意匠拒絶査定不服審判
2017-003213
歯間清掃具
- 審判番号
- 2017-003213
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2015-025704外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年03月03日
- 審決日
- 2017年08月28日
- 公報発行日
- 2020年11月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- D18 .113-WY (C4-1)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
意願2015-25704「歯間清掃具」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由
【理 由】
1.本願意匠
本願は,平成27年(2015年)11月17日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「歯間清掃具」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。
2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,特許庁から発行された意匠公報に記載の意匠登録第1413054号の意匠(「意匠に係る物品,歯間清掃具」。以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)であって,その形態は,同公報に記載されたとおりのものある(別紙第2参照)。
3.当審の判断
(1)意匠に係る物品について
両意匠を対比すると,意匠に係る物品については,両意匠ともに「歯間清掃具」であるから,一致している。
(2)形態について
両意匠の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
(2-1)共通点
本体に対してブラシ部を約120度の角度を付けて,全体で略「へ」の字状にした歯間清掃具であって,ブラシ部は,針状小突起によって細長い略円錐形状(りゃくえんすいけいじょう)に表れるものであり,本体は,細幅平板状の把持部の上方に,該把持部の半分程度の幅のネック部を緩やかな屈曲により正面視右方向にオフセットして延設したものである点,ネック部上方端部が略扇形状となっている点,で共通している。
(2-2)相違点
それに対して,
(a)ネック部上方端部の外形状につき,本願意匠は,偏平な扇形状に,略台形状の突起部を設けているのに対して,引用意匠は,扇形状である点,
(b)ネック部上方端の表面形態につき,本願意匠は,突起部下辺が谷線(審判請求書でいう「線A」。以下同様。),左側に谷線(線B)及び右側に山線(線C)にした屈曲面としているのに対して,引用意匠は,平滑面である点,
(c)把持部の表面形態につき,本願意匠は,中央に湾曲状のへこみを縦に設けているのに対して,引用意匠は,平滑面である点,
(d)本体の左側面視の厚さにつき,本願意匠は,突起部の厚さをブラシ部の軸芯の太さとほぼ同じにし,その突起部下端から下に向かって,軸芯の太さの2倍に厚さが増しているのに対して,引用意匠は,軸芯の太さとほぼ同じ厚さで一定である点,
(e)ネック部の表面形態につき,本願意匠は,右端が薄くとがるような楔状(くさびじょう)であるのに対し,引用意匠は,平滑面である点,(その結果,D-D線部端面図に表れているとおり,本願意匠は,ネック部と把持部の接続部分右側において,楔状の薄い部分から,把持部右端にかけて裾広がり状に厚みが増している。)
(f)把持部下方端部の正面視外形状につき,本願意匠は,斜めに切り上がっているのに対して,引用意匠は,水平である点,
で相違する。
(3)類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価し,本願意匠と引用意匠が類似するか否か,すなわち両意匠の類似性について考察する。
まず,共通点は,両意匠の全体にわたる基本的な形態であるから,一定程度の共通感を醸し出すものであるが,これらの共通点は,本願出願前より,この種物品分野で見られるものであって,両意匠のみの特徴的形態とは認められず,かつ,歯間清掃具の形態を概略的に捉えたに過ぎないものであるから,これらの共通点のみをもって両意匠の類否判断を決定することはできない。
これに対して,相違点(c)及び(d)により,両意匠を立体的に考察した場合,本願意匠の把持部は,分厚く頑丈に見え,かつ,へこみによって指先でのつまみやすさや滑りにくさを認知できるもので,歯間清掃が容易に行える印象を強く与えるものであり,平滑面のみの引用意匠とは,需要者に対して別異な印象を与えるものであるから,この相違点(c)及び(d)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいといえる。
そして,相違点(e)は,相違点(c)と相まって,本体部の表面を凹凸によって立体的表情を豊かにし,全体が平滑面の引用意匠とは,需要者に対して別異な印象を与えるものであるから,相違点(e)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きい。
相違点(a)及び(b)は,ネック部の上方端部の形態であって,両意匠を全体観察した場合は,面積の小さい極一部分の相違といえるから,この点の両意匠の類否判断に及ぼす影響は限定的と認められる。
相違点(f)は,この点のみで,両意匠の類似又は非類似が決まることはないと考えられるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は限定的と認められる。
そうすると,相違点(a),(b)及び(f)が両意匠の類否判断に及ぼす影響が限定的であるとしても,相違点(c)ないし(e)による視覚的効果は,共通点のそれをしのいで類否判断を支配し,両意匠に異なる美感を起こさせるものであるから,本願意匠が引用意匠に類似するということはできない。
4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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