中央制御部」は光センサと中央制御部は通信的に結合されることを意味し、「前記光センサが受信の際にその受信レベルを検知して2値化等の信号処理を行って駐車情報を得て、駐車状態の判断は、駐車情報が示している受信レベルと、車両が在車状態にある場合の受信レベルと空車状態にある場合の受信レベルとの間のスレショルド値とを比較することにより行う」は、光センサによって検出された受信レベルを駐車情報として監視し、監視結果に基づいて車両が在車状態にあるか空車状態にあるか判断しているから、引用発明の「前記光センサと電力線、信号線、モデムにより接続された中央制御部であって、前記光センサが受信の際にその受信レベルを検知して2値化等の信号処理を行って駐車情報を得て、駐車状態の判断は、駐車情報が示している受信レベルと、車両が在車状態にある場合の受信レベルと空車状態にある場合の受信レベルとの間のスレショルド値とを比較することにより行う前記中央制御部」は、本願発明の「前記エミッタと前記検出器とに通信的に結合された制御回路であって、該検出器によって検出された前記逆反射電磁放射線をモニタし、かつ該モニタされた逆反射電磁放射線に基づいて検出区域内の1又は2以上の車両に関連する情報を評価するように構成された前記制御回路」と、「前記エミッタと前記検出器とに通信的に結合された制御回路であって、該検出器によって検出された前記反射電磁放射線をモニタし、かつ該モニタされた反射電磁放射線に基づいて検出区域内の1又は2以上の車両に関連する情報を評価するように構成された前記制御回路」で一致する。 引用発明の「前記中央制御部に通信的に結合され、前記各駐車エリアの駐車状態を表示させる表示部であって、前記中央制御部が、駐車状態の判断に基づいて車両が在車状態か空車状態かを表示させる前記表示部」は、表示部が各駐車エリアの1又は2以上の車両に関連するユーザ知覚可能表示を提供しているから、本願発明の「前記制御回路に通信的に結合され、かつ前記検出区域内の前記1又は2以上の車両に関連するユーザ知覚可能表示を提供するように構成された自動デバイスであって、該制御回路が、該自動デバイスをして該1又は2以上の車両に関連する該評価された情報に基づいて特定のユーザ知覚可能表示を提供させるように構成される前記自動デバイス」に相当する。 引用発明の「前記各駐車エリアを有する駐車場であって、前記各駐車エリアの床面上で前記光センサの光軸上に貼着される前記リフレクタを含み、前記リフレクタは、自転車の後部等に設けられ夜間走行中に車両からのライトを反射してドライバの注意を引く反射板や反射テープ等と同一のもので、微細な球状の反射体が敷き詰められたシート上を、透明なプラスチックやテープ等の樹脂シート材、若しくは透明な硝子等により被覆した構造で、反射体が入射した光線を反射して、その反射光の内大部分をその入射方向に反射できるような構造に構成されている、前記駐車場」は、駐車場が光センサを取り付ける天井を有する構造物となっており、各駐車エリアの床面上で光センサの光軸上に貼着されるリフレクタは、光センサの光を反射する車両の駐車状態検出用であるから、各駐車エリアに車両が予定された位置に駐車されたか否かを検出するので、本願発明の「駐車スペースを有する駐車構造物であって、前記駐車スペースは車両が該駐車スペースに駐車しているとき車両の予定された位置に対応する区域内に位置する前記逆反射マーカを含み、前記逆反射マーカは前記電磁放射線を、当該電磁放射線が放射された方向で、前記エミッタ及び前記検出器が配置された領域へ反射し、前記電磁放射線は拡散反射及び鏡面反射を受けず、鏡面反射においては前記電磁放射線は入射角度と同じ角度で反対へ反射する、駐車構造物」と、「駐車スペースを有する駐車構造物であって、前記駐車スペースは車両が該駐車スペースに駐車しているとき車両の予定された位置に対応する区域内に位置する前記反射マーカを含む駐車構造物」で一致する。 引用発明の「前記各駐車エリア毎に前記リフレクタが設けられ、かつ前記各駐車エリアが前記リフレクタによる反射に基づいて前記車両が在庫状態か空車状態かを前記中央制御部が判断するよう構成されている」は、各駐車エリアが車両の有無を検出する検出区域であり、当該検出をリフレクタの反射光によって判断しているから、本願発明の「前記駐車スペースが前記検出区域の少なくとも一部に対応しており、かつ前記駐車スペースが前記逆反射マーカによる逆反射に基づいて前記車両によって占有されているかどうかを前記制御回路が判断するように構成されている」と、「前記駐車スペースが前記検出区域の少なくとも一部に対応しており、かつ前記駐車スペースが前記反射マーカによる反射に基づいて前記車両によって占有されているかどうかを前記制御回路が判断するように構成されている」で一致する。 したがって、両者は、 「電磁放射線を検出区域内に放射するように構成されたエミッタと、 前記検出区域内の反射マーカからの前記放射電磁放射線の反射からもたらされる反射電磁放射線を検出するように構成された検出器と、 前記エミッタと前記検出器とに通信的に結合された制御回路であって、該検出器によって検出された前記反射電磁放射線をモニタし、かつ該モニタされた反射電磁放射線に基づいて検出区域内の1又は2以上の車両に関連する情報を評価するように構成された前記制御回路と、 前記制御回路に通信的に結合され、かつ前記検出区域内の前記1又は2以上の車両に関連するユーザ知覚可能表示を提供するように構成された自動デバイスであって、該制御回路が、該自動デバイスをして該1又は2以上の車両に関連する該評価された情報に基づいて特定のユーザ知覚可能表示を提供させるように構成される前記自動デバイスと、 駐車スペースを有する駐車構造物であって、前記駐車スペースは車両が該駐車スペースに駐車しているとき車両の予定された位置に対応する区域内に位置する前記反射マーカを含む駐車構造物と、を備え、 前記駐車スペースが前記検出区域の少なくとも一部に対応しており、かつ前記駐車スペースが前記反射マーカによる反射に基づいて前記車両によって占有されているかどうかを前記制御回路が判断するように構成されている車両トラフィック制御システム。」 の点で一致し、以下の点で一応相違している。 〔相違点1〕 本願発明は、反射は逆反射であり、反射マーカは逆反射マーカであり、逆反射からもたらされる逆反射電磁放射線を検出し、逆反射マーカは電磁放射線を、当該電磁放射線が放射された方向で、エミッタ及び検出器が配置された領域へ反射し、前記電磁放射線は拡散反射及び鏡面反射を受けず、鏡面反射においては前記電磁放射線は入射角度と同じ角度で反対へ反射するのに対し、引用発明は、反射現象は特定されておらず、反射マーカはリフレクタであり、リフレクタからの反射光を検出し、リフレクタは、自転車の後部等に設けられ夜間走行中に車両からのライトを反射してドライバの注意を引く反射板や反射テープ等と同一のもので、微細な球状の反射体が敷き詰められたシート上を、透明なプラスチックやテープ等の樹脂シート材、若しくは透明な硝子等により被覆した構造で、反射体が入射した光線を反射して、その反射光の内大部分をその入射方向に反射できるような構造に構成されている点。 〔相違点2〕 検出器に関し、本願発明は、逆反射マーカによる該電磁放射線に対応しない電磁放射線の波長を濾過するように構成された光学フィルタを含むのに対し、引用発明は、この様な構成を有しない点。 8.判断 相違点1について 「4.」で検討したように、光の反射は、通常、拡散反射、鏡面反射(正反射)、再帰反射に分類され、本願発明の逆反射は所謂再帰反射であり、逆反射マーカは再帰反射マーカであり、逆反射電磁放射線は再帰反射電磁放射線である。 再帰反射である逆反射は、光源から来た光を広い照射角にわたって入射光の航路にほぼ沿う方向へ反射する現象であり、交通標識、自転車後部の反射板、ナンバープレート等に用いられるものである。 引用例1には「【0028】図に示すような断面構造のリフレクタ26は、例えば自転車の後部等に設けられ、夜間走行中に車両からのライトを反射してドライバの注意を引く反射板や反射テープ等と同一のもので、微細な球状の反射体26aが敷き詰められたシート上を、透明なプラスチックやテープ等の樹脂シート材、若しくは透明な硝子等により被覆した構造で、反射体26aが入射した光線を反射して、その反射光の内大部分をその入射方向に反射できるような構造に構成されている。 【0029】このため、このような構造のリフレクタ26の場合、光センサ25の光軸上に正確に貼着せず、あるいは貼着位置や角度に多少のズレがあって、そのリフレクタ26面に垂直に光線が入射しない場合でも、反射光をその送信元の光センサ25に帰すことができる。」とあり、リフレクタは自転車の後部等に設けられ反射板や反射テープ等と同一のものであって、反射体が入射した光線を反射して、その反射光の内大部分をその入射方向に反射できるような構造を有している。そうすると、用途・構成から判断して引用発明のリフレクタの反射は再帰反射となるから、反射は逆反射であり、反射マーカは逆反射マーカであり、逆反射からもたらされる逆反射電磁放射線を検出し、逆反射マーカは電磁放射線を、当該電磁放射線が放射された方向で、エミッタ及び検出器が配置された領域へ反射し、前記電磁放射線は拡散反射及び鏡面反射を受けず、鏡面反射においては前記電磁放射線は入射角度と同じ角度で反対へ反射することとなるから、相違点1は実質的に相違点ではなく、引用発明は相違点1にかかる構成を有していることとなる。 相違点2について 受信に際して、不要な信号を除去するためにフィルタを設けることは光学系に限らず、電気回路においても用いられる常套手段である。また、反射光に対応しない光の波長を濾過するように構成された光学フィルタを含む検出器は、例えば特開平3-1202号公報(第1図)にもみられるように周知の事項である。さらに、上述のように、引用発明においてリフレクタは逆反射マーカである。そうすると、引用発明において、逆反射マーカによる該電磁放射線に対応しない電磁放射線の波長を濾過するように構成された光学フィルタを含む様にすることは当業者が適宜なし得ることと認められる。 請求人は、審判請求書において、「本願発明の特徴的な構成を採用することにより、逆反射マーカの位置を知ることが可能となり、システムは、どの駐車スペースに対応するどのマーカが放射電磁放射線を反射しているかを決定し、より正確にどの駐車場が利用可能であるかを決定することを可能とする。(審判請求書【請求の理由】(3)(a)キ.)」と主張するが、上記相違点1についてで検討したとおり、引用発明も、逆反射マーカを用いており、同様の効果を奏することは明らかである。 したがって、請求人の上記主張は採用できない。 そして、本願発明の作用効果も、引用発明から当業者が予測できる範囲のものである。 したがって、本願発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 9.むすび したがって、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 そうすると、本願を拒絶すべきであるとした原査定は維持すべきである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-003400

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