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特許拒絶査定不服審判

2017-017217

遊技機

審判番号
2017-017217
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-054997外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年11月21日
審決日
2019年01月07日
公報発行日
2019年04月26日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-54997号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年10月6日出願公開、特開2016-174626号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 1 手続の経緯 本願は、平成27年3月18日の出願であって、平成28年2月19日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月20日に意見書および手続補正書が提出され、同年10月7日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月9日に意見書および手続補正書が提出され、平成29年3月31日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年5月30日に意見書および手続補正書が提出されたところ、同年9月8日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、同年11月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 一方、当審において、平成30年8月31日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月30日に意見書および手続補正書が提出されたところである。 2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成30年10月30日付けの手続補正書により補正された、特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである(当審においてA~Gに分説した。)。 「【請求項1】 A 駆動源の動力により第一位置と第二位置との間を移動可能である可動部材と、 B 前記可動部材に対して変位自在に支持されて当該可動部材とともに組体を構成する部材であって、反射材料で形成された反射部を表面の少なくとも一部に有する反射部材と、 C 発光部材と、 を備え、 D 前記駆動源の動力の一部が前記可動部材に伝達されることで前記可動部材および前記反射部材の組体が移動することに伴い、当該駆動源の動力の他の一部が前記可動部材には伝達されずに前記反射部材に伝達されることで前記可動部材に対して前記反射部材が変位し、当該可動部材と前記反射部材の相対位置が変化するように構成されており、 E 前記可動部材が前記第一位置に位置する箇所まで前記可動部材および前記反射部材の組体が移動したときよりも、前記可動部材が前記第二位置に位置する箇所まで前記可動部材および前記反射部材の組体が移動したときの方が、前記可動部材に覆われずに露出する前記反射部の領域が大きくなるものであり、 F 前記可動部材が前記第二位置に位置するとき、前記可動部材に覆われずに露出する前記反射部に隣接する位置に前記発光部材を位置させた上で、当該発光部材を発光させる演出が実行可能であることを特徴とする G 遊技機。」 3 当審の平成30年8月31日付け拒絶の理由の概要 本願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された特開2012-34746号公報(以下「引用例1」という。)に記載された発明および特開2015-33560号公報、特開2013-236709号公報等に示される周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 4 引用例 (1)引用例1 ア 引用例1の記載事項 当審の拒絶の理由に引用文献1として引用された引用例1には、図面とともに以下の(1-1)~(1-4)の事項が記載されている。 (1-1)「【0018】 本発明は、パチンコ遊技機のセンタ役物に装備された可動役物装置に適用されている。以下、発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。」 (1-2)「【0043】 可動役物装置17は、第1可動役物41をベース部材40に第1退避位置と第1作動位置とに亙って直線的に移動自在にガイド支持する第1役物ガイド機構46を備えている。この第1役物ガイド機構46は、第1可動役物41にベース部材40の方(後方)へ突出するように設けた1対の係合部50aを有する係合部材50と、ベース部材40に1対の係合部50aが係合するように設けられ、第1可動役物41の移動方向と平行方向へ延びるストレート係合溝52等により構成されている。」 (1-3)「【0047】 第2可動役物42は、第1可動役物41よりも一回り小さいサイズで細長く形成され、先の尖った短剣を模して、ベース部材40の前側に且つ第1可動役物41の後側に配置されている。第2可動役物42は、その基端部が前後方向の軸部材48を介して第1可動役物41の中央部よりも多少下側部分に回動自在に支持されている。 【0048】 第2可動役物42は、第1可動役物41に対して、その全部が第1可動役物41に重なって第1可動役物41の後側に隠れる第2退避位置(図7、図8、図13参照)と、この第2退避動位置から反時計回り方向に回動してその大部分が第1可動役物41からはみ出して現れる第2作動位置(図5、図6、図11、図12参照)とに亙って可動に配設されている。 ・・・ 【0050】 第2可動役物42は、合成樹脂製の第2役物ベース42aと、その前側を覆う合成樹脂製の第2役物装飾カバー42bとを有する。第2役物ベース42aの前面部には基板(図示略)が取付けられ、その基板の前面に複数のLED(図示略)が実装されている。第2役物装飾カバー42bは、多数の凹凸が有る透明なレンズを有し、このレンズとレンズを通過する前記複数のLEDからの光によって、第2可動役物42が電飾される。 【0051】 第1役物駆動機構43は、第1可動役物41を第1退避位置と第1作動位置とに亙ってこれら両位置の間の第1途中位置(図13参照)を経由させて駆動し、第2役物駆動機構44は、第1可動役物41を第1退避位置と第1途中位置との間で駆動する際には、第2可動役物42を第1可動役物41と一体的に駆動し、第1可動役物41を第1途中位置と第1作動位置との間で駆動する際には、第2可動役物42を第1可動役物41の駆動方向と同方向へ駆動しながら第2退避位置と第2作動位置とに亙って駆動する。 【0052】 第1役物駆動機構43は、ベース部材40に取付けられた電動モータ60(ステッピングモータ60)と、この電動モータ60により複数のギヤ61aを介して回動される駆動ギヤ61(ピニオン61)と、第1可動役物41に設けられて駆動ギヤ61が噛合するラック62とを有する。ランプ制御基板29のコンピュータが役物制御装置に相当し、電動モータ60を制御することで、第1,第2役物駆動機構43,44を制御する。 ・・・ 【0054】 第2役物駆動機構44は、前記のように、第1可動役物41を第1退避位置と第1途中位置との間で駆動する際には、第2可動役物42を第1可動役物41と一体的に駆動するが、第1可動役物41を第1途中位置と第1作動位置との間で駆動する際には、第2可動役物42を第1可動役物41の駆動方向と同方向へ駆動しながら第2退避位置と第2作動位置とに亙って駆動し、そのために、第2役物駆動機構44は、軸部材48を含み、この軸部材48を介して第1役物駆動機構43の駆動力を第1可動役物41から第2可動役物42に伝達するとともに、第1可動役物41の第1途中位置と第1作動位置との間における往復移動に連動して第2可動役物42を往復回動させる役物連動機構45を有する。ここで、第1可動役物41の移動範囲をAとし、その移動範囲Aのうち第1退避位置と第1途中位置間の移動範囲をA1、第1途中位置と第1作動位置間の移動範囲をA2とする。」 (1-4)「【0074】 以上説明した可動役物装置17は次のように動作する。 通常、第1可動役物41は第1退避位置にあり、その大部分がセンタ役物本体15aの後側に隠れ、第2可動役物42は第2退避位置にあり、その全部が第1可動役物41の後側に隠れた状態になっているが、遊技球の始動口10,11aへの入賞(大当り抽選)等に基づいて、可動役物装置17を用いて特別な遊技演出が行われる際に次のようになる。 【0075】 第1の特別演出では、第1役物駆動機構43により、第1可動役物41が第1退避位置から第1途中位置へ向かって移動開始され、第1退避位置と第1途中位置との間で移動領域A1を往復移動される。その際、第2役物駆動機構44によって、ガイド部材70がストレートガイド溝73に係合して、第2可動役物42は回動しないように保持され、第1可動役物41と一体的に移動開始されて往復移動される。 【0076】 その後、第1可動役物41が第1途中位置を通過して、第1途中位置から第1作動位置へ移動領域A2を移動される。その際、第2役物駆動機構44(役物連動機構45)によって、ガイド部材70が円弧状ガイド溝72に係合して、第2可動役物42は第1可動役物41と共に移動されながら第2退避位置から第2作動位置へ回動される。最終的にガイド部材70がストレート短溝74に係合して、第1可動役物41が第1作動位置へ移動停止され、第2可動役物42が第2退避作動位置へ移動停止される。 ・・・ 【0078】 その後、前記と逆の動作により、第1可動役物41が第1作動位置から第1退避位置へ移動停止され、第2可動役物42が第2作動位置から第2退避位置へ移動停止される。クッション部材90により第1可動役物41が第1退避位置側へ移動停止する衝撃が吸収され、クッション部材92により第2可動役物42が第2退避位置へ移動停止する衝撃が吸収される。この第1,第2可動役物41,42の動作と共に、画像表示器16の画面に第1の特別演出画像が表示され、スピーカ34から第1の特別演出効果音が鳴らされて、全体的にインパクトのある演出が実現される。」 イ 認定事項 上記「ア」から、次の(1-a)~(1-f)の事項が認定できる。 (1-a) 段落【0043】には、「第1可動役物41をベース部材40に第1退避位置と第1作動位置とに亙って直線的に移動自在にガイド支持する」と記載され、段落【0051】~【0052】には、「第1役物駆動機構43は、第1可動役物41を第1退避位置と第1作動位置とに亙ってこれら両位置の間の第1途中位置(図13参照)を経由させて駆動し・・・第1役物駆動機構43は、ベース部材40に取付けられた電動モータ60(ステッピングモータ60)と、この電動モータ60により複数のギヤ61aを介して回動される駆動ギヤ61(ピニオン61)と、第1可動役物41に設けられて駆動ギヤ61が噛合するラック62とを有する。」と記載されていることから、引用例1には、電動モータ60を有する第1役物駆動機構43の駆動により第1退避位置と第1作動位置とに亙って移動する第1可動役物41が記載されているといえる。 (1-b) 段落【0047】には、「第2可動役物42は、その基端部が前後方向の軸部材48を介して第1可動役物41の中央部よりも多少下側部分に回動自在に支持されている。」と記載され、段落【0051】には、「第2役物駆動機構44は、第1可動役物41を第1退避位置と第1途中位置との間で駆動する際には、第2可動役物42を第1可動役物41と一体的に駆動し、第1可動役物41を第1途中位置と第1作動位置との間で駆動する際には、第2可動役物42を第1可動役物41の駆動方向と同方向へ駆動しながら第2退避位置と第2作動位置とに亙って駆動する。」と記載されていることから、引用例1には、第1可動役物41に回動自在に支持されて第1可動役物41と一体的に駆動される第2可動役物42が記載されているといえる。 (1-c) 段落【0050】には、「第2可動役物42は、合成樹脂製の第2役物ベース42aと、その前側を覆う合成樹脂製の第2役物装飾カバー42bとを有する。第2役物ベース42aの前面部には基板(図示略)が取付けられ、その基板の前面に複数のLED(図示略)が実装されている。第2役物装飾カバー42bは、多数の凹凸が有る透明なレンズを有し、このレンズとレンズを通過する前記複数のLEDからの光によって、第2可動役物42が電飾される。」と記載されていることから、引用例1には、LEDが実装された第2役物ベース42aを有し、LEDからの光によって電飾される第2可動役物42が記載されているといえる。 (1-d) 段落【0054】には、「第2役物駆動機構44は、軸部材48を含み、この軸部材48を介して第1役物駆動機構43の駆動力を第1可動役物41から第2可動役物42に伝達するとともに、第1可動役物41の第1途中位置と第1作動位置との間における往復移動に連動して第2可動役物42を往復回動させる役物連動機構45を有する。」と記載され、段落【0048】には、「第2可動役物42は、第1可動役物41に対して、その全部が第1可動役物41に重なって第1可動役物41の後側に隠れる第2退避位置(図7、図8、図13参照)と、この第2退避動位置から反時計回り方向に回動してその大部分が第1可動役物41からはみ出して現れる第2作動位置(図5、図6、図11、図12参照)とに亙って可動に配設されている。」と記載されていることから、引用例1には、第1役物駆動機構43の駆動力を第1可動役物41から第2可動役物42に伝達して、第1可動役物41の移動に連動して第2可動役物42を第1可動役物41に対して、その全部が第1可動役物41に重なって第1可動役物41の後側に隠れる第2退避位置と、その大部分が第1可動役物41からはみ出して現れる第2作動位置とに亙って往復回動させることが記載されているといえる。 (1-e)段落【0074】には、「第1可動役物41は第1退避位置にあり、その大部分がセンタ役物本体15aの後側に隠れ、第2可動役物42は第2退避位置にあり、その全部が第1可動役物41の後側に隠れた状態になっている」と記載され、段落【0076】には、「第1可動役物41が第1途中位置を通過して、第1途中位置から第1作動位置へ移動領域A2を移動される。その際、第2役物駆動機構44(役物連動機構45)によって、ガイド部材70が円弧状ガイド溝72に係合して、第2可動役物42は第1可動役物41と共に移動されながら第2退避位置から第2作動位置へ回動される。最終的にガイド部材70がストレート短溝74に係合して、第1可動役物41が第1作動位置へ移動停止され、第2可動役物42が第2退避作動位置へ移動停止される。」と記載され、段落【0048】には、「第2可動役物42は、第1可動役物41に対して、その全部が第1可動役物41に重なって第1可動役物41の後側に隠れる第2退避位置(図7、図8、図13参照)と、この第2退避動位置から反時計回り方向に回動してその大部分が第1可動役物41からはみ出して現れる第2作動位置(図5、図6、図11、図12参照)とに亙って可動に配設されている。」と記載されていることから、引用例1には、第1可動役物41が第1退避位置にあるとき第2可動役物42は第2退避位置にあり、その全部が第1可動役物41の後側に隠れており、第1可動役物41が第1作動位置にあるとき第2可動役物42は第2作動位置にあり、その大部分が第1可動役物41からはみ出して現れることが記載されているといえる。 (1-f)段落【0050】には、「第2役物装飾カバー42bは、多数の凹凸が有る透明なレンズを有し、このレンズとレンズを通過する前記複数のLEDからの光によって、第2可動役物42が電飾される。」と記載され、段落【0078】には、「この第1,第2可動役物41,42の動作と共に、画像表示器16の画面に第1の特別演出画像が表示され、スピーカ34から第1の特別演出効果音が鳴らされて、全体的にインパクトのある演出が実現される。」と記載されていることから、引用例1には、LEDからの光によって電飾される第2可動役物42が動作してインパクトのある演出が実現されることが記載されているといえる。 ウ 引用例1に記載された発明 上記(1-1)~(1-4)の記載事項および(1-a)~(1-f)の認定事項を総合すると、引用例1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明」という。)。 「a 電動モータ60を有する第1役物駆動機構43の駆動により第1退避位置と第1作動位置とに亙って移動する第1可動役物41と(認定事項1-a)、 b 第1可動役物41に回動自在に支持されて第1可動役物41と一体的に駆動される第2可動役物42であって(認定事項1-b)、 c LEDが実装された第2役物ベース42aを有し、LEDからの光によって電飾される第2可動役物42を備え(認定事項1-c)、 d 第1役物駆動機構43の駆動力を第1可動役物41から第2可動役物42に伝達して、第1可動役物41の移動に連動して第2可動役物42を第1可動役物41に対して、その全部が第1可動役物41に重なって第1可動役物41の後側に隠れる第2退避位置と、その大部分が第1可動役物41からはみ出して現れる第2作動位置とに亙って往復回動させ(認定事項1-d)、 e 第1可動役物41が第1退避位置にあるとき第2可動役物42は第2退避位置にあり、その全部が第1可動役物41の後側に隠れており、第1可動役物41が第1作動位置にあるとき第2可動役物42は第2作動位置にあり、その大部分が第1可動役物41からはみ出して現れ(認定事項1-e)、 f LEDからの光によって電飾される第2可動役物42が動作してインパクトのある演出が実現される(認定事項1-f)、 g パチンコ遊技機(記載事項1-1)。」 5 対比 本願発明と引用発明とを対比する(下記の(a)~(g)は、引用発明の構成に対応している。)。 (a)引用発明の「電動モータ60を有する第1役物駆動機構43」、「第1退避位置」および「第1作動位置」は、それぞれ、本願発明の「駆動源」、「第一位置」および「第二位置」に相当する。 そして、引用発明の「第1可動役物41」は、「電動モータ60を有する第1役物駆動機構43の駆動により第1退避位置と第1作動位置とに亙って移動」していることから、引用発明の「第1可動役物41」は、本願発明の「可動部材」に相当する。 よって、引用発明の「電動モータ60を有する第1役物駆動機構43の駆動により第1退避位置と第1作動位置とに亙って移動する第1可動役物41」は、本願発明の「駆動源の動力により第一位置と第二位置との間を移動可能である可動部材」に相当する。 (b)引用発明の第2可動役物42は、第1可動役物41に回動自在に支持されるとともに一体的に駆動されるものであるから、第1可動役物41と第2可動役物42とは組になって動作しており、第2可動役物42は第1可動役物41とともに組体を構成する部材であるといえる。 したがって、引用発明の「第1可動役物41に回動自在に支持されて第1可動役物41と一体的に駆動される第2可動役物42」と、本願発明の「前記可動部材に対して変位自在に支持されて当該可動部材とともに組体を構成する部材であって、反射材料で形成された反射部を表面の少なくとも一部に有する反射部材」とは、「可動部材に対して変位自在に支持されて当該可動部材とともに組体を構成する部材」である点で共通する。 (c)引用発明の第2可動役物42の第2役物ベース42aには光による電飾を行う「LED」が実装されており、引用発明の「LED」は、本願発明の「発光部材」に相当する。 (d)引用発明における構成dのうち、「第1役物駆動機構43の駆動力」が「第1可動役物41」に伝達されて、「第1可動役物41」が「移動」することに「連動して」、「第1役物駆動機構43の駆動力」が「第2可動役物42」にも「伝達」されて「第2可動役物42」を「往復回動させ」ることは、「第1役物駆動機構43の駆動力」はその一部が第1可動役物41に伝達されて第1可動役物41を移動させ、第1可動役物41が移動することに伴って、「第1役物駆動機構43の駆動力」の残りが第2可動役物42に伝達されて第2可動役物42が往復回動しているといえる。 そして、(a)より、引用発明の「第1役物駆動機構43」および「第1可動役物41」は、本願発明の「駆動源」および「可動部材」に相当し、(b)より、引用発明の「第2可動役物42」と、本願発明の「反射部材」とは、「可動部材とともに組体を構成する部材」である点で共通する。 したがって、引用発明の構成dのうち「第1役物駆動機構43の駆動力」が「第1可動役物41」に伝達されて、「第1可動役物41」が「移動」することに「連動して」、「第1役物駆動機構43の駆動力」が「第2可動役物42」にも「伝達」されて「第2可動役物42」が「往復回動させ」ることと、本願発明の構成Dのうち「前記駆動源の動力の一部が前記可動部材に伝達されることで前記可動部材および前記反射部材の組体が移動することに伴い、当該駆動源の動力の他の一部が前記可動部材には伝達されずに前記反射部材に伝達されること」とは、「駆動源の動力の一部が可動部材に伝達されることで可動部材および可動部材とともに組体を構成する部材が移動することに伴い、駆動源の動力の他の一部が可動部材には伝達されずに可動部材とともに組体を構成する部材に伝達されることで可動部材とともに組体を構成する部材が駆動されていること」で共通するといえる。 また、引用発明における構成dのうち、「第2可動役物42」が「その全部が第1可動役物41に重なって第1可動役物41の後側に隠れる第2退避位置と、その大部分が第1可動役物41からはみ出して現れる第2作動位置とに亙って往復回動」していることは、「第2可動役物42」が「往復回動」することによって、「第1可動役物41」に対して「第2可動役物42」が移動し、「第1可動役物41」と「第2可動役物42」との相対的な位置が変化しているといえる。 したがって、引用発明の構成dのうち「第2可動役物42」が、「その全部が第1可動役物41に重なって第1可動役物41の後側に隠れる第2退避位置と、その大部分が第1可動役物41からはみ出して現れる第2作動位置とに亙って往復回動」していることと、本願発明の構成Dのうち「前記可動部材に対して前記反射部材が変位し、当該可動部材と前記反射部材の相対位置が変化するように構成されて」いることとは、「可動部材に対して可動部材とともに組体を構成する部材が変位し、可動部材と可動部材とともに組体を構成する部材の相対位置が変化するように構成され」ていることで共通するといえる。 よって、引用発明の構成dと、本願発明の構成Dとは、「駆動源の動力の一部が可動部材に伝達されることで可動部材および可動部材とともに組体を構成する部材が移動することに伴い、当該駆動源の動力の他の一部が可動部材には伝達されずに可動部材とともに組体を構成する部材に伝達されることで可動部材に対して可動部材とともに組体を構成する部材が変位し、当該可動部材と可動部材とともに組体を構成する部材の相対位置が変化するように構成され」ていることで共通する。 (e)引用発明における構成eのうち、「第1可動役物41が第1退避位置にあるとき」とは、「第1可動役物41」は「第1退避位置」と「第1作動位置」とに亙って移動するものであり(構成a)、また、「第2可動役物42」は「第1可動役物41」とともに一体的に駆動するものであるから(構成b)、「第1可動役物41」が「第1退避位置」に位置する場所まで「第1可動役物41」および「第2可動役物42」が移動したときであるといえる。 そして、(a)より、引用発明の「第1可動役物41」および「第1退避位置」は、それぞれ、本願発明の「可動部材」および「第一位置」に相当し、(b)より、引用発明の「第2可動役物42」と本願発明の「反射部材」とは、「可動部材とともに組体を構成する部材」である点で共通する。 したがって、引用発明の構成eのうち「第1可動役物41が第1退避位置にあるとき」と、本願発明の構成Eのうち「前記可動部材が前記第一位置に位置する箇所まで前記可動部材および前記反射部材の組体が移動したとき」とは、「可動部材が第一位置に位置する箇所まで可動部材および可動部材とともに組体を構成する部材が移動したとき」で共通するといえる。 同様に、引用発明における構成eのうち、「第1可動役物41が第1作動位置にあるとき」とは、「第1可動役物41」は「第1退避位置」と「第1作動位置」とに亙って移動するものであり(構成a)、また、「第2可動役物42」は「第1可動役物41」とともに一体的に駆動するものであるから(構成b)、「第1可動役物41」が「第1作動位置」に位置する場所まで「第1可動役物41」および「第2可動役物42」が移動したときであるといえる。 そして、(a)より、引用発明の「第1可動役物41」および「第1作動位置」は、それぞれ、本願発明の「可動部材」および「第二位置」に相当し、(b)より、引用発明の「第2可動役物42」と本願発明の「反射部材」とは、「可動部材とともに組体を構成する部材」である点で共通する。 したがって、引用発明の構成eのうち「第1可動役物41が第1作動位置にあるとき」と、本願発明の構成Eのうち「前記可動部材が前記第二位置に位置する箇所まで前記可動部材および前記反射部材の組体が移動したとき」とは、「可動部材が第二位置に位置する箇所まで可動部材および可動部材とともに組体を構成する部材が移動したとき」で共通するといえる。 また、引用発明における構成eのうち、「第1可動役物41」が「第1退避位置にあるとき第2可動役物42は」「その全部が第1可動役物41の後側に隠れており」、「第1可動役物41」が「第1作動位置にあるとき第2可動役物42は」「その大部分が第1可動役物41からはみ出して現れ」ることは、「第1可動役物41」が「第1退避位置」に位置するときよりも「第1作動位置」に位置するときの方が、「第1可動役物41」に隠れずにはみ出す「第2可動役物42」の表面の領域が大きくなるものであるといえる。 したがって、引用発明の構成eのうち「第1可動役物41」が「第1退避位置にあるとき第2可動役物42は」「その全部が第1可動役物41の後側に隠れており」、「第1可動役物41」が「第1作動位置にあるとき第2可動役物42は」「その大部分が第1可動役物41からはみ出して現れ」ることと、本願発明の構成Eのうち「前記可動部材が前記第一位置に位置する」「ときよりも、前記可動部材が前記第二位置に位置する」「ときの方が、前記可動部材に覆われずに露出する前記反射部の領域が大きくなるものであ」ることとは、「可動部材が第一位置に位置するときよりも可動部材が第二位置に位置するときの方が、可動部材に覆われずに露出する可動部材とともに組体を構成する部材の表面の領域が大きくなるものである」ことで共通するといえる。 よって、引用発明の構成eと、本願発明の構成Eとは、「可動部材が第一位置に位置する箇所まで可動部材および可動部材とともに組体を構成する部材が移動したときよりも、可動部材が第二位置に位置する箇所まで可動部材および可動部材とともに組体を構成する部材が移動したときの方が、可動部材に覆われずに露出する可動部材とともに組体を構成する部材の表面の領域が大きくなるものである」ことで共通する。 (f)引用発明においては、LEDからの光によって電飾される第2可動役物42を動作させて演出を行っており、発光部材を発光させる演出を行っているといえる。 したがって、引用発明の「LEDからの光によって電飾される第2可動役物42が動作してインパクトのある演出が実現される」ことと、本願発明の「前記可動部材が前記第二位置に位置するとき、前記可動部材に覆われずに露出する前記反射部に隣接する位置に前記発光部材を位置させた上で、当該発光部材を発光させる演出が実行可能であること」とは、「発光部材を発光させる演出が実行可能であること」で共通する。 (g)引用発明の「パチンコ遊技機」は、本願発明の「遊技機」に相当する。 したがって、本願発明と引用発明とは、 「A 駆動源の動力により第一位置と第二位置との間を移動可能である可動部材と、 B’前記可動部材に対して変位自在に支持されて当該可動部材とともに組体を構成する部材と、 C 発光部材と、 を備え、 D’前記駆動源の動力の一部が前記可動部材に伝達されることで前記可動部材および前記可動部材とともに組体を構成する部材が移動することに伴い、当該駆動源の動力の他の一部が前記可動部材には伝達されずに前記可動部材とともに組体を構成する部材に伝達されることで前記可動部材に対して前記可動部材とともに組体を構成する部材が変位し、当該可動部材と前記可動部材とともに組体を構成する部材の相対位置が変化するように構成されており、 E’前記可動部材が前記第一位置に位置する箇所まで前記可動部材および前記可動部材とともに組体を構成する部材が移動したときよりも、前記可動部材が前記第二位置に位置する箇所まで前記可動部材および前記可動部材とともに組体を構成する部材が移動したときの方が、前記可動部材に覆われずに露出する前記可動部材とともに組体を構成する部材の表面の領域が大きくなるものであり、 F’発光部材を発光させる演出が実行可能である、 G 遊技機。」 である点で一致し、以下の相違点1から相違点4の点で相違する。 [相違点1] 可動部材とともに組体を構成する部材が、本願発明は「反射材料で形成された反射部を表面の少なくとも一部に有する反射部材」であるのに対して、引用発明の第2可動役物42は、そのような構成を有するか明らかでない点。(構成B) [相違点2] 可動部材とともに組体を構成する部材が、本願発明は「反射部材」であるのに対して、引用発明は「可動部材とともに組体を構成する部材」である点。(構成D) [相違点3] 可動部材に覆われずに露出して大きくなる領域が、本願発明は「反射部」であるのに対して、引用発明は「可動部材とともに組体を構成する部材の表面」である点。(構成E) [相違点4] 発光部材を発光させる演出に関して、本願発明は「前記可動部材が前記第二位置に位置するとき、前記可動部材に覆われずに露出する前記反射部に隣接する位置に前記発光部材を位置させた上で、当該発光部材を発光させる」のに対して、引用発明は、そのような構成を有するか明らかでない点。(構成F) 6 判断 (1)相違点についての検討 上記相違点1から相違点4は、いずれも反射部を有する反射部材および発光部材を用いた演出に関するものなので、まとめて検討する。 パチンコ遊技機において、光を用いた演出効果を高めることを目的として、演出に用いる可動体に光を反射する材料で形成された反射部を設けるとともに、可動体が所定位置に位置するとき、反射部を有する可動体に隣接する位置に発光部材を位置させた上で、発光部材を発光させる演出を行うことは周知技術である(当審の平成30年8月31日付け拒絶の理由において周知例として引用した特開2015-33560号公報の段落【0015】、【0043】、【0053】~【0057】、図6、図10~11、図13には、可動体41にクロムメッキ等の鏡面処理が施された反射面を設けるとともに、可動体41を移動させて回転灯ユニット39に近接させた上で、回転灯ユニット39を点灯させて光を反射させる演出を行うことにより、インパクトの高い光演出を実現することが記載されている。また、他にも特開2012-34756号公報の段落【0005】、【0007】、【0039】~【0040】、【0868】~【0870】、【0885】、【0896】~【0899】、図162、図167、図168には、可動体である裏上中可動装飾体3330に表面が銀色の金属光沢を有する枠部材3332を設けるとともに、裏上中可動装飾体3330を出現位置に移動させて裏上サイド可動装飾体3410を裏上中可動装飾体3330に近付いた位置に位置させ、裏上サイド可動装飾体3410における裏上サイド装飾基板3414のLEDを発光させて裏上中可動装飾体3330の金属光沢を有する枠部材3332で反射させてキラキラと輝かせることにより、発光装飾による装飾効果を高めることが記載されている。さらに、特開2010-68851号公報の段落【0005】、【0024】~【0025】、【0102】、図5、図22には、日本刀を模した形状の可動演出体25に金属メッキ等の反射面49を設けるとともに、可動演出体25が退避位置Xから演出位置Xに移動して外部発光手段26に近付いた位置において、外部発光手段26から可動演出体25に光を照射して反射させることにより視覚的演出の演出効果を向上させることが記載されている。)。 そして、引用発明は演出効果を高めることを目的とするものであり(段落【0010】)、上記周知技術は光を用いた演出効果を高めることを目的とするものであるから、引用発明と上記周知技術とは演出効果を高めるという共通の目的を有するものである。 また、引用発明は可動部材とともに組体を構成する部材であり往復回動を行う可動体である「第2可動役物42」をLEDからの光によって電飾して演出を行うものであり(構成c、f)、上記周知技術は可動体に設けた反射部に光を反射させて演出を行うものであるから、引用発明と上記周知技術とは、可動体の光を用いて演出を行う点で共通するものである。 したがって、引用発明の「第2可動役物42」に光を用いた演出効果を高めるための上記周知技術を適用し、可動部材とともに組体を構成する部材であり可動体である「第2可動役物42」の表面に光を反射する材料で形成された反射部を設けるとともに、「第2可動役物42」が所定位置に位置するとき、「第2可動役物42」に設けた反射部に隣接する位置に発光部材を位置させた上で、発光部材を発光させる演出を行うように構成すること、さらには、発光部材が反射部に隣接する際の可動部材(第1可動役物41)の位置が、「第2可動役物42」の表面に設けた反射部が可動部材(第1可動役物41)に覆われずに露出して発光部材の光を反射部で反射させることが可能となる第二位置となるように構成し、上記相違点1~4に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (2)本願発明が奏する効果について 上記相違点によって本願発明が奏する効果は、当業者が引用発明および周知技術から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。 (3)請求人の主張について 請求人は、意見書において、「3-1)本願発明は、可動部材を第二位置に位置させ、露出する反射部の領域を大きくした上で、当該反射部に隣接する位置に発光部材を位置させ、当該発光部材を発光させる演出が実行可能であることを特定する。 つまり、反射部の露出する領域を大きくした上で、当該反射部に発光部材から出射された光が反射されるようにすることで、発光部材による演出効果を高めたものである(本願明細書段落0048等参照)。 3-2)今般の拒絶理由通知においてなされた本願発明と引用発明の対応関係を是認するとしても、引用文献1に、今般の補正により追加した発明特定事項(上記(C)および(F)の発明特定事項)が開示されていないことは明らかである。 引用文献2、3にも当該発明特定事項は開示されていない。」と主張している(平成30年10月30日付け意見書の「3.拒絶理由に対する反論」参照。)。 しかしながら、上記(1)~(2)で検討したように、光を用いた演出の演出効果を高めるために、光を反射する材料で形成された反射部を有する可動体を所定の位置に位置させ、可動体に隣接する位置に発光部材を位置させた上で発光部材を発光させる演出を行うことは周知技術であり、当該周知技術を引用発明に適用することは、当業者が容易になし得たことである。 また、本願発明が奏する効果は、当業者が引用発明および周知技術から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。 よって、請求人の上記主張は採用できない。 7 まとめ 以上のとおり、本願発明は、引用発明および周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-017217

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