特許異議申立
2017-700990
分電盤、分電盤システム、自立分電盤
- 審判番号
- 2017-700990
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2015-511082
- 登録番号
- 特許第6115000号(P6115000)
- 請求日
- 2017年10月16日
- 審決日
- 2018年06月01日
- 公報発行日
- 2018年09月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】パナソニックIPマネジメント株式会社
- 【権利者代理人】特許業務法人北斗特許事務所
- 【異議申立人】川島 与志雄
- 審判長/審判官
- 審判長 中村 達之
- 審判官 平田 信勝
- 審判官 尾崎 和寛
- 分類
- P1652.113-YAA(H02B) / P1652.121-YAA(H02B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6115000号発明「分電盤、分電盤システム、自立分電盤」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6115000号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-17〕、〔18-22〕について」)訂正することを認める。
特許第6115000号の請求項1、2、3、4、7、9、15、17、18、19、20、21、22に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6115000号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~22に係る特許についての出願は、2014年3月19日(優先権主張2013年4月8日、日本国)を国際出願日として特許出願され、平成29年3月31日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許の請求項1、2、3、4、7、9、15、17、18、19、20、21、22に係る特許について、平成29年10月16日に特許異議申立人 川島与志雄(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審において平成30年1月26日付けで取消理由を通知し、同年3月30日付けで意見書の提出及び訂正の請求があり、その訂正の請求に対して平成30年5月17日付けで特許異議申立人から意見書が提出されたものである。
第2 訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
平成30年3月30日付けの訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は以下のとおりである。
なお、下線部は訂正箇所を示す。以下同様。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含む」
とあるのを、
「前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記処理部は、前記第1の分散型電源が前記第1の取付スペースに配置された前記第1の開閉器に接続されると、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報を処理するためのプログラムとデータとを読み込むことで、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報を更に含む前記入力情報に基づいて前記出力情報を生成する処理が可能になる」
に訂正する。
請求項1の記載を引用する請求項2~4、7、9、15、17も同様に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項5に、
「前記通信インターフェイス部は、さらに、前記所定場所に設置される設備機器と通信するよう構成され、前記処理部は、前記設備機器の制御と監視との少なくとも一方を行うよう構成される請求項4記載の分電盤。」
とあるのを、
「分電盤であって、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記連携アダプタは、前記他装置と通信するよう構成される通信インターフェイス部を備え、前記通信インターフェイス部は、公衆網を通して通信する通信機器に前記出力情報を送出することと、利用者に情報を提示する提示機器に前記出力情報を送出することと、前記分電盤が取り付けられた所定場所に設置される設備機器を管理するコントローラに前記出力情報を送出することとのうちの少なくとも一つを行うよう構成され、前記通信インターフェイス部は、さらに、前記所定場所に設置される設備機器と通信するよう構成され、前記処理部は、前記設備機器の制御と監視との少なくとも一方を行うよう構成される分電盤。」
に訂正する。
請求項5の記載を引用する請求項7、9、15、17も同様に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項6に、
「前記通信インターフェイス部は、さらに、通信機能を有した電力量計と通信するよう構成され、前記処理部は、前記電力量計から取得した情報を前記入力情報に加えるよう構成される請求項4又は5記載の分電盤。」
とあるのを、
「分電盤であって、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記連携アダプタは、前記他装置と通信するよう構成される通信インターフェイス部を備え、前記通信インターフェイス部は、公衆網を通して通信する通信機器に前記出力情報を送出することと、利用者に情報を提示する提示機器に前記出力情報を送出することと、前記分電盤が取り付けられた所定場所に設置される設備機器を管理するコントローラに前記出力情報を送出することとのうちの少なくとも一つを行うよう構成され、前記通信インターフェイス部は、さらに、通信機能を有した電力量計と通信するよう構成され、前記処理部は、前記電力量計から取得した情報を前記入力情報に加えるよう構成される分電盤。」
に訂正する。
請求項6の記載を引用する請求項7、9、15、17も同様に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項8に、
「前記通信インターフェイス部は、前記コントローラと通信するよう構成され、前記処理部は、前記コントローラから前記設備機器に関する情報を取得し、前記コントローラから取得した前記設備機器に関する情報を前記入力情報に加え、前記入力情報に基づいて前記設備機器を管理する情報を生成し、生成した情報を前記出力情報として前記コントローラに引き渡すよう構成される請求項4~7のいずれか1項に記載の分電盤。」
とあるのを、
「分電盤であって、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記連携アダプタは、前記他装置と通信するよう構成される通信インターフェイス部を備え、前記通信インターフェイス部は、公衆網を通して通信する通信機器に前記出力情報を送出することと、利用者に情報を提示する提示機器に前記出力情報を送出することと、前記分電盤が取り付けられた所定場所に設置される設備機器を管理するコントローラに前記出力情報を送出することとのうちの少なくとも一つを行うよう構成され、前記通信インターフェイス部は、前記コントローラと通信するよう構成され、前記処理部は、前記コントローラから前記設備機器に関する情報を取得し、前記コントローラから取得した前記設備機器に関する情報を前記入力情報に加え、前記入力情報に基づいて前記設備機器を管理する情報を生成し、生成した情報を前記出力情報として前記コントローラに引き渡すよう構成される分電盤。」
に訂正する。
請求項8の記載を引用する請求項9、15、17も同様に訂正する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項10に、
「記憶媒体が着脱可能に装着される接続部をさらに備え、前記処理部は、前記入力情報から前記出力情報を生成するためのプログラムを実行するプロセッサを備え、前記記憶媒体から前記プログラムを取得するよう構成される請求項1~8のいずれか1項に記載の分電盤。」
とあるのを、
「分電盤であって、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、記憶媒体が着脱可能に装着される接続部をさらに備え、前記処理部は、前記入力情報から前記出力情報を生成するためのプログラムを実行するプロセッサを備え、前記記憶媒体から前記プログラムを取得するよう構成される分電盤。」
に訂正する。
請求項10の記載を引用する請求項15、17も同様に訂正する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項11に、
「前記連携アダプタは、前記電力系統の電源線が接続される第1の端子部と、前記第1の端子部と電気的に接続され、かつ前記主幹ブレーカが電気的に接続される第2の端子部とを備える請求項1~10のいずれか1項に記載の分電盤。」
とあるのを、
「分電盤であって、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記連携アダプタは、前記電力系統の電源線が接続される第1の端子部と、前記第1の端子部と電気的に接続され、かつ前記主幹ブレーカが電気的に接続される第2の端子部とを備える分電盤。」
に訂正する。
請求項11の記載を引用する請求項15、17も同様に訂正する。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項12に、
「前記連携アダプタは、前記電力系統の電源線が接続される第1の端子部と、前記第1の端子部と電気的に接続され、かつ前記主幹ブレーカが電気的に接続される第2の端子部と、前記第1の端子部および前記第2の端子部と電気的に接続され、かつ前記第1の開閉器が電気的に接続される第3の端子部とを備える請求項1~10のいずれか1項に記載の分電盤。」
とあるのを、
「分電盤であって、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記連携アダプタは、前記電力系統の電源線が接続される第1の端子部と、前記第1の端子部と電気的に接続され、かつ前記主幹ブレーカが電気的に接続される第2の端子部と、前記第1の端子部および前記第2の端子部と電気的に接続され、かつ前記第1の開閉器が電気的に接続される第3の端子部とを備える分電盤。」
に訂正する。
請求項12の記載を引用する請求項13~15、17も同様に訂正する。
なお、訂正請求書における「請求項12の記載を引用する請求項15、17も同様に訂正する」(8頁11~12行)との記載は、引用関係からみて、上記のとおり「請求項13~15、17も同様に訂正する」の誤記と認める。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項16に、
「前記連携アダプタは、前記処理部を収納し、且つ前記分電盤に取り付けられる器体をさらに備え、前記第1の取付スペースが前記器体に設けられている請求項1~15のいずれか1項に記載の分電盤。」
とあるのを、
「分電盤であって、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記連携アダプタは、前記処理部を収納し、且つ前記分電盤に取り付けられる器体をさらに備え、前記第1の取付スペースが前記器体に設けられている分電盤。」
に訂正する。
請求項16の記載を引用する請求項17も同様に訂正する。
(9)訂正事項9
明細書の段落【0007】を、
「本発明に係る一態様の分電盤は、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記処理部は、前記第1の分散型電源が前記第1の取付スペースに配置された前記第1の開閉器に接続されると、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報を処理するためのプログラムとデータとを読み込むことで、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報を更に含む前記入力情報に基づいて前記出力情報を生成する処理が可能になる。本発明に係る一態様の分電盤は、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記連携アダプタは、前記他装置と通信するよう構成される通信インターフェイス部を備え、前記通信インターフェイス部は、公衆網を通して通信する通信機器に前記出力情報を送出することと、利用者に情報を提示する提示機器に前記出力情報を送出することと、前記分電盤が取り付けられた所定場所に設置される設備機器を管理するコントローラに前記出力情報を送出することとのうちの少なくとも一つを行うよう構成され、前記通信インターフェイス部は、さらに、前記所定場所に設置される設備機器と通信するよう構成され、前記処理部は、前記設備機器の制御と監視との少なくとも一方を行うよう構成される。本発明の一態様に係る分電盤は、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記連携アダプタは、前記他装置と通信するよう構成される通信インターフェイス部を備え、前記通信インターフェイス部は、公衆網を通して通信する通信機器に前記出力情報を送出することと、利用者に情報を提示する提示機器に前記出力情報を送出することと、前記分電盤が取り付けられた所定場所に設置される設備機器を管理するコントローラに前記出力情報を送出することとのうちの少なくとも一つを行うよう構成され、前記通信インターフェイス部は、さらに、通信機能を有した電力量計と通信するよう構成され、前記処理部は、前記電力量計から取得した情報を前記入力情報に加えるよう構成される。本発明の一態様に係る分電盤は、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記連携アダプタは、前記他装置と通信するよう構成される通信インターフェイス部を備え、前記通信インターフェイス部は、公衆網を通して通信する通信機器に前記出力情報を送出することと、利用者に情報を提示する提示機器に前記出力情報を送出することと、前記分電盤が取り付けられた所定場所に設置される設備機器を管理するコントローラに前記出力情報を送出することとのうちの少なくとも一つを行うよう構成され、前記通信インターフェイス部は、前記コントローラと通信するよう構成され、前記処理部は、前記コントローラから前記設備機器に関する情報を取得し、前記コントローラから取得した前記設備機器に関する情報を前記入力情報に加え、前記入力情報に基づいて前記設備機器を管理する情報を生成し、生成した情報を前記出力情報として前記コントローラに引き渡すよう構成される。本発明に係る一態様の分電盤は、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、記憶媒体が着脱可能に装着される接続部をさらに備え、前記処理部は、前記入力情報から前記出力情報を生成するためのプログラムを実行するプロセッサを備え、前記記憶媒体から前記プログラムを取得するよう構成される。本発明に係る一態様の分電盤は、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記連携アダプタは、前記電力系統の電源線が接続される第1の端子部と、前記第1の端子部と電気的に接続され、かつ前記主幹ブレーカが電気的に接続される第2の端子部とを備える。本発明の一態様に係る分電盤は、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記連携アダプタは、前記電力系統の電源線が接続される第1の端子部と、前記第1の端子部と電気的に接続され、かつ前記主幹ブレーカが電気的に接続される第2の端子部と、前記第1の端子部および前記第2の端子部と電気的に接続され、かつ前記第1の開閉器が電気的に接続される第3の端子部とを備える。本発明の一態様に係る分電盤は、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカとを備え、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記連携アダプタは、前記処理部を収納し、且つ前記分電盤に取り付けられる器体をさらに備え、前記第1の取付スペースが前記器体に設けられている。」
に訂正する。
(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項18に、
「前記分電盤は、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない前記第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースとを備え、」
とあるのを、
「前記分電盤は、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない前記第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備え、前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、前記処理部は、前記第1の分散型電源が前記第1の取付スペースに配置された前記第1の開閉器に接続されると、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報を処理するためのプログラムとデータとを読み込むことで、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報を更に含む前記入力情報に基づいて前記出力情報を生成する処理が可能になり、」
に訂正する。
請求項18の記載を引用する請求項19~22も同様に訂正する。
(11)訂正事項11
明細書の段落【0025】を、
「本発明に係る分電盤システムは、系統電源からの電力供給が停止している状態で電力の出力が可能である前記第2の分散型電源が接続された分電盤と、前記系統電源からの電力供給が停止している状態で電力供給が必要である機器が接続された第2の分岐ブレーカを備える自立分電盤とを備える。前記分電盤は、電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない前記第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、連携アダプタとを備える。前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備える。前記入力情報は、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含む。前記処理部は、前記第1の分散型電源が前記第1の取付スペースに配置された前記第1の開閉器に接続されると、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報を処理するためのプログラムとデータとを読み込むことで、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報を更に含む前記入力情報に基づいて前記出力情報を生成する処理が可能になる。前記自立分電盤は、前記系統電源から電力が供給されている期間には前記主幹ブレーカを通して給電され、前記系統電源からの電力供給が停止している期間には前記第2の分散型電源から給電される。」
に訂正する。
2.訂正の適否
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る発明の「入力情報」に関して、「電力系統から受電する電力に関する情報」、「複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報」、「第1の開閉器を通過する電力に関する情報」、「第2の開閉器を通過する電力に関する情報」の4つの選択肢の中から「少なくとも一つを含む」としていたところ、「第1の開閉器を通過する電力に関する情報」を省いた3つの選択肢の中から「少なくとも一つを含む」とする訂正(以下、「訂正事項1-1」という。)を含んでおり、当該訂正事項1-1は、択一的記載の要素を削除するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。
また、訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る発明の「入力情報」に関して、「第1の分散型電源が第1の取付スペースに配置された第1の開閉器に接続されると、」「第1の開閉器を通過する電力に関する情報を更に含む」との特定を付加するとともに、「処理部」に関して、「第1の分散型電源が第1の取付スペースに配置された第1の開閉器に接続されると、第1の開閉器を通過する電力に関する情報を処理するためのプログラムとデータとを読み込むことで、第1の開閉器を通過する電力に関する情報を更に含む入力情報に基づいて出力情報を生成する処理が可能になる」との特定を付加する訂正(以下、「訂正事項1-2」という。)を含んでおり、当該訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。
以上を総合すると、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものといえる。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
訂正事項1-1は、訂正前の請求項1に係る発明の「入力情報」に関する前記の4つの選択肢から1つを省くものであり、願書に添付した特許請求の範囲に記載した事項の範囲内のものといえる。
また、願書に添付した明細書には次の記載がある。なお、下線は当審で付したものである。以下同様。
「【0094】
第1の分散型電源41が発電した電力に関する情報を処理部13が入力情報に用いて出力情報を生成する処理は、第1の分散型電源41が接続されている場合にのみ必要になる。そのため、第1の分散型電源41が接続されたときに、該当するプログラムとデータ(第1の開閉器51を通過する電力に関する情報を処理するためのプログラムとデータ)を処理部13で読み込むことが望ましい。・・・」
「【0113】
処理部13は、分電盤30に第1の分散型電源41が接続されると、第1の開閉器51を通過する電力に関する情報を入力情報に加える。・・・」
「【0145】
太陽光発電装置のように発電した電力を電力系統へ逆潮流させる(たとえば、電力系統への逆潮流が許容されている)第1の分散型電源41を需要家が導入する場合は、連携アダプタ10に、第1の分散型電源41を主幹回路に接続するための第1の開閉器51が取りつけられる。さらに、第1の分散型電源41が接続された場合の処理が可能になるように、連携アダプタ10における処理部13のプログラムとデータの更新が行われる。」
以上の記載を参照すれば、訂正事項1-2は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内ものといえる。
よって、訂正事項1は、願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するといえる。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る発明を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するといえる。
(2)訂正事項2~8について
ア 訂正の目的
(ア)
訂正事項2は、訂正前の請求項5が訂正前の請求項4を引用し、訂正前の請求項4が訂正前の請求項1~3のいずれか1項の記載を引用する記載であったものを、請求項1及び4を引用するものについて請求項間の引用関係を解消し、独立形式請求項に改めるための訂正である。
(イ)
訂正事項3は、訂正前の請求項6が訂正前の請求項4又は5の記載を引用し、訂正前の請求項4が訂正前の請求項1~3のいずれか1項の記載を引用する記載であったものを、請求項1及び4を引用するものについて請求項間の引用関係を解消し、独立形式請求項に改めるための訂正である。
(ウ)
訂正事項4は、訂正前の請求項8が訂正前の請求項4~7のいずれか1項の記載を引用し、訂正前の請求項4が訂正前の請求項1~3のいずれか1項の記載を引用する記載であったものを、請求項1及び4を引用するものについて請求項間の引用関係を解消し、独立形式請求項に改めるための訂正である。
(エ)
訂正事項5は、訂正前の請求項10が訂正前の請求項1~8のいずれか1項の記載を引用する記載であったものを、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消し、独立形式請求項に改めるための訂正である。
(オ)
訂正事項6は、訂正前の請求項11が訂正前の請求項1~10のいずれか1項の記載を引用する記載であったものを、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消し、独立形式請求項に改めるための訂正である。
(カ)
訂正事項7は、訂正前の請求項12が訂正前の請求項1~10のいずれか1項の記載を引用する記載であったものを、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消し、独立形式請求項に改めるための訂正である。
(キ)
訂正事項8は、訂正前の請求項16が訂正前の請求項1~15のいずれか1項の記載を引用する記載であったものを、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消し、独立形式請求項に改めるための訂正である。
(ク)
以上のとおりであるので、訂正事項2~8は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものといえる。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2~8は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことは、明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項、第6項の規定に適合するといえる。
(3)訂正事項9について
ア 訂正の目的
訂正事項9は、訂正事項1~8による特許請求の範囲の訂正に伴い、対応する明細書の記載の整合を図るためにする訂正であり、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものといえる。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項9は、訂正事項1~8と同じ内容のものであるので、訂正事項1~8と同様に、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないので、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項、第6項の規定に適合するといえる。
(4)訂正事項10について
ア 訂正の目的
訂正事項10は、訂正前の請求項18に係る発明に、「連携アダプタ」に関する発明特定事項を付加するものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものといえる。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
願書に添付した明細書には次の記載がある。
「【0134】
(自立分電盤との連携)
以下、本実施形態の分電盤システムについて説明する。図1に示すように、本実施形態の分電盤システムは、系統電源25からの電力供給が停止している状態で電力の出力が可能である第2の分散型電源42が接続された分電盤30と、自立分電盤80とを備える。」
そして、願書に添付した図面の【図1】には、連携アダプタ10が備えられている分電盤30と自立分電盤80とを備える分電盤システムが示されている。
また、分電盤が「連携アダプタ」を備えることは、訂正前の請求項1に記載されており、「連携アダプタ」の「処理部」における処理内容については、上記「(1)イ」で述べたとおり、願書に添付した明細書の段落【0094】、【0113】、【0145】に記載されているといえる。
よって、訂正事項10は、願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するといえる。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項10は、訂正前の請求項18に係る発明を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項10は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するといえる。
(5)訂正事項11について
ア 訂正の目的
訂正事項11は、訂正事項10による特許請求の範囲の訂正に伴い、対応する明細書の記載の整合を図るためにする訂正であり、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものといえる。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項11は、訂正事項10と同じ内容のものであるので、訂正事項10と同様に、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないので、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項、第6項の規定に適合するといえる。
(6)特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正前の請求項1~4、7、9、15、17~22に対して特許異議申立人から特許異議の申立てがされているので、「特許請求の範囲の減縮」を目的として請求項1及び請求項1の記載を引用する請求項2~4、7、9、15、17を訂正する訂正事項1、並びに、請求項18及び請求項18の記載を引用する請求項19~22を訂正する訂正事項10に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の要件は課されない。
また、請求項5、6、8、10~14、16については、「請求項間の引用関係の解消」を目的とする訂正(訂正事項2~8)のみがされたので、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の要件は課されない。
(7)一群の請求項
訂正前の請求項1~17について、訂正前の請求項2~17は訂正前の請求項1を直接または間接的に引用するものであり、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、請求項1~17は、一群の請求項である。
また、訂正前の請求項18~22について、訂正前の請求項19~22は訂正前の請求項18を直接または間接的に引用するものであり、訂正事項10によって記載が訂正される請求項18に連動して訂正されるものである。
したがって、請求項18~22は、一群の請求項である。
よって、訂正事項1~9及び訂正事項10~11は、一群の請求項ごとに請求されたものであり、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。
(4)小括
以上のとおりであるので、訂正事項1~11は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1~17〕、〔18~22〕について訂正を認める。
なお、特許権者は、訂正事項2~8による訂正後の請求項5~12、15~17についての訂正が認められる場合には、請求項5~12、15~17は、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを求めているが(訂正請求書の37頁末行~38頁10行)、訂正後の請求項17は、依然として請求項1~16のいずれか1項の記載を引用するものであり、訂正後も請求項1~17は一群の請求項となるので、請求人の求めを認めることはできない。
第3 特許異議の申立てについて
1.本件発明
本件訂正により訂正された請求項1~22に係る発明(以下、「本件発明1~22」という。)は、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1~22に記載された事項により特定される次のとおりのものであるところ、本件発明1~4、7、9、15、17~22は次のとおりのものである。
「【請求項1】
電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、
前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカと
を備え、
発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、
発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、
連携アダプタと
を備え、
前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、
前記入力情報は、
前記電力系統から受電する電力に関する情報と、
前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、
前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報と
の少なくとも一つを含み、
前記処理部は、前記第1の分散型電源が前記第1の取付スペースに配置された前記第1の開閉器に接続されると、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報を処理するためのプログラムとデータとを読み込むことで、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報を更に含む前記入力情報に基づいて前記出力情報を生成する処理が可能になる
分電盤。
【請求項2】
前記入力情報は、少なくとも、前記電力系統から受電する電力に関する情報と、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報とを含む
請求項1記載の分電盤。
【請求項3】
前記複数の負荷回路の電力をそれぞれ計測するよう構成される複数のセンサが設けられた計測ユニットをさらに備え、
前記連携アダプタは、前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報とを、前記計測ユニットから取得するよう構成される
請求項1または2記載の分電盤。
【請求項4】
前記連携アダプタは、前記他装置と通信するよう構成される通信インターフェイス部を備え、
前記通信インターフェイス部は、
公衆網を通して通信する通信機器に前記出力情報を送出することと、
利用者に情報を提示する提示機器に前記出力情報を送出することと、
前記分電盤が取り付けられた所定場所に設置される設備機器を管理するコントローラに前記出力情報を送出することと
のうちの少なくとも一つを行うよう構成される
請求項1~3のいずれか1項に記載の分電盤。
【請求項7】
前記連携アダプタは、前記通信インターフェイス部が取り替え可能に装着される
請求項4~6のいずれか1項に記載の分電盤。
【請求項9】
前記処理部は、前記入力情報から前記出力情報を生成するためのプログラムを実行するプロセッサを備え、前記通信インターフェイス部を通して前記プログラムを取得するよう構成される
請求項4~8のいずれか1項に記載の分電盤。
【請求項15】
前記処理部は、
前記分電盤が取り付けられた所定場所に供給される電力以外の資源の使用量を計測する計測装置から前記資源の使用に関する情報を取得し、
前記取得した資源の使用に関する情報を前記入力情報に加えるよう構成される
請求項1~14のいずれか1項に記載の分電盤。
【請求項17】
前記第2の取付スペースは、前記分岐ブレーカを取りつけるためのスペースの一部であって、前記分岐ブレーカの1乃至複数個分に相当する寸法を有する
請求項1~16のいずれか1項に記載の分電盤。
【請求項18】
系統電源からの電力供給が停止している状態で電力の出力が可能である第2の分散型電源が接続された分電盤と、
前記系統電源からの電力供給が停止している状態で電力供給が必要である機器が接続された第2の分岐ブレーカを備える自立分電盤と
を備え、
前記分電盤は、
電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、
前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカと、
発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、
発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない前記第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、
連携アダプタと
を備え、
前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、
前記入力情報は、
前記電力系統から受電する電力に関する情報と、
前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、
前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報と
の少なくとも一つを含み、
前記処理部は、前記第1の分散型電源が前記第1の取付スペースに配置された前記第1の開閉器に接続されると、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報を処理するためのプログラムとデータとを読み込むことで、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報を更に含む前記入力情報に基づいて前記出力情報を生成する処理が可能になり、
前記自立分電盤は、前記系統電源から電力が供給されている期間には前記主幹ブレーカを通して給電され、前記系統電源からの電力供給が停止している期間には前記第2の分散型電源から給電される
分電盤システム。
【請求項19】
前記自立分電盤は、前記分電盤と前記第2の分散型電源とのいずれかから受電し、受電した電力を前記第2の分岐ブレーカに給電する第3の開閉器を備える
請求項18記載の分電盤システム。
【請求項20】
前記第3の開閉器が受電する経路に、前記系統電源から電力が供給されている期間に前記主幹ブレーカを通して受電する状態を選択し、前記系統電源からの電力供給が停止している期間に前記第2の分散型電源から受電する状態を選択する切替器をさらに備える
請求項19記載の分電盤システム。
【請求項21】
前記第3の開閉器と前記切替器とが前記自立分電盤に設けられている
請求項20記載の分電盤システム。
【請求項22】
請求項18~21のいずれか1項に記載の分電盤システムに用いられる自立分電盤。」
2.取消理由の概要
訂正前の請求項1~4、7、9、15、17~22に係る特許に対して平成30年1月26日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
[取消理由1]本件特許の請求項1、4に係る発明は、本件特許の出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
[取消理由2]本件特許の請求項2、3、7、9、15、17~22に係る発明は、本件特許の出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
記
引用文献1:特開2004-328856号公報
引用文献2:日東工業株式会社の住宅盤用エネルギー監視装置取扱説明書、2012年1月発行
引用文献3:日東工業株式会社のHEMS対応ホーム分電盤のパンフレット、平成23年(2011年)5月発行
引用文献4:河村電器産業株式会社のエネルギー監視システムenサーバーのパンフレット、2011年8月
引用文献5:特開2001-103622号公報
引用文献6:特開2007-129891号公報
引用文献7:特開2008-136280号公報
引用文献8:特開2011-150662号公報
引用文献9:特開2011-234561号公報
引用文献10:東芝:プレスリリース:定置式家庭用蓄電システム「エネグーン」の発売 2012年9月10日
引用文献11:NEC:家庭用蓄電システムのカタログ、2012年9月
引用文献12:特開2007-300703号公報
なお、引用文献1~11は、それぞれ、特許異議申立書の甲第1~11号証である。
3.引用文献
(1)引用文献1に記載された事項及び引用発明
引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア
「【請求項1】
商用電源に接続される主幹ブレーカと、その二次側の分岐部に接続された分岐ブレーカと、商用電源側に電力を逆潮流可能な分散電源が接続される分散電源用第1ブレーカと、商用電源側に電力を逆潮流できない分散電源が接続される分散電源用第2ブレーカとを備え、分散電源用第1ブレーカを主幹ブレーカの一次側に接続し、分散電源用第2ブレーカを主幹ブレーカの二次側の主幹バーの端部に設けられた送り端子に接続するとともに、分散電源用第1ブレーカの接続点と分岐部との間に、第1電流センサーを接続したことを特徴とする分電盤システム。
【請求項2】
分散電源用第1ブレーカをキャビネット内の電流制限器と主幹ブレーカとの間に配置し、分散電源用第2ブレーカを分岐部よりも端部側に配置し、同一キャビネット内に搭載したことを特徴とする請求項1記載の分電盤システム。
【請求項3】
分散電源用第1ブレーカの一次側と主幹ブレーカの一次側との間に第2電流センサーを接続するとともに、第1電流センサー及び第2電流センサーの計測値を表示部に出力する計測装置を組み込んだことを特徴とする請求項1記載の分電盤システム。」
イ
「【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
図1において、1は主幹ブレーカであり、従来と同様に電流制限器2を介して商用電源に接続されている。3は主幹ブレーカ1の二次側に接続された主幹バーであり、この主幹バー3には複数の分岐ブレーカ4が接続されて分岐部5を構成している。住宅の各負荷はこれらの分岐ブレーカ4に接続されている。
【0010】
この分電盤の同一キャビネット内には上記した主幹ブレーカ1のほかに、分散電源用第1ブレーカ6と分散電源用第2ブレーカ7とが搭載されている。分散電源用第1ブレーカ6は、商用電源側に電力を逆潮流可能な太陽光発電システムなどの分散電源8が接続されるものである。また分散電源用第2ブレーカ7は、商用電源側に電力を逆潮流できないガス発電システムなどの分散電源9が接続されるものである。
【0011】
商用電源側に電力を逆潮流可能な分散電源8が接続される分散電源用第1ブレーカ6は、主幹ブレーカ1の一次側に接続される。図示のように、この分散電源用第1ブレーカ6の一次側と主幹ブレーカ1の一次側との間には第2電流センサー10を接続し、分散電源8から供給される電流を計測できるようにする。
【0012】
また商用電源側に電力を逆潮流できない分散電源9が接続される分散電源用第2ブレーカ7は、主幹ブレーカ1の二次側の主幹バー3の端部に設けられた送り端子11に接続されている。そしてこの分散電源用第1ブレーカ6の接続点12と前記分岐部5との間に、分散電源9からの逆潮流を検出するとともに、主幹バー3から分岐部5に流れる電流を検出するための第1電流センサー13が接続されている。この実施形態では第1電流センサー13は主幹ブレーカ1と分岐部5との間に接続されているが、図2に示すように第1電流センサー13の位置は主幹バー3の一次側としてもよい。
・・・
【0014】
第2電流センサー10及び第1電流センサー13の検出値はキャビネット内に組み込まれた計測装置14に入力され、分散電源8、分散電源9の発電量と、負荷の使用電流とが計測される。そして計測装置14は表示部15にこれらの計測値を出力し、リアルタイムで表示させる。なお表示部15として住宅情報盤を用いれば、専用の表示部を設置する必要がない。住宅情報盤としては例えばインターホンの室内器と組み合わされたものが好ましい。またこの実施形態では主幹ブレーカ1、電流制限器2、分散電源用第1ブレーカ6、分散電源用第2ブレーカ7を同一キャビネット内に搭載したが、分電盤キャビネットの大きさに応じて、分散電源用第1ブレーカ6、分散電源用第2ブレーカ7を別のキャビネットに搭載してもよい。」
引用文献1には、上記ア、イ及び【図1】の記載からみて、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
〔引用発明〕
「商用電源に接続される主幹ブレーカ1と、
その二次側の分岐部5に接続された分岐ブレーカ4と、
商用電源側に電力を逆潮流可能な分散電源8が接続される分散電源用第1ブレーカ6と、商用電源側に電力を逆潮流できない分散電源9が接続される分散電源用第2ブレーカ7とを備え、
分散電源用第1ブレーカ6を主幹ブレーカ1の一次側に接続し、分散電源用第2ブレーカ7を主幹ブレーカ1の二次側の主幹バー3の端部に設けられた送り端子11に接続し、
分散電源用第1ブレーカ6をキャビネット内の電流制限器2と主幹ブレーカ1との間に配置し、分散電源用第2ブレーカ7を分岐部5よりも端部側に配置し、同一キャビネット内に搭載し、
分散電源用第1ブレーカ6の接続点と分岐部5との間に、主幹バー3から分岐部5に流れる電流を検出するための第1電流センサー13を接続し、
分散電源用第1ブレーカ6の一次側と主幹ブレーカ1の一次側との間に、分散電源8から供給される電流を計測する第2電流センサー10を接続し、
第1電流センサー13及び第2電流センサー10の計測値を表示部15に出力する計測装置14を有した、
分電盤システム。」
(2)引用文献2に記載された事項
引用文献2には、住宅盤用エネルギー監視装置が、電力以外に、ガスメータや水道の流量センサから情報を取得することが記載されていると認められる(5頁「■配線方法」の「<配線例>」を参照。)。
(3)引用文献3に記載された事項
引用文献3には、「HEMS対応ホーム分電盤」が、「ガス・水道の使用量計測が可能。」であることが記載されている(見開き頁の右下方を参照。)。
(4)引用文献4に記載された事項
引用文献4には、「エネルギー監視システム enサーバー」が、「電気以外のエネルギー消費量もすぐ分かる! トータル表示画面を見るだけで全てのエネルギー消費量が簡単にチェックできます。」とするものであり、「エネルギー消費量」に「水道使用量」、「ガス使用量」が含まれていることが記載されている(見開き頁の左上方を参照。)。
(5)引用文献5に記載された事項
引用文献5には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池,燃料電池などの住宅用補助電源が併設された住宅において、分岐ブレーカに接続されている家電機器等で消費される電力や、補助電源からの発電電力などを計測し、家全体の電気エネルギの使用状況を確実に把握することが出来る宅内電気エネルギ計測システムに関するものである。」
イ
「【0015】分電盤1の左方の分電盤本体4内部には、主幹回路を開閉する主幹ブレーカ5が設けられており、右方の分電盤本体3内部には、補助電源供給回路を開閉する補助ブレーカ6が設けられている。また、主幹ブレーカ5と補助ブレーカ6との間に挟まれた分電盤本体4内部には、・・・複数の分岐ブレーカ7が設けられている。・・・また、補助ブレーカ6の下方の分電盤本体4内部には、主幹回路の双方向電力,各分岐回路の消費電力および補助電源供給回路の発電電力を計測する電力計測部8が内蔵されている。」
ウ
「【0017】・・・主幹ブレーカ5の2本の負荷電圧線L1,L2にはそれぞれ主幹変流器12a,12bが設けられており、これら主幹変流器12a,12bはそれぞれ負荷電圧線L1,L2に流れる電流を検出する。主幹変流器12a,12bの検出信号は、・・・電力計測部8の第1の計測部プリント板8aに入力される。」
エ
「【0025】電力計測部8は、マイクロコンピュータ等からなる演算器21および・・・ROM(リード・オンリ・メモリ)22を主要な構成要素としている。・・・」
オ
「【0038】また、計測部8内の通信部29は上述したようにケーブル92を介して宅内表示器38に接続されている。宅内表示器38は分電盤1が設置された家屋内に設けられており、通信部29から受信した電力値を可視表示する。また、この宅内表示器38は、ケーブル94を介してパーソナルコンピュータ(パソコン)39といった外部機器が接続されている。」
(6)引用文献6に記載された事項
引用文献6には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア
「【請求項22】
前記直流系機器ユニットの両端方向の寸法を分岐ブレーカからなる電力系機器の両端方向の寸法と同一とするとともに、前記直流系機器ユニットの幅寸法を前記分岐ブレーカの幅寸法の整数倍の寸法としたことを特徴とする請求項1乃至請求項21の何れかの1項に記載の住宅用分電盤。
【請求項23】
前記電力系機器が、互いに分離される通信モジュールと、該通信モジュールへの動作電源を供給する電源モジュールとからなる電力線通信モジュールであって、前記通信モジュール及び前記電源モジュールの幅寸法を前記分岐ブレーカの幅寸法の整数倍としていることを特徴とする請求項1乃至10の何れかの1項に記載の住宅用分電盤。」
イ
「【0051】
請求項23の発明によれば、通信モジュールを交換するだけ機能変更が容易に行え、・・・」
ウ
「【0099】
また電力線通信モジュール300は、図11に示すように電源部307を内蔵したモジュール300Aと、電源部307以外の回路部を備えたモデムモジュール300Bとに分割した構造としても良い。・・・」
(7)引用文献7に記載された事項
引用文献7には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア
「【0017】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る分電盤について図面を参照して説明する。・・・分電盤1は、外部の電源から受電し、主幹回路にある主幹ブレーカ2と、この主幹回路から分岐した複数の分岐回路にある分岐ブレーカ3と、分岐回路に流れる分岐電流を検出する電流センサユニット4と、電流センサユニット4が検出したデータに基いて、表示する表示ユニット6と、電流センサユニット4と表示ユニット6に直流電源を供給する電源ユニット5と、分岐ブレーカ3等を保持するベース台7とを備えている。」
イ
「【0024】
次に、電流センサユニット4について説明する。・・・
【0025】
電流センサ40は、第1の挿通孔42aの周辺部に、挿通孔42aを囲むように形成されたトロイダルコイルと巻き戻しコイルとを有するロゴスキー型の空芯コイル45であり、プリント基板41の面と裏面とに設けられた金属箔パターン43と、プリント基板41を貫通して金属箔パターン43を接続するスルーホール44等から構成されている。・・・」
(8)引用文献8に記載された事項
引用文献8には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0217】
ステップS212に処理を進めた場合、システム管理部1125は、第1番目にアップデートする電力管理装置11を協調動作から切り離し、アップデートを実行する(S212)。このとき、協調動作から切り離された電力管理装置11のシステム管理部1125は、システム管理サーバ33から最新のファームウェアを取得し、古いファームウェアを最新のファームウェアに更新する。ファームウェアの更新が完了した後、協調動作している残りの電力管理装置11は、アップデートが完了した電力管理装置11の動作を確認する(S213、S214)。」
(9)引用文献9に記載された事項
引用文献9には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア
「【0027】
この停電対策システム2は、・・・家屋4の内部に既存の住宅用分電盤6を備え、家屋4の外壁に拡張分電盤8を備えている。・・・
・・・
【0029】
拡張分電盤8は、電力系統10の停電時、HEV16の接続に基づき、蓄電池18の放電による電力を充放電コンセント14から受電し、負荷12のうち特定負荷12Bに給電する。・・・特定負荷12Bには、電灯、冷蔵庫、エアコン等、停電を回避したい負荷が含まれる。」
イ
「【0034】
また、停電時には、拡張分電盤8に対する電力系統10からの給電が停止されるので、その停電を通信部20から通知し、この通知により通信部22はHEV16のECU24に停電を通知する。ECU24はコンバータ26を動作させ、蓄電池18を放電状態に切り替える。蓄電池18の放電はコンバータ26によって交流出力に変換され、この放流出力は充放電プラグ32及び充放電コンセント14を介して拡張分電盤8に供給される。蓄電池18の放電により、負荷12の特定負荷12Bに対する給電が開始される。停電時の不都合が解消される。
【0035】
そして、電力系統10の復旧時には、負荷12の一般負荷12Aには電力系統10からの給電が開始され、通信部20からの復旧通知によりHEV16からの給電が解除される。このとき、HEV16の蓄電池18は充電が開始される。」
ウ
「【0041】
拡張分電盤8は、インテリジェント分電盤又は分電盤装置の一例であって、第1の開閉手段として電磁開閉器42、第2の開閉手段として電磁開閉器44と、停電検出部54と、通信部20と、手動復帰ボタン46とを備えている。電磁開閉器42は給電系統10側に接続される給電部(第1の給電部)に設置された第1の開閉手段の一例であって、電力系統10の停電時(系統遮断時)にOFF状態となるが、瞬停時には例えば、1~4〔秒〕の保持機能を備える。
【0042】
電磁開閉器44は第2の開閉手段の一例であって、分散型負荷からの給電を受ける給電部及び特定負荷12Bへの給電部に設置されている。この電磁開閉器44は、電力系統10の停電時(系統遮断時)にON状態に切り替えられ、分散型電源から特定負荷12Bに給電する手段である。」
(10)引用文献10に記載された事項
引用文献10には、「定置式家庭用蓄電システム「エネグーン」の発売について」に関して、「5.急な停電でも貯めた電器を使用でき安心 停電になると停電を検知し、蓄電システムが自動的に電気を供給します。」(2頁下方を参照。)と記載されている。
(11)引用文献11に記載された事項
引用文献11には、「家庭用蓄電システム」に関して、「停電時は もしもの時も、非常用電源として活用できるから安心です。」(見開き頁の右下方を参照。)と記載されている。
(12)引用文献12に記載された事項
引用文献12には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0008】
太陽光発電、ガス発電、燃料電池等の分散型電源がある場合、分散型電源用ブレーカ5を分電盤1に搭載する。このとき用いる分散型電源用ブレーカ5はプラグインタイプのもので、また、分岐ブレーカ4のサイズに合わせたものである。図2のように電気機器を配列した分電盤1の、分岐ブレーカ4の分散型電源用ブレーカ5の相当寸法分を外し分散型電源用ブレーカ4を取り付ける。
【0009】
従来は分散型電源用ブレーカを搭載するために分電盤を構成するキャビネットを大きいものにして、元の主幹ブレーカと分岐ブレーカの配列とは別に、分散型電源用ブレーカを配置していたが、本発明においては、分散型電源用ブレーカ4を分岐ブレーカ4の配列に組み込むことを特徴とする。」
4.判断
(1)本件発明1について
本件発明1と引用発明とを対比する。
後者の「商用電源に接続される主幹ブレーカ1」は、前者の「電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカ」に相当する。
後者の主幹ブレーカ1の「二次側の分岐部5に接続された分岐ブレーカ4」は、前者の「主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカ」に相当する。
後者の「商用電源側に電力を逆潮流可能な分散電源8」は、前者の「発電した電力を電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源」に相当し、後者の「商用電源側に電力を逆潮流できない分散電源9」は、前者の「発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源」に相当する。
後者の「分散電源8が接続される分散電源用第1ブレーカ6」は、「主幹ブレーカ1の一次側に接続」されるものであるので、前者の「第1の分散型電源と主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器」に相当する。
後者の「分散電源9が接続される分散電源用第2ブレーカ7」は、「主幹ブレーカ1の二次側の主幹バー3の端部に設けられた送り端子11に接続」されるものであるので、前者の「第2の分散型電源と主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器」に相当する。
後者の分散電源用第1ブレーカ6が配置される「キャビネット内の電流制限器2と主幹ブレーカ1との間」は、前者の「第1の開閉器が配置される、第1の取付スペース」に相当する。
後者の分散電源用第2ブレーカ7が配置される「分岐部5よりも端部側」は、前者の「第2の開閉器が配置される、第2の取付スペース」に相当する。
後者の「分散電源用第1ブレーカ6の接続点と分岐部5との間」の「第1電流センサー13」の「計測値」は、「主幹バー3から分岐部5に流れる電流を検出」したものであるので、前者の「複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報」に相当する。また、後者の「分散電源用第1ブレーカ6の一次側と主幹ブレーカ1の一次側との間」の「第2電流センサー10」の「計測値」は、「分散電源8から供給される電流を計測」したものであるので、前者の「第1の開閉器を通過する電力に関する情報」に相当する。そうすると、後者の「第1電流センサー13及び第2電流センサー10の計測値」は、前者の「電力系統から受電する電力に関する情報と、複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、第2の開閉器を通過する電力に関する情報との少なくとも一つを含み、」「第1の開閉器を通過する電力に関する情報を更に含む入力情報」に相当する。
後者の「表示部15」は、前者の「他装置」に相当する。
後者の「計測装置14」は、「第1電流センサー13及び第2電流センサー10の計測値を表示部15に出力する」ものであり、計測値を表示部15で表示できるように処理するものといえるので、その機能からみて、前者の「入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え」た「連携アダプタ」に相当する。そして、後者の「計測装置14」において、「第1電流センサー13及び第2電流センサー10の計測値」を表示部15で表示できるように処理する部分は、前者の「第1の分散型電源が第1の取付スペースに配置された第1の開閉器に接続されると、第1の開閉器を通過する電力に関する情報を処理するためのプログラムとデータとを読み込むことで、第1の開閉器を通過する電力に関する情報を更に含む入力情報に基づいて出力情報を生成する処理が可能になる」「処理部」と、「第1の開閉器を通過する電力に関する情報を更に含む入力情報に基づいて出力情報を生成する処理が可能になる」「処理部」である限りにおいて一致する。
後者の「分電盤システム」は、前者の「分電盤」に相当する。
そうすると、両者は、
「電力系統の電源線と電気的に接続される主幹ブレーカと、
前記主幹ブレーカの負荷側の電路を複数の負荷回路に分岐する複数の分岐ブレーカと
を備え、
発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させる第1の分散型電源と前記主幹ブレーカの電源側との間に接続される第1の開閉器が配置される、第1の取付スペースと、
発電した電力を前記電力系統へ逆潮流させない第2の分散型電源と前記主幹ブレーカの負荷側との間に接続される第2の開閉器が配置される、第2の取付スペースと、
連携アダプタと
を備え、
前記連携アダプタは、入力情報に基づいて他装置に出力する出力情報を生成するよう構成される処理部を備え、
前記入力情報は、
前記電力系統から受電する電力に関する情報と、
前記複数の分岐ブレーカをそれぞれ通過する電力に関する情報と、
前記第2の開閉器を通過する電力に関する情報と
の少なくとも一つを含み、
前記処理部は、前記第1の開閉器を通過する電力に関する情報を更に含む前記入力情報に基づいて前記出力情報を生成する処理が可能になる
分電盤。」
である点で一致し、次の点で相違する。
〔相違点1〕
本件発明1は、「処理部は、第1の分散型電源が第1の取付スペースに配置された第1の開閉器に接続されると、第1の開閉器を通過する電力に関する情報を処理するためのプログラムとデータとを読み込むことで、第1の開閉器を通過する電力に関する情報を更に含む入力情報に基づいて出力情報を生成する処理が可能になる」ものであるのに対して、引用発明は、第1電流センサー13及び第2電流センサー10の計測値を表示部15に出力する計測装置14が、情報を処理するプログラムとデータとを読み込むとは特定されていない点。
上記相違点1について検討する。
引用文献2~7、9~12には、分電盤の処理部が情報処理用のプログラムとデータとを読み込むことについて何ら記載されていない(上記「3.(2)~(7)、(9)~(11)」を参照)。
また、引用文献8には、「協調動作から切り離された電力管理装置11のシステム管理部1125は、システム管理サーバ33から最新のファームウェアを取得し、古いファームウェアを最新のファームウェアに更新する。」(上記「3.(8)」を参照)ことは記載されているものの、情報処理部が、分散型電源が接続されるとプログラムとデータとを読み込み、分散型電源の電力に関する情報処理を可能となることは、記載も示唆もされていない。
また、他に相違点1に係る本件発明1の構成が周知であるとする証拠もない。
したがって、引用発明において相違点1に係る本件発明1の構成を設けることは、当業者が容易に想到し得ることとはいえない。
よって、本件発明1は、引用文献1に記載された発明(引用発明1)とはいえず、引用発明及び引用文献2~12に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。
(2)本件発明2~4、7、9、15、17について
本件発明2~4、7、9、15、17は、本件発明1のすべての事項を含みさらに限定を付加するものであるから、上記「(1)」の本件発明1についての判断と同様の理由により、本件発明4は、引用文献1に記載された発明(引用発明1)とはいえず、本件発明2~4、7、9、15、17は、引用発明及び引用文献2~12に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(3)本件発明18について
本件発明18は、本件発明1の「分電盤」を備え、さらに、「系統電源からの電力供給が停止している状態で電力の出力が可能である第2の分散型電源が接続された分電盤」、「前記系統電源からの電力供給が停止している状態で電力供給が必要である機器が接続された第2の分岐ブレーカを備える自立分電盤」、「前記自立分電盤は、前記系統電源から電力が供給されている期間には前記主幹ブレーカを通して給電され、前記系統電源からの電力供給が停止している期間には前記第2の分散型電源から給電される」との事項を付加した「分電盤システム」である。
そうすると、本件発明18と引用発明とを対比すると、両者は、少なくとも上記「(1)」で述べた「相違点1」で相違する。
そして、相違点1については、上記「(1)」で述べたとおり、引用文献2~12に記載された事項から容易に想到し得るとはいえないし、周知の事項ともいえない。
よって、本件発明18は、引用発明及び引用文献2~12に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(4)本件発明19~22について
本件発明19~22は、本件発明18のすべての事項を含みさらに限定を付加するものであるから、上記「(3)」の本件発明18についての判断と同様の理由により、引用発明及び引用文献2~12に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(5)特許異議申立人の主張について
ア
特許異議申立人は、特許異議申立書において、本件発明1、2、4は、甲第2号証(引用文献2)に記載された発明であり、本件発明3、7、9、15、17~22は、甲第2号証(引用文献2)に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得る旨主張している。
しかしながら、特許異議申立人が引用文献2から読み取れるとして認定する発明は、引用文献1に記載された発明(引用発明)と同等のものであり、結局、上記「(1)」で述べた「相違点1」に係る構成を有するものではない。そして、相違点1については、上記「(1)」で検討したとおりである。
イ
特許異議申立人は、平成30年5月17日付けの意見書において、訂正後の請求項10に係る発明には特許性がなく、その特許は取り消されるべきである旨主張している。
しかしながら、訂正事項5による訂正後の請求項10に係る発明は、訂正前の請求項1を引用する請求項10に係る発明であり(上記「第2」の「2.(2)」を参照)、訂正前の請求項10は特許異議申立の対象外であるので、特許異議申立人の上記主張は新たな取消理由であり、採用できない。
5.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1~4、7、9、15、17~22に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1~4、7、9、15、17~22に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2017-700990