特許異議申立
2016-700590
多段逆浸透膜装置の運転方法
- 審判番号
- 2016-700590
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2013-031033外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年07月05日
- 審決日
- 2017年01月06日
- 公報発行日
- 2017年04月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】栗田工業株式会社
- 【権利者代理人】重野 剛
- 【異議申立人】特許業務法人 虎ノ門知的財産事務所
- 分類
- P1651.121-YAA(C02F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5838981号「多段逆浸透膜装置の運転方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第5838981号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、2について訂正することを認める。
特許第5838981号の請求項1に係る特許についての特許異議申立を却下する。
特許第5838981号の請求項2に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第5838981号の請求項1ないし2に係る特許についての出願は、平成25年2月20日に出願されたものであって、平成27年11月20日に特許の設定登録がされ、その後、その特許に対して特許異議申立人 特許業務法人虎ノ門知的財産事務所により特許異議の申立てがされたので、これを検討して平成28年8月30日付けで当審から取消理由を通知したところ、同年11月7日付けで訂正請求がなされると共に意見書が提出され、これに対する意見を特許異議申立人に求めたところ、同年12月15日付けで意見書が提出されたものである。
第2 訂正請求について
1.訂正の内容
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「多段逆浸透膜装置を運転する方法において」と記載されているのを「袋状の逆浸透膜を原水スペーサと共に巻回してなる直径8インチのスパイラル型膜エレメントを備えた逆浸透膜装置を多段に設置してなり、前段の逆浸透膜装置の透過水を後段の逆浸透膜装置で処理する多段逆浸透膜装置において、1段目の逆浸透膜装置の膜エレメントの原水スペーサの厚みが0.7~2mmであり、2段目以降の逆浸透膜装置の膜エレメントの原水スペーサの厚みが0.2~0.6mmである多段逆浸透膜装置を運転する方法において」に訂正する。
(3)訂正事項3
明細書の【発明の名称】に「多段逆浸透膜装置及びその運転方法」と記載されているのを「多段逆浸透膜装置の運転方法」に訂正する。
(4)訂正事項4
明細書の【0007】を削除する。
(5)訂正事項5
明細書の【0008】に「かかる本発明の多段逆浸透膜装置を運転する方法であって」と記載されているのを「袋状の逆浸透膜を原水スペーサと共に巻回してなる直径8インチのスパイラル型膜エレメントを備えた逆浸透膜装置を多段に設置してなり、前段の逆浸透膜装置の透過水を後段の逆浸透膜装置で処理する多段逆浸透膜装置において、1段目の逆浸透膜装置の膜エレメントの原水スペーサの厚みが0.7~2mmであり、2段目以降の逆浸透膜装置の膜エレメントの原水スペーサの厚みが0.2~0.6mmである多段逆浸透膜装置を運転する方法であって」と訂正する。
2.訂正要件の判断
(1)訂正事項1について
a)訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項1を削除するものである。
よって、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第1号の規定に適合する。
b)新規事項の有無について
訂正事項1は、訂正前の請求項1を削除するのみであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合する。
c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、訂正前の請求項1を削除するのみであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。
(2)訂正事項2について
a)訂正の目的について
上記の訂正事項1により、訂正前の請求項1が削除されたことにより、訂正前の請求項2における「多段逆浸透膜装置」が訂正前の請求項1に規定された「多段逆浸透膜装置」であることを明記する必要があるため、訂正前の請求項2に「多段逆浸透膜装置を運転する方法において」と記載されているのを「袋状の逆浸透膜を原水スペーサと共に巻回してなる直径8インチのスパイラル型膜エレメントを備えた逆浸透膜装置を多段に設置してなり、前段の逆浸透膜装置の透過水を後段の逆浸透膜装置で処理する多段逆浸透膜装置において、1段目の逆浸透膜装置の膜エレメントの原水スペーサの厚みが0.7~2mmであり、2段目以降の逆浸透膜装置の膜エレメントの原水スペーサの厚みが0.2~0.6mmである多段逆浸透膜装置を運転する方法において」に訂正するものである。
即ち、訂正事項2は、訂正前の請求項1を削除したことにより、訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号の規定に適合する。
b)新規事項の有無について 及び 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項2は、何ら実質的な内容の変更を伴う訂正ではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(3)訂正事項3について
a)訂正の目的について
訂正事項3は、上記訂正事項1に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の発明の名称との整合を図るために、「多段逆浸透膜装置及びその運転方法」を「多段逆浸透膜装置の運転方法」とする訂正であり、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である。
よって、訂正事項3は特許法第120条の5第2項ただし書第3号の規定に適合する。
b)新規事項の有無について 及び 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項3は、上記のとおり、上記訂正事項1に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の発明の名称との整合を図るための訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(4)訂正事項4について
a)訂正の目的について
訂正事項4は、上記訂正事項1に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明との整合を図るために、該当段落を削除するものだから、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である。
よって、訂正事項4は特許法第120条の5第2項ただし書第3号の規定に適合する。
b)新規事項の有無について 及び 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項4は、上記のとおり、上記訂正事項1に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明との整合を図る訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(5)訂正事項5について
a)訂正の目的について
訂正事項5は、上記訂正事項2に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るための訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である。
よって、訂正事項5は特許法第120条の5第2項ただし書第3号の規定に適合する。
b)新規事項の有無について 及び 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項5は、訂正事項2と同様に、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(6)一群の請求項について
訂正事項1,2に係る訂正前の請求項1、2は、請求項2が、請求項1を引用しているから一群の請求項である。
また、訂正事項3-5は、訂正前の全ての請求項である請求項1、2に関し明細書を訂正するものである。
したがって、訂正事項1-5は、特許法120条の5第4項及び同条第9項で準用する同法第126条第4項の規定に適合する。
3.結言
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正を認容し、訂正後の、請求項1、2について請求項ごとに訂正することを認める。
第3 特許異議の申立てについて
1.本件発明
本件訂正請求により訂正された訂正請求項1及び2に係る発明(以下、「本件発明1及び2」という。)は、その訂正特許請求の範囲に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
【請求項1】
(削除)
【請求項2】
袋状の逆浸透膜を原水スペーサと共に巻回してなる直径8インチのスパイラル型膜エレメントを備えた逆浸透膜装置を多段に設置してなり、前段の逆浸透膜装置の透過水を後段の逆浸透膜装置で処理する多段逆浸透膜装置において、
1段目の逆浸透膜装置の膜エレメントの原水スペーサの厚みが0.7~2mmであり、2段目以降の逆浸透膜装置の膜エレメントの原水スペーサの厚みが0.2~0.6mmである多段逆浸透膜装置を運転する方法において、1段目の逆浸透膜装置の透過流束を1.0m/d以下とし、2段目以降の逆浸透膜装置の透過流束を1.1m/d以上とすることを特徴とする多段逆浸透膜装置の運転方法。
2.取消理由の概要
訂正前の請求項2に記載された発明(以下、「訂正前本件発明2」という。)に係る特許に対して、平成28年8月30日付けで当審から特許権者に通知した取消理由の要旨と特許異議申立書に添付された甲各号証は、次のとおりである。
<取消理由の要旨>
訂正前本件発明2に係る特許は、同発明が、甲第1号証に記載された発明、甲第9号証ないし甲第11号証に記載された周知技術、甲第2号証又は甲第5号証に記載された周知技術、及び甲第8号証に記載された技術手段に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない出願に対してされたものであるから、取り消されるべきものである。
<特許異議申立書に添付された甲各号証>
・甲第1号証 :米国特許出願公開第2012/0298578号明細書
・甲第2号証 :国際公開第2007/129530号
・甲第3号証 :特開2008-100219号公報
・甲第4号証 :特開平5-305297号公報
・甲第5号証 :特開2007-152265号公報
・甲第6号証 :特開2000-271569号公報
・甲第7号証 :浄水膜(第2版)、浄水膜(第2版)編集委員会 編集、
膜分離技術振興協会 膜浄水委員会 監修、
技報堂出版株式会社、2008年2月12日発行、
252頁
・甲第8号証 :特表2004-518531号公報
・甲第9号証 :特開2009-220070号公報
・甲第10号証:特開2005-342653号公報
・甲第11号証:特開2004-50005号公報
3.取消理由について
(1)甲第1、2、8号証の記載
(1-1)甲第1号証の記載
甲第1号証には以下の記載があり、当審訳は異議申立人が甲第1号証に添付したものを参考にした。
(ア)「32.A filtration membrane system comprising a plurality of spiral wound membrane elements disposed in a common pressure vessel for receiving feed solution, wherein a first spiral wound membrane element of said plurality of spiral wound membrane elements in the pressure vessel has a first feed channel spacer, and wherein a second spiral wound membrane element of said plurality of spiral wound membrane elements, disposed downstream from said first spiral wound membrane element, has a second feed channel spacer, and wherein said second feed spacer has a height that is less than the height of said first feed channel spacer. 」
=当審訳=「請求項32.供給溶液が流入する共通の圧力容器に配置された複数のスパイラル巻回膜エレメントを備え、
前記圧力容器内の前記複数のスパイラル巻回膜エレメントにおける第1のスパイラル型巻回膜エレメントは、第1供給流路スペーサを有し、
前記第1スパイラル巻回膜エレメントの下流側に配置される、前記複数のスパイラル巻回膜エレメントにおける第2のスパイラル巻回膜エレメントは、第2供給流路スペーサを有し、
前記第2供給スペーサの高さは前記第1供給流路スペーサの高さ以下である、膜ろ過システム。」
(イ)「[0002]The present invention relates to filtration, and more particularly but not exclusively, to membrane filtration systems and methods.」
「[0005]There is a need to provide improved systems and methods for filtration, such as membrane filtration.」
=当審訳=「[0002]この発明は、ろ過技術に関するものであり、さらに詳しくは、ただしこれに限られるものではないが、膜ろ過システムと方法に関するものである。」
「[0005]改良されたろ過システムと方法、特に膜ろ過システムと方法を提供することが必要とされている。」
(ウ)「[0017]In yet another embodiment of the present invention, RO systems are often configured in multi-stage systems where the product water from the first stage is the feed water to the second stage. 」
=当審訳=「[0017]本発明のさらなる他の実施形態において、RO(逆浸透)システムはしばしば、第1工程からの精製水が供給水として第2工程に送液される複数段システムとして構成される。」
(エ)「[0077]・・・In addition, referring to FIG. 9 , large systems are also configured in stages, where first stage pressure vessels 110 are followed by second stage of pressure vessels 112 .・・・」
=当審訳=「[0077]・・・また、図9に示すように、第1ステージの圧力容器110の後段に圧力容器112の第2ステージが続いて、大きなシステムが多段に構成される。・・・」
(オ)「[0035]FIG. 9 is a diagram of a two stage membrane module system.」
=当審訳=「[0035]図9は2つの段階でなる膜モジュールシステムを示す図である。」
以下に、図9を示し、同図から、「FIRST STAGE MODULE」(当審訳:第1ステージモジュール)からの「HIGH SALT REJECT WATER」(当審訳:高塩分濃縮水)でない処理水が、後段の「SECOND STAGE RO MODULE」(当審訳:第2ステージ逆浸透膜モジュール)に供給され、そこでさらに処理されて「DRINKING WATER」(当審訳:飲料水)とされていることがみてとれる。
(カ)「[0084]・・・As another non limiting example, the membrane system design may include two different stages. The first stage may comprise four membrane elements, all of which have feed spacer channel heights of for example 0.030 inches. The second stage may comprise two membrane elements, all of which have feed spacer channel heights of for example 0.015 inches.・・・」
=当審訳=「[0084]・・・他の限定されない例として、膜システムは2つの異なるステージから構成してもよい。第1ステージは、全ての膜エレメントの供給流路スペーサの高さがたとえば0.030インチ(0.762mm)の、4つの膜エレメントから構成してもよい。第2ステージは、全ての膜エレメントの供給流路スペーサの高さがたとえば0.015インチ(0.381mm)の、2つの膜エレメントから構成してもよい。」
(1-2)甲第2号証の記載
(サ)「[0060]・・・J:TDS (Total Dissolved Solids=総塩分)透過流束 [kg/m2・s] 」
(シ)「[0074] 図7に示すフローの評価装置(以下、装置 Xという)を構成した。・・・
[0075] 装置Xは・・・図8に示すように、直径 10 cm、全長 l mの膜エレメント 51をパイプ ジョイント 49によって 4本直列に接続して片方の端部を栓 50で封止した上で耐圧容 器 52に装填したもの 2並列設けた構成に、そして第二の半透膜ユニット 15としては、 図9に示すように、直径 10cm、全長 lmの膜エレメント 51を同様に 2本直列に接続し 耐圧容器 52に装填したもの 1列設けたという構成にした。」
(ス)「[0076] <参考例1>通常運転として、装置Xを用いて、東レ (株)愛媛工場の近傍の海水を砂ろ過で前処理して濁質分を除去した前処理海水 (TDS濃度3. 4重量%、水温 22℃、pH = 7. 5)を、流量 80m3/日で処理した。第一の半透膜ユニット用の膜エレメントとしては東レ(株)製SU-810、第二の半透膜ユニット用の膜エレメントとしては東レ(株)製SU-710を用い、第一の半透膜ユニットの回収率30%、第二の半透膜ユニットの回収率75%で運転した。・・・」
(セ)「[0080]<参考例5>参考例1の条件で3ヶ月連続運転した後、高温時の前処理海水 (TDS濃度3. 4重 量%、水温 27℃、pH = 7. 5)について、第二の半透膜ユニット 15の供給水pHを 9. 2 にした他は、参考例1と同じ条件で運転した。・・・」
(ソ)「[0083]<参考例8>通常運転として、第二の半透膜ユニット 15の供給水 pHを9. 26にする他は参考例5と同じ条件で運転を実施した。・・・」
(タ)「[0084]<参考例9>通常運転として、第一の半透膜ユニットの透過水流量 24 m3/日のうち、 22 m3/日 を第二の半透膜ユニット15の供給水とし、また、第二の半透膜ユニットの透過水流量 が 16 m3/日となるように、回収率を72. 7%に設定する他は、参考例8と同じ条件で 運転した。・・・」
(チ)上記(シ)で説明される[図7][図9]を以下に示す。
(1-3)甲第8号証の記載
(ナ)「【0001】発明の背景 本発明は、水処理装置に関し、詳しくは海水から淡水を製造するのに適した水処理装置に関する。・・・」
(ニ)「【0027】2段目に用いられる複合逆浸透膜は、その原水濃度が1段目複合逆浸透膜の透過水であるためイオン類等の濃度が低いので、塩阻止率が高く、かつ透過流束が高いものが透過水の水質の向上、及び経済性の面で好ましい。好ましくは0.05%の食塩水(pH6.5)を供給液として0.75MPaの圧力、25℃の水温で運転した際に、食塩阻止率98%以上、透過流束0.5m3/m2・day以上の性能を持つ複合逆浸透膜が好ましく、より好ましくは食塩阻止率99.0%以上、透過流束0.7m3/m2・day以上である。・・・」
(ヌ)「【0031】図1に、本発明の水処置装置の基本的な構成の一例を示す。図示のように、この装置は、前段の複合逆浸透膜モジュール5および後段の複合逆浸透膜モジュール11を備え、さらに前処理ユニット2を備えている。・・・」
(ネ)水処理装置の一例の構成を示す【図1】を以下に示す。
(2)甲第1号証に記載された発明
i)上記の甲第1号証の記載事項(ア)から、甲第1号証には、
「供給溶液が流入する共通の圧力容器に配置された複数のスパイラル巻回膜エレメントを備え、
前記圧力容器内の前記複数のスパイラル巻回膜エレメントにおける第1のスパイラル型巻回膜エレメントは、第1供給流路スペーサを有し、
前記第1スパイラル巻回膜エレメントの下流側に配置される、前記複数のスパイラル巻回膜エレメントにおける第2のスパイラル巻回膜エレメントは、第2供給流路スペーサを有し、
前記第2供給スペーサの高さは前記第1供給流路スペーサの高さ以下である、膜ろ過システム。」について記載されているといえる。
ii)上記「膜ろ過システム」の「第1のスパイラル型巻回膜エレメント」と「第2のスパイラル巻回膜エレメント」は「圧力容器」内に収容されて加圧できる構造を有しており、これは加圧して水処理することを示すので、同(ウ)から、「第1のスパイラル型巻回膜エレメント」と「第2のスパイラル巻回膜エレメント」は「RO(逆浸透)システム」でなるものといえる。
iii)同(エ)及び同(オ)の図9において、
「第1ステージモジュール」は、上記「膜ろ過システム」における「第1のスパイラル型巻回膜エレメント」でなる「複数のスパイラル巻回膜エレメント」にあたり、
「第2ステージ逆浸透膜モジュール」は、上記「膜ろ過システム」における「第2のスパイラル巻回膜エレメント」でなる「複数のスパイラル巻回膜エレメント」にあたることは明らかである。
そして、同(ウ)~(オ)から、「第1ステージモジュール」からの「高塩分濃縮水」でない処理水が後段の「第2ステージ逆浸透膜モジュール」に供給され、そこでさらに処理されて「飲料水」とされており、「高塩分濃縮水」でない処理水は「第1のスパイラル型巻回膜エレメントからの精製水」といえる。
すると、上記の「前記圧力容器内の前記複数のスパイラル巻回膜エレメントにおける第1のスパイラル型巻回膜エレメントは、第1供給流路スペーサを有し、
前記第1スパイラル巻回膜エレメントの下流側に配置される、前記複数のスパイラル巻回膜エレメントにおける第2のスパイラル巻回膜エレメントは、第2供給流路スペーサを有」する「膜ろ過システム」は、
「第1のスパイラル型巻回膜エレメント」でなる「複数のスパイラル巻回膜エレメント」の「精製水」を、後段の「第2のスパイラル巻回膜エレメント」でなる「複数のスパイラル巻回膜エレメント」で処理する「膜ろ過システム」であるといえる。
iv)同(カ)から、「第1ステージは、全ての膜エレメントの供給流路スペーサの高さがたとえば0.030インチ(0.762mm)の、4つの膜エレメントから構成してもよい。第2ステージは、全ての膜エレメントの供給流路スペーサの高さがたとえば0.015インチ(0.381mm)の、2つの膜エレメントから構成し」てもよいから、上記「膜ろ過システム」における「前記第2供給スペーサの高さは前記第1供給流路スペーサの高さ以下である」ことは、「第1供給流路スペーサの高さ」が「0.030インチ(0.762mm)」であり、「第2供給スペーサの高さ」が「0.015インチ(0.381mm)」であることといえる。
v)同(イ)から、甲1号証には、上記「膜ろ過システム」を用いる「ろ過方法」が示されており、これは「膜ろ過システム」の「運転方法」ということができる。
vi)以上の点を総合し、本件発明2の記載に則して整理すると、甲第1号証には、
「供給溶液が流入する共通の圧力容器に配置された複数のスパイラル巻回膜エレメントを備え、
RO(逆浸透)システムである第1のスパイラル型巻回膜エレメントでなる複数のスパイラル巻回膜エレメントからの精製水を、後段のRO(逆浸透)システムである第2のスパイラル巻回膜エレメントでなる複数のスパイラル巻回膜エレメントで処理する膜ろ過システムにおいて、
第1供給流路スペーサの高さが0.030インチ(0.762mm)であり、第2供給スペーサの高さが0.015インチ(0.381mm)である膜ろ過システムの運転方法。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
(3)本件発明2と引用発明との対比
i)本件発明2の「スパイラル型膜エレメントを備えた逆浸透膜装置」は、「逆浸透膜装置」であるから加圧のための圧力容器を当然に備えるものであって、引用発明の「供給溶液が流入する共通の圧力容器に配置された複数のスパイラル巻回膜エレメントを備え、」ることを含むものである。
ii)引用発明は「RO(逆浸透)システムである第1のスパイラル型巻回膜エレメントでなる複数のスパイラル巻回膜エレメントからの精製水を、後段のRO(逆浸透)システムである第2のスパイラル巻回膜エレメントでなる複数のスパイラル巻回膜エレメントで処理する」から、これは、本願発明1の「逆浸透膜装置を多段に設置」することにあたる。
iii)引用発明の「RO(逆浸透)システムである第1のスパイラル型巻回膜エレメントでなる複数のスパイラル巻回膜エレメント」、「後段のRO(逆浸透)システムである第2のスパイラル巻回膜エレメントでなる複数のスパイラル巻回膜エレメント」は、それぞれ、本件発明2の「前段の逆浸透膜装置」、「後段の逆浸透膜装置」に相当する。
iv)引用発明の「第1供給流路スペーサの高さ」、「第2供給スペーサの高さ」は、本件発明2の「1段目の逆浸透膜装置の膜エレメントの原水スペーサの厚み」、「2段目以降の逆浸透膜装置の膜エレメントの原水スペーサの厚み」に相当する。
v)引用発明の「膜ろ過システム」は、「RO(逆浸透)システム」による浄化装置であり、「RO(逆浸透)システムである第1のスパイラル型巻回膜エレメントでなる複数のスパイラル巻回膜エレメント」の後段に「第2のスパイラル巻回膜エレメントでなる複数のスパイラル巻回膜エレメント」を備えるから、本件発明2の「多段逆浸透膜装置」にあたる。
vi)以上から、本件発明2と引用発明とは、
「スパイラル型膜エレメントを備えた逆浸透膜装置を多段に設置してなり、前段の逆浸透膜装置の透過水を後段の逆浸透膜装置で処理する多段逆浸透膜装置において、
1段目の逆浸透膜装置の膜エレメントの原水スペーサの厚みが0.030インチ(0.762mm)であり、2段目以降の逆浸透膜装置の膜エレメントの原水スペーサの厚みが0.015インチ(0.381mm)である、多段逆浸透膜装置の運転方法。」の点で一致し、次の点で相違する。
(相違点1)
「スパイラル型膜エレメント」の構造と大きさについて、本件発明2では「袋状の逆浸透膜を原水スペーサと共に巻回してなる直径8インチ」のものであるのに対して、引用発明では構造と大きさについて明らかでない点。
(相違点2)
本件発明2は、「多段逆浸透膜装置」を、「1段目の逆浸透膜装置の透過流束を1.0m/d以下」として「運転する方法」であるのに対して、引用発明の運転方法は、「膜ろ過システム」を運転するのに、「RO(逆浸透)システムである第1のスパイラル型巻回膜エレメントでなる複数のスパイラル巻回膜エレメント」の透過流束をどの程度にするのか明らかでない点。
(相違点3)
本件発明2は、「多段逆浸透膜装置」を、「2段目以降の逆浸透膜装置の透過流束を1.1m/d以上」として「運転する方法」であるのに対して、引用発明の運転方法は、「膜ろ過システム」を運転するのに、「後段のRO(逆浸透)システムである第2のスパイラル巻回膜エレメントでなる複数のスパイラル巻回膜エレメント」の透過流束をどの程度にするのか明らかでない点。
(4)相違点の検討
相違点3について検討する。
(4-1)甲第8号証に記載の技術手段の適用について
甲第8号証には、「前段の複合逆浸透膜モジュール5」の「透過水」を「後段の複合逆浸透膜モジュール11」へ供給し「淡水」を得る方法(上記甲第8号証の記載事項(ナ)、(ヌ)、(ネ)の【図1】を参照)において、「2段目に用いられる複合逆浸透膜は、その原水濃度が1段目複合逆浸透膜の透過水であるためイオン類等の濃度が低いので、塩阻止率が高く、かつ透過流束が高いものが透過水の水質の向上、及び経済性の面で好ましい。好ましくは0.05%の食塩水(pH6.5)を供給液として0.75MPaの圧力、25℃の水温で運転した際に、食塩阻止率98%以上、透過流束0.5m3/m2・day以上の性能を持つ複合逆浸透膜が好ましく、より好ましくは食塩阻止率99.0%以上、透過流束0.7m3/m2・day以上である。」(同(ニ))ことが示されている。
すると、甲第8号証において、「透過流束が高」いものとして想定される「2段目に用いられる複合逆浸透膜」は「食塩阻止率99.0%以上、透過流束0.7m3/m2・day以上」のものであるといえる。
これに対して、本件発明2では、「2段目以降の逆浸透膜装置」の「透過流束を1.1m/d以上」とするものであり、当該「透過流束」を採用することで「NaCl」の「真の除去率が99.9%を超え、水質向上の点で好ましい。」(本件明細書【0022】)ものであり、また、本件発明2の実験例を示す【表1】【表2】において、本件発明2の実施例といえる「実施例2」「実施例4」「実施例5」(後段ROの透過流束(フラックス(m/d))は、順に、1.1、1.1、1.3)と、比較例1~4(フラックス(m/d)はいずれも1)を比較すると、「2段目処理水TOC濃度(ppb)」において実施例の値が比較例に比して半分程度以下に小さくなっており、作用効果が優れることがみてとれる。
すると、甲第8号証には、「透過流束が高」い後段ROとして「食塩阻止率99.0%以上、透過流束0.7m3/m2・day以上」のものが示されているにとどまるから、引用発明において甲第8号証に記載の技術手段を適用しても、後段ROとして、「2段目処理水TOC濃度(ppb)」に優れ、「NaCl」の「真の除去率が99.9%を超え」るものとして「透過流束」が「1.1m/d以上」である「2段目の逆浸透膜装置」を想起することは、当業者が容易に成し得ることとはいえない。
(4-2)甲第2号証に記載の技術手段の適用について
異議申立人は、意見書において、甲第2号証(甲第4号証の記載を参酌)に記載された技術手段を引用発明に適用することで、相違点3に係る透過流束は容易に成し得る旨主張するから、これを検討する。
i)甲第2号証の<参考例9>(上記甲第2号証の記載事項(タ)を参照)には、同(チ)の[図7][図9]に示される「第一の半透膜ユニット」と「第二の半透膜ユニット」を連続して有する「半透膜ユニット評価装置」(淡水製造装置)において、「・・・第二の半透膜ユニットの透過水流量が16m3/日」として運転すると、「第二の半透膜ユニットの透過水」の「TDS濃度が2.6mg/l」(同(サ)よりTDSは「総塩分透過流束[kg/m2・s]」)に低減できることが記載されている。
ii)ここで、<参考例9>の前提条件として、同(ス)の<参考例1>には、「第2の半透膜ユニット用の膜エレメント」(「第二の半透膜ユニット15」)として「東レ(株)SU710」を用いることが記載されており、甲第4号証【0034】に「東レ(株)SU710」の「膜面積」は「7m2」であることが記載されている。
iii)すると、「第二の半透膜ユニット15」の「透過流束」は次のように計算される。
a)同(チ)の[図9]から、「東レ(株)SU710」の膜エレメントが2本で1列に配置されるから、「第二の半透膜ユニット15」の総膜面積は
2本×1列×7m2=14m2
「第二の半透膜ユニット」の透過水の流量は、16[m3/日]だから、単位膜面積当たりでは、
16[m3/日]/14[m2]=1.143m/日[m/日](異議申立書15頁)
b)以上から、甲第2号証には、「第一の半透膜ユニット」と「第二の半透膜ユニット」を連続して有する「半透膜ユニット評価装置」(淡水製造装置)において、
「第二の半透膜ユニット」の透過流束が1.14[m/日](>1.1[m/d])、
であることが示されており、この「第二の半透膜ユニット」の透過流束は、相違点3に係る本件発明2の透過流束に相当する。
iv)しかしながら、甲第2号証の<参考例9>は、「他は、参考例8と同じ条件で運転」(同(タ))されるものであり、<参考例8>は「他は参考例5と同じ条件で運転」される(同(ソ))ものであり、<参考例5>は「参考例1の条件で3ヶ月連続運転した後」に「高温時の前処理海水」について「供給水pHを9.2にした他は、参考例1と同じ条件で運転」される(同(セ))ものであるから、一旦「3ヶ月連続運転」した後で、処理水の温度やpHが変動した場合の事例にすぎない。
v)すると、甲第2号証に記載の上記透過流束を、運転条件の異なる引用発明に適用することは容易に成し得ることではない。
なお、甲第5、9-11号証には相違点3に関する記載や示唆はない。
(5)取消理由についての結言
以上から、少なくとも相違点3を有する本件発明2に係る特許は、同発明が、甲第1号証に記載された発明、甲第9号証ないし甲第11号証に記載された周知技術、甲第2号証又は甲第5号証に記載された周知技術、及び甲第8号証に記載された技術手段に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでないので、取消理由によっては取り消すことはできない。
4.取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
特許異議申立人は、相違点3について、申立書において、取消理由通知で採用しなかった次の概要の申立理由を主張しているので検討する。
(申立理由の概要)相違点3に係る透過流束は、甲第1号証に記載された発明、甲第6号証(甲第7号証の記載を参酌)に記載の技術手段、及び、甲第8号証に記載の技術手段を適用して当業者が容易に成し得たものである。
(1)申立理由の詳細
i)甲第6号証には、【図1】に示される「第1の逆浸透膜2」と「第2の逆浸透膜4」を連続して有する「純水の製造方法」を実施する工程において、「【実施例】厚木市水・・・を第1の逆浸透膜・・・に通水した。・・・この第1の逆浸透膜処理水を・・・第2の逆浸透膜[日東電工(株)製、4インチの「ES-20」1本使用]に通水した。この際・・・処理水量は0.28m3/hrであり、また、処理水中のナトリウムイオンの含有量は170~180ppbであった。」(【0008】)ことが記載されている。
ii)すると、「第2の逆浸透膜4」の「透過流束」は次のように計算される。
甲第7号証には、「日東電工(株)製ES-20」として、「膜面積」が「7.5m2」のものが記載されているから、
「第2の逆浸透膜」の透過流束は、
0.28[m3/hr]×24[hr/d]/(7.5[m2]×1本)
=0.896[m/d]≒0.90[m/d]となる。
iii)以上から、甲第6号証には、「第1の逆浸透膜2」と「第2の逆浸透膜4」を連続して有する「純粋の製造方法」において、「第2の逆浸透膜」の透過流束が0.90[m/d]であることが示されている。
iv)ここで、上記甲第8号証の記載事項(ニ)には「2段目に用いられる複合逆浸透膜は、その原水濃度が1段目複合逆浸透膜の透過水であるためイオン類等の濃度が低いので、塩阻止率が高く、かつ透過流束が高いものが透過水の水質の向上、及び経済性の面で好ましい。」と記載されるから、引用発明に甲第6号証に記載に技術手段を適用し、「第2の逆浸透膜4」の透過流束を0.90[m/d]からさらに増加して「1.1m/d以上」とすることは適宜成し得ることである。
(2)当審の判断
甲第6号証において「第2の逆浸透膜4」の透過流束を「1.1m/d以上」とすることはできないことについて、以下に理由i)~iii)を記す。
i)甲第6号証において「第2の逆浸透膜」の「透過流束」を1.1[m/d]以上にするために、「第2の逆浸透膜」を構成する「日東電工(株)製ES-20」として、どのくらいの膜面積のものを使用すればよいかを検討する。当該膜面積を y[m2]とすると、
0.28[m3/hr]×24[hr/d]/y[m2]≧1.1[m/d]
y≦6.109[m2]≒6.11[m2]となる。
しかし、膜面積が6.11[m2]以下となる「日東電工(株)製ES-20」は甲第7号証中に記載がない。
したがって、甲第6号証に記載の技術手段において、[日東電工(株)製、「ES-20」を用いる以上、透過流束を「1.1m/d以上」とすることはできないといえる。
ii)本件発明2は「直径8インチのスパイラル型膜エレメント」を用いるが、甲第6号証では【0008】に「日東電工(株)製ES-20」の「4インチ逆浸透膜」を用いることが記載されている。
したがって、甲第6号証において他の条件をそのままに「4インチ逆浸透膜」を「8インチ逆浸透膜」にした場合、甲第7号証から「8インチタイプ」の「有孔膜面積は37m2」だから、「第2の逆浸透膜」の透過流束は、
0.28[m3/hr]×24[hr/d]/(37[m2]×1本)
=0.1816[m/d]≒0.182[m/d]<1.1[m/d]となる。
したがって、甲第6号証に記載の技術手段において、[日東電工(株)製、「ES-20」を用いる以上、透過流束を「1.1m/d以上」とすることはできないといえる。
iii)上記「3.(4-1)」でみたように、甲第8号証には「2段目に用いられる複合逆浸透膜」は「食塩阻止率99.0%以上、透過流束0.7m3/m2・day以上」のものが記載されているに止まり、透過流束を「1.1m/d以上」とすることは示されていない。
したがって、甲第6号証に記載の技術手段において、[日東電工(株)製、「ES-20」を用いる以上、透過流束を「1.1m/d以上」とすることはできないといえる。
iv)以上から、甲第1号証に記載の発明に、甲第6号証(甲第7号証の記載を参酌)に記載の技術手段、及び、甲第8号証に記載技術手段を適用することで相違点3に係る透過流束とすることが容易に成し得たものであるとする異議申立人の主張は採用できない。
第4 むすび
以上のとおりであるから、取消理由に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、訂正された本件請求項2に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に、訂正された本件請求項2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、請求項1に係る特許は訂正により削除されたため、請求項1に係る特許に対する特許異議の申立は、対象となる特許が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2016-700590