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特許拒絶査定不服審判

2024-002588

駐車場の車室満空検知装置

審判番号
2024-002588
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-200094
請求日
2024年02月14日
審決日
2024年09月12日
公報発行日
2024年12月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】アイテック株式会社
  • 【請求人代理人】友野 英三
審判長/審判官
  • 審判長 相崎 裕恒
  • 審判官 安井 雅史
  • 審判官 伏本 正典
分類
P18 .121-Z (G08G)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-200094「駐車場の車室満空検知装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 4月30日出願公開、特開2020- 67823〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年10月24日に出願したものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。 令和 4年10月11日付け:拒絶理由通知書 令和 5年 2月17日 :意見書、手続補正書の提出 同年 6月 5日付け:拒絶理由通知書 同年 8月10日 :意見書、手続補正書の提出 同年11月 6日付け:令和5年8月10日付けの手続補正につ いての補正の却下の決定、拒絶査定 令和 6年 2月14日 :審判請求書、手続補正書の提出 同年 5月13日 :前置報告書 第2 令和6年2月14日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年2月14日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明 本件補正は、特許請求の範囲の請求項1についての補正を含むものであり、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである(以下、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明を「本願補正発明」という。なお、下線部は、本件補正により補正された箇所を示す。)。 「 車両が駐車する車室において前記車両の画像を撮影する画像撮影部であって、前記車室ごとに設けられるポールに内蔵された画像撮影部と、 前記撮影された画像から前記設けられたポールの前方の車室の満空状態を検知する車室満空検知部と を有し、 前記車室満空検知部においては、 機械学習を用いて、前記画像撮影部により撮影された画像が車両の画像であるか否かが判定される ことを特徴とする車室満空検知装置。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明 本件補正前の令和5年2月17日の手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1特許請求の範囲に記載された次のとおりである。なお、令和5年8月10日にされた手続補正は、同年11月6日付けで補正の却下の決定がされている。 「 車両が駐車する車室において前記車両の画像を撮影する画像撮影部と、 前記撮影された画像から車室の満空状態を検知する車室満空検知部と を有し、 前記車室満空検知部においては、 機械学習を用いて、前記画像撮影部により撮影された画像が車両の画像であるか否かが判定される ことを特徴とする車室満空検知装置。」 2 補正の適否 本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明に係る発明を特定するために必要な事項である「画像撮影部」を、「前記車室ごとに設けられるポールに内蔵された」ものに限定し、また、「車室満空検知部」を「前記設けられたポールの前方の」車室について検知するものに限定するものである。 そして、当該限定した事項は、出願当初明細書の【0046】、【0048】、【0049】、図1、図2に記載された事項であって、新規事項を追加するものではなく、発明の特別な技術的特徴を変更するものではなく、さらに、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、補正前の請求項1に記載された発明に係る本件補正は、特許法第17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本願補正発明が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。 (1) 本願補正発明 本願補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献の記載、引用発明等 ア 引用文献1 (ア)引用文献1の記載 原査定の拒絶の理由に引用された文献であって、本願の出願前である平成19年12月6日に出願公開された特開2007-317098号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(下線は当審において加筆した。以下同じ。)。 「【請求項1】 異なる地域に設置された複数の駐車場を管理する駐車場管理システムにおいて、前記駐車場管理システムは、 前記駐車場に駐車する車両に関連する情報を前記車両の車両ナンバー毎に格納するデータベースを有する管理装置と、 有線または無線の電気通信回線によって前記管理装置に結合され、前記駐車場の駐車スペースに入庫する車両を撮影するために前記駐車場に設置された撮像装置と、を含み、 ここで、前記撮像装置によって撮影された画像情報から前記車両の車両ナンバーを読取って前記データベースに格納し、かつ前記車両が駐車料金を支払わないで出庫する場合、未払い車両の出庫を前記データベースに記録することを特徴とする駐車場管理システム。」 「【技術分野】 【0001】 本発明は、駐車場の管理システムおよびその管理方法に関し、さらに詳しくは、撮像装置によって撮影された駐車車両の車両ナンバー毎に、駐車車両の入出庫情報や課金情報を管理する駐車場管理システムおよびその管理方法に関する。」 「【0013】 図1は、本願発明が適用される駐車場管理システム10の一実施例を示す構成ブロック図である。図1に示される駐車場管理システム10は、中央管理装置11と専用回線または通常の電話回線やインターネット網等の通信回線12,12a,12bを介して結合され、駐車場13,13a,13b内に設置された現場制御装置14,14a,14bを有するが、さらに多くの駐車場の現場制御装置に結合されていてもよい。 【0014】 駐車場13は、駐車スペース15に区画され、1区画に1台の車両を駐車させることができる。各駐車スペースには、カメラ・ボックス16がポール上に設けられ、その内部には撮像装置であるカメラ17と駐車スペース内に人が侵入したかどうかを検出する人感センサ18が設けられている。カメラ17は、通常使用される工業用カメラでよく、静止画または動画を撮影できればなんでもよい。また、人感センサ18は、例えば、焦電センサであり、赤外線で対象物の温度を測定し、温度差から人の存在を検出することができる。さらに、カメラは駐車スペース毎に設置する必要はなく、所定数の駐車スペースを撮影できるように設置してもよい。この場合、いずれの駐車スペースに車両が入庫したかは、撮影した画像情報を解析して特定される。 【0015】 カメラ17および人感センサ18は、信号線19,20によって現場制御装置14にそれぞれ結合され、カメラ17の画像信号および人感センサ18の検出信号は、それぞれ現場制御装置14に伝えられる。現場制御装置14は、受信した各信号から所望のデジタル信号に変換するが、それらの回路構成および処理回路の具体的構成は従来技術に属するのでここでは詳しくは述べない。」 「【0018】 次に、図1に示される駐車場管理システムの動作について、図2を用いながら以下説明する。図2に示されるように、車両23が駐車スペース15に入庫する場合、カメラ17は方向24に向かって車両ナンバー25を含む入庫車両23を撮影する。その映像は、静止画でも動画でもよい。撮影された画像信号は、信号線19を介して、現場制御装置14へ伝送される。 【0019】 その画像信号は、現場制御装置14内でデジタル情報へ変換され、所定のメモリに格納される。現場制御装置14は、所定の画像処理に従ってデジタル情報へ変換された画像情報から、その画像情報内に含まれる車両ナンバー25を抽出する。その抽出された車両ナンバー25は、現場制御装置14内のメモリに格納されるとともに、インターネット網を含む電気通信回線12aを介して、駐車場13の駐車場番号、その車両23が入庫した駐車スペース15の駐車スペース番号、その車両23を撮影した撮影日時などを加えて中央管理装置11へ送られる。中央管理装置11へ送られたデータは、中央管理装置11内のメモリ装置に設けられたデータベースの所定の領域にそれぞれ格納される。車両ナンバーが画像情報から抽出できない場合、画像情報は中央管理装置11へ送られ、中央管理装置11の所定のメモリ領域に格納されてもよい。この画像情報は目視により車両ナンバーを特定するために利用することができる。格納されたデータは、本システムが提供する様々なサービスに利用されるが、その内容は後述される。 【0020】 なお、車両が所定の駐車スペースに入庫した時刻および駐車スペースから出庫した時刻は、各駐車スペースに設けられた車両検出センサ(図示せず)からの検出信号に基づいて求められる。車両検出センサは、磁界の変化を検出するループセンサ、車体による光の進行を遮断されることにより車両の存在を検出する光センサ、あるいは車両の重量を検出する重量センサなどが用いられる。また、上述したようにカメラ17が車両を撮影しているので、その画像情報から車両の存在を判別し、車両の入出庫時間を特定することもできる。」 「【0024】 次に、中央管理装置11に設けられるデータベースについて説明する。図5ないし図8は、中央管理装置11内に格納されている各種データベースの一例を示す。図5は、駐車場の利用契約を締結している契約者のリストを含む契約車両データベース50の一例である。図5では、契約者と契約した車両ナンバーが列挙されている。図6は、駐車料金を精算せずに出庫した車両のリストを示す不正出庫車データベース60の一例である。このデータベースでは、不正に出庫した車両の車両ナンバーと不正に出庫した時間が記録される。不正に出庫した車両の画像データをこのデータベース中に格納してもよいが、関連付けて他の領域に格納するようにしてもよい。また、不払いの駐車料金を記録しておいてもよい。図7は、精算器等の設備不良により利用者が駐車料金を支払わないで出庫した車両の車両ナンバーと出庫時間を記録するトラブル時出庫データベース70である。また、未払いの駐車料金を記録しておいてもよい。図8は、利用者が駐車場を利用した時間・利用駐車場などを車両ナンバー別に記録したナンバー別利用状況データベース80である。利用車両が契約車両である場合は、その利用状況を図5で示される契約車両データベースに記録できるようにしてもよい。その他、警察から手配された車両ナンバーを記録した手配車データベースも設けられている。図5ないし図8は、用途別に作成されたデータベースであるが、車両ナンバー毎に全ての項目を一元管理する形式のデータベースを構成してもよい。図5ないし図8に示された管理項目は一例であり、必要に応じてさらに別の項目を加えてもよい。さらに、図5ないし図8は、理解を容易にするために文字化して表現されているが、実際のデータベースは記号化あるいは符号化されたデジタル・データとして格納されていることは当然である。 【0025】 図8に戻り、ナンバー別利用状況データベースについて、さらに説明する。左端の車両ナンバーの欄には、上述したようにカメラ(図2)により撮影され、現場制御装置が画像処理を行なって抽出した車両ナンバーが記録される。次の入庫時間・出庫時間は車両が駐車スペースに入った時刻および退去した時刻が記録される。出庫時間における「-----」の標記は、現在駐車中で、まだ出庫していないことを示す。撮影時刻は、カメラが車両を撮影した時刻が記録される。駐車場番号および駐車スペース番号は、車両が駐車している場所を特定するために、駐車場毎にまた駐車スペース毎にそれぞれ割り振られた番号である。出庫状態は、車両がどのような状況で出庫したかを示す。表中の「正常」は、駐車料金の精算が完了していることを示し、「トラブル出庫」は、機器不良で出庫したことを示し、「不正出庫」は、未払いのまま出庫した状態を示す。また、「---」の標記は、駐車中のため駐車料金がまだ精算されていないことを示す。」 「【図1】 [図:0001417485000001.jpg] 」 「【図2】 [図:0001417485000002.jpg] 」 「【図8】 [図:0001417485000003.jpg] 」 (イ)引用文献1に記載されているといえる事項 a 段落【0001】の記載から、引用文献1には、「撮像装置によって撮影された駐車車両の車両ナンバー毎に、駐車車両の入出庫情報や課金情報を管理する駐車場管理システム」に関する発明が記載されている。 b 段落【0013】の記載から、引用文献1の「駐車場管理システム10」は、「中央管理装置11」と「通信回線12,12a,12bを介して結合され、駐車場13,13a,13b内に設置された現場制御装置14,14a,14b」を含むことが記載されている。 c 段落【0015】の記載から、引用文献1の「駐車場管理システム10」は、「信号線19,20によって現場制御装置14」に「結合」された「カメラ17」を含むことが記載されているところ、この「カメラ17」は、【請求項1】の記載における「前記駐車場の駐車スペースに入庫する車両を撮影するために前記駐車場に設置」された「撮像装置」であることが明らかである。 よって、引用文献1には、「駐車場管理システム10」が「前記駐車場の駐車スペースに入庫する車両を撮影するために前記駐車場に設置」された「カメラ17」を含むことが記載されている。 d 図2から、ポールが駐車スペースの後端にあることが看取され、段落【0014】の記載を併せると、引用文献1の「カメラ17」は、「駐車場13」における「各駐車スペース15」の後端にある「ポール上に設けられたカメラ・ボックス16」の「内部」に設けられることが記載されているといえる。 e 段落【0018】の記載から、引用文献1の「カメラ17」は、「車両23が駐車スペース15に入庫する場合」、「車両ナンバー25を含む入庫車両23を撮影」し、「撮影された画像信号」を、「信号線19を介して、現場制御装置14へ伝送」することが記載されている。 f 段落【0019】の記載から、引用文献1の「現場制御装置14」は、「画像信号」を「デジタル情報へ変換」し、「デジタル情報へ変換された画像情報から、その画像情報内に含まれる車両ナンバー25を抽出」し、「インターネット網を含む電気通信回線12aを介して、駐車場13の駐車場番号、その車両23が入庫した駐車スペース15の駐車スペース番号、その車両23を撮影した撮影日時などを加えて中央管理装置11へ送」ることが記載されている。 g 段落【0014】の記載から、引用文献1には、「駐車場13は、駐車スペース15に区画され、1区画に1台の車両を駐車させることができ」ることが記載されている。 h 段落【0020】の記載から、引用文献1には、「車両が所定の駐車スペースに入庫した時刻および駐車スペースから出庫した時刻は、各駐車スペースに設けられた車両検出センサからの検出信号に基づいて求められる」ところ、「カメラ17が車両を撮影しているので、その画像情報から車両の存在を判別し、車両の入出庫時間を特定することもでき」ることが記載されている。 i 段落【0024】、【0025】の記載から、引用文献1には、「中央管理装置11」の「ナンバー別利用状況データベース80」は、「利用者が駐車場を利用した時間・利用駐車場などを車両ナンバー別に記録」し、「カメラにより撮影され、現場制御装置が画像処理を行なって抽出した車両ナンバー、車両が駐車スペースに入った時刻および退去した時刻」である「入庫時間・出庫時間」が「記録」されることが記載されている。 (ウ)引用発明 上記(イ)a~iによれば、引用文献1には、以下の発明(「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「 撮像装置によって撮影された駐車車両の車両ナンバー毎に、駐車車両の入出庫情報や課金情報を管理する駐車場管理システムであって、(上記(イ)a) 駐車場管理システム10は、 中央管理装置11と通信回線12,12a,12bを介して結合され、駐車場13,13a,13b内に設置された現場制御装置14,14a,14bと、(上記(イ)b) 信号線19,20によって現場制御装置14に結合されたカメラ17であって、前記駐車場の駐車スペースに入庫する車両を撮影するために前記駐車場に設置されたカメラ17と、を含み、(上記(イ)c) カメラ17は、 駐車場13における各駐車スペース15の後端にあるポール上に設けられたカメラ・ボックス16の内部に設けられ、(上記(イ)d) 車両23が駐車スペース15に入庫する場合、車両ナンバー25を含む入庫車両23を撮影し、撮影された画像信号を、信号線19を介して、現場制御装置14へ伝送し、(上記(イ)e) 現場制御装置14は、 画像信号をデジタル情報へ変換し、デジタル情報へ変換された画像情報から、その画像情報内に含まれる車両ナンバー25を抽出し、インターネット網を含む電気通信回線12aを介して、駐車場13の駐車場番号、その車両23が入庫した駐車スペース15の駐車スペース番号、その車両23を撮影した撮影日時などを加えて中央管理装置11へ送るものであり、(上記(イ)f) 駐車場13は、駐車スペース15に区画され、1区画に1台の車両を駐車させることができ、(上記(イ)g) 車両が所定の駐車スペースに入庫した時刻および駐車スペースから出庫した時刻は、各駐車スペースに設けられた車両検出センサからの検出信号に基づいて求められるところ、カメラ17が車両を撮影しているので、その画像情報から車両の存在を判別し、車両の入出庫時間を特定することもでき、(上記(イ)h) 中央管理装置11のナンバー別利用状況データベース80は、利用者が駐車場を利用した時間・利用駐車場などを車両ナンバー別に記録し、カメラにより撮影され、現場制御装置が画像処理を行なって抽出した車両ナンバー、車両が駐車スペースに入った時刻および退去した時刻である入庫時間・出庫時間が記録される(上記(イ)i) 駐車場管理システム10。」 イ 引用文献4 (ア)引用文献4の記載 原査定の拒絶の理由に引用された文献であって、本願の出願前である平成28年11月24日に出願公開された特開2016-197314号公報(以下、「引用文献4」という。)には、以下の事項が記載されている。 「【0055】 図10は、駐車車両61のフロントカメラ21Fが撮影する画像の例を示す説明図である。 始めに、ランドマーク認識部32は、駐車車両61のフロントカメラ21Fが撮影した画像を利用してフロア内の柱に表示されたランドマーク65を認識する。このとき、ランドマーク認識部32は、ランドマーク位置情報管理テーブルT2の情報を参照して、認識したランドマーク65の種別、設置位置を特定する。 【0056】 次に、在車判定部33は、走行判定部32aによって車両2が駐車していると判定された場合にフロントカメラ21Fが撮影した図10に示す画像に基づいて駐車スペースの在車又は空車を判定する。ここで、在車判定部33が駐車スペースの在車判定を行う場合には、駐車スペース毎にランダムフォレスト等の機械学習を用いて判定するために必要な判定領域66~68を設定する。判定領域66~68は、例えば、車両2のフロントグリル付近、駐車スペースの白線を跨るような領域に設定される。そして、判定領域66~68内の画像に基づいて、各駐車スペースにおける在車判定がなされる。図中で“○”と示した駐車スペースは空車であり、“×”と示した駐車スペースは在車であることを表す。判定領域66~68を用いた在車判定は、後述する図13において詳細な処理を説明する。」 「【図10】 [図:0001417485000004.jpg] 」 (イ)引用文献4に記載された技術的事項 引用文献4には、「在車判定部33が、駐車車両61のフロントカメラ21Fが撮影した画像に基づいて駐車スペースの在車又は空車を判定するところ、在車判定部33が駐車スペースの在車判定を行う場合には、駐車スペース毎にランダムフォレスト等の機械学習を用いて判定するために必要な判定領域66~68を設定し、判定領域66~68は、例えば、車両2のフロントグリル付近、駐車スペースの白線を跨るような領域に設定され、判定領域66~68内の画像に基づいて、各駐車スペースにおける在車判定がなされる」という技術的事項(以下、「引用文献4に記載された技術的事項」という。)が記載されている。 ウ 引用文献6 (ア)引用文献6の記載 前置審査時に引用された文献であって、本願の出願前である平成28年9月7日に発行された特許第5988185号公報(以下、「引用文献6」という。)には、以下の事項が記載されている。 「【0087】 次に、本実施形態の駐車場管理システムによって管理される駐車場について説明する。駐車場ユニット4は、図8及び図9に示すように、本システムを採用した駐車場4pに設置されるユニットであって、ポール10、フラップ装置11、精算機12及び掲示板13を備えている。ポール10及びフラップ装置11は、駐車区画4a(01~04)毎に1台ずつ設けられている。 【0088】 ポール10は、図9及び図10に示すように、円柱状の金属製のポール本体10aと、ポール本体10aの内部に設けられているカメラユニット10bと、画像処理部10cを備えている。カメラユニット10bは、CCDカメラ10dと、超音波センサ10eと、LED投光器10fと、情報表示部10gと、アラート警報器10hを備えている。 【0089】 図10(A)及び(B)に示すように、ポール10の上端部にはアラート警報器10hが設けられており、アラート警報器10hが作動した際に、警報音と共に発光するようになっている。カメラユニット10bは、ポール10の正面側に設けられており、CCDカメラ10dで前方の画像を撮影可能となっている。また、周囲が暗くなった際にはLED投光器10fが発光して暗い状態でもナンバープレートの撮影が可能となっている。」 「【図10】 [図:0001417485000005.jpg] 」 (イ)引用文献6に記載された技術的事項 引用文献6には、「駐車場管理システムの駐車場ユニット4が備えるポール10は、駐車区画4a(01~04)毎に1台ずつ設けられ、円柱状の金属製のポール本体10aと、ポール本体10aの内部に設けられ、ナンバープレートの撮影が可能なカメラユニット10bを備える」という技術的事項(以下、「引用文献6に記載された技術的事項」という。)が記載されている。 エ 引用文献7 (ア)引用文献7の記載 本願の出願前である平成30年3月15日に出願公開され、本願の先行技術文献として挙げられている特開2018-41398号公報(以下、「引用文献7」という。)には、以下の事項が記載されている。 「【0028】 本発明は、以上のような従来方式の個別車室式駐車場に対して、コンクリートやアスファルトの工事や、フラップ装置とその制御装置などを必要としない駐車場を提供するものである。すなわち、図2に示すように車室1には、フラップ装置、同制御装置、ループコイルなどを一切設置せず、車室後方に設けたポール7内に、図示しないが車両のナンバープレートを撮影するカメラと、撮影画像から車番を認識すると車番認識装置、および精算機との間で情報をやり取りする通信端末を装備して、同一車番が認識されている間は、駐車中と判定して車番認識装置に設けた出力接点をオフからオン状態に変化させ、その状態を信号線8を介して精算機6に伝える。精算機6は、出力接点のオン状態の継続時間から駐車時間と駐車料金を算出する。」 「【図2】 [図:0001417485000006.jpg] 」 (イ)引用文献7に記載された技術的事項 引用文献7には、「駐車場の車室後方に設けたポール7内に、車両のナンバープレートを撮影するカメラを装備する」という技術的事項(以下、「引用文献7に記載された技術的事項」という。)が記載されている。 (3)対比 本願補正発明と、引用発明とを対比する。 ア 「車両が駐車する車室において前記車両の画像を撮影する画像撮影部であって、前記車室ごとに設けられるポールに内蔵された画像撮影部と、」について 引用発明の「駐車スペース15」は、「駐車場13」の「1区画」であり、「1台の車両を駐車させる」ためのものであるから、本願補正発明の「車両が駐車する車室」に相当する。 引用発明の「カメラ17」は、「駐車スペース15の後端にあるポール上」に設けられ、「車両23が駐車スペース15に入庫する場合、車両ナンバー25を含む入庫車両23を撮影」し、「画像信号」を取得するものであるから、本願補正発明の「車室において前記車両の画像を撮影する画像撮影部」に相当する。 引用発明の「ポール」は、「各駐車スペース15の後端にある」ものであって、車室ごとに設けられるものであるから、本願補正発明の「前記車室ごとに設けられるポール」に相当する。 そうすると、引用発明の「カメラ17」は、本願補正発明の「車両が駐車する車室において前記車両の画像を撮影する画像撮影部であって、前記車室ごとに設けられるポールに内蔵された画像撮影部」と、「車両が駐車する車室において前記車両の画像を撮影する画像撮影部であって、前記車室ごとに設けられるポールに設けられた画像撮影部」との点で共通する。 他方、本願補正発明の「画像撮影部」は、「ポールに内蔵」されているのに対し、引用発明の「カメラ17」は、ポール上に設けられたカメラ・ボックス16の内部に設けられており、ポールに内蔵されているといえるか否か明らかでない点で両者は相違する。 イ 「前記撮影された画像から前記設けられたポールの前方の車室の満空状態を検知する車室満空検知部と」、「前記車室満空検知部においては、機械学習を用いて、前記画像撮影部により撮影された画像が車両の画像であるか否かが判定される」について 引用発明は、「撮像装置によって撮影された駐車車両の車両ナンバー毎に、駐車車両の入出庫情報や課金情報を管理する」ものであり、また、「カメラ17が車両を撮影しているので、その画像情報から車両の存在を判別し、車両の入出庫時間を特定することもでき」るものであり、そのために、「現場制御装置14」が「画像信号をデジタル情報へ変換し、デジタル情報へ変換された画像情報から、その画像情報内に含まれる車両ナンバー25を抽出」し、抽出された「車両ナンバー25」を「駐車場13の駐車場番号、その車両23が入庫した駐車スペース15の駐車スペース番号」などを加えて「中央管理装置11」へ送り、「中央管理装置11」の「ナンバー別利用状況データベース80」において「抽出した車両ナンバー」と「車両が駐車スペースに入った時刻および退去した時刻である入庫時間・出庫時間」が「記録」される。 このことから、引用発明における「車両の入出庫時間」の「特定」のために行われる「車両の存在」の「判別」は、「駐車場13の駐車場番号、その車両23が入庫した駐車スペース15の駐車スペース番号」とともに記録される「車両ナンバー25」を「カメラ17」が車両を撮影した「画像信号」から「抽出」することに伴ってなされることが明らかであり、いわば、駐車場番号と駐車スペース番号が示す「駐車スペース15」における「車両の存在」を「カメラ17」から伝送された「画像信号」から「判別」しているのであるから、このような「車両の存在」の「判別」のための処理は、本願補正発明の「前記撮影された画像から」「車室の満空状態を検知する」処理に相当する。 さらに、引用発明の「ポール」は、「駐車スペース15の後端」にあるから、その「ポール」に設けられている「カメラ17」は、「車両が駐車スペースに入った時刻および退去した時刻」と関連付けて記録される「車両ナンバー25」の車両を「駐車スペース15の後端」から撮影することになり、その「ポール」の「前方」の「車両が駐車する車室」(「駐車スペース15」)を撮像するものとならざるを得ず、当該処理は、「ポールの前方の車室」の満空状態を検知するものとなる。 以上を踏まえれば、引用発明における当該処理は、本願補正発明の「前記撮影された画像から前記設けられたポールの前方の車室の満空状態を検知する」に相当する。 そして、引用発明は、「現場制御装置14」は、「画像信号をデジタル情報へ変換し、デジタル情報へ変換された画像情報から、その画像情報内に含まれる車両ナンバー25を抽出」するにあたって当該処理を行うことから、本願補正発明の「前記撮影された画像から前記設けられたポールの前方の車室の満空状態を検知する車室満空検知部」に相当する。 他方、本願補正発明においては、「車室満空検知部」において、「機械学習を用いて、前記画像撮影部により撮影された画像が車両の画像であるか否かが判定される」と特定されているのに対し、引用発明においては、画像情報から車両の存在を判別するにあたって用いられる技術は明示されておらず、機械学習を用いて、撮影された画像が車両の画像であるか否かを判定しているか否か明らかでない点で相違する。 ウ 「(・・・画像撮影部と、・・・車室満空検知部とを有し、・・・)ことを特徴とする車室満空検知装置。」について 引用発明の「駐車場管理システム10」は、「カメラ17」と「現場制御装置14」とを含み、「駐車スペース15」における「車両の存在を判別」するものである。 そうすると、引用発明の「駐車場管理システム10」は、「装置」といえるか否か明らかでない点で相違するものの、本願補正発明の「車室満空検知装置」と、「車室満空検知のために設置される駐車場設備」である点で共通する。 以上ア~ウによれば、本願補正発明と引用発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 [一致点] 車両が駐車する車室において前記車両の画像を撮影する画像撮影部であって、前記車室ごとに設けられるポールに設けられた画像撮影部と、 前記撮影された画像から前記設けられたポールの前方の車室の満空状態を検知する車室満空検知部と を有することを特徴とする車室満空検知のために設置される駐車場設備。 [相違点] [相違点1] 「画像撮影部」について、本願補正発明においては、「ポールに内蔵」されていると特定されているのに対し、引用発明においては、ポール上に設けられたカメラ・ボックス16の内部に設けられており、ポールに内蔵されているといえるか否か明らかでない点。 [相違点2] 「車室満空検知部」について、本願補正発明においては、「機械学習を用いて、前記画像撮影部により撮影された画像が車両の画像であるか否かが判定される」と特定されているのに対し、引用発明においては、画像情報から車両の存在を判別するにあたって用いられる技術は明示されておらず、機械学習を用いて、撮影された画像が車両の画像であるか否かを判定しているか否か明らかでない点。 [相違点3] 「車室満空検知のために設置される駐車場設備」について、本願補正発明においては、「装置」と特定されているのに対し、引用発明においては、「システム」であって、装置といえるか否か明らかでない点。 (4)判断 上記[相違点1]~[相違点3]についてそれぞれ検討する。 ア [相違点1]について ポール上に設けられたカメラ・ボックス16もポールの一部と考えれれば、その内部に設けられていることは「ポールに内蔵」されていることとなる。その意味では、相違点1は実質的なものでない。 また、駐車場の車室のポールに車両を撮影するためのカメラを内蔵することは、例えば、引用文献6に記載された技術的事項(上記(2)ウ(イ))、引用文献7に記載された技術的事項(上記(2)エ(イ))に示されるように、周知技術である。そうすると、引用発明において、上記周知技術を適用して、「ポール」に「カメラ17」を内蔵して、相違点1に係る構成とすることは、当業者が適宜なし得る設計事項にすぎない。 イ [相違点2]について (ア) 引用文献4に記載された技術的事項(上記(2)イ(イ))には、例えば、車両2のフロントグリル付近、駐車スペースの白線を跨るような領域といった判定領域の画像が駐車スペースに車両が存在すること(「在車」)とその駐車スペースに車両が存在しないこと(「空車」)のいずれを示す画像であるかの判定を行うこと、及び、この判定にあたってランダムフォレスト等の機械学習が用いられることが示されているから、引用文献4には、機械学習を用いて、駐車スペース内の位置を含む領域の画像がその駐車スペースに存在する車両の画像であるか否かを判定する技術が記載されているといえる。 (イ)そして、引用発明は、「画像情報から車両の存在を判別」するものであるところ、その画像情報は、ポールに設けられたカメラである画像撮影部により「車両が駐車する車室」(「駐車スペース15」)内の車両を撮影した画像情報であり、カメラの位置や画角等により定まる当該車室内の位置を含む領域の画像情報とならざるを得ないから、引用発明において、このような当該車室内の位置を含む領域の画像情報から当該車室における車両の存在を判別するための何らかの技術の採用が動機付けられることは明らかである。 (ウ)してみると、引用発明において、当該車室内の位置を含む領域の画像から車両の存在を判別するための技術として(ア)の技術を採用して、引用発明の「車室満空検知部」を、機械学習を用いて画像撮影部により撮影された画像が車両の画像であるか否かが判定されるものとして、相違点2に係る構成に想到することは、当業者が容易になし得たことである。 ウ [相違点3]について 引用発明の駐車場設備は、「カメラ17」と「現場制御装置14」とが信号線19,20で結合された「駐車場管理システム10」であるところ、本願補正発明における「装置」は、「システム」のような複数の「装置」からなる駐車場設備を含み得るといえ、相違点3は実質的なものでない。 また、本願補正発明の「装置」が「システム」を含まないとしても、「現場制御装置14」における車室満空検知部の機能を「カメラ17」と一体の「装置」内部のプロセッサにより実現する等、カメラとカメラの画像を用いる所定の機能を実現するためのプロセッサを一体の「装置」とすることは、当業者が適宜なし得ることであり、このことを踏まえれば、引用発明の駐車場設備を一体の「装置」とすることは、設計事項に過ぎない。 エ 本願補正発明の奏する効果について そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献4に記載の技術的事項、引用文献6、7に記載等の周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 オ 審判請求人の主張について 審判請求人は、審判請求書において、以下の2点を主張する。 (主張1)引用文献4に記載される技術思想においては、在車判定部33は、車載カメラ21が撮影した画像に基づいて判断するものであり、在車判定部33の在車判定は車両2の運転者に空きスペースを知らせる運転支援のためのものであり、本願発明とは課題が異なる。 (主張2)特許審査は「発明特定事項」に立脚して行われなければならないという理解に立てば、「発明特定事項」を特許出願人の意向を置き去りにして、当該特定された発明特定事項とは別の構成単位に区切って、区切られたエレメントを集積させて進歩性の判断をすることは、法趣旨に合致するものでなく、「発明特定事項」が各引用文献に記載されているといえるかが問われなければならない。 引用文献4には、「前記撮影された画像から前記設けられたポールの前方の車室の満空状態を(「機械学習を用いて、前記画像撮影部により撮影された画像が車両の画像であるか否かが判定される」ことで)検知する車室満空検知部」が記載されていない。 上記主張1、2について検討する。 主張1について、上記(3)に示したとおり、本願補正発明と引用発明はいずれも、(引用文献4における、在車判定の機能を実現する機能手段としての在車判定部33に対応する)「前記撮影された画像から前記設けられたポールの前方の車室の満空状態を検知する車室満空検知部」を備えており、この点は、一致点である。このことを踏まえれば、引用文献4において在車判定部33による在車判定それ自体によって解決される課題が運転者に空きスペースを知らせる運転支援のためのものであることやこの課題が本願補正発明の課題と異なるものであることは、相違点2について容易想到であるとの判断の阻害事由にならない。 また、主張2は、審判請求人の独自の法の理解に基づく主張であり、採用の限りではない。機能手段について対比判断するにあたって、共通する機能を一致点として、その実現手段を相違点とすることは実務で広く採用されている。そして、相違点2の判断については、上記イで検討したとおりである。 カ 小括 以上によれば、本願補正発明は、引用発明及び引用文献4に記載された技術的事項、引用文献6、7に記載等の周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 3 補正の却下の決定のむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 したがって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明の認定 本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本件補正後の請求項1に対応する本件補正前の本願の請求項1に記載された発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2の[理由]1(2)に記載したとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由 本願発明についての原査定の拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。 本願請求項1に係る発明は、以下の引用文献1、4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2007-317098号公報 4.特開2016-197314号公報 3 引用文献の記載、引用発明等 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び引用発明、引用文献4及び引用文献4に記載された技術的事項は、それぞれ上記第2の[理由]2(2)のとおりである。 4 対比・判断 (1)対比 本願発明は、上記第2の[理由]において検討した本願補正発明から、上記第2の[理由]2に示した、「画像撮影部」が「前記車室ごとに設けられるポールに内蔵された」ものであるとの限定事項及び「車室満空検知部」が「前記設けられたポールの前方の」車室について検知するとの限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2の[理由]2のとおり、引用発明、引用文献4に記載された技術的事項、引用文献6,7に記載等の周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、上記周知技術について検討するまでもなく、本願発明も、引用発明、引用文献4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-002588

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