特許拒絶査定不服審判
2017-018471
各台対応装置
- 審判番号
- 2017-018471
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2013-240186外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年12月12日
- 審決日
- 2018年09月25日
- 公報発行日
- 2018年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第159条第1項、特許法第53条第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2013-240186号「各台対応装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年5月28日出願公開、特開2015-97727号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成25年11月20日の出願であって、平成28年8月24日に手続補正書が提出され、平成29年5月17日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月20日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年9月6日付け(発送日:同年9月12日)で拒絶査定がなされ、それに対して、同年12月12日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 平成29年12月12日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成29年12月12日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、本件補正前の特許請求の範囲、すなわち平成29年7月20日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載を、以下のとおり、補正後の特許請求の範囲の請求項1のものに補正する事項を含むものである(下線は補正箇所を示す。)。
(補正前)
「遊技者による所定の操作部への操作によって遊技玉を遊技盤面に供給し、遊技盤面を流下した遊技玉が所定の入賞口に入った場合に賞を付与する機能を有し、前記操作部への操作態様により遊技盤面に供給する遊技玉の流下態様を調整可能な遊技機に対応して設けられる各台対応装置であって、
前記各台対応装置の動作を制御する制御手段と、
遊技媒体数を記憶する記憶手段と、
前記制御手段の認証を行う認証手段を有し、前記遊技機と通信を行う通信手段と、
所定の操作を受け付けた場合に、前記遊技機に対して前記記憶手段に記憶した遊技媒体数を特定可能な情報を前記通信手段を介して送信する送信手段と、
前記遊技機から移行分の遊技媒体数を特定可能な情報を前記通信手段を介して受信する受信手段と、
前記受信手段に受信した情報に基づいて前記記憶手段に記憶した遊技媒体数を更新する更新手段と、
前記通信手段を介して前記操作部への操作態様に関する情報を取得する操作情報取得手段と、
前記操作情報取得手段により取得された情報に基づいて、前記操作部への操作態様に関する表示を所定の表示部において行う操作情報表示制御手段と
を有し、
前記通信手段は、前記認証手段による認証結果が正当なものであった場合に、前記操作情報取得手段による一定時間間隔ごとの情報の取得が可能な状態を設定するものである
ことを特徴とする各台対応装置。」
(補正後)
「遊技者による所定の操作部への操作によって遊技玉を遊技盤面に供給し、遊技盤面を流下した遊技玉が所定の入賞口に入った場合に賞を付与する機能を有し、前記操作部への操作態様により遊技盤面に供給する遊技玉の流下態様を調整可能な遊技機に対応して設けられる各台対応装置であって、
前記各台対応装置の動作を制御する制御手段と、
所定の記録媒体の処理を行う記録媒体処理手段と、
前記記録媒体に関連付けられた有価価値及び遊技媒体数を特定して記憶する記憶手段と、
前記制御手段の認証を行う認証手段を有し、前記遊技機と通信を行う通信手段と、
所定の操作を受け付けた場合に、前記遊技機に対して前記記憶手段に記憶した遊技媒体数を特定可能な情報を前記通信手段を介して送信する送信手段と、
前記遊技機から移行分の遊技媒体数を特定可能な情報を前記通信手段を介して受信する受信手段と、
前記受信手段に受信した情報に基づいて前記記憶手段に記憶した遊技媒体数を更新する更新手段と、
前記通信手段を介して前記操作部への操作態様に関する情報を取得する操作情報取得手段と、
前記操作情報取得手段により取得された情報に基づいて、前記操作部への操作態様に関する表示を所定の表示部において行う操作情報表示制御手段と
を有し、
前記通信手段は、前記認証手段による認証結果が正当なものであった場合に、前記操作情報取得手段による一定時間間隔ごとの情報の取得が可能な状態を設定するものであり、
前記表示部は、前記記憶手段に記憶した有価価値に関する情報と、前記操作態様に関する表示を同時に表示可能である
ことを特徴とする各台対応装置。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「各台対応装置」について、「所定の記録媒体の処理を行う記録媒体処理手段」を有するとの限定を付加し、同じく「記憶手段」について、「遊技媒体数を記憶する」とあったものを、「前記記録媒体に関連付けられた有価価値及び遊技媒体数を特定して記憶する」と限定し、同じく「表示部」について、「前記記憶手段に記憶した有価価値に関する情報と、前記操作態様に関する表示を同時に表示可能である」との限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、本件補正は、願書に最初に添付した明細書の段落【0073】、【0150】、図14等の記載からみて、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。
(1)本願補正発明
本願補正発明は、平成29年12月12日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのもの(上記「1」の「(補正後)」の記載を参照。)であり、分説し、(A)ないし(L)の符号を付与すると、以下のとおりである。
「(A) 遊技者による所定の操作部への操作によって遊技玉を遊技盤面に供給し、遊技盤面を流下した遊技玉が所定の入賞口に入った場合に賞を付与する機能を有し、前記操作部への操作態様により遊技盤面に供給する遊技玉の流下態様を調整可能な遊技機に対応して設けられる各台対応装置であって、
(B) 前記各台対応装置の動作を制御する制御手段と、
(C) 所定の記録媒体の処理を行う記録媒体処理手段と、
(D) 前記記録媒体に関連付けられた有価価値及び遊技媒体数を特定して記憶する記憶手段と、
(E) 前記制御手段の認証を行う認証手段を有し、前記遊技機と通信を行う通信手段と、
(F) 所定の操作を受け付けた場合に、前記遊技機に対して前記記憶手段に記憶した遊技媒体数を特定可能な情報を前記通信手段を介して送信する送信手段と、
(G) 前記遊技機から移行分の遊技媒体数を特定可能な情報を前記通信手段を介して受信する受信手段と、
(H) 前記受信手段に受信した情報に基づいて前記記憶手段に記憶した遊技媒体数を更新する更新手段と、
(I) 前記通信手段を介して前記操作部への操作態様に関する情報を取得する操作情報取得手段と、
(J) 前記操作情報取得手段により取得された情報に基づいて、前記操作部への操作態様に関する表示を所定の表示部において行う操作情報表示制御手段と
を有し、
(K) 前記通信手段は、前記認証手段による認証結果が正当なものであった場合に、前記操作情報取得手段による一定時間間隔ごとの情報の取得が可能な状態を設定するものであり、
(L) 前記表示部は、前記記憶手段に記憶した有価価値に関する情報と、前記操作態様に関する表示を同時に表示可能である
ことを特徴とする各台対応装置。」
(2)引用文献とそれに記載された事項
ア 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された特開2011-206455号公報(以下、「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審において付加したものである。以下同様。)。
引1-a
「【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る遊技管理システム1の全体構成を示す図である。
遊技管理システム1は、遊技球を遊技媒体に使用するパチンコ機2を設置した遊技場に設けられ、パチンコ機2から遊技情報を取得して管理するシステムであり、複数台のパチンコ機2及びCR(Card Reader)ユニット(遊技球貸出装置)3と、精算機4と、ホールコンピュータ40を含む管理コンピュータ群5とを備え、CRユニット3、精算機4及び管理コンピュータ群5のそれぞれが通信ネットワーク6により互いに通信可能に接続されている。
【0016】
パチンコ機2は、遊技球を遊技媒体に使用する遊技機である。このパチンコ機2は、遊技者が、価値媒体たるプリペイド媒体22を購入、或いは、プリペイド媒体22に現金をチャージし、該プリペイド媒体22の残価値を代償として遊技球を借りて遊技する、いわゆるCR機と呼ばれる遊技機であり、パチンコ機2と、当該パチンコ機2と通信可能に接続され、プリペイド媒体22を読み取る上記CRユニット3とを備えて遊技システム7が構成され、パチンコ機2は、CRユニット3との通信により所定条件が満足された事を条件に遊技球を発射可能に構成されている。」
引1-b
「【0018】
パチンコ機本体10の正面には、遊技球の貸出操作用の玉貸ボタン38A、プリペイド媒体22の返却(遊技終了の指示)操作用の遊技終了ボタン38B、遊技機液晶表示器16での表示演出時などに操作入力するプッシュボタン38C等の各種操作ボタンが設けられている。
またパチンコ機本体10の右下には、遊技球を遊技盤8の遊技領域に1発ずつ所定の時間間隔で発射する遊技球発射ハンドル17が設けられている。遊技球発射ハンドル17の操作に伴って発射された遊技球が始動口11を通過したことを契機にパチンコ機2は特賞の当落抽選を行うとともに、遊技機液晶表示器16に図柄を後述する表示演出を伴って変動表示し、停止図柄により当落抽選結果を遊技者に通知する。また当選時には、パチンコ機2は、大入賞口13を開放して遊技球が入賞し易い状態とすることで遊技者に持玉を増やす機会を与える。」
引1-c
「【0020】
CRユニット3は、各パチンコ機2の片側に配置され互いに通信可能に接続されており、プリペイド媒体22の残価値がゼロでない事を条件に、玉貸ボタン38Aの操作を示す貸出操作信号をパチンコ機2から受信した場合に遊技球の貸出指示信号を出力する。プリペイド媒体22の残価値は、管理コンピュータ群5(より正確には後述するプリペイドシステム管理コンピュータ42)に管理されており、CRユニット3は、玉貸完了時に、管理コンピュータ群5との間で貸出玉数に応じてプリペイド媒体22の残価値を減じる処理を行う。なお、CRユニット3は、玉貸時における残価値の使用単位(例えば100円単位、500円単位など)や、1個の遊技球あたりの貸出単価(例えば4円/玉、1円/玉など)を予め設定可能に構成されており、遊技場側が営業形態に応じて適宜に設定・変更可能に成されている。
【0021】
プリペイド媒体22にはICを内蔵した硬貨形状のICコイン22A及びカード型の会員カード22Bが用いられている。会員カード22Bは、遊技店に会員登録している顧客に貸与される記録媒体であり、ICコイン22Aは、それ以外の顧客(いわゆる、ビジター)に貸与される記録媒体である。プリペイド媒体22には、一意に特定するための識別情報が付与されており、この識別情報と残価値とが対応付けられて管理コンピュータ群5により管理されている。」
引1-d
「【0023】
CRユニット3は、プリペイド媒体22が投入されている間、その残価値をタッチ液晶モジュール20に表示し、玉貸ボタン38Aの操作により玉貸が行われるごとに、残価値を減算更新し、また更新後の残価値をタッチ液晶モジュール20に表示する。また、CRユニット3は、遊技終了ボタン38Bが操作されたときには、プリペイド媒体22を排出するとともに、プリペイド媒体22の識別情報と残価値とを管理コンピュータ群5に送信し、これにより、CRユニット3から排出されたときのプリペイド媒体22の最終的な残価値が管理コンピュータ群5に記録される。
精算機4は、プリペイド媒体22の残価値を精算する装置であり、この精算機4には、ICコイン22Aのコイン投入口26及び会員カード22Bのカード挿入口27が設けられている。精算機4は、プリペイド媒体22が投入された場合、残価値を上記管理コンピュータ群5に問い合わせ、残価値に応じた金額を払い出す。精算機4は、金額払出完了後に、その旨を管理コンピュータ群5に通知し、管理コンピュータ群5が、そのプリペイド媒体22の残価値として記録している値をクリアすることで精算が完了する。」
引1-e
「【0028】
持玉管理サーバ43は、遊技者の持玉数を管理するコンピュータである。具体的には、持玉管理サーバ43は、遊技者の持玉数を、投入されているプリペイド媒体22の識別情報とともに通信ネットワーク6を介してCRユニット3から取得して管理する。遊技者は、獲得当日に限り、持玉を遊技に使用することができ、CRユニット3は、プリペイド媒体22が投入されたときには、当該プリペイド媒体22の識別情報に対応する持玉数を持玉管理サーバ43に問い合わせ、応答により得られた持玉数をタッチ液晶モジュール20に表示する。このときCRユニット3は、持玉を使って遊技球の払い出しを受けるための持玉使用ボタン(図示せず)をタッチ液晶モジュール20に表示し、当該持玉使用ボタンが操作された場合には、所定玉数の遊技球の払出指示信号をパチンコ機2に出力するとともに、持玉管理サーバ43に対してプリペイド媒体22の識別情報とともに使用持玉数を送信する。持玉管理サーバ43は、使用持玉数を取得すると、対応するプリペイド媒体22の持玉数を減算更新する。また、CRユニット3は、プリペイド媒体22の排出時には、持玉管理サーバ43に対してプリペイド媒体22の識別情報とともに最終的な持玉数を送信し、この持玉数が持玉管理サーバ43に記録される。」
引1-f
「【0036】
またパチンコ機2は、上述した部材の他にも、図2に示すように、外部端子板61と、貸出装置接続基板62とを備え、さらに、上述したタッチ液晶モジュール20が組み込まれている。
外部端子板61は、遊技情報、及び遊技球発射ハンドル17の操作量を示す外部出力信号SoutをCRユニット3に一方向に出力する端子板であり、CRユニット3から外部端子板61への信号入力は禁止されている。外部端子板61から出力される遊技情報は、遊技機メイン基板53及び払出制御基板54が管理する情報であり、これらの基板から外部端子板61に出力される。
この遊技情報を示す信号には、パチンコ機2での大当たり発生を示す大当たり信号、図柄表示部59での図柄の変動停止を示す図柄停止信号(スタート信号)、賞球数を示す賞球信号、アウト玉数を示すアウト玉信号、ファウル玉数を示すファウル玉信号等が含まれている。この遊技情報を周辺機器が取得することで、大当たり信号及び図柄変動停止信号に基づいて大当たり発生や大当たり発生回数、図柄変動回数(スタート回数)を特定でき、また、アウト玉信号、ファウル玉信号及び賞球信号に基づいて、払出制御基板54とは別に差玉を管理することができる。本実施形態では、外部端子板61がCRユニット3に接続されており、当該CRユニット3は、払出制御基板54とは別に、差玉に基づいて持玉数を管理し、さらに、遊技球発射ハンドル17との操作量の遊技者への通知、及びホールコンピュータ40への出力を行っている。
貸出装置接続基板62は、CRユニット3と接続するための基板であり、この貸出装置接続基板62を介してCRユニット3からパチンコ機2に貸出指示信号(持玉使用時にあっては払出指示信号)が出力され、また、玉貸し/払出しが正常に完了したか否かを示す貸出(払出)結果信号がパチンコ機2からCRユニット3に入力される。
なお、外部端子板61と貸出装置接続基板62とを1枚の基板として構成しても良い。
【0037】
タッチ液晶モジュール20は、CRユニット3により制御されて当該CRユニット3の表示部及び操作部として機能する。すなわち、CRユニット3が遊技球貸出装置の装置本体に相当し、タッチ液晶モジュール20が遊技球貸出装置の表示部及び操作部に相当し、これらによって遊技球貸出装置63が構成される。かかる遊技球貸出装置63の構成について図3を参照して説明する。
【0038】
図3は、遊技球貸出装置63の機能的構成を示す図である。
タッチ液晶モジュール20は、遊技球貸出装置63の装置本体たるCRユニット3に互いに通信可能に接続されており、液晶パネル73及びタッチパネル74を備えた液晶表示部75と、この液晶表示部75を制御する回路を実装した操作表示制御基板77とを備え、この液晶表示部75の表示画像を制御する画像表示制御信号SgがCRユニット3から操作表示制御基板77に入力されている。液晶表示部75に対するタッチ操作は、操作表示制御基板77からCRユニット3にタッチ操作入力信号Stとして出力され、当該CRユニット3にタッチ操作が入力される。すなわち、このタッチ液晶モジュール20は、パチンコ機2に組み込まれているものの、その表示動作はCRユニット3によって制御され、なおかつ、入力操作はCRユニット3に出力されており、CRユニット3の表示部及び操作部として構成されている。
【0039】
また、CRユニット3からタッチ液晶モジュール20には、当該タッチ液晶モジュール20の電力供給線76を介して動作電力が供給されている。すなわち、タッチ液晶モジュール20は、CRユニット3との間でパチンコ機2を介さずに直接的に通信し、また、動作電力もCRユニット3から供給を受ける構成であるため、パチンコ機2が備える電気回路を変更する必要が無く、製造等が容易となる。なお、タッチ液晶モジュール20は、CRユニット3との間の通信を、パチンコ機2が備える外部端子板61や貸出装置接続基板62を通じて行っても良い。
【0040】
CRユニット3は、メイン基板80と、ICコイン22Aを読み書きするコインR/W81と、会員カード22Bを読み書きするカードR/W82と、ワンセグ放送(ワンセグ:携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス)を受信してタッチ液晶モジュール20に表示するワンセグ受信回路83と、パチンコ機2及びタッチ液晶モジュール20を接続するための接続基板である遊技機側外部入出力接続基板84と、ホール側外部入出力接続基板85とを備えている。遊技機側外部入出力接続基板84には、遊技球発射ハンドル17の操作量及び遊技情報を含む外部出力信号Soutが入力され、これらの情報がホール側外部入出力接続基板85からホールコンピュータ40に向けて出力される。
【0041】
メイン基板80は、各部を中枢的に制御するメイン制御汎用CPU87を備え、上記ICコイン22A及び会員カード22Bのデータの読み書き、管理コンピュータ群5、及びデータ表示器28とのデータ送受等の制御、パチンコ機2に対する玉貸制御の他、さらに遊技中におけるプリペイド媒体22の残価値、持玉及び再プレイ可能玉数(貯玉数)を管理する。
詳述すると、メイン制御汎用CPU87は、キャッシュメモリを備え、当該キャッシュメモリを用いて、プリペイド残価値記憶部88、貸出装置管理持玉数記憶部89、再プレイ可能玉数記憶部90、遊技機管理残玉数記憶部91として機能する。
プリペイド残価値記憶部88は、プリペイド媒体22の残価値を記憶するものであり、プリペイド媒体22の投入時、或いは発行時にプリペイドシステム管理コンピュータ42から取得した残価値を初期値として記憶し、玉貸操作に伴って残価値を減算更新し、またチャージ操作に伴って加算更新する。
【0042】
貸出装置管理持玉数記憶部89は、CRユニット3がパチンコ機2から受信した遊技情報に基づいて遊技者の持玉数(以下、「貸出装置管理持玉数」と言う)を算出し記憶するものである。すなわち、CRユニット3は、遊技球の貸出操作や貯玉、持玉の払出操作ごとに、貸出玉数又は払出玉数を貸出装置管理持玉数に加算し、また遊技情報に含まれるアウト玉信号に基づいて貸出装置管理持玉数を減算更新し、さらに遊技情報に含まれるファウル玉或いは賞球を示す賞球信号に基づいて貸出装置管理持玉数を加算更新する。この貸出装置管理持玉数は、図2に示すように、タッチ液晶モジュール20にリアルタイムに表示される。
【0043】
ここで、パチンコ機2においても、上述の通り、払出制御基板54が持玉数を計数しており、この計数値が遊技機管理発射可能玉数記憶部54Aに記憶される。パチンコ機2が管理している遊技機管理残玉数は、発射制御基板52から遊技球発射を示す信号を受けるごとに減算更新されるのに対し、CRユニット3が管理している貸出装置管理持玉数は、アウト玉の検知信号に基づいて減算更新されるため、貸出装置管理持玉数の減算更新タイミングが遊技機管理残玉数よりも遅くなる。そこで、遊技終了ボタン38Bの操作に伴って持玉数を持玉管理サーバ43に通知する際には、CRユニット3はパチンコ機2から遊技機管理残玉数を取得して上記遊技機管理残玉数記憶部91に記憶し、この遊技機管理残玉数を持玉管理サーバ43に通知することで、正確な持玉数を記録することとしている。遊技終了ボタン38Bの操作時には、この遊技機管理残玉数も図2に示すようにタッチ液晶モジュール20に表示される。
【0044】
再プレイ可能玉数記憶部90は、遊技者の貯玉数を記憶するものであり、会員カード22Bの挿入後パスワード認証正常終了時に、顧客管理サーバ41から取得した貯玉数を初期値として記憶し、貯玉の払出操作に伴って貯玉数を減算更新する。この貯玉数は、図2に示すように、タッチ液晶モジュール20に再プレイ可能玉数として表示され、遊技終了ボタン38Bの操作時に、再プレイ可能玉数記憶部90に記憶されている貯玉数が顧客管理サーバ41に送信されて記録される。」
引1-g
「【0045】
また、CRユニット3のメイン制御汎用CPU87は、ハンドル操作量報知制御部92として機能する。ハンドル操作量報知制御部92は、遊技球発射ハンドル17の操作量を表示部たるタッチ液晶モジュール20に表示して通知するものであり、操作量取得部93と、操作量表示制御部94と、登録履歴記憶部95とを備えている。
操作量取得部93は、パチンコ機2から入力された外部出力信号Soutに含まれているハンドル操作量を取得し、操作量表示制御部94は、当該ハンドル操作量を表示するための画像表示制御信号Sgを生成しタッチ液晶モジュール20に出力する。登録履歴記憶部95は、遊技者の操作によって登録指示された時点でのハンドル操作量を記憶する。」
引1-h
「【0054】
特に、本実施形態では、パチンコ機2が出力する遊技情報及び遊技球発射ハンドル17の操作量を、遊技球貸出装置63を経由してホールコンピュータ40に出力する構成としたため、パチンコ機2は、遊技情報等をホールコンピュータ40に出力するために、遊技球貸出装置63以外の他の周辺機器と接続する必要がなく、当該パチンコ機2に接続する機器を遊技球貸出装置63のみにできる。これによりパチンコ機2の配線接続作業の容易化などが図られる。さらに、パチンコ機2が備える周辺機器との入出力インターフェースを遊技球貸出装置63とのインターフェースのみにできる。これにより、インターフェース部分を通じて外部から不正な信号をパチンコ機2に与えて誤動作させる等の不正行為に対する対策がし易くなる。」
引1-i
「図2
」
引1-j
「図3
」
イ 引用文献1の記載事項より導き出せる事項
上記引1-aないし引1-g、引1-i、引1-jに摘記した引用文献1の記載より、以下の事項が導き出せる。なお、(a)ないし(j)、(l)の符号は、本願補正発明に付与した(A)ないし(L)の符号に対応するものである。
(a) 上記引1-bに示した段落【0018】には、「遊技球を遊技盤8の遊技領域に1発ずつ所定の時間間隔で発射する遊技球発射ハンドル17が設けられ」、「遊技球発射ハンドル17の操作に伴って発射された遊技球が始動口11を通過したことを契機にパチンコ機2は特賞の当落抽選を行う」点が記載されている。また、同じく段落【0016】には、「パチンコ機2」が「遊技者が、価値媒体たるプリペイド媒体22を購入、或いは、プリペイド媒体22に現金をチャージし、該プリペイド媒体22の残価値を代償として遊技球を借りて遊技する」ものである点が記載されている。さらに、上記引1-cに示した段落【0020】には、「CRユニット3は、各パチンコ機2の片側に配置され互いに通信可能に接続されて」いる点が記載されている。
(b) 上記引1-fに示した段落【0040】には、「CRユニット3は、メイン基板80」「を備え」る点が記載されており、同じく段落【0041】には、「メイン基板80は、各部を中枢的に制御するメイン制御汎用CPU87を備え」る点が記載されている。
(c) 上記引1-cに示した段落【0021】には、「プリペイド媒体22にはICを内蔵した硬貨形状のICコイン22A及びカード型の会員カード22Bが用いられ」る点が記載されており、上記引1-fに示した段落【0040】には、「CRユニット3は、メイン基板80と、ICコイン22Aを読み書きするコインR/W81と、会員カード22Bを読み書きするカードR/W82」「を備え」る点が記載されている。
(d-1) 上記引1-fに示した段落【0040】には、「CRユニット3は、メイン基板80」「を備え」る点が記載されており、同じく段落【0041】には、「メイン基板80は、各部を中枢的に制御するメイン制御汎用CPU87を備え」る点が記載されており、さらに、「メイン制御汎用CPU87は、キャッシュメモリを備え、当該キャッシュメモリを用いて、プリペイド残価値記憶部88、貸出装置管理持玉数記憶部89、再プレイ可能玉数記憶部90、遊技機管理残玉数記憶部91として機能する」点が記載されている。
(d-2) そして、同じく段落【0041】には、「プリペイド残価値記憶部88は、プリペイド媒体22の残価値を記憶するものであ」る点が記載されている。
(d-3) また、同じく段落【0042】には、「貸出装置管理持玉数記憶部89は、CRユニット3がパチンコ機2から受信した遊技情報に基づいて遊技者の持玉数(以下、「貸出装置管理持玉数」と言う)を算出し記憶するものである」点が記載されている。
(d-4) さらに、同じく段落【0044】には、「再プレイ可能玉数記憶部90は、遊技者の貯玉数を記憶するものであり、」「貯玉の払出操作に伴って貯玉数を減算更新する」点が記載されている。
(e) 上記引1-fに示した段落【0040】には、「パチンコ機2及びタッチ液晶モジュール20を接続するための接続基板である遊技機側外部入出力接続基板84」「を備え」る点が記載されている。
(f-1) 上記引1-cに示した段落【0020】には、「CRユニット3は、各パチンコ機2の片側に配置され互いに通信可能に接続されており、プリペイド媒体22の残価値がゼロでない事を条件に、玉貸ボタン38Aの操作を示す貸出操作信号をパチンコ機2から受信した場合に遊技球の貸出指示信号を出力する」点が記載されている。
(f-2) 上記引1-eに示した段落【0028】には、「CRユニット3は、持玉を使って遊技球の払い出しを受けるための持玉使用ボタン(図示せず)をタッチ液晶モジュール20に表示し、当該持玉使用ボタンが操作された場合には、所定玉数の遊技球の払出指示信号をパチンコ機2に出力する」点が記載されている。
(f-3) 上記引1-fに示した段落【0036】には、「パチンコ機2は、」「貸出装置接続基板62」「を備え」る点、及び、「貸出装置接続基板62は、CRユニット3と接続するための基板であり、この貸出装置接続基板62を介してCRユニット3からパチンコ機2に貸出指示信号(持玉使用時にあっては払出指示信号)が出力され」る点が記載されている。
(g) 上記引1-fに示した段落【0036】には、「貸出装置接続基板62を介して」「玉貸し/払出しが正常に完了したか否かを示す貸出(払出)結果信号がパチンコ機2からCRユニット3に入力され」る点が記載されている。
(h) 上記引1-fに示した段落【0042】には、「CRユニット3は、遊技球の貸出操作や貯玉、持玉の払出操作ごとに、貸出玉数又は払出玉数を貸出装置管理持玉数に加算し、また遊技情報に含まれるアウト玉信号に基づいて貸出装置管理持玉数を減算更新し、さらに遊技情報に含まれるファウル玉或いは賞球を示す賞球信号に基づいて貸出装置管理持玉数を加算更新」する点が記載されており、段落【0041】の記載より、「メイン制御汎用CPU87」が「持玉及び再プレイ可能玉数(貯玉数)を管理する」ものと認められる。
(i) 上記引1-gに示した段落【0045】には、「CRユニット3のメイン制御汎用CPU87は、ハンドル操作量報知制御部92として機能」し、「ハンドル操作量報知制御部92は、遊技球発射ハンドル17の操作量を表示部たるタッチ液晶モジュール20に表示して通知するものであり、操作量取得部93」「を備え」、「操作量取得部93は、パチンコ機2から入力された外部出力信号Soutに含まれているハンドル操作量を取得」する点が記載されている。
(j) 上記引1-gに示した段落【0045】には、「ハンドル操作量報知制御部92は、遊技球発射ハンドル17の操作量を表示部たるタッチ液晶モジュール20に表示して通知するものであ」る点が記載されている。
(l) 上記引1-dに示した段落【0023】には、「CRユニット3は、プリペイド媒体22が投入されている間、その残価値をタッチ液晶モジュール20に表示」する点が記載されており、また、上記1-gに示した段落【0045】には、「ハンドル操作量報知制御部92は、遊技球発射ハンドル17の操作量を表示部たるタッチ液晶モジュール20に表示して通知する」点が記載されている。
よって、タッチ液晶モジュール20には、プリペイド媒体22が投入されている間、その残価値が表示され、遊技球発射ハンドル17の操作量が表示されて通知されるものと認められる。
ウ 引用発明
よって、上記引1-aないし引1-g、引1-i、引1-jに摘記した引用文献1の記載事項を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「(a) 遊技球を遊技盤8の遊技領域に1発ずつ所定の時間間隔で発射する遊技球発射ハンドル17が設けられ、遊技球発射ハンドル17の操作に伴って発射された遊技球が始動口11を通過したことを契機に特賞の当落抽選を行うパチンコ機2であり、遊技者が、価値媒体たるプリペイド媒体22を購入、或いは、プリペイド媒体22に現金をチャージし、該プリペイド媒体22の残価値を代償として遊技球を借りて遊技するものである、各パチンコ機2の片側に配置され互いに通信可能に接続されたCRユニット3であって(【0016】、【0018】、【0020】)、
(b) メイン基板80と、メイン基板80が有する各部を中枢的に制御するメイン制御汎用CPU87を備え(【0040】、【0041】)、
(c-1) プリペイド媒体22にはICを内蔵した硬貨形状のICコイン22A及びカード型の会員カード22Bが用いられ、
(c-2) ICコイン22Aを読み書きするコインR/W81と、会員カード22Bを読み書きするカードR/W82を備え(【0020】、【0040】)、
(d-1) メイン制御汎用CPU87は、キャッシュメモリを備え、当該キャッシュメモリを用いて、プリペイド残価値記憶部88、貸出装置管理持玉数記憶部89、再プレイ可能玉数記憶部90、遊技機管理残玉数記憶部91として機能し(【0041】)、
(d-2) プリペイド残価値記憶部88は、プリペイド媒体22の残価値を記憶するものであり(【0041】)、
(d-3) 貸出装置管理持玉数記憶部89は、CRユニット3がパチンコ機2から受信した遊技情報に基づいて遊技者の持玉数(以下、「貸出装置管理持玉数」と言う)を算出し記憶するものであり(【0042】)、
(d-4) 再プレイ可能玉数記憶部90は、遊技者の貯玉数を記憶し、貯玉の払出操作に伴って貯玉数を減算更新するものであり(【0044】)、
(e) パチンコ機2及びタッチ液晶モジュール20を接続するための接続基板である遊技機側外部入出力接続基板84を備え(【0040】)、
(f-1) プリペイド媒体22の残価値がゼロでない事を条件に、玉貸ボタン38Aの操作を示す貸出操作信号をパチンコ機2から受信した場合に遊技球の貸出指示信号を出力し(【0020】)、
(f-2) 持玉を使って遊技球の払い出しを受けるための持玉使用ボタンをタッチ液晶モジュール20に表示し、当該持玉使用ボタンが操作された場合には、所定玉数の遊技球の払出指示信号をパチンコ機2に出力し(【0028】)、
(f-3) パチンコ機2が備えるCRユニット3と接続するための基板である貸出装置接続基板62を介してCRユニット3からパチンコ機2に貸出指示信号(持玉使用時にあっては払出指示信号)を出力し(【0036】、図2、図4)、
(g) 玉貸し/払出しが正常に完了したか否かを示す貸出(払出)結果信号がパチンコ機2から入力され(【0036】、図2、図4)、
(h) メイン制御汎用CPU87は、遊技球の貸出操作や貯玉、持玉の払出操作ごとに、貸出玉数又は払出玉数を貸出装置管理持玉数に加算し、また遊技情報に含まれるアウト玉信号に基づいて貸出装置管理持玉数を減算更新し、さらに遊技情報に含まれるファウル玉或いは賞球を示す賞球信号に基づいて貸出装置管理持玉数を加算更新し(【0042】)、
(i-1) メイン制御汎用CPU87は、ハンドル操作量報知制御部92として機能し、操作量取得部93を備え、
(i-2) 操作量取得部93は、パチンコ機2から入力された外部出力信号Soutに含まれているハンドル操作量を取得し(【0045】)、
(j) ハンドル操作量報知制御部92は、遊技球発射ハンドル17の操作量を表示部たるタッチ液晶モジュール20に表示して通知するものであり(【0045】)、
(l) タッチ液晶モジュール20には、プリペイド媒体22が投入されている間、その残価値が表示される(【0023】)と共に、遊技球発射ハンドル17の操作量が表示されて通知される(【0045】)、
CRユニット。」
エ 引用文献2の記載事項
同じく原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された特開2012-100766号公報(以下、「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。
引2-a
「【0027】
まず、図1を参照して、遊技場内に複数配置されている各遊技島(図示略)に遊技機の一例の封入循環式パチンコ機(以下パチンコ機またはP台と略称する)2が併設されており、そのパチンコ機2の所定側の側方位置に該パチンコ機2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。このカードユニット3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、それらカードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持玉数、あるいは貯玉数等)を用いて対応するパチンコ機2における封入玉を弾発発射させて遊技ができるようにするための機能を有する。なお、ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。」
引2-b
「【0052】
次に、図4を参照して、カードユニット3とパチンコ機2との制御回路の概略を説明する。
【0053】
カードユニット3には、マイクロコンピュータ等から構成されたメイン制御部323が設けられている。このメイン制御部323は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。メイン制御部323には、ホール用管理コンピュータ1等と通信を行なうための外部通信部324が設けられているとともに、パチンコ機2の払出制御部17との通信を行なうためのCU通信制御部80が設けられている。」
引2-c
「【0057】
パチンコ機2には、パチンコ機2の遊技の進行制御を行なう主制御基板16と、払出制御部17と、発射制御基板31と、遊技玉制御部34と、発射部39と、演出部50とが備えられている。
【0058】
メイン制御部323には、さらにCU通信制御部80が接続されており、このCU通信制御部80とパチンコ機2に設けられたP台通信制御部81とが、コネクタ330およびコネクタ20を介して電気的に接続されている。またP台通信制御部81と払出制御部17とは、ワンチップのLSI799で構成されている。そして、CU通信制御部80からP台通信制御部81へ、後述するように、加算要求、減算要求、遊技許可/禁止要求、加算要求玉数、減算要求玉数の各種コマンドが送信され、その各種コマンドがP台通信制御部81から払出制御部17へ送信される。」
引2-d
「【0243】
・・・(略)・・・CUからP台に対してコマンドが送信され、P台はそのコマンドに応答してレスポンスをCUに返信する。CUは、そのレスポンスを受信した後次のコマンドをP台に送信し、P台はそのコマンドに応答してレスポンスをCUへ返信する。図21に示すように、CUからP台への最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またP台からCUへのレスポンスの送信を行なった後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
【0244】
このように、CUとP台との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。一方、P台は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、玉を1発発射する間に複数のコマンドおよびレスポンスが送受信されることになる。
【0245】
それゆえ、P台からCUへは、遊技玉数の変化量を通知するための動作応答のレスポンスが玉の発射時間間隔よりも短い間隔で次々と送信されることになる。その結果、P台は、遊技玉数の変化量を細やかにCUに対して通知可能となる。一方、CUは、P台側での持点の変化を細やかに反映させた持点管理が可能となる。」
引2-e
「【0251】
まず、電源起動時においては、P台では打球発射モータ18を停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。CUでは、まず認証シーケンスの処理が実行される。・・・(略)・・・。この認証シーケンスの処理により、CUからP台に対して、機器情報要求のコマンドが送信される。P台では、それを受けて、機器情報応答のレスポンスを返信する。この機器情報応答のレスポンスには、メインチップIDと払出チップIDとが含まれている。
【0252】
機器情報応答を受信したCUは、機器情報応答に含まれる情報を記憶し、応答があったP台(受信したメインチップIDと払出チップIDとにより特定されるP台)に対して、認証要求のデータをP台へ送信する。
【0253】
認証要求を受信したP台は、認証応答をCUへ返信する。
・・・(略)・・・」
引2-f
「【0254】
・・・(略)・・・。メイン制御部323は、上位サーバ801との認証を完了してから通信を開始する。CU通信制御部80は、P台通信制御部81との認証を完了してから通信を開始する。そして、メイン制御部とCU通信制御部との間で、まず機器認証シーケンスが実行され、次に単体認証シーケンスが実行される。」
引2-g
「【0258】
図25に戻り、次にメイン制御部323とCU通信制御部80との間で、単体認証シーケンスが実行される。この単体認証シーケンスのサブルーチンプログラムを、図27に基づいて説明する。この単体認証では、チャレンジレスポンス方式の認証が行なわれる。チャレンジレスポンス方式の認証とは、一般的に、文字列等に特殊な処理を施すことにより、通信途中にIDなどが盗聴されるのを防ぐ認証方式のことであり、たとえば、認証する側が認証を受けたい側に対してランダムな数値列(これを「チャレンジコード」と呼ぶ)を送信し、そのチャレンジコードを受信した側がID等とその受信したチャレンジコードとを所定のアルゴリズムに従って合成してレスポンスコードを生成して返信する。そのレスポンスコードを受信した側では、送信したチャレンジコードと予め記憶しているID等から同じようにレスポンスコードを生成し、送られてきたレスポンスコードと生成したレスポンスコードとを比較して一致するか否か判定する認証を行なう。
【0259】
図27では、まず、メイン制御部323からCU通信制御部80に対して単体認証要求1を送信する。それを受けたCU通信制御部80では、乱数等によるランダムな数値列を生成してチャレンジコードAを生成してそれを単体認証応答1としてメイン制御部323へ送信する。メイン制御部323では、その受信したチャレンジコードAとEEPROM808に記憶しているメイン制御部のSIDとを所定のアルゴリズムに従って合成してレスポンスコードAを生成し、それを単体認証要求2としてCU通信制御部80へ送信する。CU通信制御部80では、単体認証応答1として送信したチャレンジコードAに対してEEPROM813に記憶しているメイン制御部のSIDを所定のアルゴリズムに従って合成して同様にレスポンスコードAを生成し、その生成したレスポンスコードAとメイン制御部323から受信したレスポンスコードAとを比較して一致するか否か判定する。一致すれば認証成功(認証結果適正)となり、一致しなければ認証不成功(認証結果不適正)となる。
【0260】
CU通信制御部80は、その認証結果を単体認証応答2としてメイン制御部323へ送信する。
【0261】
メイン制御部323は、CU通信制御部80を認証するべく、乱数等のランダムな数値列からなるチャレンジコードBを生成して単体認証要求3としてCU通信制御部80へ送信する。CU通信制御部80は、受信したチャレンジコードBとROM809に記憶しているCU通信制御部のSIDとを所定のアルゴリズムに従って合成してレスポンスコードBを生成し、メイン制御部323へ送信する。メイン制御部323は、単体認証要求3として送信したチャレンジコードBとEEPROM808に記憶しているCU通信制御部のSIDとを所定のアルゴリズムに従って合成して同様にレスポンスコードBを生成し、その生成したレスポンスコードBと単体認証応答3として受信したレスポンスコードBとを比較して一致するか否か判定する。一致すると判定された場合には認証成功(認証結果適正)となり、不一致の場合には認証不成功(認証結果不適正)となる。メイン制御部323は、その認証結果を単体認証要求4としてCU通信制御部80へ送信する。それを受けたCU通信制御部80は単体認証応答4をメイン制御部323に応答する。」
引2-h
「【0265】
メイン制御部323は、次に機器情報要求をCU通信制御部80へ送信し、CU通信制御部80はその受信した機器情報要求をP台へ送信する(図24参照)、そして、P台から機器情報応答が送信されてきた場合にそれをCU通信制御部80が受信し、その受信した機器情報応答をメイン制御部323へ送信する。次にメイン制御部323は現在の時刻をCU通信制御部80へ送信する。CU通信制御部80は、その時刻情報を受信して、EEPROM813に記憶している認証鍵と受信した時刻情報とからセッション鍵(電文鍵)を生成して、時刻応答してメイン制御部323へ送信する。セッション鍵(電文鍵)の生成方法としては、どのようなものであってもよいのであるが、たとえば、受信した時刻情報と認証鍵とを所定のアルゴリズムに従って合成して生成したり、あるいは、受信した時刻情報を認証鍵により暗号化してその暗号結果をセッション鍵(電文鍵)としてもよい。このセッション鍵は、電源OFFでクリアされ、次の電源ONで再び生成される。
【0266】
次に、メイン制御部323とCU通信制御部80との間で、図26に示した機器認証シーケンスと同様の認証シーケンスをセッション鍵を用いて実行する。そして、認証結果適正である場合に、それ以降メイン制御部323とCU通信制御部80との間での暗号通信をセッション鍵を用いて暗号化および復号して行なう。
【0267】
図25のセッション鍵による認証シーケンスの結果適正な認証結果が得られた場合に、図28に示す業務電文シーケンスを実行する。図28(a)は業務電文シーケンスが正常の場合を示しており、図28(b)は業務電文シーケンスが異常の場合を示している。
【0268】
まず図28(a)を参照して、メイン制御部323からCU通信制御部80に対して、動作指示のコマンドが送信された後、その動作指示電文の通信状態の確認要求(通信状態要求)をCU通信制御部80へ送信する。CU通信制御部80は、動作指示電文の受信状況(MAC異常、CRC異常、復号異常、データ長異常、断線検知)を通信状態応答としてメイン制御部323へ通知する(図19参照)。
【0269】
メイン制御部323は、その受信した通信状態応答に基づいて通信状態を確認し、正常な場合には正常と判断する。
【0270】
一方、CU通信制御部80は、前述の動作指示のコマンドを受信したことに基づいてその動作指示のコマンドをP台(具体的にはP台通信制御部81)へ送信する。それを受けたP台では、動作応答をCU通信制御部80へ返信し、CU通信制御部80はそれを受けてその動作応答のレスポンスをメイン制御部323へ送信する。
【0271】
・・・(略)・・・
【0272】
次に、図24に戻り、認証応答を受信したCUは、次にリカバリ要求をP台へ送信する。それを受けたP台では、P台内部(具体的には払出制御部17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCUへ返信する。このリカバリデータとしては、接続時刻、最終SQN(シーケンスナンバー)、前回玉関連情報、および現在玉関連情報が含まれている。正確には、図11に示した各種データであり、以降のフローチャートで「リカバリデータ」と言えば、正確には図11に示した各種データのことである。なお、本実施例では、リカバリデータに含まれている「最終SQN」とは、前述したように、P台が最後に送信したSQNのことである。
【0273】
このリカバリ応答を受信したCUはその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CUとP台との間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、後述するようにトラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
【0274】
・・・(略)・・・
【0275】
CUは、リカバリ処理が終了した後、メインチップID、払出チップID、接続時刻をP台から受信した値に更新するとともに、シーケンスナンバーを「0」に更新し、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台へ送信する。P台では、それを受けて、リカバリデータをクリアするとともに、CUより受信した新たな接続時刻のデータをバックアップする。そして、P台は、通信開始応答をCUへ返信する。これ以降、CUとP台との間で、動作指示のコマンドおよび動作応答のレスポンスの送受信が行なわれる。」
(ア) 上記引2-aに示した段落【0027】において、封入循環式パチンコ機(P台)2の側方位置に該パチンコ機2に対して1対1に対応設置されたカードユニット(CU)3が記載されており、上記引2-bに示した段落【0053】及び上記引2-cに示した段落【0058】を参照すると、カードユニット3にはメイン制御部323が設けられ、メイン制御部323には、パチンコ機2に設けられたP台通信制御部81との通信を行なうためのCU通信制御部80が接続される点が記載されている。
また、上記引2-eに示した段落【0251】には「CUでは、まず認証シーケンスの処理が実行される。」と記載されている。
そして、上記引2-fに示した段落【0254】には、「メイン制御部とCU通信制御部との間で、まず機器認証シーケンスが実行され、次に単体認証シーケンスが実行される。」と記載されており、また、上記引2-gに示した段落【0258】には、「メイン制御部323とCU通信制御部80との間で、単体認証シーケンスが実行される。」と記載され、さらに段落【0259】には、「メイン制御部323からCU通信制御部80に対して単体認証要求1を送信する。それを受けたCU通信制御部80では、乱数等によるランダムな数値列を生成してチャレンジコードAを生成してそれを単体認証応答1としてメイン制御部323へ送信する。メイン制御部323では、その受信したチャレンジコードAとEEPROM808に記憶しているメイン制御部のSIDとを所定のアルゴリズムに従って合成してレスポンスコードAを生成し、それを単体認証要求2としてCU通信制御部80へ送信する。CU通信制御部80では、単体認証応答1として送信したチャレンジコードAに対してEEPROM813に記憶しているメイン制御部のSIDを所定のアルゴリズムに従って合成して同様にレスポンスコードAを生成し、その生成したレスポンスコードAとメイン制御部323から受信したレスポンスコードAとを比較して一致するか否か判定する。一致すれば認証成功(認証結果適正)となり、一致しなければ認証不成功(認証結果不適正)となる。」と記載され、段落【0260】には、「CU通信制御部80は、その認証結果を単体認証応答2としてメイン制御部323へ送信する。」と記載されている。
したがって、上記段落【0259】、【0260】の記載より、CU通信制御部80は、メイン制御部323の認証を行う手段を有する点が理解できる。
一方、段落【0261】には、「メイン制御部323は、CU通信制御部80を認証するべく、乱数等のランダムな数値列からなるチャレンジコードBを生成して単体認証要求3としてCU通信制御部80へ送信する。CU通信制御部80は、受信したチャレンジコードBとROM809に記憶しているCU通信制御部のSIDとを所定のアルゴリズムに従って合成してレスポンスコードBを生成し、メイン制御部323へ送信する。メイン制御部323は、単体認証要求3として送信したチャレンジコードBとEEPROM808に記憶しているCU通信制御部のSIDとを所定のアルゴリズムに従って合成して同様にレスポンスコードBを生成し、その生成したレスポンスコードBと単体認証応答3として受信したレスポンスコードBとを比較して一致するか否か判定する。一致すると判定された場合には認証成功(認証結果適正)となり、不一致の場合には認証不成功(認証結果不適正)となる。メイン制御部323は、その認証結果を単体認証要求4としてCU通信制御部80へ送信する。それを受けたCU通信制御部80は単体認証応答4をメイン制御部323に応答する。」と記載されている。
したがって、上記段落【0261】の記載より、メイン制御部323は、CU通信制御部80の認証を行う手段を有する点が理解できる。
以上のことから、引用文献2には、「封入循環式パチンコ機2の側方位置に設置されたカードユニット3であって、メイン制御部323が設けられ、メイン制御部323には、パチンコ機2に設けられたP台通信制御部81との通信を行なうためのCU通信制御部80が接続される、カードユニット3において、CU通信制御部80はメイン制御部323の認証を行う手段を有し、メイン制御部323はCU通信制御部80の認証を行う手段を有することによって、相互の認証を行う構成」が記載されていると認められる。
(イ) また、上記引2-eに示した段落【0251】ないし【0253】には、「この認証シーケンスの処理により、CUからP台に対して、機器情報要求のコマンドが送信される。P台では、それを受けて、機器情報応答のレスポンスを返信する。この機器情報応答のレスポンスには、メインチップIDと払出チップIDとが含まれている。」「機器情報応答を受信したCUは、機器情報応答に含まれる情報を記憶し、応答があったP台(受信したメインチップIDと払出チップIDとにより特定されるP台)に対して、認証要求のデータをP台へ送信する。」「認証要求を受信したP台は、認証応答をCUへ返信する。」と記載され、上記引2-hに示した段落【0265】には、「メイン制御部323は、次に機器情報要求をCU通信制御部80へ送信し、CU通信制御部80はその受信した機器情報要求をP台へ送信する、」「そして、P台から機器情報応答が送信されてきた場合にそれをCU通信制御部80が受信し、その受信した機器情報応答をメイン制御部323へ送信する。次にメイン制御部323は現在の時刻をCU通信制御部80へ送信する。CU通信制御部80は、その時刻情報を受信して、EEPROM813に記憶している認証鍵と受信した時刻情報とからセッション鍵(電文鍵)を生成して、時刻応答してメイン制御部323へ送信する。」と記載され、段落【0266】、【0267】には「次に、メイン制御部323とCU通信制御部80との間で、」「機器認証シーケンスと同様の認証シーケンスをセッション鍵を用いて実行する。そして、認証結果適正である場合に、それ以降メイン制御部323とCU通信制御部80との間での暗号通信をセッション鍵を用いて暗号化および復号して行なう。」「セッション鍵による認証シーケンスの結果適正な認証結果が得られた場合に、」「業務電文シーケンスを実行する。」と記載され、段落【0268】ないし【0270】には、「まず」、「メイン制御部323からCU通信制御部80に対して、動作指示のコマンドが送信された後、その動作指示電文の通信状態の確認要求(通信状態要求)をCU通信制御部80へ送信する。CU通信制御部80は、動作指示電文の受信状況(MAC異常、CRC異常、復号異常、データ長異常、断線検知)を通信状態応答としてメイン制御部323へ通知する」。「メイン制御部323は、その受信した通信状態応答に基づいて通信状態を確認し、正常な場合には正常と判断する。」と記載され、上記段落【0270】には、「一方、CU通信制御部80は、前述の動作指示のコマンドを受信したことに基づいてその動作指示のコマンドをP台(具体的にはP台通信制御部81)へ送信する。それを受けたP台では、動作応答をCU通信制御部80へ返信し、CU通信制御部80はそれを受けてその動作応答のレスポンスをメイン制御部323へ送信する。」と記載されている。
さらに、上記引2-hに示した段落【0272】ないし【0275】には、「次に、」「認証応答を受信したCUは、次にリカバリ要求をP台へ送信する。それを受けたP台では、P台内部(具体的には払出制御部17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCUへ返信する。」「このリカバリ応答を受信したCUはその時点からリカバリ処理を開始する。」「CUは、リカバリ処理が終了した後、メインチップID、払出チップID、接続時刻をP台から受信した値に更新するとともに、」「通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台へ送信する。P台では、それを受けて、リカバリデータをクリアするとともに、CUより受信した新たな接続時刻のデータをバックアップする。そして、P台は、通信開始応答をCUへ返信する。これ以降、CUとP台との間で、動作指示のコマンドおよび動作応答のレスポンスの送受信が行なわれる。」と記載されている。
以上の記載より、上記引用文献2には、「CU通信制御部80は、P台通信制御部81との認証を完了してから通信を開始するもの」であることが理解できる。
また、上記引2-dに示した段落【0244】に記載されたように、「CUとP台との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信され」るものである。
よって、上記引用文献2には、「CU通信制御部80は、P台通信制御部81との認証を完了してから通信を開始するものであって、CUとP台との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される構成」が記載されていると認められる。
(ウ) 上記(ア)及び(イ)より、上記引用文献2には、「封入循環式パチンコ機2の側方位置に設置されたカードユニット3であって、メイン制御部323が設けられ、メイン制御部323には、パチンコ機2に設けられたP台通信制御部81との通信を行なうためのCU通信制御部80が接続される、カードユニット3において、CU通信制御部80はメイン制御部323の認証を行う手段を有し、メイン制御部323はCU通信制御部80の認証を行う手段を有することによって、相互の認証を行い、CU通信制御部80は、P台通信制御部81との認証を完了してから通信を開始するものであって、CUとP台との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される構成」(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されていると認められる。
オ 引用文献3の記載事項
本願の出願前に頒布された特開2012-152449号公報(以下、「引用文献3」という。)には、次の事項が記載されている
引3-a
「【0050】
図5(A)、(B)は、タッチ液晶モジュール20に表示される遊技球表示演出画面の例を示す図である。図5(A)、(B)に示す遊技球表示演出画面200は、画面最上部に遊技店の店名、ロゴ等を表示する店名表示部201、及びこのタッチ液晶モジュール20が設けられたパチンコ機2の台番号を表示する台番号表示部202が配置されている。また、遊技球表示演出画面200には、遊技データ表示部203、プレイ可能玉数表示部204、プリペイド残価値表示部210、会員固有画像表示部211、ハンドル状態表示部212、及び、ハンドル操作ゲージ213が配置されている。
遊技データ表示部203には、パチンコ機2の遊技の履歴が表示され、例えば大当り回数、確変回数、スタート回数、大当り確率が表示される。遊技データ表示部203に表示される情報は、CRユニット3が、パチンコ機2が入力する外部出力信号に基づいて集計したデータや、CRユニット3が遊技結果管理サーバ46から取得したデータが表示される。プレイ可能玉数表示部204には、貸出装置管理持玉数記憶部89が記憶する貸出装置管理持玉数がプレイ可能玉数として表示される。プリペイド残価値表示部210には、プリペイド残価値記憶部88に記憶されているプリペイド残価値が、CRユニット3に設定されている遊技球の貸出単価及び1回の貸出操作あたりの払出玉数とともに金額表示され、会員固有画像表示部211には、会員カード22Bから読み取った会員番号に基づいて、CRユニット3が顧客管理サーバ41または装飾情報管理サーバ48から取得した会員固有の画像(アバター等)が表示される。また、会員カード22Bに、会員固有の画像
の画像データが記憶されている場合、メイン制御汎用CPU87は、カードR/W82により画像データを読み取って、会員固有画像表示部211に表示する。CRユニット3に投入されたプリペイド媒体22がICコイン22Aであった場合や、会員固有の画像データがない場合には、メイン制御汎用CPU87は予め用意された画像を表示してもよい。この場合に、パチンコ機2の遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態、大当り発生時か否か等)に応じた画像を、パチンコ機2の遊技状態の変化に合わせて切り換えて表示してもよい。
【0051】
ハンドル状態表示部212、及び、ハンドル操作ゲージ213は、パチンコ機2が備える遊技球発射ハンドル17(図1)の操作量を視覚的に表示するもので、ハンドル状態表示部212はハンドルのイラストであって遊技球発射ハンドル17の操作量(回転角)に応じて色が変わり、ハンドル操作ゲージ213は遊技球発射ハンドル17の操作量を直線状のゲージで表示する。
遊技球表示演出画面200の下部には、一般的なパチンコ機の上皿を模した球画像表示部220が配置されている。球画像表示部220は、その全体が遊技球を貯留する上皿の外観の画像であり、一端にはパチンコ機2が賞球を払い出す際に遊技球が放出される球払出口221が表示され、中央には球払出口221から排出された遊技球を貯留する球貯留部222が表示され、他端にはパチンコ機2に対して遊技球を供給する球供給口223が配置されている。パチンコ機2が賞球の払出を行い、賞球数を示す外部出力信号を出力すると、表示演出制御部92は、球払出口221から賞球数分の遊技球画像105を出現させる。このとき、球払出口221の下方に配置された賞球数表示部225には、払い出された賞球数がその都度表示される。出現した遊技球画像105は球貯留部222に移動して、配列される。
また、CRユニット3において、プリペイド媒体22の残価値に基づき貸し玉が行われた場合には、新たに貸し出された遊技球の数と同数の遊技球画像105が、球払出口221から出現する。この場合、メイン制御汎用CPU87は貸出単価に基づいてプリペイド残価値記憶部88が記憶するプリペイド残価値を減算するとともに、プリペイド残価値表示部210の表示を更新する。また、貸し玉数に応じて、貸出装置管理持玉数記憶部89が記憶する貸出装置管理持玉数を増加させ、プレイ可能玉数表示部204の表示を更新する。」
引3-b 図5
「
」
上記引3-aに示した段落【0050】には、「遊技球表示演出画面200には、遊技データ表示部203、プレイ可能玉数表示部204、プリペイド残価値表示部210、会員固有画像表示部211、ハンドル状態表示部212、及び、ハンドル操作ゲージ213が配置されている。」と記載され、段落【0051】には、「ハンドル状態表示部212、及び、ハンドル操作ゲージ213は、パチンコ機2が備える遊技球発射ハンドル17(図1)の操作量を視覚的に表示する」と記載されている。そして、「プリペイド残価値表示部210」に表示される値は、「プリペイド残価値」であり、「ハンドル状態表示部212、及び、ハンドル操作ゲージ213」に示されるものは、「ハンドル操作状態の表示」であることは、当業者にとって明らかであり、図5を参照すると、それらは同時に表示されるものである。
したがって、引用文献3には、「遊技球表示演出画面200に、プリペイド残価値と、ハンドル操作状態の表示を同時に表示する構成」(以下、「引用文献3記載事項」という。)が記載されている。
(3)本願補正発明と引用発明との対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
ア 本願補正発明の(A)の特定事項について
(ア) 引用発明の「遊技球」、「遊技盤8の遊技領域」、「遊技球発射ハンドル17」、「始動口11」、「パチンコ機2」、「CRユニット3」は、それぞれ、本願補正発明の「遊技玉」、「遊技盤面」、「操作部」、「入賞口」、「遊技機」、「各台対応装置」に相当する。
(イ) 引用発明の「遊技球発射ハンドル17の操作に伴って」「遊技球を遊技盤8の遊技領域に1発ずつ所定の時間間隔で発射する」ことは、本願補正発明の「遊技者による所定の操作部への操作によって遊技玉を遊技盤面に供給」することに相当する。
(ウ) 引用発明の「遊技球が始動口11を通過したこと」は、本願補正発明の「遊技盤面を流下した遊技玉が所定の入賞口に入った場合」に相当する。
(エ) 引用発明の「遊技球が始動口11を通過したことを契機に特賞の当落抽選を行う」ことは、当落抽選を行うことによって、賞を付与するか否かを決めるものであるから、賞を付与する機能を有するものである。
よって、引用発明の「遊技球が始動口11を通過したことを契機に特賞の当落抽選を行う」ことは、本願補正発明の「遊技盤面を流下した遊技玉が所定の入賞口に入った場合に賞を付与する機能を有」することに相当する。
(オ) 引用発明において「遊技球発射ハンドル17の操作」によって、遊技球の流下態様が調整可能であることは、当業者にとって自明である。
よって、引用発明の「遊技球発射ハンドル17の操作に伴って」「遊技球」を「発射」する「パチンコ機2」は、「操作部への操作態様により遊技盤面に供給する遊技玉の流下態様を調整可能な遊技機」に相当する。
(カ) 引用発明の「各パチンコ機2の片側に配置され互いに通信可能に接続されたCRユニット3」は、本願補正発明の「遊技機に対応して設けられる各台対応装置」に相当する。
(キ) 以上のことから、引用発明の「遊技球を遊技盤8の遊技領域に1発ずつ所定の時間間隔で発射する遊技球発射ハンドル17が設けられ、遊技球発射ハンドル17の操作に伴って発射された遊技球が始動口11を通過したことを契機に特賞の当落抽選を行うパチンコ機において、各パチンコ機2の片側に配置され互いに通信可能に接続されたCRユニット3」は、本願補正発明の「遊技者による所定の操作部への操作によって遊技玉を遊技盤面に供給し、遊技盤面を流下した遊技玉が所定の入賞口に入った場合に賞を付与する機能を有し、前記操作部への操作態様により遊技盤面に供給する遊技玉の流下態様を調整可能な遊技機に対応して設けられる各台対応装置」に相当する。
イ 本願補正発明の(B)の特定事項について
引用発明の「メイン基板」が「備え」る「各部を中枢的に制御するメイン制御汎用CPU87」は、本願補正発明の「前記各台対応装置の動作を制御する制御手段」に相当する。
ウ 本願補正発明の(C)の特定事項について
(ア) 引用発明の「ICを内蔵した硬貨形状のICコイン22A及びカード型の会員カード22Bが用いられ」る「プリペイド媒体22」は、本願補正発明の「記録媒体」に相当する。
(イ) 引用発明の「ICコイン22Aを読み書きするコインR/W81」及び「会員カード22Bを読み書きするカードR/W82」は、本願補正発明の「所定の記録媒体の処理を行う記録媒体処理手段」に相当する。
エ 本願補正発明の(D)の特定事項について
(ア) 引用発明の「プリペイド媒体22の残価値」は、本願補正発明の「前記記録媒体に関連付けられた有価価値」に相当する。
(イ) 引用発明の(d-3)「パチンコ機2から受信した遊技情報に基づいて」「算出」する「遊技者の持玉数」及び(d-4)「遊技者の貯玉数」は、本願補正発明の「遊技媒体数」に相当する。
(ウ) 引用発明の「プリペイド残価値記憶部88」は、特定の「プリペイド媒体22の残価値を記憶するもの」であり、「貸出装置管理持玉数記憶部89」は、特定の「遊技者の持玉数」を「記憶」し、「再プレイ可能玉数記憶部90」は、特定の「遊技者の貯玉数」を「記憶」するものであるから、引用発明の「プリペイド媒体22の残価値を記憶する」「プリペイド残価値記憶部88」、「遊技者の持玉数」「を算出し記憶する」「貸出装置管理持玉数記憶部89」、「遊技者の貯玉数」を「記憶」する「再プレイ可能玉数記憶部90」を併せたものは、本願補正発明の「前記記録媒体に関連付けられた有価価値及び遊技媒体数を特定して記憶する記憶手段」に相当する。
オ 本願補正発明の(E)の特定事項について
(ア) 引用発明の「CRユニット3」は、「パチンコ機2」と(a)「互いに通信可能に接続された」ものである。
(イ) 引用発明の「パチンコ機2」「を接続するための接続基板である遊技機側外部入出力接続基板84」は、当該基板により「パチンコ機2」と「互いに通信可能」とされるものであるから、通信手段であるといえる。
(ウ) よって、引用発明の「パチンコ機2」「を接続するための接続基板である遊技機側外部入出力接続基板84」と、本願補正発明の「前記制御手段の認証を行う認証手段を有し、前記遊技機と通信を行う通信手段」は、「前記遊技機と通信を行う通信手段」を有する点で共通する。
カ 本願補正発明の(F)の特定事項について
(ア) 引用発明の(f-1)「玉貸ボタン38Aの操作」又は(f-2)「持玉使用ボタン」の「操作」は、本願補正発明の「所定の操作」に相当する。そして、引用発明の(f-1)「玉貸ボタン38Aの操作を示す貸出操作信号をパチンコ機2から受信した場合」又は(f-2)「持玉使用ボタンが操作された場合」は、本願補正発明の「所定の操作を受け付けた場合」に相当する。
(イ) 引用発明の(f-1)「遊技球の貸出指示信号」は、遊技球の貸出の指示を行う信号であるから、貸出する遊技球の数を特定可能な情報を含むことは、当業者にとって明らかであり、この「遊技球の貸出指示信号」は、本願補正発明の「遊技媒体数を特定可能な情報」に相当する。また、引用発明の(f-2)「所定玉数の遊技球の払出指示信号」も、本願補正発明の「遊技媒体数を特定可能な情報」に相当する。
そして、引用発明は、「貸出装置管理持玉数記憶部89」に(d-3)「貸出装置管理持玉数」を、又は、(d-4)「再プレイ可能玉数記憶部90」に「貯玉数」を記憶していることから、上記遊技球の数は、(d-3)「貸出装置管理持玉数」に「記憶」された遊技球の数、又は、(d-4)「再プレイ可能玉数記憶部90」に「記憶」された遊技球の数といえ、それは、本願補正発明の「前記記憶手段に記憶した遊技媒体数」に相当する。
(ウ) 引用発明は「CRユニット3からパチンコ機2に貸出指示信号(持玉使用時にあっては払出指示信号)」を「出力」するにあたって、「接続基板である遊技機側外部入出力接続基板84」を介して出力することは明らかであるから、引用発明の「CRユニット3からパチンコ機2に貸出指示信号」を「出力」する「遊技機側外部入出力接続基板84」は、本願補正発明の「前記遊技機に対して」「遊技媒体数を特定可能な情報を前記通信手段を介して送信する送信手段」に相当する。
(エ) 以上のことから、引用発明の(f-1)「玉貸ボタン38Aの操作を示す貸出操作信号をパチンコ機2から受信した場合」又は(f-2)「持玉使用ボタンが操作された場合」に、「CRユニット3からパチンコ機2に」「遊技球の貸出指示信号」を「出力」する「遊技機側外部入出力接続基板84」は、本願補正発明の「所定の操作を受け付けた場合に、前記遊技機に対して前記記憶手段に記憶した遊技媒体数を特定可能な情報を前記通信手段を介して送信する送信手段」に相当する。
キ 本願補正発明の(G)の特定事項について
(ア) 引用発明は、(h)「遊技球の貸出操作や貯玉、持玉の払出操作ごとに、貸出玉数又は払出玉数を貸出装置管理持玉数に加算」するものであり、「貸出玉数」又は「払出玉数」が特定されるものである。
(イ) そして、引用発明は、「玉貸し/払出しが正常に完了したか否かを示す貸出(払出)結果信号がパチンコ機2から入力され」るものであり、「玉貸し/払出しが正常に完了したか否か」の判断を行う場合において、その判断には、「玉貸し/払出し」が実行されたか否かの判断に加えて「玉貸し/払出し」が行われた「貸出玉数」又は「払出玉数」が適正であるか否かの判断も行われることは、当業者にとって明らかである。
(ウ) したがって、「パチンコ機2からCRユニット3に入力され」る「玉貸し/払出しが正常に完了したか否かを示す貸出(払出)結果信号」には、「貸出玉数」又は「払出玉数」の情報が含まれると認められる。
(エ) 一方、(d-3)(h)「CRユニット3がパチンコ機2から受信した遊技情報」「に含まれるアウト玉信号」及び「ファウル玉或いは賞球を示す賞球信号」は、それらの信号に基づいて(h)「貸出装置管理持玉数を減算更新」又は「加算更新」するものであるから、減算又は加算のための「遊技球」の数の情報を含むことは明らかである。
(オ) よって、上記「貸出(払出)結果信号」、及び、「アウト玉信号」と「ファウル玉或いは賞球を示す賞球信号」とを含む上記「遊技情報」は、本願補正発明の「移行分の遊技媒体数を特定可能な情報」に相当する。
(カ) また、上記「オ(イ)」に示したように、引用発明の「遊技機側外部入出力接続基板84」は、本願補正発明の「通信手段」に相当するとともに、引用発明は、「遊技機側外部入出力接続基板84」を介してパチンコ機2からの信号を受信していることから、引用発明の「遊技機側外部入出力接続基板84」は、本願補正発明の「受信手段」に相当する。
(キ) よって、引用発明の「玉貸し/払出しが正常に完了したか否かを示す貸出(払出)結果信号」及び「アウト玉信号」と「ファウル玉或いは賞球を示す賞球信号」とを含む「遊技情報」が「パチンコ機2から入力」する「遊技機側外部入出力接続基板84」は、本願補正発明の「前記遊技機から移行分の遊技媒体数を特定可能な情報を前記通信手段を介して受信する受信手段」に相当する。
ク 本願補正発明の(H)の特定事項について
(ア) 引用発明は、(h)「遊技球の貸出操作や貯玉、持玉の払出操作ごとに、貸出玉数又は払出玉数を貸出装置管理持玉数に加算」するものであり、また、(d-3)(h)「パチンコ機2から受信した遊技情報」「に含まれる」「アウト玉信号」又は「ファウル玉或いは賞球を示す賞球信号」「に基づいて貸出装置管理持玉数を」「更新」するものであるから、貸出装置管理持玉数を更新するための更新手段を有することは明らかである。
よって、引用発明の(h)「遊技球の貸出操作や貯玉、持玉の払出操作ごとに、貸出玉数又は払出玉数を貸出装置管理持玉数に加算」する手段、及び、(d-3)(h)「パチンコ機2から受信した遊技情報」「に含まれる」「アウト玉信号」又は「ファウル玉或いは賞球を示す賞球信号」「に基づいて貸出装置管理持玉数を」「更新」する手段は、本願補正発明の「前記受信手段に受信した情報に基づいて前記記憶手段に記憶した遊技媒体数を更新する更新手段」に相当する。
ケ 本願補正発明の(I)の特定事項について
(ア) 引用発明の「ハンドル操作量を取得」する「操作量取得部93」は、本願補正発明の「操作部への操作態様に関する情報を取得する操作情報取得手段」に相当する。
(イ) また、引用発明は、「パチンコ機2から入力された外部出力信号Soutに含まれているハンドル操作量を取得」するものであるから、「遊技機側外部入出力接続基板84」を介して取得されるものであることは明らかである。
(ウ) よって、引用発明の「遊技機側外部入出力接続基板84」を介して「パチンコ機2から入力された外部出力信号Soutに含まれているハンドル操作量を取得」する「操作量取得部93」は、本願補正発明の「前記通信手段を介して前記操作部への操作態様に関する情報を取得する操作情報取得手段」に相当する。
コ 本願補正発明の(J)の特定事項について
引用発明の「遊技球発射ハンドル17の操作量を表示部たるタッチ液晶モジュール20に表示して通知する」「ハンドル操作量報知制御部92」は、本願補正発明の「前記操作情報取得手段により取得された情報に基づいて、前記操作部への操作態様に関する表示を所定の表示部において行う操作情報表示制御手段」に相当する。
サ 本願補正発明の(K)の特定事項について
引用発明は、本願補正発明の(K)の特定事項に対応する構成を有しない。
シ 本願補正発明の(L)の特定事項について
引用発明の「タッチ液晶モジュール20には」、「プリペイド媒体22が投入されている間、その残価値をタッチ液晶モジュール20に表示され」、「遊技球発射ハンドル17の操作量を表示されて通知される」構成と、本願補正発明の「前記表示部は、前記記憶手段に記憶した有価価値に関する情報と、前記操作態様に関する表示を同時に表示可能である」構成は、「前記表示部は、前記記憶手段に記憶した有価価値に関する情報と、前記操作態様に関する表示を」「表示可能である」点で共通する。
以上のことから、本願補正発明と引用発明とは、以下の点で一致する。
<一致点>
「(A) 遊技者による所定の操作部への操作によって遊技玉を遊技盤面に供給し、遊技盤面を流下した遊技玉が所定の入賞口に入った場合に賞を付与する機能を有し、前記操作部への操作態様により遊技盤面に供給する遊技玉の流下態様を調整可能な遊技機に対応して設けられる各台対応装置であって、
(B) 前記各台対応装置の動作を制御する制御手段と、
(C) 所定の記録媒体の処理を行う記録媒体処理手段と、
(D) 前記記録媒体に関連付けられた有価価値及び遊技媒体数を特定して記憶する記憶手段と、
(E') 前記遊技機と通信を行う通信手段と、
(F) 所定の操作を受け付けた場合に、前記遊技機に対して前記記憶手段に記憶した遊技媒体数を特定可能な情報を前記通信手段を介して送信する送信手段と、
(G) 前記遊技機から移行分の遊技媒体数を特定可能な情報を前記通信手段を介して受信する受信手段と、
(H) 前記受信手段に受信した情報に基づいて前記記憶手段に記憶した遊技媒体数を更新する更新手段と、
(I) 前記通信手段を介して前記操作部への操作態様に関する情報を取得する操作情報取得手段と、
(J) 前記操作情報取得手段により取得された情報に基づいて、前記操作部への操作態様に関する表示を所定の表示部において行う操作情報表示制御手段と
を有し、
(L') 前記表示部は、前記記憶手段に記憶した有価価値に関する情報と、前記操作態様に関する表示を表示可能である
各台対応装置。」
そして、両者は、以下の点で相違する。
<相違点1> (本願補正発明の(E)と(K)の特定事項)
遊技機と通信を行う通信手段に関して、本願補正発明は、通信手段は、制御手段の認証を行う認証手段を有し、認証手段による認証結果が正当なものであった場合に、操作情報取得手段による一定時間間隔ごとの情報の取得が可能な状態を設定するものであるのに対して、引用発明は、その点が不明である点。
<相違点2> (本願補正発明の(L)の特定事項)
表示部に関して、本願補正発明は、有価価値に関する情報と、操作態様に関する表示を同時に表示可能であるのに対して、引用発明は、その点が不明である点。
(4)当審の判断
ア 相違点についての検討
(ア) 相違点1について
上記(2)エに示した、引用文献2記載事項における「CU通信制御部80」が有する「メイン制御部323の認証を行う手段」は、上記相違点1に係る本願補正発明の構成(E)の「制御手段の認証を行う認証手段」に相当し、「CUとP台との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される構成」は、上記相違点1に係る本願補正発明の構成(K)の「一定時間間隔ごとの情報の取得が可能な状態を設定する」ことに相当するといえる。
そして、上記(1)アの引1-fに示した引用文献1の段落【0037】には、「・・・(略)・・・、CRユニット3が遊技球貸出装置の装置本体に相当し、タッチ液晶モジュール20が遊技球貸出装置の表示部及び操作部に相当し、これらによって遊技球貸出装置63が構成される。」と記載され、同じく、引1-hに示した段落【0054】には、「・・・(略)・・・、パチンコ機2が備える周辺機器との入出力インターフェースを遊技球貸出装置63とのインターフェースのみにできる。これにより、インターフェース部分を通じて外部から不正な信号をパチンコ機2に与えて誤動作させる等の不正行為に対する対策がし易くなる。」と記載されていることから、引用発明は、パチンコ機2と、CRユニット3を含む遊技球貸出装置63とを通信可能とするにあたって、入出力インターフェースを構成する「遊技機側外部入出力接続基板84」に関して、不正行為に対する対策が必要であるという課題が内在するものである。
そうすると、CRユニット3に設けられたパチンコ機2との入出力インターフェースである引用発明における「遊技機側外部入出力接続基板84」に関して、不正行為に対する対策という内在された課題を解決するために、引用文献2記載事項を適用し、不正行為に対する対策が施された、メイン制御部323に認証されたCU通信制御部80を搭載することは、当業者が容易に想到し得ることである。そして、その場合において、CU通信制御部80は、メイン制御部323を相互認証するものであるから、CU通信制御部80は、メイン制御部323を認証する手段を有しており、上記相違点1に係る本願補正発明の構成(E)の「制御手段の認証を行う認証手段」を有するものである。
また、引用発明に引用文献2記載事項を適用したものは、「CUとP台との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される構成」を有するものであるから、上記相違点1に係る本願補正発明の構成(K)の「一定時間間隔ごとの情報の取得が可能な状態を設定する」構成を有するものである。
したがって、引用発明に、引用文献2記載事項を適用し、本願補正発明上記相違点1に係る本願補正発明の構成を成すことは、当業者が容易になし得たことである。
(イ) 相違点2について
上記(2)オに示した引用文献3記載事項における「遊技球表示演出画面200」、「プリペイド残価値」及び「ハンドル操作状態」は、それぞれ、上記相違点2に係る構成における「表示部」、「記憶手段に記憶した有価価値に関する情報」、「操作態様に関する表示」に相当する。
よって、引用文献3には、表示部に、有価価値に関する情報と、操作態様に関する表示を同時に表示可能とした構成が記載されている。
また、引用発明と、引用文献3記載事項は、いずれも、パチンコ機に併設されたカードユニットにおけるプリペイド残価値とハンドル操作状態を表示する表示画面の構成に関するものである点で同一の技術分野に属するものである。
そして、表示装置に表示する項目をどのように設定するかは、当業者が必要に応じて適宜決定し得ることであり、その決定にあたって、引用文献3記載事項を参酌し、上記相違点2に係る本願補正発明の構成を成すことは、当業者が容易になし得たことである。
(ウ) 本願補正発明の奏する作用効果
本願補正発明によって奏される効果は、引用文献1ないし3に記載された事項から、当業者が予測し得る程度のものである。
イ 審判請求人の主張について
審判請求人は、審判請求書において、「引用文献1において、遊技球貸出装置63の動作モードをハンドル操作量ナビゲーションモードとしたならば、プリペイド価値等は表示されず、例えば遊技機が特定の状態(大当り状態等)になったときに、プリペイド価値がある状態で遊技をしているか否かを認識できないことになり、利便性を欠く結果となります。これに対して、本願発明では、「操作態様に関する情報とプリペイド価値に関する情報を同時に表示可能」に構成していますので、上記の引用文献1のような問題点が生じず、プリペイド価値がある状態で遊技をしているか否かを認識できるように構成しています。」と主張している。
しかしながら、引用文献3記載事項は、「操作態様に関する情報とプリペイド価値に関する情報を同時に表示可能」とするものであるから、審判請求人が主張する上記の作用効果は、引用文献1及び引用文献3に記載された事項から、当業者が予測し得る程度のものであり、審判請求人の審判請求書における主張を参酌しても、本願補正発明が、格別な進歩性を有するものとは認められない。
(5) 小括
よって、本願補正発明は、引用発明、引用文献2記載事項、及び、引用文献3記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 むすび
以上のことから、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものである。
したがって、本件補正は、特許法第159条第1項で読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
平成29年12月12日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成29年7月20日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのもの(上記「第2」[理由]「1」の「(補正前)」の記載を参照)(以下「本願発明」という。)であり、分説して(A)ないし(L)の符号を付与すると、以下のとおりである。
「(A) 遊技者による所定の操作部への操作によって遊技玉を遊技盤面に供給し、遊技盤面を流下した遊技玉が所定の入賞口に入った場合に賞を付与する機能を有し、前記操作部への操作態様により遊技盤面に供給する遊技玉の流下態様を調整可能な遊技機に対応して設けられる各台対応装置であって、
(B) 前記各台対応装置の動作を制御する制御手段と、
(D') 遊技媒体数を記憶する記憶手段と、
(E) 前記制御手段の認証を行う認証手段を有し、前記遊技機と通信を行う通信手段と、
(F) 所定の操作を受け付けた場合に、前記遊技機に対して前記記憶手段に記憶した遊技媒体数を特定可能な情報を前記通信手段を介して送信する送信手段と、
(G) 前記遊技機から移行分の遊技媒体数を特定可能な情報を前記通信手段を介して受信する受信手段と、
(H) 前記受信手段に受信した情報に基づいて前記記憶手段に記憶した遊技媒体数を更新する更新手段と、
(I) 前記通信手段を介して前記操作部への操作態様に関する情報を取得する操作情報取得手段と、
(J) 前記操作情報取得手段により取得された情報に基づいて、前記操作部への操作態様に関する表示を所定の表示部において行う操作情報表示制御手段と
を有し、
(K) 前記通信手段は、前記認証手段による認証結果が正当なものであった場合に、前記操作情報取得手段による一定時間間隔ごとの情報の取得が可能な状態を設定するものである
ことを特徴とする各台対応装置。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1及び2に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:特開2011-206455号公報
引用文献2:特開2012-100766号公報
3 引用文献とそれに記載された事項
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、2及びそれらの記載事項は、上記第2[理由]2(2)アないしエに記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本願補正発明から、「各台対応装置」について、「所定の記録媒体の処理を行う記録媒体処理手段」を有するとした限定事項(本願補正発明の(C)の構成の全体)を削除し、「記憶手段」について、「前記記録媒体に関連付けられた有価価値及び遊技媒体数を特定して記憶する」との限定事項(本願補正発明の(D)の構成の一部)を削除し、「表示部」について「前記記憶手段に記憶した有価価値に関する情報と、前記操作態様に関する表示を同時に表示可能である」との限定事項(本願補正発明の(L)の構成の全体)を削除したものである。
そこで、本願発明と、引用発明を対比すると、両者は、以下の点で相違し、その余の点で一致する。
<相違点> (本願補正発明の(E)と(K)の特定事項)
遊技機と通信を行う通信手段に関して、本願発明は、前記通信手段は、制御手段の認証を行う認証手段を有し、前記認証手段による認証結果が正当なものであった場合に、前記操作情報取得手段による一定時間間隔ごとの情報の取得が可能な状態を設定するものであるのに対して、引用発明は、その点が不明である点。
上記相違点について検討すると、上記相違点は、前記第2の[理由]2(3)に示した<相違点1>と同一のものであり、その判断は、前記第2の[理由]2(4)ア(ア)に示した「相違点1について」において検討したとおりである。
そして、本願発明によって奏される効果は、引用文献1及び2に記載された事項から、当業者が予測し得る程度のものである。
したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-018471