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特許拒絶査定不服審判

2017-008281

メッセンジャサービス方法、メッセンジャサービスシステム及びコンピュータプログラム

審判番号
2017-008281
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-253319外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年06月07日
審決日
2018年03月19日
公報発行日
2018年06月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G06F) / P18 .575-Z (G06F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-253319「メッセンジャサービス方法、メッセンジャサービスシステム及びコンピュータプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 7月11日出願公開、特開2016-126790〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は,平成27年12月25日(パリ条約による優先権主張2015年1月2日,大韓民国)の出願であって,平成28年11月11日付けの拒絶理由の通知に対し,平成29年1月16日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが,平成29年4月4日付けで拒絶査定がなされ,これに対して平成29年6月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成29年6月7日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成29年6月7日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により,特許請求の範囲の請求項1の記載は,次のとおり補正された。(下線部は,補正箇所である。) 「2つ以上の端末機間で通信を実現するメッセンジャサービス方法であって, チャットルームに少なくとも1つの他の端末機を参加させる段階, 端末機に既に格納されているテキストとイメージとを含む複数のテンプレートのうちの1つ以上を提供する段階, 提供されたテンプレートのうちのいずれか1つのテンプレートが選択されるようにユーザから入力を受ける段階, 前記ユーザからテキストが入力される段階, 選択されたテンプレートのうちテキストの部分を前記ユーザから入力されたテキストで修正した新たなテンプレートを前記ユーザに表示する段階,および 前記新たなテンプレートをコンテンツとして,前記チャットルームに参加している他の端末機に送信する段階であって,送信された前記新たなテンプレートは,前記端末機及び前記他の端末機の各々において,チャットウィンドウの片側に表示される,段階 を含む,メッセンジャサービス方法。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の,平成29年1月16日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「2つ以上の端末機間で通信を実現するメッセンジャサービス方法であって, チャットルームに少なくとも1つの他の端末機を参加させる段階, 端末機に既に格納されているテキストとイメージとを含む複数のテンプレートのうちの1つ以上を提供する段階, 提供されたテンプレートのうちのいずれか1つのテンプレートが選択されるようにユーザから入力を受ける段階, 前記ユーザからテキストが入力される段階, 選択されたテンプレートのうちテキストの部分を前記ユーザから入力されたテキストで修正した新たなテンプレートを前記ユーザに表示する段階,および 前記新たなテンプレートをコンテンツとして,前記チャットルームに参加している他の端末機に送信する段階 を含む,メッセンジャサービス方法。」 2 補正の適否 本件補正は,本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「前記新たなテンプレートをコンテンツとして,前記チャットルームに参加している他の端末機に送信する段階」を,「前記新たなテンプレートをコンテンツとして,前記チャットルームに参加している他の端末機に送信する段階であって,送信された前記新たなテンプレートは,前記端末機及び前記他の端末機の各々において,チャットウィンドウの片側に表示される,段階」と限定することにより,特許請求の範囲を限定的に減縮するものであって,補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで,本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について,以下,検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は,上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献の記載事項 ア 引用文献1 原査定の拒絶の理由に引用された「リンクアップ,今すぐ使えるかんたん mini LINE 基本&活用技[最新版],株式会社技術評論社,発行日2014年6月5日,初版」(以下「引用文献1」という。)には,以下の事項(ア)~(エ)が記載されている。 (ア)第12~13ページ (イ)第60~62ページ (ウ)第158~159ページ (エ)第160~161ページ (オ)上記記載から,引用文献1には,次の技術的事項が記載されているものと認められる。 a 上記(ア)より,Androidスマートフォン,iPhoneといったスマートフォンなどでインターネットを通じてユーザー同士で通話やメッセージのやりとりなどができる「LINE」というアプリにおいて(第12ページ),友達とメッセージをやりとりする「トーク」が利用でき,トークではテキストや絵文字,顔文字の利用はもちろん,写真,動画,位置情報,音声などを送受信し,友だちとのコミュニケーションを楽しむことができること(第13ページ)を読み取ることができる。 b 上記(イ)より,「トーク」を始めるに際して,トークしたい友だちを選択すると,トークルームが作成され,メッセージのやりとりができるようになること(第60ページ)を読み取ることができる。 また,受信したメッセージがトークルームの画面の左側に表示され,送信したメッセージがトークルームの画面の右側に表示されること(第62ページ)も読み取ることができる。 c 上記(ウ)より,あらかじめ,LINE Cardをインストールしておき,このLINE Cardを起動すると複数のカードが表示され,表示された各々のカードは動物や人物のキャラクタと吹き出しのイメージを含み,この表示された複数のカードのうちから利用するカードをタップして選択すると,この選択されたカードが編集の対象となり,カード内のメッセージをタップすると本文が入力可能となり,<Done>をタップすると入力された本文が反映されたカードが送信可能となること(第158ページ)を読み取ることができる。 d 上記(エ)より,トーク中にLINE Cardを作成して送信することができ,その具体的な操作手順として,メッセージ入力欄横の+をタップし,<写真を選択>のタップ或いは右から左への画面のドラッグを行った後,<LINE Card>をタップし,カードを作成した後にフィルターをタップして選択し,<送信>をタップすることでトークルームに直接カードを送信することができ,送信されたカードがトークルームの画面の右側に表示されること(第161ページ)を読み取ることができる。ここで,フィルターをタップして選択する際に,作成したカードにそれぞれ異なるフィルター効果を施したカードが表示されることも見てとれる。 (カ)上記(ア)~(オ)から,上記引用文献1には次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているといえる。 「Androidスマートフォン,iPhoneといったスマートフォンなどでインターネットを通じてユーザー同士で通話やメッセージのやりとりなどができる「LINE」というアプリにおいて,友達とメッセージをやりとりする「トーク」が利用でき,トークではテキストや絵文字,顔文字の利用はもちろん,写真,動画,位置情報,音声などを送受信し,友だちとのコミュニケーションを楽しむことができ, 「トーク」を始めるに際して,トークしたい友だちを選択すると,トークルームが作成され,メッセージのやりとりができるようになり,受信したメッセージがトークルームの画面の左側に表示され,送信したメッセージがトークルームの画面の右側に表示され, あらかじめ,LINE Cardをインストールしておき,このLINE Cardを起動すると複数のカードが表示され,表示された各々のカードは動物や人物のキャラクタと吹き出しのイメージを含み,この表示された複数のカードのうちから利用するカードをタップして選択すると,この選択されたカードが編集の対象となり,カード内のメッセージをタップすると,本文が入力可能となり,<Done>をタップすると入力された本文が反映されたカードが送信可能となり, トーク中にLINE Cardで作成したカードを送信することができ,その具体的な操作手順として,メッセージ入力欄横の+をタップし,<写真を選択>のタップ或いは右から左への画面のドラッグを行った後,<LINE Card>をタップし,カードを作成した後にフィルターをタップして選択し,その際に作成したカードにそれぞれ異なるフィルター効果を施したカードが表示され,<送信>をタップすることでトークルームに直接カードを送信することができ,送信されたカードがトークルームの画面の右側に表示される, 「LINE」というアプリによってメッセージをやりとりする方法。」 イ 周知技術を示す文献 (ア)原査定において周知技術を示す文献として引用された特開2005-158015号公報(以下,「引用文献5」という。)には,図6,7,13,18~20と共に次の事項が記載されている(下線は重要箇所に対して当審が付した。以下,同様。)。 「【0145】 図18は,図6あるいは図7に示されたテンプレートデータに対する読込処理が実行されているときの画面遷移の具体例を示す図である。 【0146】 図18を参照して,読込処理が開始した始めの8秒間(左図)には,上述のように画像データ「FirstMovie.mpg」,テキストデータ「FirstText.txt」,および音声データ「FirstSound.smf」が再生され,次の8秒間(右上図)には画像データ「SecondImage.jpg」,テキストデータ「SecondText.txt」,および「SecondSound.mp3」が指定されたレイアウトにそって表示されている。また,最初の8秒間では,「メッセージを入力します」ガイダンスが表示され,次の8秒間には「写真をとります」「マイク録音します」ガイダンスが表示されている。最初の8秒間に,ユーザによるSelectキーの押下などが行なわれることによりテキストエディタが起動される。また次の8秒間に,ユーザによるSelectキーの押下などが行なわれることによりカメラまたはマイクが起動されるが,その前に,どちらの機能を起動するかを選択する画面(右下図)が表示され,選択された機能が起動される。 【0147】 次に,それぞれの機能が起動され,データが編集された状態を図19に示す。図19を参照して,上述の操作によって,テンプレートデータの最初の8秒間で表示されるテキストデータが「気持ちです」に編集され(InputtedText.txt),次の8秒間で表示される写真と音とがそれぞれ編集されている(InputtedImage.jpg,InputtedSound.mp3)ことが示されている。 【0148】 このような変更されたテンプレートデータは,メッセージ送信を行なうなどするために,ユーザによってメッセージ作成の終了を指示するための操作が行なわれたときに,図13のステップS27のメッセージデータ書出処理にて,メッセージデータを作成するために利用される。 【0149】 ステップS27でのメッセージデータ書出処理の第1の具体例としては,このように編集された図16または図17のテンプレートデータが,そのまま書出される処理が挙げられる。図20に,メディアデータ部分を含めた,第1の具体例であるメッセージデータ書出処理で書出されるメッセージデータの構成の具体例を示す。図20を参照して,書出されるメッセージデータのメディアデータ部分からは,当初のテンプレートに含まれていたテキストデータ「FirstText.txt」と画像データ「SecondImage.jpg」とが削除されて,替わりにテキストデータ「InputtedText.txt」と画像データ「InputtedText.jpg」とが加わっている。 ・・・(中略)・・・ 【0159】 前述した第1,および第2の具体例では,書出されるメッセージデータには,編集後のテンプレートデータが含まれる。したがって,一時保存したメッセージデータを読出し,読出したメッセージデータに含まれる編集後のテンプレートデータを用いれば,読出したメッセージデータを再編集することができる。」 (なお、上記段落【0149】の「画像データ「InputtedText.jpg」」との記載は、上記段落【0147】及び図20の記載より、「画像データ「InputtedImage.jpg」」の誤記と認められる。) (イ)当審が新たに引用する国際公開第2009/001470号(以下,「引用文献7」という。)には,図1と共に次の事項が記載されている。 「[0028]このような構成において,この携帯電話は,上記したように,当該携帯電話を利用する利用者から入力された文字列と予め記憶するテンプレートとを結合した電子メールを送信することを概要とするものであり,特に,文字列とテンプレートとを結合した電子メールを簡単に再編集することが可能である点に主たる特徴がある。 [0029]この主たる特徴を具体的に説明すると,この携帯電話は,利用者によって入力された文字列が挿入される文字挿入部を備えた複数のテンプレートを記憶する。具体的には,携帯電話は,利用者によってメールの「本文」に入力された文字列「今日も一日頑張りましょう」や「明日18:00でどうですか?」などを挿入する文字列挿入部を備えた,「挨拶」,「お祝い」,「お誘い」など様々なジャンルのカテゴリを網羅したテンプレートを記憶している。また,ここで記憶されるテンプレートとは,文字列と画像などから構成される予め作成されたHTML形式の画像データである。 ・・・(中略)・・・ [0032]その後,携帯電話は,結合して生成したHTMLメールの編集指示が利用者によって入力されると(図1の(4)参照),「テンプレート一覧」を再度表示出力する(図1の(5)参照)。そして,携帯電話は,再度表示出力した「テンプレート一覧」から「HappyBirthday」が利用者によって選択されると,「本文=お久しぶりです。元気ですか?」をテンプレート「HappyBirthday」の文字入力部に挿入して,本文とテンプレートを結合し,図1の(6)に示すHTMLメールを生成する。その後,携帯電話は,利用者によってメール送信指示が入力されると,作成したHTMLメールを宛先に送信する(図1の(7)参照)。なお,携帯電話は,本文の内容が編集される場合には,テンプレートを意識することなく,本文の修正を受け付けて,編集された本文をテンプレートの文字列挿入部に挿入する。」 (3)対比 補正発明と引用発明とを対比すると次のことがいえる。 ア 引用発明の「「LINE」というアプリによってメッセージをやりとりする方法」は,「Androidスマートフォン,iPhoneといったスマートフォンなどでインターネットを通じてユーザー同士で通話やメッセージのやりとりなどができる」ことから,「2つ以上の端末機間で通信を実現するメッセンジャサービス方法」であるといえ,この点で補正発明と一致している。 イ 引用発明の「トークルーム」は,作成されることによって「メッセージのやりとりができるようにな」るものであるから,本願発明の「チャットルーム」に相当する。 そして,この「トークルーム」は,「「トーク」を始めるに際して,トークしたい友だちを選択する」ことによって作成されるから,「トークしたい友だちを選択する」ことは,補正発明の「チャットルームに少なくとも1つの他の端末機を参加させる段階」に相当するといえる。 ウ 引用発明の「カード」は,「動物や人物のキャラクタと吹き出しのイメージを含」んでいるから,「イメージ」を含む点で補正発明の「テンプレート」と共通する。 そして,引用発明が「カード」を表示するに際して,「カード」として表示される「イメージ」が「Androidスマートフォン,iPhoneといったスマートフォンなど」に格納されていることは明らかである。 そうすると,引用発明の「複数のカードが表示され,表示された各々のカードは動物や人物のキャラクタと吹き出しのイメージを含」むことは,補正発明と「端末機に既に格納されているイメージを含む複数のテンプレートのうちの1つ以上を提供する段階」である点で共通するといえる。 エ 引用発明において,「タップ」をユーザからの入力として受けていることは明らかであるから,引用発明の「表示された複数のカードのうちから利用するカードをタップして選択する」ことは,補正発明の「提供されたテンプレートのうちのいずれか1つのテンプレートが選択されるようにユーザから入力を受ける段階」に相当するといえる。 オ 引用発明では,「選択されたカード」に対して「カード内のメッセージをタップすると,本文が入力可能とな」ることにより,ユーザから本文としてのテキストが入力されることは明らかであるから,引用発明のこの構成は,補正発明の「前記ユーザからテキストが入力される段階」に相当するといえる。 カ 引用発明の「作成したカード」は,選択された「カード」にユーザから本文として入力されたテキストが反映されたものであるから,「ユーザから入力されたテキストで修正」されたものであるといえ,この点で補正発明の「新たなテンプレート」と共通するといえる。 そうすると,引用発明の「カードを作成した後にフィルターをタップして選択」する際に「作成したカードにそれぞれ異なるフィルター効果を施したカードが表示され」ることは,補正発明の「選択されたテンプレートを前記ユーザから入力されたテキストで修正した新たなテンプレートを前記ユーザに表示する段階」である点で共通するといえる。 キ 下記(ア),(イ)より,補正発明と引用発明とは,「前記新たなテンプレートをコンテンツとして,前記チャットルームに参加している他の端末機に送信する段階であって,送信された前記新たなテンプレートは,前記端末機及び前記他の端末機の各々において,チャットウィンドウの片側に表示される,段階」を有する点で一致するといえる。 (ア)引用発明の「トークルームの画面」は,補正発明の「チャットウィンドウ」に相当するといえる。また,引用発明において「トーク中」に「作成して送信」される「カード」は,「コンテンツ」といいえるものである。さらに,引用発明において「トークルーム」に「カード」を送信することは,「トークしたい友だち」の「Androidスマートフォン,iPhoneといったスマートフォンなど」へ「カード」を送信することであるといえる。 そうすると,引用発明において,「トーク中」に「カード」を「作成」し,「トークルームに直接カードを送信すること」は,補正発明の「前記新たなテンプレートをコンテンツとして,前記チャットルームに参加している他の端末機に送信する段階」に相当するといえる。 (イ)引用発明の「トークルームの画面」は,補正発明の「チャットウィンドウ」に相当するといえる。そして,引用発明は「友達とメッセージをやりとりする「トーク」が利用でき,トークではテキストや絵文字,顔文字の利用はもちろん,写真,動画,位置情報,音声などを送受信」できるものであるから,「トーク中」に「作成して送信」される「カード」も「メッセージ」に含まれ,また,「受信したメッセージがトークルームの画面の左側に表示され,送信したメッセージがトークルームの画面の右側に表示され」るから,「受信したメッセージ」が「カード」の場合も「画面の左側に表示され」るものといえる。 そうすると,引用発明は,送信側と受信側の双方が「LINE」アプリを使用してメッセージをやりとりするものであって,受信側の端末機でも受信したカードがトークルームの画面の左側に表示されるといえるから,補正発明と引用発明とは,「送信された前記新たなテンプレートは,前記端末機及び前記他の端末機の各々において,チャットウィンドウの片側に表示される,段階」を有する点で一致するといえる。 したがって,補正発明と引用発明との間には,以下の一致点および相違点があるといえる。 【一致点】 「2つ以上の端末機間で通信を実現するメッセンジャサービス方法であって, チャットルームに少なくとも1つの他の端末機を参加させる段階, 端末機に既に格納されているイメージを含む複数のテンプレートのうちの1つ以上を提供する段階, 提供されたテンプレートのうちのいずれか1つのテンプレートが選択されるようにユーザから入力を受ける段階, 前記ユーザからテキストが入力される段階, 選択されたテンプレートを前記ユーザから入力されたテキストで修正した新たなテンプレートを前記ユーザに表示する段階, 前記新たなテンプレートをコンテンツとして,前記チャットルームに参加している他の端末機に送信する段階であって,送信された前記新たなテンプレートは,前記端末機及び前記他の端末機の各々において,チャットウィンドウの片側に表示される,段階 を含む,メッセンジャサービス方法。」 【相違点1】 補正発明の「テンプレート」は「テキストとイメージを含む」ものであるのに対して,引用発明の「カード」は「イメージ」を含んでいるものの「テキスト」を含むものとは特定されていない点。 【相違点2】 一致点の「選択されたテンプレートを前記ユーザから入力されたテキストで修正した新たなテンプレートを前記ユーザに表示する段階」に関して,補正発明は「新たなテンプレート」が「選択されたテンプレートのうちテキストの部分を前記ユーザから入力されたテキストで修正し」たものであるのに対して,引用発明では「カード」に含まれるテキストの部分をユーザから入力されたテキストで修正するものとは特定されていない点。 (4)判断 以下,相違点について検討する。 ア 相違点1,2について 上記相違点1,2についてまとめて検討する。 下記(ア),(イ)の事情を総合すると,引用発明において,相違点1,2に係る補正発明の構成を採用することは,当業者が容易に推考し得たことというべきである。 (ア)上記引用文献5,7には,テンプレートデータまたはテンプレート(補正発明の「テンプレート」に相当する。)に画像データまたは画像(補正発明の「イメージ」に相当する。)とテキストデータまたは文字列(補正発明の「テキスト」に相当する。)を含め,このテキストデータまたは文字列を編集したものをメッセージデータまたは電子メール(補正発明の「コンテンツ」に相当する。)として送信する構成により,メッセージデータまたは電子メール(「コンテンツ」)を再編集できるようにすることが記載されており,このように「テンプレートをテキストとイメージとを含むものとし,このテンプレートに含まれるテキストを編集したものをコンテンツとして送信すること」は周知技術であったといえる。 (イ)引用発明においても,「トーク中」に「作成して送信」される「カード」(「コンテンツ」)を再編集できるようにするために,上記周知技術を採用することは,当業者が容易に想到し得たことである。 したがって,引用発明において,「カード」を「テキストとイメージとを含む」ものとし(相違点1),「カード」に含まれるテキストの部分をユーザから入力されたテキストで修正(再編集)する構成とすること(相違点2)は,当業者が容易になし得たことである。 イ そして,これらの相違点を総合的に勘案しても,本件補正発明の奏する作用効果は,引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず,格別顕著なものということはできない。 ウ したがって,本件補正発明は,引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正についてのむすび よって,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって,上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成29年6月7日にされた手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項に係る発明は,平成29年1月16日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし18に記載された事項により特定されるおのであるところ,その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,その請求項1に記載された事項に特定される,前記第2[理由]1(2)に記載のとおりものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は,この出願の請求項1-18に係る発明は,本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1記載された発明,引用文献2-3に記載された事項及び周知技術に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない,というものである。 引用文献1:リンクアップ,今すぐ使えるかんたん mini LINE 基本&活用技[最新版],株式会社技術評論社,発行日2014年6月5日,初版 引用文献2:できるシリーズ編集部,これからはじめるLINE 基本&活用ワザ公式ガイド,株式会社インプレス,発売日2014年2月21日,初版発行日2014年2月21日,発行日2014年12月11日,第1版 引用文献3:特開平11-203227号公報 引用文献4:特開2014-203454号公報 引用文献5:特開2005-158015号公報 引用文献6:特開2002-189666号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項は,前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は,前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から,「前記新たなテンプレートをコンテンツとして,前記チャットルームに参加している他の端末機に送信する段階」に係る限定事項を削除したものである。 そうすると,本願発明の発明特定事項を全て含み,さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が,前記第2の[理由]2(3),(4)に記載したとおり,引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も,引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。 よって,結論のとおり審決する。

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2017-008281

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