意匠拒絶査定不服審判
2016-018175
歯間清掃具
- 審判番号
- 2016-018175
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2015-024285外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年12月05日
- 審決日
- 2017年06月09日
- 公報発行日
- 2020年08月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- D18 .113-WY (C4-1)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号、意匠法第13条第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
意願2015-24285「歯間清掃具」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由
【理 由】
1.本願意匠
本願は,平成27年(2015年)1月16日の特許出願(出願番号:特願2015-206973号)を原出願として,平成27年10月30日付けで,意匠法第13条第1項の規定による出願の変更がなされた,物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「歯間清掃具」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「実線で表した部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたもの(以下,本願意匠の部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)である(別紙第1参照)。
2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,欧州共同体商標意匠庁が2015年2月23日に発行した欧州共同体意匠公報に掲載された「歯間清掃具(登録番号001430102-0002)」の意匠(以下「引用意匠」という。)の「正面視左端の歯間清掃具部分」であって,その形態は,同公報に記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。
3.当審の判断
平成29年1月11日に提出された手続補正書によって変更された審判請求書における請求の理由によれば,原審において出願変更を認めないとしたことに対して,適法に出願の変更がなされたと主張するので,まず,この点について検討し,その後に,原審拒絶理由及び拒絶査定が適法であったか否かを検討する。
(1)出願変更の適否について
原出願(特願2015-206973号)の明細書中には,先行技術文献として国際公開第2014/065368号が記載されており,それの記載内容によって,複数個の歯間清掃具を横方向に連接する態様が,原出願時には一般的に知られている技術常識であったことが明白であったとしても,原出願の明細書中には,複数個の歯間清掃具を連接することに関する内容は書かれておらず,複数個の歯間清掃具を横方向に連接する発明は原出願の明細書中に具体的な記載がなされていたとは認められない。
加えて,複数個の歯間清掃具を横方向に連接する発明に基づいた,意匠の創作内容である形態が,具体的に一切表れていないため,本願の出願日として,もとの特許出願の時にしたものとみなすことはできない。
(2)両意匠の類否判断について
ア.意匠に係る物品について
本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)を対比すると,共に「歯間清掃具」で,一致している。
イ.両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
本願部分と,引用意匠における本願部分に相当する部分(原審拒絶理由通知書でいうところの「正面視左端の歯間清掃具部分」。以下「引用部分」といい,本願部分と併せて「両部分」という。)はともに,10連の歯間清掃具の左端の,歯間清掃具1つ分の部分であるから,その用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲は一致する。
ウ.形態について
両部分の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
(ア)共通点
(A)清掃部,軸部,肩部及び把持本体部から成るものであって,(B)清掃部は細長い円錐形状(えんすいけいじょう)のブラシ状で,(C)清掃部下端の軸部を介して,裾広がりの肩部が,(D)扁平(へんぺい)な縦長長方形状の把持本体部につながっている点,そして(E)清掃部,(軸部と肩部から成る)中間部と把持本体部のそれぞれの長さが,約3分の1ずつで略同長である点,で共通する。
(イ)相違点
それに対して,(a)中間部における軸部と肩部の比率につき,本願意匠は,約2:3であるのに対して,引用意匠は,約3:1であり,これによって,中間部の形状が,本願意匠は,中央より上から緩やかに末広がりとなるのに対して,引用意匠は,下側から約4分の1の所から急な末広がりとなる点,そして(b)清掃部と軸部から成る作用部と,肩部と把持本体部から成る把持部の長さ比につき,本願意匠は,2分の1強:2分の1弱で,大きな把持部であるのに対して,引用意匠は,5分の3:5分の2で,小さな把持部である点,で相違する。
エ.類否判断
この種物品の需要者は,清掃部については,多数のブラシ毛が植えられていて,全体で細長い円錐形状を成している,程度に認識するのに対して,把持部については,指で持つ部分であるから,その具体的な形態に注意が向くと考えられる。
そうして,両意匠の形態を全体で比較すると,相違点(a)及び同(b)によって,大きな把持部の存在を意識する本願意匠と,長い軸部を持つ引用意匠とは,需要者に両意匠が別異であると認識させるものと認められる。
したがって,両意匠の意匠に係る物品は一致し,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲が一致しているが,両部分の形態は,上記検討のとおり,類似しないから,両意匠は類似しているとはいえない。
4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないものであるから,本願の出願日を,もとの特許出願の時にしたものとみなすことはできずとも,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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