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特許異議申立

2024-700906

電子機器

審判番号
2024-700906
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2024-501093
登録番号
7452773
請求日
2024年09月19日
審決日
2024年12月23日
公報発行日
2025年02月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】三菱電機株式会社
  • 【権利者代理人】木村 満
  • 【権利者代理人】八島 耕司
  • 【権利者代理人】美恵 英樹
  • 【権利者代理人】渡邉 幸男
  • 【権利者代理人】宮脇 良平
  • 【権利者代理人】龍竹 史朗
  • 【異議申立人】金田 綾香
審判長/審判官
  • 審判長 平城 俊雅
  • 審判官 中屋 裕一郎
  • 審判官 内田 博之
分類
P1651.121-Y (H02B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7452773号発明「電子機器」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7452773号の請求項1~7に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7452773号(以下「本件特許」という。)の請求項1~7に係る特許についての出願は、令和5年11月6日を国際出願日とする出願であって、令和6年3月11日にその特許権の設定登録がされ、令和6年3月19日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和6年9月19日に特許異議申立人 金田 綾香(以下「申立人」という。)により、特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件発明 特許第7452773号の請求項1~7に係る特許に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明7」といい、まとめて「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 【請求項1】 盤の開口部に挿入され、面全体が挿入される面を背面、前記背面とは反対方向の面を前面、それ以外の挿入面を外面とした筐体と、 前記筐体の一部として前記外面に設けられており、前記前面の方向にある先端には突起部が設けられ、前記突起部以外は前記外面に沿っており、前記背面の方向にある他端は前記外面と接続され、前記他端以外は穴を介して前記外面とは分離されており、前記筐体を前記開口部から取り出す際、前記盤と前記外面との隙間を通して前記突起部を前記筐体の内部方向に力を加えると前記他端を支点として前記内部方向に変位し、前記力を加えるのを終えると変位する前の状態に戻る可動リブと、 を備えた電子機器。 【請求項2】 前記可動リブは、前記筐体を前記開口部に挿入する際、前記突起部が前記盤と接触すると前記他端を支点として前記内部方向に変位し、前記突起部が前記盤との接触を終えると前記変位する前の状態に戻ることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。 【請求項3】 前記突起部は前記前面の側を頂点として前記背面に向かって傾斜がかかった形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。 【請求項4】 前記突起部に凹部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子機器。 【請求項5】 前記外面のうち前記可動リブの前記先端と前記穴を介して向かい合った部分にテーパを設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子機器。 【請求項6】 前記可動リブが前記外面の上部に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子機器。 【請求項7】 不動リブが前記外面の下部にさらに設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。 第3 特許異議申立理由の概要 申立人が主張する特許異議申立理由は、概略、以下のとおりである。 本件発明は、甲第1号証の発明及び甲2~4号証記載の技術的事項から当業者が容易に発明することができたものであり、本件特許の請求項1~7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきでものある。 (証拠方法) 甲第1号証:特開2012-28493号公報 甲第2号証:特開平7-14644号公報 甲第3号証:特開2006-265944号公報 甲第4号証:特開2005-347074号公報 (以下、甲第1~4号証をそれぞれ「甲1」~「甲4」という。) 第4 甲各号証の記載 1.甲1 (1)甲1には、次の記載がある(下線は、当審が付したもの。)。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、制御盤の縦壁に操作部、表示部等を備えた電子機器を取り付けるための電子機器の取付構造に関するものである。」 「【0008】 本発明は、上記した点に鑑み、作業者が一人で安全且つ確実に電子機器を縦壁に形成された貫通孔に取り付けることができる電子機器の取付構造を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上記目的を達成するために本発明は、電子機器の筐体を縦壁に形成された貫通孔に嵌合固定するための取付構造であって、前記筐体に備えられ前記貫通孔と係合する少なくとも3個の係合リブを備えており、前記各係合リブは残りの係合リブをそれぞれ結んだ線と重ならない位置に配置されており、前記複数個の係合リブのうち少なくとも1つの係合リブは、前記筐体を前記貫通孔に挿入するとき、前記貫通孔の辺縁で押され、前記筐体の内部に収納される可動リブであることを特徴とする。」 「【0020】 図示しているように、表示ユニットAは、フロントカバー1と、フロントカバー1の背面に取り付けられたリヤカバー2とを備えている。フロントカバー1及びリヤカバー2は樹脂で形成されており、フロントカバー1とリヤカバー2とは、表示ユニットAの筐体の外装を構成している。フロントカバー1とリヤカバー2で囲まれた空間の内部には、表示ユニットAを構成する各種機器(例えば、LCD、基板、メモリ、CPU、外部通信用コネクタ等)が格納されている。 【0021】 フロントカバー1は、4つの壁を筒状に連結した枠体11と、枠体11の正面側の端縁と一体形成されたフランジ部12とを備えている。フランジ部12は枠体11より外側にはみ出した形状を有しており、フランジ部12の背面側、すなわち、枠体11と連結している側の面には、シール部13が備えられている。シール部13は枠体11の外周を囲んでいる。さらに、枠体11には、後述の固定具5を挿入するための固定用孔14が形成されている。なお、図1及び図2に示す表示ユニットAでは、貫通孔14が枠体11の上下に3個ずつ、左右に1個ずつ備えられているが、これに限定されるものではない。」 「【0025】 図1、3に示すように、リヤカバー2の上面には、正面から背面に延びる冷却用のスリットが複数個並んで形成されており、可動リブ3はこれらのスリットと並んで形成されている。可動リブ3は、リヤカバー2の上部と一体的に連結された片持ち梁状の弾性変形部31と、弾性変形部31の自由端に備えられた係止爪部32とを備えている。なお、図3に示す例において、可動リブ3はリヤカバー2の上部中央近傍に形成されている。可動リブ3の弾性変形部31はリヤカバー2の上面の正面側に連結され、リヤカバー2上面に沿って背面側に延びている。また、係止爪部32は弾性変形部31の上部より上に向かって突出した三角形状の部材である。なお、リヤカバー2の上面には、冷却用のスリットが形成されているが、必ずしも、形成されているものではなく、冷却用のスリットはなくてもよい。 【0026】 係止爪部32は、背面側から正面側に向かって弾性変形部31の上面から遠ざかるように傾斜した傾斜部321と、傾斜部321の正面側と連結され、弾性変形部31と直交する係止部322とを有している。傾斜部321の背面側の先端は、リヤカバー2の面取部23と上下方向に重なるか、或いは、面取部23よりも リヤカバー2の愛撫に収まるように形成されている。そして、傾斜部321の傾斜角度は面取部23よりも大きく、傾斜部321はリヤカバー2の上面より上側に突出している。以上、示したように、可動リブ3は、いわゆる、スナップフィット構造を有する係止機構であり、弾性変形部31自体或いは係止爪部32に力が作用すると、弾性変形部31が変形する構造となっている。」 「【0029】 まず、表示ユニットAのリヤカバー2及びフロントカバー1の枠体11の下部を、縦壁Vw正面側から貫通孔Thに嵌める。不動リブ4の係止部42が貫通孔Thの辺縁の制御盤内部側(背面側)と係合する。不動リブ4の傾斜部41と貫通孔Thの辺縁とを接触させつつ表示ユニットAを移動させることで、表示ユニットAの下部をしっかり持ち上げなくても、貫通孔Thに円滑に係合させることができる。 【0030】 表示ユニットAの下部の不動リブ4が貫通孔Thの辺縁と係合しているので、表示ユニットAは上向きの力が作用しない限り、貫通孔Thから容易に抜けにくくなっている。この状態で、貫通孔Thと不動リブ4の係止部42とが係合している部分を中心に、表示ユニットAの上部が縦壁Vwに近づくように回転させる。図5(A)に示しているように、リヤカバー2の背面上部は面取部23が形成されているので、表示ユニットAを係止部42と貫通孔Thとの係合部分を中心に回転させても、リヤカバー2の角部が貫通孔Thの辺縁と引っかかりにくい。 【0031】 そして、表示ユニットAの上部が貫通孔Thに押し込まれると、リヤカバー2に備えられている可動リブ3の係合爪部32の傾斜部321が貫通孔Thと重なる。傾斜部321の先端は面取部23と重なっているので、係合爪部32は傾斜部321が貫通孔Thに抵抗なく挿入される。表示ユニットAの上部がさらに貫通孔Thに押し込まれると、係合爪部32は貫通孔Thの辺縁部から表示ユニットAの移動方向と反対側に力を受ける。表示ユニットAの移動は可動リブ3の延伸方向(正面から背面に向く方向)であるが、傾斜部321が傾斜しているので、係合爪部32が貫通孔Thの辺縁から受ける力は、移動方向と直交する方向に変換される。この力によって、可動リブ3の弾性変形部31はリヤカバー2の内部に向かって(下方に向かって)撓む。 【0032】 傾斜部321の弾性変形部31の上面から最も離れた部分が貫通孔Thに到達すると、係合爪部32がリヤカバー2の外面よりもリヤカバー2の内部側(下側)に押しやられる。さらに表示ユニットAが回転され、係合爪部32が貫通孔Thの制御盤内部側(背面側)に移動すると、係合爪部32を押していた力が解放される。これにより、弾性変形部31が元の位置に戻り、係合爪部32は取付前と同様にリヤカバー2の上面より突出する。そして、係合爪部32の係止部322が貫通孔Thの背面側と係合する(図5(B)、図6、図7参照)。なお、表示ユニットAでは正面側にあるフランジ部12が貫通孔Thよりも大きいので、表示ユニットAは縦壁Vwの背面側に貫通してしまうことはない。 【0033】 以上により、表示ユニットAにおいて、2個の不動リブ4が下部で、1個の可動リブ3が上部で、それぞれ、貫通孔Thと係合し、表示ユニットAが貫通孔Thから抜け止めされる。このように、可動リブ3及び不動リブ4を貫通孔Thに係合させることで、表示ユニットAは仮止めなされる。なお、表示ユニットAが仮止めされたとき、表示ユニットAの上部が下部よりも正面側に突出するように、可動リブ3及び不動リブ4の位置を決定している。すなわち、表示ユニットAは、可動リブ3の係止部322が不動リブ4の係止部42よりも背面側になるように、可動リブ3及び不動リブ4が配置されている。 【0034】 本発明にかかる表示ユニットAの縦壁Vwへの固定について図面を参照して説明する。図8は図1に示す表示ユニットを縦壁に固定した状態の側面図であり、図9は同じく表示ユニットの背面図である。複雑な動作を行う大型の機器を制御する制御盤の場合、制御盤自体が作業者を内部に収納できる程度の大きさになる場合がある。この場合、作業者は図6、図7に示すように、表示ユニットAを縦壁Vwの貫通孔Thに仮止めした後、縦壁Vwの正面側から縦壁Vwの側部を回りこんで背面側にまわって表示ユニットAを固定する。」 「【0037】 次に、表示ユニットAを縦壁Vwから取り外す方法について説明する。まず、表示ユニットAを縦壁Vwに固定している固定具5のねじを緩め、固定具5を固定用孔14から取り外す。これにより、表示ユニットAは正面側に移動可能となる。そして、不動リブ4が貫通孔Thの周縁及び可動リブ3が貫通孔Thの周縁に接触するまで表示ユニットAを正面側に移動させ、図6、図7に示すような、仮止め状態にする。 【0038】 図3に戻り可動リブ3を見ると、可動リブ3の弾性変形部31は縦壁Vwの幅よりも長い。係止部322が貫通孔Thの辺縁と係合されているとき、可動リブ3の弾性変形部31は、貫通孔Thの外側に露出している。この状態で、作業者は、縦壁Vwの正面側から或いは工具を用いて弾性変形部31を押すことが可能である。作業者によって押された弾性変形部31はリヤカバー2の内部に向かって撓み、係合爪部32がリヤカバー2の内部に収納されると、係止部322が貫通孔Thの辺縁と干渉しなくなる。作業者は可動リブ3の弾性変形部31を押えた状態で、表示ユニットAを不動リブ4と貫通孔Thの周縁の下部との係合部を中心に正面に回転させ、表示ユニットAを貫通孔Th、すなわち、縦壁Vwから離脱させることができる。 【0039】 以上に示したように、本発明の電子機器の取付構造を備えることで、1人の作業者が安全且つ容易に、表示ユニットAを制御盤の縦壁Vwに取り付けることができる。また、誤って作業員が縦壁Vwに衝撃を与えてしまったり、表示ユニットAの背面を押してしまったりしても、表示ユニットAは縦壁Vw(貫通孔Th)から脱落しにくい。また、表示ユニットAの上部は可動リブ3を備えているので、表示ユニットAを縦壁Vwから容易に取り外すことができる。これにより、メンテナンスを安全且つ容易に行うことが可能である。」 「【図1】 [図:0001419370000001.jpg] 」 「【図3】 [図:0001419370000002.jpg] 」 「【図5】 【図6】 [図:0001419370000003.jpg] 」 「【図8】 [図:0001419370000004.jpg] 」 (2)上記(1)の記載から、甲1には次の事項が記載されていると認められる。 ア.表示ユニットAが、制御盤の縦壁に取り付けられる操作部、表示部を備えた電子機器である(段落【0001】)。表示ユニットAは、筐体を備えている(段落【0009】、【0020】)。その筐体はフロントカバー1とリヤカバー2とで構成され(段落【0020】)、図1から、そのフロントカバー1とリヤカバー2とで構成される筐体が、背面、正面、それら以外の上下左右の面を有する点が看て取れる。 そして、この表示ユニットAの筐体は、縦壁Vwの貫通孔Thに嵌められる(段落【0009】、【0029】)ものであるが、図5から、筐体は、その背面側から貫通孔Thに通すことにより、縦壁Vwの貫通孔Thに嵌められる点が看て取れる。 イ.表示ユニットAは、リヤカバー2の上面に一体的に連結して形成された可動リブ3を備えている(段落【0025】)。 ウ.その可動リブ3は、弾性変形部31と係止爪部32とで構成されている。弾性変形部31は、リヤカバー2の上面に沿って延びている(段落【0025】、図3)。弾性変形部は31、「リヤカバー2の上面の正面側に連結され」(段落【0025】)るものであり、「リヤカバー2の上部と一体的に連結された片持ち梁状」(段落【0025】)のものであることろ、弾性変形部31は、“正面側の端部がリヤカバー2の上面に連結された片持ち梁状”ということができる。また、係止爪部32が、弾性変形部31の背面側の自由端に設けられている(段落【0025】、図3)。 そして、弾性変形部31は、片持ち梁状という構造上、図3からも看て取れるように、リヤカバー2の上面と連結された正面側の端部以外ではその周囲にリヤカバー2の上面との間に隙間を有している。 エ.筐体を貫通孔Thから取り外す際、まず、筐体を正面側に移動させ、仮止め状態とすることにより(段落【0037】、図6)、可動リブ3の弾性変形部31が、縦壁Vwの貫通孔Thの外側に露出させられる(段落【0038】)。 そして、作業者は、この状態で、縦壁Vwの正面側から或いは工具を用いて弾性変形部31を押す(段落【0038】)こととなるが、その押す方向は、「作業者によって押された弾性変形部31はリヤカバー2の内部に向かって撓み、係合爪部32がリヤカバー2の内部に収納される」(段落【0038】)との記載からも明らかなとおり、“筐体の内部に向かって”押すこととなる。 また、「作業者によって押された弾性変形部31はリヤカバー2の内部に向かって撓」む(段落【0038】)が、弾性変形部31の構造(正面側の端部がリヤカバー2の上面に連結された片持ち梁状であるという構造)にかんがみれば、押すことによって弾性変形部31は“リヤカバー2の上面と連結された正面側の端部を起点として”筐体の内部に向かって撓むことは、当業者には明らかである。 オ.段落【0032】の「係合爪部32を押していた力が解放される。これにより、弾性変形部31が元の位置に戻り」との記載からも明らかなとおり、可動リブ3の弾性変形部31は弾性を有する。それゆえ、弾性変形部31を押すことを止めると“弾性変形部31は元の位置に戻る”ことは明らかである。 カ.フロントカバー1には、枠体11からはみ出したフランジ部12が形成されている(段落【0021】)。そして、図8から、表示ユニットを縦壁Vwに固定した状態で、フランジ部12が縦壁Vwの正面側に露出する点が看て取れる。 以上を総合すると、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 [甲1発明] 縦壁Vwの貫通孔Thに嵌められ、背面、正面、それら以外の上下左右の面を有し、フロントカバー1とリヤカバー2とで構成される筐体であって、その背面側から貫通孔Thに通すことにより縦壁Vwの貫通孔Thに嵌められるようになっている筐体と、 リヤカバー2の上面に一体的に連結して形成された可動リブ3であって、 リヤカバー2の上面に沿って延び、正面側の端部がリヤカバー2の上面に連結された片持ち梁状の弾性変形部31と、弾性変形部31の背面側の自由端に設けられた係止爪部32とで構成され、 弾性変形部31は、リヤカバー2の上面と連結された正面側の端部以外ではその周囲にリヤカバー2の上面との間に隙間を有し、 筐体を貫通孔Thから取り外す際、筐体を正面側に移動させ、仮止め状態とすることで弾性変形部31を縦壁Vwの貫通孔Thの外側に露出させ、その状態で縦壁Vwの正面側から或いは工具を用いて弾性変形部31を筐体の内部に向かって押すことによって、弾性変形部31がリヤカバー2の上面と連結された正面側の端部を起点として筐体の内部に向かって撓み、弾性変形部31を押すことを止めると弾性変形部31が元の位置に戻る、可動リブ3と、 を備えた、制御盤の縦壁Vwに取付けられる操作部、表示部を備えた電子機器である表示ユニットAであり、 フロントカバー1には、表示ユニットAを固定した状態で縦壁Vwの正面側に露出するフランジ部12が形成されている、表示ユニットA。 2.甲2 (1)甲2には、次の記載がある。 「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、オスコネクタおよびメスコネクタを直接または間接に担持するコネクタ取付機構に関するものである。」 「【0039】次に、本発明の他の実施例を図4および図5に基づいて説明する。図4は、コネクタ取付機構の斜視図であり、コネタク取付け前の状態を示す。図5は、図4の実施例のコネクタ取付完了時の斜視図である。 【0040】図4において、本実施例でのコネクタ取付機構51は、二組のコネクタを取付けできる構造を有し、コネクタブロック本体51Aおよびコネクタ固定用ブロック52から構成される。」 「【0041】コネクタブロック本体51Aは略直方体状の、図中の+Z面の略中央がX軸方向に沿って外方に湾曲した缶で、-X方向に開口面を、また+X面にコネタク貫通孔54を有する。さらに左右両側面に、二つのパネル固定用係止部53および、左右両側面の内面に係止突起63Bを備える。なお、パネル固定用係止部53は、-X方向の開口面の周縁に設けられたフランジ51Bの穴51Cから治具を挿入して操作可能になされている。 【0047】コネクタブロック本体51Aをパネル55の開口部に差し込んだ際、パネル固定用係止部53は弾性変形してパネル55の裏側を係止する。よってコネクタブロック本体51Aはフランジ51Bとパネル固定用係止部53とでパネル55を挟み、この結果コネクタブロック本体51Aはパネル55に固定される。なお、コネクタブロック本体51Aのパネル55からの取り外しは、フランジ51Bに設けた穴51Cより治具を挿入してパネル固定用係止部53を弾性変形させた状態でコネクタブロック本体51Aをパネル55から引き出すことによって行える。」 「【図4】 [図:0001419370000005.jpg] 」 「【図5】 [図:0001419370000006.jpg] 」 (2)上記(1)の記載から、甲2には次の事項が記載されていると認められる。 ア.甲2には、コネクタブロック本体51Aをパネル55の開口部に差し込んで固定する構造が記載されている(段落【0047】)。 イ.パネル固定用係止部53がコネクタブロック本体51Aの左右両側面に設けられており(段落【0041】)、図4及び5から、コネクタブロック本体51Aの先込み方向の奥側を背面側、それとは反対側を前面側としたとき、パネル固定用係止部53はコネクタブロック本体51Aの左右両側面の前面側に設けられている点が看て取れる。 ウ.上記(1)で摘記した段落の記載並びに図4及び5からみても、パネル固定用係止部53の周囲には、当該パネル固定用係止部53をコネクタブロック本体51Aの左右両側面から分離するような隙間の存在は認められない。図4又は5からは、パネル固定用係止部53はその全周囲がコネクタブロック本体51Aの左右両側面に繋がっている点が看て取れる。 エ.コネクタブロック本体51Aの前面側に設けたフランジ51Bに穴51Cが設けられている(段落【0047】、図4及び5)。そして、コネクタブロック本体51Aをパネル55の開口部から取り外す際、フランジ51Bに設けた穴51Cより治具を挿入してパネル固定用係止部53を弾性変形させる。 以上を総合すると、甲2には、次の技術的事項が記載されていると認められる。 [甲2記載の技術的事項] コネクタブロック本体51Aをパネル55の開口部に差し込んで固定する構造において、 コネクタブロック本体51Aの左右両側面の前面側にパネル固定用係止部53を設け、当該パネル固定用係止部53の周囲には当該パネル固定用係止部53をコネクタブロック本体51Aの左右両側面から分離する隙間が存在せず、当該パネル固定用係止部53はその全周囲がコネクタブロック本体51Aの左右両側面に繋がっており、 コネクタブロック本体51Aの前面側に設けたフランジ51Bに穴51Cが設けられており、コネクタブロック本体51Aをパネル55の開口部から取り外す際、フランジ51Bに設けた穴51Cより治具を挿入してパネル固定用係止部53を弾性変形させる点。 3.甲3 (1)甲3には、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、例えば、家具や建具におけるラッチ取付部に適用するのに適した本体材に対する取付け部片の装着構造に関するものである。」 「【0010】 上記本体材1は、中空の枠材によって形成され、この本体材1における取付け部片10の取付け面1aは板状部材からなり、その取付け面1aには長方形状の装着孔2(図2参照)が設けられ、この装着孔2に装着する取付け部片10は、図2に示すように、装着孔2に対応する外形の筺状部11を有していて、その内部にラッチ用永久磁石18(図4参照)を収容し、その筺状部11は取付け部片10の表面を形成する表面板12と合成樹脂で一体に成形し、該表面板12から上記永久磁石18の着磁面18aを露出させている。 【0011】 上記表面板12は、装着孔2の開口面積より広く形成されて、装着孔2を完全に覆っている。そして、上記本体材1における装着孔2内の長手方向両端内縁の対向位置は、取付け部片10を係止するための後述する係止部1b,1bとしている。また、上記表面板12は、その長手方向両端の外周縁の上記係止部1b,1bに対応する部位が、これらの係止部1b,1bの表面に接してそれを覆う庇状部12a,12a(図4も併せて参照)となっている。そして、この表面板12の庇状部12a,12aには、操作杆20(図5参照)を挿通する操作孔12b,12bが設けられている。 【0012】 図4に示すように、上記取付け部片10には、筺状部11の内部に上記永久磁石18が収容され、該筺状部11の長手方向両端部近傍の肉厚壁部13,13には、それぞれ、それらの外面側に表面板12に向って延びる弾性係止片15を、その弾性変形を可能にする変形代14を設けて立設されている。この弾性係止片15は、上記装着孔2の孔縁に形成した前記係止部1bに弾性的に係止するものである。 【0013】 この弾性係止片15,15は、表面板12側に位置して庇状部12aとの間に係止部1bを挟持する先端の挟持部15aに、上記操作孔12bの中心付近まで突出する突部15bを有している。該突部15bを含む挟持部15aの先端は、上記係止部1bの裏面に接触するように形成され、また、この突部15bを有する弾性係止片15には、本体材1の装着孔2に取付け部片10を押入する際に上記突部15bを上記係止部1bに係止できる位置まで後退させるためのテーパー部15cを設け、上記突部15bにおける操作孔12bの中心に対応する部位には、図3に示すように、凹部15dを形成している。 【0014】 上記装着孔2を覆う取付け部片10の表面板12に設けた前記操作孔12bは、上記弾性係止片15の上記係止部1bに対する弾性的な係止を離脱させる操作杆20を挿入するためのものである。 なお、図2に示すように、前記本体材1の係止部1b,1bには、上記操作孔12bに対応する位置に凹部1cを設けているが、上記突部15bにおける凹部15dとともに、後述する取付け部材10の取り外し作業に際してそれらの必要がなければ、設ける必要はない。」 「【0016】 図5の(a)~(c)は、上述のようにして装着された取付け部片10を本体材1から取外す方法を示すもので、上記本体材1と取付け部片10とは、操作杆20を用いることにより容易に分離することができる。 上記操作杆20は、その先端が尖った棒材であり、図5(a)に示す分離過程の第1段階において、この操作杆20を矢印方向から上記操作孔12bに挿通すると、該操作杆20の先端20aは弾性係止片15の突部15bの先端に接する位置に達し、そして、該突部15bの先端には凹部15dがあり、この操作杆20の先端20aが該凹部15dの中に挿入されるので、操作杆20が正確に位置決めされる。 【0017】 操作杆20をさらに挿入する図5(b)の第2段階では、突部15bを介して弾性係止片15を変形代14内に弾性変形させるので、本体材1の係止部1bと取付け部片10の弾性係止片15との係止状態は完全に解除される。 そこで、図5(c)に示す第3段階において、操作杆20を取付け部片10とともに矢印方向に引き上げ、本体材1から引き抜くと、取付け部片10を本体材1から容易に取外すことができる。」 「【図2】 [図:0001419370000007.jpg] 」 「【図4】 【図5】 [図:0001419370000008.jpg] 」 (2)上記(1)の記載から、甲3には次の事項が記載されていると認められる。 ア.甲3には、家具や建具におけるラッチ取付部に適用するのに適した本体材に対する取付け部片の装着構造(段落【0001】)であって、筺状部11を有する取付け部片10を板状部材からなる取付け面1aの装着孔2に装着する装着構造が記載されている(段落【0010】)。 イ.筺状部11の肉厚壁部13の外面側に、筺状部11の背面側から表面板12に向って延びる弾性係止片15を設けている(段落【0012】)。図2及び4から、その弾性係止片15は背面側の端部が筺状部11の肉厚壁部13の外面側に連結された片持ち梁状となっている点が見て取れる。そして、図2及び4から、弾性係止片15の表面板12側の自由端に突部15bが設けられている点が看て取れる。 ウ.取付け部片10の表面板12には操作孔12bが設けられている(段落【0014】、図2)。図5(a)及び(b)から、取付け部片10を板状部材からなる取付け面1aから取り出す際、弾性係止片15は取付け面1aから露出してはおらず、弾性係止片15の突部15bは取付け面1aの背面側に位置した状態にある点が看て取れる。そして、いざ、取付け部片10を板状部材からなる取付け面1aから取り出す際、そのままの状態で、操作杆20を操作孔12bに挿通して、取付け面1aの背面側に位置している弾性係止片15の突部15bに操作杆20を当接させ、弾性係止片15を弾性変形させるものである(段落【0016】、【0017】、図5)。 以上を総合すると、甲3には、次の技術的事項が記載されていると認められる。 [甲3記載の技術的事項] 家具や建具におけるラッチ取付部に適用するのに適した本体材に対する取付け部片10の装着構造であって、筺状部11を有する取付け部片10を取付け面1aの装着孔2に装着する装着構造において、 筺状部11の肉厚壁部13の外面側に、筺状部11の背面側から表面板12に向って延びる弾性係止片15を設け、その弾性係止片15を背面側の端部が筺状部11の肉厚壁部13の外面側に連結された片持ち梁状とし、その弾性係止片15の表面板12側の自由端に突部15bを設け、 取付け部片10の表面板12には操作孔12bを設け、 取付け部片10を取付け面1aから取り出す際、弾性係止片15が取付け面1aから露出してはおらず、弾性係止片15の突部15bが取付け面1aの背面側に位置した状態にあり、そのままの状態で、操作杆20を操作孔12bに挿通することによって、取付け面1aの背面側に位置している弾性係止片15の突部15bに操作杆20を当接させ、弾性係止片15を弾性変形させる点。 4.甲4 (1)甲4には、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、車両のスイッチ取付構造に関し、詳しくは、車両の取付部材に設けられたスイッチ取付孔へスイッチ本体に有するスイッチ部材を挿入してスイッチ本体を取付部材へ装着する車両のスイッチ取付構造に関する。」 「【0009】 以下、本発明を実施するための最良の形態を、図1~3を用いて説明する。 図1は、本発明の車両のスイッチ取付構造を示す斜視図である。図2は、図1におけるA~A線断面図を示し、(A)はスイッチ本体20を装着する前の状態を示し、(B)はスイッチ本体20を装着途中の状態を示し、(C)はスイッチ本体20を装着した後の状態を示している。図3は、図1におけるA~A線断面図を示し、(A)はスイッチ本体20を取り外す前の状態を示し、(B)はスイッチ本体20を取り外し中の状態を示している。 【0010】 まず図1を参照して取付部材10とスイッチ本体20について説明する。 取付部材10には、図示するように上下方向に貫通したスイッチ取付孔11が設けてある。またスイッチ本体20には、表面に押圧して操作する操作部21aを有するスイッチ部材21とその周縁部に前記スイッチ部材21を前記スイッチ取付孔11へ嵌め込んだ状態で前記スイッチ取付孔11に生じる隙を塞ぐフランジ22とが設けてある。また前記フランジ22の周縁部において下方に向けて垂下する一対の係止爪23、23が対向するように設けてある。この係止爪23、23は下端部から外方向へ湾曲した状態で張り出すように湾曲面23bを有し前記スイッチ取付孔11の孔径に対して突出するように形成してある。 【0011】 また、この係止爪23、23はフランジ22とともに剛性のある合成樹脂で一体成形してあり、弾性作用により可動可能、即ち弾性変形する可撓性を備えている。また前記フランジ22の下面から前記係止爪23の張り出し面23aまでの距離(図1において、L)と、前記スイッチ取付孔11の内周面の高さ(図1において、H)とは一致する。また前記フランジ22の上面から前記各係止爪23、23に向けて切欠溝24、24が設けてある。そしてこの切欠溝24、24の先端部には前記外方向へ向けて下り傾斜状のテーパー部24aを形成してある。 【0012】 続いて図2を参照してスイッチ本体20を取付部材10へ装着する方法について説明する。図2(A)に示すように、スイッチ本体20のスイッチ部材21を取付部材10のスイッチ取付孔11の上方から嵌め込んでいく。すると図2(B)に示すように、スイッチ本体20の各係止爪23、23はスイッチ取付孔11の孔径に対して突出しているために張り出した湾曲面23bがスイッチ取付孔11の内周面によって弾性変形によりスイッチ取付孔11の内方向(中心方向)へ押圧され押し込まれていく。 【0013】 そして図2(C)に示すように、スイッチ本体20のフランジ22の下面が取付部材10の上面と接するまでスイッチ部材21がスイッチ取付孔11へ嵌め込まれると、スイッチ本体20の各係止爪23、23の張り出した湾曲面23bがスイッチ取付孔11の内周面によって押圧されなくなり、各係止爪23、23は弾性変形により嵌め込み前の状態に戻る。また、この状態では取付部材10の下面と係止爪23の張りだし面23aとが当接する。このようにフランジ22と係止爪23、23とのあいだに取付部材10を挟み込んで係止することによって、スイッチ本体20を取付部材10へ装着することができる。 【0014】 次に図3を参照して図2(C)に示した装着状態からスイッチ本体20を取り外す方法について説明する。図3(A)に示すように、切欠溝24の上方向からマイナスドライバー30を挿入する。そして図3(B)に示すように、マイナスドライバー30の先端を切欠溝24の先端部24aを下方へ押し込んでいく。すると係止爪23はスイッチ取付孔11の内方向へ撓んでいきスイッチ取付孔11の孔径に対して突出しなくなり係止が解除されるためスイッチ本体20を取付部材10から取り外すことができる。なお、この切欠溝24、24は少なくともマイナスドライバー30の先端を挿入可能であればよく、その深さ(図1において、D)は浅く、幅(図1において、W)は狭くて良いため見栄えも良い。」 「【図1】 【図3】 [図:0001419370000009.jpg] 」 (2)上記(1)の記載から、甲4には次の事項が記載されていると認められる。 ア.甲4には、車両の取付部材に設けられたスイッチ取付孔へスイッチ本体を装着する車両のスイッチ取付構造が記載されている(段落【0001】)。 イ.スイッチ本体20は、スイッチ部材21と、該スイッチ部材21の周縁部に設けられたフランジ22をと備えている(段落【0010】)。また、スイッチ本体20を取付部材10のスイッチ取付孔11に装着する際、スイッチ本体20のスイッチ部材21が取付部材10のスイッチ取付孔11に嵌め込まれるようになっており(段落【0012】)、図1から、そのスイッチ部材21は筺状である点が見て取れる。 ウ.フランジ22の周縁部に係止爪23が設けられている(段落【0010】)。スイッチ本体20の操作部21aがある側を表面側、その反対を背面側とすれば、図1からみて、係止爪23は、その表面側の端部がフランジ22に連結された片持ち梁状とされており、その背面側の自由端に湾曲面23bが設けられる点が看て取れる。そして、この湾曲面23bは「外方向へ湾曲した状態で張り出し」(段落【0010】、図1)ており、係止爪23の背面側の自由端において張り出した部分(以下「張り出し部」という。)を形成しているといえる。 また、「前記フランジ22の上面から前記各係止爪23、23に向けて切欠溝24、24が設けてある」(段落【0012】)ところ、フランジ22の「上面」はフランジ22の“表面側の面”であるといえ、“フランジ22の表面側の面から係止爪23に向けて切欠溝24が設けてある”といえる。 エ.スイッチ部材21を取付部材10のスイッチ取付孔11から取り外す際、切欠溝24にマイナスドライバー30を挿入することで、係止爪23をスイッチ取付孔11の内方向へ撓ませる(段落【0014】)。また、図3から看て、切欠溝24にマイナスドライバー30を挿入することにより、マイナスドライバーはスイッチ本体21と取付け孔11との間の空間に入ることとなる。 以上を総合すると、甲4には、次の技術的事項が記載されていると認められる。 [甲4記載の技術的事項] 車両の取付部材10に設けられたスイッチ取付孔11へスイッチ本体20を装着する車両のスイッチ取付構造において、 スイッチ本外20が、取付部材10のスイッチ取付孔11に嵌め込まれる筺状のスイッチ部材21と、該スイッチ部材21の周縁部に設けられたフランジ22をと備えており、 フランジ22の周縁部に係止爪23が設けられており、この係止爪23は、表面側の端部がフランジ22に連結された片持ち梁状とされ、背面側の自由端に湾曲面23bで形成される張り出し部を有しており、フランジ22の表面側の面から係止爪23に向けて切欠溝24が設けてあり、 スイッチ部材21を取付部材10のスイッチ取付孔11から取り外す際、切欠溝24にマイナスドライバー30を挿入することで、係止爪23をスイッチ取付孔11の内方向へ撓ませるものであり、切欠溝24にマイナスドライバー30を挿入することにより、スイッチ本体21と取付け孔11との間の空間にマイナスドライバー30を挿入することとなる点。 第5 当審の判断 1.本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア.甲1発明の「縦壁Vw」及び「貫通孔Th」が本件発明1の「盤」及び「開口部」に相当し、甲1発明の「フロントカバー1とリヤカバー2とで構成される筐体」が本件発明1の「筐体」に相当する。甲1発明の筐体が「縦壁Vwの貫通孔Thに嵌められ」ることが、本件発明1の筐体が「盤の開口部に挿入され」ることに相当する。 甲1発明において、筐体は「その背面側から貫通孔Thに通すことにより縦壁Vwの貫通孔Thに嵌められようになっている」から、筐体が縦壁Vwの貫通孔Thに嵌められる際、その“背面”はその全体が貫通孔Thを通ることとなる。よって、甲1発明の筐体の「背面」は、本件発明1の「面全体が挿入される面」である「背面」に相当する。甲1発明の筐体の「正面」は、本件発明1の「前記背面とは反対方向の面」である「前面」に相当する。そして、甲1発明の筐体の背面、正面以外の面、すわなち「それら以外の上下左右の面」が本件発明1の「それ以外の挿入面」である「外面」に相当する。 イ.甲1発明において、筐体はフロントカバー1とリヤカバー2とで構成されているから、「リヤカバー2の上面」は“筐体の上面”であり、本件発明1の「筐体」の「外面」に相当する。よって、甲1発明において、可動リブ3が「リヤカバー2の上面に一体的に連結して形成され」ることは、本件発明1の可動リブが「前記筐体の一部として前記外面に設けられ」ることに相当する。 ウ.甲1発明の「可動リブ3」の「弾性変形部31の背面側の自由端」は、本件発明1の「可動リブ」の「前記前面の方向にある先端」との対比において、「可動リブ」の「一方の端部」である限りにおいて一致する。また、甲1発明の「係止爪部32」は本件発明1の「突起部」に相当する。よって、甲1発明の「可動リブ3」の「係止爪部32」が「弾性変形部31の背面側の自由端に設けられ」るという構成は、本件発明1の「前記前面の方向にある先端には突起部が設けられる」との構成との対比において、「一方の端部には突起部が設けられ」るという限りにおいて一致する。 また、甲1発明の「弾性変形部31」は、「リヤカバー2の上面に沿って延び」るものであり、その「背面側の自由端」に係止爪部32が設けられている。そして、甲1発明の「可動リブ3」の「弾性変形部31」は、係止爪部32が設けられた「背面側の自由端」以外の部分も当然に一定の長さで有するところ、その「背面側の自由端」以外の部分も「リヤカバー2の上面に沿って延び」るといえる。よって、甲1発明の「弾性変形部31」が「リヤカバー2の上面に沿って延び」るという構成は、本件発明1の「可動リブ」の「前記突起部以外は前記外面に沿って」いるという構成に相当する。 さらに、甲1発明の「可動リブ3」の「弾性変形部31」の「正面側の端部」は、本件発明1の「可動リブ」の「前記背面の方向にある他端」との対比において、「可動リブ」の「他方の端部」という限りにおいて一致する。よって、甲1発明の「可動リブ3」の「弾性変形部材31」の「正面側の端部がリヤカバー2の上面に連結された片持ち梁状」であるという構成は、本件発明1の「可動リブ」の「前記背面の方向にある他端は前記外面と接続され」るという構成との対比において、「可動リブ」の「他方の端部は前記外面と接続され」るという限りにおいて一致する。 エ.甲1発明の可動リブ3の「弾性変形部31」は「リヤカバー2の上面との間に隙間を有」するという構成は、弾性変形部31が“隙間によってリヤカバー2の上面とは分離される”構成ということができるから、甲1発明の「可動リブ3」の「弾性変形部31のリヤカバー2の上面との連結された正面側の端部以外ではその周囲にリヤカバー2の上面との間に隙間を有」するという構成は、本件発明1の「可動リブ」の「前記他端以外は穴を介して前記外面とは分離されて」いるという構成との対比において、「前記他方の端部以外は穴を介して前記外面とは分離されて」いるという限りにおいて一致する。 オ.甲1発明における「筐体を貫通孔Thから取り外す際」は、本件発明1の「前記筐体を前記開口部から取り出す際」に相当する。 甲1発明において、「可動リブ3」について、「筐体を正面側に移動させ、仮止め状態とすることで弾性変形部31を縦壁Vwの貫通孔Thの外側に露出させ、その状態で縦壁Vwの正面側から或いは工具を用いて弾性変形部31を筐体の内部に向かって押す弾性変形部31を筐体の内部に向かって押す」ことは、本件発明1において、「可動リブ」について、「前記盤と前記外面との隙間を通して前記突起部を前記筐体の内部方向に力を加える」こととの対比において、「可動リブ」に対し「前記筐体の内部方向に力を加える」という限りにおいて一致する。 また、甲1発明において、可動リブ3の弾性変形部材31が撓めば、当然、可動リブ3の弾性変形部材31は“変位”する。よって、甲1発明において、「可動リブ3」の「弾性変形部31がリヤカバー2の上面と連結された正面側の端部を起点として筐体の内部に向かって撓む」ことは、本件発明1の「可動リブ」が「筐体の内部方向に力を加えると前記他端を支点として前記内部方向に変位」することとの対比において、「可動リブ」が「筐体の内部方向に力を加えると前記他方の端部を支点として前記内部方向に変位」するという限りにおいて一致する。 そして、甲1発明において、「可動リブ3」の「弾性変形部31を押すことを止める」ことは、本件発明1の「可動リブ」が「前記力を加えるのを終える」ことに相当し、甲1発明において、「可動リブ3」の「弾性変形部31が元の位置に戻る」ことは、本件発明1の「可動リブ」が「変位する前の状態に戻る」ことに相当する。 カ.甲1発明の「電子機器である表示ユニットA」は、本件発明1の「電子機器」に相当する。 以上を総合すると、本件発明1と甲1発明とは以下の一致点で一致し、また以下の相違点で相違する。 [一致点] 盤の開口部に挿入され、面全体が挿入される面を背面、前記背面とは反対方向の面を前面、それ以外の挿入面を外面とした筐体と、 前記筐体の一部として前記外面に設けられており、一方の端部には突起部が設けられ、前記突起部以外は前記外面に沿っており、他方の端部は前記外面と接続され、前記他方の端部以外は穴を介して前記外面とは分離されており、前記筐体を前記開口部から取り出す際、前記筐体の内部方向に力を加えると前記他方の端部を支点として前記内部方向に変位し、前記力を加えるのを終えると変位する前の状態に戻る可動リブと、 を備えた電子機器。 [相違点1] 可動リブの突起部が設けられる「一方の端部」及び筐体の外面と接続される「他方の端部」に関し、本件発明1においては、それぞれが可動リブの「前記前面の方向にある先端」及び「前記背面の方向にある他端」であるのに対し、甲1発明においては、それぞれが可動リブ3の弾性変形部31の「背面側の自由端」及び「正面側の端部」である点。 [相違点2] 可動リブに「前記筐体の内部方向に力を加える」ことに関し、本件発明1は、可動リブに対して、「前記盤と前記外面との隙間を通して前記突起部を前記筐体の内部方向に力を加える」ものであるのに対し、甲1発明は、可動リブ3の「弾性変形部31を縦壁Vwの貫通孔Thの外側に露出させ、その状態で縦壁Vwの正面側から或いは工具を用いて弾性変形部31を筐体の内部に向かって押す」ものである点。 (2)判断 ア.相違点1について (ア)甲2記載の技術的事項は、「コネクタブロック本体51Aをパネル55の開口部に差し込んで固定する構造」であり、コネクタないしコネクタブロックに関する技術である。そして、甲1発明は電子機器に関する技術である。そうすると、甲2記載の技術的事項の技術分野は甲1発明の技術分野と異なるといえる。 また、甲2記載の技術的事項の「パネル固定用係止部53」は、その周囲には当該パネル固定用係止部53をコネクタブロック本体51Aの左右両側面から分離する隙間は存在せず、当該パネル固定用係止部53はその全周囲がコネクタブロック本体51Aの左右両側面に繋がっている構造となっており、甲1発明の「端部がリヤカバー2の上面に連結された片持ち梁状の弾性変形部31」からなる可動リブ3と基本的な構造が異なっている。 甲2記載の技術的事項は、「パネル固定用係止部53」をコネクタブロック本体51Aの左右両側面の「前面側」に設けるものではあるものの、上述のとおり甲2記載の技術的事項は甲1発明と技術分野が異なり、甲2記載の技術的事項の「パネル固定用係止部53」は甲1発明の「可動リブ3」と基本的な構造において異なっていることにかんがみれば、甲2記載の技術的事項における「パネル固定用係止部53」の配置位置を甲1発明に適用する動機付けはない。 (イ)甲3記載の技術的事項の「その弾性係止片15を背面側の端部が筺状部11の肉厚壁部13の外面側表に連結された片持ち梁状とし、その弾性係止片15の表面板12側の自由端に突部15bを設け」るという構成は、自由端に突起を設けた片持ち梁状の構造であるという点で、甲1発明の「可動リブ3」の構成と共通している。さらに、甲3記載の技術的事項は、そのような弾性係止片15に関し、弾性係止片15の「背面側の端部が筺状部11の肉厚壁部13の外面側に連結され」、その「表面板12側の自由端に突部15bを設け」るという構成を開示するものである。 しかしながら、甲3記載の技術的事項は、「家具や建具におけるラッチ取付部に適用するのに適した本体材に対する取付け部片10の装着構造」であり、甲3記載の技術的事項の技術分野は甲1発明の技術分野と異なっている。 また、甲3記載の技術的事項においては、取付け部片10の取付け面1aから取り出す際、「当初は弾性係止片15が取付け面1aから露出してはおらず、弾性係止片15の突部15bが取付け面1aの背面側に位置した状態にあり、そのままの状態で」、取付け面1aの背面側に位置している突部15bに力を作用させるもの、すなわち取付け部片10を移動させることなく、取付け面1aの背面側に位置している突部15bに力を作用させるものであり、その取付け部片10を取り出す際の作業態様は、甲1発明の「筐体を正面側に移動させ、仮止め状態とすることで弾性変形部31を縦壁Vwの貫通孔Thの外側に露出させ」て、弾性変形部31に力を作用させるという、甲1発明の筐体を取り外す際の作業態様とは異なっている。 上述のとおり、甲3記載の技術的事項は甲1発明と技術分野が異なり、甲3記載の技術的事項の取付け部片10を取り出す際の作業態様も、甲1発明の筐体を取り外す際の作業態様と異なっていることにかんがみれば、甲3記載の技術的事項の弾性係止片15の筺状部11の肉厚壁部13の外面側に連結される端部及び突部を設ける自由端の配置位置を甲1発明の可動リブ3に適用する動機付けはない。 (ウ)さらに、甲3記載の技術的事項においては、弾性係片15に関する「その弾性係止片15を背面側の端部が筺状部11の肉厚壁部13の外面側表に連結された片持ち梁状とし、その弾性係止片15の表面板12側の自由端に突部15bを設け」るという構成と、「取付け部片10の表面板12には操作孔12bを設け」るという構成とは、「弾性係止片15の突部15bが取付け面1aの背面側に位置した状態」のままで取付け部片10を取付け面1aから取り出すことを可能とするための、一体不可分な構成である。そうすると、仮に、甲3記載の技術的事項の弾性係止片15に係る構成を甲1発明に適用するとすれば、それに伴い、甲3記載の技術的事項の「取付け部片10の表面板12には操作孔12bを設け」るという構成も甲1発明に適用することとなり、その甲3記載の技術的事項の甲1発明への適用により、甲1発明の筐体11のフランジ部12に「操作孔12b」を設けることとなる。しかしながら、甲1発明の「表示ユニットA」は「制御盤の縦壁Vwに取付けられる操作部、表示部等を備えた電子機器」であり、かつ、その「フランジ部12」は、縦壁Vwの正面側に露出するものであり、機器の操作者や作業者が目にする部分となるところ、そのような「電子機器」の「フランジ部12」に「操作孔12b」を設けることを当業者が想起するとは考えにくい。 したがって、甲3記載の技術的事項を甲1発明に適用することは、当業者が容易になし得ることとは認められない。 (エ)申立人は、特許異議申立書において、「甲2-3には、可動リブの突起部が筐体の前面側に位置するように、可動リブを筐体の外面に設けることが記載されている」とし、「甲1-3発明は、いずれも可動リブによって壁の開口部に筐体を係止する構造に関し、可動リブを前面側から操作して筐体を容易に取り外すことができるものである。そうすると甲2-3記載事項に基づいて、甲1発明の可動リブ3を、係止爪部32が筐体の前面側に位置するように設けることは、当業者であれば容易に成し得たことであり格別の困難性はない」と主張する(特許異議申立書の第20頁第27行~第21頁17行参照)。 しかし、既に上で説示したとおり、甲2及び3記載の技術的事項を甲1発明に適用することは、当業者が容易になし得ることとは認められない。 (オ)以上のことから、甲1発明に甲2及び3記載の技術的事項を適用して、上記相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者にとって容易であるとはいえない。 イ.相違点2について (ア)甲4記載の技術的事項においては、スイッチ部材21を取付部材10のスイッチ取付孔11から取り外す際、切欠溝24にマイナスドライバー30を挿入することにより、スイッチ本体21と取付け孔11との間の空間にマイナスドライバー30を挿入することとなる。 しかし、甲4記載の技術的事項は、「車両の取付部材10に設けられたスイッチ取付孔11へスイッチ本体20を装着する車両のスイッチ取付構造」であり、甲4記載の技術的事項の技術分野は甲1発明の技術分野と異なっている。 そして、甲4記載の技術的事項の「係止爪23」は、「表面側の端部がフランジ22に連結された片持ち梁状とされ、背面側の自由端に湾曲面23bで形成される張り出し部を有」するものであり、片持ち梁状の係止部である点においては、甲1発明の「弾性変形部31」からなる「可動リブ」とは共通するが、甲4記載の技術的事項の「係止爪」は、筺状のスイッチ部材21の外面に連結されるものではなく、「フランジ22の周縁部」に設けられる構成であり、甲1発明のリヤカバー2の上面に連結された弾性変形部31からなる可動リブ3とは、基本的な構造が異なっている。 上述のとおり、甲4記載の技術的事項は甲1発明と技術分野が異なり、甲4記載の技術的事項の「係止爪32」と甲1発明の「可動リブ3」の基本的な構造も異なっていることにかんがみれば、甲4記載の技術的事項を甲1発明に適用する動機づけはない。 (イ)また、甲4記載の技術的事項において、スイッチ本体21と取付け孔11との間の空間にマイナスドライバー30を挿入できるのは、「フランジ22の表面側の面から係止爪23に向けて切欠溝24が設けてあ」るからである。そうすると、甲4記載の技術的事項にならって、甲1発明において筐体11と縦壁Vwの貫通孔Thとの間に工具を挿入できるようにするのであれば、筐体11のフランジ部12の正面側の面から可動リブ3に向けて、甲4記載の技術的事項のような「切欠溝」を設けることとなる。しかしながら、甲1発明の「表示ユニットA」は「制御盤の縦壁Vwに取付けられる操作部、表示部等を備えた電子機器」であり、かつ、その「フランジ部12」は、縦壁Vwの正面側に露出するものであり、そのような「電子機器」の「フランジ部12」に「操作孔12b」を設けることを当業者が想起するとは、考えにくい。 したがって、甲4記載の技術的事項を甲1発明に適用することは、当業者が容易になし得ることとは認められない。 (ウ)申立人は、特許異議申立書において、「可動リブを前面側から操作する際、甲2-3のように治具を通しやすいように操作孔を設けて該操作孔を通して突起部に力を加えるか(甲2の段落【0047】、図4-5、甲3の段落【0011】、図5)、甲4のように盤と筐体の外面との隙間を通して突起部に力を加えるかは、当業者が必要に応じて適宜選択し得る設計的事項である」とし、相違点B(「筐体を開口部から取り出す際、盤と外面との隙間を通して突起部を筐体の内部方向に力を加える」こと。)は周知技術である旨、主張している(特許異議申立書の第21頁18~29行参照)。 しかし、甲2記載の技術的事項において「パネル固定用係止部53」は「前面側」に、甲3記載の技術的事項において「突部15b」は「表面板12側」あるのに対し、甲4記載の技術的事項においては「張り出し部」は「背面側」にあり、係止される部位が配置される位置が、甲2及び3記載の技術的事項と甲4記載の技術的事項とは逆である。そのような前提となる係止される部位の配置位置の違いを無視して、「甲2-3のように治具を通しやすいように操作孔を設けて該操作孔を通して突起部に力を加えるか」、「甲4のように盤と筐体の外面との隙間を通して突起部に力を加えるか」が当業者が必要に応じて適宜選択し得るものであるとする主張は、失当である。 また、甲4記載の技術的事項を甲1発明に適用する場合、上記(イ)で述べたとおり、「フランジ部12」に「切欠溝」を設けることなる。すなわち、単に、甲4記載に技術的事項に倣って甲1発明における可動リブ3における工具の用い方を変更すれば良い訳ではなく、「フランジ部12」の構成にも変更を加える必要が生じる。そうすると、甲1発明において、「甲4のように盤と筐体の外面との隙間を通して突起部に力を加える」ことが、単なる当業者が必要に応えて適宜選択し得る設計的事項ということはできない。 さらに、甲4記載の技術的事項において、係止爪32は、「背面側の自由端」に張り出し部を有し、「表面側の端部」がフランジ22に連結されるという構成である。 上記ア.においては、甲1発明において、弾性変形部31の係止部32が設けられる一方の端部が「背面側の自由端」であり、リヤカバー2の上面との連結された他方の端部が「正面側の端部」であるところ、甲1発明に甲2及び3記載の技術的事項を適用し得るか否かを検討し、それが当業者にとって容易ではないことを述べた。仮に、甲1発明において、甲1発明に甲2及び3記載の技術的事項を適用した場合を想定すると、甲1発明における弾性変形部31の係止部32が設けられる自由端の位置は「背面側」から「正面側」へと変更され、リヤカバー2の上面との連結された端部の位置を「正面側」から「背面側」へと変更される。このように、甲1発明に甲2及び甲3の技術的事項を適用して得られる弾性変形部31からなる可動リブ3の構成と、甲4記載の技術的事項の、「背面側の自由端」に張り出し部を有し、「表面側の端部」がフランジ22に連結されるという係止爪32の構成とは、自由端の位置と連結された端部の位置が互いに逆の位置関係となるから、甲1発明に甲2及び3記載の技術的事項を適用した上で、甲4記載の技術的事項を適用することは、困難である。すなわち、相違点1に係る本件発明1の構成に想到するために、甲1発明に甲2及び甲3記載の技術を適用することと、甲1発明に甲4記載の技術的事項を適用することとは両立し得えない。したがって、相違点1も併せて検討すると、「甲4のように盤と筐体の外面との隙間を通して突起部に力を加える」ことが、当業者が必要に応じて適宜選択し得る設計的事項であるということはできない。 よって、申立人の主張は採用できない。 (エ)以上のことから、甲1発明に甲4記載の技術的事項を適用して、上記相違点2に係る本件発明1の構成とすることは、当業者にとって容易であるとはいえない。 ウ.本件発明1の効果について 本件発明1は、上記相違点1及び2に構成を採用することにより、「可動リブ3を備えた電子機器1では、筐体2の外面22と盤4の隙間にマイナスドライバー5を挿入して筐体2の仮止めをする可動リブ3を押し下げることにより筐体2の仮止めを解除することができる。その結果、筐体2の仮止めを解除した状態で引っ張ることになり、作業者が盤4の外側から直接取り外すことができる」という、本件特許明細書【0018】に記載された格別な効果を奏するものである。 エ.小括 上記ア.~ウ.のとおり、甲1発明は甲2~4記載の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2.本件発明2~7について 本件発明2~7は、本件発明1にさらに限定を付加したものであるから、上記1.で検討したとおり、甲1発明及び甲2~4記載の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第6 むすび したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件特許の請求項1~7に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1~7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700906

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