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特許拒絶査定不服審判

2016-019058

可逆性感熱記録材料

審判番号
2016-019058
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-011329外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年12月20日
審決日
2017年11月20日
公報発行日
2018年02月23日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (B41M)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013- 11329「可逆性感熱記録材料」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 9月 5日出願公開、特開2013-173357〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 1 手続の経緯 本願は、平成25年1月24日の出願(優先権主張平成24年1月25日)であって、平成28年5月25日付けで拒絶理由が通知され、同年8月1日に意見書の提出とともに手続補正がなされ、同年9月12日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し同年12月20日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 2 本願発明 本願の請求項1,2に係る発明は、平成28年8月1日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1,2に記載された事項により特定されるとおりのものであり、その請求項1に係る発明は、以下のとおりである。 「  【請求項1】 支持体上に、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度及び/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成させる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層と、ケン化度が90モル%以上であり、アセトアセチル変性度が0.5~10モル%の範囲内であるアセトアセチル変性ポリビニルアルコールと、架橋剤としてグリオキシル酸塩を含み、該アセトアセチル変性ポリビニルアルコールが架橋剤により架橋しているガスバリア層と、保護層とが順次積層されたことを特徴とする可逆性感熱記録材料。」(以下、「本願発明」という。) 3 引用刊行物の記載及び引用発明 (1)引用文献1 ア 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先権主張の日前の平成15年9月30日に公開された刊行物である特開2003-276368号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。(下線部は、当審にて付与した。以下同様) (ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂層を含む積層体からなることを特徴とするリライタブル積層体。 【請求項2】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂層がさらに架橋剤を含んでなることを特徴とする請求項1記載のリライタブル積層体。 【請求項3】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂層を保護層として使用されることを特徴とする請求項1または2記載のリライタブル積層体。 【請求項4】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂層がアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂以外の樹脂からなる保護層と感熱リライタブル層の間の中間層として使用されることを特徴とする請求項1~3いずれか記載のリライタブル積層体。」 (イ)「【0013】本発明においては、耐水性のさらなる向上の点で、上記のAA化PVAと架橋剤を併用することも好ましく、かかる架橋剤としては、アミン系化合物(メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、アルキル化メチロール尿素、アルキル化メチロールメラミン、アセトグアナミンやベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの縮合物、ジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミン,テトラエチレンペンタミン,トリメチルヘキサメチレンジアミン,ポリエーテルジアミン等の脂肪族アミン、メタフェニレンジアミン,ジアミノジフェニルメタン等の芳香族アミン、アミンアダクト,ポリアミドアミン等の変性アミンなど)、アルデヒド化合物(ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,ブチルアルデヒド等のモノアルデヒド、グリオキザール,グルタンジアルデヒド,マロンジアルデヒド,スクシンジアルデヒド,マレインジアルデヒド,フタルジアルデヒド等のジアルデヒドなど)、ヒドラジン化合物(ヒドラジン、ヒドラジンヒドラード、ヒドラジンの塩酸,硫酸,硝酸,亜硝酸,リン酸,チオシアン酸,炭酸等の無機塩類及びギ酸,シュウ酸等の有機塩類、ヒドラジンのメチル,エチル,プロピル,ブチル,アリル等の一置換体、1,1-ジメチル,1,1-ジエチル,4-n-ブチル-メタル等の非対称二置換体並びに1,2-ジメチル,1,2-ジエチル,1,2-ジイソピル等の対称二置換体など)、ホルムアミド基含有化合物(ビニルホルムアミド,N-アリルホルムアミド,アクリルホルムアミド等のモノマー重合物或いはこれらのモノマーと酢酸ビニルモノマー,スチレンモノマー,メチル(メタ)アクリレート等との共重合物など)、イソシアネート化合物(トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン-トリレンジイソシアネートの付加物、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス-4-フェニルメタントリイソシアネート、メチレンビスイソホロンジイソシアネート、メチレンビス-4-フェニルメタントリイソシアネートやメチレンビスイソホロンジイソシアネートのケトオキシムブロック物など)、多価金属イオン(酢酸アルミニウム、酢酸銅、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化鉛、塩化コバルト、塩化鉄(III)、硫酸アルミニウム、硫酸鉄(III)、水酸化アルミニウム、塩化ジルコニウム、炭酸ジルコニルアンモニウムなど)、その他のメチロール基或いはアルコキシメチル基含有化合物などを挙げることができる。」 (ウ)「【0020】また、感熱リライタブル層は、例えば特開2001-113863号公報に開示されるように、(○1)(合議体注:丸囲みの「1」をこのように表記した。以下同様。)ロイコ色素系や(○2)高分子/有機低分子分散系等の素材により構成される。 【0021】(○1)ロイコ色素系の場合、発色/消色は、ロイコ色素と酸性化合物の組合せによるもので、これら化合物を高分子バインダーと共に混合した組成物により感熱リライタブル層を形成する。両性化合物を用いる競争反応系と、長鎖アルキル酸性化合物を用いる相分離系がある。 (中略) 【0023】相分離系では、ロイコ色素と長鎖アルキル酸性化合物との相溶状態と非相溶状態とを冷却速度の差によって制御するもので、加熱して相溶状態のまま急冷すると相溶したまま固定化されて発色状態となり、加熱して相溶状態のまま徐冷すると相分離を起こして非相溶状態となり、消色するものである。ここで、長鎖アルキル酸性化合物としては、長鎖アルキル基を持つフェノール化合物、又は長鎖アルキル基を持つホスホン酸化合物が使用できる。長鎖アルキル基とは、前者の場合で炭素数11以上が、後者の場合で炭素数14以上が好ましい。」 (エ)「【0030】実施例1 下記の要領でリライタブル積層体を作製して、その評価を行った。まず、基材(厚さ0.3mmのポリ塩化ビニル樹脂板の表面に厚さ50μmのPETフィルムを積層したもの)表面にエイコシルホスホン酸5部、2-アニリノ-6-ジエチルアミノ-3-メチルフルオラン10部、THF100部、トルエン10部及びポリビニルアルコール[ケン化度88モル%、4%水溶液粘度5mPa・s(20℃)]25部からなる溶液をワイヤーバーで塗布後、加熱乾燥して、約500μm厚みの感熱リライタブル層を設けた。 【0031】ついで、その上にAA化PVA[アセト酢酸エステル基2モル%含有、ケン化度99モル%、4%水溶液粘度10mPa・s(20℃)]10部、グルタルアルデヒド0.2部及び水100部からなる水溶液をワイヤーバーで塗布後、加熱乾燥して、約10μm厚みの中間層を設け、さらに、その上に保護層として、約2μmのシリコーン樹脂層を設けて本発明のリライタブル積層体を製造した。」 (オ)「【0032】得られたリライタブル積層体について、以下の評価を行った。 (耐溶剤性)得られたリライタブル積層体に、110℃、0.6kg/m2の条件で2秒間加熱圧着より印字を行って、この時の印字発色濃度(X)の測定後、印字面に酢酸エチルを数滴滴下して、室温で1時間放置後、酢酸エチルを拭き取って消去を行った。その後、印字と消去を50回ずつ繰り返し、最後にもう一度印字を行って、この時の印字発色濃度(Y)を測定して、最初の印字発色濃度(X)に対する最後の印字発色濃度(Y)の保持率(%)を算出して耐溶剤性の指標とした。なお、印字発色濃度は、マクベス濃度計(マクベス社製『RD-100R型』、アンバーフィルター使用)にて測定した。 【0033】(耐水性)上記の耐溶剤性の評価において、酢酸エチルに変えて水を用いた以外は同様に評価を行った。 【0034】(耐油性)上記の耐溶剤性の評価において、酢酸エチルに変えてポリブテン油を用いた以外は同様に評価を行った。 【0035】(サーマルヘッドの耐摩耗性)得られたリライタブル積層体に、110℃、0.6kg/m2の条件で2秒間加熱圧着より印字を行い、その後80℃、0.6kg/m2の条件で消去を行う操作を50回ずつ行って、その時のサーマルヘッドの汚れ具合を目視観察して以下のように評価した。 ○・・・サーマルヘッドに樹脂の付着が認められない △・・・サーマルヘッドに樹脂の付着がわずかに認められる ×・・・サーマルヘッドに樹脂の付着が多く認められる」 (カ)「【0053】実施例および比較例の評価結果を表1に示す。 【0054】 【0055】 【発明の効果】本発明のリライタブル積層体は、AA化PVAあるいはAA化PVAと架橋剤を含有する層を有しているため、耐溶剤性、耐水性、耐油性に優れ、さらにはサーマルヘッドの耐摩耗性にも優れるという作用効果を得ることができる。」 イ 上記記載事項(エ)に基づけば、引用文献1には、実施例1として、以下の発明が記載されていると認められる。 「基材表面にエイコシルホスホン酸5部、2-アニリノ-6-ジエチルアミノ-3-メチルフルオラン10部、THF100部、トルエン10部及びポリビニルアルコール[ケン化度88モル%、4%水溶液粘度5mPa・s(20℃)]25部からなる溶液をワイヤーバーで塗布後、加熱乾燥して、約500μm厚みの感熱リライタブル層を設け、その上にAA化PVA[アセト酢酸エステル基2モル%含有、ケン化度99モル%、4%水溶液粘度10mPa・s(20℃)]10部、グルタルアルデヒド0.2部及び水100部からなる水溶液をワイヤーバーで塗布後、加熱乾燥して、約10μm厚みの中間層を設け、その上に保護層として、約2μmのシリコーン樹脂層を設けて製造したリライタブル積層体。」(以下、「引用発明」という。) (2)引用文献2 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先権主張の日前の平成22年4月8日に公開された刊行物である特開2010-77385号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。 ア 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 グリオキシル酸塩を含有することを特徴とする架橋剤。」 イ 「【0004】 また、(ii)に関しては、種々の線状高分子に対してその架橋法が検討され、実用化されている。中でも、水溶性樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂(以下、ポリビニルアルコールをPVAと略記する。)は、架橋によって耐水性を付与することが可能であり、架橋構造形成が実用上極めて重要な樹脂の一つである。 かかるPVA系樹脂の場合、主鎖に結合する水酸基を架橋基として用いた例も広く知られているが、架橋効率を高め、強固な架橋構造を形成させるためには、反応性を有する変性PVA系樹脂を用いることが好ましく、例えば、アセトアセチル基を有するPVA系樹脂が高い耐水性が求められる用途に用いられている。」 ウ 「【0058】 また、線状高分子を架橋させることによって耐熱性や耐溶剤性を向上させることが可能であるが、特にPVA系樹脂の場合、本来は水溶性であるものが、架橋高分子とすることによって耐水性が向上することから、架橋の効果が極めて顕著である。さらに、本発明の架橋剤の主成分であるグリオキシル酸塩は分子内にイオン性基(カルボン酸塩)を有することからPVA系樹脂およびアセトアセチル基との親和性に優れており、その結果、架橋密度のばらつきが少ない、均一性の高い架橋構造が得られる。 従って、本発明の架橋剤は、AA化PVA系樹脂と組み合わせることによって、その能力を最も強く発揮できるものと考えられる。 以下、AA化PVA系樹脂およびその架橋高分子について詳細に説明する。」 エ 「【0114】 〔感熱記録用媒体〕 つぎに、本発明の架橋剤によってAA化PVA系樹脂が架橋されてなる架橋高分子を含有する層を少なくとも一層有する感熱記録用媒体について説明する。 本発明の感熱記録用媒体は、好ましくは支持基材上の感熱発色層および/または保護層中、あるいは多層多色感熱紙(例えばZINKペーパーなど)における感熱発色層間の中間層に本発明の架橋高分子を含有するものである。 【0115】 なお、本発明の感熱記録用媒体に用いられる支持基材としては特に制限はなく、紙(マニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質紙、中質紙、グラビア紙等の印刷用紙、上・中・下級紙、新聞用紙、剥離紙、カーボン紙、ノンカーボン紙、グラシン紙、合成紙など)、不織布、プラスチックフィルム(ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、およびこれらの積層体など)、あるいは合成樹脂ラミネート紙のように、これらの複合シートを使用することができる。 【0116】 以下、感熱記録用媒体の各層について詳細に説明する。 感熱発色層は、ロイコ染料と顕色剤およびバインダー樹脂を含有する水性塗工液を支持基材上に塗工することにより形成させることができ、本発明においては、かかるバインダー樹脂として、AA化PVA系樹脂を本発明の架橋剤によって架橋して得られる架橋高分子を用いるものである。この時の架橋高分子の含有量は、ロイコ染料及び顕色剤の総量100重量部に対して通常10~200重量部であり、特に30~150重量部、さらに50~100重量部の範囲が適当である。 【0117】 上記のロイコ染料としては、公知のものを用いることができ、一例としては、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-フタリド、3,3-ビス(P-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド[クリスタルバイオレットラクトン]、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(1,2-ジメチルインドール-3-イル)フタリド、等のトリアリールメタン系化合物、4,4’-ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N-クロロフェニルロイコオーラミン、等のジフェニルメタン系化合物、ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB-p-クロロアニリノラクタム、3-ジエチルアミノ-7-ジベンジルアミノフルオラン、等のキサンテン系化合物、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p-ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー、等のチアジン系化合物、3-メチルスピロナフトピラン、3-エチルスピロジナフトピラン、等のスピロ系化合物、等を挙げることができる。また、これらのロイコ染料は、必要に応じて単独、または2種以上を混合して使用することができる。 【0118】 また、顕色剤としては、前記ロイコ染料と加熱時反応して発色せしめるもので、例えばフェノール、p-メチルフェノール、p-ターシャリーブチルフェノール、p-フェニルフェノール、α-ナフトール、β-ナフトール、4,4’-イソプロピリデンジフェノール[ビスフェノールA]、4,4’-セカンダリーブチリデンジフェノール、4,4’-シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’-イソプロピリデンビス(2-ターシャリーブチルフェノール)、4,4’-(1-メチル-n-ヘキシリデン)ジフェノール、4,4’-イソプロピリデンジカテコール、4,4’-ペンジリデンジフェノール、4,4-イソプロピリデンビス(2-クロロフェノール)、フェニル-4-ヒドロキシベンゾエート、サリチル酸、3-フェニルサリチル酸、5-メチルサリチル酸、3,5-ジ-ターシャリーブチルサリチル酸、1-オキシ-2-ナフトエ酸、m-オキシ安息香酸、4-オキシフタル酸、没食子酸などが挙げられるが、ロイコ染料、顕色剤ともにこれらに限定されるわけではない。 【0119】 かかる感熱発色層中に、必要に応じて、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、クレー、タルク、硫酸バリウムなどの無機顔料、尿素―ホルマリン樹脂、ナイロン樹脂、アクリル系樹脂、スチレン・メタクリル酸共重合体などの有機系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、パラフィン、ポリエチレンワックスなどの滑剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、アニオン性、ノニオン性界面活性剤、蛍光染料などを添加することも可能である。 【0120】 感熱発色層用塗工液は、上記のロイコ染料、顕色剤を別々にボールミル、アトライター、サンドグラインダーなど公知の分散機を用いて粒径が0.5~3μmになるまで粉砕して微分散液とし、これらとバインダー樹脂として本発明の架橋剤とAA化PVA系樹脂、さらに必要に応じて上記の添加剤や消泡剤などを混合して得られる。該塗工液の固形分濃度は作業性を考慮して10~40重量%の範囲から選ばれる。 【0121】 該塗工液を支持基材に塗工するにあたっては、ロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲートロール法等の公知の任意の方法が採用される。該水溶液の塗工量は、乾燥重量で0.1~20g/m2、さらには0.5~15g/m2、特には1~10g/m2程度になるようにするのが好ましい。 【0122】 次に、保護層について説明する。 保護層は、耐水性、耐薬品性、記録走行性などの向上を目的として上述の感熱発色層上に設けたもので、水を媒体とし、バインダー樹脂、無機顔料、および必要に応じて滑剤などを混合撹拌して調整された保護層用塗工液を、感熱発色層上に塗工、乾燥して形成される。本発明においては、かかるバインダー樹脂として、AA化PVA系樹脂を本発明の架橋剤によって架橋して得られる架橋高分子を用いるものである。この時の架橋高分子の含有量は、無機顔料100重量部に対して10~200重量部が適当である。 【0123】 上記の無機顔料としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、タルク、カオリン、クレー等の無機顔料、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、デンプン粒子等の有機顔料が挙げられ、特に、保護層に光沢性を付与する場合には、コロイダルシリカ、気相法シリカ、アルミナゾルのような無機超微粒子が好適に用いられる。かかる無機微粒子の好ましい平均粒子径は3~200nm、さらには3~100nm、特には10~50nmであり、かかる平均粒子径が過度に小さいと、筆記性、捺印性が低下する場合があり、逆に大きすぎると、光沢層表面の平滑性が損なわれ、光沢性が低下する場合があるため好ましくない。 【0124】 保護層用塗工液の該塗工に当たってはロールコーター法、エアードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲートロール法等任意の手段で実施可能であり、その塗工量は、乾燥重量で0.5~10g/m2程度になるようにすることが好ましく、塗工後は風乾あるいは軽度の加熱処理を行うことによって目的とする塗工層が形成される。また、本発明で用いられる架橋剤とAA化PVA系樹脂のそれぞれを含有した水溶液を別々に調製して、これらを積層塗工して保護層とすることも可能であり、その場合、顔料や各種助剤はAA化PVA系樹脂の水溶液に配合することが好ましく、結果的に保護層に本発明の樹脂組成物が含有されることとなり、含有割合や塗工量等も上記に準ずるように調整すればよい。 【0125】 次に、多層多色感熱紙における、感熱発色層間の中間層について説明する。 かかる中間層は、有機溶剤や水分、各種ガスなどから感熱発色層を保護するため、あるいは感熱発色層を形成する際に、各層の成分が混ざり合うのを防止するために設けるものであり、上述の保護層と同様、AA化PVA系樹脂と本発明の架橋剤を含有する水性塗工液を各感熱発色層上に塗工、乾燥して形成される。 なお、かかる塗工液中のAA化PVA系樹脂に対する架橋剤の配合比、その他の配合物、塗工方法、塗工量などは、前述の保護層に準じるものである。 【0126】 また、かかる感熱記録用媒体の形成において、AA化PVA系樹脂と本発明の架橋剤を別々の層に含有させておき、塗工後に両者を反応させて架橋構造とすることも可能である。 また、感熱発色層塗工後、または保護層塗工後、スーパーカレンダー処理を行い、平滑性、光沢性を向上させることも可能である。」 オ 「【0196】 【表5】 【0197】 これらの結果から明らかなように、AA化PVA系樹脂と本発明の架橋剤による架橋高分子を保護層に含有する感熱記録紙は、架橋剤としてグリオキザールを用いたものと比較して優れた耐変色製を示し、グリオキシル酸を用いたものと比較して優れた耐水性を示す。」 (3) 引用文献3 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先権主張の日前の平成23年11月24日に公開された刊行物である特開2011-235545号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。 ア 「【発明を実施するための形態】 【0018】 以下、本発明の感熱記録体の製造方法について詳細に説明する。 本発明では、支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含む感熱記録層、及び顔料と水性接着剤を主成分とする保護層を順次有する感熱記録体の製造方法において、架橋剤としてグリオキシル酸ナトリウム、ジ(グリオキシル酸)カルシウム及びグリオキシル酸アンモニウムから選ばれる少なくとも1種を含有し、更に前記感熱記録層と保護層が、感熱記録層用塗液と保護層用塗液を同時多層カーテン塗布法により塗布、乾燥して形成される。 【0019】 〔グリオキシル酸塩〕 まず、本発明の保護層中に含有されるグリオキシル酸塩について説明する。 かかるグリオキシル酸塩としては、種々のものが挙げられるが、アルカリ金属とグリオキシル酸の金属塩、アルカリ土類金属とグリオキシル酸の金属塩、アミン類とグリオキシル酸の塩等が挙げられ、好ましくは、アルカリ金属とグリオキシル酸の金属塩及びアルカリ土類金属とグリオキシル酸の金属塩から選ばれる少なくとも1種のグリオキシル酸の金属塩である。アルカリ金属とグリオキシル酸の金属塩として、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属とグリオキシル酸の金属塩、アルカリ土類金属とグリオキシル酸の金属塩として、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属とグリオキシル酸の金属塩、アミン類とグリオキシル酸の金属塩として、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等のアミン類とグリオキシル酸の塩等が挙げられる。 【0020】 特に、本発明においては、架橋構造に導入されるカルボン酸塩基の親水性がカルボン酸基と比較して小さいことが架橋高分子の耐水性の向上に寄与しているものと考えており、グリオキシル酸塩としても、より水への溶解度が小さいグリオキシル酸塩が好ましく、具体的には、23℃おける水への溶解度が0.01~100%、特に0.1~50%、更に0.5~20%のものが好ましく用いられる。具体的に、水への溶解度が小さいグリオキシル酸塩としては、例えば、グリオキシル酸ナトリウム(溶解度:約17%)や、ジ(グリオキシル酸)カルシウム(溶解度:約0.7%)、グリオキシル酸アンモニウム(溶解度:14%)を挙げることができる。」 イ 「【0025】 保護層中には架橋剤として、グリオキシル酸ナトリウム、ジ(グリオキシル酸)カルシウム及びグリオキシル酸アンモニウムから選ばれる少なくとも1種が含有されるが、含有量は総計で保護層中に使用される水性接着剤量に対して0.5~20質量%、好ましくは1~10質量%程度である。 【0026】 本発明において保護層に使用される水性接着剤としては、従来公知の水溶性高分子及び水溶性高分子エマルジョンの少なくともいずれかを適宜用いることができる。 その具体例としては、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、イタコン酸変性ポリビニルアルコール、殿粉、酸化澱粉、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸三元共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、アラビアガム、カゼインなどの水溶性高分子のほか、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテックス等が挙げられる。 【0027】 これらの中でも、スティッキング抑制や耐水性に対しては、特に、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール及びカルボキシ変性ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられ、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールがより好ましく用いられる。」 4 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 (1)引用発明の「基材」は、その表面にリライタブル層、その上に中間層、さらにその上に保護層が設けられるものである。そうしてみると、引用発明の「基材」は、引用発明の「リライタブル積層体」における支持体と理解することができる。 したがって、引用発明の「基材」は、本願発明の「支持体」に相当する。 (2)引用発明の「感熱リライタブル層」は、その製造工程からみて、「2-アニリノ-6-ジエチルアミノ-3-メチルフルオラン」及び「エイコシルホスホン酸」を含む層である。ここで、技術常識を考慮すると、引用発明の「2-アニリノ-6-ジエチルアミノ-3-メチルフルオラン」及び「エイコシルホスホン酸」は、それぞれ、相分離系のロイコ色素系における、ロイコ色素及び長鎖アルキル酸性化合物として、加熱して相溶状態のまま急冷すると相溶したまま固定化されて発色状態となり、加熱して相溶状態のまま徐冷すると相分離を起こして非相溶状態となり、消色する機能を奏するものである(この点は、引用文献1の段落【0023】からも理解できる事項である。)。 したがって、引用発明の「2-アニリノ-6-ジエチルアミノ-3-メチルフルオラン」は本願発明の「通常無色ないし淡色の染料前駆体」に相当し、引用発明の「エイコシルホスホン酸」は本願発明の「加熱温度及び/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成させる可逆性顕色剤」に相当し、引用発明の「感熱リライタブル層」は本願発明の「可逆性感熱記録層」に相当する。 (3)引用発明の「AA化PVA」は、「アセト酢酸エステル基2モル%含有、ケン化度99モル%」とされている。そうすると、引用発明の「AA化PVA」は、ケン化度が90モル%以上であり、アセトアセチル変性度が0.5~10モル%の範囲内であるといえる。したがって、引用発明の「AA化PVA」は、本願発明の「ケン化度が90モル%以上であり、アセトアセチル変性度が0.5~10モル%の範囲内であるアセトアセチル変性ポリビニルアルコール」に相当する。また、引用発明の「グルタルアルデヒド」は、技術的にみて、本願発明の「架橋剤」に包含される。 引用発明の「中間層」は、「ケン化度が90モル%以上であり、アセトアセチル変性度が0.5~10モル%の範囲内であるアセトアセチル変性ポリビニルアルコール」である「AA化PVA」と、「架橋剤」を含み、「加熱乾燥して、約10μm厚みの中間層を設け」ている。したがって、引用発明の「中間層」においては、「アセトアセチル変性ポリビニルアルコールが架橋剤により架橋している」といえる。そして、引用文献1の段落【0055】の「本発明のリライタブル積層体は、AA化PVAあるいはAA化PVAと架橋剤を含有する層を有しているため、耐溶剤性、耐水性、耐油性に優れ、さらにはサーマルヘッドの耐摩耗性にも優れるという作用効果を得ることができる。」という記載によれば、AA化PVAと架橋剤を含む引用発明の「中間層」は、「耐溶剤性、耐水性、耐油性に優れる」といえる。したがって、引用発明の「中間層」は、バリア層として機能しているといえる。 したがって、引用発明の「中間層」と本願発明の「ケン化度が90モル%以上であり、アセトアセチル変性度が0.5~10モル%の範囲内であるアセトアセチル変性ポリビニルアルコールと、架橋剤としてグリオキシル酸塩を含み、該アセトアセチル変性ポリビニルアルコールが架橋剤により架橋しているガスバリア層」とは、「ケン化度が90モル%以上であり、アセトアセチル変性度が0.5~10モル%の範囲内であるアセトアセチル変性ポリビニルアルコールと、架橋剤」「を含み、該アセトアセチル変性ポリビニルアルコールが架橋剤により架橋しているバリア層」である点で共通する。 (4)引用発明の「保護層」は、リライタブル積層体の表面に配置されるものである点で、本願発明の「保護層」と共通する位置に配置されるものである。そして、リライタブル層、中間層を保護する機能を有すると理解することができる。 したがって、引用発明の「保護層」は、本願発明の「保護層」に相当する。 (5)引用発明の「リライタブル積層体」は、リライタブルであるから可逆性を有するものといえる。また、引用発明の「リライタブル積層体」は、感熱リライタブル層を有することから、感熱記録がなされるものであるといえる。したがって、引用発明の「リライタブル積層体」は、本願発明の「可逆性感熱記録材料」に相当する。また、引用発明の「リライタブル積層体」は、基材表面に感熱リライタブル層を設け、その上に中間層を設け、その上に保護層を設けて製造されることから、基材上に、リライタブル層と、中間層と、保護層とが順次積層されたものといえる。 以上より、本願発明と引用発明とは、 「支持体上に、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度及び/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成させる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層と、ケン化度が90モル%以上であり、アセトアセチル変性度が0.5~10モル%の範囲内であるアセトアセチル変性ポリビニルアルコールと、架橋剤を含み、該アセトアセチル変性ポリビニルアルコールが架橋剤により架橋しているバリア層と、保護層とが順次積層された可逆性感熱記録材料。」である点で一致し、以下の点で相違している。 [相違点]本願発明では、バリア層がガスバリア層であり、バリア層の架橋剤がグリオキシル酸塩を含むのに対し、引用発明では、中間層がガスをバリアするか明らかではなく、中間層の架橋剤がグルタルアルデヒドである点。 5 判断 (1)[相違点]について 感熱記録材料における感熱発色層上に設けられる架橋高分子からなる層において、「アセトアセチル変性ポリビニルアルコールにグリオキシル酸塩が架橋剤として架橋している層を耐水性を向上させるために用いること」は周知技術である。例えば、引用文献2には、「グリオキシル酸塩を含有することを特徴とする架橋剤」(記載事項ア)が開示されており、グリオキシル酸塩を含有する架橋剤により架橋高分子とすることによりPVA系樹脂の「耐水性が向上する」ものであって「AA化PVA系樹脂と組み合わせることによって、その能力を最も強く発揮できる」ものである(記載事項ウ)こと、感熱記録用媒体の中間層に用いること(記載事項エ)が記載されている。ここで、記載事項イによれば、AA化PVA系樹脂とは、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂であるといえる。また、引用文献3にも、「支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含む感熱記録層、及び顔料と水性接着剤を主成分とする保護層を順次有する感熱記録体の製造方法において、架橋剤としてグリオキシル酸ナトリウム、ジ(グリオキシル酸)カルシウム及びグリオキシル酸アンモニウムから選ばれる少なくとも1種を含有」(記載事項ア)することが記載されており、保護層には上記架橋剤とともに「水性接着剤」を使用すること、及びその具体例として「耐水性に対しては・・・アセトアセチル変性ポリビニルアルコールがより好ましく用いられる。」(記載事項イ)と記載されていることから、引用文献3にも、感熱記録材料における感熱発色層上に設けられる架橋高分子からなる層において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールにグリオキシル酸塩が架橋剤として架橋している層を耐水性を向上させるために用いることが開示されているといえる。 したがって、引用発明において、耐水性等を目的とする中間層の架橋剤として、当該分野において周知のグリオキシル酸塩を採用することは、当業者が適宜なし得たことである。そして、仮に、架橋剤をグリオキシル酸塩とした場合に、製造条件の見直しが必要となるのならば、製造条件等を最適化することは当業者が当然行う調整作業にすぎない。 そして、引用文献2の段落【0125】には、感熱発色層間の中間層について、有機溶剤や水分に加えて「各種ガスなどから感熱保護層を保護する」と記載されている。当該記載によれば、感熱発色層に設けられた中間層は水分のみならず、ガスもバリアするものといえる。したがって、引用発明の中間層を「ガスバリア層」と称することは、当業者が適宜なし得たことである。 (2)効果について 本願明細書の段落【0026】には、「本発明により、十分な耐水性を有し、洗浄工程を含む運用や高温高湿のような過酷な環境条件での使用においても、画像安定性等の耐光性や耐水性、繰り返し耐久性に優れ、また消去時でも消え残りが少ない可逆性感熱記録材料を提供することができる。」と記載されている。したがって、本願発明の効果は、「十分な耐水性を有し、洗浄工程を含む運用や高温高湿のような過酷な環境条件での使用においても、画像安定性等の耐光性や耐水性、繰り返し耐久性に優れ、また消去時でも消え残りが少ない可逆性感熱記録材料を提供すること」であるといえる。 一方、引用発明は、引用文献1の記載事項(カ)によれば、引用発明の効果は、耐溶剤性、耐水性、耐油性に優れるというものである。そして、引用文献1の記載事項(オ)には、耐溶剤性、耐水性、耐油性の評価において、印字と消去を50回ずつ繰り返し、印字発色濃度の保持率(%)を算出してそれぞれの指標としたことも記載されている。そうすると、引用発明は、画像安定性の繰り返し耐性も優れているといえる。また、引用文献2にも、技術事項(ア)にグリオキシル酸塩を含有する架橋剤は、アセトアセチル化ポリビニルアルコール系樹脂と組み合わせることによって、耐水性が向上すること、技術事項(イ)に、中間層が、有機溶剤や水分、各種ガスなどから感熱発色層を保護すること、技術事項(ウ)に、アセトアセチル化ポリビニルアルコール系樹脂とグリオキシル酸塩を含有する架橋剤による架橋高分子を保護層に含有する感熱記録紙は、優れた耐変色性を示し、優れた耐水性を示すことが示されている。さらに、引用文献3にも、保護層中に含有されるグリオキシル酸塩は、架橋構造に導入されるカルボン酸塩基の親水性がカルボン酸基と比較して小さいことが架橋高分子の耐水性の向上に寄与し、保護層に使用される水性接着剤としては、耐水性に対してアセトアセチル変性ポリビニルアルコールがより好ましく用いられることが示されている。以上のとおり、感熱記録材料の感熱記録層上に、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールが架橋剤により架橋している層を設けることにより、耐水性、繰り返し耐性に優れたものとなることは、従来より知られた効果に過ぎない。また、耐薬品性やガスバリア性を向上させることで、ロイコ染料及び顕色剤の劣化が防止され、耐光性の向上や消え残りの防止に寄与することも、当業者にとって自明の効果に過ぎない。 したがって、本願発明の効果は、引用文献1~3の記載から当業者が認識できる程度のものであるから、格別なものとはいえない。 6 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、引用文献1~3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-019058

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