特許異議申立
2017-700859
電子錠システム
- 審判番号
- 2017-700859
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2016-160406外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年09月08日
- 審決日
- 2018年07月31日
- 公報発行日
- 2018年10月26日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P1651.121-YAA(E05B) / P1651.113-YAA(E05B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の8第1項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第113条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6090761号発明「電子錠システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6090761号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1-13について訂正することを認める。
特許第6090761号の請求項6ないし13に係る特許を維持する。
特許第6090761号の請求項1ないし5に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6090761号の請求項1ないし9に係る特許についての出願は、平成28年8月18日に特許出願され、平成29年2月17日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、平成29年9月8日に特許異議申立人伊藤次郎(以下「申立人A」という。)及び谷口正巳(以下「申立人B」という。)より特許異議の申立てがされ、平成29年11月14日付けで取消理由が通知され、平成30年1月15日に意見書の提出及び訂正請求がされ、平成30年3月5日に申立人Bより、平成30年3月7日に申立人Aより意見書が提出され、さらに平成30年4月27日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、平成30年6月18日に意見書の提出及び訂正請求(以下「本件訂正」という。)がされたものである。
なお、本件訂正の請求がされたことにより、平成30年1月15日にされた訂正の請求は、取り下げられたものとみなす。
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下(1)~(6)のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1~5を削除する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項6に「前記電子錠と、前記室内端末とがどの部屋に設置されているかが関連付けて記憶された第1のデータベースを有する管理装置を備え、前記室内端末は、前記電子錠と、前記室内端末とを関連付ける部屋の変更を受付ける第1の受付部を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電子錠システム。」とあるのを、
「建築物の部屋の扉に設けられ、前記扉の開錠信号又は施錠信号を受信すると前記扉を開錠又は施錠する電子錠と、
前記部屋の室内に載置され、無線通信により前記電子錠へ開錠信号又は施錠信号を送信する室内端末と、
前記電子錠の開錠指示信号又は施錠指示信号を送信するユーザ端末と、
前記電子錠と、前記室内端末とがどの部屋に設置されているかが関連付けて記憶された第1のデータベースを有する管理装置とを備え、
前記電子錠は、
バッテリを有し、
前記室内端末は、
所定時間毎に前記電子錠との通信接続を確認する通信接続確認部と、
前記電子錠と、前記室内端末とを関連付ける部屋の変更を受付ける第1の受付部とを有し、
前記ユーザ端末から前記開錠指示信号又は前記施錠指示信号を受信すると無線通信により前記電子錠へ開錠信号又は施錠信号を送信することを特徴とする電子錠システム。」に訂正する。(請求項6の記載を直接的又は間接的に引用する請求項7~9についても同様に訂正する。)
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項6に「前記電子錠と、前記室内端末とがどの部屋に設置されているかが関連付けて記憶された第1のデータベースを有する管理装置を備え、前記室内端末は、前記電子錠と、前記室内端末とを関連付ける部屋の変更を受付ける第1の受付部を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電子錠システム。」とあるのを、
「建築物の部屋の扉に設けられ、前記扉の開錠信号又は施錠信号を受信すると前記扉を開錠又は施錠する電子錠と、
前記部屋の室内に載置され、無線通信により前記電子錠へ開錠信号又は施錠信号を送信する室内端末と、
前記電子錠の開錠指示信号又は施錠指示信号を送信するユーザ端末と、
前記電子錠と、前記室内端末とがどの部屋に設置されているかが関連付けて記憶された第1のデータベースを有する管理装置とを備え、
前記電子錠は、
バッテリと、
前記扉の施錠状態を検知する施錠状態検知部とを有し、
前記室内端末は、
所定時間毎に前記電子錠との通信接続を確認する通信接続確認部と、
前記ユーザ端末から前記扉の施錠状態を確認する施錠状態確認指示信号を受信すると無線通信により前記電子錠へ施錠状態を確認する施錠状態確認信号を送信して、前記扉の施錠状態を確認する施錠状態確認部と、
前記電子錠と、前記室内端末とを関連付ける部屋の変更を受付ける第1の受付部とを有し、
前記ユーザ端末から前記開錠指示信号又は前記施錠指示信号を受信すると無線通信により前記電子錠へ開錠信号又は施錠信号を送信することを特徴とする電子錠システム。」と記載し、新たな請求項10とする。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項7に「前記ユーザ端末は、認証情報を送信し、前記管理装置は、前記電子錠を操作可能なユーザの認証情報が登録されている第2のデータベースを参照して、前記ユーザ端末から送信される認証情報が前記第2のデータベースに登録されているかを認証する認証部と、前記認証部で認証された場合に、前記ユーザ端末による前記電子錠の操作を許可する操作許可部とを有することを特徴とする請求項6に記載の電子錠システム。」とあるのを、
「前記ユーザ端末は、認証情報を送信し、前記管理装置は、前記電子錠を操作可能なユーザの認証情報が登録されている第2のデータベースを参照して、前記ユーザ端末から送信される認証情報が前記第2のデータベースに登録されているかを認証する認証部と、前記認証部で認証された場合に、前記ユーザ端末による前記電子錠の操作を許可する操作許可部とを有することを特徴とする請求項10に記載の電子錠システム。」と記載し、新たな請求項11とする。
(5)請求項5
特許請求の範囲の請求項8に「前記第2のデータベースには、前記電子錠を操作可能な時間帯が前記認証情報に関連づけて登録され、前記認証部は、前記認証情報を受信した受信日時に操作可能な前記電子錠があるかを確認することを特徴とする請求項7に記載の電子錠システム。」とあるのを、
「前記第2のデータベースには、前記電子錠を操作可能な時間帯が前記認証情報に関連づけて登録され、前記認証部は、前記認証情報を受信した受信日時に操作可能な前記電子錠があるかを確認することを特徴とする請求項11に記載の電子錠システム。」と記載し、新たな請求項12とする。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項9に「前記管理装置は、前記部屋の一時利用の予約を受付ける予約受付部と、前記予約受付部で受付けられた前記部屋を一時利用する時間帯を、前記電子錠を操作可能な時間帯として、前記認証情報に関連付けて前記第2のデータベースに登録する第2のデータベース更新部とを有することを特徴とする請求項8に記載の電子錠システム。」 とあるのを、
「前記管理装置は、前記部屋の一時利用の予約を受付ける予約受付部と、前記予約受付部で受付けられた前記部屋を一時利用する時間帯を、前記電子錠を操作可能な時間帯として、前記認証情報に関連付けて前記第2のデータベースに登録する第2のデータベース更新部とを有することを特徴とする請求項12に記載の電子錠システム。」と記載し、新たな請求項13とする。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び一群の請求項について
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、請求項1~5を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面(以下「明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的の適否について
訂正事項2は、訂正前の請求項6が訂正前の1及び4を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1及び4を引用しないものとし、独立形式請求項に改めるための訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。
さらに、「電子錠」について「バッテリを有する」ことに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否かについて
上記アで説示したように、訂正事項2は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
上記アで説示したように、訂正事項2は、まずは、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的としている。
さらに、特許請求の範囲の減縮を目的とし、「バッテリを有する」ことに対応して、発明の詳細な説明に、「【0039】・・・電子錠200は、・・・バッテリ205、バッテリ残量検出部206・・・を有する。」、「【0041】・・・バッテリ205は、1次電池又は2次電池であり、電子錠200へ電力を供給する。・・・」と記載されている。
よって、訂正事項2は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的の適否について
訂正事項3は、訂正前の請求項6が訂正前の1、4及び5を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1、4及び5を引用しないものとし、独立形式請求項に改めるための訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。
さらに、「電子錠」について「バッテリを有する」ことに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否かについて
上記アで説示したように、訂正事項3は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
上記アで説示したように、訂正事項3は、まずは、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的としている。
さらに、特許請求の範囲の減縮を目的とし、「バッテリを有する」ことに対応して、発明の詳細な説明に、「【0039】・・・電子錠200は、・・・バッテリ205、バッテリ残量検出部206・・・を有する。」、「【0041】・・・バッテリ205は、1次電池又は2次電池であり、電子錠200へ電力を供給する。・・・」と記載されている。
よって、訂正事項3は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
(4)訂正事項4について
ア 訂正の目的の適否について
訂正事項4は、訂正前の請求項7の記載が請求項6の記載を引用するものであったところ、請求項1、4及び5の記載を引用する請求項6が、訂正事項3に係る訂正によって、新たに請求項10となったことに伴い、訂正前の請求項7が新たな請求項11となって、請求項10を引用するものに記載を改めるものであるから、請求項間の記載の整合性を図るための訂正であり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否か、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正事項4は、上記アで説示したとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、また、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるかことは明らかである。
(5)訂正事項5について
ア 訂正の目的の適否について
訂正事項5は、訂正前の請求項7の記載が請求項6の記載を引用するものであって、請求項8の記載が請求項7の記載を引用するものであったところ、請求項1、4及び5の記載を引用する請求項6が、訂正事項3に係る訂正によって、新たに請求項10となり、請求項7が新たな請求項11となり、請求項8が新たな請求項12となって、請求項11を引用するものに記載を改めるものであるから、請求項間の記載の整合性を図るための訂正であり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否か、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正事項5は、上記アで説示したとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、また、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるかことは明らかである。
(6)訂正事項6について
ア 訂正の目的の適否について
訂正事項6は、訂正前の請求項7の記載が請求項6の記載を引用するものであって、請求項8の記載が請求項7の記載を引用するものであって、さらに請求項9の記載が請求項8を引用するものであったところ、請求項1、4及び5の記載を引用する請求項6が、訂正事項3に係る訂正によって、新たに請求項10となり、請求項7が新たな請求項11となり、請求項8が新たな請求項12となり、さらに請求項9が新たな請求項13となって、請求項12を引用するものに記載を改めるものであるから、請求項間の記載の整合性を図るための訂正であり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否か、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正事項6は、上記アで説示したとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、また、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるかことは明らかである。
(7)一群の請求項について
訂正前の請求項1~9について、請求項2~9はそれぞれ請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項1~9に対応する訂正後の請求項1~13は、一群の請求項である。
3 小括
したがって、上記訂正請求による訂正事項1ないし6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号または第4号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項、第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1~13について訂正を認める。
第3 当審の判断
1 訂正後の請求項6ないし13に係る発明
本件訂正請求により訂正された訂正後の請求項6ないし13に係る発明(以下、それぞれの発明を「本件発明6」等といい、全体を「本件発明」という。)は、訂正請求書に添付された特許請求の範囲の請求項6ないし13に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
(なお、請求項1ないし5は、本件訂正により削除された。)
「【請求項6】
建築物の部屋の扉に設けられ、前記扉の開錠信号又は施錠信号を受信すると前記扉を開錠又は施錠する電子錠と、
前記部屋の室内に載置され、無線通信により前記電子錠へ開錠信号又は施錠信号を送信する室内端末と、
前記電子錠の開錠指示信号又は施錠指示信号を送信するユーザ端末と、
前記電子錠と、前記室内端末とがどの部屋に設置されているかが関連付けて記憶された第1のデータベースを有する管理装置とを備え、
前記電子錠は、
バッテリを有し、
前記室内端末は、
所定時間毎に前記電子錠との通信接続を確認する通信接続確認部と、
前記電子錠と、前記室内端末とを関連付ける部屋の変更を受付ける第1の受付部とを有し、
前記ユーザ端末から前記開錠指示信号又は前記施錠指示信号を受信すると無線通信により前記電子錠へ開錠信号又は施錠信号を送信することを特徴とする電子錠システム。
【請求項7】
前記ユーザ端末は、認証情報を送信し、
前記管理装置は、前記電子錠を操作可能なユーザの認証情報が登録されている第2のデータベースを参照して、前記ユーザ端末から送信される認証情報が前記第2のデータベースに登録されているかを認証する認証部と、前記認証部で認証された場合に、前記ユーザ端末による前記電子錠の操作を許可する操作許可部とを有することを特徴とする請求項6に記載の電子錠システム。
【請求項8】
前記第2のデータベースには、前記電子錠を操作可能な時間帯が前記認証情報に関連づけて登録され、
前記認証部は、前記認証情報を受信した受信日時に操作可能な前記電子錠があるかを確認することを特徴とする請求項7に記載の電子錠システム。
【請求項9】
前記管理装置は、
前記部屋の一時利用の予約を受付ける予約受付部と、
前記予約受付部で受付けられた前記部屋を一時利用する時間帯を、前記電子錠を操作可能な時間帯として、前記認証情報に関連付けて前記第2のデータベースに登録する第2のデータベース更新部と
を有することを特徴とする請求項8に記載の電子錠システム。
【請求項10】
建築物の部屋の扉に設けられ、前記扉の開錠信号又は施錠信号を受信すると前記扉を開錠又は施錠する電子錠と、
前記部屋の室内に載置され、無線通信により前記電子錠へ開錠信号又は施錠信号を送信する室内端末と、
前記電子錠の開錠指示信号又は施錠指示信号を送信するユーザ端末と、
前記電子錠と、前記室内端末とがどの部屋に設置されているかが関連付けて記憶された第1のデータベースを有する管理装置とを備え、
前記電子錠は、
バッテリと、
前記扉の施錠状態を検知する施錠状態検知部とを有し、
前記室内端末は、
所定時間毎に前記電子錠との通信接続を確認する通信接続確認部と、
前記ユーザ端末から前記扉の施錠状態を確認する施錠状態確認指示信号を受信すると無線通信により前記電子錠へ施錠状態を確認する施錠状態確認信号を送信して、前記扉の施錠状態を確認する施錠状態確認部と、
前記電子錠と、前記室内端末とを関連付ける部屋の変更を受付ける第1の受付部とを有し、
前記ユーザ端末から前記開錠指示信号又は前記施錠指示信号を受信すると無線通信により前記電子錠へ開錠信号又は施錠信号を送信することを特徴とする電子錠システム。」
【請求項11】
前記ユーザ端末は、認証情報を送信し、前記管理装置は、前記電子錠を操作可能なユーザの認証情報が登録されている第2のデータベースを参照して、前記ユーザ端末から送信される認証情報が前記第2のデータベースに登録されているかを認証する認証部と、前記認証部で認証された場合に、前記ユーザ端末による前記電子錠の操作を許可する操作許可部とを有することを特徴とする請求項10に記載の電子錠システム。
【請求項12】
前記第2のデータベースには、前記電子錠を操作可能な時間帯が前記認証情報に関連づけて登録され、前記認証部は、前記認証情報を受信した受信日時に操作可能な前記電子錠があるかを確認することを特徴とする請求項11に記載の電子錠システム。
【請求項13】
前記管理装置は、前記部屋の一時利用の予約を受付ける予約受付部と、前記予約受付部で受付けられた前記部屋を一時利用する時間帯を、前記電子錠を操作可能な時間帯として、前記認証情報に関連付けて前記第2のデータベースに登録する第2のデータベース更新部とを有することを特徴とする請求項12に記載の電子錠システム。」
2 取消理由の概要
(1)本件登録時の請求項1ないし9に係る特許に対して、平成29年11月14日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
本件発明1は、刊行物1または刊行物2に記載された発明である。
本件発明1ないし9は、刊行物1ないし11に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明1ないし9は、刊行物6、9、12ないし16に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
以上のとおり、本件発明1ないし9に係る特許は、特許法第29条第1項第3号または同条第2項の規定に違反してされたものである。
(2)平成30年1月15日付け訂正請求により訂正された請求項1ないし9に係る特許に対して、平成30年4月27日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の要旨は、次のとおりである。
本件発明1ないし5は、刊行物1~4、6~9、12、15に記載された発明、周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1ないし5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。したがって、本件発明1ないし5に係る特許は、特許法第113条第2項に該当し取り消されるべきものである。
(3)引用刊行物
刊行物1:特開2015-63879号公報
刊行物2:特開平9-64878号公報
刊行物3:「H2V eneli 取扱説明書」、トヨタメディアサービ ス株式会社、2013年10月
刊行物4:「APPENDIX ECHONET 機器オブジェクト詳細規 定Release G」、エコーネットコンソーシアム、
2015年5月29日
刊行物5:「第5部 ECHONET Lite システム設計指針」、
エコーネットコンソーシアム、2015年9月30日
刊行物6:特許第4085011号公報
刊行物7:特開2008-34983号公報
刊行物8:特開2002-183860号公報
刊行物9:特開2004-257072号公報
刊行物10:特開2007-70832号公報
刊行物11:特開2010-26758号公報
刊行物12:特開2015-78529号公報
刊行物13:特開2014-179683号公報
刊行物14:特開2000-186441号公報
刊行物15:特開2016-138415号公報
刊行物16:特開2003-346027号公報
3 刊行物の記載
(1)刊行物1
取消理由通知(決定の予告)において引用した刊行物1(特開2015-63879号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は決定において付与した。以下同様。)
ア 「【技術分野】
【0001】
本開示は、ドアが閉状態となることにより自動的に前記ドアを施錠するオートロック機構を設けたドアの施錠部を制御する管理装置に関する。」
イ 「【0009】
上記のように、ドアには、前記ドアが閉状態となることにより自動的に前記ドアを施錠するオートロック機構を設けたものがある。前記オートロック機構は、例えば、前記オートロック機構に対応する電子鍵によって電気的に前記ドアの施錠を解除する仕組みになっている。前記オートロック機構は、前記ドアに施錠を忘れて外出した場合、第三者の家屋内への侵入を防止し、防犯に役立つ。」
ウ 「【0044】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1による管理装置が適用された管理システムの全体構成の一例を示す図である。管理システムは、携帯電話100(通信端末の一例)、管理装置200、ドアフォンモニタ300、ドアフォン400、施錠部500、及びルータ600を備える。
【0045】
図1において、携帯電話100及びルータ600は、通信路L11を介して相互に通信可能に接続されている。また、ルータ600及び管理装置200は、通信路L1を介して相互に通信可能に接続されている。また、管理装置200及びドアフォンモニタ300は通信路L2を介して相互に通信可能に接続されている。また、管理装置200及び施錠部500は通信路L3を介して相互に通信可能に接続されている。また、ドアフォンモニタ300及びドアフォン400は通信路L4を介して相互に通信可能に接続されている。ここで、通信路L1~L4としては、無線の通信路が採用されてもよいし、有線の通信路が採用されてもよい。また、通信路L11としては、無線の通信路が採用される。」
エ 「【0049】
ここで、居住空間10としては、一戸建ての住宅であれば家屋内の空間が該当し、マンションや団地等の集合住宅であれば、1つの住戸内の空間が該当する。
【0050】
管理装置200は、例えば、ホームサーバにより構成され、居住空間10内に設置されている。
【0051】
ドアフォンモニタ300は、居住空間10内に設けられ、表示部302、スピーカ303、及び操作ボタン304等を備える。表示部302は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置により構成され、呼出ボタン401が押下された際にドアフォン400から出力された映像信号を表示する。これにより、居住空間10内の居住者は呼出ボタン401を押下した人物を視覚的に認識できる。」
オ 「【0054】
ドアフォン400は、居住空間10の外部に設置されており、呼出ボタン401、スピーカ402、カメラ403、及びマイク404等を備える。ドアフォン400は、例えば、居住空間10の外壁上のドア20近傍の所定の位置に設置されてもよいし、門扉のある一戸建て住宅であれば、門扉の周囲の外壁に設置されてもよい。」
カ 「【0057】
施錠部500は、ドア20に設けられておりドア20を施錠する。ドア20は、人物が居住空間10に出入りするためのドアである。ドア20としては、一戸建ての住宅であれば、建物の玄関や勝手口に設けられたドアが該当し、集合住宅であれば、住戸の玄関に設けられたドアが該当する。」
キ 「【0072】
解錠コマンド発行部244は、呼出信号解釈部243により呼出信号解釈処理の条件を満たすと判定された場合、解錠コマンドを発行し、電気錠501にドア20を解錠させる。
【0073】
施錠部500は電気錠501を備える。電気錠501は、図1に示すドア20に設けられ、ドア20が閉状態になったことを検知すると、ドア20を施錠する。つまり、電気錠501は、ドア20が閉状態になると自動的にドア20を施錠するオートロック機能を持つ電気錠である。
【0074】
電気錠501は、JEM-A端子を備え、JEM-A端子を介して管理装置200と通信する。ここで、電気錠501は、管理装置200から定期的に出力されるポーリングを受信すると、施錠状態であるか否かを示す施錠情報を管理装置200に返す。」
ク 「【0079】
「ロック中」の施錠情報を受信した管理装置200は、電気錠501がドア20をロックしてから所定時間T1内であると判定すると(S403)、ルータ600にICMPエコー要求を送信し、携帯電話100が居住空間10を含む一定範囲の領域に位置するか否かを確認する(S404)。ここで、居住空間10を含む一定範囲の領域としては、ルータ600の電波が届く領域のことを指す。ICMPエコー要求を受信したルータ600は、ICMPエコー要求を携帯電話100に転送する(S405)。携帯電話100は、居住空間10を含む一定範囲の領域に位置し、ICMPエコー要求を受信できた場合、ICMPエコー応答をルータ600に送信する(S406)。ルータ600は、携帯電話100から送信されたICMPエコー応答を管理装置200に転送する(S407)。
【0080】
ここで、所定時間T1が長すぎると安全性が低くなる一方、所定時間T1が短すぎると、短期的に外出した居住者であって電子鍵を携帯するのを忘れた居住者が短期的な外出を終えて居住空間10に戻ってきた際に、呼出ボタン401を押下する時間が確保できなくなる。そこで、所定時間T1としては、想定される短期的な外出時間に呼出ボタン401を押下する作業を充分に行うことができる時間を加えた時間が採用される。
【0081】
ICMPエコー応答を受信した管理装置200は、携帯電話100が居住空間10を含む一定範囲の領域に位置するため、居住者の外出が短期的な外出である可能性があると判定し(S408)、呼出信号の入力を待機する。つまり、居住者はある目的地に出掛ける場合、携帯電話100を携帯するのが一般的であるが、居住空間10から短期的に外出する場合、携帯電話100を居住空間100に置いたまま外出する可能性が高い。そこで、本実施の形態では、電気錠501が施錠状態になった際、ICMPエコー応答を受信できれば、居住者の外出は短期的な外出と判定している。
【0082】
そして、電気錠501の電子鍵を携帯するのを忘れて外出した居住者により呼出ボタン401が押下されると、ドアフォン400は呼出信号をドアフォンモニタ300に送信する(S409)。呼出信号を受信したドアフォンモニタ300は、受信した呼出信号を管理装置200に転送する(S410)。
【0083】
管理装置200は、呼出信号の受信タイミングがドア20のロック後、所定時間T1内であれば、解錠信号を電気錠501に送信する(S411)。」
ケ 上記アないしクからみて、刊行物1には、次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されているものと認める。
「携帯電話100(通信端末の一例)、管理装置200、ドアフォンモニタ300、ドアフォン400、施錠部500を備える管理システムであって、
管理装置200及びドアフォンモニタ300は通信路L2を介して、管理装置200及び施錠部500は通信路L3を介して、ドアフォンモニタ300及びドアフォン400は通信路L4を介して、それぞれ相互に接続されており、通信路L2~L4は、無線の通信路を採用されてもよく、
管理装置200は、ホームサーバにより構成され、居住空間10内に設置され、
ドアフォンモニタ300は、居住空間10内に設けられ、
ドアフォン400は、居住空間10の外部に設置されており、呼出ボタン401を備え、
施錠部500は、人物が居住空間10に出入りするためのドアに設けられた電気錠501を備え、
電気錠501は、管理装置200から定期的に出力されるポーリングを受信すると、施錠状態であるか否かを示す施錠情報を管理装置200に返すものであって、
管理装置200は、携帯電話100が居住空間10を含む一定範囲の領域に位置するか否かを確認し、携帯電話100が居住空間10を含む一定範囲の領域に位置すると、呼出信号の入力を待機し、
電気錠501の電子鍵を携帯するのを忘れて外出した居住者により呼出ボタン401が押下されると、ドアフォン400は呼出信号をドアフォンモニタ300に送信し、呼出信号を受信したドアフォンモニタ300は、受信した呼出信号を管理装置200に転送し、管理装置200は、呼出信号の受信タイミングがドア20のロック後、所定時間T1内であれば、解錠信号を電気錠501に送信する、
管理システム。」
(2)刊行物2
取消理由通知(決定の予告)において引用した刊行物2(特開平9-64878号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホームオートメーションや家庭内情報システム等の通信装置に関するものであり、主装置と単数または複数の端末装置から構成され、端末装置と主装置の間での通信確認を行う際に最適のものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の通信装置は、例えばホームオートメーション装置などでは、特開昭62-1345号公報にあるように主装置に相当する制御機器と端末機器が通信を行い、その応答の内容と有無によって端末機器および端末機器との通信状態(回線の切断等)を判断するよう作用していた。無線のホームオートメーション装置でも、同様の確認方法を取り入れ、例えば特開平3-165644号公報等に示されるように主局と従属局との間でポーリング通信を行い、順次応答される応答信号により、通信状態の確認を行ってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さて、これらの通信装置では、無線装置への電源供給が常に行われ、それぞれの装置は常に受信状態にあり、主局からの信号を待ち受けていた。ところが、ホームオートメーションの普及とともに、電源工事の不可能なところや移設可能な機器等のコントロールの必要から電池による駆動が必要となった。このため、電池の消耗を極力防ぎ、かつ電池の消耗や無線通信回線の異常を早期に検出できる通信装置の必要がでてきた。
【0004】本発明では電池特有の課題である省電力に着目し、同期式通信方式を行いながら接続されている端末装置の通信状況を診断する方法を提供することでこれらの課題を解決しようとするものである。」
イ 「【0010】
【作用】本発明は、上記した構成によって、主装置と各端末装置とは、同期合わせ制御部が送受信部を介してあらかじめ定められたタイミングで前記送受信部を介して定期的に前記端末装置に向けて同期信号を送信し、一方端末装置は送受信部を介して受信した同期合わせ信号に応じて送受信部での通信タイミングを制御するとともに、応答信号を送信し、主装置の応答制御部は送受信部を介してこの応答信号を受信すると、端末識別部が端末装置を識別し、端末状態記憶部が前記識別される端末装置に対応して応答信号の状態を記憶し各端末装置との通信状態を確認することができる。」
ウ 「【0016】
【実施例】以下本発明の第1の実施例を図1を用いて説明する。図1は本発明の通信装置をホームオートメーションの情報盤に応用した場合のシステム構成を示すブロック図である。1は主装置(情報盤)、2は端末装置、3は端末機器である。図2は主装置1、端末装置2の構成を示すブロック図であり、11は送受信部、12は同期合わせ制御部、13は応答制御部、14は端末識別部、15は端末状態記憶部、16は情報表示部、17は異常表示部、21は送受信部、22は同期制御部、23は同期応答制御部、24はデータ検出部である。
【0017】主装置1と、端末装置2は、それぞれの送受信部11または21を介して無線で通信を行う。端末装置2はデータ検出部24で端末機器3の動作状態の変化を検出し、変化が検出されると送受信部21を介して主装置1にデータを送信する。主装置1は、送受信部11を介してこの信号を受信すると、端末識別部14が端末装置を識別し、情報表示部16に動作状態を表示する。ここで、無線通信は省電力と衝突防止のため間欠的に同期通信を行っており、主装置1は同期合わせ制御部12により、同期通信タイミングを生成すると共に周期T毎に送受信部11を介して端末装置2に同期信号を送信する。一方端末装置2は同期制御部22により同期通信タイミングを生成し、主装置1からの信号待ち受けや検出されたデータの送信を行っており、タイマーのずれを補正したりタイミングの変更を行うため、主装置1から同期信号を受信した場合には、同期通信タイミングをこの受信された同期信号の内容で再設定し、同期応答制御部23はこの時送受信部21を介して主装置1に応答信号(ACK)を返送する。」
エ 「【0019】本発明第2の実施例を図1および図3を用いて説明する図3は主装置1、端末装置2の構成を示すブロック図であり、第1の実施例と共通の物は共通の番号を付している。25は優先記憶部である。
【0020】端末機器3の動作状態の検出と主装置への送信および無線送受信の同期は第1の実施例と同様である。今、端末装置2a、2b、2cの内、端末機器3として非常時の検出を行う機器が接続されている2aと2cが優先記憶部25により、優先設定されているとすると、主装置1が同期合わせ信号を送信すると端末装置2a、2b、2cはこれを受信し、それぞれの同期制御部22は同期タイミングの再設定を行う。・・・」
オ 「【0024】本発明第4の実施例を図1および図5を用いて説明する図5は主装置1、端末装置2の構成を示すブロック図であり、第4の実施例と共通の物は共通の番号を付している。19はグループ指定変更部である。
【0025】端末機器3の動作状態の検出と主装置への送信および同期合わせの送受信と動作状態の記憶は第3の実施例と同様である。さて、主装置1のグループ指定変更部19はグループ指定をA、B、A、B、・・・と交互に変更している。このため、あるタイミングではグループAである端末装置2a、2cとの通信状況の確認を行い、他のタイミングではグループBである端末装置2bとの通信状態の確認を行う。
【0026】このように接続されている端末機器をグループ分けをしておき、主装置からのグループ指定を随時変更しながら応答信号による動作確認を行うことにより、多数の端末装置の通信確認を複数回に分け、一回の確認作業を増加させること無く行えるため、回線の混雑や処理時間の伸長がなくなり処理が簡単にできる。また、信号の不要な場合には指定しないことにより必要な頻度で通信確認を行うことができる。」
カ 「【符号の説明】
1 主装置(情報盤)
2 端末装置
3 端末機器
3a 火災報知器
3b 電気錠
3c ガス漏れ検知器
11 送受信部
12 同期合わせ制御部
13 応答制御部
14 端末識別部
15 端末状態記憶部
16 情報表示部
17 異常表示部
18 グループ指定部
19 グループ指定変更部
110 再送制御部
21 送受信部
22 同期制御部
23 同期応答制御部
24 データ検出部
25 優先記憶部
26 グループ記憶部」
キ 上記ウを踏まえて図1をみると、主装置1と端末装置2bとは無線で通信を行っていること、及び端末装置2bは端末機器3bとは接続されていることが看取でき、さらに、上記カの「3b 電気錠」との記載を加味すると、端末装置2bに電気錠3bが接続されていることが明らかである。
ク 上記アないしキからみて、刊行物2には次の発明(以下「刊行物2発明」という。)が記載されているものと認める。
「主装置1(情報盤)と端末装置2と端末機器3からなるホームオートメーションであって、
主装置1(情報盤)と端末装置2は無線で通信を行い、端末装置2の一つである端末装置2bは端末機器3である電気錠3bと接続されており、
端末装置2は、端末機器3の動作状態の変化を検出し、変化が検出されると、主装置1にデータを送信するものであって、
無線通信は省電力と衝突防止のため間欠的に同期通信を行っており、主装置1は周期T毎に端末装置2に同期信号を送信し、端末装置2は、主装置1から同期信号を受信した場合に、主装置1に応答信号(ACK)を返送する、
ホームオートメーション。」
(3)刊行物3
取消理由通知(決定の予告)において引用した刊行物3(「H2V eneli 取扱説明書」、トヨタメディアサービス株式会社、2013年10月)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「・HA接続機器の家電操作(オン/オフ)
宅内LANに接続しているパソコンのローカルサイト(ブラウザ)、インターネットに接続しているパソコンやタブレットのセンターサイト(ブラウザ)、スマートフォンのアプリで、HA接続機器のオン/オフ操作が行えます。
(電気錠は施錠のみ可能。解錠はできません。)」(13頁)
イ 「HAアダプタ
【H2V Gatewayとデータ通信】
HAアダプタの接続機器状態(オン/オフ)を送信します。
HAアダプタに対して接続機器のオン/オフ要求を受信します。
パソコンで設定したHAアダプタの設置場所情報を受信します。」(14頁「HAアダプタ」の欄)
ウ 「H2V Gateway
・・・
【HAアダプタとデータ通信】
HAアダプタの接続機器状態(オン/オフ)を受信します。
HAアダプタに対して接続機器のオン/オフ要求を送信します。
パソコンで設定したHAアダプタの設置場所情報を送信します。」(14頁「H2V Gateway」の欄)
エ 「HA接続機器のオン/オフ操作と状態表示
※電気錠は施錠のみ操作できます」(15頁「家電操作 HA」の欄)
オ 15頁から16頁の図を参照すると、「電気錠」及び「電気錠」と対をなす「HAアダプタ」が戸建て住宅の扉に設けられていること、「H2V Gateway」が室内に設置されていること、「H2V Gateway」と「HAアダプタ」が無線通信を行うこと、「ご利用端末(外出先)」がインターネットを介して「H2V Gateway」と接続されていること、「ご利用端末パソコン」と「H2V Gateway」とが有線で接続されていることが看取できる。
また、「電気錠」と「HAアダプタ」が対をなすことから、上記イ及びウにおけるHAアダプタの接続機器は、「電気錠」ということができる。
カ 15頁の図の右上に「H2V Gatewayは、インターネット接続機器(ルーターなど)の近くに設置」と記載されている。
キ 133頁上段には、「ローカルサイトのホーム画面」が記載され、134頁の「システム情報」の画面において、「センター接続状態」の欄は「認証済み」と、「HAアダプタ接続状態」の欄の最下段から4段目まで「接続」と表示されていることが看取できる。
ク 上記アないしキからみて、刊行物3には、次の発明(以下「刊行物3発明」という。)が記載されているものと認める。
「戸建て住宅の扉に設けられた電気錠であって、
室内にH2V Gatewayが設置され、扉にHAアダプタが設けられ、
H2V GatewayとHAアダプタとは無線通信を行い、
ご利用端末(外出先)がインターネットを介してH2V Gatewayと接続され、
ご利用端末パソコンとH2V Gatewayとが有線で接続され、
宅内LANに接続しているパソコンのローカルサイト(ブラウザ)、インターネットに接続しているパソコンやタブレットのセンターサイト(ブラウザ)、スマートフォンのアプリで、電気錠の施錠が行え、
H2V Gatewayは、HAアダプタに対して電気錠のオン/オフ要求を送信し、HAアダプタは、電気錠のオン/オフ要求を受信して、HAアダプタの電気錠状態(オン/オフ)を送信し、H2V GatewayはHAアダプタの電気錠状態(オン/オフ)を受信する、
電気錠。」
(4)刊行物4
取消理由通知(決定の予告)において引用した刊行物4(「APPENDIX ECHONET 機器オブジェクト詳細規定 Release G」、エコーネットコンソーシアム、2015年5月29日)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「3.3.10 電気錠クラス規定」(3-173頁1行)
イ 「電池残量状態」(3-173頁の表の左から1列目上から10段目)
ウ 「電池残量が低下し、電池交換が必要な状態を取得する
通常=0x40,交換通知有=0x41」(3-173頁の表の左から3列目上から10段目)
エ 「(9)電池残量状態
電池式の電気錠において、通常の状態を0x40、電池の残量が電池交換を促すための設定値を下回った場合(電池交換通知有)に0x41とし、状態を取得する。」(3-174頁)
(5)刊行物6
取消理由通知(決定の予告)において引用した刊行物6(特許第4085011号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主錠と主錠に連動する補助錠とをワイヤレス式に遠隔操作するワイヤレス電気錠装置に関し、特に住宅用に好適なワイヤレス電気錠装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤレス電気錠装置は、例えば、住宅の玄関に設けられたドアの内部に配設された施錠装置を、屋外にいる使用者がリモコン操作装置で制御することで、ドアの施錠、解錠を行うものである。ワイヤレス電気錠装置として、特許文献1~5に示されているように種々のタイプが提案されている。構造から大別すると、工場においてドア内に取り付けられた状態でドアと一体に供給されるタイプと、ドアに後から現場施工で付けるタイプとがある。ドアと一体に提供されるタイプは、新築の住宅等に主として備えられるもので、ドア内での電力供給、信号送受用の配線が既に行われている。ドアに後から付けるタイプは、既存の住宅に後からの取り付けが容易なように、例えば、駆動電源用の配線を不要にするためドアの施錠装置を電池駆動にしたり、信号線の架設が不要なように信号のやりとりを無線式にしたりする工夫がなされている。」
イ 「【0004】
【発明が解決しようとする課題】
現在、住宅の安全性を高めるため、ドアに錠を2つ付けることが推奨されている。ワイヤレス電気錠装置で2つの錠を解錠、施錠させる場合には、主錠を操作する主錠用施解錠ユニットと、補助錠用施解錠ユニットとを独立して構成すると共に、補助錠は、主錠用施解錠ユニット側から電力線を介して直接駆動する構成が合理的である。
【0005】
係るワイヤレス電気錠装置を後付する場合には、ドアに穴を開けて主錠用施解錠ユニット及び補助錠用施解錠ユニットを取り付けることになる。このため、主錠用施解錠ユニットから補助錠用施解錠ユニットを駆動する電力線が、穿設した穴のバリ等により擦られ、短絡等の障害が発生することが予想される。ここで、短絡時の障害を防ぐ方法として、過電流保護素子を駆動用モータと直列に接続することも考え得るが、主錠用施解錠ユニット及び補助錠用施解錠ユニットを電池駆動する場合には、過電流保護素子にて発生する電圧降下分だけモータ駆動電圧が下がるため、電池寿命が短くなるという問題が生じる。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、主錠用施解錠ユニットから補助錠用施解錠ユニットを駆動する電力線の異常に対応できるワイヤレス電気錠装置を提供することを目的とする。」
ウ 「【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電気錠装置について図を参照して説明する。
図1は、第1実施形態にワイヤレス電気錠装置の構成を示す説明図である。ワイヤレス電気錠装置は、主錠を開閉する主錠用施解錠ユニット10と、主錠用施解錠ユニット10に電力線を介して接続され、主錠用施解錠ユニットから電力線を介して送られる電力によりモータにて補助錠を開閉する補助錠用施解錠ユニット50と、主錠用施解錠ユニット10及び該主錠用施解錠ユニットに連動する補助錠用施解錠ユニット50をワイヤレス式に遠隔操作する操作鍵70と、主錠用施解錠ユニット10及び該主錠用施解錠ユニットに連動する補助錠用施解錠ユニット50をワイヤレス式に遠隔制御する遠隔操作ユニット80とを備えてなる。主錠用施解錠ユニット10及び補助錠用施解錠ユニット50は、ドア90に取り付けられ、遠隔操作ユニット80は、室内の壁92に取り付けられる。操作鍵70は、使用者により携帯される。
【0015】
使用者は、屋内及び屋外から操作鍵70のスイッチ72を操作することで、主錠用施解錠ユニット10を動作させ、主錠及び補助錠の施錠、解錠を行える。同様に、室内に備えられた遠隔操作ユニット80のスイッチ82を操作することで、主錠及び補助錠の施錠、解錠を行える。遠隔操作ユニット80には、モニター84が備えられ、主錠及び補助錠の施錠、解錠状況が表示されるようになっている。操作鍵70は、主錠用施解錠ユニット10への電波送信を行う送信機を内蔵するとともに、主錠及び補助錠を手動開閉するための錠部74を備えている。
【0016】
主錠用施解錠ユニット10は、操作鍵70からの微弱制御電波を受信すると共に、遠隔操作ユニット80との双方向通信を行う。即ち、主錠用施解錠ユニット10は、操作鍵70及び遠隔操作ユニット80からの施解錠信号のみに応答する様に設定されている。また、主錠用施解錠ユニット10は、遠隔操作ユニット80に対しては、施錠及び解錠の度にその結果を送信する。これに応じて、遠隔操作ユニット80は、主錠及び補助錠の施錠、解錠状況をモニター84に表示する。
【0017】
第1実施形態では、主錠用施解錠ユニット10と遠隔操作ユニット80とが微弱電波による双方向通信を行うことで、信号線を不要とし、施工工事を容易にしている。更に、後述するように主錠用施解錠ユニット10は、乾電池駆動とすることで、駆動電源用の配線を不要にしている。
【0018】
なお、主錠用施解錠ユニット10は、乾電池駆動であるため、電池の容量が不足すると遠隔操作ユニット80及び操作鍵70からの電波(微弱電波)による施解錠が行えなくなる。このため、電池電圧が低下すると、錠の開閉の度に、内蔵されたブザーを吹鳴させ、電池交換を促す。また、遠隔操作ユニット80に対しても電池電圧低下を知らせる信号を送信し、遠隔操作ユニット80側でLED86を点滅させることで電池交換を促す。」
(6)刊行物7
取消理由通知(決定の予告)において引用した刊行物7(特開2008-34983号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【技術分野】
【0001】
本願発明は、監視対象の機器を遠隔で監視、制御の両方またはいずれか一方を行う遠隔監視制御システムに関し、センタサーバへの通信トラフィックの集中を抑制しセンタサーバの情報処理負荷を減少させることができる遠隔監視制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
戸建て住宅、集合住宅、庁舎、ホール、商業ビル、オフィスビル及び工場等の建物には、照明機器、空調機器、計測機器及び防犯機器等の様々な機器が設置されている。近年では、通信技術等の発展により、これら機器は、有線又は無線の伝送路によって相互に通信可能に接続されることによってネットワーク化され、さらに機器監視制御装置がネットワークに接続されて機器監視制御装置によって集中的に監視、制御の両方またはいずれか一方がされるようになっている。そして、インターネットの普及により、最近では、インターネットを利用して端末装置からこれら機器を遠隔に監視、制御の両方またはいずれか一方を行う遠隔監視制御システムの開発も進展している(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)
このような遠隔監視制御システムの一態様では、図10に示すように、端末装置6と機器監視制御装置7との通信、又は異なる機器監視制御装置7との間の通信を中継するセンタサーバ5が設けられている。また、センタサーバ5と機器監視制御装置7との間の通信は、ポーリング方式が採用されている。
【0003】
センタサーバ5は、端末装置6からネットワーク4を介して送信される監視要求、制御要求(コマンド)の両方またはいずれか一方を蓄積し、機器監視制御装置7から監視要求、制御要求の両方またはいずれか一方の有無を問い合わせる問合せ(コマンド有無確認信号)に応じて、監視要求、制御要求の両方またはいずれか一方を蓄積している場合にこの監視要求、制御要求の両方またはいずれか一方を収容した通信信号(コマンドありの応答信号)を返信する。
【0004】
機器監視制御装置7は、上記問合せを行ってその返信が監視情報を要求する監視要求である場合には、通信線9を介して機器8に監視信号を送信することによって機器8から監視情報を取得してあるいは予め定期的に機器8から監視情報を取得してこの監視情報をセンタサーバ5にネットワーク4を介して送信し、センタサーバ5は、この送信された監視情報を、ネットワーク4を介して端末装置6に返信し、そして、端末装置6は、監視情報を表示する。これによって端末装置6のユーザは、監視情報を視認することにより監視結果を認識することができる。また、機器監視制御装置7は、上記問合せを行ってその返信が機器の制御を要求する制御要求である場合には、通信線9を介して機器8に制御信号を送信することによって機器8を制御する。一方機器8から制御結果を監視情報として通信線9を介して取得してセンタサーバ5にネットワーク4を介して送信し、センタサーバ5は、送信された監視情報についてネットワーク4を介して端末装置6に返信し、そして、端末装置6は、監視情報を表示する。これによって端末装置6のユーザは、監視情報を視認することにより所望の制御に対する制御結果を認識することができる。」
イ 「【0029】
設備機器8は、遠隔監視制御システム1の監視制御の対象であり、機器監視制御装置7と通信線9を介して通信を行う通信部と、設備機器8の機能を実行する機能部とを備えて構成され(図示せず)、自発的に、あるいは、機器監視制御装置7から通信線9を介して受信した機能部の状態を要求する監視要求に従って、機能部の状態(例えば、電源のオン・オフ、稼動状態、故障状態、検知状態等)を機器監視制御装置7に通信線9を介して送信したり、機能部の状態を制御する制御要求を機器監視制御装置7から通信線9を介して通信部を用いて受信して制御要求の通りに制御したりするものである。この監視要求や制御要求は、ネットワーク4に接続されている端末装置6又は他の機器監視制御装置7から発せられる。ここで、端末装置6は従来例で説明した端末装置と同様のものである。機能部は、設備機器8が、例えば、照明器具である場合には、光を生じる発光機能である。照明器具の他に、例えば、空調装置等の住戸環境やオフィス環境等を調整する装置、浴槽にお湯を張る給湯装置、電気錠装置及び換気扇等の住戸設備、テレビジョン、ビデオテープレコーダ、DVDレコーダ及び洗濯機等の家電製品、コンピュータ等の情報処理装置、電話機及びファクシミリ装置等の通信機器、誘導灯及び非常灯等の防災設備、等脈拍計、体温計、血中酸素濃度計及び心電図計等の医療機器、ガスメータ、電力メータ及び水道メータ等の計量メータ、並びに、防災センサ、防犯センサ、温度センサ及び湿度センサ等のセンサ等である。
【0030】
遠隔監視制御システム1において、これら機器のうち、照明器具、空調装置、給湯装置、防災設備、計量メータ、電気錠、防災センサ及び防犯センサ等の建物に備え付けられる建物用機器が好適である。照明器具、空調装置及び給湯装置の場合には、建物に入る前に遠隔制御によって快適な環境を提供することができる。防災設備の場合には、遠隔監視によって点検を行うことで災害時に安全を確保することができる。計量メータの場合には、使用量を遠隔に検針することで課金の効率化を図ることができる。また、各箇所の使用量を遠隔に集中的にモニタして使用実態を把握することで無駄を省くことができ、コスト削減や省エネルギを図ることができる。電気錠の場合には、鍵の掛け忘れに対処することができる。防災センサ及び防犯センサの場合には、遠隔監視によって被害の発生や拡大を防ぐことができる。」
(7)刊行物8
取消理由通知(決定の予告)において引用した刊行物8(特開2002-183860号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホームセキュリティシステム及び端末装置に関し、特に、個人が所有する携帯端末(PDC端末)によって、当該個人の家屋内の状況を監視するホームセキュリティシステム及び端末装置に関する。」
イ 「【0030】
【発明の実施の形態】以下、図1を用いて本発明に係るホームセキュリティシステムの実施の形態について詳細に説明する。図1に示すホームセキュリティシステムに用いられる端末装置としては、少なくとも、カメラ13aと、このカメラ13aで撮影された画像を記憶する記憶手段であるメモリ14と、画像データを宅外にいる家主の携帯する端末に送信する送信手段であるPDC端末13を有している端末装置であるアダプター15を用いることができる。図1において、センサ12は、家屋20の宅内21に配置された検出手段であって、例えば、人感知センサ、ガス漏れセンナ、温度センサ、煙感知センサ、照明センサ、ロックセンサ等の各種センサの内の少なくとも1種類のものが、その用途に応じた位置に配置されている。このように、宅内21に設けられたセンサ12からの感知出力に応じて自動的に、宅外のPDC端末17への送信を開始するように構成することができる。
【0031】また、PDC端末13(例えば、iモード端末)は、カメラ13aを備えるカメラ付きPDC端末装置として構成されており、カメラ13aによって、宅内21の所定個所の状況を撮影することができる。宅内21のPDC端末13に付加されたカメラ13aによって撮影された映像を記憶するメモリ14は、例えば、フラッシュメモリが用いられる。このフラッシュメモリは、宅内21のPDC端末13に付加されたカメラによる24時間の監視に適するように、撮影された映像は、一定時間経過すると、次の撮影された映像によって上書きされる。
【0032】また、このメモリ14(フラッシュメモリ)は、2つに分割されていて、その一方には、上記の24時間の監視のために撮影された映像は、一定時間毎の映像の上書きが繰り返される。すなわち、分割された他方のフラッシュメモリには、センサ12による感知(何等かの異常状態の検出)がなされた場合に、このセンサ12が感知してから、一定時間内の映像(例えば、センサ12が感知する1分前からの映像)がコピーされるようになっている。
【0033】アダプター15は、前述の各種センサを監視していて、いずれかのセンサに異常を感知した場合に、PDC端末13及び公衆回線網16を介して、家主(該当家の居住者)が保持するPDC端末17(必ずしもこの端末は1個である必要は無く複数個のPDC端末を家族が保持しても良い)に発呼する。また、アダプター15は、宅内21のPDC端末13のカメラ13aで撮影された画像のメモリ14に対する記憶制御及びこのシステム全体の制御も実行することができる。
【0034】なお、通常においては、このアダプター15によって本発明のホームセキュリティシステムは自動的に制御されているが、家主の宅外のPDC端末17によって、遠隔でライブ映像とメモリ映像の切り替え等の制御を行うことも可能であり、その使用形態は多様であり、使い勝手は極めてよい。
【0035】また、アダプター15の制御により、センサ12の感知に応じた発呼を受けた家主は、家主本人が所持している宅外のPDC端末17からの指示によって、前述のメモリ14(フラッシュメモリ)に蓄積された画像を家主の所持している宅外のPDC端末17の表示画面に表示させる。(この画面は、PDC端末の伝送速度によって静止画又は動画にできる。)」
(8)刊行物9
取消理由通知(決定の予告)において引用した刊行物9(特開2004-257072号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアの施錠状態の確認、施錠等を遠隔操作で行うことが可能な施錠状態確認制御システムに関する。」
イ 「【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の1実施の形態にかかる施錠状態確認制御システム1を示す概略図、図2は、本実施の形態にかかる錠端末装置21の取り付け斜視図、図3は、施錠状態転送データ100を示す図、図4は、施錠状態履歴データ200を示す図、図5は、携帯端末装置41の表示部43を示す概略図である。
【0023】
図1に示すように、本実施の形態にかかる施錠状態確認制御システム1は、サーバコンピュータ5、データベース7、ネットワーク9、網制御装置15、錠端末装置21、錠リモコン29-1、…、錠リモコン29-n(以下まとめて錠リモコン29とする)、電話33、携帯端末装置41-1、…、携帯端末装置41-n(以下まとめて携帯端末装置41とする)等を有している。
【0024】
サーバコンピュータ5、データベース7は、管理会社3に備えられる。管理会社3は、施錠状態確認制御システム1を提供する事業者である。サーバコンピュータ5は、施錠状態確認制御システム1の制御を行う。データベース7は、錠端末装置21が備えられた顧客に関する情報、錠端末装置21または携帯端末装置41に関する情報、および錠端末装置21または携帯端末装置41から送信されたデータ等を保持する。ネットワーク9は、インターネット、電話回線などである。
【0025】
網制御装置15、錠端末装置21、錠リモコン29、キー31、電話33は、施錠状態確認制御システム1を利用する顧客側に備えられる。網制御装置15は、ネットワーク9を介してサーバコンピュータ5、携帯端末装置41と接続されており、顧客側では、電話33、錠端末装置21と有線または無線で接続されている。網制御装置15は、サーバコンピュータ5、携帯端末装置41等からネットワーク9を介して送信される情報を送信先の錠端末装置21または電話33に送信したり、錠端末装置21、または電話33からネットワーク9側に送信するデータを送出する等、それらの回線を制御する。
【0026】
錠端末装置21は、第1の端末装置に相当し、顧客の例えば玄関のドアに備えられ、錠の施開錠の制御、施開錠に関する記録の保持、長時間の開錠状態持続等の異常時における通報などを行う。
【0027】
図2に示すように、錠端末装置21は、顧客の住居の例えばドア51に備えられる。ドア51には、施工時に既に錠が設置されているとする。施工時に設置された錠は、ドア51の内部側に、サムターン61、ドア側部に施錠突起53等を有している。サムターン61の下部に、ノブ57が備えられている。
【0028】
サムターン61は開動可能であり、図2のA方向に回すと、施錠突起53が図2のように突出して、建物側の凹部(図示せず)に嵌め込まれて施錠され、B方向に回すと、施錠突起53がドア51に収納されて開錠される。開錠された状態で、ノブ57を例えば押し下げると、ドア51の側部に備えられた突起55がドア51に収納されて、ドア51を開けることができる。
【0029】
錠端末装置21は、建物の完成後に、例えば取り付け位置63に、両面テープなどを用いて設置する。よって、取り付け及び取り外しは簡易に行うことができ、取り外した後、設置前の状況に戻すことは容易である。
【0030】
錠端末装置21は、外部にボタン65を有しており、内部にサムターン61を回転させる機構を有している。例えばボタン65をC方向に1度押圧すると、錠端末装置21の内部機構によりサムターン61をA方向に回転させ、施錠突起53が図2のように突出して、建物側の凹部(図示せず)に嵌め込まれて施錠される。ボタン65をさらにC方向にもう一度押圧すると、錠端末装置21の内部機構によりサムターン61はB方向に回転され、施錠突起53がドア51に収納されて開錠される。
【0031】
錠端末装置21の内部には、サムターン61に負荷を与える負荷部材を備え、ピッキング治具によってドア51の外側から錠を開錠しようとする際に印加可能な負荷よりも、大きい負荷を与えておくことが好ましい。この負荷部材を備えることで、ピッキングによる不正な開錠を防止することができる。」
ウ 「【0033】
再び図1を参照すると、錠端末装置21は、CPU23、メモリ25、無線機27等を有している。CPU23は、施錠状態の監視、外部からの信号の解析、解析結果に基づく施開錠の実行等、錠端末装置21の制御を行う。メモリ25は、錠リモコン29の識別番号、特定の錠リモコン29により施開錠が行われた場合に通報する携帯端末装置41を指定した施開錠状態転送データ100、錠の施開錠が行われた時刻、操作手段などを記録した施錠状態履歴データ200等を保持する。無線機27は、錠リモコン29との無線通信を行う。網制御装置15と錠端末装置21を無線で接続する場合には、網制御装置15にも無線機を設けるとともに、錠端末装置21にも網制御装置15との間で無線通信が可能な無線機を設け、無線通信を行うようにしてもよい。」
エ 「【0043】
携帯端末装置41は第2の端末装置に相当し、顧客が外出する際に携帯可能な、携帯電話などの端末装置であり、複数設置することができる。携帯端末装置41は、固有の識別番号を有しており、サーバコンピュータ5、錠端末装置21に予め登録しておくことが好ましい。携帯端末装置41は、データの送受信手段、情報の表示手段を有する。携帯端末装置41は、サーバコンピュータ5を介して錠端末装置21から送信された情報の受信および表示、錠端末装置21に施錠を依頼する情報、施錠状態履歴の転送を依頼する情報等の送信等を行う。
【0044】
携帯端末装置41は、サーバコンピュータ5から転送されてきたデータを表示するが、例えば、図3に示したように、ID3の錠リモコン29で施開錠が行われた場合には、母の携帯端末装置41に通報するので、図5に示すように、表示部43に通知45が表示される。このとき、通知45は、該当錠リモコン29に設定された色、即ち図5の場合では黄色に表示されるようにしてもよい。
【0045】
携帯端末装置41は、サーバコンピュータ5を介して施錠状態履歴データ200の転送を依頼することができるが、施錠状態履歴データ200が表示部43に表示される際にも、該当する錠リモコン29に設定された色に夫々表示させるようにしてもよい。」
オ 「【0049】
携帯端末装置41は、開錠継続通知を受信し、表示部43に表示する(ステップ605)。さらに携帯端末装置41は、サーバコンピュータ5に施錠依頼を行う(ステップ606)。施錠依頼を受信したサーバコンピュータ5は、錠端末装置21に施錠要求を行う(ステップ607)。錠端末装置21は、ネットワーク9及び網制御装置15を介して施錠要求を受信し、施錠を行う(ステップ608)。このとき、錠端末装置21では、メモリ25に保持されている施錠状態履歴データ200に、施錠の日時203、施錠状態205、操作手段207を記録する(ステップ609)。このあと、錠端末装置21はサーバコンピュータ5を介して携帯端末装置41に施錠終了の通知をするようにしてもよい。
【0050】
以上の手順により、一定時間以上開錠状態が継続した場合には、自動的に携帯端末装置41に通報される。これにより、錠の閉め忘れを防止することが可能となる。通報は、上記のようなメール形態で表示される方法以外に、音声通報などでもよい。また、施錠状態の履歴を、施錠状態履歴データ200として記録することができる。
【0051】
図7に示すように、上記のように記録された施錠状態履歴データ200を確認する場合には、携帯端末装置41からサーバコンピュータ5に、施錠状態履歴データ200を要求する(ステップ701)。要求を受けたサーバコンピュータ5は、ネットワーク9、網制御装置15を介して、錠端末装置21に施錠状態履歴データ200の送信を要求する(ステップ702)。
【0052】
錠端末装置21では、メモリ23に記録された施錠状態履歴データ200を読み出し、サーバコンピュータ5に送信する(ステップ703)。サーバコンピュータ5は、送信を要求した携帯端末装置41に施錠状態履歴データ200を転送する(ステップ704)。携帯端末装置41は、施錠状態履歴データ200を受信し、表示部43に表示させて確認する(ステップ705)。
【0053】
上記手順によれば、外出先などで、親が子供の帰宅を確認したり、例えば習い事等のために決められた時刻に出かけたか否かを確認することができる。また、開錠状態継続通知が送信される前に、錠の閉め忘れを確認することができる。」
カ 「【0083】
錠端末装置21には、例えば特定の操作手段により開錠された場合には、一定時間後に施錠状態になる、オートロック機能を付加するようにしてもよい。また、このオートロック機能はオンオフが可能なことが好ましい。錠リモコン29の識別番号は、盗難時に悪用を防止するため、錠端末装置21あるいは携帯端末装置41からの指示により変更可能なようにしてもよい。錠端末装置21は、交換可能な電池で駆動されることが好ましい。」
(9)刊行物12
取消理由通知(決定の予告)において引用した刊行物12(特開2015-78529号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【発明を実施するための形態】
【0007】
これを解決するための実施形態として、以下のように、携帯端末と電子錠管理サーバ(本機)と電子錠からなる電子錠管理システムを構成した。本発明によれば、この発明の汎用携帯端末(スマートフォン)は、無線LANを用いたネットワークにより、次のように利用することができる。
【0008】
図1は、本発明が利用するネットワークの全体像であり、1は画面を有する汎用の携帯端末、例えば、スマートフォン、タブレット端末、無線機能を有するパソコン、等である。この汎用の携帯端末1は、WAFI仕様の無線機能を有し、ネットワークの無線手段(ルーター)3を介してネットワーク4に接続する。携帯端末1は、携帯端末1にダウンロードしたアプリケーションプログラム等の実行により、本発明の電子錠管理システムとネットワークを介し、あるいは直接、通信する。
【0009】
10は、ネットワークの無線手段(ルーター)5を介して、ネットワーク4に接続するWAFI仕様の無線機能を有する電子錠管理サーバ(本機)である。この電子錠管理サーバ(本機)10は、無線通信により、その管理下にあるドア(扉)20の電子錠21の開錠・施錠を行う。
【0010】
無線機能を持つ電子錠管理サーバ10は、電子錠21を設けたドア20付近の内外に固定して、玄関わきに設置する。しかし、工事現場等で携帯しながらの使用も可能なようになっている。実機は、携帯端末程度の大きさに設計することが可能である。電子錠21は、電子錠管理サーバ10からの電波が届く範囲内にあって、電子錠管理サーバ10からの指示により開錠したり、施錠したりする。また、電子錠管理サーバ10と電子錠21は、無線ではなく、有線により接続することも可能である。
【0011】
30は、ネットワーク4に接続するアプリ管理サーバであり、このアプリ管理サーバ30は、ネットワーク4上で管理され、ユーザーに電子錠管理サーバ10を提供する事業者が設置する大型サーバである。アプリ管理サーバ30は、本システムに関する多数のアプリケーションプログラム(群)31(以下、「アプリ」という。)を内蔵し、また、各種情報を記憶してデータベースとなる記憶手段32、等を備えることもできる。アプリ管理サーバ30に内蔵されるアプリには、電子錠のユーザーが最初にアプリ管理サーバ30にアクセスし、携帯端末にダウンロードする当初実行アプリが含まれる。当初実行アプリは、電子錠ID番号やパスワードが合致した時に携帯端末上で、実行されるようになっていて、生体データを記憶させる命令を発信する。
【0012】
電子錠管理サーバ10本体は、図2に示すように、本体表面に、暗闇でも鮮明に被写体を確認できる監視カメラ11、生体認証手段を備えた生体センサ12、ファンクションキー群18を備え、また、記憶手段14を有している。生体センサ12は、光学式の指紋センサが一般的であるが、手のひらや指の静脈センサ、真皮センサ、顔認証や顔認識、眼球の光彩センサでもよい。また、偽造指紋等の防止の観点から、人体の発する微弱な電流をとらえるセンサを併用することもできる。さらに、指紋センサとIDカード(非接触ICカード)を組み合わせて認証することも可能である。ファンクションキー群18は、例えば、F1・F2・F3・F4キーからなり、これらのキーの組み合わせにより、(ユーザー登録された生体認証確認後には、)内部(モード)設定、外部(モード)設定、出勤、退出(退勤)、外出、復帰、または、管理者権限(管理者登録された生体認証を識別した後)においての履歴の全削除、などの機能を、携帯端末1を使用することなく、直接行うことができる。内部モード機能(無線電波に障害物の無い状態で100M以内)では、電子錠管理サーバ10から直接開錠・施錠ができ、外部モード機能では、携帯端末1からネットワーク4を介して、電子錠管理サーバ10に無線信号で遠隔地から接続し、電子錠21の開錠・施錠ができる。また、非接触式ICカードと情報のやり取りをする手段13を備えている。
【0013】
電子錠管理サーバ10の記憶手段14には、(a)当該電子錠管理サーバ10が施錠・開錠する電子錠21の電子錠ID(ID番号)、(b)対応する携帯端末(スマートフォン)1の携帯端末ID、(c)電子錠管理サーバ10の生体センサ12から読み取られた生体情報(指紋)、(d)電子錠管理サーバ10に設けられた生体センサ12が生体情報を読み取り、電子錠を開錠・施錠した時(指紋タッチ時)の各種履歴(開錠・施錠時刻の履歴、生体情報、等)、(e)電子錠管理サーバ10の管理者情報、等、各種の情報が記憶され、本システムのデータベース機能をつかさどっている。このデータベースの各種情報は、携帯端末1にも、アプリ管理サーバ30の記憶手段32にも記憶することができる。このようなシステムの併用により、電子錠管理サーバ10に不具合が発生したり、また、なんらかの障害が加えられたりして、電子錠管理サーバ10が故障や破損した場合にも、新しく取り替えられた電子錠管理サーバ10に、無線で携帯端末1やアプリ管理サーバ30の記憶手段32から直接記憶したすべての登録者情報やその他の記憶した各種データを送信することができる。
【0014】
また、電子錠管理サーバ10の生体(指紋)認証手段は、生体センサ12により読み取られた生体データ(指紋)が登録された本人のものであるかどうか、を認証する生体認証機能プログラムを有し、記憶手段14のデータベースに登録された生体データ(ID)と電子錠管理サーバ10の生体センサ12が読み取った生体データを比較する。」
イ 「【0017】
次に、本電子錠管理システムがどのように実行されるか、以下、その手順を説明する。
【0018】
ユーザーに販売され、あるいは、レンタル契約された電子錠管理サーバ10は、出荷時に、まず、その識別情報である電子錠管理サーバIDが決定される。次に、その電子錠管理サーバIDに関連する携帯端末ID(複数可)、電子錠ID(複数可)が関連付けられ、電子錠管理サーバ10の記憶手段14に記憶される。広い範囲に散らばる複数の電子錠が関連付けられる場合には、無線ルーターが備えられる。ユーザーには、初期設定時のパスワードが知らされる。
【0019】
電子錠21を備えたドア20の居宅に住むユーザーは、ネットワーク4を介して、自身が所有する汎用の携帯端末(スマートフォン)1に、アプリ管理サーバ30に内蔵された初期設定用のアプリ31をダウンロードする。そして、上記パスワードを入力することにより、このアプリが、ユーザーの携帯端末と、登録・決定されたID番号の電子錠管理サーバ10とを関連付け、これにより、ユーザーの携帯端末は通信可能となり、初期設定が可能となる。」
ウ 「【0021】
これにより、開錠・施錠が行われる電子錠21のID、その開錠・施錠を行うことが可能となる人の生体データ情報(指紋、等)が、携帯端末1からのアプリの指示により、関連付けられて、電子錠管理サーバ10の記憶手段14と携帯端末1に記憶、登録され、データベース化される。この結果、電子錠(複数可)の開錠・施錠を、電子錠管理サーバ10と携帯端末1に登録した生体データ(指紋)の認証(管理者権限を有するものも含む)によりおこなうことができることとなる。電子錠(複数可)の開錠・施錠の情報(履歴;だれがいつどのドアをあけたか、あるいはあけられなかったか、等)も、電子錠管理サーバ10の記憶手段14に記憶され、アプリを利用して、携帯端末1からいつでも確認、点検できる。また、携帯端末1のアプリを利用して、ユーザーは、電子錠管理サーバ10に内蔵された監視カメラ11からのリアルタイムな映像を、携帯端末1の画面に映し出し、ドア20近辺の状況をいつでも確認できる。」
エ 「【0024】
このようにして、電子錠管理サーバ1の記憶手段14と携帯端末1に記憶された生体情報(生体データ)は、ドア20の電子錠21を開錠したり、施錠したりする人が、生体センサ12にタッチした時に、生体センサ12に設けられた生体認証手段によって、生体センサ12が検知した生体情報と比較され、電子錠21の開錠・施錠が決定される。もちろん、設定の仕方次第により、携帯端末1が、携帯端末にダウンロードしたアプリで電子錠21の開錠・施錠を遠隔的にすることも可能である。この場合、指紋認証をする必要はない。もちろん、携帯端末1に生体センサが備えられていれば、生体認証は、携帯端末1でも可能となる。」
オ 上記アないしエからみて、刊行物12には、次の発明(以下「刊行物12発明」という。)が記載されているものと認める。
「携帯端末1と電子錠管理サーバ(本機)10と電子錠21からなる電子錠管理システムであって、
電子錠管理サーバ10は、電子錠21を設けたドア20付近の内外に固定して、玄関わきに設置され、無線通信により、その管理下にあるドア(扉)20の電子錠21の開錠・施錠を行うものであって、工事現場等で携帯しながらの使用も可能なようになっており、
電子錠21は、電子錠管理サーバ10からの電波が届く範囲内にあって、電子錠管理サーバ10からの指示により開錠したり、施錠したりするものであり、
電子錠管理サーバ10本体は、本体表面に、暗闇でも鮮明に被写体を確認できる監視カメラ11、生体認証手段を備えた生体センサ12、ファンクションキー群18を備え、また、記憶手段14を有しており、
携帯端末1からネットワーク4を介して、電子錠管理サーバ10に無線信号で遠隔地から接続し、電子錠21の開錠・施錠ができ、
電子錠管理サーバ10の識別情報である電子錠管理サーバIDと、その電子錠管理サーバIDに関連する携帯端末ID(複数可)、電子錠ID(複数可)が関連付けられ、また、電子錠21のIDと生体データ情報(指紋、等)が、関連付けられて、電子錠管理サーバ10の記憶手段14に記憶され、
電子錠管理サーバ10の記憶手段14は、本システムのデータベース機能をつかさどっており、このデータベースの各種情報は、携帯端末1にも、アプリ管理サーバ30の記憶手段32にも記憶することができ、
電子錠管理サーバ1の記憶手段14に記憶された生体情報(生体データ)は、ドア20の電子錠21を開錠したり、施錠したりする人が、生体センサ12にタッチした時に、生体センサ12に設けられた生体認証手段によって、生体センサ12が検知した生体情報と比較され、電子錠21の開錠・施錠が決定され、
電子錠(複数可)の開錠・施錠の情報(履歴;だれがいつどのドアをあけたか、あるいはあけられなかったか、等)も、電子錠管理サーバ10の記憶手段14に記憶され、携帯端末1からいつでも確認、点検でき、
また、携帯端末1のアプリを利用して、ユーザーは、電子錠管理サーバ10に内蔵された監視カメラ11からのリアルタイムな映像を、携帯端末1の画面に映し出し、ドア20近辺の状況をいつでも確認できる、
電子錠管理システム。」
(10)刊行物13
取消理由通知において引用した刊行物13(特開2014-179683号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵配信サーバーを介して電気錠を施解錠するための鍵データを利用者が所有する端末に配信する鍵配信システムに関するものである。」
イ 「【0034】
電気錠30は、情報読取部31と、錠側記憶部32と、錠側計時部33、錠側制御部34と、施解錠機構35と、電源部36とを備え、例えばマンションの共用施設(シアタールーム、集会室、ゲストルーム等)の扉に設けられている。
【0035】
情報読取部31は、近距離無線通信を用いて端末10との間で鍵データの読み取りを行うためのリーダ装置で構成されている。情報読取部31は、錠側制御部34からの制御により、近距離無線通信エリア内に近接を検出した端末10に対して一定周期で鍵データの読み取り処理(端末10に対する鍵データ送信要求の送信する処理、所謂、「ポーリング」を指す)を行い、端末10に記憶される鍵データを読み取って錠側制御部34に出力している。」
ウ 「【0041】
電源部36は、商用電源(AC100V)を外部電源として電源の供給を受け、錠側制御部34の制御により、各部に駆動電源を供給している。また、電源部36の構成として例えば本装置がスタンドアロンな構成で使用する場合、ボタン電池や乾電池(一次電池、二次電池を問わず)等の各種電池が着脱交換可能な電源ユニットで構成し、扉の所定箇所若しくは扉近傍に設けても良い。」
(11)刊行物15
取消理由通知(決定の予告)において引用した甲第15号証(特開2016-138415号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「【0018】
電子キー4は、電子キー4の動作を制御するキー制御部7と、電子キー4において電波を受信する受信アンテナ8と、電子キー4において電波を送信する送信アンテナ9と、電子キー4の電源となる電池10とを備える。キー制御部7のメモリ11には、電子キー4の固有IDである電子キーIDが書き込み保存されている。受信アンテナ8は、例えばLF電波を受信する。送信アンテナ9は、例えばUHF電波を送信する。電子キー4は、電池10の残量(電池電圧)を常時監視し、その監視結果である電池残量情報Svをスマート通信時にドア2側に送信可能である。
【0019】
ドア錠制御システム5は、ドア錠制御システム5の動作を制御するコントローラ12と、ドア2の周囲に電波を送信する送信アンテナ13と、ドア2の周囲で電波を受信する受信アンテナ14とを備える。コントローラ12のメモリ15には、ドア2に登録された電子キー4のID(電子キーID)が書き込み保存されている。送信アンテナ13は、例えばLF電波を送信する。受信アンテナ14は、例えばUHF電波を受信する。送信アンテナ13及び受信アンテナ14は、例えばドア2、建物1の壁、建物1の周囲などに配設される。ドア錠3は、例えばアクチュエータを駆動源にデッドボルトを壁側の凹部に出し入れする電気錠からなる。コントローラ12は、例えば基板上にICや各種素子が実装された制御盤からなる。
【0020】
本例のドア錠制御システム5は、電子キー4の電池残量に基づく通知が可能な通知機能が設けられている。本例の通知機能は、電子キー4の電池残量が閾値以下となったとき、電池10の電圧が残り僅かである旨をユーザに通知する電池消耗告知機能となっている。すなわち、ドア錠制御システム5は、ドア2が作動されるとき、電子キー4の電池残量が残り僅かとなっていれば、その旨をユーザに通知するように作動する。
【0021】
図2に、本例の電池消耗告知機能の考え方について図示する。電子キー4の電池電圧は、周囲温度の影響を大きく受けるという性質がある。このため、室外に電子キー4が位置していたときには、屋外という周囲温度のばらつきが大きい環境下に電子キー4が晒されるので、電子キー4から通知される電池残量情報Svの精度もあまりよくない。このため、電池消耗告知機能の精度が荒くなってしまう懸念がある。
【0022】
一方、電子キー4が室内に置かれていたのであれば、室内という環境が安定した状態下に電子キー4が存在していたことになるので、電子キー4から通知される電池残量情報Svを信頼してもよいといえる。よって、本例の場合は、電池消耗告知を実施するにあたって、ユーザの退室を監視することにより、電子キー4が室内に置かれていたか否かを識別し、電子キー4が室内に置かれていたと判断できたときに、電子キー4の電池残量が閾値以下であれば、電池消耗告知を実行する。」
4 対比・判断
(1)本件発明1ないし5について
上記第2のとおり、本件訂正請求により請求項1ないし5は削除された。
その結果、請求項1ないし5に係る発明についての特許異議申立ては、その対象を欠くこととなったので、不適法な申立てであり、その補正をすることができないものであるから、特許法第120条の8第1項において準用する同法第135条の規定により却下すべきものである。
(2)本件発明6について
ア 本件発明6と刊行物1発明を対比すると、少なくとも、刊行物1発明は、本件発明6の「前記電子錠と、前記室内端末とがどの部屋に設置されているかが関連付けて記憶された第1のデータベースを有する管理装置とを備え、」前記室内端末は、「前記電子錠と、前記室内端末とを関連付ける部屋の変更を受付ける第1の受付部とを有」する構成を備えていない点で相違している。
また、当該構成は、刊行物2ないし16にも記載されておらず、示唆する記載もない。
そして当該構成を備えることにより、本件発明6は、「電子錠及び/又は室内端末を設置する部屋を別の部屋に変更した際に、簡易に電子錠及び/又は室内端末と部屋との関連付けの設定を変更することができるので利便性に優れる。」(段落0021)との顕著な効果を奏するものであり、本件発明6は、刊行物1ないし16に記載された発明、技術事項、周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
イ 当該構成が刊行物1ないし16に記載も示唆もされていないことから、取消理由通知(決定の予告)において検討した刊行物2、3、12を主引用例とした取消理由(進歩性)の判断についても、上記アと同様である。
ウ 上記相違点に関し、各特許異議申立書において、申立人Aは、刊行物3に記載されていると主張し、申立人Bは、刊行物12に記載されていると主張している。
ここで刊行物3をみると、刊行物3発明において、電子錠は戸建て住宅の扉に設けられたものであるから、そもそも、電子錠と室内端末がどの部屋に設置されているか識別する必要はないものである。
また、刊行物12をみると、刊行物12発明において、電子錠管理サーバIDと、その電子錠管理サーバIDに関連する携帯端末ID(複数可)、電子錠ID(複数可)が関連付けられて、データベース機能をつかさどる電子錠管理サーバ10の記憶手段14やアプリ管理サーバ30の記憶手段32に記憶されるが、電子錠管理サーバIDと携帯端末IDと電子錠IDと、特定の部屋との関連を示す情報まで、該記憶手段14や記憶手段32に記憶されるかどうか特定されていない。
したがって、本件発明6の「前記電子錠と、前記室内端末とがどの部屋に設置されているかが関連付けて記憶された第1のデータベース」及び「前記電子錠と、前記室内端末とを関連付ける部屋の変更を受付ける第1の受付部」は、刊行物3及び12に記載されておらず、申立人A及びBの主張は採用できない。
(3)本件発明7ないし9について
本件発明7ないし9は、本件発明6を直接又は間接的に引用しており、本件発明6に更に限定を加えた発明であるから、上記(2)に記載した理由により、刊行物1~16に記載の発明、技術事項、周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(4)本件発明10ないし13について
本件発明10と刊行物1発明を対比すると、少なくとも、刊行物1発明は、上記(2)で挙げた構成を備えていない点で相違しており、本件発明10は、上記(2)で説示したことと同じ理由により、刊行物1ないし16に記載の発明、技術事項、周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、本件発明11ないし13についても、本件発明10を直接又は間接的に引用しており、本件発明10に更に限定を加えた発明であるから、刊行物1~16に記載の発明、技術事項、周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第4 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によって、本件請求項6ないし13に係る特許を取り消すことはできない。
そして、他に本件請求項6ないし13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件請求項1ないし5に係る特許についての特許異議の申立ては、特許法第120条の8第1項において準用する同法第135条の規定により却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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2017-700859