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特許異議申立

2016-700733

シリカの製造方法

審判番号
2016-700733
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2012-066167外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年08月12日
審決日
2017年05月10日
公報発行日
2017年08月25日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.536-YAA(C01B) / P1651.537-YAA(C01B) / P1651.113-YAA(C01B) / P1651.121-YAA(C01B) / P1651.851-YAA(C01B) / P1651.853-YAA(C01B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項第1号、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第5863526号発明「シリカの製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第5863526号の明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1,2〕について訂正することを認める。 特許第5863526号の請求項1,2に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 第1.手続の経緯 本件特許第5863526号は、平成24年3月22日に出願された特願2012-66167号の特許請求の範囲に記載された請求項1,2に係る発明について、平成28年1月8日に設定登録がされたものであり、その後、その請求項1,2に係る特許について特許異議の申立てがされたので、同年11月29日付けの取消理由を通知したところ、平成29年1月30日付けの訂正請求と共に意見書が提出され、これに対し、申立人に期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが応答がなかったものである。 第2.訂正請求について 1.訂正の内容 平成29年1月30日付けの訂正請求は、次の訂正事項1,2よりなる(下線部が訂正箇所)。 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「上記反応器の反応液中に該珪素アルコキシド溶液を吐出線速度30mm/s~1000mm/sで供給する」とあるのを「上記反応器の無次元混合時間nθm(ここで、nは撹拌翼回転数(1/s)、θmは混合時間(s))が55~100の範囲であり、上記反応器の反応液中に挿入された供給管より上記珪素アルコキシド溶液を吐出線速度30mm/s~1000mm/sで供給する」に訂正する。 訂正事項2 明細書の【0009】に「上記反応器の反応液中に該珪素アルコキシド溶液を吐出線速度30mm/s~1000mm/sで供給する」とあるのを「上記反応器の無次元混合時間nθm(ここで、nは撹拌翼回転数(1/s)、θmは混合時間(s))が55~100の範囲であり、上記反応器の反応液中に挿入された供給管より上記原料珪素アルコキシド溶液を吐出線速度30mm/s~1000mm/sで供給する」に訂正する。 ※注:訂正請求書には、訂正事項1において「・・・上記原料アルコキシド溶液」、訂正事項2において「明細書の【0001】」の訂正と記載されているが、訂正前の特許請求の範囲及び明細書の記載からみて、いずれも誤記と認められるので上記のとおり認定した。 2.訂正要件の判断 (1)訂正事項1について この訂正は、請求項1に記載された「シリカの製造方法」の発明において、新たに反応器の無次元混合時間の範囲と、珪素アルコキシド溶液が反応液中に挿入された供給管より供給されることを特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、本件明細書の【0014】【0030】に記載されていた技術的事項であるから、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてしたものと認められ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (2)訂正事項2について この訂正は、特許請求の範囲の減縮に伴って、発明の詳細な説明の記載を整合させるものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、訂正事項1と同様の理由により、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてしたものと認められ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)一群の請求項について 訂正事項1に係る訂正前の請求項1を、請求項2が引用していたから、訂正前の請求項1,2は一群の請求項である。 したがって、訂正事項1は、これら一群の請求項ごとに請求をしたものと認められ、また、訂正事項2は、これら一群の請求項の全てについて請求をしたものと認められる。 3.むすび 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項第1号又は第3号に規定された事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項及び第9項において準用する同法第126条第4項ないし第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1,2〕について訂正することを認める。 第3.特許異議の申立てについて 1.本件発明について 本件特許の請求項1,2に係る発明(以下、「本件発明1,2」という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1,2に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認められる。 【請求項1】 撹拌機付の反応器内で、加水分解触媒、水及び有機溶媒を含む反応液に、珪素アルコキシド溶液を供給して該珪素アルコキシドの加水分解及び重縮合を行うに際し、上記反応器の無次元混合時間nθm(ここで、nは撹拌翼回転数(1/s)、θmは混合時間(s))が55~100の範囲であり、上記反応器の反応液中に挿入された供給管より上記珪素アルコキシド溶液を吐出線速度30mm/s~1000mm/sで供給することを特徴とするシリカの製造方法。 【請求項2】 前記反応器において、加水分解反応を終了するまでに、反応液量が50L以上となる反応を対象とする、請求項1記載のシリカの製造方法。 2.明確性及び実施可能要件違反(取消理由)について (1)平成28年11月29日付けで通知した取消理由は、要するに、 「訂正前の請求項1に記載された「撹拌機付の反応器内で・・・上記反応器の反応液中に該珪素アルコキシド溶液を吐出線速度30mm/s~1000mm/sで供給する」との発明特定事項は、反応液の攪拌状態や珪素アルコキシド溶液の供給方法が不明である点で、明確なものではなく、また、発明の詳細な説明において、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものでもないから、請求項1及びこれを引用する請求項2に係る特許は、特許法第36条第6項第2号及び第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。」というものである。 (2)これに対し、訂正後の請求項1では、反応器の無次元混合時間nθmの範囲と、珪素アルコキシド溶液が反応液中に挿入された供給管より供給されることが特定されたので、反応液の攪拌状態や珪素アルコキシド溶液の供給方法が明確となった。そして、実施例等の記載を考慮すれば、本件発明1,2は、発明の詳細な説明において、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものといえる。 したがって、上記取消理由には理由がない。 3.新規性及び進歩性要件違反(申立理由)について (1)申立人は、 甲第1号証:特開2005-60217号公報(以下「甲1」という。) 甲第2号証:特開2007-70163号公報(以下「甲2」という。) を提出し、訂正前の請求項1に係る発明は、甲1に記載された発明であり、訂正前の請求項2に係る発明は、甲1,2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第1項及び第2項の規定に違反してされたものであると主張している。 (2)そして、甲1の【0023】には、「高純度シリカゾルの調製」の実施例1において、混合液中に、テトラメトキシシラン3044.4g及びメタノール229.4gの混合液を、150分かけて滴下したことが記載されており、一方、甲2の【0033】には、「シリカ系酸化物粒子の製造方法」の実施例1において、反応液中に、テトラエトキシシラン2010g及びメタノール200gの混合物を、外径1/8インチの管を用いて供給速度を徐々に増加させながら5時間かけて供給したことが記載されている。 (3)ここで、申立人は、甲1記載の実施例1の供給管も、同スケールである甲2記載の実施例1の供給管と同程度のものであるはずだから、外径1/8インチの管を用いて甲1記載の実施例1を実施すると、吐出線速度が30mm/s~1000mm/sの範囲内となると主張している。 しかしながら、甲1記載の実施例と甲2記載の実施例は、供給時間や供給速度が明らかに異なっているから、供給量が同程度であっても供給管の径が同程度であるとはいえないし、そもそも供給管が1本であることは、甲1にも甲2にも記載がない。さらに、上記範囲の吐出線速度では、甲1に記載された「滴下」とはいえないものと解される。 したがって、本件発明1は、甲1に記載された発明ではないし、甲1,2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものででもない。本件発明2についても同様である。 したがって、この申立理由には理由がない。 4.むすび 以上のとおりであるから、取消理由及び申立理由によっては、請求項1,2に係る特許を取り消すことはできない。 そして、他に請求項1,2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2016-700733

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