審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許訂正審判

2022-390009

冷媒を含む組成物、その使用、並びにそれを有する冷凍機及びその冷凍機の運転方法

審判番号
2022-390009
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2019-518587
登録番号
6555456
請求日
2022年01月28日
審決日
2022年06月07日
公報発行日
2022年09月30日
結論
訂正認容
当事者
  • 【請求人】ダイキン工業 株式会社
  • 【請求人代理人】特許業務法人三枝国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 門前 浩一
  • 審判官 瀬下 浩一
  • 審判官 亀ヶ谷 明久
分類
P141 .841-Y (C09K) / P141 .851-Y (C09K) / P141 .852-Y (C09K) / P141 .853-Y (C09K) / P141 .854-Y (C09K) / P141 .855-Y (C09K) / P141 .856-Y (C09K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項特許法126条5項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第5項、特許法第126条第4項、特許法第134条、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6555456号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第6555456号に係る明細書及び特許請求の範囲を審判請求書に添付された明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4、6~11〕について訂正することを認める。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第6555456号(以下「本件特許」という。)は、平成30年10月5日(優先権主張 平成29年12月18日)を国際出願日とする特願2019-518587号の請求項1~11に係る発明について令和元年7月19日に特許権の設定登録がなされたものである。 そして、令和4年1月28日に本件訂正審判の請求(以下「本件請求」という。)がされたものである。 第2 本件審判請求の趣旨及び内容 1 審判請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第6555456号の明細書、特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~4及び6、並びに7~11について訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。 2 訂正の内容 訂正の内容は、次の訂正事項1ないし3、3-1、3-2、4、4-1、5及び5-1のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」と記載されているのを、「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」に訂正する(請求項1を引用する請求項7~11も同様に訂正する)。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」と記載されているのを、「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」に訂正する(請求項2を引用する請求項7~11も同様に訂正する)。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」と記載されているのを、「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」に訂正する(請求項3を引用する請求項7~11も同様に訂正する)。 (4)訂正事項3-1 明細書の0005段落に「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」と記載されているのを、「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」に訂正する。 (5)訂正事項3-2 明細書の0022段落に「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」と記載されているのを、「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」に訂正する。 (6)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」と記載されているのを、「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」に訂正する(請求項4を引用する請求項7~11も同様に訂正する)。 (7)訂正事項4-1 明細書の0023段落に「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」と記載されているのを、「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」に訂正する。 (8)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項6に「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」と記載されているのを、「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」に訂正する(請求項6を引用する請求項7~11も同様に訂正する)。 (9)訂正事項5-1 明細書の0025段落に「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」と記載されているのを、「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」に訂正する。 第3 当審の判断 1 一群の請求項ごとに訂正を請求することについて (1)本件訂正請求は、二以上の請求項が記載された特許請求の範囲の訂正を請求し、また、明細書の訂正を請求するものであるので、本件訂正請求が、特許法第126条第3項及び第4項に規定する要件を満たすものであるかを検討する。 (2)請求項の訂正について 訂正前の請求項1及び7~11について、請求項7~11はそれぞれ請求項2を引用しているものであって、訂正事項によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1及び7~11に対応する訂正後の請求項1及び7~11は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。 訂正前の請求項2及び7~11について、請求項7~11はそれぞれ請求項2を引用しているものであって、訂正事項2によって記載が訂正される請求項2に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項2及び7~11に対応する訂正後の請求項2及び7~11は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。 訂正前の請求項3及び7~11について、請求項7~11はそれぞれ請求項3を引用しているものであって、訂正事項3によって記載が訂正される請求項2に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項3及び7~11に対応する訂正後の請求項3及び7~11は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。 訂正前の請求項4及び7~11について、請求項7~11はそれぞれ請求項4を引用しているものであって、訂正事項4によって記載が訂正される請求項4に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項2及び7~11に対応する訂正後の請求項4及び7~11は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。 訂正前の請求項6及び7~11について、請求項7~11はそれぞれ請求項6を引用しているものであって、訂正事項5によって記載が訂正される請求項6に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項6及び7~11に対応する訂正後の請求項6及び7~11は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。 そして、上記5つの「一群の請求項」は、請求項7~11を共通して有しているから、組み合わされて、一つの「一群の請求項1~4、6~17」となる。 したがって、訂正事項1~5は、一群の請求項1~4、6~17についてするものであり、特許法第126条第3項の規定に適合する。 (3)明細書の訂正について ア 訂正事項3-1及び3-2は、前記訂正事項3により訂正される請求項3の記載に対応して明細書を訂正するものである。 イ 訂正事項4-1は、前記訂正事項4により訂正される請求項4の記載に対応して明細書を訂正するものである。 ウ 訂正事項5-1は、前記訂正事項5により訂正される請求項6の記載に対応して明細書を訂正するものである。 エ 前記(2)において検討したように、訂正後の請求項1~4、6~11は一群の請求項であるから、前記ア~ウの請求項3、4、6は、一群の請求項に含まれるものである。そうすると、本件訂正のうち、明細書の訂正は、一群の請求項の全てについて行われたものであって、特許法第126条第4項の規定に適合するものである。 2 目的要件について (1)訂正事項1 ア 審判請求人は、訂正事項1について令和4年4月12日の手続補正により補正された審判請求書第4~5ページ(3)イ(ア)aにおいて、誤記の訂正を目的とするものである旨主張しているので、特許法第126条第1項ただし書第2号を目的とするか否かについて検討する。 イ 判断の前提 特許請求の範囲又は明細書の誤記の訂正を目的とする訂正が認められるためには、特許がされた特許請求の範囲又は明細書の記載に誤記が存在し、それ自体で特許請求の範囲、明細書又は図面の他の記載との関係で、誤りであることが明らかであり、かつ正しい記載が願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面から自明な事項として定まる必要がある。 (例えば、参考判決としては、「旧特許法第134条2項ただし書2号は、「誤記の訂正」を目的とする場合には明細書又は図面を訂正することを認めている。ここでいう「誤記」というためには,訂正前の記載が誤りで訂正後の記載が正しいことが,当該明細書及び図面の記載や当業者(その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者)の技術常識などから明らかで,当業者であればそのことに気付いて訂正後の趣旨に理解するのが当然であるという場合でなければならないものと解される。」(知財高判平18(行ケ)10204号)参照)。 ウ 目的要件の判断 訂正前の請求項1の記載は、次のとおり、 「【請求項1】 冷媒を含む組成物であって、 前記冷媒が、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、トリフルオロエチレン(HFO-1123)及び2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(R1234yf)を含み、かつ HFO-1132(E)、HFO-1123及びR1234yfの合計を、冷媒全体に対して99.5質量%以上含み、 前記冷媒において、HFO-1132(E)、HFO-1123及びR1234yfの、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとするとき、HFO-1132(E)、HFO-1123及びR1234yfの総和が100質量%となる3成分組成図において、座標(x,y,z)が、 点G(72.0, 28.0, 0.0)、 点I(72.0, 0.0, 28.0)、 点A(68.6, 0.0, 31.4)、 点A’(30.6, 30.0, 39.4)、 点B(0.0, 58.7, 41.3)、 点D(0.0, 80.4, 19.6)、 点C’(19.5, 70.5, 10.0) 及び 点C(32.9, 67.1, 0.0) の8点をそれぞれ結ぶ線分GI、IA、AA’、A’B、BD、DC’、C’C及びCGで囲まれる図形の範囲内又は前記線分上にあり(ただし、線分IA、BD及びCG上の点は除く)、 前記線分AA’は、 座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503) で表わされ、 前記線分A’Bは、 座標(x, 0.0029x2-1.0268x+58.7, -0.0029x2+0.0268x+41.3) で表わされ、 前記線分DC’は、 座標(x, 0.0082x2-0.6671x+80.4, -0.0082x2-0.3329x+19.6) で表わされ、 前記線分C’Cは、 座標(x, 0.0067x2-0.6034x+79.729, -0.0067x2-0.3966x+20.271) で表わされ、かつ 前記線分GI、IA、BD及びCGが直線である、組成物。」である。 そして、前記訂正事項1は、「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」を「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」と訂正するものであるところ、誤記の訂正を目的としたものとして認められるためには、上述のとおり訂正前の「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」の記載がそれ自体で、特許された明細書、特許請求の範囲又は図面の記載との関係で誤りであることが明らかであり、かつ、特許がされた明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から、正しい記載が「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」であると自明な事項として定まることが必要である。 (ア)訂正前の請求項1の「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載がそれ自体で、特許された明細書、特許請求の範囲又は図面の記載との関係で誤りであることが明らかであるについて検討する。 上記座標は、HF0-1132(E)、HF0-1123及びR1234yfの、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとするとき、HF0-1132(E)、HF0-1123及びR1234yfの総和が100質量%となる3成分組成図における座標(x, y, z)を示すものであり、x、y及びzの合計は当然に100(質量%)となるべきところ、訂正前の請求項1の上記「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載においては、x+y+z=x+(0.0016x2-0.9473x+57.497)+(0.0016x2-0.0527x+42.503)=0.0032x2となり、x,y及びzの合計が100(質量%)とならないことから、それ自体で、誤りであることが明らかである。 (イ)訂正後の「前記線分AA’は、座標(x, -0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載に関して、特許がされた明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から、正しい記載が「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」であると自明な事項として定まるといえるかについて検討する。 (ア)のとおり、x、y及びzの合計は当然に100(質量%)となるべきところ、訂正後の請求項1の上記「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載においては、x+y+z=x+(0.0016x2-0.9473x+57.497)+(-0.0016x2-0.0527x+42.503)=100となり、x,y及びzの合計が100(質量%)となることから、訂正前の請求項1の「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載の箇所に誤りがあると気付いた当業者には、正しい記載が「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」であると自明な事項として定まるといえる。 ウ 小括 以上のとおり、請求項1の訂正前の「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」という記載は、明細書の他の記載との関係で、誤りであることが明らかであり、かつ正しい記載が願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面から自明な事項として定まるといえる。 よって、訂正前の「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」を「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」とする訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものと認められる。 (2)訂正事項2 ア 審判請求人は、訂正事項2について令和4年4月12日の手続補正により補正された審判請求書第6~7ページ(3)イ(イ)aにおいて、誤記の訂正を目的とするものである旨主張しているので、特許法第126条第1項ただし書第2号を目的とするか否かについて検討する。 イ 判断の前提 上記(1)イのとおりである。 ウ 目的要件の判断 訂正前の請求項2の記載は、次のとおり、 「【請求項2】 冷媒を含む組成物であって、 前記冷媒が、HFO-1132(E)、HFO-1123及びR1234yfを含み、かつ HFO-1132(E)、HFO-1123及びR1234yfの合計を、冷媒全体に対して99.5質量%以上含み、 前記冷媒において、HFO-1132(E)、HFO-1123及びR1234yfの、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとするとき、HFO-1132(E)、HFO-1123及びR1234yfの総和が100質量%となる3成分組成図において、座標(x,y,z)が、 点J(47.1, 52.9, 0.0)、 点P(55.8, 42.0, 2.2)、 点N(68.6, 16.3, 15.1)、 点K(61.3, 5.4, 33.3)、 点A’(30.6, 30.0, 39.4)、 点B(0.0, 58.7, 41.3)、 点D(0.0, 80.4, 19.6)、 点C’(19.5, 70.5, 10.0) 及び 点C(32.9, 67.1, 0.0) の9点をそれぞれ結ぶ線分JP、PN、NK、KA’、A’B、BD、DC’、C’C及びCJで囲まれる図形の範囲内又は前記線分上にあり(ただし、線分BD及びCJ上の点は除く)、 前記線分PNは、 座標(x, -0.1135x2+12.112x-280.43, 0.1135x2-13.112x+380.43) で表わされ、 前記線分NKは、 座標(x, 0.2421x2-29.955x+931.91, -0.2421x2+28.955x-831.91) で表わされ、 前記線分KA’は、 座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503) で表わされ、 前記線分A’Bは、 座標(x, 0.0029x2-1.0268x+58.7, -0.0029x2+0.0268x+41.3) で表わされ、 前記線分DC’は、 座標(x, 0.0082x2-0.6671x+80.4, -0.0082x2-0.3329x+19.6) で表わされ、 前記線分C’Cは、 座標(x, 0.0067x2-0.6034x+79.729, -0.0067x2-0.3966x+20.271) で表わされ、かつ 前記線分JP、BD及びCJが直線である、組成物。」である。 そして、前記訂正事項2は、「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」を「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」と訂正するものであるところ、誤記の訂正を目的としたものとして認められるためには、上述のとおり訂正前の「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」の記載がそれ自体で、特許された明細書、特許請求の範囲又は図面の記載との関係で誤りであることが明らかであり、かつ、特許がされた明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から、正しい記載が「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」であると自明な事項として定まることが必要である。 (ア)訂正前の請求項2の「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載がそれ自体で、特許された明細書、特許請求の範囲又は図面の記載との関係で誤りであることが明らかであるについて検討する。 上記座標は、HF0-1132(E)、HF0-1123及びR1234yfの、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとするとき、HF0-1132(E)、HF0-1123及びR1234yfの総和が100質量%となる3成分組成図における座標(x, y, z)を示すものであり、x、y及びzの合計は当然に100(質量%)となるべきところ、訂正前の請求項2の上記「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載においては、x+y+z=x+(0.0016x2-0.9473x+57.497)+(0.0016x2-0.0527x+42.503)=0.0032x2となり、x,y及びzの合計が100(質量%)とならないことから、それ自体で、誤りであることが明らかである。 (イ)訂正後の「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載に関して、特許がされた明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から、正しい記載が「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」であると自明な事項として定まるといえるかについて検討する。 (ア)のとおり、x、y及びzの合計は当然に100(質量%)となるべきところ、訂正後の請求項1の上記「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載においては、x+y+z=x+(0.0016x2-0.9473x+57.497)+(-0.0016x2-0.0527x+42.503)=100となり、x,y及びzの合計が100(質量%)となることから、訂正前の請求項2の「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載の箇所に誤りがあると気付いた当業者には、正しい記載が「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」であると自明な事項として定まるといえる。 ウ 小括 以上のとおり、請求項2の訂正前の「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」という記載は、明細書の他の記載との関係で、誤りであることが明らかであり、かつ正しい記載が願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面から自明な事項として定まるといえる。 よって、訂正前の「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」を「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」とする訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものと認められる。 (3)訂正事項3 ア 審判請求人は、訂正事項3について令和4年4月12日の手続補正により補正された審判請求書第8~9ページ(3)イ(ウ)aにおいて、誤記の訂正を目的とするものである旨主張しているので、特許法第126条第1項ただし書第2号を目的とするか否かについて検討する。 イ 判断の前提 上記(1)イのとおりである。 ウ 目的要件の判断 訂正前の請求項3の記載は、次のとおり、 「【請求項3】 冷媒を含む組成物であって、 前記冷媒が、HFO-1132(E)、HFO-1123及びR1234yfを含み、かつ HFO-1132(E)、HFO-1123及びR1234yfの合計を、冷媒全体に対して99.5質量%以上含み、 前記冷媒において、HFO-1132(E)、HFO-1123及びR1234yfの、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとするとき、HFO-1132(E)、HFO-1123及びR1234yfの総和が100質量%となる3成分組成図において、座標(x,y,z)が、 点J(47.1, 52.9, 0.0)、 点P(55.8, 42.0, 2.2)、 点L(63.1, 31.9, 5.0)、 点M(60.3, 6.2, 33.5)、 点A’(30.6, 30.0, 39.4)、 点B(0.0, 58.7, 41.3)、 点D(0.0, 80.4, 19.6)、 点C’(19.5, 70.5, 10.0) 及び 点C(32.9, 67.1, 0.0) の9点をそれぞれ結ぶ線分JP、PL、LM、MA’、A’B、BD、DC’、C’C及びCJで囲まれる図形の範囲内又は前記線分上にあり(ただし、線分BD及びCJ上の点は除く)、 前記線分PLは、 座標(x, -0.1135x2+12.112x-280.43, 0.1135x2-13.112x+380.43) で表わされ、 前記線分MA’は、 座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503) で表わされ、 前記線分A’Bは、 座標(x, 0.0029x2-1.0268x+58.7, -0.0029x2+0.0268x+41.3) で表わされ、 前記線分DC’は、 座標(x, 0.0082x2-0.6671x+80.4, -0.0082x2-0.3329x+19.6) で表わされ、 前記線分C’Cは、 座標(x, 0.0067x2-0.6034x+79.729, -0.0067x2-0.3966x+20.271) で表わされ、かつ 前記線分JP、LM、BD及びCJが直線である、組成物。」である。 そして、前記訂正事項3は、「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」を「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」と訂正するものであるところ、誤記の訂正を目的としたものとして認められるためには、上述のとおり訂正前の「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」の記載がそれ自体で、特許された明細書、特許請求の範囲又は図面の記載との関係で誤りであることが明らかであり、かつ、特許がされた明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から、正しい記載が「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」であると自明な事項として定まることが必要である。 (ア)訂正前の請求項の「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載がそれ自体で、特許された明細書、特許請求の範囲又は図面の記載との関係で誤りであることが明らかであるについて検討する。 上記座標は、HF0-1132(E)、HF0-1123及びR1234yfの、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとするとき、HF0-1132(E)、HF0-1123及びR1234yfの総和が100質量%となる3成分組成図における座標(x, y, z)を示すものであり、x、y及びzの合計は当然に100(質量%)となるべきところ、訂正前の請求項2の上記「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載においては、x+y+z=x+(0.0016x2-0.9473x+57.497)+(0.0016x2-0.0527x+42.503)=0.0032x2となり、x,y及びzの合計が100(質量%)とならないことから、それ自体で、誤りであることが明らかである。 (イ)訂正後の「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載に関して、特許がされた明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から、正しい記載が「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」であると自明な事項として定まるといえるかについて検討する。 (ア)のとおり、x、y及びzの合計は当然に100(質量%)となるべきところ、訂正後の請求項1の上記「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載においては、x+y+z=x+(0.0016x2-0.9473x+57.497)+(-0.0016x2-0.0527x+42.503)=100となり、x,y及びzの合計が100(質量%)となることから、訂正前の請求項3の「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載の箇所に誤りがあると気付いた当業者には、正しい記載が「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」であると自明な事項として定まるといえる。 ウ 小括 以上のとおり、請求項3の訂正前の「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」という記載は、明細書の他の記載との関係で、誤りであることが明らかであり、かつ正しい記載が願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面から自明な事項として定まるといえる。 よって、訂正前の「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」を「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」とする訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものと認められる。 (4)訂正事項3-1、3-2、4、4-1、5及び5-1 ア 審判請求人は、訂正事項3-1、3-2、4、4-1、5及び5-1について令和4年4月12日の手続補正により補正された審判請求書第10~11ページ(3)イ(エ)a、第12~13ページ(3)イ(オ)a、第14ページ(3)イ(カ)a、第15~16ページ(3)イ(キ)a、第17~18ページ(3)イ(ク)a及び第19~20ページ(3)イ(ケ)aにおいて、誤記の訂正を目的とするものである旨主張しているが、上記(3)と同様の理由により、訂正前の「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, 0.0016x2-0.0527x+42.503)」を「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」とする訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものと認められる。 3 特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について 上記1で述べたとおり、訂正事項1、2、3、3-1、3-2、4、4-1、5及び5-1は、特許請求の範囲の誤記の訂正を目的とするものであり、「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」、「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」及び「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載は登録時に記載されていたといえるものであるから、訂正の前後で実質上特許請求の範囲の拡張又は変更があるとはいえない。 したがって、本件訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 4 新規事項の追加の有無について (1)上記1で述べたとおり、訂正事項1、2、3、3-1、3-2、4、4-1、5及び5-1は、特許請求の範囲の誤記の訂正を目的とするものである。 (2)特許法第126条第5項のかっこ書きの規定により、誤記の訂正を目的とする訂正の場合には、新規事項の基準明細書は、願書に最初に添付された明細書等であるから、平成30年10月5日に国際出願された明細書等を参照する。 (3)「前記線分AA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」及び「前記線分KA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載は国際出願日の明細書登録時に記載されていたと認識できるものであるから、新たな技術的事項が導入されているとはいえず、明細書の該当箇所は補正されておらず、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかである。 (4)「前記線分MA’は、座標(x, 0.0016x2-0.9473x+57.497, -0.0016x2-0.0527x+42.503)」との記載は国際出願時の明細書等には記載されていない。しかしながら、国際出願時の図2を参照すると、AA’及びKA’とMA’とは同じ軌道を描くものであるから、前記(3)と同様に記載されていたに等しい事項といえるから、新たな技術的事項が導入されているとはいえず、明細書の該当箇所は補正されておらず、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかである。 (5)したがって、本件訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 5 訂正後の発明の独立特許要件について 本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とする訂正を含むので、訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が同条第7項に適合するものであるかを検討する。 そこで、この点を検討したところ、本件訂正後における特許請求の範囲の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでないとする新たな理由は見当たらない。 したがって、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項、同条第5項~第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-390009

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決726件(ダイキン工業 株式会社)
  • 2026-390113訂正審判
    同じ当事者: ダイキン工業 株式会社
  • 2025-000523拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)撥剤
    同じ当事者: ダイキン工業 株式会社
  • 2025-000820拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)撥剤
    同じ当事者: ダイキン工業 株式会社
  • 2025-002484拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)撥剤
    同じ当事者: ダイキン工業 株式会社
  • 2025-002485拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)撥剤
    同じ当事者: ダイキン工業 株式会社
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)14件(841・C09K、851・C09K、852・C09K ほか)
  • 2020-390037訂正審判 / 2020-08-18 / 訂正認容蓄光材の製造方法
    共通の審決分類: 841・C09K、851・C09K、852・C09K、853・C09K ほか3件
  • 2023-390092訂正審判 / 2023-09-12 / 訂正認容液晶媒体
    共通の審決分類: 841・C09K、852・C09K、854・C09K、855・C09K ほか1件
  • 2025-390134訂正審判 / 2026-02-13 / 訂正認容シール部材および防水コネクタ
    共通の審決分類: 852・C09K、854・C09K、855・C09K、856・C09K
  • 2016-390017訂正審判 / 2017-01-24 / 訂正認容液晶組成物および液晶表示素子
    共通の審決分類: 841・C09K、852・C09K、854・C09K、856・C09K
  • 2019-390064訂正審判 / 2019-11-11 / 訂正認容液晶組成物および液晶表示素子
    共通の審決分類: 851・C09K、854・C09K

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存