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特許拒絶査定不服審判

2016-015216

遊技機

審判番号
2016-015216
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2011-259999外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年10月11日
審決日
2017年06月05日
公報発行日
2017年09月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F) / P18 .113-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2011-259999号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 6月10日出願公開、特開2013-111249号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成23年11月29日に特許出願としたものであって、平成27年10月28日付けで拒絶理由通知がされ、これに対し、平成28年1月8日付けで手続補正がなされたが、平成28年7月1日付けで拒絶査定がなされ、これに対し平成28年10月11日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、これと同時に手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。 第2 本件補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1.本件補正の概要 本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載を含む補正であり、平成28年1月8日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ、以下のとおりである(下線部は補正箇所を示す。)。 (補正前:平成28年1月8日付け手続補正書) 「【請求項1】 発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、 前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域を有する可変入球手段とを備える遊技機において、 前記可変入球手段は、 前記特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段と、 前記特定領域に入球した遊技球のうち前記特定入球手段に入球する遊技球以外の遊技球が入球する非特定入球手段と、 前記特定領域において遊技球が前記特定入球手段に入球するために通過しなければならない領域に設けられるとともに、遊技球を前記特定入球手段及び前記非特定入球手段のどちらかに案内する振分け手段とを備え、 前記振分け手段は、 前記特定入球手段に連通する第1連通部と、前記非特定入球手段に連通する第2連通部とを有する本体部と、 前記本体部に対して相対変位可能に設けられる可動手段と、 前記可動手段に周期運動を行わせる駆動手段と、 前記駆動手段の駆動制御を行う駆動制御手段とを備え、 前記駆動制御手段は、所定条件の成立に基づいて、前記可動手段を正規の方向とは反対の方向に特定量変位させるリバース制御と、該リバース制御によって前記反対の方向に前記特定量変位させられた前記可動手段を、前記正規の方向に前記特定量変位させる復帰制御とを行うリバース処理を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。」 (補正後:平成28年10月11日付け手続補正書) 「【請求項1】 発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、 前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域を有する可変入球手段とを備える遊技機において、 前記可変入球手段は、 前記特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段と、 前記特定領域に入球した遊技球のうち前記特定入球手段に入球する遊技球以外の遊技球が入球する非特定入球手段と、 前記特定領域において遊技球が前記特定入球手段に入球するために通過しなければならない領域に設けられるとともに、遊技球を前記特定入球手段及び前記非特定入球手段のどちらかに案内する振分け手段とを備え、 前記振分け手段は、 前記特定入球手段に連通する第1連通部と、前記非特定入球手段に連通する第2連通部とを有する本体部と、 前記本体部に対して相対変位可能に設けられ、前記振分け手段に到達した遊技球を前記第1連通部、及び、前記第2連通部のうち一方に案内する可動手段と、 前記可動手段を変位させる駆動手段と、 前記駆動手段の駆動制御を行う駆動制御手段とを備え、 前記駆動制御手段は、 前記可動手段に周期運動を行わせる通常処理と、 前記周期運動により所定位相にある前記可動手段を、前記通常処理が行われる場合に変位させられる方向とは反対方向に特定量変位させ、前記所定位相から前記特定量変位した退避位相にある前記可動手段を特定時間静止させ、前記退避位相とされた前記可動手段を、前記特定時間経過後に、前記通常処理が行われる場合に変位させられる方向に変位させるリバース処理とを実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。」 2.補正の適否 (1)補正事項 a.上記補正は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「可動手段」に関して、 「前記振分け手段に到達した遊技球を前記第1連通部、及び、前記第2連通部のうち一方に案内する」(以下、「補正事項a」という。)と補正するとともに、 b.また、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「駆動制御手段」に関し、 「所定条件の成立に基づいて、前記可動手段を正規の方向とは反対の方向に特定量変位させるリバース制御と、該リバース制御によって前記反対の方向に前記特定量変位させられた前記可動手段を、前記正規の方向に前記特定量変位させる復帰制御とを行うリバース処理を実行可能に構成されている」を 「前記可動手段に周期運動を行わせる通常処理と、 前記周期運動により所定位相にある前記可動手段を、前記通常処理が行われる場合に変位させられる方向とは反対方向に特定量変位させ、前記所定位相から前記特定量変位した退避位相にある前記可動手段を特定時間静止させ、前記退避位相とされた前記可動手段を、前記特定時間経過後に、前記通常処理が行われる場合に変位させられる方向に変位させるリバース処理とを実行可能に構成されている」(以下、「補正事項b」という。)と補正するものである。 (2)補正の目的 a.まず、補正事項aについて検討すると、「可動手段」に関して、「前記振分け手段に到達した遊技球を前記第1連通部、及び、前記第2連通部のうち一方に案内する」という補正は「可動手段」の構成を限定するものである。 b.次に、補正事項bについて検討する。 上記補正事項bは、「駆動制御手段」に関し、「リバース処理」について、「可動手段を特定時間静止させ、」等の限定事項もあるが、その前提における「所定条件の成立に基づいて、」が削除されている。 そうすると、補正事項bは、「駆動制御手段」を限定したものであるとはいえず、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。そして,補正事項bが,特許法第17条の2第5項に掲げる他のいずれの事項を目的とするものにも該当しないことは明らかである。 (3)小括 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 3.独立特許要件(付言) 本件補正について、上記2.のとおりであるが、仮に、本件補正が特許請求の範囲の減縮を目的とするものとして、本件補正後の前記請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかについて以下に検討する。 (1)本件補正後の請求項1に係る発明 補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、上記1.の補正の概要において示した次のとおりのものである(A~Dについて、本願補正発明を分説するため当審で付与した。)。 「A 発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、 前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域を有する可変入球手段とを備える遊技機において、 B 前記可変入球手段は、 前記特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段と、 前記特定領域に入球した遊技球のうち前記特定入球手段に入球する遊技球以外の遊技球が入球する非特定入球手段と、 前記特定領域において遊技球が前記特定入球手段に入球するために通過しなければならない領域に設けられるとともに、遊技球を前記特定入球手段及び前記非特定入球手段のどちらかに案内する振分け手段とを備え、 C 前記振分け手段は、 前記特定入球手段に連通する第1連通部と、前記非特定入球手段に連通する第2連通部とを有する本体部と、 前記本体部に対して相対変位可能に設けられ、前記振分け手段に到達した遊技球を前記第1連通部、及び、前記第2連通部のうち一方に案内する可動手段と、 前記可動手段を変位させる駆動手段と、 前記駆動手段の駆動制御を行う駆動制御手段とを備え、 D 前記駆動制御手段は、 前記可動手段に周期運動を行わせる通常処理と、 前記周期運動により所定位相にある前記可動手段を、前記通常処理が行われる場合に変位させられる方向とは反対方向に特定量変位させ、前記所定位相から前記特定量変位した退避位相にある前記可動手段を特定時間静止させ、前記退避位相とされた前記可動手段を、前記特定時間経過後に、前記通常処理が行われる場合に変位させられる方向に変位させるリバース処理とを実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。」 (2-1)刊行物1 原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された刊行物である「特開2010-94324号公報」(以下、「刊行物1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 (ア)「【0018】 本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてパチンコ遊技機を例に、図面に基づき説明する。 (図面の説明) 図1乃至図18は、本発明の実施の形態を示すものである。 図1はパチンコ遊技機Pの外観正面図、図2はパチンコ遊技機Pの斜視図、図3はセンター役物の正面図、図4乃至図9は回転体を示す図、図10はパチンコ遊技機Pの制御装置を示すブロック図、図11乃至図13は、パチンコ遊技機Pの作動を説明する流れ図、図14乃至図18は回転体の変形例を示す図である。 【0019】 (パチンコ遊技機P) パチンコ遊技機Pは、図1及び図2に示すように、大きく分けて、方形枠状の筐体2と、筐体2に着脱自在に取り付けられる前扉3と、前扉3の内側に配置される遊技盤1とから構成されている。 前記筐体2は、遊技場の「島」と呼ばれる遊技機設置場所に固定され、筐体2の下方には、上側が開放する球皿4と、球皿4の右下端部に位置し正面側に突出するハンドル5が設けられている。ここで、前記球皿4は、入賞により払い出された遊技球を貯留可能な受け皿であり、前記ハンドル5は、その操作により内部に設けられた球発射装置60(図12参照)を作動させるためのものである。 【0020】 前記前扉3は、中央に窓部を有する板状の扉であり、窓部の内側には窓部を塞ぐようにガラス枠3Aが設けられている。そしてこのガラス枠3Aを通して、正面側から遊技盤1の盤面を見ることができるようになっている。また、前扉3の上部には、スピーカ6と演出用のランプ7が設けられている。 (遊技盤1) 遊技盤1は、図1及び図2に示すように、ガイドレール10によって囲まれた遊技領域1aを有する板部材である。遊技盤1の盤面には、特に図示しないが、遊技球の流下方向を規制するとともに流下方向を転換する風車や複数の釘などの流下規制転換部材が設けられている。前記ガイドレール10は、ハンドル5を操作することによって玉発射装置60(図10参照)から発射された遊技球を、遊技領域1aへと誘導するためのものである。 【0021】 遊技盤1の盤面中央部には、可動役物装置としてのセンター役物20が設けられており、センター役物20の下方には、入賞を契機に前記センター役物20の開放口22を開放させることができる始動入賞口11と、この始動入賞口11の側方に位置する一般入賞口14が、それぞれ設けられている。さらに、遊技盤1の遊技領域1aの最下端部中央には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域1a外部となる遊技盤1の裏面に排出させるアウト口15が設けられている。 前記始動入賞口11は、図1に示すように、横方向に並んだ3つの入賞口から構成されている。すなわち、中央には第一始動口12が、両端には第二始動口13,13が配置されている。従って、第一始動口12よりも第二始動口13,13の方が入賞しやすくなっている。そして、第一始動口12に入賞した場合と、第二始動口13に入賞した場合とで、開放口22の開放時間や開閉回数が異なるようになっている。」 (イ)「【0022】 (センター役物20) 前記センター役物20は、回転体30を備えた振り分け装置であって、図3に示すように、遊技球の流入を防止する周囲壁21で囲まれた内部領域を有し、内部領域の下方は、奥側から手前側に下り傾斜する下部傾斜ステージ20Aとなっている。また、周囲壁21の上面壁には、内部領域に遊技球を取り入れる開放口22が形成されており、この開放口22を開閉可能な開閉羽根23が設けられている。そして、内部領域の上方には、前記開放口22から流入した遊技球を、前記下部傾斜ステージ20Aに配置された回転体30に誘導するための球誘導部24が形成されている。 【0023】 前記開閉羽根23は、特に図示しないが、常態においては開放口22を閉じる方向に付勢されており、開閉羽根ソレノイド50(図10参照)を通電させることにより、2枚の羽根が開放口22を開く方向に移動するようになっている。 前記下部傾斜ステージ20Aには、円筒形の外周壁25と内周壁26が形成されており、外周壁25の内部には、駆動モータ33(図4参照)の駆動によって回転する円板状の回転体30が配置されている。外周壁25の内面と内周壁26の外面との間は、遊技球が1個通過可能な流下通路27となっており、内周壁26の奥側には遊技球が1個通過可能な上部切欠261が、内周壁26の手前側には遊技球が1個通過可能な下部切欠262が形成されている。 【0024】 前記回転体30の円周面には、側方から遊技球を受け入れ可能な4個の球受け部37が形成されている。球受け部37は、遊技球をちょうど1個収納可能な3個のハズレ球受け部38と、ハズレ球受け部38よりも中心側に長く形成された1個のアタリ球受け部39とから成る。そして、回転体30は、通常時においては、時計回りに回転するようになっている。なお、回転体30は、複数の回転板を有し、所定の場合に逆回転するように形成されているものであるが、この詳細については後述する。 一方、下部傾斜ステージ20Aには、内周壁26の筒内側であって前記アタリ球受け部28の奥部の位置と一致するアタリ球出口28が、流下通路27の手前側には下部切欠262の正面となる位置にハズレ球出口29がそれぞれ設けられている。アタリ球出口28は、ここを遊技球が通過した場合に、所定の有利状態に移行する特定領域と呼ばれるものである。ハズレ球出口29は、一般領域と呼ばれるものである。」 (ウ)「【0048】 なお、抽選結果が「ハズレ」以外の場合には、その後の所定契機、例えばアタリ球検知時などに、ラウンド数抽選を行うようにすることができる。 (入賞検知手段120) 入賞検知手段120は、入賞口球検知センサ41,42、開放口球検知センサ46の検知信号に基づいて、払い出し制御装置8Dに所定の数の賞球払い出しを指示する入賞信号を出力するものである。 (役物作動制御手段130) 役物作動制御手段130は、センター役物20の作動を制御するためのものであり、本実施の形態においては、回転体30を回転させるための駆動モータ33の作動を制御するものである。 【0049】 そして、役物作動制御手段130は、通常時(不正検知時でない場合)においては、回転体30が正転方向(右回り)に回転するように、駆動モータ33を駆動させ、後述する不正検知手段140が不正を検知した場合には、駆動モータ33を逆回転させるようになっている。 具体的には、役物作動制御手段130は、通常時においては、駆動モータ33を駆動させるための駆動開始信号の出力モードを正転に設定し、不正検知時(不正検知手段140によって所定の不正検知フラグが成立している場合)には逆転に設定する。そして、不正が解除された場合(例えばリセットスイッチが操作された場合)には、逆転モードを正転モードに戻す。駆動モータ33は、役物作動制御手段130からの駆動指令信号の出力によって正転又は逆転駆動し、駆動停止信号の出力によって駆動停止する。」 (エ)「【0055】 ステップ101において、回転体30の回転方向を逆転方向に設定する。そして、次のステップ102に進む。 ステップ102において、不正がリセットされたか、すなわち所定のリセット操作が成されて不正検知フラグがリセットされたか否かが判断される。リセットされない場合にはステップ102に戻り、リセットされた場合には次のステップ103に進む。 ステップ103において、回転体30の回転方向を逆転方向に設定する。そして回転体30の回転方向制御を終了する。 なお、上記制御例では、回転体30の逆転設定がリセットスイッチによってのみ正転設定に戻るようにしてあるが、リセットスイッチが操作されなくても、逆転設定から所定時間の経過後に自動的に正転設定に戻るようにしてもよい。あるいは、不正の種類に応じて、リセットスイッチの操作により正転設定に戻るか、自動的に正転設定に戻るかを決定するようにしてもよい。例えば、磁石の使用を検知した場合や、振動検知センサ48の検知した振動値が所定値を超えている場合にはリセットスイッチを操作しないと正転設定に戻らず、振動検知センサ48の検知した振動値が所定値以下の場合には時間経過によって正転設定に戻るようにすることができる。 (オ)「【0066】 ところで、上記実施の形態では、盤面殴打や不正が検知された場合に、回転体30を逆回転させる構成としてあったが、本発明に係る振り分け装置は、不正検知時以外の場合に回転体30を逆回転させるように形成してもよい。例えば、通常時は逆転している回転体30が特定の遊技状態に移行した場合のみ正転し、入賞による獲得球数が増えたり、有利遊技に移行する可能性が高くなるような有利遊技期間を形成することができる。逆に、通常時は正転している回転体30が特定の遊技状態に移行した場合のみ逆転し、入賞による獲得球数が減ったり、有利遊技に移行する可能性がなくなるような不利益遊技期間を形成するようにしてもよい。」 したがって、上記(ア)~(オ)の記載事項から以下のことがいえる。 (a)上記(ア)【0018】にはパチンコ遊技機について記載され、【0020】には、玉発射装置60から発射された遊技球を誘導する遊技領域1aについて記載されている。 また、上記(ア)【0020】、【0021】には、遊技盤1は、遊技領域1aを有し、遊技盤1の盤面中央部には、可動役物装置としてのセンター役物20が設けられていることが記載されている。 そして、上記(イ)【0022】には、センター役物20は周囲壁21で囲まれた内部領域を有することが記載されている。 以上より、刊行物1には、玉発射装置60から発射された遊技球を誘導する遊技領域1aと、遊技領域1a中央部には、内部領域を有するセンター役物20(可動役物装置)とを備えたパチンコ遊技機が記載されているといえる。 (b)上記(イ)【0022】には、センター役物20は下部傾斜ステージ20Aを有することが記載され、また、【0024】には、下部傾斜ステージ20Aはアタリ球出口28に遊技球が通過する特定領域とハズレ球出口29の遊技球が通過する一般領域を設けられることが記載されている。 そして、上記(イ)【0022】には、内部領域の下方に下部傾斜ステージ20Aを設け、下部傾斜ステージ20Aに回転体30が配置されることが記載され、【0024】には、回転体30と下部傾斜ステージ20Aにより、遊技球は特定領域又は一般領域に案内されることが記載されているといえる。 以上より、刊行物1には、センター役物20は、遊技球が通過する特定領域と遊技球が通過する一般領域を設け、遊技球が特定領域又は一般領域に案内される内部領域の下方の回転体30と下部傾斜ステージ20Aを備えることが記載されているといえる。 (c)上記(b)の前段のとおり、下部傾斜ステージ20Aはアタリ球出口28に遊技球が通過する特定領域とハズレ球出口29の遊技球が通過する一般領域を設けられることが記載されている。 また、上記(イ)【0024】には、前記回転体30の円周面には、アタリ球受け部39とハズレ球受け部38を形成されていることが記載されている。そして、【0024】によれば、アタリ球受け部39とハズレ球受け部38は、それぞれアタリ球出口28とハズレ球出口29に対応するものであるといえる。 そして、上記(イ)【0023】には、回転体を駆動させる駆動モータ33が記載され、上記(ウ)【0048】、【0049】には、駆動モータ33の作動を制御する役物作動制御手段130について記載されている。 以上より、刊行物1には、下部傾斜ステージ20Aは、アタリ球出口28に遊技球が通過する特定領域とハズレ球出口29に遊技球が通過する一般領域を設け、回転体30の円周面には、アタリ球出口28又はハズレ球出口29に案内するアタリ球受け部39とハズレ球受け部38を設け、回転体を駆動させる駆動モータ33と駆動モータ33の作動を制御する役物作動制御手段130を設けたことが記載されているといえる。 (d)上記(ウ)【0049】には、役物作動制御手段130は、通常時(不正検知時でない場合)においては、回転体30が正転方向(右回り)に回転するように、駆動モータ33を駆動させ、不正検知手段140が不正を検知した場合には、駆動モータ33を逆回転させ、不正が解除された場合(例えばリセットスイッチが操作された場合)には、逆転モードを正転モードに戻す制御を行うことが記載されている。 また、上記(エ)【0055】には、リセットスイッチが操作されなくても、逆転設定から所定時間の経過後に自動的に正転設定に戻るようにしてもよいことが記載されている。 以上より、刊行物1には、役物作動制御手段130は、通常時においては、回転体30が正転方向(右回り)に回転するように、駆動モータ33を駆動させ、不正検知手段140が不正を検知した場合には、駆動モータ33を逆回転させ、所定時間の経過後に自動的に逆転モードを正転モードに戻す制御を実行可能とすること記載されているといえる。 以上の上記(ア)~(オ)の記載事項及び(a)~(d)の認定事項を総合すれば、刊行物1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている(a~dについては引用発明を分説したものである。)。 「a 玉発射装置60から発射された遊技球を誘導する遊技領域1aと、 遊技領域1a中央部には、内部領域を有するセンター役物20(可動役物装置)とを備えたパチンコ遊技機において、 b センター役物20は、 遊技球が通過する特定領域と遊技球が通過する一般領域を設け、 遊技球が特定領域又は一般領域に案内される内部領域の下方の回転体30と下部傾斜ステージ20Aを備え、 c 下部傾斜ステージ20Aは、アタリ球出口28に遊技球が通過する特定領域とハズレ球出口29に遊技球が通過する一般領域を設け、 回転体30の円周面には、アタリ球出口28又はハズレ球出口29に案内するアタリ球受け部39とハズレ球受け部38を設け、 回転体を駆動させる駆動モータ33と、 駆動モータ33の作動を制御する役物作動制御手段130とを備え、 d 役物作動制御手段130は、通常時においては、回転体30が正転方向(右回り)に回転するように、駆動モータ33を駆動させ、不正検知手段140が不正を検知した場合には、駆動モータ33を逆回転させ、所定時間の経過後に自動的に逆転モードを正転モードに戻す制御を実行可能とするパチンコ遊技機。」 (2-2)刊行物2 本願の出願前に頒布された刊行物である「特開2011-31082号公報」(以下、「刊行物2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 (ア)「【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は遊技球が特定領域に侵入することに基いて大当り遊技を開始する構成の遊技機に関する。」 (イ)「【0015】 遊技盤18の中央部には下記構成の中央役物30が固定されている。 遊技盤18には、図4に示すように、役物ケース31のフランジ32が固定されている。この役物ケース31は前面が開口し且つ後面が閉鎖された箱状をなすものであり、役物ケース31内には上ステージ33が固定されている。この上ステージ33は前方から後方へ向って下降傾斜する平板状をなすものであり、上ステージ33の後端部には落下孔34が形成されている。 【0016】 役物ケース31には、図5に示すように、垂直なトンネル35が固定されている。このトンネル35の上端部は上ステージ33の落下孔34に接続されており、上ステージ33内に侵入した遊技球は上ステージ33の傾斜に沿って後方へ転がり、落下孔34内からトンネル35内に侵入する。役物ケース31内には下ステージ36が固定されており、トンネル35内に侵入した遊技球は下ステージ36の後端部に落下する。この下ステージ36は後方から前方へ向って下降傾斜する平板状をなすものであり、下ステージ36の後端部に落下した遊技球は下ステージ36の傾斜に沿って前方へ転がる。 【0017】 下ステージ36には、図6に示すように、円筒状の壁部37が固定されており、壁部37の前端部には切欠状の侵入口38が形成されている。この下ステージ36の前端部にはメインステージ39が形成されている。このメインステージ39は前方から後方へ向って下降傾斜する平板状をなすものであり、下ステージ36の傾斜に沿って前方へ転がる遊技球がメインステージ39に到達したときにはメインステージ39の傾斜に沿って後方へ転がり、侵入口38から壁部37の内部に侵入する。 【0018】 下ステージ36には円形状のロータ40が軸41を中心に回転可能に装着されている。このロータ40は可変入賞口に入賞した遊技球を特定領域に誘導する可動部材に相当するものであり、ステッピングモータからなるロータモータ42(図3参照)の回転軸に連結されている。このロータモータ42はロータ40を正方向および逆方向へ回転操作するものであり、第2の駆動源に相当する。この正方向とは図6の時計回り方向を称し、逆方向とは図6の反時計回り方向を称するものであり、ロータ40には切欠状をなす1個の大当りゾーン43および切欠状をなす5個の外れゾーン44が円周方向に等ピッチ(60°)で形成されている。これら大当りゾーン43および外れゾーン44は深さ寸法が小さな円弧凹状および深さ寸法が大きな円弧凹状をなすものであり、壁部37内に侵入した遊技球は大当りゾーン43内および外れゾーン44内のいずれかに侵入する。」 (ウ)「【0044】 ロータ40が原点位置を通過してから中間位置(180°の回転位置)に到達する前までの期間内で遊技球が役物始動口25に入賞したときには図12の始動信号処理で逆転フラグのオンが判断され、ロータ40が高速度で逆転する。そして、タイマT2にインターバル時間がセットされ、メイン制御フラグにインターバル処理がセットされる。次に図13のインターバル処理でタイマT2が減算され、ロータ40が原点位置に復帰したタイミングでロータモータ42がオフされることに基いて原点位置で停止し、メイン制御フラグに役物開放処理がセットされる。この状態では図14の役物開放処理でタイマT2が減算され、タイマT2の減算結果が「0」になることに基いてロータ40が通常速度で正転し、両可変入賞口51が開放される。図15の(2)はロータ40が原点位置を通過してから中間位置に到達する前までの期間内で遊技球が役物始動口25に入賞したときのものである。この場合には役物始動信号が出力されることに同期してロータ40が現在位置から高速度で逆転し、原点位置で停止する。そして、役物始動信号が出力されてから一定のインターバル時間が経過したタイミングでロータ40が通常速度で正転開始し、ロータ40の正転開始に同期して両可変入賞口51が開放される。」 (3)対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。 (a)引用発明の「玉発射装置60」、「誘導」、「遊技領域1a」は、それぞれ、本願補正発明の「発射手段」、「案内」、「遊技領域」に相当する。 そして、引用発明の「センター役物20」は遊技領域1a中央部に備えられているから、遊技領域を移動する遊技球が入球可能なことは明らかである。したがって、引用発明の「内部領域」、「センター役物20」は、それぞれ、本願補正発明の「特定領域」、「可変入球手段」に相当する。 以上より、引用発明の「玉発射装置60から発射された遊技球を誘導する遊技領域1aと、遊技領域1a中央部には、内部領域を有するセンター役物20(可動役物装置)とを備えたパチンコ遊技機」は、本願補正発明の「発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域を有する可変入球手段とを備える遊技機」に相当する。 (b)引用発明の「内部領域の下方の」「遊技球が通過する特定領域」は、本願補正発明の「特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段」に相当し、引用発明の「内部領域の下方の」「遊技球が通過する一般領域」は、本願補正発明の「特定領域に入球した遊技球のうち前記特定入球手段に入球する遊技球以外の遊技球が入球する非特定入球手段」に相当する。 そして、引用発明の「回転体30と下部傾斜ステージ20A」は、「遊技球が通過する特定領域」に入球するために通過しなければならない領域に設けられていることは明らかであり、「遊技球が特定領域又は一般領域に案内」するものである。したがって、引用発明の「回転体30と下部傾斜ステージ20A」は、本願補正発明の「振分け手段」の機能を備えている。 以上より、引用発明の「センター役物20は、遊技球が通過する特定領域と遊技球が通過する一般領域を設け、遊技球が特定領域又は一般領域に案内される内部領域の下方の回転体30と下部傾斜ステージ20A」は、本願補正発明の「前記可変入球手段は、前記特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段と、前記特定領域に入球した遊技球のうち前記特定入球手段に入球する遊技球以外の遊技球が入球する非特定入球手段と、前記特定領域において遊技球が前記特定入球手段に入球するために通過しなければならない領域に設けられるとともに、遊技球を前記特定入球手段及び前記非特定入球手段のどちらかに案内する振分け手段」に相当する。 (c)引用発明の「下部傾斜ステージ20A」は、本願補正発明の「本体部」に相当する。そして、引用発明の「アタリ球出口28」は「特定領域」に連通するから、本願補正発明の「第1連通部」に相当する。引用発明の「ハズレ球出口29」は「一般領域」に連通するから、本願補正発明の「第2連通部」に相当する。 また、引用発明の「回転体30」は、アタリ球出口28又はハズレ球出口29に案内するアタリ球受け部39とハズレ球受け部38を設け、「下部傾斜ステージ20A」に対し可動なものであるから、本願補正発明の「本体部に対して相対変位可能に設けられ、前記振分け手段に到達した遊技球を前記第1連通部、及び、前記第2連通部のうち一方に案内する可動手段」に相当する。 そして、引用発明の「駆動モータ33」と「役物作動制御手段130」は、それぞれ、本願補正発明の「可動手段を変位させる駆動手段」、「駆動手段の駆動制御を行う駆動制御手段」に相当する。 したがって、引用発明の「下部傾斜ステージ20A」、「回転体30」、「駆動モータ33」、「役物作動制御手段130」は全体として、本願補正発明の「振分け手段」を構成するものであるといえる。 以上より、引用発明の「下部傾斜ステージ20Aは、アタリ球出口28に遊技球が通過する特定領域とハズレ球出口29の遊技球が通過する一般領域を設け、回転体30の円周面には、アタリ球出口28又はハズレ球出口29に案内するアタリ球受け部39とハズレ球受け部38を設け、回転体を駆動させる駆動モータ33と、駆動モータ33の作動を制御する役物作動制御手段130とを備え」ることは、本願補正発明の「前記振分け手段は、前記特定入球手段に連通する第1連通部と、前記非特定入球手段に連通する第2連通部とを有する本体部と、前記本体部に対して相対変位可能に設けられ、前記振分け手段に到達した遊技球を前記第1連通部、及び、前記第2連通部のうち一方に案内する可動手段と、前記可動手段を変位させる駆動手段と、前記駆動手段の駆動制御を行う駆動制御手段とを備え」ることに相当する。 (d)本願補正発明の可動体の「周期運動」は、本願の当初明細書【0432】によれば、『「可動手段の周期運動」とは、回転(円)運動や、一定の振幅で往復する往復運動等が挙げられる。』と記載されている。したがって、ここでは可動体の回転運動を示しているにすぎない。 そうすると、引用発明の「回転体30」の通常時における正転方向の回転は周期運動であるといえる。また、引用発明において「駆動モータ33を逆回転させ、所定時間の経過後」には本願補正発明でいう「反対方向に特定量変位」することは明らかであり、「退避位相」となることも明らかである。 そして、引用発明の「回転体30が正転」し、「逆回転」し、「逆転モードを正転モードに戻す制御」は、本願補正発明の「リバース処理」と共通するものである。 以上より、引用発明の「役物作動制御手段130は、通常時においては、回転体30が正転方向(右回り)に回転するように、駆動モータ33を駆動させ、不正検知手段140が不正を検知した場合には、駆動モータ33を逆回転させ、所定時間の経過後に自動的に逆転モードを正転モードに戻す制御を実行可能とする」ことと、 本願補正発明の「前記駆動制御手段は、前記可動手段に周期運動を行わせる通常処理と、前記周期運動により所定位相にある前記可動手段を、前記通常処理が行われる場合に変位させられる方向とは反対方向に特定量変位させ、前記所定位相から前記特定量変位した退避位相にある前記可動手段を特定時間静止させ、前記退避位相とされた前記可動手段を、前記特定時間経過後に、前記通常処理が行われる場合に変位させられる方向に変位させるリバース処理とを実行可能に構成されている」こととは、 「前記駆動制御手段は、前記可動手段に周期運動を行わせる通常処理と、前記周期運動により所定位相にある前記可動手段を、前記通常処理が行われる場合に変位させられる方向とは反対方向に特定量変位させ、前記所定位相から前記特定量変位した退避位相とされた前記可動手段を、前記通常処理が行われる場合に変位させられる方向に変位させるリバース処理とを実行可能に構成されている」点で共通する。 そうすると、両者は、 「A 発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、 前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域を有する可変入球手段とを備える遊技機において、 B 前記可変入球手段は、 前記特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段と、 前記特定領域に入球した遊技球のうち前記特定入球手段に入球する遊技球以外の遊技球が入球する非特定入球手段と、 前記特定領域において遊技球が前記特定入球手段に入球するために通過しなければならない領域に設けられるとともに、遊技球を前記特定入球手段及び前記非特定入球手段のどちらかに案内する振分け手段とを備え、 C 前記振分け手段は、 前記特定入球手段に連通する第1連通部と、前記非特定入球手段に連通する第2連通部とを有する本体部と、 前記本体部に対して相対変位可能に設けられ、前記振分け手段に到達した遊技球を前記第1連通部、及び、前記第2連通部のうち一方に案内する可動手段と、 前記可動手段を変位させる駆動手段と、 前記駆動手段の駆動制御を行う駆動制御手段とを備え、 D’前記駆動制御手段は、 前記可動手段に周期運動を行わせる通常処理と、 前記周期運動により所定位相にある前記可動手段を、前記通常処理が行われる場合に変位させられる方向とは反対方向に特定量変位させ、前記所定位相から前記特定量変位した退避位相とされた前記可動手段を、前記通常処理が行われる場合に変位させられる方向に変位させるリバース処理とを実行可能に構成されている遊技機。」 である点で一致しており、次の点で相違する。 (相違点) 所定位相から前記特定量変位した退避位相にある前記可動手段を、本願補正発明は、特定時間静止させたのに対し、引用発明はそのような特定がなされていない点。 (4)判断 引用発明においても可動手段が反対方向に特定量変位してから、通常処理に移行するためには、可動手段を一旦停止させてから行うことは技術的に明らかである。しかしながら、停止又は静止の時間については、刊行物1には明記されていない。 ところで、前記(2-2)において、(ア)、(イ)より、刊行物2は、中央役物30において円形形状のロータ40が軸41を中心に回転可能な遊技機について記載されている。 そして、(ウ)には、ロータ40が原点位置を通過してから中間位置に到達する前までの期間内で、役物始動信号が出力されることに同期してロータ40が現在位置から高速度で逆転し、原点位置で停止し、役物始動信号が出力されてから一定のインターバル時間が経過したタイミングでロータ40が通常速度で正転開始することが記載されている。 したがって、刊行物2には可動手段に相当するロータは正転から、逆回転し、停止し、一定のインターバル時間が経過したタイミングでロータ40が通常速度で正転開始する制御を行うことが記載されているといえる。そして、ロータの停止位置は退避位相の位置といえ、また、一定のインターバル時間は、特定時間ということができる。 そして、引用発明も刊行物2に記載のものも振り分け装置として回転する可動体を有するものである。 したがって、引用発明において可動体の逆転から正転に制御する際の停止時間を、刊行物2に記載のロータの回転制御における特定時間とし、上記相違点に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が容易に行い得ることである。 そして、本願補正発明の効果は、引用発明と刊行物1、刊行物2に記載された事項からみて格別のものではない。 (5)請求人の主張について 請求人は審判請求書第7頁において以下の主張をしている。 「これに対し、引用文献1では、上記技術的特徴(i)を具備することについての記載は一切ない。 より具体的に、引用文献1には、回転体30を逆回転させる状態から正回転させる状態に戻す記載はあるものの、「回転体30を特定量逆回転させた位置で特定時間静止させること」の記載は一切ない。 そもそも、引用文献1は、遊技機を振動させる等の不正行為を検知した場合に、遊技が不利になる(ペナルティが課せられる)ようにして、不正行為の抑制を図る(段落[0059]、[0064]等参照)といったものである。従って、引用文献1をいくら参酌してみても、上記技術的特徴(i)のように、振分け手段において、リバース処理が行われることで、球噛みが解消される以外の変化が生じてしまうこと、例えば、遊技者に不利になるような挙動や、遊技者に不信感を与えるような挙動が生じることを抑制しつつ、球噛みを確実に解消するための構成を想起し得ない筈である。」 上記主張について以下検討する。 a まず、特定時間静止させる点については引用文献1(刊行物1)に明記されていないが、特定時間静止させる点については刊行物2に記載され、上記(4)で検討したとおりである。 b 次に、リバース処理の目的について、引用文献1は、不正行為の抑制を図ることあり、本願補正発明は、球噛みが解消であるということであるが、本願補正発明の発明特定事項に球噛みの解消のような前提条件は特定されていない。しかも、審判請求時の補正で、本願の発明特定事項から「所定条件の成立に基づいて」という構成を削除されている。 さらに、上記(2-1)の(オ)で示したとおり、刊行物1には「不正検知時以外の場合に回転体30を逆回転させるように形成してもよい。」と記載され、不正行為の抑制目的以外にも使用できることが示唆されている。 以上より請求人の主張は採用できない。 (6)まとめ したがって、本願補正発明は引用発明及び刊行物1、2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許出願の際独立して特許を受けることができない。 (7)むすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反し、又は特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定より却下すべきものである。 第3 本願発明 本件補正(平成28年10月11日付け手続補正)は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年1月8日付けの手続補正書により補正された、上記第2の1.で前述した特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(A~Dは当審で付与した。)。 「A発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、 前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域を有する可変入球手段とを備える遊技機において、 B 前記可変入球手段は、 前記特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段と、 前記特定領域に入球した遊技球のうち前記特定入球手段に入球する遊技球以外の遊技球が入球する非特定入球手段と、 前記特定領域において遊技球が前記特定入球手段に入球するために通過しなければならない領域に設けられるとともに、遊技球を前記特定入球手段及び前記非特定入球手段のどちらかに案内する振分け手段とを備え、 C 前記振分け手段は、 前記特定入球手段に連通する第1連通部と、前記非特定入球手段に連通する第2連通部とを有する本体部と、 前記本体部に対して相対変位可能に設けられる可動手段と、 前記可動手段に周期運動を行わせる駆動手段と、 前記駆動手段の駆動制御を行う駆動制御手段とを備え、 D 前記駆動制御手段は、所定条件の成立に基づいて、前記可動手段を正規の方向とは反対の方向に特定量変位させるリバース制御と、該リバース制御によって前記反対の方向に前記特定量変位させられた前記可動手段を、前記正規の方向に前記特定量変位させる復帰制御とを行うリバース処理を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。」 1.刊行物1 原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1の記載事項、引用発明は、上記第2の3.(2-1)に記載したとおりであり、引用発明を再掲載すると以下のとおりである。 「a 玉発射装置60から発射された遊技球を誘導する遊技領域1aと、 遊技領域1a中央部には、内部領域を有するセンター役物20(可動役物装置)とを備えたパチンコ遊技機において、 b センター役物20は、 遊技球が通過する特定領域と遊技球が通過する一般領域を設け、 遊技球が特定領域又は一般領域に案内される内部領域の下方の回転体30と下部傾斜ステージ20Aを備え、 c 下部傾斜ステージ20Aは、アタリ球出口28に遊技球が通過する特定領域とハズレ球出口29に遊技球が通過する一般領域を設け、 回転体30の円周面には、アタリ球出口28又はハズレ球出口29に案内するアタリ球受け部39とハズレ球受け部38を設け、 回転体を駆動させる駆動モータ33と、 駆動モータ33の作動を制御する役物作動制御手段130とを備え、 d 役物作動制御手段130は、通常時においては、回転体30が正転方向(右回り)に回転するように、駆動モータ33を駆動させ、不正検知手段140が不正を検知した場合には、駆動モータ33を逆回転させ、所定時間の経過後に自動的に逆転モードを正転モードに戻す制御を実行可能とするパチンコ遊技機。」 2.対比・判断 本願発明と引用発明を第2の(3)と同様に対比すると、(a)~(c)については先の対比のとおりである。 そして、(d)について、引用発明の「不正検知手段140が不正を検知した場合」は、本願発明の「所定条件の成立」した場合に相当する。 また、本願発明の構成Dの「反対の方向に前記特定量変位させられた前記可動手段を、前記正規の方向に前記特定量変位させる復帰制御」は、本願補正発明の構成Dの「退避位相とされた前記可動手段を、前記特定時間経過後に、前記通常処理が行われる場合に変位させられる方向に変位させる」ことに含まれた構成である。 そうすると、引用発明の構成dは本願発明の構成Dに相当し、本願発明と引用発明には相違点はない。 したがって、本願発明は、引用発明と同一であり、刊行物1に記載された発明である。 仮に相違点があったとしても、本願発明は、引用発明と刊行物1に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 3.むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当するものであるか、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許を受けることができないものである。 したがって、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-015216

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