特許拒絶査定不服審判
2017-000724
各台計数システム
- 審判番号
- 2017-000724
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-097240外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年01月18日
- 審決日
- 2017年09月19日
- 公報発行日
- 2017年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015- 97240号「各台計数システム」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 8月 6日出願公開、特開2015-142821号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成22年3月2日に特許出願された特願2010-45957号の一部を平成27年5月12日に新たに特許出願されたものであって、平成28年4月7日付けで拒絶理由が通知され、平成28年6月13日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成28年10月7日付けで拒絶査定がなされ、これに対し平成29年1月18日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に明細書及び特許請求の範囲に係る手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。
第2 本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
1.本件補正の概要
本件補正は特許請求の範囲の請求項1、2の記載を含む補正であり、平成28年6月13日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ、以下のとおりである(下線部は、本件補正箇所を示す。)。
(補正前:平成28年6月13日付け手続補正)
「【請求項1】
遊技台ごとに設けられ、遊技者の獲得した遊技媒体を計数する遊技媒体計数手段を有する各台装置と、前記各台装置と通信可能に設けられ、前記各台装置の前記遊技媒体計数手段によって計数された遊技媒体数と、前記各台装置で取り扱う記録媒体に記録された識別情報とを対応付けて持遊技媒体数として記憶する持遊技媒体情報記憶手段を有する管理装置とを備えた各台計数システムであって、
前記各台装置は、
前記記録媒体に記録された識別情報を読み取り可能な識別情報読取手段と、
自装置の第1の持遊技媒体数から第2の持遊技媒体数を分割する分割指示を受け付ける分割指示受付手段と、
前記分割指示受付手段によって前記分割指示を受け付けると、前記第1の持遊技媒体数から前記第2の持遊技媒体数を減算する持遊技媒体分割手段と、
前記分割指示受付手段によって前記分割指示を受け付けると、前記識別情報読取手段によって前記記録媒体から読み取られた識別情報と前記第2の持遊技媒体数とを対応付け、前記管理装置へ送信する送信手段と
を備え、
前記管理装置は、
前記送信手段によって送信された前記識別情報と前記第2の持遊技媒体数とを対応付けて前記持遊技媒体情報記憶手段に新たに記憶する
ことを特徴とする各台計数システム。」
(補正後:本件補正である平成29年1月18日付け手続補正)
「請求項1】
遊技台ごとに設けられ、遊技者の獲得した遊技媒体を計数する遊技媒体計数手段を有する各台装置と、前記各台装置と通信可能に設けられ、前記各台装置の前記遊技媒体計数手段によって計数された遊技媒体数と、前記各台装置で取り扱う記録媒体に記録された識別情報とを対応付けて持遊技媒体数として記憶する持遊技媒体情報記憶手段を有する管理装置とを備えた各台計数システムであって、
前記各台装置は、
前記記録媒体に記録された識別情報を読み取り可能な識別情報読取手段と、
自装置の第1の持遊技媒体数から第2の持遊技媒体数を分割する分割指示を受け付ける分割指示受付手段と、
前記分割指示受付手段によって前記分割指示を受け付けると、前記第1の持遊技媒体数から前記第2の持遊技媒体数を減算する持遊技媒体分割手段と、
前記分割指示受付手段によって前記分割指示を受け付けると、前記識別情報読取手段によって前記記録媒体から読み取られた識別情報と前記第2の持遊技媒体数とを対応付け、前記管理装置へ送信する送信手段と、
前記記録媒体を排出する記録媒体排出手段と
を備え、
前記管理装置は、
前記送信手段によって送信された前記識別情報と前記第2の持遊技媒体数とを対応付けて前記持遊技媒体情報記憶手段に新たに記憶する
ことを特徴とする各台計数システム。」
2.補正の適否
本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「各台装置」について、「前記記録媒体を排出する記録媒体排出手段」をさらに備えるとの限定を付加する補正を行うものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、本件補正は新規事項を追加するものではない。
3.独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同様第126条第7項の規定に適合するか否か、について以下に検討する。
(1)本件補正後の請求項1に係る発明
本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)は、上記1.の本件補正の概要において示した次のとおりのものである(A~Hは本件補正発明を分説するため当審で付した。)。
「A 遊技台ごとに設けられ、遊技者の獲得した遊技媒体を計数する遊技媒体計数手段を有する各台装置と、前記各台装置と通信可能に設けられ、前記各台装置の前記遊技媒体計数手段によって計数された遊技媒体数と、前記各台装置で取り扱う記録媒体に記録された識別情報とを対応付けて持遊技媒体数として記憶する持遊技媒体情報記憶手段を有する管理装置とを備えた各台計数システムであって、
B 前記各台装置は、
前記記録媒体に記録された識別情報を読み取り可能な識別情報読取手段と、
C 自装置の第1の持遊技媒体数から第2の持遊技媒体数を分割する分割指示を受け付ける分割指示受付手段と、
D 前記分割指示受付手段によって前記分割指示を受け付けると、前記第1の持遊技媒体数から前記第2の持遊技媒体数を減算する持遊技媒体分割手段と、
E 前記分割指示受付手段によって前記分割指示を受け付けると、前記識別情報読取手段によって前記記録媒体から読み取られた識別情報と前記第2の持遊技媒体数とを対応付け、前記管理装置へ送信する送信手段と、
F 前記記録媒体を排出する記録媒体排出手段と
を備え、
G 前記管理装置は、
前記送信手段によって送信された前記識別情報と前記第2の持遊技媒体数とを対応付けて前記持遊技媒体情報記憶手段に新たに記憶する
H ことを特徴とする各台計数システム。」
(2)刊行物に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開2004-141524号公報(以下、「刊行物」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(ア)「【0053】
図1は遊技設備装置の全体構成を示す模式的な概略図である。
図1に示すように、本実施形態の遊技設備装置1は、複数の遊技装置2と、該複数の遊技装置2と通信可能な管理装置と、を備えて構成されている。
管理装置は、本実施形態の場合、例えば、複数の遊技装置2と直接通信を行う中継装置3と、複数の中継装置3と直接通信を行うホール管理コンピュータ4とからなる分割構成をなしている。つまり、ホール管理コンピュータ4は、中継装置3を介して複数の遊技装置2と間接的に通信を行う。なお、ホール管理コンピュータ4と中継装置3との通信、並びに、中継装置3と遊技装置2との通信は、有線通信であっても良いし、無線通信であっても良い。
【0054】
ホール管理コンピュータ4は、図2に示すように、外部I/F部44を介して中継装置3との間でデータの送受信が可能なCPU41を備える。
さらに、ホール管理コンピュータ4は、CPU41が実行する制御プログラム等を記憶したROM42、CPU41の作業領域及び各種データの記憶領域を有するRAM43、複数の(具体的には、例えば全ての会員の)会員情報を記憶した会員情報記憶部45を備えている。
【0055】
ここで、会員情報には、持球数データ(遊技媒体データ)、貯球データ(貯遊技媒体データ)、金額データ、会員番号データ、暗証番号データ、カナデータ及びポイントデータ等が含まれる。
持球数データ(遊技媒体データ)とは、該当する遊技者が、例えば当日の遊技で獲得した持球数(遊技球数)を示すデータである。なお、パチスロ遊技機で遊技した場合に、遊技媒体データは、持っているメダル数を示す持メダル数データとなり、持球数データと同様に扱うことができる。
なお、遊技者が、例えば、当日の遊技を終了する場合等には、持球数データ分のデータを加算して貯球データ(貯遊技媒体データ)を更新するか、或いは、該当する会員の貯球データがそれまで存在しなかった場合には新たに貯球データを生成することが可能となっている。遊技者は、後で(例えば後日)該貯球データを利用して(持球数データに変換して)遊技を行うことが可能である。なお、パチスロ遊技機で遊技した場合、貯遊技媒体データは、貯メダルデータとなり、貯球データと同様に扱うことができる。
金額データとは、該当する遊技者が現金付加装置(当該遊技設備装置1が備える;図示略)に投入した金額に基づき更新或いは生成される。すなわち、例えば、遊技者が遊技を行う前に予め現金付加装置に会員カードを挿入した状態で現金を投入すると、現金付加装置は、当該会員カードより読み取った会員ID(会員を特定するための情報;例えば、会員番号データ)及び投入された金額分のデータをホール管理コンピュータ4に送信する。すると、ホール管理コンピュータ4では該当する会員情報の金額データを更新する(投入金額分を加算する)か、或いは、該当する会員の金額データがそれまで存在しなかった場合には新たに金額データを生成する。金額データは、後述するように持球数データ(遊技媒体データ、持メダルデータ)への変換が可能となっている。
会員番号データは、会員登録の際に遊技店側から遊技者に付与される会員番号のデータである。暗証番号データは、例えば、遊技者が会員登録する際に設定する暗証番号のデータである。カナデータは、会員の氏名の仮名のデータである。ポイントデータは、例えば来店回数や大当り発生回数等に基づき遊技者に付与されるポイント(会員ポイント)のデータである。
なお、会員データの一部(例えば、持球数データ、金額データ、貯球データ及びポイントデータ)は、遊技中(各遊技装置2のカード処理装置22(後述)への会員カードの挿入時)は各カード処理装置22にて管理される。」
(イ)「【0057】
また、本実施形態の遊技装置2は、遊技者が遊技を実行可能な遊技機としての例えば第1種のパチンコ遊技機21と、該パチンコ遊技機21の横隣に設置されたカード処理装置22とを備えて構成されている。
【0058】
カード処理装置22は、当該遊技装置2と中継装置(管理装置)3との間での通信、持球数データ(遊技媒体データ)の生成、及び、会員カードの処理等が可能となっている。
すなわち、図2に示すように、カード処理装置22は、外部I/F部224を介して中継装置3(の外部I/F部31)と接続されたCPU221を備え、該CPU221は、外部I/F部224を介して中継装置3との間でデータの送受信を行う。
さらに、カード処理装置22は、CPU221が行う制御プログラム等を記憶したROM222、CPU221の作業領域及び各種データの記憶領域を有するRAM223を備えている。
加えて、カード処理装置22は、会員カードの挿入を受け付ける会員カード挿入口227(図1)と、各種の表示を行う表示部(例えば、液晶表示装置からなる液晶表示部226)と、各種の操作を行うための操作部(例えば、液晶表示部226に形成されたタッチパネル操作部225)と、を備えている。
そして、CPU221は、タッチパネル操作部225への操作入力に基づき、ホール管理コンピュータ4へのデータの送信処理や、液晶表示部226の表示状態の切替処理等の制御を行う。
・・・
【0061】
ここで、持球数(持球数データ)の管理は、例えば以下のように行う。
先ず、会員カードがカード処理装置22の会員カード挿入口227に挿入されると、カード処理装置22のCPU221は該会員カードの情報を読み取る。CPU221は、具体的には、例えば、会員カードに記憶されている会員ID(例えば会員番号データ)を読み取って、当該会員IDに該当する会員の会員情報の要求をホール管理コンピュータ4に対して行う。
すると、ホール管理コンピュータ4のCPU41は、要求された会員情報(特に、例えば、持球数データ(遊技媒体データ)、金額データ、貯球データ及びポイントデータ)を外部I/F部44を介してカード処理装置2に送信する。
カード処理装置22では、受信した会員情報(例えば、会員情報の一部)を遊技中においては管理する。すなわち、遊技中はカード処理装置22にて会員情報を随時更新する。
また、カード処理装置22は、持球数データがある(持球数に残数がある)場合は、パチンコ遊技機21に対して遊技許可を指示する。
パチンコ遊技機21では、遊技許可指示を受けている状態時には、遊技球を発射して遊技を行うことが可能で、遊技球を発射する毎に(つまり、発射球検出センサからの検出信号が制御装置に入力される毎に)打ち込み球情報をカード処理装置22に送信する。カード処理装置22では、受信した打ち込み球情報に基づき持球数データを減算する。すなわち、1つの打ち込み球情報を受信する毎に(つまり、遊技者が1個の遊技球を発射する毎に)持球数データを1減算し、持球数データが0になるまで遊技を許可する。
ただし、パチンコ遊技機21で入賞が発生した場合(つまり、入賞球検出センサからの検出信号が制御装置に入力された場合)には、賞球情報をパチンコ遊技機21からカード処理装置22に送信する。具体的には、例えば、特別変動入賞装置の入賞口又は一般入賞口への入賞が発生した場合には15個賞球情報を、特図始動入賞口への入賞が発生した場合には5個賞球情報を、それぞれ送信する。そして、カード処理装置22では受信した賞球情報に基づき持球数データを加算する。すなわち、15個賞球情報を1つ受信する毎に持球数データを15ずつ加算する一方で、5個賞球情報を1つ受信する毎に持球数データを5ずつ加算する。
また、パチンコ遊技機21でファール球が発生した場合(つまり、ファール球検出センサからの検出信号が制御装置に入力された場合)には、ファール球情報をパチンコ遊技機21からカード処理装置22に送信する。なお、ファール球とは、発射されたものの遊技領域211に到達しない球である。このため、ファール球は持球数データの減算対象から除外する。すなわち、カード処理装置22では、ファール球情報に基づき持球数データを加算する。具体的には、ファール球情報を1つ受信する毎に持球数データを1加算する。
また、持球数データが0になっても、金額データ又は貯球データの残高減算を伴う球貸し操作が行われた場合、すなわち、タッチパネル操作部225を操作することにより、金額データ又は貯球データから持球数データへの変換要求がなされた場合には、持球数データが加算される。このため、引き続き遊技を行うことができる。なお、金額データ又は貯球データから持球数データへの変換は、例えば、所定の単位数(例えば、125個の遊技媒体に相当する分)ずつ行うことができるようになっている。
また、カード処理装置22では、随時更新される持球数データに基づく持球数の表示を液晶表示部226にて行うことができるようになっている(例えば、図5(a)等に示すような「獲得遊技球数 2000個」との表示等)。従って、遊技者は、持球数の表示を適時確認することができる。
また、遊技者が遊技を終了する場合には、タッチパネル操作部225の遊技終了ボタンを押すことにより会員情報(遊技を行う結果として更新された持球数データ、金額データ、貯球データ及びポイントデータ)をホール管理コンピュータ4に送信することができる。すなわち、遊技終了ボタンが操作されると、カード処理装置22より中継装置3を介してホール管理コンピュータ4に会員情報が送信され、ホール管理コンピュータ4では、受信した会員情報に基づき当該会員の情報を更新する。
なお、遊技の終了時の処理は、発射されて未だ結果がでていない遊技球が存在している場合は、その結果がでるまで保留される。そして、遊技の終了処理が完了した後に会員カードが会員カード挿入口227から排出される。」
(ウ)「【0069】
より具体的には、遊技媒体データ共有化手段は、共有化元(分与元)の遊技装置(所定の遊技装置)2で獲得した持球数データの一部を共有化先(分与先)の遊技装置(他の遊技装置)2に管理装置を介して送信(分与)することで、共有化先(分与先)の遊技装置2で当該送信(分与)された持球数データを使用しての遊技を可能にする。
すなわち、例えば、共有化先の遊技装置2の遊技者が、共有化元の遊技者を指定するとともに、該共有化元となる遊技装置2で遊技する遊技者に対し持球の共有を要求する操作(持球共有要求操作)を行うと、共有化先の遊技装置2から共有化元の遊技装置2に共有化要求が送信される(図4のステップS11~S19;後述)。
共有化元の遊技装置2では、共有化要求を受信すると、共有化を許可するか否かの選択操作を遊技者に行わせる(図4のステップS21~S22;後述)。
そして、共有化元の遊技者が共有化を許可する操作を行うと、共有化元の遊技装置2が共有化先の遊技装置2に持球数データの一部を送信する。すると、共有化先の遊技装置2では該一部の持球数データを受信し遊技に使用可能とする(図4のステップS23;後述)。
・・・
【0074】
すると、共有化元の遊技装置2のカード処理装置22では、受信したカナデータ(例えば、“ヤマダハナコ”)及び共有化の要求がある旨を液晶表示部226に表示する(図4のステップS21)。
すなわち、具体的には、共有化元の液晶表示部226を、例えば、図5(a)に示すような共有前画面から図5(e)に示すような持球共有確認画面に切り替えて、「“ヤマダハナコ”様より、持球共有要求がきました。」との表示を行う。
さらに、図5(e)の持球共有確認画面では「共有される場合はOKボタンを押してください。共有されない場合はNGボタンを押してください。」との表示も行う。ここで、持球共有確認画面のタッチパネル操作部225には、共有要求を許可するためのOKボタン225j及び共有要求を拒絶するためのNGボタン225kとが形成されている。
つまり、共有化先の遊技者に対し、共有化を許可するか否かの選択操作(OKボタン225jを操作するか又はNGボタン225kを操作するか)を行わせる。
・・・
【0076】
他方、共有化元の遊技者が共有要求を許可する操作を行った場合、すなわち、OKボタン225kを押圧操作した場合には、共有化する球数(共有化元から共有化先の遊技装置2に送信する持球数データの量)の設定操作を該共有化元の遊技者に行わせる。
すなわち、共有化元の液晶表示部226を図6(b)の持球共有個数設定画面に切り替えて、「共有する球数の設定をしてください。よろしければ、決定ボタンを押してください。」との表示を行う。ここで、持球共有個数設定画面のタッチパネル操作部225には、共有化する球数(持球数データの量)の入力操作を行うための数字入力ボタン225lと、入力した球数での共有化を最終決定するための決定ボタン225mと、入力した球数を訂正する場合や前画面(図5(e))で誤ってOKボタン225jを押してしまった場合などに一旦前画面に戻すための取消ボタン225nとが形成されている。さらに、持球共有個数設定画面には、数字入力ボタン225lが押圧操作されることにより入力された設定球数データを表示する球数データ表示部225oが形成されている。
共有化元の遊技者が球数の設定操作を行うには、数字入力ボタン225lを操作して共有化する球数を入力する。なお、ここで、設定できる球数(共有化する持球数データ)は、共有化元の遊技者が獲得した全体の持球数データの一部である。また、共有化元の遊技者は、入力した持球数データの量を球数データ表示部225oで確認して正しければ決定ボタン225nを押圧操作する。
具体的には、例えば、共有化する球数として1000(個)を入力して決定ボタン225mを操作したとする。
すると、共有化元の遊技装置2のカード処理装置22のCPU221は、ホール管理コンピュータ4に対し、設定された球数(例えば、1000個)分の持球数データ、及び、共有化元の遊技者の会員番号データを送信する。なお、後述するように、ホール管理コンピュータ4は、該送信された持球数データを共有化先の遊技装置2に転送する。つまり、ここでは、共有化元の遊技装置2で獲得した持球数データ(遊技媒体データ)の一部を共有化先の遊技装置2に管理装置(中継装置3及びホール管理コンピュータ4)を介して送信していることになる。」
(エ)「【0080】
すると、共有化先の遊技装置2のカード処理装置22では、共有化の要求が許可された旨及び共有化元の遊技者のカナデータを液晶表示部226に表示する。
すなわち、具体的には、共有化元の液晶表示部226を、例えば、図6(c)に示すような持球共有結果画面▲2▼に切り替えて、「“ヤマダタロウ”様より、持球共有要求結果“OK”がきました。」との表示を行う。
さらに、図6(c)の持球共有結果画面▲2▼では、「共有される場合は共有ボタンを押してください。」との表示も行う。ここで、持球共有結果画面▲2▼のタッチパネル操作部225には、共有化の実行の有無を最終確認(最終決定)するための共有ボタン225p等が形成されている。
そして、共有化先の遊技者が共有ボタン225pを押圧操作すると、共有化が行われる。
すなわち、共有化先の遊技装置2のカード処理装置22は、共有化を実行することが最終決定された旨をホール管理コンピュータ4に送信する。
すると、ホール管理コンピュータ4は、該最終決定された旨を共有化元の遊技装置2のカード処理装置22に送信(転送)する一方で、先に共有化元より受信した持球数データを共有化先の遊技装置2のカード処理装置22に送信(転送)する。
共有化元の遊技装置2では最終決定された旨を受信すると持球数データが1000個分減算される。
また、共有化先の遊技装置2では持球数データを受信すると持球数データが1000個分加算される。
これにより、共有化先の遊技装置2では、受信した持球数データを遊技に使用可能となる。
すなわち、遊技装置2は、共有化元の遊技装置2より持球数データ(遊技媒体データ)を受信して遊技に使用可能とする遊技媒体データ受信手段(CPU221等)を備える。」
(オ)「【0088】
<変形例1>
変形例1では、共有化先の遊技装置2で遊技者が獲得した持球数データ(遊技媒体データ)が所定量に達した場合に、持球数データを共有化元の遊技装置2に返送する遊技媒体データ返送手段を遊技媒体データ共有化手段が備える例について説明する。
【0089】
すなわち、変形例1の遊技装置2のカード処理装置22は、共有化先となっている場合に持球数データが所定量に達すると、分与された分の持球数データを共有化元の遊技装置2に自動的に返送する。
【0090】
ここで、持球数データが所定量に達した場合とは、例えば、共有化先の遊技者(ヤマダハナコ)の持球数データが、分与された(送信された)持球数データの球数(本実施形態の場合、例えば1000個)に、返送後の遊技を行うための余裕分(例えば2000個)を足し合わせた数(例えば、3000個)に達した場合である。
すなわち、本実施形態の場合、共有化先の持球数データが3000個に達した場合に、共有化先の遊技装置2のカード処理装置22は、共有化元の遊技装置2のカード処理装置22に、分与された分の持球数データ(例えば、1000個分)を自動的に返送する。
【0091】
変形例1によれば、遊技媒体データ共有化手段は、共有化先の遊技装置2で遊技者が獲得した持球数データが所定量に達した場合に、持球数データを自動的に共有化元の遊技装置2に返送する遊技媒体データ返送手段を備えているので、遊技媒体の共有化による遊技者間でのトラブルを防止したり、面倒な作業(例えば、借りた分を返送するための遊技者による作業等)をなくすことができる。
【0092】
なお、返送する持球数データは、送信された(分与された)持球数データよりも(所定量だけ、或いは、所定割合だけ)多い持球数データ(利息を加えたようなもの)であっても良い。
【0093】
また、遊技媒体データ返送手段は、遊技装置2が備えるのでも良いし(つまり、持球数データが所定量に達したか否かを例えばカード処理装置22のCPU221が監視(判定)し、達したと判定した場合には該CPU221が持球数データを返送するのでも良いし)、遊技装置2と管理装置(中継装置3及びホール管理コンピュータ4)が共同で備えるのでも良い(つまり、持球数データが所定量に達したか否かを、例えばホール管理コンピュータ4のCPU41が監視(判定)し、達したと判定した場合には持球数データを返送させる指令を該CPU41から遊技装置2のカード処理装置22に送信するのでも良い)。」
(カ)「【0111】
<変形例6>
変形例6では、遊技装置2が、遊技媒体を用いて遊技を実行可能であるとともに、遊技において賞が発生した場合に該発生した賞に応じた数の遊技媒体を払い出し可能に構成され、且つ、遊技媒体を計数可能な計数装置を備え、前記計数装置に遊技媒体が投入されると該投入量に応じた量の遊技媒体データを生成するタイプの場合について、図7(a)を参照して説明する。
なお、図7(a)の遊技装置2において、上記の実施の形態の遊技装置2と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0112】
変形例6のカード処理装置22は、図7(a)に示すように、持球数データ、金額データ、貯球データの何れかの減算を伴う球貸し操作が可能となっていて、球貸し操作が行われると、持球数データから所定量(例えば125個)ずつの遊技球が変換されて球誘導ノズル228を介してパチンコ遊技機21の上皿213に誘導する。
また、パチンコ遊技機21で賞が発生すると、賞に応じた遊技球が上皿213に払い出される。なお、上皿213に貯留しきれない遊技球は下皿214に貯留される。
また、下皿214の遊技球は、球抜き操作を行うことにより計数装置215に流下させて該計数装置215に投入することができる。
計数装置215は、投入された球数を計数し、計数結果をカード処理装置22に送信する。すると、カード処理装置22では、計数結果に応じた量の持球数データを生成する(新たに生成するか、或いは、元々存在する持球数データを加算する)。
なお、計数装置215による計数後の遊技球は島設備に回収される。
・・・
【0115】
<変形例7>
また、上記の変形例6では、計数装置215がカード処理装置22とは別体である例を説明したが、変形例7では、計数装置がカード処理装置22に内蔵されている例について、図7(b)を参照して説明する。
・・・」
上記(ア)~(カ)の記載事項から、以下の事項がいえる。なお、(a)~(f)、(h)は、本件補正発明の構成A~F、Hに対応した事項を示している。
(a)上記(イ)の【0057】には「本実施形態の遊技装置2は、遊技者が遊技を実行可能な遊技機としての例えば第1種のパチンコ遊技機21と、該パチンコ遊技機21の横隣に設置されたカード処理装置22とを備えて構成されている」、【0058】には「カード処理装置22は、当該遊技装置2と中継装置(管理装置)3との間での通信、持球数データ(遊技媒体データ)の生成、及び、会員カードの処理等が可能となっている」と記載され、上記(ア)の【0053】には「遊技設備装置1は、複数の遊技装置2と、該複数の遊技装置2と通信可能な管理装置と、を備えて構成されている。管理装置は、本実施形態の場合、例えば、複数の遊技装置2と直接通信を行う中継装置3と、複数の中継装置3と直接通信を行うホール管理コンピュータ4とからなる分割構成をなしている。つまり、ホール管理コンピュータ4は、中継装置3を介して複数の遊技装置2と間接的に通信を行う」と記載されているから、遊技設備装置1は、パチンコ遊技機21の横隣に設置されたカード処理装置22と、カード処理装置22と通信を行うホール管理コンピュータ4と、を備えていることが記載されているといえる。
また、上記(カ)の【0112】には「下皿214の遊技球は、球抜き操作を行うことにより計数装置215に流下させて該計数装置215に投入することができる。計数装置215は、投入された球数を計数し、計数結果をカード処理装置22に送信する。すると、カード処理装置22では、計数結果に応じた量の持球数データを生成する(新たに生成するか、或いは、元々存在する持球数データを加算する)」と記載され、上記(イ)の【0061】には「会員カードがカード処理装置22の会員カード挿入口227に挿入されると、カード処理装置22のCPU221は該会員カードの情報を読み取る。CPU221は、具体的には、例えば、会員カードに記憶されている会員ID(例えば会員番号データ)を読み取って、当該会員IDに該当する会員の会員情報の要求をホール管理コンピュータ4に対して行う」、「遊技者が遊技を終了する場合には、タッチパネル操作部225の遊技終了ボタンを押すことにより会員情報(遊技を行う結果として更新された持球数データ、金額データ、貯球データ及びポイントデータ)をホール管理コンピュータ4に送信することができる。すなわち、遊技終了ボタンが操作されると、カード処理装置22より中継装置3を介してホール管理コンピュータ4に会員情報が送信され、ホール管理コンピュータ4では、受信した会員情報に基づき当該会員の情報を更新する」と記載され、上記(ア)の【0054】には「ホール管理コンピュータ4は、CPU41が実行する制御プログラム等を記憶したROM42、CPU41の作業領域及び各種データの記憶領域を有するRAM43、複数の(具体的には、例えば全ての会員の)会員情報を記憶した会員情報記憶部45を備えている」、【0055】には「会員情報には、持球数データ(遊技媒体データ)、貯球データ(貯遊技媒体データ)、金額データ、会員番号データ、暗証番号データ、カナデータ及びポイントデータ等が含まれる」と記載されており、ホール管理コンピュータ4は、計数装置が計数した計数結果から更新された持球数データと会員カードに記憶されている会員番号データとを会員情報としてまとめて記憶する会員情報記憶部45を備えていることが記載されているといえる。
これらのことから、刊行物には、パチンコ遊技機21の横隣に設置されたカード処理装置22と、カード処理装置22と通信を行い、かつ、計数装置が計数した計数結果から更新された持球数データと会員カードに記憶されている会員番号データとを会員情報としてまとめて記憶する会員情報記憶部45を備えているホール管理コンピュータ4と、を備えている遊技設備装置1が記載されているといえる。
(b)上記(イ)の【0061】には「会員カードがカード処理装置22の会員カード挿入口227に挿入されると、カード処理装置22のCPU221は該会員カードの情報を読み取る。CPU221は、具体的には、例えば、会員カードに記憶されている会員ID(例えば会員番号データ)を読み取って、当該会員IDに該当する会員の会員情報の要求をホール管理コンピュータ4に対して行う」と記載されている。
したがって、刊行物には、カード処理装置22は、会員カードに記憶されている会員番号データを読み取るCPU221を備えていることが記載されているといえる。
(c)上記(ウ)の【0074】には「共有化元の遊技装置2のカード処理装置22では、受信したカナデータ(例えば、“ヤマダハナコ”)及び共有化の要求がある旨を液晶表示部226に表示する(図4のステップS21)」と記載され、【0076】には「共有化元の液晶表示部226を図6(b)の持球共有個数設定画面に切り替えて、「共有する球数の設定をしてください。よろしければ、決定ボタンを押してください。」との表示を行う。ここで、持球共有個数設定画面のタッチパネル操作部225には、共有化する球数(持球数データの量)の入力操作を行うための数字入力ボタン225lと、入力した球数での共有化を最終決定するための決定ボタン225mと、入力した球数を訂正する場合や前画面(図5(e))で誤ってOKボタン225jを押してしまった場合などに一旦前画面に戻すための取消ボタン225nとが形成されている。さらに、持球共有個数設定画面には、数字入力ボタン225lが押圧操作されることにより入力された設定球数データを表示する球数データ表示部225oが形成されている。共有化元の遊技者が球数の設定操作を行うには、数字入力ボタン225lを操作して共有化する球数を入力する。なお、ここで、設定できる球数(共有化する持球数データ)は、共有化元の遊技者が獲得した全体の持球数データの一部である」と記載されているから、カード処理装置22は共有化元の遊技者が獲得した全体の持球数データの一部である共有化する持球数データを数字入力ボタン225lの入力操作により入力後、入力した球数での共有化を最終決定するための決定ボタン225mを備えていることが記載されているといえる。
また、上記(ウ)の【0069】には「遊技媒体データ共有化手段は、共有化元(分与元)の遊技装置(所定の遊技装置)2で獲得した持球数データの一部を共有化先(分与先)の遊技装置(他の遊技装置)2に管理装置を介して送信(分与)することで、共有化先(分与先)の遊技装置2で当該送信(分与)された持球数データを使用しての遊技を可能にする」と記載されているから、「共有化」とは「分与」であるといえる。
したがって、刊行物には、カード処理装置22は分与元の遊技者が獲得した全体の持球数データの一部である分与する持球数データを数字入力ボタン225lの入力操作により入力後、入力した球数での分与を最終決定するための決定ボタン225mを備えていることが記載されているといえる。
(d)上記(ウ)の【0076】には「例えば、共有化する球数として1000(個)を入力して決定ボタン225mを操作したとする」と記載されている。
また、上記(ウ)の【0076】には「設定できる球数(共有化する持球数データ)は、共有化元の遊技者が獲得した全体の持球数データの一部である」と記載され、上記(エ)の【0080】には「ホール管理コンピュータ4は、該最終決定された旨を共有化元の遊技装置2のカード処理装置22に送信(転送)する一方で、先に共有化元より受信した持球数データを共有化先の遊技装置2のカード処理装置22に送信(転送)する。共有化元の遊技装置2では最終決定された旨を受信すると持球数データが1000個分減算される」と記載されているから、共有化元のカード処理装置22には、共有化元の遊技者が獲得した全体の持球数データから共有化する持球数データを減算するための手段を有していることは明らかである。
そして、上記(c)で言及したように「共有化」とは「分与」であるといえる。
したがって、刊行物には、カード処理装置22は決定ボタン225mを操作すると、分与元の遊技者が獲得した全体の持球数データから分与する持球数データを減算するための手段を備えていることが記載されているといえる。
(e)上記(ウ)の【0076】には「例えば、共有化する球数として1000(個)を入力して決定ボタン225mを操作したとする。すると、共有化元の遊技装置2のカード処理装置22のCPU221は、ホール管理コンピュータ4に対し、設定された球数(例えば、1000個)分の持球数データ、及び、共有化元の遊技者の会員番号データを送信する」と記載されている。
また、上記(c)で言及したように「共有化」とは「分与」であるといえる。
したがって、刊行物には、カード処理装置22は決定ボタン225mを操作すると、ホール管理コンピュータ4に対し、分与する持球数データ、及び、分与元の遊技者の会員番号データを送信するCPU221を備えていることが記載されているといえる。
(f)上記(イ)の【0058】には「カード処理装置22は、会員カードの挿入を受け付ける会員カード挿入口227・・・を備えている」、【0061】には「遊技の終了処理が完了した後に会員カードが会員カード挿入口227から排出される」と記載されているから、カード処理装置22は会員カードを排出するための手段を有していることは明らかである。
したがって、刊行物には、カード処理装置22は会員カードを排出するための手段を備えていることが記載されているといえる。
(h)上記(ア)の【0053】には「遊技設備装置1」と記載されている。
したがって、刊行物には、遊技設備装置1が記載されている。
上記(ア)~(カ)の記載事項及び上記(a)~(f)、(h)の認定事項を総合すれば、刊行物には、次の発明が記載されている(以下、「刊行物発明」という。a~f、hは刊行物発明を分説するため当審で付した。)。
「a パチンコ遊技機21の横隣に設置されたカード処理装置22と、カード処理装置22と通信を行い、かつ、計数装置が計数した計数結果から更新された持球数データと会員カードに記憶されている会員番号データとを会員情報としてまとめて記憶する会員情報記憶部45を備えているホール管理コンピュータ4と、を備えている遊技設備装置1であって、
b カード処理装置22は、会員カードに記憶されている会員番号データを読み取るCPU221と、
c 分与元の遊技者が獲得した全体の持球数データの一部である分与する持球数データを数字入力ボタン225lの入力操作により入力後、入力した球数での分与を最終決定するための決定ボタン225mと、
d 決定ボタン225mを操作すると、分与元の遊技者が獲得した全体の持球数データから分与する持球数データを減算するための手段と、
e 決定ボタン225mを操作すると、ホール管理コンピュータ4に対し、分与する持球数データ、及び、分与元の遊技者の会員番号データを送信するCPU221と、
f 会員カードを排出するための手段と、
を備えた
h 遊技設備装置1。」
(3)対比
本件補正発明と刊行物発明とを対比する(対比の見出しとしての(a)~(f)、(h)は刊行物発明の分説構成と対応させた)。
(a)刊行物発明の「パチンコ遊技機21」、「カード処理装置22」、「計数装置」、「計数装置が計数した計数結果から更新された持球数データ」、「会員カードに記憶されている会員番号データ」、「会員情報記憶部45」、「ホール管理コンピュータ4」は、それぞれ、本件補正発明の「遊技台」、「各台装置」、「遊技媒体計数手段」、「遊技媒体計数手段によって計数された遊技媒体数」、「記録媒体に記録された識別情報」、「持遊技媒体情報記憶手段」、「管理装置」に相当する。
ここで、刊行物発明の「パチンコ遊技機21の横隣に設置されたカード処理装置22」とは、カード処理装置22がパチンコ遊技機21の横隣に設置されているから、パチンコ遊技機21ごとに設けられるカード処理装置22であるといえる。また、刊行物発明の「会員情報記憶部45」に記憶される「計数装置が計数した計数結果から更新された持球数データ」は「会員カードに記憶されている会員番号データ」とともに「会員情報」として記憶されているものであるから、「計数装置が計数した計数結果から更新された持球数データ」と「会員カードに記憶されている会員番号データ」とは対応付けられて記憶されているといえる。
したがって、刊行物発明の「パチンコ遊技機21の横隣に設置されたカード処理装置22と、カード処理装置22と通信を行い、かつ、計数装置が計数した計数結果から更新された持球数データと会員カードに記憶されている会員番号データとを会員情報としてまとめて記憶する会員情報記憶部45を備えているホール管理コンピュータ4と、を備えている遊技設備装置1」は、本件補正発明の「遊技台ごとに設けられる各台装置と、前記各台装置と通信可能に設けられ、遊技媒体計数手段によって計数された遊技媒体数と、前記各台装置で取り扱う記録媒体に記録された識別情報とを対応付けて持遊技媒体数として記憶する持遊技媒体情報記憶手段を有する管理装置とを備えた各台計数システム」に相当する。
(b)上記(a)で言及したように刊行物発明の「会員カードに記憶されている会員番号データ」は、本件補正発明の「記録媒体に記録された識別情報」に相当するから、刊行物発明の「CPU221」は、本件補正発明の「識別情報読取手段」に相当する。
また、刊行物発明の「会員カードに記憶されている会員番号データを読み取る」ことは、会員カードに記憶されている会員番号データを読み取り可能であることを含む内容であることは明らかであるので、本件補正発明の「前記記録媒体に記録された識別情報を読み取り可能」であることに相当する。
したがって、刊行物発明の「カード処理装置22は、会員カードに記憶されている会員番号データを読み取るCPU221」は、本件補正発明の「前記記録媒体に記録された識別情報を読み取り可能な識別情報読取手段」に相当する。
(c)刊行物発明の「分与元の遊技者が獲得した全体の持球数データ」、「分与する持球数データ」は、それぞれ、本件補正発明の「自装置の第1の持遊技媒体数」、「第2の持遊技媒体数」に相当する。
また、刊行物発明の「分与元の遊技者が獲得した全体の持球数データの一部である分与する持球数データを数字入力ボタン225lの入力操作により入力後、入力した球数での分与を最終決定する」こととは、該「最終決定」により「分与する持球数データ」を「分与元の遊技者が獲得した全体の持球数データ」から分与することを指示するといえるので、刊行物発明の「最終決定」は、本件補正発明に「分割指示」に相当する。
そして、刊行物発明の「決定ボタン225m」を遊技者が操作することにより、上記分与の指示はカード処理装置22に受け付けられるといえる。
したがって、刊行物発明の「分与元の遊技者が獲得した全体の持球数データの一部である分与する持球数データを数字入力ボタン225lの入力操作により入力後、入力した球数での分与を最終決定するための決定ボタン225m」は、本件補正発明の「自装置の第1の持遊技媒体数から第2の持遊技媒体数を分割する分割指示を受け付ける分割指示受付手段」に相当する。
(d)上記(c)で言及したように、刊行物発明の「決定ボタン225m」は、本件補正発明の「分割指示受付手段」に相当し、該「決定ボタン225m」を遊技者が操作することにより、上記分与の指示はカード処理装置22に受け付けられるといえるから、刊行物発明の「決定ボタン225mを操作する」ことは、本件補正発明の「前記分割指示受付手段によって前記分割指示を受け付ける」ことに相当する。
したがって、上記(c)で言及したように刊行物発明の「分与元の遊技者が獲得した全体の持球数データ」、「分与する持球数データ」は、それぞれ、本件補正発明の「自装置の第1の持遊技媒体数」、「第2の持遊技媒体数」に相当するから、刊行物発明の「決定ボタン225mを操作すると、分与元の遊技者が獲得した全体の持球数データから分与する持球数データを減算するための手段」は、本件補正発明の「前記分割指示受付手段によって前記分割指示を受け付けると、前記第1の持遊技媒体数から前記第2の持遊技媒体数を減算する持遊技媒体分割手段」に相当する。
(e)刊行物発明は、「ホール管理コンピュータ4に対し、分与する持球数データ、及び、分与元の遊技者の会員番号データを送信」していることから、「分与する持球数データ」と「分与元の遊技者の会員番号データ」とは対応付けて送信されているといえる。
また、上記(d)で言及したように刊行物発明の「決定ボタン225mを操作する」ことは、本件補正発明の「前記分割指示受付手段によって前記分割指示を受け付ける」ことに相当し、上記(a)で言及したように刊行物発明の「ホール管理コンピュータ4」は、本件補正発明の「管理装置」に相当し、上記(c)で言及したように刊行物発明の「分与する持球数データ」は、本件補正発明の「第2の持遊技媒体数」に相当し、上記(b)で言及したように刊行物発明の「会員番号データ」は、本件補正発明の「識別情報」に相当する。
したがって、刊行物発明の「決定ボタン225mを操作すると、ホール管理コンピュータ4に対し、分与する持球数データ、及び、分与元の遊技者の会員番号データを送信するCPU221」は、本件補正発明の「前記分割指示受付手段によって前記分割指示を受け付けると、前記識別情報読取手段によって前記記録媒体から読み取られた識別情報と前記第2の持遊技媒体数とを対応付け、前記管理装置へ送信する送信手段」に相当する。
(f)刊行物発明の「会員カードを排出するための手段」は、本件補正発明の「前記記録媒体を排出する記録媒体排出手段」に相当する。
(h)刊行物発明の「遊技設備装置1」は、本件補正発明の「各台計数システム」に相当する。
上記(a)~(f)、(h)の検討より、本件補正発明と刊行物発明とは、
「A’ 遊技台ごとに設けられる各台装置と、前記各台装置と通信可能に設けられ、遊技媒体計数手段によって計数された遊技媒体数と、前記各台装置で取り扱う記録媒体に記録された識別情報とを対応付けて持遊技媒体数として記憶する持遊技媒体情報記憶手段を有する管理装置とを備えた各台計数システムであって、
B 前記各台装置は、
前記記録媒体に記録された識別情報を読み取り可能な識別情報読取手段と、
C 自装置の第1の持遊技媒体数から第2の持遊技媒体数を分割する分割指示を受け付ける分割指示受付手段と、
D 前記分割指示受付手段によって前記分割指示を受け付けると、前記第1の持遊技媒体数から前記第2の持遊技媒体数を減算する持遊技媒体分割手段と、
E 前記分割指示受付手段によって前記分割指示を受け付けると、前記識別情報読取手段によって前記記録媒体から読み取られた識別情報と前記第2の持遊技媒体数とを対応付け、前記管理装置へ送信する送信手段と、
F 前記記録媒体を排出する記録媒体排出手段と
を備えた
H 各台計数システム。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1]
「遊技媒体計数手段」について、本件補正発明は、「各台装置」が有しているのに対して、刊行物発明は、そのような特定がなされていない点。(構成A)
[相違点2]
「管理装置」について、本件補正発明は、「前記送信手段によって送信された前記識別情報と前記第2の持遊技媒体数とを対応付けて持遊技媒体情報記憶手段に新たに記憶する」のに対して、刊行物発明は、そのような特定がなされていない点。(構成G)
(4)判断
(ア)上記[相違点1]について検討する。
刊行物の【0111】に「<変形例6>変形例6では、遊技装置2が、遊技媒体を用いて遊技を実行可能であるとともに、遊技において賞が発生した場合に該発生した賞に応じた数の遊技媒体を払い出し可能に構成され、且つ、遊技媒体を計数可能な計数装置を備え、前記計数装置に遊技媒体が投入されると該投入量に応じた量の遊技媒体データを生成するタイプの場合について、図7(a)を参照して説明する」、【0112】に「下皿214の遊技球は、球抜き操作を行うことにより計数装置215に流下させて該計数装置215に投入することができる。計数装置215は、投入された球数を計数し、計数結果をカード処理装置22に送信する」と記載され、【図7】(a)には、パチンコ遊技機21が備える下皿214の下方に計数装置215が配置され、パチンコ遊技機21の横隣に設置されたカード処理装置22に該計数装置が接続されていることが図示されており、カード処理装置22が計数装置215を備えることは特定されていないものの、刊行物の【0115】に「<変形例7>また、上記の変形例6では、計数装置215がカード処理装置22とは別体である例を説明したが、変形例7では、計数装置がカード処理装置22に内蔵されている例について、図7(b)を参照して説明する」と記載されているように、計数装置をカード処理装置22に内蔵させることは記載されているので、刊行物発明のパチンコ遊技機21の横隣に設置されたカード処理装置22において、計数装置を該カード処理装置22に内蔵させる構成とすることは、当業者が適宜変更し得た事項である。また、該構成とすることによる特別有利な効果もなく、さらに、該構成とすることを阻害する理由もない。
(イ)上記[相違点2]について検討する。
刊行物の【0076】に「共有化元の遊技装置2のカード処理装置22のCPU221は、ホール管理コンピュータ4に対し、設定された球数(例えば、1000個)分の持球数データ、及び、共有化元の遊技者の会員番号データを送信する」と記載されるから、分与元CPU221が送信する分与する持球数データと分与元の遊技者の会員番号データとをホール管理コンピュータ4が受信することにより、該受信したデータはホール管理コンピュータ4内に記憶されるといえる。
したがって、刊行物発明のホール管理コンピュータ4は記憶手段として会員情報記憶部45を有していることを考慮すれば、刊行物発明において、分与元CPU221から送信された分与する持球数データと分与元の遊技者の会員番号データとをホール管理コンピュータ4内に記憶するために、その記憶先をホール管理コンピュータ4の会員情報記憶部45とすることは、当業者が適宜選択し得たことである。そして、該会員情報記憶部45を記憶先とすることによる特別有利な効果もなく、該会員情報記憶部45を記憶先とすることを阻害する理由もない。
または、刊行物の【0089】に「変形例1の遊技装置2のカード処理装置22は、共有化先となっている場合に持球数データが所定量に達すると、分与された分の持球数データを共有化元の遊技装置2に自動的に返送する」、【0093】に「遊技媒体データ返送手段は、遊技装置2が備えるのでも良いし(つまり、持球数データが所定量に達したか否かを例えばカード処理装置22のCPU221が監視(判定)し、達したと判定した場合には該CPU221が持球数データを返送するのでも良いし)、遊技装置2と管理装置(中継装置3及びホール管理コンピュータ4)が共同で備えるのでも良い(つまり、持球数データが所定量に達したか否かを、例えばホール管理コンピュータ4のCPU41が監視(判定)し、達したと判定した場合には持球数データを返送させる指令を該CPU41から遊技装置2のカード処理装置22に送信するのでも良い)」と記載されているから、遊技媒体データ返送手段を遊技装置2と管理装置とが共同で備えて、管理装置のホール管理コンピュータ4のCPU41が分与先の持球数データが所定量に達したか否かを判定し、達したと判定した場合には持球数データを返送させる指令を該CPU41から遊技装置2のカード処理装置22に送信することが記載されているといえる。
したがって、刊行物発明において上記刊行物の記載事項を採用して、遊技媒体データ返送手段を遊技装置2と管理装置とが共同で備えて、管理装置のホール管理コンピュータ4のCPU41が分与先の持球数データが所定量に達したか否か判定する構成とし、達したと判定した場合に持球数データを返送させる指令を該CPU41から遊技装置2のカード処理装置22に送信する構成とすることは、当業者が適宜変更し得たことである。
ここで、ホール管理コンピュータ4のCPU41から送信される上記持球数データを返送させる指令は、分与された分の持球数データを分与元の遊技装置2に返送するため指令といえ、該指令には分与する持球数データと分与元の遊技装置2を特定するためのデータがまとめて含まれているといえる。また、ホール管理コンピュータ4のCPU41が上記持球数データを返送させる指令を送信する以上、該指令はホール管理コンピュータ4内に記憶されているといえる。
そうすると、ホール管理コンピュータ4が記憶手段として会員情報記憶部45を有していること、分与元CPU221が送信する「分与する持球数データ」と「分与元の遊技者の会員番号データ」とをホール管理コンピュータ4が受信すること、及び、ホール管理コンピュータ4が受信するデータで分与元の遊技装置2を特定するためのデータには分与元の遊技者の会員番号データがあることを考慮すれば、上記刊行物の記載事項を採用した刊行物発明において、持球数データを返送させる指令のために、分与元CPU221から送信される「分与する持球数データ」及び「分与元の遊技者の会員番号データ」をホール管理コンピュータ4内で記憶しておく構成とし、その記憶先をホール管理コンピュータ4の会員情報記憶部45とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。そして、該会員情報記憶部45を記憶先とすることによる特別有利な効果もなく、該会員情報記憶部45を記憶先とすることを阻害する理由もない。
(ウ)まとめ
そうすると、刊行物発明において刊行物の記載事項を適用することにより、上記相違点1、2に係る本件補正発明のように構成することは、当業者が容易に想到し得たことである。
そして、本件補正発明の作用効果も、刊行物発明から当業者が予測できる範囲のものである。
(5)審判請求人の主張について
平成29年1月18日付け審判請求書において審判請求人は
「つまり、この引用文献1のものは、「共有元の遊技者Xと共有先の遊技者Yがそれぞれ遊技機で遊技中である」ことを前提としてなされた発明であり、遊技者Yが遊技対象となる遊技機を決めていない状況においては、持玉を共有することはできません。
これに対して、本願発明は、共有先である遊技者Yが遊技中である(遊技する遊技機が特定されている)ことを前提としておらず、台間装置から排出された記録媒体を遊技者Yに受け渡しさえすれば、遊技者Yがその後に所望の遊技機で遊技することが可能となります。このようにした理由は、遊技者Xと遊技者Yが離れた場所に位置する状況で持玉共有を行う状況は考え難く(意思疎通上の問題があるため)、現実には、両者が共有元の遊技者Xの近傍で共有する遊技媒体数等を相談しながら持玉共有を行うと考えられるためであります。
このように、この引用文献1のものは、本願発明と想定している状況及び前提が異なります」
と主張(以下、「主張1」という)している。
さらに審判請求人は
「また、この引用文献1では、ホール管理コンピュータが、共有先である遊技者Yから共有要求(共有元の遊技者Xの氏名等を含む)を受け付けた場合に、共有元である遊技者Xが遊技する遊技機をサーチする処理、共有に関する情報の中継処理等を行っているため、ホール管理コンピュータが持玉共有の中核的な役割を担っています。
これに対して、本願発明では、遊技者Xが遊技する遊技機aに併設された台間装置において、持玉の分割処理を行っており、管理装置にはその結果が通知されるだけです。言い換えると、本願発明の管理装置では、引用文献1のホール管理コンピュータのような分割処理を行っておりません」
と主張(以下、「主張2」という)している。
加えて審判請求人は
「さらに、この引用文献1によれば、持玉共有の態様として、遊技者Xの持玉の一部を遊技者Yに分与するケース1と、プールした持玉を遊技者X及び遊技者Yが並行して使用できるようにするケース2とが記載されています([0014]、[0015]段落を参照)。
ここで、上記のケース1(分与)の場合であっても、遊技者Xは遊技者Yに対して単に持玉を譲渡する訳ではなく、あくまでも持玉は共有されることになります。例えば、遊技者Yの遊技機の液晶表示部には「共有中」と表示されますし([0081]段落等を参照)、遊技者Yの持玉が所定量に達した場合に、共有元の遊技者Xに持玉の一部が返送される点も記載されています([0088]段落等参照)。このように、持玉が共有されているということは、引用文献1には記載がないものの、遊技者Xの持玉と遊技者Yの持玉は共有財産であり、共有先の遊技者Yが無断で持玉を景品交換する状況は想定できません。
これに対して、本願発明が対象とする「持玉の譲渡」は、引用文献1の持玉共有(分与)とは異なり、ある遊技者Xから他の遊技者Yへ持玉を受け渡すものであり、受け渡しが完了した以降の共有関係は生じません。その結果、持玉は異なる記録媒体に関連付けて別管理されることになります」
と主張(以下、「主張3」という)している。
審判請求人の主張1-3について検討する。
第一に、審判請求人の上記主張1について検討すると、本件補正発明は、審判請求人が主張するような「前提」、すなわち、分割した持玉に関し、それを使用する者が、遊技中ではない、または、遊技中であってはならないことを特定するものではない。
よって、審判請求人の上記主張1は本件補正発明に基づく主張ではないから採用できない。
第二に、審判請求人の上記主張2について検討すると、刊行物では、【0076】に「他方、共有化元の遊技者が共有要求を許可する操作を行った場合、すなわち、OKボタン225kを押圧操作した場合には、共有化する球数(共有化元から共有化先の遊技装置2に送信する持球数データの量)の設定操作を該共有化元の遊技者に行わせる。すなわち、共有化元の液晶表示部226を図6(b)の持球共有個数設定画面に切り替えて、「共有する球数の設定をしてください。よろしければ、決定ボタンを押してください。」との表示を行う。ここで、持球共有個数設定画面のタッチパネル操作部225には、共有化する球数(持球数データの量)の入力操作を行うための数字入力ボタン225lと、入力した球数での共有化を最終決定するための決定ボタン225mと、入力した球数を訂正する場合や前画面(図5(e))で誤ってOKボタン225jを押してしまった場合などに一旦前画面に戻すための取消ボタン225nとが形成されている。さらに、持球共有個数設定画面には、数字入力ボタン225lが押圧操作されることにより入力された設定球数データを表示する球数データ表示部225oが形成されている。共有化元の遊技者が球数の設定操作を行うには、数字入力ボタン225lを操作して共有化する球数を入力する。なお、ここで、設定できる球数(共有化する持球数データ)は、共有化元の遊技者が獲得した全体の持球数データの一部である。また、共有化元の遊技者は、入力した持球数データの量を球数データ表示部225oで確認して正しければ決定ボタン225nを押圧操作する。具体的には、例えば、共有化する球数として1000(個)を入力して決定ボタン225mを操作したとする。すると、共有化元の遊技装置2のカード処理装置22のCPU221は、ホール管理コンピュータ4に対し、設定された球数(例えば、1000個)分の持球数データ、及び、共有化元の遊技者の会員番号データを送信する」と記載されていることから、共有化元の遊技装置2のカード処理装置22において、共有化の要求がある場合に共有化先の遊技者に対し共有化を許可するか否かの選択操作を行い、また、共有化元の遊技者が共有要求を許可する操作を行った場合、数字入力ボタン225lを操作して共有化する球数を入力して決定ボタン225mを操作しており、操作結果がホール管理コンピュータ4に送信されている。このため、上記カード処理装置22における共有化を許可するか否かの選択操作及び共有化する球数の入力操作が、審判請求人が主張する「分割処理」に相当し、ホール管理コンピュータ4には操作結果が送信されるだけである。
よって、審判請求人の上記主張2は採用できない。
第三に、審判請求人の上記主張3について検討すると、本件補正発明は「前記各台装置は、前記記録媒体に記録された識別情報を読み取り可能な識別情報読取手段と、自装置の第1の持遊技媒体数から第2の持遊技媒体数を分割する分割指示を受け付ける分割指示受付手段と、前記分割指示受付手段によって前記分割指示を受け付けると、前記第1の持遊技媒体数から前記第2の持遊技媒体数を減算する持遊技媒体分割手段と、前記分割指示受付手段によって前記分割指示を受け付けると、前記識別情報読取手段によって前記記録媒体から読み取られた識別情報と前記第2の持遊技媒体数とを対応付け、前記管理装置へ送信する送信手段と、前記記録媒体を排出する記録媒体排出手段とを備え、前記管理装置は、前記送信手段によって送信された前記識別情報と前記第2の持遊技媒体数とを対応付けて前記持遊技媒体情報記憶手段に新たに記憶する」にすぎず、審判請求人が主張する「持玉の譲渡」に関する事項及び「他の遊技者Y」に関わる事項を含むわけではなく、本件補正発明は、共有先の遊技者Yが無断で持玉を景品交換すること、受け渡しが完了した以降の共有関係は生じないこと、及び、持玉は異なる記録媒体に関連付けて別管理されること、のそれぞれを特定するものではない。
よって、審判請求人の上記主張3は本件補正発明に基づく主張ではないから採用できない。
したがって、審判請求人が主張する上記主張1-3は採用できない。
(6)小括
本件補正発明は、刊行物発明、及び、刊行物の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4.むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明
本件補正発明は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、平成28年6月13日付けの手続補正書により補正された、上記「第2 1.」の本件補正の概要において示したとおりのものである。
1.刊行物
原査定の拒絶理由に引用された刊行物の記載事項は、上記「第2 3.(2)」において示したとおりのものである。
2.対比・判断
本願発明は、本件補正発明の発明を特定するために必要な事項である「各台装置」について、上記「第2 1.」の下線部の構成を省いたものである。
そうすると、本願発明と刊行物発明とを対比すると、上記「第2 3.(3)」における相違点1、2で相違し、残余の点で一致する。
そして、上記相違点1、2については上記「第2 3.(4)」において判断したとおり当業者が容易に想到し得たことである。
そして、本願発明の作用効果も、刊行物発明から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願発明は原査定のとおり、刊行物発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。
3.むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許を受けることができないものである。
したがって、本願は拒絶すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-000724