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商標取消審判

2018-300638

テイビイエム

審判番号
2018-300638
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2008-076843
登録番号
商標登録第5262379号(T5262379)
請求日
2018年08月13日
審決日
2021年04月09日
公報発行日
2021年07月30日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】佐藤 正興
  • 【被請求人】キョーラク 株式会社
  • 【被請求人代理人】SK特許業務法人
  • 【被請求人代理人】奥野 彰彦
  • 【被請求人代理人】伊藤 寛之
審判長/審判官
  • 審判長 榎本 政実
  • 審判官 豊田 純一
  • 審判官 小俣 克巳
分類
T132 .1 -Y (X1720)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項、商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5262379号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

【理 由】 第1 本件商標 本件登録第5262379号商標(以下「本件商標」という。)は、「TBM」の文字を標準文字で表してなり、平成20年(2008年)9月19日に登録出願、第17類「プラスチック基礎製品,プラスチック製積層フィルム,ゴム,ゴム製栓,ゴム製ふた,ゴム製包装用容器」、第20類「家具,貯蔵槽類(金属製又は石製のものを除く。),プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),プラスチック製の包装用容器,荷役用パレット(金属製のものを除く。),工具箱(金属製のものを除く。)」及び第40類「プラスチックプロー成形,その他のプラスチックの加工,ゴムの加工,プラスチック加工機械器具の貸与」を指定商品及び指定役務として、同21年(2009年)9月4日に設定登録されたものである。 そして、本件審判請求の登録は、平成30年(2018年)8月27日にされたものであり、この登録前3年以内の期間を、以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張の要点 請求人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第17類「プラスチック基礎製品,プラスチック製積層フィルム,ゴム,ゴム製栓,ゴム製ふた,ゴム製包装用容器」及び第20類「家具,貯蔵槽類(金属製又は石製のものを除く。),プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),プラスチック製の包装用容器,荷役用パレット(金属製のものを除く。),工具箱(金属製のものを除く。)」(以下「本件取消請求に係る指定商品」という。)の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書及び平成30年(2018年)10月29日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年12月3日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べた。 1 請求の理由 本件商標は、本件取消請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者(以下「商標権者又は使用権者」という。)のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。 2 弁駁の要旨 被請求人の提出に係る乙各号証のいずれをもってしても、商標法第50条第2項で定める登録商標の「使用」を証明したということはできない。 (1)乙第1号証ないし乙第11号証(使用状況1~4)について 被請求人は、乙第1号証ないし乙第11号証を提出して、要証期間に、本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)が本件商標を第17類「プラスチック基礎製品」について使用している旨主張する。 しかしながら、第17類の「プラスチック基礎製品」とは、プラスチックの半加工品を指すものであり、例えば、プラスチック製のフィルム、シート等が該当するのであって、被請求人が提出した乙第1号証、乙第4号証、乙第10号証及び乙第11号証で挙げている商品「入浴介助用バスボード」、「ベランダ用フロアパネル」、「仮設トイレ」、「大型トラクター用の天井パネル」等は最終製品であって、半加工品であるところの「プラスチック基礎製品」ではない。 これらは、「入浴介助用バスボード」を浴室内で使用される取り替え可能な商品と捉えたときには第20類に、「ベランダ用フロアパネル」を建築用パネルと捉えたときには第19類に、「仮設トイレ」を移動式便所と捉えたときには第11類に、「大型トラクター用の天井パネル」を陸上の乗物用の天井パネルと捉えたときには第12類に属する最終製品であり、いずれにしても、第17類の「プラスチック基礎製品」ではない。 このことは、乙第1号証において、最終製品の写真や「入浴介助用バスボード」等の商品名とともに、「大型」、「デザイン性」、「機能集約」といった最終製品としての特長を挙げて各商品を紹介している点からも裏付けられる。 これらの製品について、被請求人は、「本件商品を発注・購入した者が最終製品へと加工して最終需要者に販売が予定されているもの」と主張するが、その詳細は何ら証明されていない。 また、乙第1号証において、「プラスチック製品の総合企業です。」、「事業内容プラスチック製品の製造・加工並びに販売」との文言があることをもって、これらの製品を「プラスチック基礎製品」であると主張するが、当該文言は、「プラスチック最終製品」であっても何ら不自然なものではなく、被請求人は、他に「プラスチック基礎製品」であることを証明していない。 したがって、「プラスチック基礎製品」に本件商標を使用していることが証明されない限り、このような主張をもって、「プラスチック基礎製品」に本件商標が使用されたということはできない。 また、被請求人は、乙第2号証及び乙第3号証に記載されている「パンフレット」が乙第1号証であるとし、乙第1号証のパンフレットが平成29年(2017年)12月28日にデザイン会社から納品されたと主張する。 しかしながら、乙第2号証及び乙第3号証に記載されている「パンフレット」が乙第1号証のパンフレットと同一であるとの証明はされておらず、乙第2号証及び乙第3号証に記載されている「パンフレット」が乙第1号証であるということはできない。 乙第4号証及び乙第5号証については、これらが何のための動画なのか何ら明らかにされていないし、これらが社員募集用の会社案内動画であるならば、当然に商標の「使用」にならない。商標法上の「使用」は、商品の「広告」等に商標が付されていなければならないからである。もっとも、DVDのコピー数量が30部程度(乙8)であることからすると、これらの書証が商品の「広告」であるとは考え難い。 さらに、乙第4号証が乙第5号証のDVDの一部を抜粋したものであるとの証明はされていないし、乙第6号証に記載されている「動画」が乙第5号証であるとの証明、乙第7号証に記載されている「お見積り」が乙第6号証の「お見積書」であるとの証明、乙第8号証及び乙第9号証の「DVD」が乙第5号証の「DVD」であるとの証明もされていない。 加えて、被請求人は、乙第1号証及び乙第5号証をもって、商標法第2条第3項第8号の使用があったと主張するが、パンフレット又はDVDをもって本件商標が使用されたとするには、単に当該パンフレット又はDVDを作成したというだけでは足りず、要証期間に、日本国内において、商標権者又は使用権者のいずれかによって商標法第2条第3項第8号所定の使用行為があったと認められることが必要である。にもかかわらず、被請求人は、商標法第2条第3項第8号所定の使用行為があった事実を示す証拠を一切提出していない。 なお、乙第10号証及び乙第11号証は、いずれも被請求人の作成による提案書であるところ、宛名さえ黒塗りされ、これが展示又は頒布された証拠はないし、「Confidential」と記載されているものが、展示又は頒布されたとは考え難い。さらに、当該提案書に記載されたものが実際に製品化されたかどうか不明であるし、そもそもこのような単なる企画を提案するにすぎないものは、商品に関する「取引書類」でもなければ、「広告」、「価格表」でもない。 よって、乙第1号証ないし乙第11号証によっては、要証期間に日本国内において、「プラスチック基礎製品」について、商標法第2条第3項第8号に該当する「使用」を行ったということはできない。 (2)乙第13号証ないし乙第15号証について 被請求人は、乙第12号証ないし乙第15号証を提出して、要証期間に、本件商標権者が本件商標を第20類「プラスチック製の包装容器」、「荷役用パレット(金属製のものを除く。)」及び「工具箱(金属製のものを除く。)」について使用している旨主張する。 しかしながら、乙第12号証は、被請求人の作成による提案書であるところ、宛名さえ黒塗りされ、これが展示又は頒布された証拠はない。 さらに、当該提案書に記載されたものが実際に製品化されたかどうか不明であるし、そもそもこのような単なる企画を提案するにすぎないものは、商品に関する「取引書類」でもなければ、「広告」及び「価格表」でもない。 また、乙第13号証及び乙第14号証は、単なる内部資料にすぎないし、被請求人は、乙第15号証は、乙第4号証のキャプチャー画像であると主張するが、乙第4号証は、乙第5号証のDVDの一部を抜粋したものであるとの証明はされていないし、当該DVDについて、商標法第2条第3項第8号所定の使用行為があった事実を示す証拠は一切提出されていない。 よって、乙第12号証ないし乙第15号証によっては、要証期間に日本国内において、「プラスチック製の包装容器」、「荷役用パレット(金属製のものを除く。)」及び「工具箱(金属製のものを除く。)」について、商標法第2条第3項第8号に該当する「使用」を行ったということはできない。 (3)結論 以上の諸点を総合すると、被請求人の提出に係る乙各号証のいずれをもってしても、商標法第50条第2項で定める登録商標の「使用」を証明したということはできない。 第3 被請求人の主張の要点 被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書及び平成31年(2019年)3月29日付けでした審尋に対する同年4月26日付け回答書(以下「回答書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、答弁書で乙第1号証ないし乙第15号証を、回答書で乙第16号証を提出した。 1 答弁書による主張の要旨 本件商標は、本件審判請求登録前3年以内に、本件商標権者によって、本件審判請求に係る商品について継続的に使用されている。 (1)商標使用の証拠 ア 本件商標権者が使用している商標の態様について 本件商標は、大文字の欧文字3文字からなる標準文字「TBM」であり、一方、以下に述べる商標使用の証拠に使用されている商標は、登録商標と異なるフォントの「TBM」を使用している。 商標法第50条に定める不使用取消の判断において、社会通念上同一と認められる商標を使用している場合にも、登録商標の使用と認められて取消を免れることができるものである。 使用商標である「TBM」は、本件商標「TBM」と社会通念上同一と認められる商標であって、以下の証拠資料に基づいて述べる商標の使用は、本件商標の使用に当たるものである。 イ 第17類「プラスチック基礎製品」に属する商品の使用状況1について 本件商標権者は、要証期間に、本件商標をその指定商品に属する「入浴介助用バスボード」、「ベランダ用フロアパネル」、「仮設トイレ」、「大型トラクター用の天井パネル」(乙1) 、「超薄型パネル」、「測量機ケース」及び「超音波診断装置ハンドル」(乙1)に継続的に使用している。 本件商標権者は、プラスチック製品の製造及び加工並びに販売を事業とする企業であり(乙1)、本件商品は、いずれもBtoBのプラスチック製商品であり、本件商品を発注、購入した者が最終製品へと加工して最終需要者に販売が予定されているものであって、少なくとも専ら最終製品として販売されるものではないので、本件商品は、「プラスチック基礎製品」に属する商品といる。 また、乙第1号証は、表紙と裏表紙を含めて20ページからなるパンフレットであり、平成29年(2017年)9月12日付でパンフレット作成の見積書(乙2)をデザイン会社に作成してもらい、同年12月28日付で同デザイン会社から完成したパンフレットが納品された(乙3)。 乙第1号証のパンフレットは、その発行日が付されていないものの、乙第2号証及び乙第3号証から、平成29年(2017年)12月28日付けでデザイン会社から納品されているので、当該パンフレットは、顧客等への配布を始めた平成30年(2018年)1月には使用されていたことが確認できる。 以上のことから、本件商標は、本件審判請求日である平成30年(2018年)8月13日以前から、「入浴介助用バスボード」、「ベランダ用フロアパネル」、「仮設トイレ」、「大型トラクター用の天井パネル」、「超薄型パネル」、「測量機ケース」及び「超音波診断装置ハンドル」について継続的に使用(商標法第2条第3項第8号)されていたことは明らかである。 よって、上記の使用証明により、本件商標が当該指定商品について取消されるべき理由は存在しない。 ウ 第17類「プラスチック基礎製品」に属する商品の使用状況2について 本件商標権者は、要証期間に、本件商標をその指定商品に属する「ベランダ用フロアパネル」、「仮設トイレ」、「大型トラクター用の天井パネル」、「超薄型パネル」、「測量機ケース」及び「浴室バスエプロン・カウンター」に継続的に使用している(乙4)。 これらの商品は、これらの商品を発注、購入した者が最終製品へと加工して最終需要者に販売が予定されているものであって、少なくとも専ら最終製品として販売されるものではないから、これらの商品は、「プラスチック基礎製品」に属する商品といえる。 また、乙第4号証の会社案内動画は、作成されたDVDの映像の抜粋したものであり、実際に作成されたDVDの表ラベルは、乙第5号証になる。乙第5号証には、乙第4号証の会社案内動画が平成30年(2018年)2月時点の内容であることがわかる。 さらに、乙第4号証の会社案内動画は、平成30年(2018年)2月26日付で会社案内動画制作の見積書(乙6)をデザイン会社に作成してもらい、翌日付で同デザイン会社に発注した(乙7)。 加えて、作成された会社案内動画は、DVD制作の見積書(乙8)をDVD制作会社から作成してもらい、平成30年(2018年)3月8日付で会社案内動画のDVDの作成を依頼し(乙9)、平成30年(2018年)3月14日に本件商標権者宛に発送された(乙9)。 このことから、当該会社案内動画は、顧客等への広告、営業ツールとして平成30年(2018年)3月には使用されていたことが確認できる。 以上のことから、本件商標は、要証期間に、「ベランダ用フロアパネル」、「仮設トイレ」、「大型トラクター用の天井パネル」、「超薄型パネル」、「測量機ケース」及び「浴室バスエプロン・カウンター」について継続的に使用(商標法第2条第3項第8号)されていたことは明らかである。 よって、上記の使用証明により、本件商標が当該指定商品について取消されるべき理由は存在しない。 エ 第17類「プラスチック基礎製品」に属する商品の使用状況3について 本件商標権者は、要証期間に、本件商標をその指定商品に属する「プラスチック製カウンターテーブル」に使用している(乙10)。 この商品は、本件商品を発注、購入した者が最終製品へと加工して最終需要者に販売が予定されているものであって、少なくとも専ら最終製品として販売されるものではないから、この商品は、「プラスチック基礎製品」に属する商品といえる。 また、乙第10号証は、顧客に対する広告、取引書類としてのプラスチック製カウンターテーブルの提案書を示しており、平成28年(2016年)12月1日付で使用されたこと確認できる。 以上のことから、本件商標は、要証期間に、「プラスチック製カウンターテーブル」について使用(商標法第2条第3項第8号)されていたことは明らかである。 よって、上記の使用証明により、本件商標が当該指定商品について取消されるべき理由は存在しない。 オ 第17類「プラスチック基礎製品」に属する商品の使用状況4について 本件商標権者は、本件商標をその指定商品に属する「プラスチック製風呂蓋」に使用している(乙11)。 この商品は、この商品を発注、購入した者が最終製品へと加工して最終需要者に販売が予定されているものであって、少なくとも専ら最終製品として販売されるものではないから、この商品は、「プラスチック基礎製品」に属する商品といえる。 また、乙第11号証は、顧客に対する広告、取引書類としての「プラスチック製風呂蓋」の提案書を示しており、平成28年(2016年)11月21日付で使用されたこと確認できる。 以上のことから、本件商標は、要証期間に、「プラスチック製風呂蓋」について使用(商標法第2条第3項第8号)されていたことは明らかである。 よって、上記の使用証明により、本件商標が当該指定商品について取消されるべき理由は存在しない。 カ 第20類「プラスチック製の包装用容器」に属する商品の使用状況について 本件商標権者は、要証期間に、本件商標をその指定商品に属する「硬質樹脂(プラスチック)製コンテナボックス」に継続的に使用しており(乙12、乙13)、この商品は、「プラスチック製の包装用容器」に属する商品といえる。 また、乙第12号証は、平成29年(2017年)9月29日付の提案書として使用されたこと確認でき、乙第13号証は、乙第12号証を元に作成された、同年11月9日付の仕様図として使用されたことが確認できる。 以上のことから、本件商標は、要証期間に、「硬質樹脂( プラスチック)製コンテナボックス」について使用(商標法第2条第3項第8号)されていたことは明らかである。 よって、上記の使用証明により、本件商標が当該指定商品について取消されるべき理由は存在しない。 キ 第20類「荷役用パレット(金属製のものを除く。)」に属する商品の使用状況について 本件商標権者は、要証期間に、本件商標をその指定商品に属する「プラスチック製パレット」に継続的に使用している(乙14)。 この商品は、「荷役用パレット(金属製のものを除く。)」に属する商品といえる。 また、乙第14号証は、平成30年(2018年)5月24日付の仕様図として使用されたことが確認できる。 以上のことから、本件商標は、要証期間に、「プラスチック製パレット」について使用(商標法第2条第3項第8号)されていたことは明らかである。 よって、上記の使用証明により、本件商標が当該指定商品について取消されるべき理由は存在しない。 ク 第20類「工具箱(金属製のものを除く。)」に属する商品の使用状況について 本件商標権者は、要証期間に、本件商標をその指定商品に属する「プラスチック製工具箱」に継続的に使用している(乙4、乙15)。 この商品は、「工具箱( 金属製のものを除く。) 」に属する商品といえる。 また、乙第4号証の会社案内動画は、顧客等への広告、営業ツールとして平成30年(2018年)3月には使用されていたものであることが確認できる。 以上のことから、本件商標は、要証期間に、「プラスチック製工具箱」について継続的に使用(商標法第2条第3項第8号)されていたことは明らかである。 よって、上記の使用証明により、本件商標が当該指定商品について取消されるべき理由は存在しない。 (2)結論 上記の事実に鑑み、本件商標がその指定商品中、第17類「プラスチック基礎製品」、第20類「プラスチック製の包装用容器,荷役用パレット(金属製のものを除く。),工具箱(金属製のものを除く。)」について使用していることは疑いがない。 2 回答書による主張の要旨 (1)当審における審尋 審判長は、被請求人に対し、平成31年(2019年)3月29日付けで、合議体の暫定的見解を示し、被請求人が答弁書で提出した乙各号証によっては、要証期間に、商標権者又は使用権者が、本件審判請求に係る指定商品について、本件商標を使用していることを証明しているものとはいえない旨の審尋を送付し、期間を指定して、これに対する意見を求めた。 (2)回答書による主張の要旨 被請求人は、前記(1)の審尋に対し、回答書において要旨以下のように述べた。 被請求人は、新たな証拠として、見積書である乙第16号証を提出する。 乙第16号証は、<備考欄>からも明らかであるとおり、乙第14号証にかかる「プラスチック製パレットの仕様図」を作成する前に発行された当該プラスチック製パレットの見積書(平成29年(2017年)12月21日付)になり、本件商標「TBM」と社会通念上同一と認められる態様の商標を「【TBMパレットお見積り】」の項目において使用している。 すなわち、当該見積書を提供する行為は、商標法第2条第3項第8号「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」における、商品に関する価格表又は取引書類に標章を付して提供する行為に該当するものといえる。 以上のことから、本件商標は、要証期間に、「プラスチック製パレット」について使用(商標法第2条第3項第8号)されていたことは明らかである。 第4 当審の判断 1 被請求人の立証責任 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。 すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 商標権者又は使用権者のいずれかが、エ 本件審判請求に係る指定商品のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。 2 被請求人の提出した乙各号証によれば、以下のとおりである。 (1)乙第14号証について 乙第14号証は、パレットの仕様図であり、本号証の全面にパレットの仕様図が記載されており、本号証の右下の表の「材質」の欄に「PP+PE EPP」の記載、「製品名」の欄に「TBMパレット」の記載、「年月日」の欄に「2018.05.24」の記載及び太字で「KYORAKU」の欧文字が記載されている。 (2)乙第16号証について 乙第16号証は、本件商標権者である「キョーラク株式会社」が、2017年(平成29年)12月21日付けで発行した、需要者向けの見積書であり、本号証の右上に「平成29年12月21日」の記載、その下に「キョーラク株式会社 東京支店」の記載があり、【TBMパレット お見積もり】の記載の下の表中、項目の欄に「1)TBMパレット」の記載、備考欄には、パレットの仕様図が記載されている。 3 判断 上記2からすると、以下のように判断できる。 (1)使用者について 本件商標の使用者は、本件商標権者と判断できる。 (2)使用商標及び本件商標と使用商標との社会通念上同一性について 本件商標は、前記第1のとおり、「TBM」の文字を標準文字で表してなるものである。 一方、パレットの仕様図(乙14)及び見積書(乙16)に記載された使用商標は、「TBMパレット」であるところ、その構成中の「パレット」の文字部分は、荷物を載せる荷役台を表示する商品名であるから、使用商標は「TBM」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を有するものである。 そして、本件商標「TBM」と使用商標中の「TBM」は、字体に相違はあるものの、同じ「TBM」の欧文字からなるものであり、「ティービーエム」の称呼も共通にするものである。 そうすると、本件商標と使用商標は、社会通念上同一の商標であると判断するのが相当である。 (3)使用商品について 使用商標が使用された商品「パレット」は、パレットの仕様図(乙14)における材質の欄の記載から、プラスチック製であることがわかる。 そして、「プラスチック製パレット」は、本件取消請求に係る指定商品中の「荷役用パレット(金属製のものを除く。)」に含まれる商品であるといえる。 (4)使用時期について 本件商標権者は、2017年(平成29年)12月21日付け需要者向け見積書に、本件商標と社会通念上同一と判断できる「TBMパレット」の商標を使用した。 そして、見積書の発行日である2017年(平成29年)12月21日は、要証期間である。 (5)小括 上記(1)ないし(4)からすると、本件商標権者は、要証期間である2017年(平成29年)12月21日に発行した「プラスチック製パレット」の取引書類である見積書に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用したものと認めることができる。 そして、本件商標権者による上記行為は、「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当するものである。 4 まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、本件商標権者が本件審判請求に係る指定商品中「荷役用パレット(金属製のものを除く。)」の範ちゅうに属する商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したと認め得るところである。 したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-300638

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