特許拒絶査定不服審判
2016-014728
下りリンク共有サービスのためのフィードバックを送り、ワイヤレス送受信ユニットの数を推定する方法および装置
- 審判番号
- 2016-014728
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2013-258593外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年09月30日
- 審決日
- 2018年07月24日
- 公報発行日
- 2019年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】インターデイジタル テクノロジー コーポレーション
- 【請求人代理人】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
- 分類
- P18 .537-WZ (H04W) / P18 .121-WZ (H04W)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項特許法36条6項1号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2013-258593「下りリンク共有サービスのためのフィードバックを送り、ワイヤレス送受信ユニットの数を推定する方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 3月13日出願公開、特開2014- 45526〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2009年(平成21年)8月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2008年8月29日 米国)を国際出願日として出願した特願2011―525229号の一部を、平成25年12月13日に新たな特許出願としたものであって、平成26年5月1日に手続補正書が提出され、同年7月14日付けで拒絶理由が通知され、平成27年1月22日に意見書及び手続補正書が提出され、同年6月11日付けで拒絶理由が通知され、同年12月16日付けで意見書及び手続補正書が提出され、平成28年5月25日付けで拒絶査定されたところ、同年9月30日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。その後当審において平成29年9月25日付けで拒絶理由が通知され、平成30年3月23日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1-17に係る発明は、平成30年3月23日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-17に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
無線送受信ユニット(WTRU)であって、
少なくとも1つのコンポーネントであって、
ダウンリンクチャネル上でデータの受信が成功したかどうかを示すための複数のフィードバック・チャネル・リソースを提供し、前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの各々は、フィードバック・チャネルと関連付けられ、前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つ目は、少なくとも1つの副搬送波とコードとの第1の組み合わせを有し、前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの2つ目は、少なくとも1つの副搬送波とコードとの第2の組み合わせを有し、前記第1の組み合わせ及び前記第2の組み合わせは異なり、並びに、
前記フィードバック・チャネルに対して定義された、フィードバック情報を送信するための送信基準に従って、前記データの受信が成功したかどうかを示す、送信に対して前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択する
ように構成された、少なくとも1つのコンポーネントを備えたことを特徴とするWTRU。」([当審注]:下線部は補正箇所を示す。)
第3 当審拒絶理由の概要
当審が平成29年9月25日付けで通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は、以下のとおりである。
1.(サポート要件)本件出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
2.(進歩性)本件出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記(引用文献等については引用文献等一覧参照)
理由1について
(1)請求項1について
請求項1には、「送信において、送信されることになるフィードバック情報のタイプに少なくとも基づいて、前記データの受信が成功したかを示す、前記送信に対する前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択し、異なるフィードバック・チャネル・リソースを選択することによって、異なるタイプのフィードバック情報が送信される、」との記載がある(中略)該「タイプ」に基づいて「前記データの受信が成功したかを示す、前記送信に対する前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択」することは記載されていないから、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものとはいえない。(第36条第6項第1号)
(中略)請求項1にいう「送信されることになるフィードバック情報のタイプに少なくとも基づいて、前記データの受信が成功したかを示す、前記送信に対する前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択」することは記載されていないから、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものはいえない。(第36条第6項第1号)
(中略)
理由2について
請求項:1
引用文献:国際公開第2008/045471号
第4 請求人の主張の概要
平成30年3月23日にした手続補正は、補正前の請求項1の
「【請求項1】
無線送受信ユニット(WTRU)であって、
少なくとも1つのコンポーネントであって、
ダウンリンクチャネル上でデータの受信が成功したかを示すための、複数のフィードバック・チャネル・リソースを提供し、前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つ目は、少なくとも1つの副搬送波とコードとの第1の組み合わせを有し、前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの2つ目は、少なくとも1つの副搬送波とコードとの第2の組み合わせを有し、前記第1の組み合わせ及び前記第2の組み合わせは異なり、並びに、
送信において、送信されることになるフィードバック情報のタイプに少なくとも基づいて、前記データの受信が成功したかを示す、前記送信に対する前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択し、異なるフィードバック・チャネル・リソースを選択することによって、異なるタイプのフィードバック情報が送信される、
ように構成された、少なくとも1つのコンポーネントを備えたことを特徴とするWTRU。」に対し、
上記第2の下線部のとおり、「前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの各々は、フィードバック・チャネルと関連付けられ、」との特定事項を追加するとともに、補正前の「送信において、送信されることになるフィードバック情報のタイプに少なくとも基づいて、」を、補正後の「前記フィードバック・チャネルに対して定義された、フィードバック情報を送信するための送信基準に従って、」に補正するものである。
そして、平成30年3月23日に提出した意見書における、理由1についての請求人の主張は、概ね以下のとおりである。
「 上記補正は、第0075段落乃至第0077段落の記載に基づいています。」、
「 具体的には、上記補正によって追加した「前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの各々は、フィードバック・チャネルと関連付けられ、」及び「前記フィードバック・チャネルに対して定義されたフィードバック情報を送信するための送信基準に従って、前記データの受信が成功したかを示す、送信に対して前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択する」は、第0076段落及び第0077段落の以下の記載によってサポートされています。」、
「 上記拒絶理由通知ではさらに、「請求項1にいう『フィードバック情報のタイプ』が、上記段落44にいう『NACKのみのフィードバックと、CQIのみのフィードバックと、NACKによってトリガされるCQIフィードバック(すなわち、NACK+CQI)』に対応すると解すると、上記段落44には、P-RAFCHバーストに、そのような『タイプ』(NACKのみ、CQIのみ、またはNACK+CQI)を示すデータタイプインジケータを含めることは記載されているものの、該『タイプ』に基づいて『前記データの受信が成功したかを示す、前記送信に対する前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択』することは記載されていないから、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものとはいえない。(第36条第6項第1号)」と認定されています。
第0076段落では、「送信基準(TC)」が「(1)特定の下りリンク物理チャネル上でデータパケットまたはデータのブロックの受信に成功したこと。」、「(2)(複数のチャネルにわたって分散されてもよい)特定のデータサービス上でデータのブロックの受信に成功したこと。」、「(3)特定のシグナリングコマンドを受信したこと。」、「(4)測定イベントが発生したこと。」または「(5)指定された回数の後で特定の送信を受信できなかったこと。」を含むことが記載されています。上記(1)乃至(5)は、NACKのみのフィードバック、CQIのみのフィードバック、及びNACK+CQIフィードバックに対応することが明らかです。よって、補正前の請求項1、7及び13に記載されていた「フィードバック情報のタイプ」は「送信基準(TC)」に置き換えることができます。
以上のことから、本願の請求項1、7及び13に記載された発明は明確であり、発明の詳細な説明によって十分にサポートされていると思料します。従いまして、理由1は解消したものと思料します。」([当審注]:下線部は請求人が付与。)
第4 当審の判断
1 理由1(サポート要件(第36条第6項第1号))について
本願発明は、「前記フィードバック・チャネルに対して定義された、フィードバック情報を送信するための送信基準に従って、」「送信に対して前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択する」との特定事項を含むものと認められるところ、上記特定事項に関連して、発明の詳細な説明には、次の記載がある。(なお、下線は当審で付した。以下、同様。)
「【0075】
P-RAFCHは、1つまたは複数の物理リソース(たとえば、副搬送波、コード、タイムスロット、空間ストリーム、またはこれらのすべてもしくは一部の組合せ)を割り当てることによって定義される物理チャネルである。N個の物理リソースは、所定の時間間隔ごとにP-RAFCHのために予約される。この所定の時間間隔は、P-RAFCHフレームと呼ばれる。P-RAFCHフレームは、様々なワイヤレス通信標準においてフレーム、スーパーフレーム、サブフレームなどに対応する可能性がある。複数のP-RAFCHをセル内で定義することができる。
【0076】
「送信基準(TC)」が各P-RAFCHに定義される。P-RAFCHのためのTCは、それだけには限らないが、以下のうちの少なくとも1つとすることができる。すなわち、
(1)特定の下りリンク物理チャネル上でデータパケットまたはデータのブロックの受信に成功したこと。
(2)(複数のチャネルにわたって分散されてもよい)特定のデータサービス上でデータのブロックの受信に成功したこと。
(3)特定のシグナリングコマンドを受信したこと。
(4)測定イベントが発生したこと。または
(5)指定された回数の後で特定の送信を受信できなかったこと。
TCは、はい/いいえの回答を生み出すことを必要とし、各WTRUは、それを外部の調整なしに個別に決定することができなければならない。
【0077】
図6は、P-RAFCHを送信するために送信基準を評価する例示的なプロセス600の流れ図である。P-RAFCHごとの各P-RAFCHフレームにおいて、WTRUは、P-RAFCHに関連付けられたTCが満たされるかどうか判定する(ステップ602)。各P-RAFCHに関連付けられたTCは、P-RAFCHセットアップの一部として提供される。TCが満たされなかった場合、プロセス600は終了する(すなわち、WTRUは、このP-RAFCHフレーム内でP-RAFCHを送信しない)。TCが満たされた場合、WTRUは、任意選択として、P-RAFCHを送ることについての予め設定された確率(p)に基づいてP-RAFCHを送るか否か判断することができる(ステップ604)。確率(p)は、TCが満たされた後でWTRUが常に信号を送ることができるように「1」に設定することができる。ステップ606で、WTRUがP-RAFCHを送らないと決めた場合、プロセス600は終了する(すなわち、WTRUは、このP-RAFCHフレーム内でP-RAFCHを送信しない)。ステップ606で、WTRUがP-RAFCHを送ると決めた場合、WTRUは、P-RAFCHに関連付けられたN個の使用可能なP-RAFCH物理リソースのうちの1つをランダムに選択する(ステップ608)。次いで、WTRUは、選択された物理リソースを使用して、所定の信号を送信する(ステップ610)。すべてのWTRUが同じ信号を送信することができ、その信号は、衝突により信号がゼロ(たとえば、一定の振幅および位相)になる(nulling)ことがまずないように設計することができる。」
上記段落【0075】~【0077】の記載によれば、発明の詳細な説明に発明として記載されたものは、
(i)N個のP-RAFCH物理リソースがP-RAFCHに割り当てられていること、
(ii)P-RAFCHに対して定義された送信基準(TC)が満たされるかどうか判定し、TCを満たした場合、P-RAFCHを送ると決めること、
(iii)P-RAFCHを送ると決めた場合、P-RAFCHに関連付けられたN個の使用可能なP-RAFCH物理リソースのうちの1つをランダムに選択し、選択された物理リソースを使用して、所定の信号を送信すること、
を含むと認められる。
そこで、本願発明と発明の詳細な説明に発明として記載されたものとを対比すると、本願発明の「複数のフィードバック・チャネル・リソース」、「フィードバック・チャネル」、「前記フィードバック・チャネルに対して定義された、フィードバック情報を送信するための送信基準」は、それぞれ発明の詳細な説明に発明として記載されたものの「N個のP-RAFCH物理リソース」、「P-RAFCH」、「P-RAFCHに対して定義された送信基準(TC)」に対応するといえる。
そうすると、本願発明と発明の詳細な説明に発明として記載されたものとは、
(i)「前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの各々は、フィードバック・チャネルと関連付けられ」ている点、
(ii)「前記フィードバック・チャネルに対して定義された、フィードバック情報を送信するための送信基準に従って」、当該フィードバック・チャネルでフィードバック情報を送信すると決める点、で一致するといえる。
しかし、発明の詳細な説明に発明として記載されたものでは、送信に使用する物理リソースは、当該フィードバック・チャネルと関連付けられた複数のフィードバック・チャネル・リソースのうちからランダムに選択される。
よって、本願発明の「前記フィードバック・チャネルに対して定義された、フィードバック情報を送信するための送信基準に従って、」「送信に対して前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択する」点は、発明の詳細な説明に記載も示唆もなく、自明ともいえない。
したがって、本願発明は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえないから、本件出願は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
2 理由2(進歩性(第29条第2項))について
(1)本願発明
上記1のとおりであるが、さらに進めて、本願発明(上記第2)において、「前記フィードバック・チャネルに対して定義された、フィードバック情報を送信するための送信基準に従って、前記データの受信が成功したかどうかを示す、送信に対して前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択する」ことが、「前記フィードバック・チャネルに対して定義されたフィードバック情報を送信するための送信基準に従って前記データの受信が成功したかどうかを示す送信」に対して「前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択する」ことを含むものとして、以下検討する。
(2)引用例の記載事項及び引用発明
当審拒絶理由で引用した国際公開第2008/045471号(平成20年4月17日国際公開。以下「引用例」という。)には、図面とともに、次の記載がある([当審注]:下線は当審において付与。)。
ア 「[0024] Figure 1 is a block diagram of an example WTRU 100 in accordance with one embodiment. The WTRU 100 includes a transmitter 102, a receiver 104, a decoder 106, and a CQI measurement unit 108 (optional).(中略) The transmitter 102 sends feedback, (i.e., a CQI or an acknowledgement based on the decoding of the downlink transmission), to a Node-B via a contention-based shared feedback channel, which will be explained in detail below.(以下、略)」
(当審訳:「[0024] 図1は、1つの実施形態による例示的なWTRU100を示すブロック図である。WTRU100は、送信機102、受信機104、復号器106及びCQI測定ユニット108(オプション)を含む。(中略)送信機102は、フィードバック(つまり、ダウンリンク伝送の復号に基づいてCQI又は肯定応答)を、コンテンションベースの共用フィードバックチャネルを介してNode-Bに送信するが、これについては以下で詳細に説明する。(以下、略)」)
イ 「[0027] A new uplink shared feedback channel, a physical random access feedback channel (P-RAFCH), is introduced for sending the feedback from the WTRU 100 to the Node-B 200. The P-RAFCH is a contention-based random access channel. At least one P-RAFCH may be associated with each HS-SCCH in the downlink. If several downlink shared services are supported over the HS-PDSCH(s), a set of P-RAFCHs are provided for the downlink shared services and each P-RAFCH may be dedicated to a particular downlink shared service.
[0028] The configuration of the shared feedback channel, (i.e., P-RAFCH), may be communicated via system information block (SIB) and may vary cell-by-cell. Alternatively, the shared feedback channel configuration may be signaled through dedicated RRC signaling to the WTRUs that have a connection to the radio access network (RAN), (e.g., WTRUs operating in a CELL_FACH state). The Node-B 200 broadcasts available scrambling codes and access slots for the shared feedback channel. The access slot duration may be the same as for the conventional RACH, and may be matched, (i.e., derived), to the transmission time interval (TTI) of the downlink shared services. When a WTRU 100 needs to provide feedback, the WTRU 100 randomly selects a code and an access slot associated with a particular TTI on a particular downlink shared service and sends its feedback.」
(当審訳:「[0027] 新しいアップリンク共用フィードバックチャネルである物理ランダムアクセスフィードバックチャネル(P-RAFCH)が、WTRU100からノードB200にフィードバックを送信するために導入される。P-RAFCHは、コンテンションベースのランダムアクセスチャネルである。少なくとも1つのP-RAFCHは、ダウンリンク内の各HS-SCCHに関連付けることができる。いくつかのダウンリンク共用サービスがHS-PDSCHを通じてサポートされる場合、P-RAFCHのセットはダウンリンク共用サービスに提供され、各P-RAFCHは特定のダウンリンク共用サービス専用にすることができる。
[0028] 共用フィードバックチャネル(つまり、P-RAFCH)の構成は、システム情報ブロック(SIB)を介して通信することができ、セル毎に異なることがある。代替として、共用フィードバックチャネルの構成は、無線アクセスネットワーク(RAN)への接続を有するWTRU(例えば、CELL_FACH状態で動作中のWTRU)への専用のRRCシグナリングを通じて通知することができる。ノードB200は、共用フィードバックチャネルのために使用可能なスクランブルコード及びアクセススロットをブロードキャストする。アクセススロットの継続期間は、標準的なRACHの場合と同様であり、ダウンリンク共用サービスの伝送時間間隔(TTI)に適合され(つまり、導かれ)てもよい。WTRU100がフィードバックを提供する必要がある場合、WTRU100は、特定のダウンリンク共用サービス上の特定のTTIに関連付けられているコード及びアクセススロットをランダムに選択して、当該フィードバックを送信する。」)
ウ 「[0049] A scheme for sending a CQI via the P-RAFCH is disclosed hereinafter. A CQI is also transmitted via the P-RAFCH. While the CQI feedback may be either scheduled or triggered, the Node-B must be able to differentiate between NACK only feedback, CQI only feedback, and CQI feedback which is triggered by a NACK, (i.e., NACK+CQI). The P-RAFCH burst includes a data type indicator for indicating NACK only, CQI only or NACK+CQI, a data field for carrying CQI bits if needed, and a reference field for carrying a modulation phase and power reference, if needed.
[0050] These fields may be mapped into the burst by time division multiplexing (TDM), (i.e., each data is transmitted in its own time segment). Alternatively, the fields may be mapped into the burst by code division multiplexing (CDM), (e.g., a signature based structure as in the PRACH preamble). Alternatively, the fields may be mapped into the burst by frequency division multiplexing (FDM). FDM is particularly appropriate for systems, such as long term evolution (LTE), where a number of sub-carriers may be utilized. The basic physical channel resources for carrying these fields may be, but not necessarily, orthogonal at least at the WTRU.
[0051] The data field, if present, may use any multi-dimensional modulation schemes with each physical channel resource (time slot, signature, carrier, etc.) providing a dimension in the modulation vector space.(以下、省略)」
(当審訳:「[0049] 以下、P-RAFCHを介してCQIを送信する方式が開示される。CQIはまた、P-RAFCHを介して送信される。CQIフィードバックがスケジュール又はトリガされる場合、ノードBは、NACKのみのフィードバックと、CQIのみのフィードバックと、及びNACKによってトリガされるCQIフィードバック(つまり、NACK+CQI)とを区別することができる必要がある。P-RAFCHバーストは、NACKのみ、CQIのみ、又はNACK+CQIを示すデータタイプインジケータと、必要に応じてCQIビットを搬送するデータフィールドと、及び必要に応じて変調位相及び電力基準を搬送する参照フィールドとを含む。
[0050] これらのフィールドは、時分割多重(TDM)によりバーストにマップすることができる(つまり、各データは各自の時間区分で伝送される)。代替として、フィールドは、符号分割多重(CDM)によりバーストにマップすることができる(例えば、PRACHプリアンブルの場合のようなシグニチャベースの構造)。代替として、フィールドは、周波数分割多重(FDM)によりバーストにマップすることができる。FDMは特に、多数の副搬送波を使用することができるロング・ターム・エボリューション(LTE)のようなシステムに適している。これらのフィールドを搬送するための基本的な物理チャネルリソースは、少なくともWTRUにおいて直交であってもよいが、それは必須ではない。
[0051] データフィールドは、存在する場合、変調ベクトル空間に次元をもたらす各物理チャネルリソース(タイムスロット、シグニチャ、搬送波等)で任意の多元変調方式を使用することができる。」)
エ 「[0065] The network sets at least one CQI threshold to determine on which stream each WTRU should provide feedback. The CQI threshold(s) is signaled from the network, (e.g., on the BCCH, dedicated control channel (DCCH), or MBMS control channel (MCCH) for broadcast, multicast, or unicast).
[0066] A WTRU 100 measures its own CQI (or average CQI). The WTRU 100 compares the measured CQI to the CQI threshold(s) and determines the smallest CQI threshold higher than the measured CQI. This CQI threshold corresponds to a certain subset of stream(s) that the WTRU 100 needs to report feedback. The WTRU 100 reports ACK or NACK feedback on the decoding of the subset of stream(s) determined based on the CQI comparison. It is possible to further restrict the subset of streams to report feedback based on WTRU subscription to the high quality service.」
(当審訳:「[0065] ネットワークは、各WTRUがどのストリーム上でフィードバックを提供すべきか判定するために、少なくとも1つのCQIしきい値を設定する。CQIしきい値は、ネットワークから(例えば、ブロードキャスト、マルチキャスト、又はユニキャストに対して、BCCH、専用制御チャネル(DCCH)、又はMBMS制御チャネル(MCCH)で)信号伝達される。
[0066] WTRU100は、各自のCQI(又は平均CQI)を測定する。WTRU100は、測定されたCQIをCQIしきい値と比較し、測定されたCQIよりも高い最小のCQIしきい値を決定する。このCQIしきい値は、WTRU100がフィードバックを報告する必要のある特定のストリームのサブセットに対応する。WTRU100は、CQIの比較に基づいて決定されたストリームのサブセットの復号に関するACK又はNACKフィードバックを報告する。高品質サービスに対するWTRUサブスクリプションに基づいてフィードバックを報告するようにストリームのサブセットをさらに制約することが可能である。」)
上記ア~エの記載、並びに当業者の技術常識を考慮すると、
a 上記アの記載によれば、WTRU100は、送信機102、受信機104、復号器106及びCQI測定ユニット108を含み、送信機102は、ダウンリンク伝送の復号に基づいてフィードバックを、コンテンションベースの共用フィードバックチャネルを介してNode-Bに送信する。
b 上記イの記載によれば、いくつかのダウンリンク共用サービスがHS-PDSCHを通じてサポートされる場合、当該ダウンリンク共用サービスに対してアップリンク共用フィードバックチャネルであるP-RAFCHのセットが提供され、各P-RAFCHは特定のダウンリンク共用サービス専用にすることができる。そして、特定のダウンリンク共用サービス上の特定のTTIには、共用フィードバックチャネルのために使用可能なスクランブルコード及びアクセススロットが関連付けられており、当該スクランブルコード及びアクセススロットはノードB200からブロードキャストされる。
そうすると、ダウンリンク共用サービスに対してP-RAFCHが提供され、WTRU100は、特定のダウンリンク共用サービスに対するフィードバックを送信するための、使用可能なスクランブルコード及びアクセススロットが関連付けられたアップリンク共用フィードバックチャネルであるP-RAFCHが使用可能であるといえる。
c 上記ウによれば、WTRU100がP-RAFCHを介してCQIを送信する方式のフィードバックには、NACKのみのフィードバックやNACKによってトリガされるCQIフィードバック(つまり、NACK+CQI)が含まれ、CQIは、P-RAFCHを介して送信される。また、上記エによれば、WTRU100は、測定されたCQIとネットワークによって設定された少なくとも1つのCQIしきい値との比較に基づいて、特定のストリームのサブセットに対応するNACKフィードバックを提供すべきかを判定するといえる。そして、上記イによれば、フィードバックを提供する必要がある場合、特定のダウンリンク共用サービス上の特定のTTIに関連付けられているスクランブルコード及びアクセススロットをランダムに選択して、ノードB200にフィードバックを送信するといえる。
d よって、上記b及びcより、ダウンリンク共用サービスに対してP-RAFCHが提供され、WTRU100は、特定のダウンリンク共用サービスに対するフィードバックを送信するための、使用可能なスクランブルコード及びアクセススロットが関連付けられたアップリンク共用フィードバックチャネルであるP-RAFCHが使用可能であり、フィードバックには、NACKのみのフィードバックやNACKによってトリガされるCQIフィードバック(つまり、NACK+CQI)が含まれるといえる。
そして、WTRU100は、測定されたCQIとネットワークによって設定された少なくとも1つのCQIしきい値との比較に基づいて、特定のストリームのサブセットに対応するNACKフィードバックを提供すべきかを判定し、フィードバックを提供する必要がある場合、特定のダウンリンク共用サービス上の特定のTTIに関連付けられているスクランブルコード及びアクセススロットをランダムに選択して、P-RAFCHを介してフィードバックを送信する。
以上を総合すると、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。
「 送信機102、受信機104、復号器106及びCQI測定ユニット108を含み、送信機102は、ダウンリンク伝送の復号に基づいてフィードバックを、コンテンションベースの共用フィードバックチャネルを介してNode-Bに送信する、WTRU100であって、
ダウンリンク共用サービスに対してP-RAFCHが提供され、WTRU100は、特定のダウンリンク共用サービスに対するフィードバックを送信するための、使用可能なスクランブルコード及びアクセススロットが関連付けられたアップリンク共用フィードバックチャネルであるP-RAFCHが使用可能であり、フィードバックには、NACKのみのフィードバックやNACKによってトリガされるCQIフィードバック(つまり、NACK+CQI)が含まれ、
測定されたCQIとネットワークによって設定された少なくとも1つのCQIしきい値との比較に基づいて、特定のストリームのサブセットに対応するNACKフィードバックを提供すべきかを判定し、フィードバックを提供する必要がある場合、特定のダウンリンク共用サービス上の特定のTTIに関連付けられているスクランブルコード及びアクセススロットをランダムに選択して、P-RAFCHを介してフィードバックを送信する、WTRU100。」
(3)本願の優先日(2008年8月29日)時点の技術水準を示す周知例の記載事項及び周知技術
ア 国際公開第2008/078357号(平成20年7月3日国際公開。以下「周知例1」という。)には次の記載がある([当審注]:下線は当審において付与。)。
(ア)「[0004]・CAZAC系列
シングルキャリア伝送において受信側で周波数等化を行う場合、周波数領域でチャネル推定を精度良く行うために、パイロット信号が周波数領域において一定振幅であること、換言すれば、任意の周期的時間シフトの自己相関が0であることが望ましい。一方でPAPRの観点から時間領域においても一定振幅であることが望ましい。これらの特性を実現するパイロット系列として、CAZAC(Constant Amplitude Zero Auto Correlation)系列があり、3GPP LTEでは上りリンクパイロットとしてこのCAZAC系列を適用することが決まっている。CAZAC系列は理想的な自己相関特性を持つため、同じ系列から巡回シフトしたものは互いに直交する。3GPP LTEでは巡回シフト量が異なるCAZAC系列を使って異なるユーザのパイロット信号あるいは同じユーザで異なるアンテナのパイロット信号を多重する方法を CDM(Code Division Multiplex)と称している。」
(イ)「[0014](中略)
・ユーザ端末
無線通信システムのユーザ端末は、基地局より上りリンクリソース情報を受信する受信部、該上りリンクリソース情報の指示に従ってパイロットを生成するパイロット生成部を備え、該パイロット生成部は、該リソース情報に基づいてパイロット信号として所定系列長、系列番号のCAZAC系列を発生するCAZAC系列発生部、時間領域のパイロット信号であるCAZAC系列を周波数領域のパイロット信号に変換する第1の変換部、パイロット信号のサブキャリア成分を前記リソース情報に含まれる周波数オフセット情報に基づいてマッピングするサブキャリアマッピング部、サブキャリアマッピングされたパイロット信号を時間領域の信号に変換する第2の変換部、前記第1の変換の前、あるいは前記第2の変換の後に、前記リソース情報に含まれるシフト量に基づいてCAZAC系列を巡回シフトする巡回シフト部を備えている。」
(ウ)「[0026](B)移動局
図13は移動局の構成図である。
上り送信データが発生した場合、移動局(ユーザ端末)は基地局にリソース割り当て要求を行い、該要求により基地局は移動局の伝搬路状態に基づいてリソース割当を行い、リソース割当情報を移動局に通知する。移動局は通知されたデータとパイロットを送信する。すなわち、無線部21は基地局から受信した無線信号をベースバンド信号にして受信信号ベースバンド処理部22に入力する。ベースバンド処理部22は受信信号よりデータ、その他の制御情報を分離すると共に、リソース割当情報を分離して送信リソース管理部23に入力する。リソース割当情報には、データの送信周波数帯域、タイミング、変調方式などに加えて、パイロットの送信周波数帯域、パイロットとして使用するCAZAC系列の系列番号及び系列長L、巡回シフト量、周波数オフセット量dなどが含まれる。(以下、略)」
イ 国際公開第2008/096647号(平成20年8月14日国際公開。以下「周知例2」という。)には次の記載がある([当審注]:下線は当審において付与。)。
(ア)「[0059] 本発明においては、移動局から基地局へのUL送信する場合の多重化方式として、SC FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)を使用することを想定している。この多重化方式では、図2と図3に示すような、Distributed送信とLocalized送信の2つの送信方法を用いる。ここで、図2は、Distributed送信の送信データの配置の一例を示す図であり、図3は、Localized送信の配置の送信データの一例を示す図である。Distributed送信は、周波数方向に一定間隔のサブキャリアを送信する方法である。Localized送信は、周波数方向に連続したサブキャリアを送信する方法である。共にシングルキャリア送信であるため、移動局は、Distributed送信とLocalized送信を同一時間に行なうことは不可能である。」
(イ)「[0162] 本実施形態では、distributedに配置され、各移動局200による前記パイロット信号の多重化方法として、CAZAC符号を使用した場合について説明を行なう。具体的には、基地局100が移動局200に対してそれぞれ異なる複数個のシーケンス(系列)のCAZAC符号を割り当てることで、各移動局200を識別することを想定しており、移動局200aに対してはCAZAC#1と#4が、移動局200bに対してはCAZAC#2と#5が、移動局200cに対してはCAZAC#3と#6が割り当てられているものとする。そして、各移動局200は、割り当てられた前記CAZAC符号を使用してUL送信する場合を考える。
(ウ)「[0198] 本実施形態では、localizedに配置され、各移動局200による前記パイロット信号の多重化方法として、CAZAC符号を使用した場合について説明を行なう。具体的には、基地局100が移動局200に対してそれぞれ異なる複数個のシーケンス(系列)のCAZAC符号を割り当てることで、各移動局200を識別することを想定しており、移動局200aに対してはCAZAC#1と#4が、移動局200bに対してはCAZAC#2と#5が、移動局200cに対してはCAZAC#3と#6が割り当てられているものとする。そして、各移動局200は、割り当てられた前記CAZAC符号を使用してUL送信する場合を考える。」
ウ Motorola、Uplink Feedback for E-MBMS、3GPP TSG RAN1 #49-bis、R1-072710、Orlando、USA、June 25-29、2007(アップロード日:平成19年6月20日。以下「周知例3」という。)には次の記載がある([当審注]:下線は当審において付与。)。
(ア)「Uplink Feedback for E-MBMS」(タイトル)
(当審訳:「E-MBMSのためのアップリンクフィードバック」)
(イ)「For synchronized UEs, a common uplink feedback channel is introduced as shown in Figure 1 [2]. In this case, users transmit feedback using a common sequence and time frequency region reserved for this transmission in the uplink frame.(以下、略)」(第3節第2パラグラフ)
(当審訳:「同期化されたUEについて、図1[2]に示すように、共通アップリンクフィードバックチャネルが導入される。この場合、ユーザは、アップリンクフレームにおいて、この送信のために予約された共通シーケンスおよび時間周波数領域を使用してフィードバックを送信する。(以下、略)」
(ウ)「Note that multiple orthogonal sequences may be supported in the same common channel to provide more feedback possibilities. A similar transmission and multiplexing structure with the uplink ACK/NACK channel may be used. For example, with a non-coherent structure different cyclic shift of a CAZAC sequence may be used without additional reference signals.(以下、略)」(第3節第3パラグラフ)
(当審訳:「複数の直交シーケンスは、より多くのフィードバック可能性を提供するために同じ共通チャネルにおいてサポートされ得ることに留意されたい。アップリンクACK/NACKチャネルと同様の送信及び多重化構造を使用することができる。例えば、非コヒーレント構造では、CAZACシーケンスの異なる巡回シフトを、追加の基準信号を使用することなく使用することができる。(以下、略)」)
上記周知例1~3の記載、並びに当業者の技術常識を考慮すると、本願の優先日(2008年8月29日)時点において、「互いに直交するアップリンクのリソースとして、異なる「少なくとも1つの副搬送波とコードとの組み合わせ」を有する複数のリソースを割り当てる」ことは周知技術であったといえる。
(4)対比
本願発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「特定のダウンリンク共用サービスに対するNACKのみのフィードバックやNACKによってトリガされるCQIフィードバック(つまり、NACK+CQI)」は、「ダウンリンクチャネル上でデータの受信が成功したかどうかを示すための」フィードバックといえる。また、当該フィードバックを送信する際にランダムに選択される、「アップリンク共用フィードバックチャネルであるP-RAFCH」に「関連付けられ」た「使用可能なスクランブルコード及びアクセススロット」の各々は、フィードバックを送信するためにP-RAFCHで使用可能なフィードバック・チャネル・リソースといえる。
そして、「使用可能なスクランブルコード及びアクセススロット」の各々を、「複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つ目」及び同「2つ目」と称することは任意であり、スクランブルコードとアクセススロットとの組み合わせの各々を「第1の組み合わせ」及び「第2の組み合わせ」と称することも任意である。また、「第1の組み合わせ及び第2の組み合わせは異なる」ことも明らかである。
ここで、本願発明の「無線送受信ユニット(WTRU)であって、・・・複数のフィードバック・チャネル・リソースを提供し、」にいう「提供し」の主体はWTRUといえるところ、一般に、リソースは、ネットワーク側から割り当てられることが技術常識であり、明細書の「一実施形態によれば、特定の物理リソース(副搬送波、コード、タイムスロット、空間ストリーム、またはこれらの組合せ)を各WTRUに割り当てることができ、・・・あるいは、N個の物理リソースを、WTRUがランダムにアクセスすることができるP-RAFCHのために予約することができる」(段落71~72)、「P-RAFCHは、1つまたは複数の物理リソース(たとえば、副搬送波、コード、タイムスロット、空間ストリーム、またはこれらのすべてもしくは一部の組合せ)を割り当てることによって定義される物理チャネルである。N個の物理リソースは、所定の時間間隔ごとにP-RAFCHのために予約される。」(段落75)との記載からみて、本願発明の「複数のフィードバック・チャネル・リソースを提供し、」には、「複数のフィードバック・チャネル・リソース」が割り当てられて使用可能であることが含まれると解することができる。
そうすると、本願発明と引用発明とは、「ダウンリンクチャネル上でデータの受信が成功したかどうかを示すための複数のフィードバック・チャネル・リソースを提供し、前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの各々は、フィードバック・チャネルと関連付けられ、前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つ目は、第1の組み合わせを有し、前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの2つ目は、第2の組み合わせを有し、前記第1の組み合わせ及び前記第2の組み合わせは異な」る点で共通するといえる。
イ 引用発明の「少なくとも1つのCQIしきい値」は、「特定のストリームのサブセットに対応するNACKフィードバックを提供すべきかを判定」するためのものであり、NACKフィードバックは、当該ストリームに係る「特定のダウンリンク共用サービス」に対して提供された「P-RAFCHを介して」送信される。ここで、「NACKフィードバック」が、「フィードバック情報」の一つであることは技術常識であるから、本願発明の「フィードバック情報を送信する」ことは、引用発明の「NACKフィードバックを提供」することを含むといえる。
そうすると、引用発明の「少なくとも1つのCQIしきい値」は、「特定のダウンリンク共用サービス」に対して提供されたP-RAFCHに対して定義された、フィードバック情報を送信するか否かの判定基準といえるから、本願発明の「前記フィードバック・チャネルに対して定義された、フィードバック情報を送信するための送信基準」に相当する。
そして、引用発明は、「少なくとも1つのCQIしきい値」との比較に基づく判定に従って、NACKを示すフィードバックを送信するための、スクランブルコード及びアクセススロットをランダムに選択するから、本願発明と引用発明とは、「前記フィードバック・チャネルに対して定義された、フィードバック情報を送信するための送信基準に従って、前記データの受信が成功したかどうかを示す送信に対して前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択する」点で共通する。
ウ 引用発明の「WTRU100」は、「無線送受信ユニット(WTRU)であって、」上記ア、イで共通するとした各点を実現する「ように構成されたことを特徴とするWTRU。」といえる。
そして、本願発明の「無線送受信ユニット(WTRU)」が備えるとする「少なくとも1つのコンポーネント」が、WTRUのどの構成要素を含むのかは何ら特定がなく、何をもって「コンポーネント」と称するかは任意であるから、本願発明と引用発明とは、「無線送受信ユニット(WTRU)であって、」「少なくとも1つのコンポーネントであって、」上記ア、イで共通するとした各点を実現する「ように構成された、少なくとも1つのコンポーネントを備えたことを特徴とするWTRU。」といえる点で共通する。
したがって、本願発明と引用発明との一致点・相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「無線送受信ユニット(WTRU)であって、
少なくとも1つのコンポーネントであって、
ダウンリンクチャネル上でデータの受信が成功したかどうかを示すための複数のフィードバック・チャネル・リソースを提供し、前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの各々は、フィードバック・チャネルと関連付けられ、前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つ目は、第1の組み合わせを有し、前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの2つ目は、第2の組み合わせを有し、前記第1の組み合わせ及び前記第2の組み合わせは異なり、並びに、
前記フィードバック・チャネルに対して定義された、フィードバック情報を送信するための送信基準に従って、前記データの受信が成功したかどうかを示す、送信に対して前記複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択する
ように構成された、少なくとも1つのコンポーネントを備えたことを特徴とするWTRU。」
[相違点]
「第1の組み合わせ」及び「第2の組み合わせ」が、本願発明では、「少なくとも1つの副搬送波とコードとの組み合わせ」であり、異なる「少なくとも1つの副搬送波とコードとの組み合わせ」を有する複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択するのに対し、引用発明では、「スクランブルコード及びアクセススロットの組み合わせ」であり、異なる「スクランブルコード及びアクセススロットの組み合わせ」を有する複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択する点。
(5)判断
引用例の段落[0050](上記(2)ウ参照。)には、フィールドを、時分割多重(TDM)、符号分割多重(CDM)又は周波数分割多重(FDM)によりバーストにマップすることができ、FDMは特に、多数の副搬送波を使用することができるロング・ターム・エボリューション(LTE)のようなシステムに適していることが示唆されている。そして、本願の優先日(2008年8月29日)時点の技術水準として、上記(3)のとおり、「互いに直交するアップリンクのリソースとして、異なる「少なくとも1つの副搬送波とコードとの組み合わせ」を有する複数のリソースを割り当てる」ことが周知技術であったことを踏まえれば、引用発明において、「第1の組み合わせ」及び「第2の組み合わせ」を「少なくとも1つの副搬送波とコードとの組み合わせ」とし、異なる「少なくとも1つの副搬送波とコードとの組み合わせ」を有する複数のフィードバック・チャネル・リソースの1つを選択するように構成することは、当業者が適宜なし得る設計変更といえる。
したがって、本願発明は、本願の優先日(2008年8月29日)時点の技術水準を踏まえれば、上記引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
3 小括
上記1のとおり、本願発明は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえないから、本件出願は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
また、上記2のとおり、本願発明は、本願の優先日(2008年8月29日)時点の技術水準を踏まえれば、上記引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第5 むすび
以上のとおり、本件出願は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。
また、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願の他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2016-014728