特許訂正審判
2016-390017
液晶組成物および液晶表示素子
- 審判番号
- 2016-390017
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2011-516006
- 登録番号
- 特許第5761019号(P5761019)
- 請求日
- 2016年02月03日
- 審決日
- 2017年01月24日
- 公報発行日
- 2017年04月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】JNC 株式会社
- 【請求人】JNC石油化学 株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 冨士 良宏
- 審判官 豊永 茂弘
- 審判官 岩田 行剛
- 分類
- P141 .852-Y (C09K) / P141 .841-Y (C09K) / P141 .854-Y (C09K) / P141 .856-Y (C09K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5761019号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5761019号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、請求項[1~32]からなる一群の請求項について訂正することを認める。
理由
【理 由】
I.手続の経緯
出願 平成22年5月24日
(特願2011-516006号)
(優先日 平成21年5月29日)
出願公開(国際公開) 平成22年12月2日
(WO2010/137538)
拒絶理由通知(発送日) 平成26年7月15日
意見書(提出日) 同年9月3日
手続補正書(提出日) 同上
拒絶理由通知(発送日) 平成27年2月24日
意見書(提出日) 同年3月5日
手続補正書(提出日) 同上
特許査定(起案日) 同年4月8日
設定登録 同年6月19日
特許公報発行 同年8月12日
(特許第5761019号公報)
訂正審判請求 平成28年2月3日
II.請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第5761019号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、請求項1~32からなる一群の請求項について訂正することを認める、との審決を求めるものであり、その訂正事項は下記の訂正事項1である。
[訂正事項1]
特許請求の範囲の請求項1の式(1)の構造図について、
訂正前の「
」を
訂正後の「
」にする。
III.当審の判断
1 訂正の目的
訂正事項1に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)は、訂正前の請求項1の式(1)の構造図中の結合部位の「-COC-」が、訂正後の請求項1の式(1)の構造図中の結合部位の「-COO-」となるように訂正するものである。
以下、本件訂正の目的について検討する。
訂正前の請求項1の式(1)の構造図は、平成26年9月3日付け手続補正書により補正されたものであり、また、当該補正書は、「国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲」(以下、「当初明細書等」という。)における請求項1の式(1)の構造図を補正するものであり、当初明細書等には、式(1)の構造図に関して、以下の記載がある。
(ア)「第一成分として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第二成分として式(2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、および第三成分として式(3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、そしてネマチック相を有する液晶組成物、およびこの組成物を含有する液晶表示素子である。
」(【0010】)
(イ)「本発明は、下記の項などである。
1. 第一成分として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第二成分として式(2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、および第三成分として式(3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、そしてネマチック相を有する液晶組成物。
」(【0015】)
(ウ)「
」(【0078】)
(エ)「
」(【0117】)
(オ)「3-HHEBH-3 (1-1) 3%」(【0119】)
(カ)「3-HHEBH-3 (1-1) 4%」(【0120】)
(キ)「3-HHEBH-3 (1-1) 2%」(【0121】)
(ク)「3-HHEBH-3 (1-1) 3%
3-HHEBH-4 (1-1) 3%」(【0123】)
(ケ)「3-HHEBH-3 (1-1) 3%」(【0124】)
(コ)「3-HHEBH-3 (1-1) 3%
3-HHEBH-5 (1-1) 3%」(【0125】)
(サ)「3-HHEBH-3 (1-1) 5%
3-HHEBH-4 (1-1) 5%」(【0126】)
(シ)「3-HHEBH-3 (1-1) 4%
3-HHEBH-4 (1-1) 3%」(【0127】)
(ス)「3-HHEBH-3 (1-1) 4%
3-HHEBH-4 (1-1) 3%」(【0128】)
(セ)「3-HHEBH-3 (1-1) 3%」(【0129】)
(ソ)「3-HHEBH-3 (1-1) 4%
3-HHEBH-4 (1-1) 4%」(【0130】)
(タ)「第一成分として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物・・・
」(【請求項1】)
ここで、当初明細書等において、上記(ア)ないし(ウ)、(タ)で示した式(1)の構造図中の連結部位は全て「-COO-」であり、また、上記(オ)ないし(ソ)で示した式(1-1)を、上記(エ)に基いて構造図にしたとき、上記(ア)ないし(ウ)、(タ)で示した式(1)の構造図になることは、明らかであり、これらの連結部位は、記号Eで表される「-COO-」である。
さらに、当初明細書には、式(1)の構造図中の連結部位が「-COC-」であるものの記載はない。
そして、上記(ア)ないし(ウ)および(オ)ないし(ト)で示した当初明細書等の【0010】、【0015】、【0078】、【0119】ないし【0130】の式(1)と、本件特許の明細書の【0010】、【0015】、【0078】、【0119】ないし【0121】、【0123】ないし【0130】の式(1)とは、同一であり、また、上記(エ)で示した当初明細書等の【0117】の表と、本件特許の明細書の【0117】の表についても同一である。
このように、当初明細書等における式(1)の構造図中の連結部位は、一貫して「-COO-」となっている。
一方、上記(タ)で示した当初明細書等の請求項1の『結合部位が「-COO-」である式(1)』と、本件特許の特許請求の範囲の請求項1(訂正前の請求項1)の『結合部位が「-COC-」である式(1)』とは、結合部位において相違し、さらに、訂正前の請求項1の式(1)の構造図は、平成26年9月3日付け手続補正書により補正されたものであることは、上記で示したとおりである。
そうすると、平成26年9月3日付け手続補正書による補正により、請求項1の『結合部位が「-COO-」である式(1)』が、当初明細書からみて明らかな誤記である『結合部位が「-COC-」である式(1)』に補正され、これがそのまま登録され、また、これ以外の式(1)については、補正されず、『結合部位が「-COC-」である式(1)』のままになっているところ、本件訂正は、本件特許の特許請求の範囲の請求項1(訂正前の請求項1)の式(1)について、当初明細書等の請求項1の式(1)に戻すと共に、当初明細書等の明細書および本件特許の明細書における式(1)と整合させるものであり、これは、誤って登録された『結合部位が「-COC-」である式(1)』を、本来あるべき『結合部位が「-COO-」である式(1)』に戻す訂正であるというべきである。
したがって、本件訂正は、本来あるべき『結合部位が「-COO-」である式(1)』に戻す訂正であるというべきであるので、当初明細書等からみて明らかな誤記の訂正を目的とするものであり、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。
2 当初明細書等(国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲)の範囲内であること
上記「1」で示したとおり、本件訂正における訂正後の式(1)は、当初明細書等(国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲)に記載されたものである。
したがって、本件訂正は、当初明細書等の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないこと
上記「1」で示したとおり、本件訂正は、当初明細書等からみて明らかな誤記の訂正を目的とするものであり、この誤記を正すものである。つまり、訂正前の発明の内容と、訂正後の発明の内容とは、実質的に同じであって、その内容は何ら変更されるものではない。
したがって、本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
4 独立特許要件
上記「1」で示したとおり、本件訂正は、当初明細書等からみて明らかな誤記の訂正を目的とするものであり、この誤記を正すものである。つまり、訂正前の発明の内容と、訂正後の発明の内容とは、実質的に同じであって、その内容は何ら変更されるものではない。また、訂正前の発明は、式(1)ではない式(6)に関して、「ただし、第六成分の少なくとも1つは式(6-3-7)で表される化合物である。」との事項が付加されたことを前提にして、拒絶の理由を発見しないものであるとして特許されたものであり、当該事情を変更する新たな事由もない。
そうすると、訂正後の発明についても拒絶の理由を発見しないものであるというべきであり、当該発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
III.むすび
以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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