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特許拒絶査定不服審判

2017-013247

遊技機

審判番号
2017-013247
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-205967外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年09月06日
審決日
2018年07月05日
公報発行日
2018年10月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-205967「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 1月15日出願公開、特開2015-  6306〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年9月30日(優先権主張平成25年5月31日)の出願であって、平成28年5月13日付けで拒絶の理由が通知され、平成28年7月19日に意見書及び手続補正書が提出され、平成29年1月6日付けで最後の拒絶の理由が通知され、平成29年3月21日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年5月31日付けで、平成29年3月21日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、平成29年9月6日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成29年9月6日付けの手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成29年9月6日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、 「【請求項1】 スライド移動可能に形成される移動部材と、その移動部材をスライド移動させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段が発生する駆動力を前記移動部材へ伝達する伝達手段と、を備えた遊技機において、 前記移動部材のスライド移動の方向に沿って延設される開口として形成されるスライド孔を有するベース部材と、前記移動部材が配設される前記ベース部材の一面側と反対側となる前記ベース部材の他面側に変位可能に配設される第2リンク部材と、を備え、 前記移動部材は、前記ベース部材のスライド孔に挿通される複数の突出部を備え、 前記伝達手段は、前記移動部材が配設される前記ベース部材の一面側と反対側となる前記ベース部材の他面側に配設され前記駆動手段の駆動力を前記移動部材へ伝達する第1リンク部材を備え、 前記第1リンク部材および第2リンク部材が、前記ベース部材のスライド孔を介して前記ベース部材の他面側に突出される前記移動部材の複数の突出部のうちの少なくとも第1の突出部および第2の突出部にそれぞれ接続されると共に、第1リンク部材に対して前記スライド孔を挟んで対称に第2リンク部材が配設されることを特徴とする遊技機。」 から、 「【請求項1】 A スライド移動可能に形成される移動部材と、その移動部材をスライド移動させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段が発生する駆動力を前記移動部材へ伝達する伝達手段と、を備えた遊技機において、 B 前記移動部材のスライド移動の方向に沿って延設される開口として形成されるスライド孔を有するベース部材と、前記移動部材が配設される前記ベース部材の一面側と反対側となる前記ベース部材の他面側に変位可能に配設される第2リンク部材と、弾性変形された状態で前記ベース部材の一面側に配設され、その弾性回復力による付勢力を、前記第2リンク部材を変位方向の一方側に保持する方向へ作用させる付勢手段と、を備え、 C 前記移動部材は、前記ベース部材のスライド孔に挿通される複数の突出部を備え、 D 前記伝達手段は、前記移動部材が配設される前記ベース部材の一面側と反対側となる前記ベース部材の他面側に配設され前記駆動手段の駆動力を前記移動部材へ伝達する第1リンク部材を備え、 E 前記第1リンク部材および第2リンク部材が、前記ベース部材のスライド孔を介して前記ベース部材の他面側に突出される前記移動部材の複数の突出部のうちの少なくとも第1の突出部および第2の突出部にそれぞれ接続されると共に、第1リンク部材に対して前記スライド孔を挟んで対称に第2リンク部材が配設されることを特徴とする遊技機。」 に補正された(下線は、補正箇所を明示するために審決にて付した。また、当審においてA~Eに分説した)。 2 補正の適否について 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「ベース部材」と「第2リンク部材」との関係について、「弾性変形された状態で前記ベース部材の一面側に配設され、その弾性回復力による付勢力を、前記第2リンク部材を変位方向の一方側に保持する方向へ作用させる付勢手段と、」を備える点を限定するものであって、かつ、本件補正前の請求項に記載された発明と本件補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。 3 独立特許要件について そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。 (1)刊行物1 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2009-268538号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (1-a)「【技術分野】 【0001】 本発明は、遊技盤の遊技領域に配設される装飾部材に開口部を開設して図柄表示装置を臨ませると共に、該装飾部材に可動体を配設した遊技機に関するものである。 ・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ところで、前記図柄表示装置で行なわれる演出によっては、前記装飾部材に形成した開口部の下方から上方へ迫り上がるよう可動体が上昇する前記補助装置が求められる。このように開口部の下方に可動体を設ける場合には、該可動体を駆動するための駆動手段を装飾部材の下部位置に配置することが一般に考えられる。しかしながら、装飾部材の下部位置に駆動手段を設けた場合には、該装飾部材の下部に前記ステージを設けるためのスペースの確保が困難になる問題が指摘される。そこで、前述した特許文献2のように、前記装飾部材における前記開口部の側方に駆動手段を配置して、駆動手段と可動体とをベルト機構により連繋接続することが提案される。ところがこの場合には、前記ベルト機構を設置するスペースを確保する必要があり、装飾部材における開口部の側方に設置される電飾装置が制約を受けるという問題が生ずる。 【0005】 そこで、本発明は、装飾部材における開口部の下部側に配設した可動体を簡単な構成で上方へ移動させ得る遊技機を提供することを目的とする。」 (1-b)「【0017】 (遊技演出装置) また、前記遊技盤20の裏側には、前記装飾部材22と図柄表示装置25との間に、可動体の動作により演出を行なう遊技演出装置30が配設される。実施例に係る遊技演出装置30は、図2または図3に示すように、前記装飾部材22の開口部22aより上側に位置するよう配設される上側保持部材36と、上側保持部材36に上下移動可能に配設される上可動体32と、上側保持部材36に配設されて上可動体32に連繋接続し、作動により上可動体32を上下移動させる駆動機構50と、装飾部材22の開口部22aより下側に位置するよう配設される下側保持部材64と、該下側保持部材64に上下移動可能に配設されて駆動機構50に接続し、駆動機構50の作動により上下移動される下可動体60とを基本的に備えている。すなわち、実施例に係る遊技演出装置30は、前記駆動機構50が作動することで、上下の可動体32,60が一度に上下移動するよう構成される。 【0018】 (上可動体) 前記上可動体32は、図3に示すように、左右方向に長尺な所要形状の板状部材であって、図柄表示装置25での演出内容に合わせた模様・色彩が付与されている。なお、前記上可動体32は、ポリカーボネート等の軽量で透明な合成樹脂材により形成されている。また、上可動体32の左右端部には、前記上側保持部材36に形成される第1ガイド孔42,42(後述)へ挿入される前方へ突出する第1連繋軸33,33が夫々設けられると共に、該各第1連繋軸33から内側(左右方向の中央側)に離間した位置に、上側保持部材36に形成される第1筒状案内部43,43(後述)へ挿入される第1ガイドピン34,34が前方へ突出するよう固定されている。 【0019】 (上側保持部材) 前記上側保持部材36は、前記装飾部材22に開設された開口部22aの左右方向の全幅に亘って延在する矩形状に形成されて、図3に示すように、該上側保持部材36の左右両端部に、前方および下方に開口して前記駆動機構50設置用の駆動機構設置部37,37が設けられると共に、該左右の駆動機構設置部37,37の間に、後方および下方に開口する前記上可動体32設置用の可動体設置部41が形成されている。なお、前記駆動機構設置部37,37の裏側には、図示しない制御装置からの制御信号に基づいて正逆回転する駆動源としての駆動モータ45,45が夫々設置されており、該駆動機構設置部37,37に形成された通孔37a,37aを介して対応する駆動モータ45,45の駆動軸45a,45aが前方へ突出されて駆動ギア46,46が夫々取り付けられている。また、駆動機構設置部37,37の前面側には、前記駆動モータ45,45の駆動軸45a,45aに取り付けた駆動ギア46,46に噛合する従動ギア47,47が夫々回転可能に枢支されており、駆動モータ45,45の正逆回転に連動して対応の従動ギア47,47が反対方向に回転するようになっている。 【0020】 前記可動体設置部41の左右端部近傍には、上下方向に延在する第1ガイド孔42,42が前後に開口するよう形成されると共に、該第1ガイド孔42,42より内側(左右方向の中央側)に、前後に開口して前方へ突出する第1筒状案内部43,43が第1ガイド孔42,42と平行になるよう上下方向に延設されている。そして、前記第1ガイド孔42,42の夫々に対して、前記上可動体32に形成された前記第1連繋軸33,33が後方から挿通されると共に、前記第1筒状案内部43,43に対して、該上可動体32に設けた前記第1ガイドピン34,34が後方から挿通されて、第1ガイド孔42,42および第1筒状案内部43,43に沿って当該上可動体32が上下方向に移動し得るようになっている。 【0021】 また、前記第1筒状案内部43,43に挿通した第1ガイドピン34,34の前端部には、前記第1筒状案内部43,43の内周面に摺接する第1連結部材70,70が取り付けられており、上可動体32の上下方向への移動時に第1連結部材70,70が第1筒状案内部43,43に摺接して上可動体32の左右方向への「ぶれ」を防止するよう構成されている。また、各第1連結部材70の前端縁には、径方向へ演出するフランジ部70aが形成されており、該フランジ部70aが対応の第1筒状案内部43の前端部に当接することで、上可動体32の脱落を防止するようになっている。なお、前記各第1連結部材70は、ポリアセタールやフッ素樹脂等の自己潤滑性を有する合成樹脂材により形成されており、第1連結部材70と第1筒状案内部43との間の摺動抵抗を低減して上可動体32の上下移動をスムーズに行ない得るようになっている。 【0022】 (駆動機構) 次に、実施例に係る前記駆動機構50に関して説明する。ここで、前記左右の駆動機構設置部37,37に配設される駆動機構50の構成は、左右対称となっているので、左側の駆動機構設置部37に配設された駆動機構50について説明し、右側の駆動機構設置部37に配設された駆動機構50に関しては同一の符号を付して詳細な説明は省略する。 【0023】 前記駆動機構50は、図3または図4に示すように、前記駆動モータ45の駆動により上下方向へ移動するスライド部材51と、該スライド部材51に連繋接続され、スライド部材51の移動により揺動する揺動部材55とから構成される。前記スライド部材51は、前後に開放する矩形枠状に形成され、前記従動ギア47と噛合するラックギア52aが側面に形成された作動部52と、該作動部52の後側に固定され、上下方向に延在すると共に前後に開口する第2筒状案内部54が形成されたガイド部53とから構成されて、前記駆動機構設置部37に前方へ突出するよう取り付けられた第2ガイドピン39が、前記ガイド部53の第2筒状案内部54に後方から挿通されている。すなわち、前記スライド部材51は、前記第2筒状案内部54内を前記第2ガイドピン39が相対的に変位することで上下方向に移動し得るよう構成されている。更に、前記作動部52には、上下方向の略中央位置に、前方へ突出する第2連繋軸52bが形成されている。なお、前記ガイド部53には、前記下可動体60(具体的には後述する板状部61)が連結固定される。 【0024】 また、前記第2ガイドピン39の前端部には、前記第2筒状案内部54の内周面に摺接する第2連結部材71が取り付けられており、スライド部材51の上下方向への移動時に第2連結部材71が第2筒状案内部54に摺接してスライド部材51の左右方向への「ぶれ」を防止するようになっている。更に、前記第2連結部材71の前端縁には、径方向へ演出するフランジ部71aが形成されており、該フランジ部71aが第2筒状案内部54の前端部に当接することで、スライド部材51の脱落を防止している。なお、前記第2連結部材71は、ポリアセタールやフッ素樹脂等の自己潤滑性を有する合成樹脂材により形成されており、第2連結部材71と第2筒状案内部54との間の摺動抵抗を低減して上可動体32の上下移動をスムーズに行ない得るよう構成される。 【0025】 図4~図6に示すように、前記揺動部材55は、前記駆動機構設置部37に設けた支持軸55aに対して中間位置が回転可能に枢支されて、該支持軸55aから外方へ延出する第1アーム部56と、支持軸55aから第1アーム部56とは反対方向へ延出する第2アーム部57とを備えている。そして、前記第1アーム部56および第2アーム部57の自由端部側に、前後に開口する長孔56a,57aが各アーム部56,57の長手方向に沿って延在するよう形成されており、第1アーム部56の長孔56aに対しては前記スライド部材51に形成した第2連繋軸52bが挿通され、第2アーム部57の長孔57aに対しては前記上可動体32に形成した第1連繋軸33が挿通されている。 【0026】 すなわち、前記スライド部材51が上下移動すると、前記第2連繋軸52bを介して該スライド部材51(作動部52)に接続した第1アーム部56が前記支持軸55aを中心として揺動し、該第1アーム部56の揺動に伴って第2アーム部57がスライド部材51とは上下反対方向に移動するよう揺動される。そして、前記第2アーム部57には、前記第1連繋軸33を介して前記上可動体32が接続されているから、第2アーム部57の揺動に従って前記上可動体32が上下方向に移動される。ここで、実施例では、前記スライド部材51が最も下方にある状態では、前記上可動体32は上側保持部材36により略全体が覆われ(図5参照)、スライド部材51が上方に移動して上可動体32が自重により下降するに従い、該上可動体32が装飾部材22の開口部22a内側に露出するようになっている(図1または図6参照)。すなわち、前記上可動体32は、前記駆駆動モータ45の駆動により、前記装飾部材22の開口部22aに対して出没するよう構成される。」(なお、「前記駆駆動モータ」は、「駆動モータ」の誤記と認める。) (1-c)段落【0017】には、「作動により上可動体32を上下移動させる駆動機構50」と記載され、段落【0023】には、「駆動機構50は、図3または図4に示すように、前記駆動モータ45の駆動により上下方向へ移動するスライド部材51と、該スライド部材51に連繋接続され、スライド部材51の移動により揺動する揺動部材55とから構成される。」と記載されているから、刊行物1には、駆動モータ45に接続され上可動体32を上下移動させる駆動機構50が記載されているといえる。 (1-d)段落【0019】には、「前記上側保持部材36は、・・・前記上可動体32設置用の可動体設置部41が形成されている。」と記載され、段落【0020】には、「前記可動体設置部41の左右端部近傍には、上下方向に延在する第1ガイド孔42,42が前後に開口するよう形成される」と記載されているから、刊行物1には、上下方向に延在する第1ガイド孔42が前後に開口するよう形成された上側保持部材36が記載されているといえる。 また、図3には、上可動体32は、上側保持部材36の後側に配設され、右側又は左側の揺動部材55は、上側保持部材36の前側に配設されていることが示されており、後側と前側とは反対側であることは明らかである。 そして、段落【0025】には、「前記揺動部材55は、前記駆動機構設置部37に設けた支持軸55aに対して中間位置が回転可能に枢支されて、該支持軸55aから外方へ延出する第1アーム部56と、支持軸55aから第1アーム部56とは反対方向へ延出する第2アーム部57とを備えている。」と記載され、段落【0026】には、「第2アーム部57の揺動に従って前記上可動体32が上下方向に移動される。」と記載されているから、右側又は左側の揺動部材55は、上可動体32を上下方向に移動させるものといえる。 よって、刊行物1には、上可動体32が配設される上側保持部材36の後側とは反対側となる上側保持部材36の前側に配設され、上可動体32を上下方向に移動させる右側又は左側の揺動部材55が記載されているといえる。 (1-e)段落【0020】には、「前記第1ガイド孔42,42の夫々に対して、前記上可動体32に形成された前記第1連繋軸33,33が後方から挿通される」と記載されている。また、図3には、上可動体32には、複数の第1連繋軸33が形成されていることが示されている。 よって、刊行物1には、上可動体32は、上側保持部材36の第1ガイド孔42に後方から挿通される複数の第1連繋軸33が形成されることが記載されているといえる。 (1-f)段落【0023】には、「駆動機構50は、図3または図4に示すように、前記駆動モータ45の駆動により上下方向へ移動するスライド部材51と、該スライド部材51に連繋接続され、スライド部材51の移動により揺動する揺動部材55とから構成される。」と記載されているから、駆動機構50は、駆動モータ45に駆動される右側又は左側の揺動部材55を備えているといえる。 また、上記(1-d)の検討を踏まえると、刊行物1には、前記駆動機構50は、上可動体32が配設される上側保持部材36の後側とは反対側となる上側保持部材36の前側に配設され前記駆動モータ45の駆動により上可動体32を上下方向に移動させる右側又は左側の揺動部材55を備えている点が記載されているといえる。 (1-g)段落【0026】には、「前記第2アーム部57には、前記第1連繋軸33を介して前記上可動体32が接続されている」と記載され、図3には、(第2アーム部57を備えた)右側の揺動部材55および左側の揺動部材55が、上側保持部材36の第1ガイド孔42の前面側に突出される上可動体32の複数の第1連繋軸33のいずれかに接続される点が示されている。 また、段落【0022】には、「駆動機構50の構成は、左右対称となっている」と記載され、図3には、右側の揺動部材55および左側の揺動部材55が、第1ガイド孔42を挟んで左右対称に配設されていることが示されている。 よって、刊行物1には、右側の揺動部材55および左側の揺動部材55が、上側保持部材36の第1ガイド孔42の前面側に突出される上可動体32の複数の第1連繋軸33のいずれかに接続されると共に、右側の揺動部材55および左側の揺動部材55が、第1ガイド孔42を挟んで左右対称に配設されることが記載されているといえる。 上記(1-a)~(1-b)の記載事項及び上記(1-c)~(1-g)の認定事項を総合すると、刊行物1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「刊行物1発明」という。)。 「a 上下移動可能に配設される上可動体32と、上可動体32を装飾部材22の開口部22aに対して出没するように駆動する駆動モータ45と、駆動モータ45に接続され上可動体32を上下移動させる駆動機構50と、を備えた遊技機において(段落【0001】、【0017】、【0026】、認定事項(1-c))、 b 上下方向に延在する第1ガイド孔42が前後に開口するよう形成された上側保持部材36と、上可動体32が配設される上側保持部材36の後側とは反対側となる上側保持部材36の前側に配設され、上可動体32を上下方向に移動させる右側又は左側の揺動部材55と(認定事項(1-d))、を備え、 c 前記上可動体32には、上側保持部材36の第1ガイド孔42に後方から挿通される複数の第1連繋軸33が形成され(認定事項(1-e))、 d 前記駆動機構50は、上可動体32が配設される上側保持部材36の後側とは反対側となる上側保持部材36の前側に配設され前記駆動モータ45の駆動により上可動体32を上下方向に移動させる右側又は左側の揺動部材55を備え(認定事項(1-f))、 e 右側の揺動部材55および左側の揺動部材55が、上側保持部材36の第1ガイド孔42の前面側に突出される上可動体32の複数の第1連繋軸33のいずれかに接続されると共に、右側の揺動部材55および左側の揺動部材55が、第1ガイド孔42を挟んで左右対称に配設される遊技機(認定事項(1-g))。」 (2)刊行物2 特開2013-9891号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (2-a)「【0113】 次に、本発明の実施形態の遊技機10におけるセンターケース40の詳細について説明する。 センターケース40は、図8に示すように表示部41aを有する表示装置41の前面側に前面構成部材600と、下方装飾演出部材753a、753b等を有する裏面構成部材700とを備えて構成されている。 ・・・ 【0128】 駆動ベース部材720は、透明又は半透明な平板部材からなり、当該駆動ベース部材720の中央には、制御ベース部材710と同様に、表示装置41の表示部41aに対応するように矩形状の開口720aが形成されている。 また、駆動ベース部材720の上部には第1可動演出部材731(後述)を案内するための上ガイド溝726a、726bが設けられ、駆動ベース部材720の左側部には連動可動演出部材762(後述)を案内するための左側ガイド溝722a~cが設けられ、駆動ベース部材720の右側部には連動可動演出部材772(後述)を案内するための右側ガイド溝724a~cが設けられている。」 (2-b)「【0137】 第1可動演出装置730は、図14に示すように、第1可動演出部材731と、第1可動演出部材731を駆動する第1駆動機構部732と、第1駆動機構部732による駆動力を第1可動演出部材731に伝達する第1伝達機構部733と、第1可動演出部材731の初期位置を検出するための位置検出センサ734と、を備えている。 【0138】 第1可動演出部材731は、仮面を模した部材で構成され、その裏面には連結ピン733c、733cの一端側を嵌め込み可能な挿通穴(図示省略)を2つ有している。なお、第1可動演出部材731は、左右対称となる位置に当該挿通穴を設けている。 ・・・ 【0142】 第1伝達機構部733は、第1アーム部材733aと、第1アーム部材733aの一端と回動可能に接続する第2アーム部材733bと、当該第2アーム部材733bと第1可動演出部材731とを連結する連結ピン733cと、トーションバネ733dと、を備えている。 【0143】 第1アーム部材733aは、第1左側アーム部材733a1と、第1右側アーム部材733a2と、を備えている。なお、第1左側アーム部材733a1と第1右側アーム部材733a2は左右対称の一対の部材で構成されており、以下第1左側アーム部材733a1の詳細についてのみ説明し、第1右側アーム部材733a2の説明については省略する。 【0144】 第1左側アーム部材733a1は、その一端にギヤ部733a1aを備えている(図19参照)。第1左側アーム部材733a1は、ギヤ部733a1aと第1従動ギヤ732b2とを歯合させることで、当該ギヤ部733a1aが設けられた一端側を回動中心として回動させることが可能となっている。 また、第1左側アーム部材733a1は、その他端側の表面側において接続ピンを介して後述する第2左側アーム部材733b1と回動可能に接続するようになっている。また、第1左側アーム部材733a1は、その他端側の裏面に第1左側アーム部材733a1の回動範囲を規制するための規制ピン733a1bを備えている。規制ピン733a1bは、上ガイド溝726aに挿通され、当該上ガイド溝726aを摺動可能となっている。 ・・・ 【0147】 連結ピン733c、733cは左右一対の部材であり、その一端はギヤ部733b1a、733b2aにそれぞれ挿通され、その他端はそれぞれ第1可動演出部材731の裏面に嵌め込まれるようになっている。 【0148】 トーションバネ733d、733dは左右一対の部材であり、第1左側アーム部材733a1と第1右側アーム部材733a2の回動中心部周りにそれぞれ設けられ、その復元力が第1可動演出部材731を初期位置に戻すときの動作補助に用いられる。」 (2-c)「【0171】 図15及び図16は、第1可動演出部材731の動作前の態様を示す裏面構成部材700の正面図であり、具体的には、図15は、第1可動演出部材731を取り外した状態を示す図、図16は、第1可動演出部材731を取り付けた状態を示す図である。なお、図15~図23は、説明の都合上、上方装飾演出装置740や下方可動演出装置750、第2可動演出装置760、第3可動演出装置770等を取り外した状態の図としている。 【0172】 図15に示すように、第1可動演出装置730の第1伝達機構部733は、第1左側アーム部材733a1、第1右側アーム部材733a2、第2左側アーム部材733b1、及び第2右側アーム部材733a2の4節のリンクによって菱形リンク機構を構成している。そして、第2左側アーム部材733b1及び第2右側アーム部材733a2の端部に接続される第1可動演出部材731を昇降可能としている。 (なお、「第2右側アーム部材733a2」は「第2右側アーム部材733b2」の誤記と認める。) 【0173】 図16に示すように、第1可動演出部材731が初期位置にあるとき、遊技盤30の前方から見たときに、第1可動演出部材731が表示装置41の表示部41aの前面に重ならない位置にある。また、このとき、位置検出センサ734によって、第2右側アーム部材733b2の突片733b2bを検出することで、第1可動演出部材731が初期位置にあることを検出している(図15参照)。 【0174】 図17及び図18は、第1可動演出部材731の動作前の態様を示す裏面構成部材700の裏面図であり、具体的には、図17は、第1可動演出部材731を取り外した状態を示す図、図18は、第1可動演出部材731を取り付けた状態を示す図である。 【0175】 図17及び図18に示すように、第1可動演出部材731が初期位置にあるとき、規制ピン733a1b、733a2bは、それぞれ対応する上ガイド溝726、726の上端部にある。 【0176】 図19~図21は、第1可動演出部材731が動作中(下降中)の態様を示す裏面構成部材700の図であり、具体的には、図19は、第1可動演出部材731を取り付けた状態の裏面構成部材700の正面図、図20は、図19の裏面図、図21は、第1可動演出部材731を取り外した状態の裏面構成部材700の正面図である。 【0177】 図19及び図21に示すように、第1左側アーム部材733a1及び第1右側アーム部材733a2がそれぞれ回動すると、菱形リンク機構を構成する第2左側アーム部材733b1は第1右側アーム部材733a2と平行となるように移動し、また、第2右側アーム部材733b2は第1左側アーム部材733a1と平行となるように移動して、第2左側アーム部材733b1及び第2右側アーム部材733b2の端部に接続された第1可動演出部材731が下降することとなる。 また、このとき、図20に示すように、規制ピン733a1b、733a2bは、それぞれ対応する上ガイド溝726a、726bの内壁を摺動することとなる。 【0178】 図22及び図23は、第1可動演出部材731が下降しきった状態を示す裏面構成部材700の図であり、具体的には、図22は、このときの裏面構成部材700の正面図、図23は、図22の裏面図である。 【0179】 図22及び図23に示すように、第1左側アーム部材733a1及び第1右側アーム部材733a2がさらに回動すると、第2左側アーム部材733b1は第1右側アーム部材733a2と平行となるようにさらに移動し、また、第2右側アーム部材733b2は第1左側アーム部材733a1と平行となるように移動し、第2左側アーム部材733b1及び第2右側アーム部材733b2の端部に接続された第1可動演出部材731がさらに下降して、表示部41aの前面に重なる位置に配置されることとなる。このとき、規制ピン733a1b、733a2bは、それぞれ対応する上ガイド溝726a、726bの下端部に達する。」 (2-d)段落【0171】には、「図15及び図16は、第1可動演出部材731の動作前の態様を示す裏面構成部材700の正面図であり」と記載され、段落【0176】には、「図19は、第1可動演出部材731を取り付けた状態の裏面構成部材700の正面図」と記載され、段落【0178】には、「図22は、このときの裏面構成部材700の正面図」と記載されており、そして、正面図である図15、図19、図22から、第1左側アーム部材733a1、第1右側アーム部材733a2、第2左側アーム部材733b1及び第2右側アーム部材733b2は、駆動ベース部材720の正面側に配設されていることが把握できる。 一方、段落【0174】には、「図17及び図18は、第1可動演出部材731の動作前の態様を示す裏面構成部材700の裏面図であり」と記載され、段落【0176】には、「図20は、図19の裏面図」と記載され、【0178】には、「図23は、図22の裏面図」と記載されており、裏面図である図17、18、図20、図23から、トーションバネ733dは、駆動ベース部材720の裏面側に配設されていることが把握できる。 (2-e)段落【0143】には、「以下第1左側アーム部材733a1の詳細についてのみ説明し、第1右側アーム部材733a2の説明については省略する。」と記載され、段落【0144】には、「第1左側アーム部材733a1は、その他端側の裏面に第1左側アーム部材733a1の回動範囲を規制するための規制ピン733a1bを備えている。規制ピン733a1bは、上ガイド溝726aに挿通され、当該上ガイド溝726aを摺動可能となっている。」と記載されている。 また、図18及び図20には、規制ピン733a1bと規制ピン733a2bが上ガイド溝726aと上ガイド溝726bに挿通されていることが示されている。 よって、刊行物2には、第1左側アーム部材733a1及び第1右側アーム733b2には、規制ピン733a1b及び規制ピン733a2bを備えており、規制ピン733a1b及び規制ピン733a2bが上ガイド溝726a及び上ガイド溝726bに挿通されることが記載されているといえる。 上記(2-a)~(2-c)の記載事項及び上記(2-d)~(2-e)の認定事項を総合すると、刊行物2には、次の発明が記載されていると認められる(以下「刊行物2発明」という。)。 「昇降可能な第1可動演出部材731と、第1可動演出部材731を駆動する第1駆動機構部732と、第1駆動機構部732による駆動力を第1可動演出部材731に伝達する第1伝達機構部733と、を備えた遊技機10において(段落【0113】、【0137】、【0172】)、 第1可動演出部材731を案内するための上ガイド溝726a、726bが設けられた駆動ベース部材720と、駆動ベース部材720の正面側に配設される第1左側アーム部材733a1、第1右側アーム部材733a2、第2左側アーム部材733b1、及び第2右側アーム部材733b2から構成される4節のリンクと、駆動ベース部材720の裏面側に配設され、その復元力が第1可動演出部材731を初期位置に戻すときの動作補助に用いられるトーションバネ733dと、を備え(段落【0128】、【0172】、【0148】、認定事項(2-d))、 第1左側アーム部材733a1及び第1右側アーム733b2には、規制ピン733a1b及び規制ピン733a2bを備えており、規制ピン733a1b及び規制ピン733a2bが上ガイド溝726a及び上ガイド溝726bに挿通され(認定事項(2-e))、 第2左側アーム部材733b1及び第2右側アーム部材733b2の端部に接続される第1可動演出部材731を昇降可能としている遊技機10(段落【0172】)。」 (3)対比 本願補正発明と刊行物1発明とを対比する(下記の見出しの(a)~(e)は、刊行物1発明の構成a~eに対応している。)。 (a)刊行物1発明の「上可動体32」、「駆動モータ45」、「駆動機構50」は、それぞれ、本願補正発明の「移動部材」、「駆動手段」、「伝達手段」に相当する。 また、刊行物1発明の「上下移動可能」は、本願補正発明の「スライド移動可能」に相当し、刊行物1発明において「駆動モータ45」が駆動力を発生させることは自明な事項であり、「駆動機構50」は、駆動モータ45に接続され上可動体32を上下移動させるから、駆動モータ45の駆動力を上可動体32(移動部材)に伝達していることは明らかである。 よって、刊行物1発明の「上下移動可能に配設される上可動体32と、上可動体32を装飾部材22の開口部22aに対して出没するよう駆動する駆動モータ45と、駆動モータ45に接続され上可動体32を上下移動させる駆動機構50と、を備えた遊技機」は、本願補正発明の「スライド移動可能に形成される移動部材と、その移動部材をスライド移動させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段が発生する駆動力を前記移動部材へ伝達する伝達手段と、を備えた遊技機」に相当する。 (b)刊行物1発明の「第1ガイド孔42」、「上側保持部材36」は、それぞれ、本願補正発明の「スライド孔」、「ベース部材」に相当するから、刊行物1発明の「上下方向に延在する第1ガイド孔42が前後に開口するよう形成された上側保持部材36」は、本願補正発明の「前記移動部材のスライド移動の方向に沿って延設される開口として形成されるスライド孔を有するベース部材」に相当する。 また、刊行物1発明の「右側又は左側の揺動部材55」のいずれか一方は、本願補正発明の「第2リンク部材」に相当し、刊行物1発明の「上側保持部材36の後側」、「上側保持部材36の前側」は、それぞれ、本願補正発明の「ベース部材の一面側」、「ベース部材の他面側」に相当するから、刊行物1発明の「上可動体32が配設される上側保持部材36の後側とは反対側となる上側保持部材36の前側に配設され、上可動体32を上下方向に移動させる右側又は左側の揺動部材55」は、本願補正発明の「前記移動部材が配設される前記ベース部材の一面側と反対側となる前記ベース部材の他面側に変位可能に配設される第2リンク部材」に相当する。 よって、刊行物1発明の「上下方向に延在する第1ガイド孔42が前後に開口するよう形成された上側保持部材36と、上可動体32が配設される上側保持部材36の後側とは反対側となる上側保持部材36の前側に配設され、上可動体32を上下方向に移動させる右側又は左側の揺動部材55」と、本願補正発明の「前記移動部材のスライド移動の方向に沿って延設される開口として形成されるスライド孔を有するベース部材と、前記移動部材が配設される前記ベース部材の一面側と反対側となる前記ベース部材の他面側に変位可能に配設される第2リンク部材と、弾性変形された状態で前記ベース部材の一面側に配設され、その弾性回復力による付勢力を、前記第2リンク部材を変位方向の一方側に保持する方向へ作用させる付勢手段と、を備え」る点とは、「前記移動部材のスライド移動の方向に沿って延設される開口として形成されるスライド孔を有するベース部材と、前記移動部材が配設される前記ベース部材の一面側と反対側となる前記ベース部材の他面側に変位可能に配設される第2リンク部材と、を備え」る点で共通する。 (c)刊行物1発明の「第1連繋軸33」は、本願補正発明の「突出部」に相当する。 よって、刊行物1発明の「前記上可動体32には、上側保持部材36の第1ガイド孔42に後方から挿通される複数の第1連繋軸33が形成され」る点は、本願補正発明の「前記移動部材は、前記ベース部材のスライド孔に挿通される複数の突出部を備え」る点に相当する。 (d)刊行物1発明の「右側又は左側の揺動部材55」のいずれか一方は、本願補正発明の「第1リンク部材」に相当する。 よって、刊行物1発明の「前記駆動機構50は、上可動体32が配設される上側保持部材36の後側とは反対側となる上側保持部材36の前側に配設され前記駆動モータ45の駆動により上可動体32を上下方向に移動させる右側又は左側の揺動部材55を備え」る点は、本願補正発明の「前記伝達手段は、前記移動部材が配設される前記ベース部材の一面側と反対側となる前記ベース部材の他面側に配設され前記駆動手段の駆動力を前記移動部材へ伝達する第1リンク部材を備え」る点に相当する。 (e)刊行物1発明の「右側の揺動部材55および左側の揺動部材55が、上側保持部材36の第1ガイド孔42の前面側に突出される上可動体32の複数の第1連繋軸33のいずれかに接続される」点は、本願補正発明の「前記第1リンク部材および第2リンク部材が、前記ベース部材のスライド孔を介して前記ベース部材の他面側に突出される前記移動部材の複数の突出部のうちの少なくとも第1の突出部および第2の突出部にそれぞれ接続される」点に相当する。 また、刊行物1発明の「右側の揺動部材55および左側の揺動部材55が、第1ガイド孔42を挟んで左右対称に配設される」点は、本願補正発明の「第1リンク部材に対して前記スライド孔を挟んで対称に第2リンク部材が配設される」点に相当する。 よって、刊行物1発明の「右側の揺動部材55および左側の揺動部材55が、上側保持部材36の第1ガイド孔42の前面側に突出される上可動体32の複数の第1連繋軸33のいずれかに接続されると共に、右側の揺動部材55および左側の揺動部材55が、第1ガイド孔42を挟んで左右対称に配設される遊技機」は、本願補正発明の「前記第1リンク部材および第2リンク部材が、前記ベース部材のスライド孔を介して前記ベース部材の他面側に突出される前記移動部材の複数の突出部のうちの少なくとも第1の突出部および第2の突出部にそれぞれ接続されると共に、第1リンク部材に対して前記スライド孔を挟んで対称に第2リンク部材が配設される遊技機」に相当する。 したがって、本願補正発明と刊行物1発明とは、 「A スライド移動可能に形成される移動部材と、その移動部材をスライド移動させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段が発生する駆動力を前記移動部材へ伝達する伝達手段と、を備えた遊技機において、 B’ 前記移動部材のスライド移動の方向に沿って延設される開口として形成されるスライド孔を有するベース部材と、前記移動部材が配設される前記ベース部材の一面側と反対側となる前記ベース部材の他面側に変位可能に配設される第2リンク部材と、を備え、 C 前記移動部材は、前記ベース部材のスライド孔に挿通される複数の突出部を備え、 D 前記伝達手段は、前記移動部材が配設される前記ベース部材の一面側と反対側となる前記ベース部材の他面側に配設され前記駆動手段の駆動力を前記移動部材へ伝達する第1リンク部材を備え、 E 前記第1リンク部材および第2リンク部材が、前記ベース部材のスライド孔を介して前記ベース部材の他面側に突出される前記移動部材の複数の突出部のうちの少なくとも第1の突出部および第2の突出部にそれぞれ接続されると共に、第1リンク部材に対して前記スライド孔を挟んで対称に第2リンク部材が配設される遊技機。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点] 本願補正発明は、弾性変形された状態で前記ベース部材の一面側に配設され、その弾性回復力による付勢力を、前記第2リンク部材を変位方向の一方側に保持する方向へ作用させる付勢手段を備えるのに対し、刊行物1発明は、そのような構成を備えていない点。 (4)判断 ア 上記相違点について検討する。 刊行物2発明は、上記(2)で示したとおりであり、遊技機10の構成として「駆動ベース部材720の正面側に配設される第1左側アーム部材733a1、第1右側アーム部材733a2、第2左側アーム部材733b1、及び第2右側アーム部材733b2から構成される4節のリンク」と、「駆動ベース部材720の裏面側に配設され、その復元力が第1可動演出部材731を初期位置に戻すときの動作補助に用いられるトーションバネ733d」とを含むものである。 そして、刊行物2発明の「4節のリンク」のいずれかのリンク、「トーションバネ733d」、「駆動ベース部材720」は、それぞれ、本願補正発明の「第2リンク部材」、「付勢手段」、「ベース部材」に対応する構成であり、刊行物2発明の「4節のリンク」は、駆動ベース部材720の正面側に配設されるのに対し、「トーションバネ733d」は、駆動ベース部材720の裏面側に配設されるから、刊行物2発明には、トーションバネ733d(付勢手段)を、駆動ベース部材720(ベース部材)に対し、4節のリンク(第2リンク部材)と反対側に配設した点が開示されている。 また、刊行物2発明の「トーションバネ733d」は、「その復元力が第1可動演出部材731を初期位置に戻すときの動作補助に用いられる」から、本願補正発明の「付勢手段」の「弾性回復力による付勢力を第2リンク部材を変位方向の一方側に保持する方向へ作用させる」ことに対応する構成を有するものである。 さらに、刊行物2発明において、トーションバネ733dの復元力を、第1可動演出部材731を初期位置に戻すときの動作補助に用いるためには、復元力が得られるようにトーションバネ733dを配設する必要があるから、トーションバネ733dを弾性変形された状態で駆動ベース部材720に配設することは、当業者にとって自明な事項である。 刊行物1発明と刊行物2発明とは、共に駆動手段の駆動力をリンク部材を用いて可動部材に伝達して可動部材を移動させる遊技機である点で共通するものであるから、刊行物1発明に刊行物2発明を適用し、上側保持部材36の(揺動部材55が配設された前側と反対側の)後側に付勢手段を配設し、上記相違点に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。 イ 本願補正発明が奏する効果について 上記相違点によって本願補正発明が奏する効果は、当業者が刊行物1発明、刊行物2発明から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。 ウ 請求人の主張について 請求人は、審判請求書において「これに対し、付勢手段をベース部材の一面側(第2リンク部材と反対側)に配設する本願の請求項1によれば、移動部材の側方に形成されるデッドスペースに付勢手段を配設することができます。 これにより、付勢手段をベース部材との間に配設するために、第2リンク部材をベース部材の正面から離間させる必要がなく、役物を前後方向に小型化できます。 また、第2リンク部材をベース部材の正面へ近接させるために、付勢手段を収容するための空間(切り欠き)を第2リンク部材の背面に形成する必要もありませんので、第2リンク部材の剛性を確保できます。よって、変位を安定化して、演出効果を向上できると共に、第2リンク部材の耐久性を向上できます。 更に、付勢手段と第2リンク部材との干渉を考慮する必要がなくなりますので、付勢手段を第2リンク部の変位領域と正面視において重なる位置に配設することができます。よって、その分、役物の正面視における外形を小型化できます。 以上のとおり、引用文献1には、付勢手段が開示されておらず、引用文献2,3には、役物付勢部材96及びトーションバネ85が記載されているものの、これら引用文献2,3には、ベース部材のデッドスペースを活用するための上記特徴的構成は一切開示されていません。 よって、役物を小型化する、という本願発明の効果を享受することもできません。」と主張する(第6頁第21行~第7頁第10行)。 しかしながら、上記アで検討したとおり、刊行物2発明には、トーションバネ733d(付勢手段)を、駆動ベース部材720(ベース部材)に対し、4節のリンク(第2リンク部材)と反対側に配設した点が開示されている。 そして、付勢手段と第2リンク部材との干渉を考慮する必要がなくなり、役物の正面視における外径小型化できるという効果は、刊行物2発明に開示された付勢手段と第2リンク部材の配置から予測できるものであり、格別のものとはいえない。 よって、請求人の主張は採用できない。 (5)まとめ 以上のように、本願補正発明は、 当業者が刊行物1発明、刊行物2発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 むすび したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1、2に係る発明は、平成28年7月19日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1、2に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりのものである。 「【請求項1】 スライド移動可能に形成される移動部材と、その移動部材をスライド移動させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段が発生する駆動力を前記移動部材へ伝達する伝達手段と、を備えた遊技機において、 前記移動部材のスライド移動の方向に沿って延設される開口として形成されるスライド孔を有するベース部材と、前記移動部材が配設される前記ベース部材の一面側と反対側となる前記ベース部材の他面側に変位可能に配設される第2リンク部材と、を備え、 前記移動部材は、前記ベース部材のスライド孔に挿通される複数の突出部を備え、 前記伝達手段は、前記移動部材が配設される前記ベース部材の一面側と反対側となる前記ベース部材の他面側に配設され前記駆動手段の駆動力を前記移動部材へ伝達する第1リンク部材を備え、 前記第1リンク部材および第2リンク部材が、前記ベース部材のスライド孔を介して前記ベース部材の他面側に突出される前記移動部材の複数の突出部のうちの少なくとも第1の突出部および第2の突出部にそれぞれ接続されると共に、第1リンク部材に対して前記スライド孔を挟んで対称に第2リンク部材が配設されることを特徴とする遊技機。」 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、以下のとおりである。 ・理由1(新規性)この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先権主張の日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 ・理由2(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先権主張の日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:特開2009-268538号公報 3 刊行物 刊行物1及びその記載事項、並びに刊行物1発明は、上記「第2 3(1)」に記載したとおりである。 4 対比 本願発明は、本願補正発明を特定するために必要な事項である「ベース部材」と「第2リンク部材」との関係について、「弾性変形された状態で前記ベース部材の一面側に配設され、その弾性回復力による付勢力を、前記第2リンク部材を変位方向の一方側に保持する方向へ作用させる付勢手段と、」を備えるとの限定を省くものである。 そして、本願発明と刊行物1発明とを対比すると、全ての構成において一致し、相違点はない。また、仮に相違点があったとしても、当業者が容易になし得たものである。 5 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号又は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-013247

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