特許異議申立
2017-700378
予防接種スケジュール作成システム、予防接種スケジュール作成装置及び予防接種スケジュール作成プログラム
- 審判番号
- 2017-700378
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2012-246555外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年04月18日
- 審決日
- 2017年06月09日
- 公報発行日
- 2017年07月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社ペディアトリスト
- 【異議申立人】河原田 隆
- 分類
- P1651.121-Y (G06Q)
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6009912号発明「予防接種スケジュール作成システム、予防接種スケジュール作成装置及び予防接種スケジュール作成プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6009912号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6009912号の請求項1~5に係る特許についての出願は、平成24年11月8日に特許出願され、平成28年9月23日にその特許権の設定登録がされ、その後、 その特許に対し、特許異議申立人河原田隆により特許異議の申立てがされたものである。
第2 本件発明
特許第6009912号の請求項1~5の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
予防接種スケジュール作成装置と、当該予防接種スケジュール作成装置にインターネットを介して接続する医療機関端末とから構成されるシステムであって、
前記予防接種スケジュール作成装置は、
スケジュール作成のための制約条件を含む予防接種に関する情報を格納する予防接種情報データベースと、
前記医療機関端末の入力手段を介して入力された情報と、予防接種のスケジュール作成要求あるいはスケジュール変更要求を前記医療機関端末から受信するスケジュール作成要求受信手段と、
前記入力された情報および前記予防接種情報データベースから抽出した情報に基づいて予防接種のスケジュールの新規作成あるいは更新を行い、スケジュール結果を所定の箇所に格納するスケジュール作成手段と、
前記作成あるいは更新されたスケジュール結果を前記医療機関端末に送信するスケジュール送信手段と、
任意的条件の入力を容易とするための条件設定画面を前記医療機関端末に送信する条件設定画面提供手段とを備え、
条件設定画面には、同時接種可能なワクチンの組合せパターンを選択させる画面が含まれることを特徴とする予防接種スケジュール作成システム。
【請求項2】
予防接種スケジュール作成装置と、当該予防接種スケジュール作成装置にインターネットを介して接続する保護者端末とから構成されるシステムであって、
前記予防接種スケジュール作成装置は、
スケジュール作成のための制約条件を含む予防接種に関する情報を格納する予防接種情報データベースと、
前記保護者端末の入力手段を介して入力された情報と、予防接種のスケジュール作成要求あるいはスケジュール変更要求を前記保護者端末から受信するスケジュール作成要求受信手段と、
前記入力された情報および前記予防接種情報データベースから抽出した情報に基づいて予防接種のスケジュールの新規作成あるいは更新を行い、スケジュール結果を所定の箇所に格納するスケジュール作成手段と、
前記作成あるいは更新されたスケジュール結果を前記保護者端末に送信するスケジュール送信手段と、
任意的条件の入力を容易とするための条件設定画面を前記保護者端末に送信する条件設定画面提供手段とを備え、
条件設定画面には、同時接種可能なワクチンの組合せパターンを選択させる画面が含まれることを特徴とする予防接種スケジュール作成システム。
【請求項3】
予防接種のスケジュール作成のための制約条件を含む予防接種に関する情報を格納する予防接種情報データベースと、
医療機関端末の入力手段を介して入力された情報と、予防接種のスケジュール作成要求あるいは変更要求を前記医療機関端末から受信するスケジュール作成要求受信手段と、
前記入力された情報および前記予防接種情報データベースから抽出した情報に基づいて予防接種のスケジュールの新規作成あるいは更新を行い、スケジュール結果を所定の箇所に格納するスケジュール作成手段と、
前記作成あるいは更新されたスケジュール結果を前記医療機関端末に送信するスケジュール送信手段と、
任意的条件の入力を容易とするための条件設定画面を前記医療機関端末に送信する条件設定画面提供手段とを備え、
条件設定画面には、同時接種可能なワクチンの組合せパターンを選択させる画面が含まれることを特徴とする予防接種スケジュール作成装置。
【請求項4】
予防接種のスケジュール作成のための制約条件を含む予防接種に関する情報を格納する予防接種情報データベースと、
保護者端末の入力手段を介して入力された情報と、予防接種のスケジュール作成要求あるいは変更要求を前記保護者端末から受信するスケジュール作成要求受信手段と、
前記入力された情報および前記予防接種情報データベースから抽出した情報に基づいて予防接種のスケジュールの新規作成あるいは更新を行い、スケジュール結果を所定の箇所に格納するスケジュール作成手段と、
前記作成あるいは更新されたスケジュール結果を前記保護者端末に送信するスケジュール送信手段と、
任意的条件の入力を容易とするための条件設定画面を前記保護者端末に送信する条件設定画面提供手段とを備え、
条件設定画面には、同時接種可能なワクチンの組合せパターンを選択させる画面が含まれることを特徴とする予防接種スケジュール作成装置。
【請求項5】
予防接種のスケジュール作成のための制約条件を含む予防接種に関する情報を格納する予防接種情報データベースにアクセス可能なコンピュータを、
医療機関或は保護者の端末の入力手段を介して入力された情報と、予防接種のスケジュール作成要求あるいはスケジュール変更要求を前記端末から受信するスケジュール作成要求受信手段、
前記入力された情報および前記予防接種情報データベースから抽出した情報に基づいて予防接種のスケジュールの新規作成あるいは更新を行い、スケジュール結果を所定の箇所に格納するスケジュール作成手段、
前記作成あるいは更新されたスケジュール結果を前記端末に送信するスケジュール送信手段、
任意的条件の入力を容易とするための条件設定画面を前記端末に送信する条件設定画面提供手段として機能させ
条件設定画面には、同時接種可能なワクチンの組合せパターンを選択させる画面が含まれることを特徴とする予防接種スケジュール作成プログラム。」
第3 申立理由の概要
特許異議申立人河原田隆は、主たる証拠として特開2012-59155号公報(以下「甲1」という。)、従たる証拠として特開平09-259177号公報(以下「甲2」という。)、従たる証拠として特開2007-183689号公報(以下「甲3」という。)、従たる証拠として「VPDを知って、子どもを守ろう。」の会おすすめ 予防接種スケジュール(以下「甲4」という。)を提出し、請求項1~5に係る特許は同法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1~5に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。
第4 証拠の採否とその記載について
1.甲1(特開2012-59155号公報)について
甲1は、平成24年3月22日に公開された刊行物であり、本件特許の出願日前に公開されたことが明らかであるから、証拠として採用する。
甲1には、以下の発明が記載されている。(以下「甲1発明」という。)
「システム管理装置と、当該システム管理装置にインターネットを介して接続する医療機関の端末とから構成されるシステムであって、
前記システム管理装置は、
スケジュール作成のための、同時接種可否や次回ワクチンの接種可能時期等に関する情報を格納する予防接種情報記憶手段と、
ユーザ端末の入力手段を介して入力されたユーザの誕生日及び登録日に関する情報と、登録要求あるいは変更要求をユーザ端末から受信する処理部と、
前記入力された情報及び前記予防接種情報記憶手段から抽出した情報に基づいてスケジュールの新規作成あるいは更新を行い、基本スケジュール及び現在スケジュールをユーザ情報記憶手段に格納する基本スケジュール作成手段及びスケジュール変更手段と、
前記作成あるいは更新されたスケジュール結果をユーザ端末に送信する連絡メール送受信手段と、
を備えることを特徴とする予防接種スケジュール作成システム。」
2.甲2(特開平09-259177号公報)について
甲2は、平成9年10月3日に公開された刊行物であり、本件特許の出願日前に公開されたことが明らかであるから、証拠として採用する。
甲2には、以下の発明が記載されている。(以下「甲2発明」という。)
「病院内の特定場所に設置された患者用入出力端末から再診予約等を行うこと、及び、患者用入出力端末において予約状況のデータを表示する再診予約システム」
3.甲3(特開2007-183689号公報)について
甲3は、平成19年7月19日に公開された刊行物であり、本件特許の出願日前に公開されたことが明らかであるから、証拠として採用する。
甲3には、以下の発明が記載されている。(以下「甲3発明」という。)
「サーバ側送信部が、二次検査予約画面を検診者端末に送信し、
二次検査予約画面は、複数の二次検査を選択する場合には、複数の二次検査項目のチェックボックスにチェックを入れるすることによって選択させ、
健診者端末は健診施設内に設置される二次検査予約システム」
4.甲4(「VPDを知って、子どもを守ろう。」の会おすすめ 予防接種スケジュール)について
甲4は、発行者、及び、発行日の記載がなく、また、その他公知日を証明するものも提出されておらず、証拠として採用できない。
なお、甲4には、「2010年2月現在」との記載があるが、これは印刷物の内容が2010年2月の時点のものであるとの注意書きを記載したにすぎず、発行日を示すものとはいえない。
第5 判断
1.請求項1に係る発明について
請求項1に係る発明と、甲1発明を比較すると、以下の点で相違する。
相違点1
請求項1に係る発明では、「医療機関端末の入力手段を介して入力された情報と、予防接種のスケジュール作成要求あるいはスケジュール変更要求を前記医療機関端末から受信するスケジュール作成要求受信手段」と、「作成あるいは更新されたスケジュール結果を前記医療機関端末に送信するスケジュール送信手段」とを備えているのに対し、甲1発明では、入力手段を有し送受信の対象である端末が、医療機関端末ではなく、ユーザ端末である点
相違点2
請求項1に係る発明では、「任意的条件の入力を容易とするための条件設定画面を前記医療機関端末に送信する条件設定画面提供手段とを備え、条件設定画面には、同時接種可能なワクチンの組合せパターンを選択させる画面が含まれる」のに対し、甲1発明では、これらを備えていない点
以下、上記相違点2について検討する。
甲3発明における二次検査予約画面は、複数の二次検査を選択する場合に、複数の二次検査項目のチェックボックスにチェックを入れるすることによって選択させることから、請求項1に係る発明でいうところの「組合せパターンを選択させる画面」といえる。そして、甲3発明では、二次検査予約画面を検診者端末に送信していることから、甲3発明は、請求項1に係る発明と、「組合せパターンを選択させる画面を端末に表示させる画面提供部を備える」という点で共通している。
しかしながら、甲3発明は、請求項1に係る発明でいうところの同時接種可能なワクチンの組合せパターンを選択して入力することは記載されておらず、甲1発明に対して甲3発明を適用して、甲1発明が、組合せパターンを選択させる画面を端末に表示させる画面提供部を備える構成になったとしても、当該画面に「同時接種可能なワクチンの組合せパターンを選択させる画面が含まれる」とまではいえない。
また、甲1発明に、任意的条件の入力を容易とするための条件設定画面に含まれる同時接種可能なワクチンの組合せパターンを選択させる画面を送信する条件設定画面提供手段を、さらに付加することの動機付けもない。
つまり、特許第6009912号の明細書【0038】に「予防接種スケジュールの自動作成は困難と考えられていたのは、スケジュール作成のための条件のかなりの部分をユーザによる任意的な条件が占めていたからである」、及び、「各ユーザ固有の条件まで考慮してスケジュールを作成すれば処理は極めて煩雑になる。これが予防接種スケジュールのシステム化の障害となっていた」と記載される課題を解決するために、請求項1に係る発明は、上記相違点に係る構成を有することに至ったものであるが、甲1発明は、そのような課題認識を有していない。そして、甲1発明では、予防接種スケジュール作成システムが予防接種スケジュールを作成するものであり、甲1発明において作成された予防接種スケジュールは、同時接種可能なワクチンの組合せを既に含むものであるから、甲1発明にさらに、同時接種可能なワクチンの組合せパターンを選択して入力することを行う理由がない。
そして、上記相違点2に係る構成は、甲2発明にも記載されていない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、請求項1に係る発明は、当業者であっても甲1発明、甲2発明、及び、甲3発明から当業者が容易になし得るものではない。
2.請求項2-5に係る発明について
請求項2-4に係る発明も、請求項1に係る発明が備える「任意的条件の入力を容易とするための条件設定画面を前記保護者端末に送信する条件設定画面提供手段とを備え、条件設定画面には、同時接種可能なワクチンの組合せパターンを選択させる画面が含まれる」と同一の構成を備えるものであり、請求項1に係る発明と同じ理由により、当業者であっても、甲1発明、甲2発明、及び、甲3発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
また、請求項5に係る発明は、請求項3、4のシステム作成装置をプログラムとして請求するものであって、「任意的条件の入力を容易とするための条件設定画面を前記保護者端末に送信する条件設定画面提供手段とを備え、条件設定画面には、同時接種可能なワクチンの組合せパターンを選択させる画面が含まれる」との上記請求項1に係る発明が備える構成に相当する構成を備えるものであるから当業者であっても、甲1発明、甲2発明、及び、甲3発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1~5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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