特許異議申立
2018-700480
混繊交絡糸、その製造方法、及び混繊交絡糸を用いた織編物
- 審判番号
- 2018-700480
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2017-071452
- 登録番号
- 特許第6247414号(P6247414)
- 請求日
- 2018年06月13日
- 審決日
- 2019年02月19日
- 公報発行日
- 2019年05月31日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】ユニチカトレーディング株式会社
- 【権利者代理人】田中 順也
- 【権利者代理人】水谷 馨也
- 【異議申立人】特許業務法人 虎ノ門知的財産事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 井上 茂夫
- 審判官 佐々木 正章
- 審判官 渡邊 豊英
- 分類
- P1651.113-YAA(D02G) / P1651.121-YAA(D02G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6247414号発明「混繊交絡糸、その製造方法、及び混繊交絡糸を用いた織編物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6247414号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-10〕について訂正することを認める。
特許第6247414号の請求項1~10に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6247414号の請求項1~10に係る特許についての出願は、平成29年3月31日に特許出願され、平成29年11月24日にその特許権の設定登録がされ、平成29年12月13日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、平成30年6月13日に特許異議申立人特許業務法人虎ノ門知的財産事務所(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがなされ、当審において平成30年8月1日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成30年10月2日に意見書が提出され、平成30年10月19日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、その指定期間内である平成30年12月21日に意見書及び訂正請求書が提出され、これに対して、平成31年2月1日に申立人より意見書が提出されたものである。
第2 訂正の請求について
1 訂正の内容
平成30年12月21日の訂正請求書による訂正の請求は、「特許第6247414号の特許請求の範囲を本請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~10について訂正することを求める。」ものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。
(訂正事項1)
特許請求の範囲の請求項1に「前記混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有し、」とあるのを、「前記混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有し、
前記混繊交絡糸は、捲縮率が20~45%の範囲にあり、
前記混繊交絡糸は、交絡数が160~200個/mであり、」に訂正する。
(訂正事項2)
特許請求の範囲の請求項2に「捲縮率が10~45%の範囲にあり、交絡数が150~200個/mの範囲にあることを特徴とする、」とあるのを、「捲縮率が20~40%の範囲にあり、交絡数が160~190個/mの範囲にあることを特徴とする、」に訂正する。
ここで、訂正前の請求項1~10は、請求項2~10が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正の請求は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項1~10について請求されている。
2 訂正の適否
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
上記訂正事項1は、混繊交絡糸について、「捲縮率が20~45%の範囲にあ」ること、及び「交絡数が160~200個/mであ」ること限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項1は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項1は、本件特許明細書の段落【0028】に「本発明の混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有する。本発明の混繊交絡糸において、仮撚捲縮の度合い、すなわち捲縮率としては10~45%、より好ましくは20~40%である。」、及び段落【0031】に「混繊交絡糸の交絡数としては、好ましくは150~200個/m、好ましくは160~190個/mである。」と記載されているから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的
上記訂正事項2は、訂正前の捲縮率が「10~45%」、交絡数が「150~200個/m」から、訂正後の捲縮率が「20~40%」、交絡数が「160~190個/m」にその範囲を狭めるものであるから、 特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項2は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項2は、本件特許明細書の段落【0028】及び段落【0031】の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。
3 小括
以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1~10〕についての訂正を認める。
第3 本件特許発明
上記のとおり本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1~10に係る発明(以下「本件発明1~10」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】
単糸繊度が0.2~0.9dtex、フィラメント数が40~120本、かつ総繊度20~40dtexのポリエステル繊維Aと、単糸繊度が1.0~5.0dtex、フィラメント数が8~20本、且つ総繊度が20~70dtexのポリエステル繊維Bとから構成され、総繊度が40~110dtexの範囲にある混繊交絡糸であって、
前記混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有し、
前記混繊交絡糸は、捲縮率が20~45%の範囲にあり、
前記混繊交絡糸は、交絡数が160~200個/mであり、
前記ポリエステル繊維Aと前記ポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)が45/55~80/20の範囲にあり、
前記混繊交絡糸の表面部分において、ポリエステル繊維Aによる突出部が形成されている、混繊交絡糸。
【請求項2】
捲縮率が20~40%の範囲にあり、交絡数が160~190個/mの範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載の混繊交絡糸。
【請求項3】
下記(I)および(II)を同時に満足することを特徴とする、請求項1または2に記載の混繊交絡糸。
(I)前記ポリエステル繊維Aの断面変形係数が0.7~4.0の範囲にあり、かつ前記ポリエステル繊維Bの断面変形係数が0.8~2.5の範囲である。
(II)前記ポリエステル繊維Aの断面変形係数の標準偏差が0.3~0.7の範囲にあり、かつ前記ポリエステル繊維Bの断面変形係数の標準偏差が0.1~0.5の範囲である。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の混繊交絡糸の製造方法であって、下記の工程(イ)~(ハ)を含むことを特徴とする、混繊交絡糸の製造方法。
(イ)単糸繊度が1.5~6.5dtex、フィラメント数が8~20本、かつ伸度が100~160%のポリエステル高配向未延伸糸Bを延伸倍率1.1~1.4倍で延伸する延伸工程
(ロ)前記延伸工程で延伸された前記ポリエステル高配向延伸糸Bと、単糸繊度が0.3~1.3dtex、フィラメント数が40~120本、かつ伸度が80~110%のポリエステル高配向未延伸糸Aとを、加工速度100~700m/分、延伸倍率1.10~1.30倍の条件で複合仮撚りする複合仮撚り工程と
(ハ)前記複合仮撚り工程で得られた複合仮撚糸を、引き続き連続して混繊交絡処理を施す混繊交絡処理工程。
【請求項5】
請求項1~3のいずれかに記載の混繊交絡糸が織編された織編物であって、
KES-Fシステムによる織編物表面粗さの平均偏差(SMD)が1.0~3.0μmの範囲にあることを特徴とする、織編物。
【請求項6】
織編物表面が撥水加工されてなることを特徴とする、請求項5に記載の織編物。
【請求項7】
カバーファクター(CF)が2000~3500の範囲にあり、かつ、水滴転がり角度が40度以下であることを特徴とする、請求項5または6に記載の織編物。
【請求項8】
経糸密度が140~190本/2.54cmであり、緯糸密度が100~150本/2.54cmの範囲にあることを特徴とする、請求項5~7のいずれかに記載の織編物。
【請求項9】
目付が250g/m2以下であることを特徴とする、請求項5~8のいずれかに記載の織編物。
【請求項10】
請求項5~9のいずれかに記載の織編物からなる、春夏用衣料用布帛。」
第4 当審の判断
1 取消理由の概要
訂正前の請求項1~10に係る特許に対して平成30年10月19日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)は、要旨次のとおりである。
本件発明1~10は、甲第1号証に記載された発明及び甲第1~3号証記載の事項に基いて、又は甲第2号証に記載された発明及び甲第1~3号証記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、請求項1~10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第1項第2号に該当し、取り消されるべきものである。
甲第1号証:特開2012-122144号公報
甲第2号証:特開2015-98661号公報
甲第3号証:国際公開第2012/077488号
2 当審の判断
(1)甲第1号証記載の事項及び甲1発明
甲第1号証には、以下の記載がある
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、環境に配慮した撥水性織物であって、優れた撥水性を有する撥水性織物、および該撥水性織物を用いてなる衣料に関する。」
イ 「【0008】
その際、目付けが100g/m2以下であることが好ましい。また、前記ポリエステルフィラメントAのフィラメント数が5~25本の範囲内であることが好ましい。また、前記ポリエステルフィラメントBのフィラメント数が45~200本の範囲内であることが好ましい。また、前記複合糸の総繊度が56dtex以下であることが好ましい。また、下記に定義する、織物のカバーファクターCFが1400~3500の範囲内であることが好ましい。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。」
ウ 「【0013】
また、本発明の撥水性織物には、単糸繊度が1.0dtex以上のポリエステルフィラメントAと単糸繊度が0.4dtex以下のポリエステルフィラメントBとを用いて得られた複合糸が含まれる。
ここで、前記ポリエステルフィラメントAにおいて、単糸繊度が1.0dtex以上(好ましくは0.8~3.0dtex、より好ましくは0.8~1.5dtex)であることが肝要である。該単糸繊度が1.0dtex未満の場合、得られる撥水性織物の引裂き強力が低下し好ましくない。
また、前記ポリエステルフィラメントAのフィラメント数としては5~25本の範囲内であることが好ましい。」
エ 「【0016】
前記ポリエステルフィラメントAにおいて、単繊維の横断面形状は特に限定されず、丸、三角、扁平、くびれ付扁平などいずれでもよい。また、繊維形態も特に限定されず、紡績糸、長繊維(マルチフィラメント)いずれでもよい。さらには、仮撚捲縮加工や空気加工が施されていてもさしつかえない。」
オ 「【0020】
前記ポリエステルフィラメントBにおいて、単繊維の横断面形状は特に限定されず、丸、三角、扁平、くびれ付扁平などいずれでもよい。また、繊維形態も特に限定されず、紡績糸、長繊維(マルチフィラメント)いずれでもよい。さらには、仮撚捲縮加工や空気加工が施されていてもさしつかえない。」
カ 「【0024】
このように、ポリエステルフィラメントAの熱水収縮率がポリエステルフィラメントBの熱水収縮率よりも大きいと、織物に染色加工などの熱処理を行うと、ポリエステルフィラメントAとポリエステルフィラメントBとの糸足差が発現し、織物表面にポリエステルフィラメントBからなる微小な凸部が現れることにより優れた撥水性が得られる。」
キ 「【0027】
前記複合糸の複合方法は特に限定されず、公知のインターレースノズルを用いた空気混繊、複合仮撚、合撚糸、カバリングなどが好適に例示される。なかでも、公知のインターレースノズルを用いた空気混繊が好ましい。」
ク 「【0032】
次いで、該織物に撥水水加工を施す。ここで、前述のように、パーフルオロオクタン酸およびパーフルオロオクタンスルホン酸の濃度が0~5ng/g(好ましくは0ng/g)のフッ素系撥水剤を用いる。必要に応じて、制電剤、メラミン樹脂、触媒を混合して撥水剤の濃度が3~15重量%程度の加工剤とし、ピックアップ率50~90%程度で、該加工剤を用いて織物の表面を処理することが好ましい。加工剤で織物の表面を処理する方法としては、パッド法、スプレー法などが例示され、なかでも、加工剤を織物内部まで浸透させる上でパッド法が最も好ましい。前記ピックアップ率とは、加工剤の織物(加工剤付与前)重量に対する重量割合(%)である。」
ケ 「【0037】
かくして得られた織物の表面において、あたかも蓮の葉のように、ポリエステルフィラメントBがふくらみ(凸部)を持ち、そこに空気層ができるため、水滴がのったときに空気の存在により優れた撥水性を呈する。その際、撥水性としては、織物の撥水ころがり角度が25度以下であることが好ましい。」
コ 「【0040】
また、かかる織物において、織物のカバーファクターCFが1400~3500の範囲内であると優れた防風性や耐水圧が得られ好ましい。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。」
サ 「【0051】
[実施例1]
モル比が93/7のテレフタル酸/イソフタル酸とエチレングリコールとからなる共重合ポリエステルを常法により紡糸、延伸して、共重合ポリエステルマルチフィラメント16dtex/12fil(ポリエステルフィラメントA、単糸繊度1.33dtex、熱水収縮率20%)を得た。
一方、ポリエチレンテレフタレートを常法により紡糸、延伸して、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント22dtex/72fil(ポリエステルフィラメントB、単糸繊度0.31dtex、熱水収縮率7%)を得た。
次いで、前記ポリエステルフィラメントAとポリエステルフィラメントBとを引き揃えて公知のインターレースノズルを用いて、糸速度600m/minで空気混繊することにより、インターレース混繊糸38dtex/84filを得た。
次いで、通常のウオータージェットルームを使用し、該インターレース混繊糸38dtex/84filを経糸および緯糸に配して平組織にて生機を得た。
次いで、U型ソフサーを用いて95℃で拡布精練し、液流染色機にて120℃リラックス処理した。次いで、テンターを用いて190℃で中間セットし、液流染色機にて130℃の分散染料による染色加工を行い、撥水加工を施した後、テンターを用い170℃でファイナルセットした。その際、撥水加工は下記の加工剤を使用し、ピックアップ率80%で搾液し、130℃で3分間乾燥後170℃で45秒間熱処理を行った。
<加工剤組成>
・ふっ素系撥水剤 8.0wt%
(旭硝子(株)製、アサヒガードEシリーズAG-E061 PFOA:1ng/g未満、PFOS:1ng/g未満)
・メラミン樹脂 0.3wt%
(住友化学(株)製、スミテックスレジンM-3)
・触媒 0.3wt%
(住友化学(株)製、スミテックスアクセレレータACX)
・水 91.4wt%
次いで、ロール温度150℃で通常のカレンダー加工を行い、撥水性織物を得た。
得られた撥水性織物において、カバーファクター(CF)が2090、ポリエステルフィラメントAとポリエステルフィラメントBとの糸足差は経13.2%緯12.9%、引裂強力が経9.6N/緯8.3N、撥水ころがり角が経9度/緯11度と大変撥水性に優れたものであり、目付け69g/m2と大変軽量なものであった。また、耐水圧は470mmH2Oであり、通気度は0.5cc/cm2・secであった。
次いで、該撥水性織物を用いて衣料を得て着用したところ、撥水性、引裂強力、軽量性、低通気性に優れるものであった。」
甲第1号証(特に、実施例1(上記摘記事項サ参照。))には、本件発明1に倣って整理すると、以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。
「単糸繊度が0.31dtex、熱水収縮率7%、フィラメント数が72本、かつ総繊度22dtexのポリエステルフィラメントBと、単糸繊度が1.33dtex、熱水収縮率20%、フィラメント数が12本、且つ総繊度が16dtexのポリエステルフィラメントAとから構成され、38dtexであるインターレース混繊糸であって、
空気混繊、平組織にて生機を得て、熱処理したインターレース混繊糸。」
(2)甲第2号証記載の事項及び甲2発明
甲第2号証には、以下の記載がある(「・・・」は省略を意味する。)。
ア 「【特許請求の範囲】
【請求項1】
単糸繊度が0.2~0.9dtexのポリエステル繊維Aと、単糸繊度が1.0~5.0dtexのポリエステル繊維Bとから構成される混繊交絡糸であって、
前記混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有し、かつ、前記ポリエステル繊維Aと前記ポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)が20/80~80/20の範囲にあり、
前記混繊交絡糸の表面部分において、ポリエステル繊維Aによる突出部が形成されている、混繊交絡糸。
【請求項2】
捲縮率が10~45%の範囲にあり、交絡数が90~150個/mの範囲にある、請求項1に記載の混繊交絡糸。
・・・
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の混繊交絡糸の製造方法であって、
単糸繊度が1.5~6.5dtex、伸度が100~160%のポリエステル高配向未延伸糸Bを延伸倍率1.1~1.4倍で延伸する延伸工程と、
前記延伸工程で延伸された前記ポリエステル高配向延伸糸Bと、単糸繊度が0.4~1.3dtex、伸度が80~110%のポリエステル高配向未延伸糸Aとを、加工速度100~700m/分、延伸倍率1.10~1.30倍の条件で複合仮撚りする複合仮撚り工程と、
前記複合仮撚り工程で得られた複合仮撚糸を、流体ノズルを用いて、エアー圧0.1~0.6Mpa、オーバーフィード率1~4%の条件で混繊交絡する混繊交絡工程と、
を備える、混繊交絡糸の製造方法。
【請求項6】
請求項1~4のいずれかに記載の混繊交絡糸が織編された織編物であって、
KES-Fシステムによる織編物表面粗さの平均偏差(SMD)が3.0~8.0μmの範囲にあり、かつ、撥水加工されてなる、織編物。
【請求項7】
カバーファクター(CF)が1500~3000の範囲にあり、かつ、水滴転がり角度が15度以下である、請求項6に記載の織編物。」
イ 「【技術分野】
【0001】
本発明は、糸条表面に微細な凸部を有し、織編物に高い撥水性能を付与しうる混繊交絡糸、その好ましい製造方法、及び当該混繊交絡糸を用いた織編物に関する。」
ウ 「【0017】
1.混繊交絡糸
本発明の混繊交絡糸は、単糸繊度が0.2~0.9dtexのポリエステル繊維Aと、単糸繊度が1.0~5.0dtexのポリエステル繊維Bとから構成されている。本発明の混繊交絡糸においては、ポリエステル繊維A及びポリエステル繊維Bの繊度を、それぞれこのような特定の範囲に設定することにより、ポリエステル繊維Aとポリエステル繊維Bとを十分に絡めさせることができる。この絡まりにより、本発明の混繊交絡糸の表面部分において、相対的に細いポリエステル繊維Aによる突出部が形成されやすくなる。なお、本発明において、ポリエステル繊維Aによる突出部とは、混繊交絡糸の表面部分において、ポリエステル繊維Aのループ、たるみなどによって、ポリエステル繊維Aが外側に突出した部分をいう。」
エ 「【0021】
本発明の混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有する。本発明の混繊交絡糸において、仮撚捲縮の度合い、すなわち捲縮率としては好ましくは10~45%程度、より好ましくは20~40%程度が挙げられる。混繊交絡糸が適度な捲縮率を有していることにより、混繊交絡糸の表面部分に上記のような微細な突出部を形成し易くなる。なお、混繊交絡糸の捲縮率が10%未満となる場合、捲縮率が低いため、混繊交絡糸の表面部分に上記のような突出部を形成することが難しく、織編物としたときに撥水性能を十分に発揮できなくなる。また、混繊交絡糸の捲縮率が45%を超えると、混繊交絡糸のストレッチ性能が強過ぎるため、高撥水性の織編物には適さない。すなわち、混繊交絡糸が伸びたときに平坦な構造となるため、上記のような突出部が維持されにくくなり、撥水性能が低下する。」
オ 「【0023】
本発明において、ポリエステル繊維Aとポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)は、20/80~80/20の範囲にある。ポリエステル繊維Aの質量比率(混率)が20%未満の場合、混繊交絡糸におけるポリエステル繊維Aの割合が少なすぎるため、上記のような突出部を混繊交絡糸の表面部分に形成することが困難となり、織編物に高い撥水性能を付与することが難しくなる。一方、ポリエステル繊維Aの混率が80%を超えると、ポリエステル繊維Bの割合が少なすぎて、上記の突出部を表面部分に保持することが難しくなる。このため、微細な突出部が潰れ易くなり、織編物に対して高い撥水性能を付与することが困難となる。ポリエステル繊維Aとポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)としては、好ましくは30/70~70/30程度が挙げられる。
【0024】
本発明の混繊交絡糸においては、糸全体として混繊交絡されている。混繊交絡糸の交絡数としては、好ましくは90~150個/m程度が挙げられる。交絡数が90個/m未満である場合、交絡状態が解け易くなり、混繊交絡糸の表面部分において上記のような微細な突出部を形成することが難しくなる場合がある。また、交絡状態が解け易くなると、織編物の製造工程において必然的に受けるガイド摩耗によって、糸条内部にズレが発生し、織編物の欠点を誘発しやすくなる場合がある。一方、交絡数が150個/mを超えると、ポリエステル繊維Aとポリエステル繊維Bとが絡まり過ぎて、捲縮が消失し、上記の突出部も形成されにくくなるため、織編物に高い撥水性能を付与し難くなる。なお、本発明において、混繊交絡糸の交絡数は、JIS L1013 8.15フック法に基づいて測定して得られた値である。」
カ 「【0033】
2.混繊交絡糸の製造方法
本発明の混繊交絡糸は、以下の工程を備える製造方法により製造することができる。
単糸繊度が1.5~6.5dtex、伸度が100~160%のポリエステル高配向未延伸糸Bを延伸倍率1.1~1.4倍で延伸する延伸工程
延伸工程で延伸されたポリエステル高配向延伸糸Bと、単糸繊度が0.4~1.3dtex、伸度が80~110%のポリエステル高配向未延伸糸Aとを、加工速度100~700m/分、延伸倍率1.10~1.30倍の条件で複合仮撚りする複合仮撚り工程
複合仮撚り工程で得られた複合仮撚糸を、流体ノズルを用いて、エアー圧0.1~0.6Mpa、オーバーフィード率1~4%の条件で混繊交絡する混繊交絡工程」
キ 「【0060】
本発明の織編物の表面部分に形成された突出部が、どの程度微細であるかを知るには、KES-Fシステムによる織編物表面粗さの平均偏差(SMD)を測定することにより評価できる。本発明の織編物においては、当該KES-Fシステムによる織物表面粗さの平均偏差(SMD)が、3.0~8.0μmの範囲にあることが好ましい。当該平均偏差(SMD)が3.0μm未満の場合、突出部が微細になり過ぎ、むしろ平坦な形状に近くな
る。そうすると、水滴と織編物の表面との接触面積が大きくなり、水滴に十分な表面張力が作用し難くなる。その結果、織編物において、高い撥水性能が発揮され難い。一方、当該平均偏差(SMD)が8.0μmを超えると、突出部が大きくなり過ぎ、突出部の間に落ち易くなる。その結果、水滴が織編物の内部に移行し易くなり、所望の撥水性能が発揮されにくくなる。本発明の織編物においては、当該織編物中に本発明の混繊交絡糸を50質量%以上含ませることにより、平均偏差(SMD)を所定範囲に設定することができる。
【0061】
上述の通り、本発明の織編物においては、織編物を構成する混繊交絡糸の表面構造を特定のものとすることにより、織編物の撥水性能を高めることを特徴としており、従来公知の安価なフッ素系撥水剤などを使用することによっても、優れた撥水性能を発揮することができる。したがって、本発明の織編物において、撥水加工に使用される撥水剤の組成は特に制限されない。」
ク 「【0065】
また、本発明の織編物においては、織編物を構成する混繊交絡糸の表面構造を上記特定のものとすることにより、織編物の撥水性能を高めることを特徴としているため、織編物の設計は、基本的に如何なるものでもよいが、より高い撥水性能を発揮する観点からは、織編物のカバーファクター(CF)を好ましくは1500~3000程度、より好ましくは1800~2800程度の範囲に設定する。カバーファクター(CF)が1500を下回ると、組織点の粗い織編物となるので、織編物内に空隙が増える。そうすると、その空隙に水滴が落ちる傾向にあるから、撥水性能の向上が期待できなくなる。一方、カバーファクター(CF)が3000を上回ると、組織点による拘束が強まることによって、上述の混繊交絡糸の表面部分における微細な突出部が失われる傾向にあり、撥水性能の向上が期待できなくなる。」
ケ 「【0098】
<実施例及び比較例の考察>
実施例にかかる織物は、いずれも優れた撥水性能を有するものであり、繊維中に適宜の添加剤を含有させることで、副次的な効果も得られる点が確認できた。特に実施例1、2、4にかかる織物は、優れた撥水性能(ロータス効果)を具備するものであることが確認できた。実施例3にかかる織物は、カバーファクター(CF)が低いため、他の実施例のものと比べると撥水性能にやや劣っていた。これは、織物の組織点がやや粗くなったことに伴い、織物内に空隙が増え、その空隙に水滴が落ちる傾向にあったためと推察される。」
甲第2号証(特に、請求項2(上記摘記事項ア参照。))には、以下の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されている。
「単糸繊度が0.2~0.9dtexのポリエステル繊維Aと、単糸繊度が1.0~5.0dtexのポリエステル繊維Bとから構成される混繊交絡糸であって、
前記混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有し、かつ、前記ポリエステル繊維Aと前記ポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)が20/80~80/20の範囲にあり、
捲縮率が10~45%の範囲にあり、交絡数が90~150個/mの範囲にある、
前記混繊交絡糸の表面部分において、ポリエステル繊維Aによる突出部が形成されている、混繊交絡糸。」
ここで、特許権者は、平成30年12月21日の意見書において、甲2発明は、甲第2号証の実施例1~4の記載も考慮して認定されるべきである旨主張するが、本件特許明細書の【0007】~【0014】の記載によると、発明が解決しようとする課題は、織編物の構造を特段工夫せずとも、高い撥水性能を付与できる混繊交絡糸を提供することであって、当該課題は、糸条表面部分において比較的細繊度の繊維を突出させることにより解決できると理解され、実施例1~4に記載されたポリエステル繊維A及びBの単糸繊度、フィラメント数及びトータル繊度に限られるとする理由はないから、特許権者の主張は採用できない。
(3)甲1発明を主たる引用発明とした場合の本件発明1の進歩性について
ア 対比
本件発明1と甲1発明と対比すると、甲1発明の「ポリエステルフィラメントB」、「ポリエステルフィラメントA」は、それぞれ本件発明1の「ポリエステル繊維A」、「ポリエステル繊維B」に相当し、甲1発明の「インターレース混繊糸」は、「空気混繊」により製造されており、「混繊交絡糸」といえるものであるから、本件発明1の「混繊交絡糸」に相当する。
甲1発明の「単糸繊度が0.31dtex、熱水収縮率7%、フィラメント数が72本、かつ総繊度22dtexのポリエステルフィラメントB」は、本件発明1の「単糸繊度が0.2~0.9dtex、フィラメント数が40~120本、かつ総繊度20~40dtexのポリエステル繊維A」に相当する。
甲1発明の「単糸繊度が1.33dtex、熱水収縮率20%、フィラメント数が12本、且つ総繊度が16dtexのポリエステルフィラメントA」と、本件発明1の「単糸繊度が1.0~5.0dtex、フィラメント数が8~20本、且つ総繊度が20~70dtexのポリエステル繊維B」とは、「単糸繊度が1.0~5.0dtex、フィラメント数が8~20本のポリエステル繊維B」の限りで一致する。
そうすると、本件発明1と甲1発明とは以下の点で一致し、相違する。
<一致点>
「単糸繊度が0.2~0.9dtex、フィラメント数が40~120本、かつ総繊度20~40dtexのポリエステル繊維Aと、単糸繊度が1.0~5.0dtex、フィラメント数が8~20本のポリエステル繊維Bとから構成される混繊交絡糸。」
<相違点1>
ポリエステル繊維Bの総繊度が、本件発明1では、「20~70dtex」のに対して、甲1発明は、16dtexである点。
<相違点2>
混繊交絡糸の総繊度が、本件発明1では、「40~110dtexの範囲にある」のに対して、甲1発明は、38dtexである点。
<相違点3>
本件発明1は、「混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有」するのに対して、甲1発明は、そのように特定されていない点。
<相違点4>
本件発明1は、「前記ポリエステル繊維Aと前記ポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)が45/55~80/20の範囲」であるのに対して、甲1発明は、ポリエステルフィラメントBとポリエステルフィラメントAとの質量比率が不明である点。
<相違点5>
本件発明1は、「前記混繊交絡糸の表面部分において、ポリエステル繊維Aによる突出部が形成されている」のに対して、甲1発明は、そのように特定されていない点。
<相違点6>
混繊交絡糸について、本件発明1は、「捲縮率が20~45%の範囲にあ」るのに対して、甲1発明は、そのように特定されていない点。
<相違点7>
混繊交絡糸について、本件発明1は、「交絡数が160~200個/mであ」るのに対して、甲1発明は、そのように特定されていない点。
イ 当審の判断
<相違点6について>
事案に鑑み、まず相違点6について検討する。
甲1発明のインターレース混繊糸は、熱処理することで、インターレース混繊糸の表面部分において、ポリエステルフィラメントBによる突出部が形成され、撥水性が得られるものである(【0024】)。
そして、仮撚り捲縮を有するインターレース混繊糸は、熱処理により熱収縮させると、捲縮率が著しく低下することが、技術常識であって、平成30年12月21日の意見書に添付された実験成績証明書も参照すると、当該熱収縮後のインターレース混繊糸の捲縮率を20%以上とすることができるとはいえず、そのことを示す証拠は提出されていない。
そうすると、甲1発明において、甲第1号証の【0016】、【0020】の記載に従いポリエステルフィラメントA及びBについて、仮撚捲縮加工を施したものは、インターレース混繊糸の捲縮率が20~45%の範囲にあるとはいえず、また、当該インターレース混繊糸において、捲縮率が20~45%の範囲とすることを、当業者が容易に想到し得たということもできない。
ウ 小括
したがって、本件発明1は、<相違点1>~<相違点5>及び<相違点7>について検討するまでもなく、甲1発明及び甲第1~3号証記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、本件発明1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第1項第2号に該当し、取り消されるべきものであるとはいえない。
(4)甲2発明を主たる引用発明とした場合の本件発明1の進歩性について
ア 対比
本件発明1と甲2発明と対比すると、本件発明1と甲2発明とは以下の点で一致し、相違する。
<一致点>
「単糸繊度が0.2~0.9dtexのポリエステル繊維Aと、単糸繊度が1.0~5.0dtexのポリエステル繊維Bとから構成される混繊交絡糸であって、
前記混繊交絡糸は、全体として仮撚捲縮を有し、
前記混繊交絡糸の表面部分において、ポリエステル繊維Aによる突出部が形成されている、混繊交絡糸。」
<相違点8>
ポリエステル繊維Aについて、本件発明1では、「フィラメント数が40~120本、かつ総繊度20~40dtex」であるのに対して、甲2発明は、フィラメント数と総繊度が不明である点。
<相違点9>
ポリエステル繊維Bについて、本件発明1では、「フィラメント数が8~20本、且つ総繊度が20~70dtex」であるのに対して、甲2発明は、フィラメント数と総繊度が不明である点。
<相違点10>
混繊交絡糸の総繊度が、本件発明1では、「40~110dtexの範囲」であるのに対して、甲2発明では不明である点。
<相違点11>
本件発明1は、「前記ポリエステル繊維Aと前記ポリエステル繊維Bとの質量比率(A/B)が45/55~80/20の範囲」であるのに対して、甲2発明は、20/80~80/20の範囲である点。
<相違点12>
混繊交絡糸の捲縮率が、本件発明1は、「捲縮率が20~45%の範囲」にあるのに対して、甲1発明は、10~45%の範囲にある点。
<相違点13>
混繊交絡糸の交絡数が、本件発明1は、「160~200個/m」であるのに対して、甲1発明は、90~150個/mである点。
(イ)当審の判断
<相違点13について>
事案に鑑み、まず相違点13について検討する。
甲第2号証には、混繊交絡糸の交絡数について、「交絡数が150個/mを超えると、ポリエステル繊維Aとポリエステル繊維Bとが絡まり過ぎて、捲縮が消失し、上記の突出部も形成されにくくなるため、織編物に高い撥水性能を付与し難くなる。」(【0024】)と記載されている。
そうすると、甲2発明において、交絡数を160~200個/mとすることには阻害要因がある。
ここで、申立人は平成31年2月1日の意見書において、甲第3号証の【0015】には、交絡数を70~180個/mの範囲とすることが記載されている旨主張するが、上記のとおり、甲2発明において、交絡数を160~200個/mとすることには阻害要因があるし、甲第3号証の複合糸は撥水剤を用いるものであって、撥水性を発揮する機序の異なるものであるから、甲2発明に当該甲第3号証記載の事項を適用する動機付けもない。
ウ 小括
したがって、本件発明1は、<相違点8>~<相違点12>について検討するまでもなく、甲2発明及び甲第1~3号証記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、本件発明1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第1項第2号に該当し、取り消されるべきものであるとはいえない。
(5)本件発明2~10について
本件発明2~10は、本件発明1の発明特定事項を全て有し、さらに発明特定事項を付加したものであるから、上記(3)及び(4)で検討したのと同様に、甲1発明及び甲第1~3号証記載の事項に基いて、又は甲2発明及び甲第1~3号証記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、本件発明2~10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第1項第2号に該当し、取り消されるべきものであるとはいえない。
3 取消理由に採用しなかった異議の申立理由について
申立人は、本件発明1、6、7及び9は、甲1発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである旨主張する。
しかし、上記2(3)イで検討したとおり、相違点6は実質的な相違点であるから、本件発明1は、甲1発明であるとはいえない。
また、本件発明6、7及び9は、本件発明1の発明特定事項を全て有し、さらに発明特定事項を付加したものであるから、同様に甲1発明であるとはいえない。
第5 むすび
以上のとおり、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件請求項1~10に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1~10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2018-700480