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特許拒絶査定不服審判

2018-008200

遊技機

審判番号
2018-008200
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-250101外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年06月14日
審決日
2019年04月16日
公報発行日
2019年07月26日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-250101号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 6月29日出願公開、特開2017-113158号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 1 手続の経緯・本願発明 (1)手続の経緯 本願は、平成27年12月22日に出願された特願2015-250101号であり、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。 平成29年 1月31日付け:拒絶理由通知 平成29年 4月 7日  :意見書、手続補正書の提出 平成29年 8月23日付け:拒絶理由通知(最後) 平成29年10月25日  :意見書、手続補正書の提出 平成30年 3月23日付け:平成29年10月25日の手続補正についての補正の却下の決定、拒絶査定 平成30年 6月14日  :審判請求書、手続補正書の提出 平成31年 1月17日付け:拒絶理由通知(以下、通知された拒絶の理由を「当審拒絶理由」という。) 平成31年 3月14日  :意見書(以下単に「意見書」という。)、手続補正書(以下、該手続補正書による補正を「本件補正」という。)の提出 (2)本願発明 本願の請求項1に係る発明は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものであると認める。 「 表示手段と、 閉鎖状態にある入賞領域が所定条件の成立まで開放状態となる単位遊技を複数回繰り返す大当たり遊技中に、当該大当たり遊技の進行に関する進行情報を前記表示手段に示す進行情報制御手段と、 前記進行情報を用いて、前記大当たり遊技中に実行される可能性がある演出であって発生するタイミングが不定期である特別演出が、当該大当たり遊技におけるN回目(Nは0を除く自然数)の前記単位遊技で発生することを予告する特別演出予告手段と、 を備え、 前記特別演出は、遊技者に有利な事象が発生する場合には結末として成功演出が実行され、遊技者に有利な事象が発生しない場合には結末として失敗演出が実行されることで、遊技者に有利な事象が発生するか否かを報知する演出であることを特徴とする遊技機。」(以下「本願発明」という。) 2 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由は、概略、次のとおりのものである。 (進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用例に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 ・請求項1 ・引用例 引用例1.特開2015-188612号公報 引用例2.特開2009-219507号公報 3 引用例の記載及び引用発明 (1)引用例1 当審拒絶理由で引用例1として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-188612号公報(平成27年11月2日公開)(以下同じく「引用例1」という。)には、遊技機に関し、次の事項が図とともに記載されている。 ア 「【技術分野】 【0001】 本発明は、複数の遊技区間において遊技を実行可能な遊技機に関する。 【背景技術】 【0002】 従来より、複数の遊技区間(例えば大当り遊技中の各ラウンド)において遊技を実行可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機)が知られている。また特許文献1に示すように、大当り遊技中の特定のラウンドにおいて、特定演出(例えば確変大当りに昇格するか否かの確変昇格演出)を行うパチンコ遊技機が知られている。さらに特許文献2に示すように、大当り遊技中の各ラウンドが消化済みであるか未消化であるかを示すラウンド表示オブジェクトを並べることにより、ラウンドの進行状況を表示するパチンコ遊技機も知られている。 ・・・略・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 このような遊技機において、特定演出が実行されるのがいずれの遊技区間であるかを遊技者が把握しやすくすることが求められる。 【0005】 本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、複数の遊技区間において遊技を実行可能な遊技機で、特定演出が実行されるのがいずれの遊技区間であるかを遊技者が把握しやすくすることにある。」 イ 「【発明を実施するための形態】 【0019】 以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)と、遊技盤を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域2が形成されている。この遊技領域2には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。 ・・・略・・・ 【0022】 遊技盤における遊技領域2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。 ・・・略・・・ 【0037】 下特別可変入賞球装置7Bの内部には、図3に示すように、下大入賞口扉71により開放状態となった下大入賞口に進入した遊技球が、所定の確変領域を通過して、あるいは通過せずに、下特別可変入賞球装置7Bからの排出経路まで誘導する誘導経路が設けられている。下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球は、まず入賞した遊技球を検出するための下大入賞口スイッチ23Bが設けられた経路を通過したのち、確変領域への誘導路と、確変領域を通過せず排出経路に誘導する誘導路と、への分岐点に誘導される。」 ウ 「【0049】 本実施の形態では、後述する確変状態とは異なる通常遊技状態では、普通可変表示装置6Bは第2可変状態(閉鎖状態)であるので、第2始動入賞口を遊技球が通過困難又は通過不可能である。よって、第2特図を用いた特図ゲームは開始されない(あるいは、開始が困難である)。そこで、未だ確変状態に制御されない通常遊技状態においては、遊技者は遊技球を左遊技領域2Aへと誘導して、第1始動入賞口への入賞に基づく第1特図を用いた特図ゲームの開始と、該特図ゲームの「大当り」を目指すこととなる。第1特図を用いた特図ゲームの結果「大当り」の可変表示結果が導出された事に基づく大当り遊技状態においては、特定のラウンド(第5ラウンド)にて下特別可変入賞球装置7Bに遊技球が進入し、さらに確変領域を通過することが可能となる。確変領域を遊技球が通過すると、後述する確変確定フラグがセットされ、確変状態に制御される特別遊技状態への移行が確定する。その後大当り遊技状態が終了すると、確変状態に制御され、普通可変表示装置6Bが第1可変状態(開放状態)に変化して、第2始動入賞口を遊技球が通過可能となる。後述するように、本実施形態では第2特図ゲームは第1特図ゲームよりも有利である。そのため、遊技者は遊技球を右遊技領域2Aへと誘導して、第2始動入賞口への入賞に基づく第2特図を用いた特図ゲームの開始と、該特図ゲームの「大当り」を目指すこととなる。このような構成により、遊技状態に応じて変化する多様な遊技体験を遊技者に提供できる。」 エ 「【0054】 大当り遊技状態では、上大入賞口又は下大入賞口が開放状態となって上特別可変入賞球装置7A又は下特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば20秒間、約27秒間、又は、52ミリ秒間)あるいは所定個数(例えば6個)の遊技球が上大入賞口又は下大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、上大入賞口又は下大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難又は発生不可能となる。上大入賞口に遊技球が進入したときには、上大入賞口スイッチ23Aにより入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。下大入賞口に遊技球が進入したときには、下大入賞口スイッチ23Bにより入賞球が検出され、同様に所定個の遊技球が払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「16」)に達するまで繰返し実行される。従って、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。」 オ 「【0061】 本実施の形態では、可変表示結果が「大当り」であった場合の大当り種別として、その「大当り」に基づき制御される大当り遊技状態において、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「5」であるとき(第5ラウンド)に、下大入賞口を開放状態とする上限時間が異なる複数種類の大当り種別がある。一例として、後述する図14に示すように、大当り種別が「第1大当り」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が約27秒(52ミリ秒+27秒)に設定された「第1大当り遊技状態」に制御される。また大当り種別が「第2大当り」の場合にも、下大入賞口を開放状態とする上限時間が約27秒(52ミリ秒+27秒)に設定された「第2大当り遊技状態」に制御される。一方、大当り種別が「第3大当り」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が52ミリ秒に設定された「第3大当り遊技状態」に制御される。 ・・・略・・・ 【0064】 パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。」 カ 「【0087】 演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。 ・・・略・・・ 【0128】 この実施の形態では、大当り種別にかかわらず、16ラウンドのラウンド遊技が実行され、大当り遊技状態における所定の確変開放ラウンド(ラウンド遊技の実行回数が「5」である第5ラウンド)にて下大入賞口を開放状態とする。通常開放ラウンド(第1~4,6~16ラウンド)では上大入賞口を開放状態とする。ここで、大当り種別が「第3大当り」の場合よりも、大当り種別が「第1大当り」又は「第2大当り」の場合に、大当り遊技状態における所定の確変開放ラウンドで、下大入賞口を開放状態とする上限時間が長くなり、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。 ・・・略・・・ 【0130】 本実施の形態では、大当り種別が「第3大当り」の場合は、下大入賞口を開放する上限時間が52ミリ秒と短いため、下大入賞口に遊技球が進入する割合は非常に低い。そのため、確変制御条件が成立する割合も非常に低い。一方、大当り種別が「第1大当り」又は「第2大当り」の場合は、下大入賞口を開放する上限時間が約27秒(52ミリ秒+27秒)であるため、下大入賞口に遊技球が進入する確率は高い。よって、確変制御条件が成立する割合も高い。このため、通常遊技状態から確変状態に制御される特別遊技状態となる割合(いわゆる初当りで確変する敷居)を低くする一方、一旦確変状態に制御された場合には高い割合で「大当り」が続く(所謂連チャン状態)、といった設定が可能となる。」 キ 「【0243】 図26は、図25に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じて、S800~S807のうちのいずれかの処理を行い、各処理において、以下のような処理を実行する。この演出制御プロセス処理では、画像表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよく、この場合に、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。 【0244】 変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。 【0245】 演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。 【0246】 演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御すると共に、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。 【0247】 演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)又は変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。 【0248】 大当り表示処理(S804):大当りである場合には、変動時間の終了後、画像表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。 【0249】 本発明では、この大当り表示処理において、図31(a),図32(a),又は図33(a)に示すように、遊技区間(各ラウンド)に対応する遊技区間表示(丸印や星印)を表示可能であり、該遊技区間には、特定演出(本例では「Vを狙え」の文字表示を表示するVラウンド演出)を実行可能な特定区間(本例では前記確変開放ラウンドである第5ラウンド)と、該特定区間以外の所定区間(本例では前記通常開放ラウンドである第1~第4,第6~第16ラウンド)とが有り、前記特定区間を示す特定区間表示(星印)と、前記所定区間を示す所定区間表示(丸印)とを表示可能である。 【0250】 ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。本発明では、前記特定区間(第5ラウンド)において、図31(c)又は図32(c)に示すように、前記特定演出(「Vを狙え」の文字表示)を実行可能である。 【0251】 ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。本発明では、図31(b),図32(b),又は図33(b)に示すように、所定区間が終了したことを示す終了所定区間表示(丸印に×を付記)を表示可能であると共に、図31(d),図32(d),又は図33(d)に示すように、特定区間が終了したことを示す終了特定区間表示(星印に「成功」又は「失敗」を付記)を表示可能である。 ・・・略・・・ 【0258】 ここで特定演出が実行されるのは第1大当りと第2大当りなので、各星印について、(第1大当りにおける決定割合+第2大当りにおける決定割合)/(第1大当りにおける決定割合+第2大当りにおける決定割合+第3大当りにおける決定割合)の式で算出される「特定演出の実行確率」は、黒星が100%,斜線星が70%,白星が33%である。つまり、黒星>斜線星>白星の順に、特定演出は実行されやすく、遊技者にとって大当りの有利度が高い順に、黒星>斜線星>白星が決定されやすい。 ・・・略・・・ 【0270】 また本発明では、第5ラウンドにおいて、第1大当りの場合には、図31(c)に示すように、画像表示装置5の右上に「Vを狙え」と表示する特定演出であるVラウンド演出を実行し、第2大当りの場合にも、図32(c)に示すように、画像表示装置5の右上に「Vを狙え」と表示する特定演出を実行する一方、第3大当りの場合には、該特定演出を実行せずに、図33(c)に示すように、画像表示装置5の右上に「残念」と表示する演出を実行するが、この詳細については、図31~図33を参照して後述する。また第1ラウンド~第4ラウンドにおいて、第2大当り及び第3大当りの場合には、画像表示装置5の上部に的に向かって矢が飛ぶ演出を実行するが、この詳細についても、図31~図33を参照して後述する。 ・・・略・・・ 【0276】 また本発明では、前記所定区間表示として、前記所定区間が終了したことを示す終了所定区間表示(丸印に×を付記)を表示すると共に、前記特定区間表示として、前記特定区間が終了したことを示す終了特定区間表示(星印に「成功」又は「失敗」を付記)を表示する。ここで終了特定区間表示として、図31(d)又は図32(d)に示すように、特定演出(「Vを狙え」と表示)が実行されたことを示す第1終了特定区間表示(星印に「成功」を付記)と、図33(d)に示すように、特定演出が実行されなかったことを示す第2終了特定区間表示(星印に「失敗」を付記)を表示可能である。これによれば、特定区間が終了したことを示す終了特定区間表示として、特定演出が実行されたことを示す第1終了特定区間表示が表示されるので、特定演出が実行されたか否かを遊技者が忘れてしまうことを防止できる。 ・・・略・・・ 【0279】 図31は、第1大当り(16ラウンド確変)において画像表示装置5に表示される画面の一例を示す図である。」 ク 「【図31】 ・・・略・・・ 【図33】 」 ケ 上記イの「【0019】・・・パチンコ遊技機(遊技機)1は、・・・遊技盤(ゲージ盤)と、・・・から構成されている。」、「【0022】 遊技盤・・・には、画像表示装置5が設けられている。」との記載から、パチンコ遊技機1は、画像表示装置5を備えるといえる。 コ 上記オの「【0064】 パチンコ遊技機1には、・・・、演出制御基板12、・・・が搭載されている。」との記載、上記カの「【0087】 演出制御基板12には、・・・演出制御用CPU120と、・・・とが搭載されている。」との記載から、パチンコ遊技機1は、演出制御用CPU120を備えるといえる。 サ 上記キの「【0243】・・・演出制御用CPU120は、・・・、S800~S807のうちのいずれかの処理を行い、」、「【0248】 大当り表示処理(S804)」、「【0251】 ラウンド後処理(S806)」、「【0279】 図31は、・・・画像表示装置5に表示される画面の一例を示す図である。」との記載から、演出制御用CPU120は、遊技区間表示(丸印や星印)を画像表示装置5で表示可能な大当り表示処理を実行するものであるとともに、終了所定区間表示(丸印に×を付記)を画像表示装置5で表示可能なラウンド後処理も実行するといえる。 シ 上記アないしサからみて、引用例1には、実施形態として、次の発明が記載されているものと認められる(なお、引用箇所の段落番号等を併記した。)。 「a 画像表示装置5(【0022】、上記ケ)と、 b 所定期間(例えば20秒間、約27秒間、又は、52ミリ秒間)あるいは所定個数(例えば6個)の遊技球が上大入賞口又は下大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、閉鎖状態であった上大入賞口又は下大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が所定の上限回数に達するまで繰返し実行される大当り遊技状態において、遊技区間(各ラウンド)に対応する遊技区間表示(丸印や星印)を画像表示装置5で表示可能である大当り処理を実行し、所定区間が終了したことを示す終了所定区間表示(丸印に×を付記)を表示可能である、ラウンド後処理を実行し(【0054】、【0249】、【0251】、図31、上記サ)、 c 前記遊技区間には、「Vを狙え」と表示する特定演出又は「残念」と表示する演出を実行可能な特定区間(確変開放ラウンドである第5ラウンド)が有り、該特定区間を示す星印の表示を実行する(【0249】、【0247】、図31、図33、上記サ)、 演出制御用CPU120(【0243】、上記コ)と、 を備え、 d 特定演出(「Vを狙え」と表示)が実行されたことを示す星印に「成功」を付記する表示と、特定演出が実行されなかったことを示す星印に「失敗」を付記する表示とが可能であり(【0276】)、第1ないし第3大当りのうち、第1大当り又は第2大当りの場合には特定演出が実行され、第3大当りの場合には「残念」と表示する演出が実行され(【0061】、【0258】、【0270】)、前記特定区間(第5ラウンド)にて、第1大当り又は第2大当りの場合は下大入賞口に遊技球が進入する確率が高く、第3大当りの場合は下大入賞口に遊技球が進入する確率が非常に低く(【0130】)、下大入賞口の確変領域を遊技球が通過すると、確変確定フラグがセットされ、確変状態に制御される特別遊技状態への移行が確定する(【0037】、【0049】)、 e パチンコ遊技機1(【0019】)。」(以下「引用発明」という。なお、記号aないしeについては、本願発明の後述するAないしEに対応するように合議体が付した。) (2)引用例2 当審拒絶理由で引用例2として引用され、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2009-219507号公報(平成21年10月1日公開)(以下同じく「引用例2」という。)には、弾球遊技機に関し、次の事項が図とともに記載されている。 ア 「【技術分野】 【0001】 本発明は、遊技盤面に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う弾球遊技機に関する。」 イ 「【0102】 ここで再変動演出とは、リーチ状態で最後の意匠図柄が外れの図柄で極短時間だけ停止表示(いわゆる仮停止)された後、直ちに全ての意匠図柄の変動表示が再開される演出をいう。一見した限りでは、変動表示装置27で2回の図柄変動が行われているように見えるが、図柄表示装置28の特別図柄は1回しか変動表示していない。すなわち再変動演出は、仮停止と再変動とが一体となって連続して行われる特殊な演出態様となっている。また、昇格演出とは、通常図柄(ここでは偶数を表す意匠図柄)が揃う当りリーチが発生した後、その当り態様が確変当りに変更される可能性があることを報知する演出である。再変動演出も昇格演出も、遊技者が選んだ選択図柄によるリーチ演出だけでなく、そのリーチ演出後に行われる内容も含んだ演出となっている。このように、本実施例の遊技機1では、遊技者が選択したリーチ図柄(選択図柄)に基づいて、リーチ演出および、そのリーチ演出後に行う演出の内容を決定しているために、遊技者の遊技に対する興趣を大きく掻き立てることが可能となっているのである。この点については、後ほど詳しく説明する。 ・・・略・・・ 【0112】 尚、昇格演出決定テーブルを参照して決定される昇格演出は、変動表示装置27の画面上では、当りリーチの演出と、それに続く昇格演出の2つの演出が含まれているが、図柄表示装置28の特別図柄は1回しか変動表示していない。従って、ここで決定される昇格演出も、当りリーチの演出と昇格演出とが一体となって連続して行われる特殊な演出態様となっている。」 ウ 「【0119】 D-2.大当り遊技演出処理 : 図20は、第1実施例の遊技機1で大当り遊技の演出を行うための大当り演出処理の前半部分を示すフローチャートである。また、図21は、大当り演出処理の後半部分を示すフローチャートである。かかる処理も、サブ制御基板220に搭載されたCPU221によって実行される処理である。 【0120】 大当り演出処理(S1500)では、先ず始めに、主制御基板200から大当り開始コマンドを受け取ったか否かを判断する(S1502)。大当り開始コマンドとは、大当り遊技を開始する旨をサブ制御基板220に対して連絡するコマンドであり、図12を用いて前述したように、特別図柄遊技処理の中で特別図柄が当り図柄で停止表示されると、主制御基板200からサブ制御基板220に向かって出力されるコマンドである(図12のS362)。大当り演出処理では、先ず始めに、大当り開始コマンドを主制御基板200から受け取ったか否かを判断し(S1502)、未だコマンドを受け取っていない場合は(S1502:no)、コマンドを受け取るまで、そのまま待機状態となる。そして、大当り開始コマンドを受け取ったと判断されたら(S1502:yes)、予め設定されている大当り開始演出を実施する(S1504)。ここで、大当り開始演出とは、大当り遊技を開始する際に行われる演出であり、確変当りによる大当り遊技が開始される場合と、通常当りによる大当り遊技が開始される場合とでは、異なる内容の大当り開始演出が設けられている。また、図16を用いて前述した再変動演出内容決定処理のS1106またはS1110、あるいは図18を用いて前述した昇格演出内容決定処理のS1212またはS1218において、大当り開始演出の内容は予め設定されている。そこで、図20の大当り演出処理では、主制御基板200から大当り開始コマンドを受け取ると、予め設定されている内容の大当り開始演出を実施する(S1504)。 【0121】 次に、主制御基板200からラウンド数指定コマンドを受け取ったか否かを判断する(S1506)。ここでラウンド数指定コマンドとは、図13に示した特別電動役物遊技処理の中で、大入賞口31dが開口して新たなラウンド遊技が開始される際に、そのラウンド遊技が何回目のラウンド遊技であるかを指定するために、サブ制御基板220に向かって出力されるコマンドである(図13のS410参照)。ラウンド数指定コマンドを受け取っていない場合は(S1506:no)、大当り終了コマンドを受け取ったか否かを判断する(図21のS1522)。大当り終了コマンドとは、大当り遊技を終了する旨をサブ制御基板220に対して連絡するコマンドである。図13を用いて前述したように、大当り終了コマンドは、所定回数のラウンド遊技を終了したと判断された場合に、主制御基板200からサブ制御基板220に向かって出力される(図13のS420を参照)。そして、大当り終了コマンドを受け取っていないと判断された場合は(S1522:no)、再び、ラウンド数指定コマンドを受け取ったか否かを判断する(図20のS1506)。大当り開始演出を開始した後は(S1504)、このように、ラウンド数指定コマンドまたは大当り終了コマンドの何れかを受け取ったか否かの判断を繰り返しながら待機状態となる。 【0122】 図13を用いて前述したように、主制御基板200で行われる特別電動役物遊技処理では、所定回のラウンド遊技を行った後に大当り終了コマンドが出力される。従って、大当り開始コマンドに続いて出力されるのは、ラウンド数指定コマンドである。そこで、図20の大当り演出処理では、やがて、ラウンド数指定コマンドを受け取ったと判断されて(S1506:yes)、ラウンド遊技中に行われるラウンド演出を開始する(S1508)。 【0123】 続いて、開始されたラウンド遊技が、昇格演出ラウンドか否かを判断する(S1510)。ここで、昇格演出ラウンドとは、昇格演出を行うラウンドである。本実施例の遊技機1では、大当り遊技は、15回のラウンド遊技を行うと終了するが、12回目のラウンド遊技が昇格演出ラウンドに設定されている。そこで、S1510では、開始されたラウンド遊技が、12回目のラウンド遊技か否かを判断する。尚、本実施例では、昇格演出ラウンドは、決まった回数のラウンド遊技に固定されているものとして説明するが、もちろん、昇格演出ラウンドを抽選によって決定しても良い。あるいは、昇格演出ラウンドを複数回のラウンド遊技(例えば、5ラウンド目、10ラウンド目、15ラウンド目の3回のラウンド遊技)に設定しても良い。」 エ 「【0126】 これに対して、昇格演出ラウンドに達したときに(S1510:yes)、昇格フラグがONに設定されていると判断された場合には(S1512:yes)、今度は、昇格成功フラグがONに設定されているか否かを判断する(S1514)。前述したように昇格成功フラグとは、昇格演出で確変状態に昇格させるべきことを記憶しておくために設定されるフラグである。昇格成功フラグがONに設定されていた場合は(S1514:yes)、昇格成功演出を実行する(S1516)。ここで昇格成功演出とは、ラウンド遊技の演出中に、その大当り遊技を開始することになった当り態様が、通常当りから確変当りに変更される可能性がある旨を遊技者に報知する演出(ラウンド昇格演出)を行った後に、確変当り態様に変更されたことを報知する演出である。一方、昇格成功フラグがONに設定されていない場合は(S1514:no)、昇格失敗演出を実行する(S1518)。ここで昇格失敗演出とは、ラウンド遊技の演出中に、ラウンド昇格演出を行った後、確変当り態様に変更されなかったことを報知する演出である。」 オ 「【0130】 大当り開始演出や昇格演出は、サブ制御基板220のCPU221が図20および図21の大当り演出処理を実行することによって行われているから、サブ制御基板220のCPU221は、今まで行ってきた大当り演出が「確変当りの演出」であるか否かを容易に判断することができる。その結果、確変当りの演出であると判断した場合は(S1524:yes)、確変当り用の大当り終了演出を実行し(S1526)、逆に、確変当りの演出ではないと判断した場合には(S1524:no)、通常当り用の大当り終了演出を実行する(S1528)。ここで、大当り終了演出とは、大当り遊技の終了時に行われる演出であり、大当り遊技の終了後に遊技状態が確変状態になる場合と、通常状態になる場合とで、異なる演出内容が設定されている。そこで、大当り演出が確変当りの演出であるか否かに応じて(S1524)、確変当り用あるいは通常当り用の大当り終了演出を行った後(S1526、S1528)、図20および図21に示した大当り演出処理を終了する。」 カ 「【図20】 【図21】 」 キ 上記イの「【0102】・・・。また、昇格演出とは、通常図柄・・・が揃う当りリーチが発生した後、その当り態様が確変当りに変更される可能性があることを報知する演出である。・・・昇格演出も、遊技者が選んだ選択図柄によるリーチ演出だけでなく、そのリーチ演出後に行われる内容も含んだ演出となっている。」との記載、上記ウの「【0119】D-2.大当り遊技演出処理 :・・・【0123】・・・開始されたラウンド遊技が、昇格演出ラウンドか否かを判断する(S1510)。ここで、昇格演出ラウンドとは、昇格演出を行うラウンドである。・・・昇格演出ラウンドを抽選によって決定しても良い。」との記載から、昇格演出は、リーチ演出後に行われるものも含んでおり、通常図柄が揃う当りリーチが発生した後、通常図柄が揃う当りを経てなされる大当り遊技のラウンド中で行われるものも含んでいるから、引用例2の弾球遊技機は、通常図柄が揃う当りが発生した後、その当り態様が確変当りに変更される可能性があることを報知する昇格演出を実行可能であり、該昇格演出を大当り遊技のラウンド遊技で実行する昇格演出ラウンドを抽選によって決定するものといえる。 ク 上記イの「【0112】・・・変動表示装置27の画面上では、当りリーチの演出と、それに続く昇格演出の2つの演出が含まれている」との記載より、弾球遊技機は、変動表示装置27を備え、昇格演出は変動表示装置27で表示されることは明らかである。 ケ 上記アないしクからみて、引用例2には、次の事項が記載されているものと認められる(なお、引用箇所の段落番号等を併記した。)。 「a 変動表示装置27を有し(【0112】、上記ク)、 c 通常図柄が揃う当りが発生した後、その当り態様が確変当りに変更される可能性があることを報知する昇格演出を変動表示装置27で表示し、該昇格演出を大当り遊技のラウンド遊技で実行する昇格演出ラウンドを抽選によって決定するものであり(上記キ、ク)、 d 前記昇格演出は、ラウンド遊技の演出中に、その大当り遊技を開始することになった当り態様が、通常当りから確変当りに変更される可能性がある旨を遊技者に報知する演出(ラウンド昇格演出)を行った後に、昇格成功フラグがONに設定されていた場合は、確変当り態様に変更されたことを報知する昇格成功演出を実行し、昇格成功フラグがONに設定されていない場合は、確変当り態様に変更されなかったことを報知する昇格失敗演出を実行するものである(【0126】)、 e 弾球遊技機(【0001】)。」(以下「引用例2の記載事項」という。なお、記号a、c、d、eについては、本願発明の後述するA、C、D、Eに対応するように合議体が付した。) 4 対比 (1)本願発明を再掲すると以下のとおりである。 「A 表示手段と、 B 閉鎖状態にある入賞領域が所定条件の成立まで開放状態となる単位遊技を複数回繰り返す大当たり遊技中に、当該大当たり遊技の進行に関する進行情報を前記表示手段に示す進行情報制御手段と、 C 前記進行情報を用いて、前記大当たり遊技中に実行される可能性がある演出であって発生するタイミングが不定期である特別演出が、当該大当たり遊技におけるN回目(Nは0を除く自然数)の前記単位遊技で発生することを予告する特別演出予告手段と、 を備え、 D 前記特別演出は、遊技者に有利な事象が発生する場合には結末として成功演出が実行され、遊技者に有利な事象が発生しない場合には結末として失敗演出が実行されることで、遊技者に有利な事象が発生するか否かを報知する演出である E ことを特徴とする遊技機。」(なお、記号AないしEは、分説するため合議体が付した。) (2)本願発明と引用発明とを対比する。なお、以下の見出し(a)ないし(e)は、本願発明のAないしEに対応させている。 (a)引用発明の「画像表示装置5」は、本願発明の「表示手段」に相当する。 (b)引用発明の「閉鎖状態であった上大入賞口又は下大入賞口」、「開放状態とするラウンド遊技」及び「大当り遊技状態」は、それぞれ本願発明の「閉鎖状態にある入賞領域」、「開放状態となる単位遊技」及び「大当たり遊技中」に相当する。 また、引用発明の「所定期間(例えば20秒間、約27秒間、又は、52ミリ秒間)あるいは所定個数(例えば6個)の遊技球が上大入賞口又は下大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間」は、上大入賞口又は下大入賞口を継続して開放状態とする所定条件が成立するまでの期間といえるから、本願発明の「所定条件の成立まで」に相当する。 また、引用発明の「『遊技区間(各ラウンド)に対応する遊技区間表示(丸印や星印)』及び『所定区間が終了したことを示す終了所定区間表示(丸印に×を付記)』」は、大当り遊技状態において画像表示装置5で表示可能なものであるから、本願発明の「大当たり遊技の進行に関する進行情報」に相当する。 そうすると、引用発明の「b 所定期間(例えば20秒間、約27秒間、又は、52ミリ秒間)あるいは所定個数(例えば6個)の遊技球が上大入賞口又は下大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、閉鎖状態であった上大入賞口又は下大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が所定の上限回数に達するまで繰返し実行される大当り遊技状態において、遊技区間(各ラウンド)に対応する遊技区間表示(丸印や星印)を画像表示装置5で表示可能である大当り処理を実行し、所定区間が終了したことを示す終了所定区間表示(丸印に×を付記)を表示可能である、ラウンド後処理を実行」する「演出制御用CPU120」は、本願発明の「B 閉鎖状態にある入賞領域が所定条件の成立まで開放状態となる単位遊技を複数回繰り返す大当たり遊技中に、当該大当たり遊技の進行に関する進行情報を前記表示手段に示す進行情報制御手段」に相当する構成を備えるといえる。 (c)引用発明は、遊技区間における特定区間(第5ラウンド)に特定区間を示す星印の表示を実行し、それによって特定区間(第5ラウンド)が確変開放ラウンドであることを予告しているといえる。 そうすると、引用発明の「c 前記遊技区間には、「Vを狙え」と表示する特定演出又は「残念」と表示する演出を実行可能な特定区間(確変開放ラウンドである第5ラウンド)が有り、該特定区間を示す星印の表示を実行する」「演出制御用CPU120」と、本願発明の「C 前記進行情報を用いて、前記大当たり遊技中に実行される可能性がある演出であって発生するタイミングが不定期である特別演出が、当該大当たり遊技におけるN回目(Nは0を除く自然数)の前記単位遊技で発生することを予告する特別演出予告手段」とは、「C’前記進行情報を用いて、前記大当たり遊技中に実行される可能性がある特別演出が、当該大当たり遊技における前記単位遊技で発生することを予告する特別演出予告手段」である点で一致する。 (e)引用発明の「パチンコ遊技機1」と、本願発明の「遊技機」とは、「遊技機」である点で一致する。 (3)上記(2)からみて、本願発明と引用発明とは、 「A 表示手段と、 B 閉鎖状態にある入賞領域が所定条件の成立まで開放状態となる単位遊技を複数回繰り返す大当たり遊技中に、当該大当たり遊技の進行に関する進行情報を前記表示手段に示す進行情報制御手段と、 C’前記進行情報を用いて、前記大当たり遊技中に実行される可能性がある特別演出が、当該大当たり遊技における前記単位遊技で発生することを予告する特別演出予告手段と、 を備える、 E 遊技機。」の点で一致し、次の点で相違する。 ・相違点1(特定事項C) 大当たり遊技中に実行される可能性がある演出に関し、 本願発明では、「特別演出」が「発生するタイミングが不定期である」のに対し、 引用発明では、特定演出等を実行可能なのが特定区間(確変開放ラウンドである第5ラウンド)である点。 ・相違点2(特定事項D) 大当たり遊技中に実行される可能性がある演出に関し、 本願発明では、「特別演出」は、「遊技者に有利な事象が発生する場合には結末として成功演出が実行され、遊技者に有利な事象が発生しない場合には結末として失敗演出が実行されることで、遊技者に有利な事象が発生するか否かを報知する演出である」のに対し、 引用発明では、そのような特定がない点。 5 判断 上記相違点について検討する。 (1)相違点1について ア 引用例2の記載事項(上記3(2)ケ)は、ラウンド遊技(本願発明の「単位遊技」に相当)で昇格演出(本願発明の「特別演出」に相当)を行う弾球遊技機において、昇格演出ラウンドを抽選によって決定するものである。 イ そして、引用発明は、特定区間(第5ラウンド)で、「Vを狙え」と表示する特定演出又は「残念」と表示する演出のうち、特定演出を実行した場合に、特定区間にて下大入賞口に遊技球が進入する確率が高くなり、さらに確変領域を遊技球が通過すると、確変状態に制御される特別遊技状態への移行が確定するものであるから、ラウンド遊技において、確変状態に移行するか否かに関する演出を行うものであるといえる。そうすると、引用発明と引用例2の記載事項は、ラウンド遊技において、確変状態に移行するか否かに関する演出を行う遊技機に関する点で共通するところ、当業者であれば引用発明に引用例2の記載事項を適用しようと試みるものである。そして、具体的には、引用発明は、特定区間(5ラウンド)で確変状態への移行に関する演出を行うものであるところ、当該演出を固定的に決められたラウンドで実行することに換えて、抽選により決定されるラウンド、すなわち、不定期なタイミングであるN回目(Nは0を除く自然数)のラウンド(単位遊技)で前記演出を実行するように構成することは、上記アに示した引用例2の記載事項に接した当業者であれば適宜なし得たことである。 してみると、引用発明において、上記相違点1に係る本願発明の特定事項のようになすことは当業者が引用例2の記載事項に基づいて容易になし得たことである。 (2)相違点2について ア 引用例2の記載事項(上記3(2)ケ)は、ラウンド昇格演出を行った後に、昇格成功フラグがONに設定されていた場合は、確変当り態様に変更されたことを報知する昇格成功演出(本願発明の「成功演出」に相当)を実行し、昇格成功フラグがONに設定されていない場合は、確変当り態様に変更されなかったことを報知する昇格失敗演出(本願発明の「失敗演出」に相当)を実行するものである。 イ 上記(1)イで示したとおり、引用発明と引用例2の記載事項は、ラウンド遊技において、確変状態に移行するか否かに関する演出を行う遊技機に関する点で共通するところ、当業者であれば引用発明に引用例2の記載事項を適用しようと試みるものである。 ウ そして、具体的には、引用発明は、特定区間を示す星印の表示をし、該特定区間で、「Vを狙え」と表示する特定演出又は「残念」と表示する演出のうち、特定演出を実行した場合に、特定区間(第5ラウンド)にて下大入賞口に遊技球が進入する確率が高くなり、さらに確変領域を遊技球が通過すると、確変状態に制御される特別遊技状態への移行が確定するものである。そうしてみると、引用発明において、特定区間を示す星印の表示から確変状態確定に至る一連の制御に換えて、引用例2の記載事項のように、抽選で決定された不特定のラウンドで昇格演出を行った後に、昇格成功演出(成功演出)及び昇格失敗演出(失敗演出)のいずれかを実行し、昇格成功演出(成功演出)を実行した場合には確変当り態様(本願発明の「遊技者に有利な事象」に相当)に変更し、昇格失敗演出(失敗演出)を実行した場合には確変当り態様(遊技者に有利な事象)に変更しないようになすこと、すなわち、上記相違点2に係る本願発明の特定事項となすことは当業者が容易になし得たことである。 (3)本願発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果及び引用例2の記載事項の奏する効果から当業者が予測することができた程度のことである。 (4)したがって、本願発明は、当業者が引用例1に記載された発明及び引用例2の記載事項に基づいて容易に発明をすることができたものである。 (5)審判請求人の主張について ア 審判請求人は、意見書において、概略、以下のとおり主張している。 「3.拒絶理由に対する反論 3-1)・・・略・・・ 引用発明の特定事項dは、『前記特定演出は、「Vを狙え」の文字表示を表示するVラウンド演出であり、前記特定区間(第5ラウンド)にて下特別可変入賞球装置7Bに遊技球が進入し、さらに確変領域を通過すると、確変確定フラグがセットされ、確変状態に制御される特別遊技状態への移行が確定する』というものであるとされている。つまり、『「Vを狙え」の文字表示を表示するVラウンド演出』が本願発明の「特別演出」に相当するとする判断がなされているものと推測される。 『「Vを狙え」の文字表示を表示するVラウンド演出』は、文字通り、遊技者に対し、下特別可変入賞球装置7B(確変領域)を狙って遊技球を発射させるよう遊技者に促す演出であると認められ、確変領域への遊技球の進入の有無に応じて変化するような演出であるとは言えないから、『「Vを狙え」の文字表示を表示するVラウンド演出』が、『確変遊技状態への移行』という遊技者に有利な事象が発生するか否かを報知する演出であるとはいえない。 仮に、『「Vを狙え」の文字表示を表示するVラウンド演出』が発生した場合は、特定区間が長開放ラウンドになるから、当該演出は実質的には『確変遊技状態への移行』を報知するものであるとしても、『確変遊技状態への移行』を報知することもあれば、『確変遊技状態への移行』報知しないこともある(「否」のケースもある)演出であるとは認められない。 なお、引用例1に記載される遊技機は、いわゆるV確変機であり、『「Vを狙え」の文字表示を表示するVラウンド演出』が発生するのは、いわゆる確変大当たりに当選した場合に限られるのであるから、当該演出が「遊技者に有利な事象が発生するか否かを報知する演出」となるはずはない。つまり、本願発明と主引用例として提示された引用例1に記載される発明は、そもそもの前提が異なるものであると思料する。 3-2)さらに、今般の補正により、「特別演出は、遊技者に有利な事象が発生する場合には結末として成功演出が実行され、遊技者に有利な事象が発生しない場合には結末として失敗演出が実行される」ものであることを特定した。これにより、『「Vを狙え」の文字表示を表示するVラウンド演出』との違いがより明確になったものと思料する。 すなわち、『「Vを狙え」の文字表示を表示するVラウンド演出』は、『確変遊技状態への移行』の有無に応じて、結末の成功・失敗を制御するといった演出ではないことは明らかであるから、本願発明の特別演出とは明確に相違する。 また、仮に、『「Vを狙え」の文字表示を表示するVラウンド演出』が、本願発明の成功演出に相当するとしても、引用例1には、特定区間において発生する演出であって、「確変遊技状態に移行しないこと」を報知するような演出は開示されていないのであるから、引用例1は本願発明の失敗演出に相当する事項を開示するものであるとはいえない。 3-3)以上の通り、今般の拒絶理由通知において一致点とされている引用発明の特定事項dと本願発明の特定事項Dは明確に相違するものであると認められるから、その余の事項を検討するまでもなく、本願は引用例1および引用例2の存在を理由とした進歩性の拒絶理由を包含するものであると結論付けることはできない。」 イ 審判請求人の主張について検討する。 上記(1)及び(2)で示したとおり、審判請求人が引用例1に記載されていないと主張した本願発明の特定事項については、引用例2に記載されており、該引用例2に記載されている事項を引用例1に記載された発明に適用して本願発明の発明特定事項となすことは当業者が容易になし得たことである。 よって、審判請求人の主張は、採用することができない。 6 むすび 本願発明は、当業者が引用例1に記載された発明及び引用例2の記載事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-008200

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