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特許異議申立

2017-701016

照明用バルブ

審判番号
2017-701016
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2013-149806外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年10月25日
審決日
2019年03月08日
公報発行日
2019年06月28日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.161-YAA(F21S) / P1651.121-YAA(F21S)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条の2、特許法第29条第2項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6125935号発明「照明用バルブ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6125935号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6、8〕、7について訂正することを認める。 特許第6125935号の請求項1、2、4、7、8に係る特許を維持する。 特許第6125935号の請求項3、5、6に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

【理 由】 第1.手続の経緯 特許第6125935号の請求項1~8に係る特許についての出願は、平成25年7月18日に出願され、平成29年4月14日にその特許権の設定登録がされ、同年5月10に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 平成29年10月25日  :特許異議申立人遠藤義彦(以下「特許異議 申立人」という。)より請求項1~8に係る 特許に対する特許異議の申立て 平成30年 3月14日付け:取消理由通知書 同年 5月16日  :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 同年 6月 6日付け:訂正請求があった旨の通知書(特許法第12 0条の5第5項) 同年 7月12日  :特許異議申立人による意見書の提出 同年 9月25日付け:取消理由通知書(決定の予告) 同年11月27日  :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 同年12月21日付け:訂正請求があった旨の通知書(特許法第12 0条の5第5項) 平成31年 1月25日  :特許異議申立人による意見書の提出 第2.訂正の適否 1.訂正の内容 平成30年11月27日にされた訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。また、本件訂正請求に係る訂正を「本件訂正」という。)は、本件特許の願書に添付した明細書及び特許請求の範囲(以下、それぞれ「本件明細書」、「本件特許請求の範囲」といい、図面を含めて「本件明細書等」という。)を、訂正請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は以下のとおりである。 なお、平成30年5月16日にされた訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取下げられたものとみなす。(下線部は訂正個所) (1)訂正事項1 本件特許請求の範囲の請求項1に、 「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される素子設置部(2)」 と記載されているのを、 「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される設置部本体(20)と、前記設置部本体から前記中心軸αに沿って延設された取付芯部(21)と、を備える素子設置部(2)」 に訂正する。 (2)訂正事項2 本件特許請求の範囲の請求項1に、 「前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a~33c)と、を備え、」 と記載されているのを、 「前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a~33c)と、前記取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)と、該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン(41)と、を備えるヒートシンク部と、を備え、」 に訂正する。 (3)訂正事項3 本件特許請求の範囲の請求項1に、 「前記爪部は、前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されている」 と記載されているのを、 「前記各爪部は、前記取付芯部を挿通可能な固定部本体(30)の外周面上に立設されており、前記爪部は、前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されており、前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(40a)が形成されている」 に訂正する。 (4)訂正事項4 本件特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (5)訂正事項5 本件特許請求の範囲の請求項4に、 「請求項3に記載の照明用バルブ」 と記載されているのを、 「請求項1に記載の照明用バルブ」 に訂正する。 (6)訂正事項6 本件特許請求の範囲の請求項4に、 「前記固定部には」 と記載されているのを、 「前記固定部本体には」 に訂正する。 (7)訂正事項7 本件特許請求の範囲の請求項4に、 「第1かしめ孔(31a)」 と記載されているのを、 「かしめ孔(31a)」 に訂正する。 (8)訂正事項8 本件特許請求の範囲の請求項5を削除する。 (9)訂正事項9 本件特許請求の範囲の請求項6を削除する。 (10)訂正事項10 本件特許請求の範囲の請求項7に、 「請求項1~6のいずれか1項に記載の照明用バルブにおいて、3つの前記発光素子が、前記素子設置部の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記素子設置部に対して設置されることを特徴とする照明用バルブ。」 と記載されているのを、 「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される素子設置部(2)と、前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a~33c)と、を備え、前記爪部は、前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されており、3つの前記発光素子が、前記素子設置部の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記素子設置部に対して設置され、前記素子設置部及び前記爪部の並び方向でみて、前記素子設置部側を前方とし前記爪部側を後方とした場合、中央の前記発光素子は、両側の前記発光素子に比べ後方側にずれた位置に設置されていることを特徴とする照明用バルブ。」 に訂正する。 (11)訂正事項11 本件特許請求の範囲の請求項8に、 「請求項1~7のいずれか1項」 と記載されているのを、 「請求項1,2,4のいずれか1項」 に訂正する。 (12)訂正事項12 本件明細書の段落【0015】に、 「請求項5に記載したように」 と記載されているのを、 「請求項1に記載したように」 に訂正する。 (13)訂正事項13 本件明細書の段落【0019】に、 「請求項3に記載した照明用バルブのように」 と記載されているのを、 「請求項1に記載した照明用バルブのように」 に訂正する。 (14)訂正事項14 本件明細書の段落【0021】に、 「請求項6に記載したように」 と記載されているのを、 「請求項1に記載したように」 に訂正する。 本件訂正請求の訂正事項1~11の本件特許請求の範囲に係る訂正は、訂正前に引用関係を有する一群の請求項〔1~8〕に対して請求されたものである。また、訂正事項12~14に係る明細書に係る訂正は、一群の請求項〔1~8〕について請求されたものである。 なお、請求項7については、別途訂正単位とする求めが出ている。 2.訂正の適否 (1)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 ア.訂正事項1は、請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「素子設置部(2)」に関し、本件特許請求の範囲の請求項3の記載に基づいて「設置部本体(20)と、前記設置部本体から前記中心軸αに沿って延設された取付芯部(21)と、を備える」との限定を加えるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 イ.訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正により発明を特定する事項となった「取付芯部(21)」を備える「素子設置部(2)」を有する「照明用バルブ」に関し、本件特許請求の範囲の請求項6の記載に基づいて「前記取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)と、該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン(41)と、を備えるヒートシンク部と、」を備えるとの限定を加えるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ. 訂正事項3は、請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「爪部(33a~33c)」に関し、本件特許請求の範囲の請求項3の記載に基づいて「前記各爪部は、前記取付芯部を挿通可能な固定部本体(30)の外周面上に立設されており、」との限定を加えるとともに、上記訂正事項2に係る訂正により発明を特定する事項となった「挿通筒(40)」に関し、本件特許請求の範囲の請求項6の記載に基づいて「前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(40a)が形成されている」との限定を加えるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 エ.訂正事項4は、訂正前の請求項3を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 オ.訂正事項5は、上記訂正事項4に係る訂正により請求項1又は2を引用する請求項3が削除されたところ、訂正前に請求項3を引用していた請求項4を、訂正後に請求項1を引用する(請求項2を引用しない)ものとするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 カ.訂正事項6は、訂正前の請求項4に「前記固定部」との記載があるが、当該記載の前に「固定部」との記載がなく、「前記固定部」は、当該記載の前に記載されている「前記固定部本体」の誤りであったものと認められるから、誤記の訂正を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 キ.訂正事項7は、上記訂正事項3に係る訂正により、訂正後の請求項1に係る発明は、請求項6に記載されている「第2かしめ孔(40a)」ではなく「かしめ孔(40a)」が形成されていることととなったため、これと整合させるために、訂正前の請求項4に係る発明の「第1かしめ孔(31a)」を、訂正後に「かしめ孔(31a)」と訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ク.訂正事項8及び9は、訂正前の請求項5及び請求項6を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ケ.訂正事項10は、訂正前において、請求項7が、請求項1から6を引用するものであったところ、訂正後に、訂正前の請求項1を引用する請求項7に係る発明を特定するために必要な事項である「3つの前記発光素子」に関し、本件明細書の段落【0031】の「中央の設置面22(図2(c))は、両側の設置面22(図2(a)(b))に比べ後方側にずれた位置に形成されている。」との記載、【図2】、【図5】及び【図6】に示された「設置面22」の配置、及び【図6】に示された「設置面22」と「LED」の配置関係に基づいて「前記素子設置部及び前記爪部の並び方向でみて、前記素子設置部側を前方とし前記爪部側を後方とした場合、中央の前記発光素子は、両側の前記発光素子に比べ後方側にずれた位置に設置されてい」るとの限定を加えるとともに、請求項1を引用する請求項7について請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改める訂正であるから、特許請求の範囲の減縮及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないことを目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 コ.訂正事項11は、訂正前に請求項8が請求項1~7を引用したものであったものを、訂正後に請求項1、2、4を引用するものとし、引用する請求項数を減らすものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 サ.訂正事項12~14は、上記訂正事項1~4、8、9に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るためのものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 3.小括 以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第2号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1~6、8〕、7についての訂正を認める。 第3.本件発明 上記「第2.」で述べたとおり本件訂正は認められるから、本件訂正請求により訂正された請求項1、2、4、7、及び8に係る発明(以下、「本件発明1、2、4、7、及び8」という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1、2、4、7、及び8に記載された事項により特定される次のとおりのものである。なお、請求項3、5、及び6は、本件訂正により削除されている。 「【請求項1】 中心軸αの軸周りに発光素子が設置される設置部本体(20)と、前記設置部本体から前記中心軸αに沿って延設された取付芯部(21)と、を備える素子設置部(2)と、 前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a~33c)と、 前記取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)と、該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン(41)と、を備えるヒートシンク部と、 を備え、 前記各爪部は、 前記取付芯部を挿通可能な固定部本体(30)の外周面上に立設されており、 前記爪部は、 前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されており、 前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(40a)が形成されている ことを特徴とする照明用バルブ(1)。 【請求項2】 請求項1に記載の照明用バルブにおいて、 前記素子設置部には、 前記中心軸αの軸周りに前記発光素子を設置する設置面(22)が形成され、 前記設置面は、 前記素子設置部及び前記爪部の並び方向でみて、前記素子設置部側を前方とし前記爪部側を後方とした場合、前方側から後方側に向かうほど前記中心軸αに近づく傾斜面を形成していることを特徴とする照明用バルブ。 【請求項4】 請求項1に記載の照明用バルブにおいて、 前記固定部本体には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(31a)が形成されている ことを特徴とする照明用バルブ。 【請求項7】 中心軸αの軸周りに発光素子が設置される素子設置部(2)と、 前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a~33c)と、 を備え、 前記爪部は、 前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されており、 3つの前記発光素子が、前記素子設置部の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記素子設置部に対して設置され、 前記素子設置部及び前記爪部の並び方向でみて、前記素子設置部側を前方とし前記爪部側を後方とした場合、中央の前記発光素子は、両側の前記発光素子に比べ後方側にずれた位置に設置されていることを特徴とする照明用バルブ。 【請求項8】 請求項1,2,4のいずれか1項に記載の照明用バルブにおいて、 前記発光素子は、LEDであることを特徴とする照明用バルブ。」 第4.取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由について 1.取消理由の概要 本件訂正前(平成30年5月16日の訂正請求により訂正された時点)の請求項1、2、5、7、8に係る発明に対して平成30年9月25日付けで特許権者に通知した取消理由通知書(決定の予告)の取消理由の概要は、以下のとおりである。 [取消理由] 本件訂正前の請求項1、2、5、7、8に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に特許掲載公報の発行又は出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。なお、本件訂正により、請求項5は削除されている。 記 特許出願:特願2013-90503号(特開2013-229331号参照)(以下「先の出願」ということがある。) 上記出願は、申立人が証拠として提出した甲第1号証である。 2.先の出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲、又は図面(以下「当初明細書等」ということがある。)に記載された事項及び先願発明 (1)上記取消理由において引用した先の出願の当初明細書等には以下の事項が記載されている。 「【特許請求の範囲】 ・・・ 【請求項3】 悪天候などの気象条件で運転者の視認性を確保するために自動車のフォグランプに結合されるLED照明ランプにおいて、 PCB基板(312)の上部に複数のLED(311)が取り付けられて光を発散するLEDモジュール(310)と、 前記LEDモジュール(310)が結合されるために支持フレーム(321)が形成され、前記支持フレーム(321)の両側面にLEDモジュール(310)がそれぞれ取り付けられるモジュール装着手段(320)と、 前記モジュール装着手段(320)の後方にランプ結合部(331)が単純挿入される方式で結合され、前記ランプ結合部(331)によりLED照明ランプを自動車のフォグランプに固定させるランプ固定手段(330)と、 前記ランプ固定手段(330)の後方に円形フレーム(341)が前記モジュール装着手段(320)とネジ締め方式で結合され、前記円形フレーム(341)の外周面に複数の放熱フィン(342)が突出形成されて前記LED(311)を通じて発散される熱を前記放熱フィン(342)の熱交換作用を用いて冷却する放熱手段(340)と、 を含んで構成されたことを特徴とする自動車用LED照明ランプ。」 「【0010】 また、本発明は、LED照明ランプの構成要素を着脱構造で作製して、LEDモジュールとその他の電子部品の組み立て及びLED照明ランプの作製を容易にするとともに、前記放熱手段の内部にLED照明ランプの電子部品を収容可能な空間を形成することによって、これによりその他の電子部品を外部に露出させないようにして外観美を向上させることをまた他の目的とする。」 「【0039】 このとき、前記モジュール装着手段(320)の後方には雄ネジ部(323)が形成され、前記放熱手段(340)の前方内側には前記雄ネジ部(323)とネジ結合される雌ネジ部(343)が形成され、前記モジュール装着手段(320)と放熱手段(340)とを互いに結合させることができるようになる。 【0040】 一方、前記モジュール装着手段(320)の上部、下部で両側面には複数の補助放熱フィン(342)が等間隔に突出形成され、前記補助放熱フィン(342)は相対的に冷たい空気と熱平衡への熱交換をすることで、前記LED(311)から発散される熱を前記放熱手段(340)とともに補助的に冷却することができるようになる。 【0041】 そして、前記ランプ固定手段(330)のランプ結合部(331)の外周の一側には固定ボルト(333)を挿入して結合するためのボルト挿入孔(332)が貫通形成され、前記ボルト挿入孔(332)で前記固定ボルト(333)が結合されることによって前記固定ボルト(333)の下端部が前記モジュール装着手段(320)の側面を加圧し、これにより、前記ランプ固定手段(330)からモジュール装着手段(320)が分離されることを防止することとなる。 【0042】 このとき、前記ランプ結合部(331)と放熱手段(340)との間には円板形状に作製される分配板(400)が備えられ、前記分配板(400)に前記放熱手段(340)の側面が面着することにより、前記LED(311)から発散される熱が前記ランプ固定手段(330)を経ると、前記分配板(400)を通じて効率的に放熱手段(340)に熱を分散させることができるようになる。」 図面には以下の【図5】が図示されている。 (2)上記記載事項及び図示内容から次のことが認定できる。 ア.図5より、ランプ固定手段(330)のランプ結合部(331)の外周面上には3つの突部が立設されていること。 イ.【請求項3】及び段落【0039】の記載内容並びに図5の図示内容から、 モジュール装着手段(320)は、支持フレーム(321)と、支持フレーム(321)の後方に延設され、雄ネジ部(323)が形成された軸部とを有し、該軸部に、ランプ結合部(331)が単純挿入される方式で結合されること。 (3)以上より、先の出願には以下の発明(以下「先願発明」という。)が記載されていると認められる。 <先願発明> 「PCB基板(312)の上部に複数のLED(311)が取り付けられて光を発散するLEDモジュール(310)と、 前記LEDモジュール(310)が結合されるために支持フレーム(321)が形成され、前記支持フレーム(321)の両側面にLEDモジュール(310)がそれぞれ取り付けられるモジュール装着手段(320)と、 前記モジュール装着手段(320)は、支持フレーム(321)と、支持フレーム(321)の後方に延設され、雄ネジ部(323)が形成された軸部とを有しており、 前記モジュール装着手段(320)の前記軸部に、外周面上に3つの突部が立設されているランプ結合部(331)が単純挿入される方式で結合され、前記ランプ結合部(331)によりLED照明ランプを自動車のフォグランプに固定させるランプ固定手段(330)と、 前記ランプ固定手段(330)の後方に円形フレーム(341)が前記モジュール装着手段(320)とネジ締め方式で結合され、前記円形フレーム(341)の外周面に複数の放熱フィン(342)が突出形成されて前記LED(311)を通じて発散される熱を前記放熱フィン(342)の熱交換作用を用いて冷却する放熱手段(340)と を含んで構成される自動車用LED照明ランプ。」 3.当審の判断 (1)本件発明1について ア.対比 本件発明1と先願発明を対比する。 (ア)先願発明の「自動車用LED照明ランプ」は、その機能、構造からみて、本件発明1の「照明用バルブ(1)」に相当するといえる。 (イ)先願発明の「モジュール装着手段(320)」には、「支持フレーム(321)が形成され」、「前記支持フレーム(321)の両側面にLEDモジュール(310)がそれぞれ取り付けられ」、かかる「LEDモジュール(310)」は、「PCB基板(312)の上部に複数のLED(311)が取り付けられて」いるから、前記「モジュール装着手段(320)」に形成される「支持フレーム(321)」には、「LED(311)」が設置されているといえる。また、【図5】等を参照すると、「モジュール装着手段(320)」には、中心軸が存在し、「支持フレーム(321)」に設置される「LED(311)」は、かかる中心軸の軸周りに設置されているということができる。さらに、先願発明の「モジュール装着手段(320)」には中心軸が存在するところ、図5の図示内容をも踏まえると、「支持フレーム(321)の後方に延設され」た「軸部」は、前記中心軸に沿って延設されているということができる。 そうすると、先願発明の「モジュール装着手段(320)」は、本件発明1の「素子設置部(2)」に相当し、以下同様に「支持フレーム(321)」は「設置部本体(20)」に、「軸部」は「取付芯部(21)」に、「LED(311)」は「発光素子」に相当するといえる。 以上より、先願発明の「PCB基板(312)の上部に複数のLED(311)が取り付けられて光を発散するLEDモジュール(310)と、 前記LEDモジュール(310)が結合されるために支持フレーム(321)が形成され、前記支持フレーム(321)の両側面にLEDモジュール(310)がそれぞれ取り付けられるモジュール装着手段(320)と、前記モジュール装着手段(320)は、支持フレーム(321)と、支持フレーム(321)の後方に延設され、雄ネジ部(323)が形成された軸部とを有しており」との構成は、本件発明1の「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される設置部本体(20)と、前記設置部本体から前記中心軸αに沿って延設された取付芯部(21)と、を備える素子設置部(2)」との構成に相当するといえる。 (ウ)上記(イ)によれば、先願発明の「支持フレーム(321)の後方に延設され」た「軸部」は、前記中心軸に沿って延設されており、かかる「軸部」に、「外周面上に3つの突部が立設されているランプ結合部(331)が単純挿入される方式で結合され」るものであるから、先願発明の「ランプ結合部(331)」の「外周面上に」「立設されている」「3つの突部」は、「モジュール装着手段(320)」の前記中心軸に沿って「モジュール装着手段(320)」に並べて配置されるものであり、さらに、【図5】等を参照すると、前記中心軸の軸周りに間隔をあけて配置されているものということもできる。 そうすると、先願発明の「ランプ結合部(331)」の「外周面上に」「立設されている」「3つの突部」と、本件発明1の「前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a~33c)」とは、「前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の突部」との構成の限度で共通するといえる。 また、先願発明の「ランプ結合部(331)」は、本件発明1の「固定部本体(30)」に相当する。 以上より、先願発明の「前記モジュール装着手段(320)は、支持フレーム(321)と、支持フレーム(321)の後方に延設され、雄ネジ部(323)が形成された軸部とを有しており、前記モジュール装着手段(320)の前記軸部に、外周面上に3つの突部が立設されているランプ結合部(331)が単純挿入される方式で結合され、前記ランプ結合部(331)によりLED照明ランプを自動車のフォグランプに固定させるランプ固定手段(330)」を含む構成と、本件発明1の「前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a~33c)と」を備え「前記各爪部は、前記取付芯部を挿通可能な固定部本体(30)の外周面上に立設されており、前記爪部は、前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されており」との構成は、「前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の突部と」を備え「前記各突部は、前記取付芯部を挿通可能な固定部本体(30)の外周面上に立設されており、前記突部は、前記中心軸αの軸周りに設置されており」との構成の限度で共通する。 (エ)先願発明の「円形フレーム(341)」は、本件発明1の「挿通筒(40)」に相当し、先願発明の「前記円形フレーム(341)の外周面に」「突出形成され」る「複数の放熱フィン(342)」は、本件発明1の「該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン(41)」に相当する。 また、先願発明は「前記ランプ固定手段(330)の後方に円形フレーム(341)が前記モジュール装着手段(320)とネジ締め方式で結合され」る構成であるところ、具体的には「円形フレーム(341)がモジュール装着手段(320)」の「軸部」と「ネジ締め方式で結合され」る構成であり、さらに【図5】を参照すれば、先願発明の「円形フレーム(341)」は「軸部」を挿通可能としていることは明らかである。 以上より、先願発明の「前記ランプ固定手段(330)の後方に円形フレーム(341)が前記モジュール装着手段(320)とネジ締め方式で結合され、前記円形フレーム(341)の外周面に複数の放熱フィン(342)が突出形成されて前記LED(311)を通じて発散される熱を前記放熱フィン(342)の熱交換作用を用いて冷却する放熱手段(340)」は、本件発明1の「前記取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)と、該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン(41)と、を備えるヒートシンク部」に相当するといえる。 以上によれば、本件発明1と先願発明とは、次の点で一致するといえる。 <一致点> 「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される設置部本体と、前記設置部本体から前記中心軸αに沿って延設された取付芯部と、を備える素子設置部と、 前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の突部と、 前記取付芯部を挿通可能な挿通筒と、該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィンと、を備えるヒートシンク部と、 を備え、 前記各突部は、 前記取付芯部を挿通可能な固定部本体の外周面上に立設されており、 前記突部は、 前記中心軸αの軸周りに設置されている 照明用バルブ。」 そして、次の点で相違するといえる。 <相違点1> 突部が、本件発明1では、「爪部」であるのに対して、先願発明は、そのように特定されていない点。 <相違点2> 本件発明1は、「爪部」が、前記中心軸αの軸周りに「回動可能」に設置されているのに対して、先願発明は、そのように特定されていない点。 <相違点3> 本件発明1は、「前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔が形成されている」のに対して、先願発明は、そのように特定されていない点。 イ.判断 事案に鑑み、相違点3について検討する。 本件発明1の「挿通筒」に相当する先願発明の「円形フレーム(341)」には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔が形成されていない。 また、ヒートシンク部の挿通筒に、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔を形成する構成については、本件特許にかかる出願前に周知ないしは慣用技術であると認めるに足りる証拠はないから、相違点3は、課題解決のための具体化手段における微差(周知、慣用技術の付加、転換等であって、新たな効果を奏するものではないもの)とはいえない。 したがって、本件発明1は、実質的に先願発明と同一であるとはいえない。 ウ.小括 以上によれば、本件発明1は、実質的に先願発明と同一であるとはいえない。 (2)本件発明2、4、8について 本件発明2、4、8は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに減縮したものである。そして、上記(1)イ.で述べたとおり、本件発明1は、実質的に先願発明と同一であるとはいえないから、本件発明2、4、8も、本件発明1と同様に実質的に先願発明と同一であるとはいえない。 (3)本件発明7について ア.対比 本件発明7と先願発明を対比する。 (ア)先願発明の「自動車用LED照明ランプ」は、その機能、構造からみて、本件発明7の「照明用バルブ(1)」に相当するといえる。 (イ)上記(1)ア.(イ)及び(ウ)の対比関係と同様に、先願発明の「PCB基板(312)の上部に複数のLED(311)が取り付けられて光を発散するLEDモジュール(310)と、前記LEDモジュール(310)が結合されるために支持フレーム(321)が形成され、前記支持フレーム(321)の両側面にLEDモジュール(310)がそれぞれ取り付けられるモジュール装着手段(320)と、前記モジュール装着手段(320)は、支持フレーム(321)と、支持フレーム(321)の後方に延設され、雄ネジ部(323)が形成された軸部とを有しており、前記モジュール装着手段(320)の前記軸部に、外周面上に3つの突部が立設されているランプ結合部(331)が単純挿入される方式で結合され、前記ランプ結合部(331)によりLED照明ランプを自動車のフォグランプに固定させるランプ固定手段(330)と」を含む構成と、本件発明7の「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される素子設置部(2)と、前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a~33c)と、を備え、前記爪部は、前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されており」との構成は、「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される素子設置部(2)と、前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の突部と、を備え、前記突部は、前記中心軸αの軸周りに設置されており」との構成の限度で共通する。 以上によれば、本件発明7と先願発明とは、次の点で一致するといえる。 <一致点> 「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される素子設置部(2)と、 前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の突部と、 を備え、 前記突部は、 前記中心軸αの軸周りに設置されている照明用バルブ。」 そして、次の点で相違するといえる。 <相違点1’> 突部が、本件発明7では、「爪部」であるのに対して、先願発明は、そのように特定されていない点。 <相違点2’> 本件発明7は、「爪部」が、前記中心軸αの軸周りに「回動可能」に設置されているのに対して、先願発明は、そのように特定されていない点。 <相違点3’> 本件発明7は、「3つの前記発光素子が、前記素子設置部の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記素子設置部に対して設置され、前記素子設置部及び前記爪部の並び方向でみて、前記素子設置部側を前方とし前記爪部側を後方とした場合、中央の前記発光素子は、両側の前記発光素子に比べ後方側にずれた位置に設置されている」のに対して、先願発明は、そのように特定されていない点。 イ.判断 事案に鑑み、相違点3’について検討する。 先願発明は、相違点3’に係る本件発明7に対応する構成として、「PCB基板(312)の上部に複数のLED(311)が取り付けられて光を発散するLEDモジュール(310)」を含み、「前記LEDモジュール(310)が結合されるために支持フレーム(321)が形成され、前記支持フレーム(321)の両側面にLEDモジュール(310)がそれぞれ取り付けられる」構成を備えるものである。 かかる先願発明の構成と【図5】等を参照すれば、先願発明は、2つのLED(311)が、LEDモジュール(310)の軸周りに180°位置を変えて前記LEDモジュール(310)に対して設置されている構成を備えているいうことができる。 ここで、3つの発光素子が、発光素子を装着する部材の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記発光素子を装着する部材に対して設置するように構成することに関しては、照明用バルブの技術分野において、本件特許にかかる出願前に周知ないしは慣用技術(例えば、先の取消理由(決定の予告)で引用した刊行物2(特開2011-181418号公報)の【図6】及び刊行物3(特開2006-210340号公報)の段落【0011】を参照。)といえる。 しかしながら、上記周知ないしは慣用技術の転換を図った先願発明でも、支持フレーム(321)と各PCB基板(312)の位置関係、及び該各PCB基板(312)とLED(311)の配置関係は不明であるから、中央のLEDは、両側の前記LEDに比べ後方側にずれた位置に設置されているとまではいえない。 また、「中央の光源素子は、両側の前記光源素子に比べ後方側にずれた位置に設置する」構成については、本件特許にかかる出願前に周知ないしは慣用技術であると認めるに足りる証拠はないから、相違点3’は、課題解決のための具体化手段における微差(周知、慣用技術の付加、転換等であって、新たな効果を奏するものではないもの)とはいえない。 したがって、本件発明7は、先願発明と同一であるとはいえない。 第5.取消理由(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由について 1.特許異議申立人が主張する取消理由の概要(特許法第29条第2項) [申立理由]請求項1~8に係る発明は、甲第2号証に記載されている発明及び甲第3号証~甲第5号証に記載された周知ないし慣用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 甲第2号証:実用新案登録第3100113号公報 甲第3号証:特開2011-181418号公報 甲第4号証:特開2006-210340号公報 甲第5号証:特開2010-212220号公報 2.当審の判断 (1)本件発明1、2、4、8について 本件発明1は、「前記取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)と、該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン(41)と、を備えるヒートシンク部」を備え、「前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(40a)が形成されている」との事項を有している。 これに対して、甲第2号証に記載された発明は、本件発明1の「取付芯部」に相当する「バルブホルダ2」には、本件発明1の上記「ヒートシンク部」を備えていない。 ここで、照明用バルブの技術分野において、光源素子等から発生する熱を放熱するためにヒートシンク部を備える構成に関しては、本件特許にかかる出願前に周知ないし慣用技術(例えば、甲第3号証の【図6】等に示されたヒートシンク3、及び甲第5号証の【図1】等に示された冷却フィンを参照。)である。 しかしながら、甲第2号証に記載された発明に上記周知ないしは慣用技術を適用した構成であっても、「ヒートシンク部」に「取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)」を備え、「前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(40a)が形成されている」との構成にまで至るものではない。 また、上記「ヒートシンク部」に「取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)」を備え、「前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(40a)が形成されている」との構成については、甲第3号証~甲第5号証において記載も示唆もされておらず、他に、本件特許にかかる出願前に周知ないしは慣用技術であると認めるに足りる証拠もない。 したがって、本件発明1は、甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証~甲第5号証に記載された周知ないし慣用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 本件発明2、4、8は、本件発明1の発明特定事項を全て備え、さらに新たな事項を付加したものであるから、本件発明1と同様に、甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証~甲第5号証に記載された周知ないし慣用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 (2)本件発明7について 本件発明7は、「3つの前記発光素子が、前記素子設置部の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記素子設置部に対して設置され、前記素子設置部及び前記爪部の並び方向でみて、前記素子設置部側を前方とし前記爪部側を後方とした場合、中央の前記発光素子は、両側の前記発光素子に比べ後方側にずれた位置に設置されている」との事項を有している。 これに対して、甲第2号証に記載された発明は、本件発明1の「発光素子」に対応する「高輝度放電バルブ1」は、「バルブホルダ2」の先端部に取り付けられている。 ここで、照明用バルブの技術分野において、3つの発光素子が、発光素子を装着する部材の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記発光素子を装着する部材に対して設置するように構成することに関しては、本件特許にかかる出願前に周知ないし慣用技術(例えば、先の取消理由(決定の予告)で引用した刊行物2(特開2011-181418号公報)の【図6】及び刊行物3(特開2006-210340号公報)の段落【0011】を参照。)といえる。 しかしながら、甲第2号証に記載された発明に上記周知ないし慣用技術を適用した構成であっても、当該周知ないしは慣用技術には、各光源素子の前後方向における具体的位置までは特定されていないから、本件発明7に係る「中央のLEDは、両側の前記LEDに比べ後方側にずれた位置に設置される」構成には至るものではない。 また、「中央の光源素子は、両側の前記光源素子に比べ後方側にずれた位置に設置する」構成については、甲第3号証~甲第5号証においても記載も示唆もされておらず、他に、本件特許にかかる出願前に周知ないしは慣用技術であると認めるに足りる証拠もない。 したがって、本件発明7は、甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証~甲第5号証に記載された周知ないし慣用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 したがって、特許異議申立書人の主張する申立理由で、本件請求項1、2、4、7、及び8に係る特許を取り消すことができない。 第6.むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、2、4、7、及び8に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1、2、4、7、及び8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、請求項3、5、及び6に係る特許は、上記のとおり、本件訂正により削除された。これにより、特許異議申立人による特許異議申立てについて、請求項3、5、及び6に係る申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2017-701016

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