特許異議申立
2017-701058
カーテンウォール
- 審判番号
- 2017-701058
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2013-000907外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年11月10日
- 審決日
- 2018年07月30日
- 公報発行日
- 2018年10月26日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P1651.121-YAA(E04B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6123986号発明「カーテンウォール」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6123986号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕について訂正することを認める。
特許第6123986号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6123986号の請求項1及び2に係る特許についての出願は、平成25年1月8日に特許出願され、平成29年4月14日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、平成29年11月10日に特許異議申立人山本秀樹(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、平成29年12月27日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成30年3月12日に意見書の提出及び訂正の請求があり、その訂正の請求に対して申立人から平成30年5月15日に意見書が提出されたものである。
第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下の(1)~(12)のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「窓用板状体が組み付けられてなる窓用板状体の支持構造体」を、「窓用板状体が組み付けられてなる窓用板状体の支持構造体を連設してなるカーテンウォール」に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1の「前記自重受け部材は、前記横材よりも剛性が高い」を、「前記自重受け部材は、前記横材よりも剛性が高く、前記縦材は第1の嵌合部を備え、前記下方に位置する横材は第2の嵌合部を備え、前記自重受け部材は、前記縦材の前記第1の嵌合部に嵌合される第3の嵌合部と前記下方に位置する横材の前記第2の嵌合部に嵌合される第4の嵌合部とを備え、前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結部材によって、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して嵌合連結される」に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1の「特徴とする窓用板状体の支持構造体。」を、「特徴とするカーテンウォール。」に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項2の「前記縦材は第1の嵌合部を備え、前記下方に位置する横材は第2の嵌合部を備え、前記自重受け部材は、前記縦材の前記第1の嵌合部に嵌合される第3の嵌合部と前記下方に位置する横材の前記第2の嵌合部に嵌合される第4の嵌合部とを備え、前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結部材によって、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して嵌合連結される」を、「前記自重受け部材の水平支持部の上面は、前記横材の底板の上面と同一面上に配置される」に訂正する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項2の「請求項1に記載の窓用板状体の支持構造体。」を、「請求項1に記載のカーテンウォール。」に訂正する。
(6)訂正事項6
願書に添付した明細書の[発明の名称]の「窓用板状体の支持構造体」を、「カーテンウォール」に訂正する。
(7)訂正事項7
願書に添付した明細書の段落[0001]の「窓用板状体の支持構造体」を、「カーテンウォール」に訂正する。
(8)訂正事項8
願書に添付した明細書の段落[0011]の「窓用板状体の支持構造体」を、「窓用板状体の支持構造体を連設してなるカーテンウォール」に訂正する。
(9)訂正事項9
願書に添付した明細書の段落[0012]の「本発明の一態様は、前記目的を達成するために、複数本の縦材と複数本の横材とが矩形状に連結されてなる窓枠に窓用板状体が組み付けられてなる窓用板状体の支持構造体において、前記窓用板状体を支持する自重受け部材が、前記縦材と前記横材との連結部に配置され、前記縦材と前記横材とが前記自重受け部材を介して連結されることを特徴とする窓用板状体の支持構造体を提供する。」を、「本発明の一態様は、前記目的を達成するために、複数本の縦材と複数本の横材とが矩形状に連結されてなる窓枠に窓用板状体が組み付けられてなる窓用板状体の支持構造体を連設してなるカーテンウォールにおいて、前記窓用板状体を支持する自重受け部材が、前記縦材と下方に位置する前記横材との連結部に配置され、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して連結され、前記自重受け部材は、前記横材よりも剛性が高く、前記縦材は第1の嵌合部を備え、前記下方に位置する横材は第2の嵌合部を備え、前記自重受け部材は、前記縦材の前記第1の嵌合部に嵌合される第3の嵌合部と前記下方に位置する横材の前記第2の嵌合部に嵌合される第4の嵌合部とを備え、前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結部材によって、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して嵌合連結されることを特徴とするカーテンウォールを提供する。」に訂正する。
(10)訂正事項10
願書に添付した明細書の段落[0013]の「本発明の一態様は、前記自重受け部材は、前記横材よりも剛性が高いことが好ましい。剛性が高いとは、ヤング率等の弾性率が大きいことを意味する。」を、「剛性が高いとは、ヤング率等の弾性率が大きいことを意味する。」に訂正する。
(11)訂正事項11
願書に添付した明細書の段落[0014]の「本発明の一態様は、前記縦材は第1の嵌合部を備え、前記横材は第2の嵌合部を備え、前記自重受け部材は、前記縦材の前記第1の嵌合部に嵌合される第3の嵌合部と前記横材の前記第2の嵌合部に嵌合される第4の嵌合部とを備え、前記縦材と前記横材とを連結する連結部材によって、前記縦材と前記横材とが前記自重受け部材を介して嵌合連結されることが好ましい。」を、「本発明の一態様は、前記自重受け部材の水平支持部の上面は、前記横材の底板の上面と同一面上に配置されることが好ましい。」に訂正する。
(12)訂正事項12
願書に添付した明細書の段落[0015]の「窓用板状体の支持構造体」を、「カーテンウォール」に訂正する。
2 訂正の適否の判断
(1)訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
ア 訂正事項1
(ア)訂正の目的の適否について
訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「窓用板状体の支持構造」について、「窓用板状体の支持構造を連設してなるカーテンウォール」と訂正することにより、「窓用板状体の支持構造」の適用を該「支持構造を連設してなるカーテンウォール」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否かについて
訂正事項1は、上記(ア)で説示したように、「窓用板状体の支持構造」の適用を該「支持構造を連設してなるカーテンウォール」に限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
発明の詳細な説明には、「【0002】ビルの外壁構法の一つであるカーテンウォール構法には、ユニット式とノックダウン式と称される構法がある。前者の構法は、縦材(縦枠、方立ともいう。)と横材(横枠、無目ともいう。)とからなる矩形状の窓枠に窓用板状体を工場にて予めに組み付けてユニット化し、このユニット(窓用板状体の支持構造体)を建築現場に搬入してカーテンウォールを構築する構法である。」、「【0020】なお、図1に示した窓ガラスユニット10を、上下方向及び/又は水平方向に連設して構築したものがガラスカーテンウォールである。」と記載されていることからみて、訂正事項1は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
イ 訂正事項2
(ア)訂正の目的の適否について
訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に記載されていた、「自重受け部材」を介して「縦材」と「横材」を連結する構成について、「第1の嵌合部」ないし「第4の嵌合部」及び「連結部材」を加えることにより、該「縦材」、「横材」及び「自重受け部材」の構成を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否かについて
訂正事項2は、上記(ア)で説示したように、「縦材」、「横材」及び「自重受け部材」の構成を限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正前の請求項2に、「前記縦材は第1の嵌合部を備え、前記下方に位置する横材は第2の嵌合部を備え、前記自重受け部材は、前記縦材の前記第1の嵌合部に嵌合される第3の嵌合部と前記下方に位置する横材の前記第2の嵌合部に嵌合される第4の嵌合部とを備え、前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結部材によって、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して嵌合連結される」と記載されていることからみて、訂正事項2は、明細書等に記載された事項の範囲内の訂正である。
ウ 訂正事項3
(ア)訂正の目的の適否について
訂正事項3は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「窓用板状体の支持構造」を、「カーテンウォール」と訂正することにより、実質的に「窓用板状体の支持構造体が連設してなるカーテンウォール」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否かについて
訂正事項3は、上記(ア)で説示したように、「窓用板状体の支持構造」を「カーテンウォール」に限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
発明の詳細な説明には、「【0002】ビルの外壁構法の一つであるカーテンウォール構法には、ユニット式とノックダウン式と称される構法がある。前者の構法は、縦材(縦枠、方立ともいう。)と横材(横枠、無目ともいう。)とからなる矩形状の窓枠に窓用板状体を工場にて予めに組み付けてユニット化し、このユニット(窓用板状体の支持構造体)を建築現場に搬入してカーテンウォールを構築する構法である。」、「【0020】なお、図1に示した窓ガラスユニット10を、上下方向及び/又は水平方向に連設して構築したものがガラスカーテンウォールである。」と記載されていることからみて、訂正事項3は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
エ 訂正事項4
(ア)訂正の目的の適否について
訂正前の請求項2に記載された「前記縦材は第1の嵌合部を備え、前記下方に位置する横材は第2の嵌合部を備え、前記自重受け部材は、前記縦材の前記第1の嵌合部に嵌合される第3の嵌合部と前記下方に位置する横材の前記第2の嵌合部に嵌合される第4の嵌合部とを備え、前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結部材によって、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して嵌合連結される」事項を、訂正後の請求項1を引用して特定し、さらに、自重受け部材の構成について、「前記自重受け部材の水平支持部の上面は、前記横材の底辺の上面と同一面上に配置される」ものに限定することから、訂正事項4は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否かについて
訂正事項4は、上記(ア)で説示したように、自重受け部材の構成を限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
発明の詳細な説明には、「【0033】水平支持部82の上面は、自重受け部材18が横材14に連結された際に、横材14の底板70の上面と同一面上に配置される。」と記載されていることからみて、訂正事項4は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
オ 訂正事項5
(ア)訂正の目的の適否について
訂正事項5は、訂正前の特許請求の範囲の請求項2に記載された「窓用板状体の支持構造」を、「カーテンウォール」と訂正することにより、実質的に「窓用板状体の支持構造体が連設してなるカーテンウォール」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否かについて
訂正事項5は、上記(ア)で説示したように、「窓用板状体の支持構造」を「カーテンウォール」に限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
発明の詳細な説明には、「【0002】ビルの外壁構法の一つであるカーテンウォール構法には、ユニット式とノックダウン式と称される構法がある。前者の構法は、縦材(縦枠、方立ともいう。)と横材(横枠、無目ともいう。)とからなる矩形状の窓枠に窓用板状体を工場にて予めに組み付けてユニット化し、このユニット(窓用板状体の支持構造体)を建築現場に搬入してカーテンウォールを構築する構法である。」と、また【0020】には、「【0020】なお、図1に示した窓ガラスユニット10を、上下方向及び/又は水平方向に連設して構築したものがガラスカーテンウォールである。」と記載されていることからみて、訂正事項5は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
カ 訂正事項6
訂正事項6は、上記訂正事項1、3及び5に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の名称の記載との整合性を図るために、明細書の[発明の名称]の「窓用板状体の支持構造」を「カーテンウォール」に訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。
キ 訂正事項7、8、12
訂正事項7、8、12は、上記訂正事項1、3及び5に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合性を図るために、発明の詳細な説明の記載を訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。
ク 訂正事項9、10
訂正事項9、10は、上記訂正事項1~3に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合性を図るために、発明の詳細な説明の記載を訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。
ケ 訂正事項11
訂正事項11は、上記訂正事項4、5に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合性を図るために、発明の詳細な説明の記載を訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。
(2)一群の請求項について
訂正前の請求項1及び2について、請求項2は、請求項1を引用しているものであって、訂正事項1~3によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。よって、訂正前の請求項1及び2に対応する訂正後の請求項1及び2は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
(3)明細書の訂正と関係する一群の請求項について
明細書についての訂正である訂正事項6~12は、一群の請求項である請求項1及び2についての訂正である訂正事項1~5と整合性を図るための訂正である。よって、訂正事項6~12は、一群の請求項である請求項1及び2に関連する訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する126条第4項に適合するものである。
(4)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号または第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1~2について訂正を認める。
第3 訂正後の請求項1及2に係る発明
上記訂正請求により訂正された請求項1及び2に係る発明(以下「本件発明1」等といい、全体を「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
複数本の縦材と複数本の横材とが矩形状に連結されてなる窓枠に窓用板状体が組み付けられてなる窓用板状体の支持構造体を連設してなるカーテンウォールにおいて、
前記窓用板状体を支持する自重受け部材が、前記縦材と下方に位置する前記横材との連結部に配置され、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して連結され、
前記自重受け部材は、前記横材よりも剛性が高く、
前記縦材は第1の嵌合部を備え、
前記下方に位置する横材は第2の嵌合部を備え、
前記自重受け部材は、前記縦材の前記第1の嵌合部に嵌合される第3の嵌合部と前記下方に位置する横材の前記第2の嵌合部に嵌合される第4の嵌合部とを備え、
前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結部材によって、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して嵌合連結されることを特徴とするカーテンウォール。
【請求項2】
前記自重受け部材の水平支持部の上面は、前記横材の底板の上面と同一面上に配置される請求項1に記載のカーテンウォール。」
第4 特許異議の申立てについて
1 取消理由の概要
訂正前の請求項1及び2係る特許に対して、平成29年12月27日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。
「本件特許の請求項1及び2に係る発明は、甲第2号証、甲第3号証、甲第5号証及び甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。」
[証拠]
甲第2号証:特開2012-62666号公報
甲第3号証:特開2004-238843号公報
甲第5号証:特開2001-90446号公報
甲第6号証:実願平2-90574号(実開平4-48390号)のマイクロフィルム
2 各甲号証の記載
(1)甲第2号証
甲第2号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【0019】
枠体1は、上枠10と下枠11及び左右の縦枠12、12を方形状に枠組みして構成されている。また、内障子2は、方形状に框組みされた内框体2aにパネル体であるガラス体2bを納めて構成され、外障子3は、方形状に框組みされた外框体3aにパネル体であるガラス体3bを納めて構成されている。」
イ 「【0022】
内框体2aと外框体3aは、いずれも上框20と下框21、枠側の縦辺を構成する縦框22及び召合わせ側の縦辺を構成する召合わせ框23を方形状に框組みして構成されている。上框20と下框21、縦框22及び召合わせ框23は、いずれも室外面が内周側に延出された室外保持部27を有し、この室外保持部27によりガラス体2b、3bの室外面が保持される。上框20と下框21、縦框22及び召合わせ框23の室内面には、内周端部に押縁部材26が取付けられる。この押縁部材26により、ガラス体2b、3bの室内面が保持される。」
ウ 「【0024】
図3には内障子2の室内側から見た斜視図を、図4には内障子2の室外側から見た斜視図を、それぞれ示している。これら各図に示すように、内框体2aは、横材となる上框20及び下框21と、縦材となる縦框22及び召合わせ框23を、4つのコーナー部でそれぞれ連結部材30、40により連結して組まれている。連結部材30は、下框21の両端部でそれぞれ縦框22及び召合わせ框23の下端部と連結し、連結部材40は、上框20の両端部でそれぞれ縦框22及び召合わせ框23の上端部と連結している。
【0025】
連結部材30は、連結される下框21と縦框22または召合わせ框23の室内側にそれぞれ接着して固定される室内側部品31と、連結される下框21と縦框22または召合わせ框23の室外側にそれぞれ接着して固定される室外側部品32との二部材で構成され、これら室内側部品31と室外側部品32も、接着により互いに接合されている。」
エ 「【0029】
連結部材30を構成する室外側部品32は、下框21と召合わせ框23の連結部分となる内框体2aのコーナー部を構成する角構成部32aと、下框21の端部室外面に当接して接着固定される横材接着部32bと、召合わせ框23の端部室外面に当接して接着固定される縦材接着部32cとを有して構成されている。また、室外側部品32には、室内面側に下枠11の内レール11aを跨いでこれに案内されるガイド部32eが形成されている。」
オ 「【0032】
このように、接着接合される室内側部品31と室外側部品32からなる連結部材30において、ガイド部32eが一方の部品に一体形成されているので、内障子2が走行する際におけるガイド部32eへの荷重に対する強度を大きくすることができる。特に、下框21と縦框22または召合わせ框23との連結部分は、障子の重量を支えるため、大きな荷重がかかりやすく、この位置に設けられる連結部材30につき、かかる構造を採用したことで、荷重に対する強度を十分に確保することができる。なお、本実施形態ではガイド部32eが室外側部品32に形成されているが、室内側部品31に形成されていてもよい。」
カ 「【0042】
外障子3の連結部材についても説明する。図12には外障子3の室外側から見た斜視図を、図13には外障子3の室内側から見た斜視図を、それぞれ示している。これらの図に示すように、外障子3の外框体3aにおいても、四隅のコーナー部分を連結部材50、60により構成しており、下框21と縦框22または召合わせ框23とを連結する連結部材50は、室内側部品51と室外側部品52とを接着接合してなり、上框20と縦框22または召合わせ框23とを連結する連結部材60は、室内側部品61と室外側部品62とを接着接合してなる。
【0043】
外障子3の外框体3aは、室内側が略面一状で、室外側に張出部25が形成されている。このため、連結部材50を構成する室内側部品51は、内障子2の連結部材30を構成する室外側部品32に、連結部材50を構成する室外側部品52は、内障子2の連結部材30を構成する室内側部品31に、それぞれ近い形状を有してなる。また、連結部材60を構成する室内側部品61は、内障子2の連結部材40を構成する室外側部品42に、連結部材60を構成する室外側部品62は、内障子2の連結部材40を構成する室内側部品41に、それぞれ近い形状を有してなる。」
キ 「【0046】
以上のように、内障子2を構成する内框体2aと外障子3を構成する外框体3aについて、横材となる上框20及び下框21と、縦材となる縦框22及び召合わせ框23とを、各框材に接着される連結部材30、40、50、60により連結するようにしたので、框材の連結のためのビス孔を框材の長手方向に沿って設ける必要がなく、その分の材料を不要とできるので、軽量化及びコストダウンを図ることができる。また、連結する横材と縦材の端部に、連結のための加工を施す必要がなく、単に垂直に切断するだけでよいので、工数を削減しコストダウンを図ることができる。
【0047】
さらに、連結部材30、40、50、60を室内側部品31、41、51、61と室外側部品32、42、52、62で構成し、それぞれ框材の室内外面に接着固定すると共に、室内側部品31、41、51、61と室外側部品32、42、52、62は互いに接着接合されるので、連結部材30、40、50、60と各框材の連結を容易になすことができる。ただし、室内側部品31、41、51、61と室外側部品32、42、52、62の接合に際しては、嵌合構造を採用してもよいし、または嵌合及び接着により接合するようにしてもよい。」
ク 上記アないしキからみて、甲第2号証には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されているものと認める。
「方形状に框組みされた内框体2aにパネル体であるガラス体2bを納めて構成されている内障子2であって、
内框体2aは、横材となる上框20と下框21と、縦材となる枠側の縦辺を構成する縦框22及び召合わせ側の縦辺を構成する召合わせ框23を、4つのコーナー部でそれぞれ連結部材30、40により連結して方形状に框組みして構成され、
連結部材30は、下框21の両端部でそれぞれ縦框22及び召合わせ框23の下端部と連結し、連結される下框21と縦框22または召合わせ框23の室内側にそれぞれ接着して固定される室内側部品31と、連結される下框21と縦框22または召合わせ框23の室外側にそれぞれ接着して固定される室外側部品32との二部材で構成され、これら室内側部品31と室外側部品32も、接着により互いに接合され、
室外側部品32には、室内面側に下枠11の内レール11aを跨いでこれに案内されるガイド部32eが形成されており、
下框21と縦框22または召合わせ框23との連結部分は、障子の重量を支えるため、大きな荷重がかかりやすく、この位置に設けられる連結部材30につき、ガイド部32eが一方の部品に一体形成されているので、内障子2が走行する際におけるガイド部32eへの荷重に対する強度を大きくすることができ、荷重に対する強度を十分に確保した、
内障子2。」
(2)甲第3号証
甲第3号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、丁番にて窓又は出入り口等を開閉する扉の構造に関するものである。」
イ 「【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による開閉扉の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1に示す開閉扉は、図6(イ)の如く方形状のパネル1と、該パネル1の周縁に組み付ける枠材8,2,3とから構成された第一の実施の形態を示したものである。
【0012】
当該例は、前記開口部を封じるべく、方形に裁断された一枚のガラスパネル1と、その縁部に装着され相連結して方形の枠を構成する縦枠材及び横枠材を具備して構成され、開閉扉の吊元側に装着された吊元側縦枠材8の下部に、当該吊元側縦枠材8及び丁番9と止めネジ4を以て連結固定される垂直片部5、及び当該垂直片部5に対して直角に伸びる水平片部6を具備したL字状のコーナー部材7を装着した開閉扉である。
【0013】
当該例における縦枠材8,2は、断面が方形状を呈する中空のアルミ製の押し出し材であり、当該縦枠材8,2には、図1(ニ)に示すように、当該パネル1の側端部を挟む一対の挟持鍔28,28が前記パネル1の厚みより僅かに広い程度の間隔を隔てて先端面を向き合わせたく字状に凸設されている。当該一対の挟持鍔28,28に挟まれた挟持溝29へ前記パネル1がシール材(図示省略)を介して精度良く取り付けられることとなる。
【0014】
同縦枠材8,2のうちの吊元側の縦枠材8にあっては、前記挟持鍔28が設けられた面の反対側に当たる吊元側の面には一対の外鍔30,30が形成され、当該一対の外鍔30,30の間に形成された空間に、丁番9の障子連結板9aが収納されることとなる。又、同縦枠材8の内面における吊元側の面は、L字状のコーナー部材7の座りが良いように平坦に成形されており、当該平坦な面にコーナー部材7をあてがうことによって、当該コーナー部材7が精度良く取り付けられることとなる。
【0015】
一方、開放端側の縦枠材2にあっては、前記挟持鍔28が設けられた面の反対側に当たる開閉扉の先端側の面に先鋭な部分を取り除く表面加工やシール手段の付設が適宜施されている。尚、前記縦枠材8,2は合成樹脂製であっても良い。
【0016】
前記上横枠材3及び下横枠材3は、図1(ロ)に示すように、断面が各々H状を呈した内枠部31と比較的幅の広い外枠部32とを上下に一体的に連結した断面形状を有するアルミニウム製の押し出し材であり、それぞれ前記パネル1の上縁部及び下縁部が嵌る溝33が形成されている。
【0017】
当該例においては、前記一対の縦枠材8,2の上下端部の側縁に、それぞれ前記上横枠材3及び下横枠材3の端面が当接した状態で方形の枠を形成し(図6(イ)参照)、前記上下横枠材3の端面に形成されたネジ孔に、前記縦枠材8,2の上下端部に設けられた前記横枠材3,3のネジ孔と向き合う孔を通して止めネジ4a,4aを固定する(図1(ハ)参照)ことによって前記縦枠材8,2、横枠材3,3、及びパネル1を、前記の如く方形の扉として一体化させ、前記方形の枠における吊元側の下隅の連結部にL字状のコーナー部材7を止めネジ4で固定することにより補形する手法を採っている。
【0018】
当該例におけるL字状のコーナー部材7は、ステンレスや鉄等の比較的強固な金属製の平棒をL字状に成型し、且つ扉を十分に補形し得る強度をもたせるべく適当な厚みが与えられている。また、前記コーナー部材7は、扉のコーナーから縦枠材8における丁番9の取り付け位置に至る長さの垂直片部5が必要であり、同コーナー部材7の水平片部6にあっても、当該コーナー部材7の補形機能を、扉の吊元側から開放端側への出来るだけ広い領域にまで及ぼし得る長さに設定されている。
【0019】
当該L字状のコーナー部材7は、縦枠材8に止めネジ4を以て固定されるためのネジ孔が設けられた垂直片部5、及び下横枠材3に止めネジ4を以て固定される為の通し孔が設けられた水平片部6を具備し(図1(イ)(ハ)参照)、前記垂直片部5にあっては、方形状を呈する縦枠材8の中空部に挿通され内面に形成された平坦面にその背面をあてがって当該縦枠材8に止めネジ4eで固定する一方、前記水平片部6にあっては、前記H状を呈した外枠部32の断面によって形成される外溝34に収容され、当該下横枠材3に設けられたネジ孔に止めネジ4gで固定される。
【0020】
この様な枠材の連結構造によって、四隅の連結部においては、相連結される縦枠材8,2の側面と上下横枠材3,3の端面とが密着状態となり、当該横枠材3,3と前記縦枠材8,2とがなす角度を直角に設定され、更に、前記L字状のコーナー部材7の水平片部6が下横枠材3に連結され、当該下横枠材3を介して開閉扉の重量を下方から支えることによって、当該開閉扉の形状及び支持状態をより強固に保持することができる。
【0021】
そして、当該開閉扉と丁番9の障子連結板9aが、当該縦枠材8の吊元側端面片を介してコーナー部材7の垂直片部5に止めネジ4fで固定され、壁に設けられた開口部の縦枠に丁番9を以て旋回自在に支持される開閉扉が形成される。尚、前記横枠部材3と吊元側縦枠材8との間に十分な連結強度を形成することが可能な場合には、前記水平片部6と横枠材3との連結は必ずしも必要ではなく、当該水平片部6を枠材間の連結機能も持たない下支え材として用いることもできる。」
ウ 「【0022】
図2乃至図4に示す開閉扉は、前記開口部を封じるパネル1とその縁部に装着された縦枠材及び横枠材を具備して構成され、前記縦枠材及び横枠材はそれぞれ前記パネル1の最寄りの辺を連結箇所とし、開閉扉の吊元側に装着された吊元側縦枠材8の下部に、当該吊元側縦枠材8及び丁番9と止めネジ4を以て連結固定される垂直片部5、及び当該垂直片部5に対して直角に伸びる水平片部6を具備したL字状のコーナー部材7を装着した開閉扉である。
【0023】
図2に示す開閉扉は、図6(ロ)の如く方形状のパネル1と、該パネル1の周縁に組み付ける枠材8,2,3とから構成された第二の実施の形態を示したものである。当該例におけるパネル1は、方形状に枠組みされた芯材26と、当該パネル1の表面及び裏面にそれぞれ接着される同形状の二枚の表装板10,10とから構成される。
【0024】
また、当該例における吊元側縦枠材8は、図2(ニ)に示すように、H字状の水平辺中央部が凹んだ断面形状を持つアルミニウム製押し出し材であり、当該縦枠材8には、当該パネル1の側端部の表裏化粧面(パネル1に貼り付けられた表装板10,10の表面)を挟む一対の挟持鍔11,11が前記パネル1の厚み程度の間隔を隔ててH字状の水平辺にあたる横架部27の両端から凸設されていると共に、前記横架部27の中央部には前記L字状の補強コーナー部材7を収納する凹部39が設けられている。」
エ 「【0031】
当該L字状コーナー部材7には、当該吊元側縦枠材8を止めネジ4eを以て固定する為の通し孔、及び丁番9の障子連結板9aと止めネジ4fを以て連結固定する為のネジ孔が設けられた垂直片部5と、前記横枠材3を挟んでパネル1の下端面に止めネジ4gを以て連結固定する為の通し孔が設けられている。
【0032】
当該第二の実施の形態におけるL字状のコーナー部材7は、前記垂直片部5にあっては、吊元側縦枠材8の横架部27の中央部に設けられた凹部39に装填され、前記丁番9の障子連結板9aに設けられた通し孔、及び前記吊元側縦枠材8における凹部39の底壁(凸条19の頂壁)に設けられた通し孔にそう通された止めネジ4fが、前記垂直片部5に形成されたネジ孔と螺合されることによって当該吊元側縦枠材8及び丁番9と一体化し、更に、前記丁番9の障子連結板9aに設けられた通し孔を通さずに、前記吊元側縦枠材8における凹部39の底壁に設けられた通し孔、及び前記垂直片部5に設けられた通し孔を通してパネル1の側端(芯材26)に止めネジ4eとが螺合することによって連結強度が高められている。」
オ 「【0059】
【発明の効果】
以上のごとく本発明による開閉扉によれば、L字状のコーナー部材といった扉の最下支持部と丁番とを直に連結した構成によって、比較的大きな扉であっても、その荷重に耐えきれず扉の先部が垂れ下がったり、扉自体が変形することを有効に防止することができる。」
カ 図2をみると、垂直片部5が、溝39に嵌合されていることが看取できる。
キ 上記ア、イ及びオからみて、甲第3号証には、次の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されているものと認める。
「方形状のパネル1と、中空のアルミ製の押し出し材である縦枠材8,2と、アルミニウム製の押し出し材である上横枠材3及び下横枠材3とから構成された窓又は出入り口等の開閉扉であって、
前記一対の縦枠材8,2の上下端部の側縁に、それぞれ前記上横枠材3及び下横枠材3の端面が当接した状態で方形の枠を形成し、前記上下横枠材3の端面に形成されたネジ孔に、前記縦枠材8,2の上下端部に設けられた前記横枠材3,3のネジ孔と向き合う孔を通して止めネジ4a,4aを固定することによって前記縦枠材8,2、横枠材3,3、及びパネル1を、方形の扉として一体化させ、前記方形の枠における吊元側の下隅の連結部にL字状のコーナー部材7を止めネジ4で固定することにより補形しており、
当該L字状のコーナー部材7は、ステンレスや鉄等の比較的強固な金属製の平棒をL字状に成型し、且つ扉を十分に補形し得る強度をもたせるべく適当な厚みが与えられ、
当該L字状のコーナー部材7は、縦枠材8に止めネジ4を以て固定されるためのネジ孔が設けられた垂直片部5、及び下横枠材3に止めネジ4を以て固定される為の通し孔が設けられた水平片部6を具備し、前記垂直片部5にあっては、方形状を呈する縦枠材8の中空部に挿通され内面に形成された平坦面にその背面をあてがって当該縦枠材8に止めネジ4eで固定する一方、前記水平片部6にあっては、前記H状を呈した外枠部32の断面によって形成される外溝34に収容され、当該下横枠材3に設けられたネジ孔に止めネジ4gで固定され、
前記L字状のコーナー部材7の水平片部6が下横枠材3に連結され、当該下横枠材3を介して開閉扉の重量を下方から支えることによって、当該開閉扉の形状及び支持状態をより強固に保持することができ、
当該開閉扉と丁番9の障子連結板9aが、当該縦枠材8の吊元側端面片を介してコーナー部材7の垂直片部5に止めネジ4fで固定され、壁に設けられた開口部の縦枠に丁番9を以て旋回自在に支持される開閉扉が形成されることにより、
L字状のコーナー部材といった扉の最下支持部と丁番とを直に連結した構成によって、比較的大きな扉であっても、その荷重に耐えきれず扉の先部が垂れ下がったり、扉自体が変形することを有効に防止することができる、
開閉扉。」
ク また、上記ウ、エ及びカからみて、甲第3号証には、第二の実施の形態として、「L字状のコーナー部材7の垂直片部5は、吊元側縦枠材8の横架部27の中央部に設けられた凹部39に嵌合していること。」(以下「甲3技術事項」という。)が記載されている。
(3)甲第5号証
甲第5号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、框の連結構造に関し、具体的には、門扉やドアなどの枠材として用いられるのに有用な框の連結構造に関するものである。」
イ 「【0013】本発明の框の連結構造は、図1および図2に示すごとく、中空状の縦框(1)と横框(2)とがあって、上記縦框(1)の内側端部を切り欠いて切欠部(10)を設け、この切欠部(10)に上記横框(2)を連結させる横框連結部(3)を有し、かつ、同切欠部(10)に嵌合する框キャップ(9)を取り付け、さらに、上記横框連結部(3)に上記横框(2)の端部を挿着して、上記縦框(1)の外側から取り付けられる固定具(8)にて同縦框(1)と上記横框(2)とが上記框キャップ(9)を介在させて連結固定されてなっているものである。」
ウ 「【0022】さらに図1及び図2に示すごとく、上記縦框(1)の外側に上記固定具(8)が挿通してねじ込まれるようにバカ穴(4)が形成されているものであると、このバカ穴(4)により、固定具(8)がスムーズにガイドされて、簡単に横框(2)の端部に挿通してねじ込まれるので、施工現場での組み立て制がより一層確実に向上するものである。」
(4)甲第6号証
甲第6号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「扉枠材4は、中空部8aを有するタイトエッジ8を一体成形してなる縦框9、9および横框10、10の各両端部を、後述するコーナーピース11、11…に嵌着して形成されていると共に、・・・上記コーナーピース11、11…は、第3図に示す如く、ピース本体13をL字状に折曲し、・・・同じく、ピース本体13の側端部には、縦框9、9及び横框10、10のタイトエッジ8内の中空部8aに各々嵌入するジョイント部16a、16bが突設されており、」(明細書5頁1~16行)
3 対比・判断
(1)本件発明1
ア 甲2発明を主引用発明として検討
(ア)本件発明1と甲2発明を対比する。
a 甲2発明の「縦框22」及び「召合わせ框23」、「上框20」及び「下框21」、「ガラス体2b」、「内障子2」は、それぞれ本件発明1の「縦材」、「横材」、「窓用板状体」、「支持構造体」に相当する。
また、甲2発明において、「連結部材30」は、「下框21の両端部でそれぞれ縦框22及び召合わせ框23の下端部と連結」するものであって、「下框21と縦框22または召合わせ框23との連結部分は、障子の重量を支えるため、大きな荷重がかかりやす」いことから、甲2発明の「連結部材30」は、本件発明1の「自重受け部材」に相当する。
b よって、本件発明1と甲2発明とは、
「複数本の縦材と複数本の横材とが矩形状に連結されてなり、窓用板状体が組み付けられてなる窓用板状体の支持構造体において、
前記窓用板状体を支持する自重受け部材が、前記縦材と下方に位置する前記横材との連結部に配置され、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して連結される、
窓用板状体の支持構造体。」で一致するものの、以下の3点で相違する。
(相違点1)本件発明1は、縦材と横材とが矩形状に連結されているのは、窓枠であって、該窓枠に窓用板状体が組み付けられる窓用板状体の支持構造体を連設してなるカーテンウォールであるのに対し、甲2発明は、縦材と横材とが矩形状に連結されているのは、内框体2aであって、該内框体2aに窓用板状体が組み付けられてなる窓用板状体の支持構造体である点。
(相違点2)自重受け部材の剛性について、本件発明1は、横材よりも高いのに対し、甲2発明は特定がない点。
(相違点3)甲2発明は、本件発明1の「前記縦材は第1の嵌合部を備え、前記下方に位置する横材は第2の嵌合部を備え、前記自重受け部材は、前記縦材の前記第1の嵌合部に嵌合される第3の嵌合部と前記下方に位置する横材の前記第2の嵌合部に嵌合される第4の嵌合部とを備え、前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結部材によって、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して嵌合連結されること」との特定がない点。
(イ)上記(ア)の相違点1~3のうち、まず相違点3について検討する。
a 甲第5号証及び甲第6号証には、本件発明1の第1の嵌合部ないし第4の嵌合部に相当する部材が記載されている。
しかしながら、甲2発明には、甲第2号証に「内障子2を構成する内框体2aと外障子3を構成する外框体3aについて、横材となる上框20及び下框21と、縦材となる縦框22及び召合わせ框23とを、各框材に接着される連結部材30、40、50、60により連結するようにしたので、框材の連結のためのビス孔を框材の長手方向に沿って設ける必要がなく、その分の材料を不要とできるので、軽量化及びコストダウンを図ることができる。また、連結する横材と縦材の端部に、連結のための加工を施す必要がなく、単に垂直に切断するだけでよいので、工数を削減しコストダウンを図ることができる。」(上記2(1)キ)と記載された作用効果を奏するものであるから、甲2発明の下框21と縦框22または召し合わせ框23の連結について、連結部材30である室内側部品31と室外側部品32を用いて接着により行う構成に代えて、上記第1の嵌合部ないし第4の嵌合部を適用する動機付けが存在しない。
b また、甲第5号証に記載された固定具8は、横框2と框キャップ9を連結しているものの、縦框1までを連結しているかどうか不明であるから、甲第5号証には、本件発明1の「前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結部材によって、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して嵌合連結される」構成が記載されていない。
さらに、甲第6号証には、本件発明1の「連結部材」に相当する部材が記載されていないから、甲第5号証と同じく、本件発明1の「前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結部材によって、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して嵌合連結される」構成が記載されていない。
したがって、仮に、甲第5号証及び甲第6号証に記載された事項を甲2発明に適用できたとしても、本件発明1の連結部材に相当する部材は存在しないものにしかならない。
c よって、甲2発明、甲第5号証及び甲第6号証に記載された事項に基いて、相違点3に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
d 申立人は、意見書において、「甲2発明における『召合わせ框23の端部』、『下框21の端部』、『連結部材30の縦材接着部31c、32c』、『連結部材30の横材接着部31b、32b』は、本件発明1のそれぞれ『第1の嵌合部』、『第2の嵌合部』、『第3の嵌合部』、『第4の嵌合部』に相当する。」(3頁21~24行)と主張している。
しかしながら、「縦材接着部32c」と「横材接着部32b」は「連結部材30」の「室外側部品32」の一構成部分であって、また、「縦材接着部31c」と「横材接着部31b」は「連結部材30」の「室内側部品31」の一構成部分であるから、『連結部材30の縦材接着部31c、32c』や『連結部材30の横材接着部31b、32b』は、嵌合部を構成していない。
よって、申立人の主張は採用することができない。
e 以上のとおりであるから、相違点1及び2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明、甲第5号証及び甲第6号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
イ 甲3発明を主引用発明として検討
(ア)本件発明1と甲3発明を対比する。
a 甲3発明の「吊元側縦枠材8」及び「縦枠材2」、「上横枠材3」及び「下横枠材3」、「方形状のパネル1」は、それぞれ本件発明1の「縦材」、「横材」、「窓用板状体」に相当する。
また、甲3発明において、「L字状のコーナー部材7」は、「前記方形の枠における吊元側の下隅の連結部にL字状のコーナー部材7を止めネジ4で固定することにより補形しており、」「前記L字状のコーナー部材7の水平片部6が下横枠材3に連結され、当該下横枠材3を介して開閉扉の重量を下方から支えることによって、当該開閉扉の形状及び支持状態をより強固に保持することができ」ることから、甲3発明の「L字状のコーナー部材7」は、本件発明1の「自重受け部材」に相当する。
さらに、甲3発明において、「上記上下横枠材3の端面に形成されたネジ孔に、前記縦枠材8,2の上下端部に設けられた前記横枠材3,3のネジ孔と向き合う孔を通して止めネジ4a,4aを固定する」ことから、「止めネジ4a,4a」は、縦枠材8,2と横枠材3,3を連結するものと認められ、本件発明1の「連結材」に相当する。そうすると、甲3発明の「前記上下横枠材3の端面に形成されたネジ孔に、前記縦枠材8,2の上下端部に設けられた前記横枠材3,3のネジ孔と向き合う孔を通して止めネジ4a,4aを固定すること」と、本件発明1の「前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結材によって、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受けを介して嵌合連結されること」とは、「前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結材によって、前記縦材と前記下方に位置する横材とが連結されること」で共通する。
b よって、本件発明1と甲3発明とは、
「複数本の縦材と複数本の横材とが矩形状に連結されてなり、窓用板状体が組み付けられてなる窓用板状体の支持構造体において、
前記窓用板状体を支持する自重受け部材が、前記縦材と下方に位置する前記横材との連結部に配置され、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して連結され、
前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結部材によって、前記縦材と前記下方に位置する横材とが連結される、
窓用板状体の支持構造体。」で一致するものの、以下の3点で相違する。
(相違点A)本件発明1は、縦材と横材とが矩形状に連結されているのは、窓枠であって、該窓枠に窓用板状体が組み付けられる窓用板状体の支持構造体を連設してなるカーテンウォールであるのに対し、甲3発明は、縦材と横材とが矩形状に連結された方形の枠であって、該方形の枠に窓用板状体が組み付けられてなる窓用板状体の支持構造体である点。
(相違点B)自重受け部材の剛性について、本件発明1は、横材よりも高いのに対し、甲3発明は特定がない点。
(相違点C)本件発明1は、前記縦材は第1の嵌合部を備え、前記下方に位置する横材は第2の嵌合部を備え、前記自重受け部材は、前記縦材の前記第1の嵌合部に嵌合される第3の嵌合部と前記下方に位置する横材の前記第2の嵌合部に嵌合される第4の嵌合部とを備え、前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結部材によって、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して嵌合連結されているのに対し、甲3発明は、本件発明1の上記第1の嵌合部ないし甲第4の嵌合部を備えてるとの特定がなく、また、前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結部材による連結が、前記自重受け部材を介して連結されていない点。
(イ)上記(ア)の相違点A~Cのうち、まず相違点Cについて検討する。
a 甲第3号証には、第二の実施の形態として、「L字状のコーナー部材7の垂直片部5は、吊元側縦枠材8の横架部27の中央部に設けられた凹部39に嵌合していること。」との甲3技術事項も記載されており、当該技術事項の凹部39及び垂直片部5は、それぞれ、本件発明1の第1の嵌合部及び第3の嵌合部に相当する。
また、甲第5号証及び甲第6号証には、本件発明1の第1の嵌合部ないし第4の嵌合部に相当する部材が記載されている。
b しかしながら、甲3発明において、止めネジ4a,4a(本件発明1の「連結部材」に相当。)は、縦枠材8,2と横枠材3,3とを、何らかの部材、つまりコーナー部材7を介して連結するものではない。
そして、コーナー部材7の連結についてみると、縦枠材8,2とコーナー部材7の垂直片部5とは止めネジ4eで、また、横枠材3,3とコーナー部材7の水平片部6とは止めネジ4gで固定されているから、このような部材同士の連結関係が確立されている状況で、甲3発明の止めネジ4a,4aを、縦枠材8,2と横枠材3,3の連結において、コーナー部材7を介して嵌合連結するものとすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。
また、甲3発明は、甲第3号証に「L字状のコーナー部材といった扉の最下支持部と丁番とを直に連結した構成によって、比較的大きな扉であっても、その荷重に耐えきれず扉の先部が垂れ下がったり、扉持体が変形することを有効に防止することができる。」(上記2(2)オ)と記載された作用効果を奏するものであるから、各止めネジ4a、4e、4gによる連結対象の部材を代えることは、阻害要因があるといえる。
c さらに、甲第5号証及び甲第6号証にも、上記ア(イ)bで説示したとおり、「前記縦材と前記下方に位置する横材とを連結する連結部材によって、前記縦材と前記下方に位置する横材とが前記自重受け部材を介して嵌合連結される」ことは記載されていない。
d よって、甲3発明、甲第5号証及び甲第6号証に記載された事項に基いて、相違点Cに係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
e 以上のとおりであるから、相違点A及びBについて検討するまでもなく、本件発明1は、甲3発明、甲第5号証及び甲第6号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
ウ 小括
以上のとおり、本件発明1は、甲第2号証または甲第3号証に記載された発明、及び甲第5号証並びに甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明2
本件発明2は、本件発明1の構成を全て含み、さらに限定を加えた発明であるから、上記(1)で検討したことと同じ理由により、甲第2号証または甲第3号証に記載された発明、及び甲第5号証並びに甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
4 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
申立人は、訂正前の特許請求の範囲に関し、申立書において、請求項1及び2に係る発明に対して、甲第1号証または甲第4号証を主引用例として、特許法第29条第2項違反を主張している。
しかしながら、甲第1号証には、「コーナー部材1」の材質として、アルミニウム、ステンレス等が挙げられているものの、「成形性、コスト等を考慮すると熱可塑性、もしくは熱硬化性の合成樹脂が好適であ」(2頁右下欄17~19行)り、また、甲第4号証には、「合成樹脂製L型連結部材2」の材質として、「例えばナイロンのような合成樹脂でできており、ガラスライナーとしての役割を果たす」(明細書3頁4~6行)ことからみて、甲第1号証に記載の「コーナー部材1」及び甲第4号証に記載の「合成樹脂製L型連結部材2」の剛性を、それぞれ甲第1号証に記載の「枠材2」及び甲第4号証に記載の「額縁3」より高いものとする動機付けはない。
よって、本件発明1、2は、甲第1号証または甲第2号証に記載の発明、及び甲第2、3、5、6号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第5 むすび
以上のとおり、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1及び2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2017-701058