審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2017-016959

遊技機

審判番号
2017-016959
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-100750外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年11月15日
審決日
2018年07月31日
公報発行日
2018年11月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-100750号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成26年11月20日出願公開、特開2014-217705号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年5月10日の出願であって、平成28年11月4日に手続補正書が提出され、平成29年1月19日付けの拒絶理由通知に対し、同年3月27日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月7日付け(発送日:8月15日)で拒絶査定(以下、「原査定」という。)がなされ、これに対して、平成29年11月15日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。 第2 本件補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1.本件補正の概要 本件補正は特許請求の範囲の請求項1を補正する内容を含んでおり、平成29年3月27日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ、以下のとおりである(下線部は、補正箇所を示す。)。 (本件補正前:平成29年3月27日付け手続補正) 「【請求項1】 遊技機の前面部を構成する前面扉と、 前記前面扉に設けられ、遊技者操作を受付可能な操作受付手段と、 前記前面扉に設けられ、第1停止位置から第2停止位置に移動可能な可動手段と、 を備え、 前記可動手段は、前記第1停止位置から前記第2停止位置に移動することによって、前記操作受付手段に対する遊技者操作を誘導しうる ことを特徴とする遊技機。」 (本件補正後:平成29年11月15日付け手続補正) 「【請求項1】 遊技機の前面部を構成する前面扉と、 前記前面扉のユニットに設けられる、遊技者操作を受付可能な操作受付手段と、第1停止位置から第2停止位置に動作可能な可動手段と、 を備え、 前記可動手段は、前記操作受付手段に対する遊技者操作の受付にあたり、前記第1停止位置から前記第2停止位置に動作する操作誘導演出を実行可能であり、該操作誘導演出において前記可動手段は、前記第1停止位置にあるときには遊技者が視認不能な箇所が視認可能となる ことを特徴とする遊技機。」 2.補正の適否 (以下では、本件補正後や本件補正前を単にそれぞれ「補正後」や「補正前」ともいう。) (1)補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「前記前面扉に設けられ」る「操作受付手段」について、「前記前面扉のユニットに設けられる」と特定することにより、補正前の請求項1に記載の「操作受付手段」の配置を限定するものである。 (2)補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「前記前面扉に設けられ」る「可動手段」について、「前記前面扉のユニットに設けられる」と特定することにより、補正前の請求項1に記載の「可動手段」の配置を限定するものである。また、補正後の請求項1は、「可動手段」について、「第1停止位置から第2停止位置に動作可能な」と特定しているところ、これは、補正前の請求項1に記載の「第1停止位置から第2停止位置に移動可能な」という事項を補正するものであり、その内容において実質的な変更を伴わないものである。 (3)補正後の請求項1は、「前記可動手段は、前記操作受付手段に対する遊技者操作の受付にあたり、前記第1停止位置から前記第2停止位置に動作する操作誘導演出を実行可能であり、該操作誘導演出において前記可動手段は、前記第1停止位置にあるときには遊技者が視認不能な箇所が視認可能となる」と特定することにより、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「可動手段」を限定するものである。 そして、補正前の請求項1に記載された発明と、補正後の請求項1に記載される発明とは、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 また、本件補正は、出願当初の明細書の段落【0879】~【0881】、図面【図82】~【図86】の記載に基づいており、いわゆる新規事項を追加するものではない。 3.独立特許要件 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、について以下検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記「1.本件補正の概要」において示した次に特定されるとおりのものである(A~Dについては、発明特定事項を分説するため当審で付した。)。 「A 遊技機の前面部を構成する前面扉と、 B 前記前面扉のユニットに設けられる、遊技者操作を受付可能な操作受付手段と、第1停止位置から第2停止位置に動作可能な可動手段と、 を備え、 C 前記可動手段は、前記操作受付手段に対する遊技者操作の受付にあたり、前記第1停止位置から前記第2停止位置に動作する操作誘導演出を実行可能であり、該操作誘導演出において前記可動手段は、前記第1停止位置にあるときには遊技者が視認不能な箇所が視認可能となる D ことを特徴とする遊技機。」 (2)刊行物1に記載された事項 前置報告書において新たに引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2009―89769号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 ア 「【0017】 このようなスロットマシン1は、図1に示すように、当該スロットマシン1の各種装置を収納するために、正面形状が長方形となった箱状の本体キャビネット2を備えたものとなっている。本体キャビネット2は、正面全体が開口された箱状の部材である。そして、本体キャビネット2には、その開口を塞ぐための前扉3が回動可能に設けられている。 前扉3の上下方向における中央部分は、スロットマシン1の遊技操作を行うための操作部4となっている。この操作部4には、次のような操作用の手段が設けられている。 すなわち、操作部4の図1中右端近傍には、前扉3の施錠を行う鍵が差し込まれる鍵穴3Aと、遊技用メダルが投入されるメダル投入口18とが設けられている。 【0018】 操作部4の図1における中央部分には、回転リール40の回転を停止させるストップスイッチ150が設けられている。(省略)」 イ 「【0023】 (省略) (ストップスイッチ150) ストップスイッチ150は、図2及び図3に示すように、相当する回転リール40を停止させる際に、遊技者に押圧操作される被押圧面151Aが形成されているとともに、遊技者に対して前後、換言すると、図2中上下方向に移動可能に設けられている被押圧部151を備えたものである。 【0024】 このようなストップスイッチ150には、この被押圧部151を移動可能に支持する本体部152と、被押圧部151の被押圧面151Aに対して、その先端部分153Aが突没可能に設けられている外周部153と、この外周部153を図2中上下方向に駆動する外周部駆動ユニット154と、ストップスイッチ150全体を支持するブラケット部155とが設けられている。 ここで、ストップスイッチ150は、スロットマシン1の前面を形成している前扉3の前面壁部51の裏側に配置され、各ストップスイッチ150に応じて当該前面壁部51に開口された各操作孔52を通じて、被押圧部151の被押圧面151A及び外周部153の先端部分153Aが前扉3の外側に露出するようになっている。」 ウ 「【0026】 外周部153は、被押圧部151を内部に収納する筒状に形成されたものである。この外周部153の外周面には、外周部駆動ユニット154の歯車154A, 154Bの歯と噛み合うラック153Gが形成されている。 これにより、外周部153は、外周部駆動ユニット154の作動により、被押圧部151の被押圧面151Aに対して、その先端部分が突没可能に設けられたものとなっている。 さらに詳しく説明すると、外周部153は、外周部駆動ユニット154の図示しないモータを順方向に回転させると、図2及び図3に示すように、前面壁部51の内部に没入した没入位置αから、前面壁部51の外側へ突出する突出位置βに向かう方向へ移動するようになっている。」 エ 「【0054】 ここで、ストップスイッチ150を利用する報知演出としては、三個のストップスイッチ150の押圧操作の順番を報知する報知演出が採用できる。本実施形態に係るスロットマシン1は、ストップスイッチ150の押圧操作の順番を報知する報知演出としては、外周部153の先端部分153Aを移動させることにより、押圧操作すべきストップスイッチ150を指定する複数種類の報知演出が採用されている。 そして、ストップスイッチ演出制御手段23は、演出制御手段22が行った抽選の結果に応じて、複数種類の報知演出のなかから、一の報知演出を選択して実行するものである。換言すると、ストップスイッチ演出制御手段23は、演出制御手段22の抽選結果で選択された報知演出において、予め設定された外周部153の先端部分153Aを移動させるために、外周部駆動ユニット154の動作制御を行うようになっている。 【0055】 ここで、前述した複数種類の報知演出としては、一個の外周部153を突出させる報知演出、二個の外周部153を突出させる報知演出、及び、三個の外周部153を突出させる報知演出等が採用できる。 例えば、三個のストップスイッチ150のうち、中央に配置されたストップスイッチ150を指定する場合、報知演出を実行するにあたり、次の(1)~(4)に示す4種類の報知演出のうちの一つを適宜選択して行ってもよい。 (1) 図5(A)に示すように、中央に配置されたストップスイッチ150の外周部153のみを没入位置αから突出位置βまで至る途中の中間位置εまで移動させる、すなわち、操作すべきストップスイッチ150の有する一個の外周部153を中間位置εまで突出させることで、ストップスイッチ150を指定する報知演出。 【0056】 この際、ストップスイッチ150の被押圧部151は、外周部153を中間位置εまで突出させても、押圧操作が容易に行えるようになっている。 (省略)」 オ 「【0071】 (省略) (本実施形態の効果) 前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。 すなわち、ストップスイッチ150の被押圧部151を内部に収納する筒状に形成されるとともに、当該ストップスイッチ150の被押圧部151に対して突没可能となった外周部153と、この外周部153を駆動して突没させる外周部駆動ユニット154とを設け、その外周部153の先端部分153Aを被押圧部151の被押圧面151Aから突出できるようにしたので、例えば、対応するストップスイッチ150の外周部153を被押圧部151の被押圧面151Aから突出させることにより、停止すべき回転リール40がどれであるかを遊技者に報知することができ、同時に、押圧操作の誘導をストップスイッチ150で行うことができる。」 上記ア~オの記載事項から、以下の認定事項が導かれる。 (2-a)上記ア【0017】には、「スロットマシン1」が記載されており、上記イ【0024】には、「スロットマシン1の前面を形成している前扉3」と記載されている。 そうすると、刊行物1には、「スロットマシン1の前面を形成している前扉3」を備えた「スロットマシン1」が記載されているといえる。 (2-b)上記ア【0017】には、「前扉3の上下方向における中央部分は、スロットマシン1の遊技操作を行うための操作部4となっている」と記載されており、【0018】には、「操作部4の図1における中央部分には、回転リール40の回転を停止させるストップスイッチ150が設けられている」と記載されている。 上記イ【0023】には、「ストップスイッチ150」は、「相当する回転リール40を停止させる際に、遊技者に押圧操作される被押圧面151Aが形成されているとともに、遊技者に対して前後方向に移動可能に設けられている被押圧部151を備えたものである」と記載されている。 そうすると、刊行物1には、「前扉3の上下方向における中央部分にあるスロットマシン1の遊技操作を行うための操作部4に設けられており、遊技者に押圧操作される被押圧面151Aが形成されているとともに、遊技者に対して前後方向に移動可能な、ストップスイッチ150の被押圧部151」が記載されているといえる。 (2-c)上記イ【0024】には、「ストップスイッチ150」には、「被押圧部151の被押圧面151Aに対して、その先端部分153Aが突没可能に設けられている外周部153」が設けられており、「外周部153の先端部分153Aが前扉3の外側に露出するようになっている」ことが記載されている。 上記ウ【0026】には、「外周部153は、被押圧部151を内部に収納する筒状に形成されたもの」であり、「外周部153は、外周部駆動ユニット154の作動により、被押圧部151の被押圧面151Aに対して、その先端部分が突没可能に設けられたものとなって」おり、「外周部駆動ユニット154」の「モータを順方向に回転させると」、「前面壁部51の内部に没入した没入位置αから、前面壁部51の外側へ突出する突出位置βに向かう方向へ移動するようになって」いることが記載されている。 上記エ【0055】には、「三個のストップスイッチ150のうち、中央に配置されたストップスイッチ150を指定する場合、報知演出を実行するにあたり」、「中央に配置されたストップスイッチ150の外周部153のみを没入位置αから突出位置βまで至る途中の中間位置εまで移動させる」ことが記載されている。 そうすると、刊行物1には、「被押圧部151を内部に収納する筒状に形成され、被押圧部151の被押圧面151Aに対して、その先端部分153Aが前扉3の外側に露出するように突没可能になっており、外周部駆動ユニット154の作動により、前面壁部51の内部に没入した没入位置αから、前面壁部51の外側へ突出する突出位置βまで至る途中の中間位置εまで移動可能な、ストップスイッチ150の外周部153」が記載されているといえる。 (2-d)上記エ【0054】には、「三個のストップスイッチ150の押圧操作の順番を報知する報知演出」として、「外周部153の先端部分153Aを移動させることにより、押圧操作すべきストップスイッチ150を指定する」「報知演出」が記載されており、【0055】には、「三個のストップスイッチ150のうち、中央に配置されたストップスイッチ150を指定する場合」、「中央に配置されたストップスイッチ150の外周部153のみを没入位置αから突出位置βまで至る途中の中間位置εまで移動させ」て「報知演出を実行する」ことが記載されている。 そして、上記(2-c)で述べたように、「外周部153」の「先端部分153A」が「没入位置α」にあるときには、「外周部153」は「前面壁部51の内部に没入」しており、刊行物1の【図2】から、「先端部分153A」が「没入位置α」にあるときには、「外周部153」の側面部分は遊技者が視認不能であることが読み取れる。また、「外周部153」の「先端部分153A」が「中間位置ε」にあるときには、「その先端部分153Aが前扉3の外側に露出」しており、刊行物1の【図5(A)】から、「外周部153」の側面部分の一部が視認可能となることが読み取れる。 上記オ【0071】には、「対応するストップスイッチ150の外周部153を被押圧部151の被押圧面151Aから突出させることにより、停止すべき回転リール40がどれであるかを遊技者に報知することができ、同時に、押圧操作の誘導をストップスイッチ150で行うことができる」と記載されている。 そうすると、刊行物1には、「三個のストップスイッチ150のうち、中央に配置されたストップスイッチ150を押圧操作すべきストップスイッチであると指定するとき、中央に配置されたストップスイッチ150の外周部153のみについて、その先端部分153Aを没入位置αから突出位置βまで至る途中の中間位置εまで移動させることにより押圧操作の誘導を行い、押圧操作の順番を報知する報知演出を実行する場合があり、先端部分153Aが没入位置αにあるときには、外周部153の側面部分は遊技者が視認不能であり、先端部分153Aが中間位置εにあるときには、外周部153の側面部分の一部が視認可能となること」が記載されているといえる。 上記(2-a)~(2-d)の認定事項を総合すれば、刊行物1には、以下の発明(以下、「刊行物発明」という。)が記載されていると認められる(a~dは発明の構成を分説するため当審で付した。)。 「a  スロットマシン1の前面を形成している前扉3と、 b1 前扉3の上下方向における中央部分にあるスロットマシン1の遊技操作を行うための操作部4に設けられており、遊技者に押圧操作される被押圧面151Aが形成されているとともに、遊技者に対して前後方向に移動可能な、ストップスイッチ150の被押圧部151と、 b2 被押圧部151を内部に収納する筒状に形成され、被押圧部151の被押圧面151Aに対して、その先端部分153Aが前扉3の外側に露出するように突没可能になっており、外周部駆動ユニット154の作動により、前面壁部51の内部に没入した没入位置αから、前面壁部51の外側へ突出する突出位置βまで至る途中の中間位置εまで移動可能な、ストップスイッチ150の外周部153と、 を備え、 c  三個のストップスイッチ150のうち、中央に配置されたストップスイッチ150を押圧操作すべきストップスイッチであると指定するとき、中央に配置されたストップスイッチ150の外周部153のみについて、その先端部分153Aを没入位置αから突出位置βまで至る途中の中間位置εまで移動させることにより押圧操作の誘導を行い、押圧操作の順番を報知する報知演出を実行する場合があり、先端部分153Aが没入位置αにあるときには、外周部153の側面部分は遊技者が視認不能であり、先端部分153Aが中間位置εにあるときには、外周部153の側面部分の一部が視認可能となる、 d  スロットマシン1。」 (3)対比・判断 本件補正発明と刊行物発明とを対比する。 なお、見出しは(a)~(d)とし、刊行物発明の分説に対応させている。 (a)刊行物発明の「スロットマシン1」、「前面を形成している」及び「前扉3」は、それぞれ本件補正発明の「遊技機」、「前面部を構成する」及び「前面扉」に相当する。 したがって、刊行物発明の構成aである「スロットマシン1の前面を形成している前扉3」は、本件補正発明の構成Aである「遊技機の前面部を構成する前面扉」に相当する。 (b1)刊行物発明の「前扉3の上下方向における中央部分にあるスロットマシン1の遊技操作を行うための操作部4」は、操作を行う構成単位であるから、本件補正発明の「前記前面扉のユニット」に相当する。 また、刊行物発明の「遊技者に押圧操作される被押圧面151Aが形成されているとともに、遊技者に対して前後方向に移動可能な、ストップスイッチ150の被押圧部151」は、本件補正発明の「遊技者操作を受付可能な操作受付手段」に相当する。 よって、刊行物発明の構成b1である「前扉3の上下方向における中央部分にあるスロットマシン1の遊技操作を行うための操作部4に設けられており、遊技者に押圧操作される被押圧面151Aが形成されているとともに、遊技者に対して前後方向に移動可能な、ストップスイッチ150の被押圧部151」は、本件補正発明の構成Bのうちの「前記前面扉のユニットに設けられる、遊技者操作を受付可能な操作受付手段」に相当する。 (b2)刊行物発明の「ストップスイッチ150の外周部153」は、「操作部4」に設けられた「被押圧部151」を「内部に収納する筒状に形成され」たものであるから、「前扉3の上下方向における中央部分にあるスロットマシン1の遊技操作を行うための操作部4」に設けられたものであるといえる。 また、刊行物発明の「ストップスイッチ150の外周部153」は、「外周部駆動ユニット154の作動により」、「移動可能」であるから、本件補正発明の「動作可能な可動手段」に相当する。 したがって、刊行物発明の「被押圧部151を内部に収納する筒状に形成され」た「ストップスイッチ150の外周部153」は、本件補正発明の「前記前面扉のユニットに設けられる」、「動作可能な可動手段」に相当する。 そして、刊行物発明の「ストップスイッチ150の外周部153」は、「前面壁部51の内部に没入した没入位置αから、前面壁部51の外側へ突出する突出位置βまで至る途中の中間位置εまで移動可能」であるところ、この「前面壁部51の内部に没入した没入位置α」及び「前面壁部51の外側へ突出する突出位置βまで至る途中の中間位置ε」は、本件補正発明の「第1停止位置」及び「第2停止位置」にそれぞれ相当する。 よって、刊行物発明の構成b2である「被押圧部151を内部に収納する筒状に形成され、被押圧部151の被押圧面151Aに対して、その先端部分153Aが前扉3の外側に露出するように突没可能になっており、外周部駆動ユニット154の作動により、前面壁部51の内部に没入した没入位置αから、前面壁部51の外側へ突出する突出位置βまで至る途中の中間位置εまで移動可能な、ストップスイッチ150の外周部153」は、本件補正発明の構成Bのうちの「前記前面扉のユニットに設けられる、第1停止位置から第2停止位置に動作可能な可動手段」に相当する。 (c)刊行物発明の「中央に配置されたストップスイッチ150の外周部153」について、「押圧操作の誘導を行い、押圧操作の順番を報知する報知演出を実行する」ことは、本件補正発明の「前記可動手段は、前記操作受付手段に対する遊技者操作の受付にあたり、操作誘導演出を実行可能」であることに相当する。 また、上記(b2)で検討したとおり、刊行物発明の「前面壁部51の内部に没入した没入位置α」及び「前面壁部51の外側へ突出する突出位置βまで至る途中の中間位置ε」は、本件補正発明の「第1停止位置」及び「第2停止位置」にそれぞれ相当するから、刊行物発明の「没入位置αから突出位置βまで至る途中の中間位置εまで移動させることにより押圧操作の誘導を行い、押圧操作の順番を報知する報知演出を実行する」ことは、本件補正発明の「前記第1停止位置から前記第2停止位置に動作する操作誘導演出を実行可能」であることに相当する。 そして、刊行物発明では、「先端部分153Aが没入位置αにあるときには、外周部153の側面部分は遊技者が視認不能であ」るから、「先端部分153Aが没入位置αにあるとき」の「外周部153の側面部分」は、本件補正発明の「前記第1停止位置にあるときには遊技者が視認不能な箇所」に相当し、刊行物発明の「先端部分153Aが中間位置εにあるときには、外周部153の側面部分の一部が視認可能となる」ことは、本件補正発明の「遊技者が視認不能な箇所が視認可能となる」ことに相当する。 よって、刊行物発明の構成cである「三個のストップスイッチ150のうち、中央に配置されたストップスイッチ150を押圧操作すべきストップスイッチであると指定するとき、中央に配置されたストップスイッチ150の外周部153のみについて、その先端部分153Aを没入位置αから突出位置βまで至る途中の中間位置εまで移動させることにより押圧操作の誘導を行い、押圧操作の順番を報知する報知演出を実行する場合があり、先端部分153Aが没入位置αにあるときには、外周部153の側面部分は遊技者が視認不能であり、先端部分153Aが中間位置εにあるときには、外周部153の側面部分の一部が視認可能となる」ことは、本件補正発明の構成Cである「前記可動手段は、前記操作受付手段に対する遊技者操作の受付にあたり、前記第1停止位置から前記第2停止位置に動作する操作誘導演出を実行可能であり、該操作誘導演出において前記可動手段は、前記第1停止位置にあるときには遊技者が視認不能な箇所が視認可能となる」ことに相当する。 (d)刊行物発明の構成dである「スロットマシン1。」は、本件補正発明の構成Dである「遊技機。」に相当する。 上記(a)~(d)の対比により、本件補正発明と刊行物発明とは、 「A 遊技機の前面部を構成する前面扉と、 B 前記前面扉のユニットに設けられる、遊技者操作を受付可能な操作受付手段と、第1停止位置から第2停止位置に動作可能な可動手段と、 を備え、 C 前記可動手段は、前記操作受付手段に対する遊技者操作の受付にあたり、前記第1停止位置から前記第2停止位置に動作する操作誘導演出を実行可能であり、該操作誘導演出において前記可動手段は、前記第1停止位置にあるときには遊技者が視認不能な箇所が視認可能となる D 遊技機。」 である点で一致し、相違するところはない。 よって、本件補正発明と刊行物発明との間に発明特定事項の差異はなく、本件補正発明は、刊行物発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4.むすび 以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1.本願発明 本件補正は、上記第2において述べたとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成29年3月27日付けの手続補正書により補正された、上記第2の1.で本件補正前として記載された次のとおりのものである。 「A 遊技機の前面部を構成する前面扉と、 B 前記前面扉に設けられ、遊技者操作を受付可能な操作受付手段と、 C 前記前面扉に設けられ、第1停止位置から第2停止位置に移動可能な可動手段と、 を備え、 D 前記可動手段は、前記第1停止位置から前記第2停止位置に移動することによって、前記操作受付手段に対する遊技者操作を誘導しうる E ことを特徴とする遊技機。」 2.原査定における拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由は、 理由1(新規性) この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内において、頒布された以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 理由2(進歩性) この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内において、頒布された以下の引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 というものである。 引用文献1.特開2012-139485号公報 3.引用文献に記載された事項 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 カ 「【0026】 図1に示すように、遊技機(以下、パチンコ機ともいう)1は、そのパチンコ機1の外郭を形成する額縁状の外枠2を備えている。外枠2には、ヒンジ部2a,2bを介して前面側に向かって片開き可能な内枠3が支持されている。内枠3には、同様にヒンジ部2a,2bを介して前面側に向かって片開き可能な前枠4が支持されている。内枠3には、図示しないガイドレールにより前面側に遊技領域が形成された遊技盤が装着され、その遊技盤の下方に遊技領域に向けて遊技球を発射する球発射装置が設けられている。 【0027】 前枠4は、遊技盤の遊技領域に対応した窓部4aが厚み方向に貫通形成されて開口している。そして、前枠4の後面側には、窓部4aを閉塞するように透明板4bが着脱可能に配置されている。透明板4bは、前枠4が内枠3に対して閉状態のときに該窓部4aを介して遊技領域を視認可能としている。また、前枠4の前面下側には、貸球や賞球等の遊技球を一時的に貯留し、その貯留した遊技球を整流して球発射装置に供給する球受皿5と、球発射装置が遊技球を発射する発射力を調節するための発射ハンドル6とが設けられている。そして、球受皿5の上面には、外壁部から一部を露出する構成で遊技機用操作スイッチ10が設けられている。遊技機用操作スイッチ10は、遊技者が操作するものであり、遊技状態に応じて遊技者の操作に基づき液晶表示部(図示せず)の演出表示パターンを選択したり変更したりすることができる。 【0028】 なお、本明細書において、透明板4b(遊技盤の盤面)と直交する方向が前後方向であり、遊技者側が前方側、遊技盤側(パチンコ機1の奥側)が後方側としている。また、透明板4b(遊技盤の盤面)に沿う態様で遊技領域を遊技球が流下する方向を上下方向(鉛直方向)としている。また、これら前後方向及び上下方向と直交する方向を左右方向としている。」 キ 「【0030】 操作スイッチ10は、図1ないし図3に示すように、パチンコ機1での待機状態を含む遊技状態に応じて、遊技者の所定の人為的な操作が可能に可動する操作部20と、その操作部20を可動可能に保持する保持部30とを備えたスイッチ本体11と、そのスイッチ本体11(保持部30)を所定の態様で可動可能に配置固定するベース部40と、ベース部40の内側に配置されスイッチ本体11(保持部30)を可動するための電気的駆動源としてのモータ50と、そのモータ50の駆動力をスイッチ本体11(保持部30)に伝達する伝達機構60(伝達手段)とを備えている。また、操作スイッチ10には、所定の態様における可動の所定位置で保持部30の移動をロックするロック機構70(ロック手段)が設けられている。 【0031】 そして、操作スイッチ10は、図2(b)の二点鎖線で示すように、遊技状態に応じて保持部30がモータ50の駆動力によって可動されることにより、操作部20の所定の人為的な操作に基づく可動とは独立した状態で、当該操作部20と保持部30とが一体的に所定の態様で可動され、視覚的演出効果という点でインパクトある斬新な演出効果を遊技者に与えることができる。なお、本実施形態において、スイッチ本体11(保持部30)は、左右方向に直線往復移動するものであり、二点鎖線は、保持部30の端部が左右に移動した状態を示すものである。」 ク 「【0048】 次に、操作スイッチ10の作動について説明する。例えば、図示しない液晶表示部の表示画面でリーチ演出時や大当たり時等の所定の遊技状態となったときに、遊技者に対する演出効果を高めるため、表示画面で操作部20の押圧移動操作を遊技者に促すとともに、スイッチ本体11が左右方向に連続又は間欠的に往復動(可動)する(図2(b)参照)ように制御されている。または、表示画面で操作部20の押圧移動操作を遊技者に促す代わりに、操作スイッチ10が左右方向に往復動して操作部20の押圧移動操作を促すように制御してもよい。 【0049】~【0050】 (省略) 【0051】 続いて、モータ50が所定の角度範囲、速度及び時間でモータ軸51を往復回転するように駆動制御され、図8(a)に示すように、スイッチ本体11が配置孔42の一端側に位置する左側位置と、図8(b)に示すように、スイッチ本体11が配置孔42の他端側に位置する右側位置との間を、所定の可動範囲、速度及び時間で伝達機構60を介して左右方向に往復移動される。これにより、可動中の操作部20を押圧移動操作することができるので(押圧移動操作しようとする操作部20が移動するので)、遊技者の押圧移動操作に斬新な体感を与えることができ、リーチ演出時や大当たり時等の所定の遊技状態における演出効果を高めることができる。なお、可動中の操作部20の押圧移動操作は、スイッチ本体11の可動を阻害することになるが、緩衝機構80が機能することでモータ50の駆動力により発生する負荷を吸収し問題なく動作させることができる。」 ケ 「【0059】 なお、本実施形態では、スイッチ本体11の初期位置が、配置孔42の中央位置としているが、これに限らず一端側としてもよい。また、モータ50の回転方向として所定角度範囲の往復回転駆動としているが、伝達機構60にクランクシャフト機構などを採用して、一方向回転の駆動としてもよい。また、モータ50に代えて電気的駆動源としてソレノイドを用いてもよい。その場合には、スイッチ本体11は直接又は他部材を介して間接的にプランジャに連結されることになるので、ソレノイド自体の構造を緩衝機構として機能させることができる。」 上記カ~ケの記載事項から、以下の認定事項が導かれる。 (3-a)上記カ【0026】には、「遊技機(以下、パチンコ機ともいう)1」と記載されており、「そのパチンコ機1の外郭を形成する額縁状の外枠2を備えている。外枠2には、ヒンジ部2a,2bを介して前面側に向かって片開き可能な内枠3が支持されている。内枠3には、同様にヒンジ部2a,2bを介して前面側に向かって片開き可能な前枠4が支持されている。」と記載されている。 そうすると、引用文献1には、「パチンコ機1」及び「パチンコ機1の前面側に向かって片開き可能な前枠4を備えること」が記載されているといえる。 (3-b)上記カ【0027】には、「前枠4の前面下側には、・・・球受皿5・・・が設けられている。そして、球受皿5の上面には、外壁部から一部を露出する構成で遊技機用操作スイッチ10が設けられている。遊技機用操作スイッチ10は、遊技者が操作するものであり」と記載されている。 また、上記キ【0030】には、「操作スイッチ10は、・・・パチンコ機1での待機状態を含む遊技状態に応じて、遊技者の所定の人為的な操作が可能に可動する操作部20と、・・・を備えている。」と記載されている。 そうすると、引用文献1には、「前枠4に設けられ、遊技者の所定の人為的な操作が可能に可動する、遊技機用操作スイッチ10の操作部20を備えること」が記載されているといえる。 (3-c)上記キ【0030】には、「操作スイッチ10は、・・・パチンコ機1での待機状態を含む遊技状態に応じて、遊技者の所定の人為的な操作が可能に可動する操作部20と、その操作部20を可動可能に保持する保持部30とを備えたスイッチ本体11と、・・・を備えている。」と記載されている。 また、【0031】には、「操作スイッチ10は、図2(b)の二点鎖線で示すように、遊技状態に応じて保持部30がモータ50の駆動力によって可動されることにより、操作部20の所定の人為的な操作に基づく可動とは独立した状態で、当該操作部20と保持部30とが一体的に所定の態様で可動され、・・・スイッチ本体11(保持部30)は、左右方向に直線往復移動するものであり、二点鎖線は、保持部30の端部が左右に移動した状態を示すものである。」と記載されている。 上記ク【0048】には、「スイッチ本体11が左右方向に連続又は間欠的に往復動(可動)する(図2(b)参照)ように制御されている。」と記載されている。 上記ク【0051】には、「スイッチ本体11が配置孔42の一端側に位置する左側位置と、・・・スイッチ本体11が配置孔42の他端側に位置する右側位置との間を、所定の可動範囲、速度及び時間で伝達機構60を介して左右方向に往復移動される。」と記載されている。 上記ケ【0059】には、「スイッチ本体11の初期位置が、配置孔42の中央位置としているが、これに限らず一端側としてもよい。」と記載されている。 そうすると、引用文献1には、「前枠4に設けられ、配置孔42の一端側に位置する左側位置と、他端側に位置する右側位置との間を、配置孔42の一端側を初期位置として、左右方向に間欠的に可動する遊技機用操作スイッチ10のスイッチ本体11(保持部30)を備えること」が記載されているといえる。 (3-d)上記ク【0048】には、「液晶表示部の表示画面でリーチ演出時や大当たり時等の所定の遊技状態となったときに、遊技者に対する演出効果を高めるため、表示画面で操作部20の押圧移動操作を遊技者に促すとともに、スイッチ本体11が左右方向に連続又は間欠的に往復動(可動)する(図2(b)参照)ように制御されている。または、表示画面で操作部20の押圧移動操作を遊技者に促す代わりに、操作スイッチ10が左右方向に往復動して操作部20の押圧移動操作を促すように制御してもよい。」と記載されている。 そうすると、引用文献1には、「液晶表示部の表示画面でリーチ演出時や大当たり時等の所定の遊技状態となったときに、遊技者に対する演出効果を高めるため、スイッチ本体11が左右方向に間欠的に可動して操作部20の押圧移動操作を促すようにすること」が記載されているといえる。 上記(3-a)~(3-d)の認定事項を総合すれば、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a~eは発明の構成を分説するため当審で付した。)。 「a パチンコ機1の前面側に向かって片開き可能な前枠4と、 b 前枠4に設けられ、遊技者の所定の人為的な操作が可能に可動する、遊技機用操作スイッチ10の操作部20と、 c 前枠4に設けられ、配置孔42の一端側に位置する左側位置と、他端側に位置する右側位置との間を、配置孔42の一端側を初期位置として、左右方向に間欠的に可動する遊技機用操作スイッチ10のスイッチ本体11(保持部30)と、 を備え、 d 液晶表示部の表示画面でリーチ演出時や大当たり時等の所定の遊技状態となったときに、遊技者に対する演出効果を高めるため、スイッチ本体11が左右方向に間欠的に可動して操作部20の押圧移動操作を促すようにする、 e パチンコ機1。」 4.対比・判断 本願発明と引用発明とを対比する。 なお、見出しは(a)~(e)とし、引用発明の分説に対応させている。 (a)引用発明の「パチンコ機1の前面側」及び「片開き可能な前枠4」は、それぞれ本願発明の「遊技機の前面部」及び「前面扉」に相当する。 したがって、引用発明の構成aである「パチンコ機1の前面側に向かって片開き可能な前枠4」は、本願発明の構成Aである「遊技機の前面部を構成する前面扉」に相当する。 (b)引用発明の「遊技者の所定の人為的な操作が可能に可動する」ことは、本願発明の「遊技者操作を受付可能な」ことに相当するから、引用発明の「前枠4に設けられ」た「遊技機用操作スイッチ10の操作部20」は、本願発明の「前記前面扉に設けられ」た「操作受付手段」に相当する。 したがって、引用発明の構成bである「前枠4に設けられ、遊技者の所定の人為的な操作が可能に可動する、遊技機用操作スイッチ10の操作部20」は、本願発明の構成Bである「前記前面扉に設けられ、遊技者操作を受付可能な操作受付手段」に相当する。 (c)引用発明の「前枠4に設けられ」た「遊技機用操作スイッチ10のスイッチ本体11(保持部30)」は、「左右方向に・・・可動する」ことから、本願発明の「前記前面扉に設けられ」た「可動手段」に相当する。 また、引用発明の「配置孔42の一端側に位置する左側位置」と「他端側に位置する右側位置」について、「スイッチ本体11」は「一端側を初期位置として、左右方向に間欠的に可動する」ことから、上記「配置孔42の一端側に位置する左側位置」及び「他端側に位置する右側位置」は、それぞれ本願発明の「第1停止位置」及び「第2停止位置」に相当する。 そして、引用発明では、「スイッチ本体11」は「一端側を初期位置として、左右方向に間欠的に可動」しており、このことは、本願発明の「第1停止位置から第2停止位置に移動可能」であることに相当する。 したがって、引用発明の構成cである「前枠4に設けられ、配置孔42の一端側に位置する左側位置と、他端側に位置する右側位置との間を、配置孔42の一端側を初期位置として、左右方向に間欠的に可動する遊技機用操作スイッチ10のスイッチ本体11(保持部30)」は、本願発明の構成Cである「前記前面扉に設けられ、第1停止位置から第2停止位置に移動可能な可動手段」に相当する。 (d)引用発明では、「遊技者に対する演出効果を高めるため、スイッチ本体11が・・・操作部20の押圧移動操作を促すようにする」ことから、このことは、本願発明の「前記可動手段」が「前記操作受付手段に対する遊技者操作を誘導しうる」ことに相当する。 そして、上記(c)で検討したとおり、引用発明では、「スイッチ本体11」は、「配置孔42の一端側に位置する左側位置」を「初期位置として」、「他端側に位置する右側位置」に「間欠的に可動」することによって、「操作部20の押圧移動操作を促す」ものであるところ、引用発明の「配置孔42の一端側に位置する左側位置」及び「他端側に位置する右側位置」は、それぞれ本願発明の「第1停止位置」及び「第2停止位置」に相当するから、引用発明の構成dである「液晶表示部の表示画面でリーチ演出時や大当たり時等の所定の遊技状態となったときに、遊技者に対する演出効果を高めるため、スイッチ本体11が左右方向に間欠的に可動して操作部20の押圧移動操作を促すようにする」ことは、本願発明の構成Dである「前記可動手段は、前記第1停止位置から前記第2停止位置に移動することによって、前記操作受付手段に対する遊技者操作を誘導しうる」ことに相当する。 (e)引用発明の構成eである「パチンコ機1。」は、本願発明の構成Eである「遊技機。」に相当する。 上記(a)~(e)の対比により、本願発明と引用発明とは、 「A 遊技機の前面部を構成する前面扉と、 B 前記前面扉に設けられ、遊技者操作を受付可能な操作受付手段と、 C 前記前面扉に設けられ、第1停止位置から第2停止位置に移動可能な可動手段と、 を備え、 D 前記可動手段は、前記第1停止位置から前記第2停止位置に移動することによって、前記操作受付手段に対する遊技者操作を誘導しうる E 遊技機。」 である点で一致し、相違するところはない。 ここで、審判請求書において、請求人は、 「引用文献1には、段落[0048]に「操作スイッチ10が左右方向に往復動して操作部20の押圧移動操作を促すように制御してもよい。」との記載がございます。また、図2の記載を参酌しても、操作スイッチの左右方向の往復動は、停止している場合の停止位置を挟んで左右方向に往復動しております。これらの記載から、引用文献1における操作スイッチによる操作部の押圧移動操作の誘導は、操作スイッチの位置が異なっていることによって行っているのではなく、停止している状態であった操作スイッチが、左右方向に往復動するというような左右に移動している状態となることによって誘導を行っていることは明らかであります。また、引用文献1における操作部の押圧移動操作の誘導は、上記の操作スイッチの左右方向への往復動のみが記載されており、それ以外の手法については記載も示唆もされておりません。 一方、本願発明は、可動手段の停止位置の違いによって操作受付手段への操作の誘導を行っており、遊技者の操作受付手段に対する操作の誘導の手法が、引用文献1に記載されたものとはまったく異なっております。 原審の審査官殿は、拒絶査定の備考において、「ここで、操作スイッチ10の左右方向への往復動において、左右両端に操作スイッチ10が位置した時は前記操作スイッチ10は一時停止することは、技術的に自明なことであり、(1)左端の一時停止位置、(2)右端の一時停止位置は、本願発明の(1)「第1停止位置」、(2)「第2停止位置」に相当する」とされております。 しかしながら、仮に、操作スイッチの左右方向への往復動において、左右両端に操作スイッチが位置した時は前記操作スイッチが一時停止することが技術的に自明であったとしても、引用発明においては、操作スイッチが、停止状態から、左右方向に往復動するというような左右に移動している状態となることによって誘導を行っているものであって、操作スイッチが第1停止位置から第2停止位置に移動することによって、遊技者操作を誘導しているものではありません。 」 と主張している。 (「4.本願発明が特許されるべき理由」を参照) この主張について検討すると、上記(c)において述べたように、引用発明では、スイッチ本体11は配置孔42の一端側に位置する左側位置を初期位置として、他端側に位置する右側位置との間で、左右方向に間欠的に可動しており、上記「間欠的」という表現から、引用発明は、スイッチ本体11が一端側に位置する左側位置を初期位置とし、他端側に位置する右側位置を終点位置とした一方向のみに移動することも含むものと認められる。そして、その場合の「初期位置」や「終点位置」は、一方向のみの移動であることから、左右往復動における時間的に瞬時の間に停止するような一時的な停止位置ではなく、ある程度継続した時間、停止し続ける確定的な停止位置と解すべきものである。 そうすると、引用文献1においては、スイッチ本体11が左右方向に往復動して操作部20の押圧移動操作を促すことのみが開示されているのではなく、一方向のみの移動によって、その停止位置が異なっていることにより操作部20の押圧移動操作を促すことも開示されているというべきであって、請求人の上記主張を採用することはできない。 なお、本願発明では、構成Dにおいて「前記可動手段は、前記第1停止位置から前記第2停止位置に移動することによって、前記操作受付手段に対する遊技者操作を誘導しうる」としており、「前記第1停止位置から前記第2停止位置に移動すること」には、左右方向に往復動することが排除されるものではないから、引用文献1において、スイッチ本体11が左右方向に往復動して操作部20の押圧移動操作を促すことは、本願発明の上記構成Dに相当するということもでき、いずれにしても、請求人の上記主張は採用されない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本願発明と引用発明との間に発明特定事項の差異はなく、本願発明は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2017-016959

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決541件(株式会社大一商会)
  • 2026-005347拒絶査定不服審判 / 2026-06-24 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社大一商会
  • 2025-010763拒絶査定不服審判 / 2026-06-23 / 請求不成立遊技機
    同じ当事者: 株式会社大一商会
  • 2025-009717拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    同じ当事者: 株式会社大一商会
  • 2025-009718拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    同じ当事者: 株式会社大一商会
  • 2025-009719拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    同じ当事者: 株式会社大一商会
検索でもっと見る →
同じ根拠条文の審決1,526件(特許法29条1項3号)
  • 2025-008364拒絶査定不服審判 / 2026-06-02 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条1項3号
  • 2025-004818拒絶査定不服審判 / 2026-05-13 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条1項3号
  • 2025-002547拒絶査定不服審判 / 2025-11-19 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条1項3号
  • 2024-013997拒絶査定不服審判 / 2025-06-03 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条1項3号
  • 2024-005255拒絶査定不服審判 / 2025-02-17 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条1項3号
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,762件(113・A63F、575・A63F)
  • 2025-008364拒絶査定不服審判 / 2026-06-02 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、575・A63F
  • 2025-004818拒絶査定不服審判 / 2026-05-13 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、575・A63F
  • 2025-002547拒絶査定不服審判 / 2025-11-19 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、575・A63F
  • 2024-013997拒絶査定不服審判 / 2025-06-03 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、575・A63F
  • 2024-007297拒絶査定不服審判 / 2025-04-22 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、575・A63F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存