特許拒絶査定不服審判
2016-005522
洗濯機
- 審判番号
- 2016-005522
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2011-216908外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年04月14日
- 審決日
- 2017年12月04日
- 公報発行日
- 2018年03月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】東芝ライフスタイル株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人 サトー国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-WZ (D06F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2011-216908「洗濯機」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 4月25日出願公開、特開2013- 75047〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成23年9月30日の出願であって、平成28年1月19日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年4月14日に拒絶査定不服審判が請求され、その後、当審において平成29年5月9日付けで拒絶理由が通知され、同年7月18日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1ないし6に係る発明は、平成29年7月18日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりのものである。
「水を受ける非導電性の水受槽と、
前記水受槽内に設けられ、一端部が開放され且つ他端部が閉鎖された筒状をなすものであって当該一端部を通して衣類が投入されるステンレス鋼製の洗濯槽と、
前記洗濯槽に設けられ、前記洗濯槽を機械的に補強するものであってAl-Si-Cu系のアルミニウム合金をダイキャストしてなる洗濯槽支えを備え、
前記洗濯槽支えは、中央支えおよび前記中央支えから突出する支え脚を有し、
前記中央支えおよび前記支え脚の表面のうち前記洗濯槽の表面に接触する部分に、前記洗濯槽支えを前記洗濯槽に対して電気的に遮断する非導電性の非導電層が設けられていることを特徴とする洗濯機。」
第3 引用例
1 当審の拒絶の理由に引用された特開2006-223564号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審による。以下同じ。)。
「【0010】
(第1の実施例)
以下、本発明をドラム式の洗濯乾燥機に適用した第1の実施例について図1ないし図5を参照しながら説明する。図1は本実施例にかかるドラム式洗濯乾燥機の全体構成を示すものである。このドラム式洗濯乾燥機の土台をなす基台1は樹脂により形成されており、この基台1の上部には、略矩形箱状の外箱2が設けられている。この外箱2の前面には、前カバー3が設けられており、この前カバー3の中央部には、洗濯物を出し入れする開口部3a(図2参照)が設けられており、この開口部3aは扉4により開閉可能に構成されている。前カバー3の扉4の上部には、操作パネル5が設けられている。この操作パネル5には、運転コースを選択するスイッチが設けられ、洗濯運転、乾燥運転、或いは洗濯運転及び乾燥運転を続けて行う洗濯乾燥運転等を選択することができる。
【0011】
図2は、ドラム式洗濯乾燥機の縦断面図を示しており、外箱2内には、円筒状の水槽6が、ばね及び減衰装置を有するサスペンション7を介して基台1に支持されて設けられ、この水槽6の内部には、円筒状のステンレス(例えばSUS403)製のドラム8が収容されている。これら水槽6及びドラム8は、洗濯槽として機能するものであり、前記水槽6及びドラム8いずれも中心軸が後下がりに傾斜するように配置されている。
前記水槽6の軸方向両端面のうちの一方にはアウタロータ形のブラシレスDCモータ9が固定されている。前記モータ9のシャフト10は水槽6の端面を貫通して水槽6内まで延びており、このシャフト10の先端部はドラム支え11に連結され、このドラム支え11はドラム8の端板部8bに取り付けられている。この構成の場合、モータ9のロータが回転すると、前記ロータと一体にシャフト10を軸心として、その回りにドラム8が回転するように構成されている。」
「【0014】
次に、ドラム支え11のドラム8への取付け部の構成について、図3、図4を参照して説明する。
図3は本実施例のドラム8にドラム支え11を取り付けた構成の斜視図である。この図3に示すように、ドラム支え11は、中央部分11aと、この中央部分11aから放射状且つ等間隔に延びる3個の突出部分11bとから構成されており、例えばアルミダイキャストで形成されている。ドラム支え11の外面(ドラム8の端板部8bと反対側の面)には、図示するような形状の多数のリブ11cが突設されており、これにより、ドラム支え11の外面に補強用の凹凸形状が設けられる構成となっている。
【0015】
これに対して、ドラム8の端板部8bには、上記した形状のドラム支え11を収容する凹部8bがドラム8の内方へ向けて膨出するように形成されている。この構成の場合、ドラム支え11を上記凹部8c内に収容すると共に、ドラム支え11の3個の突出部分11bの各先端部をドラム8の周壁部にねじ止めすると共に、かしめることによりドラム支え11をドラム8に取付け固定している。
【0016】
そして、ドラム8の端板部8bには、整流カバー21がドラム8の凹部8cを塞ぐと共にドラム支え11を覆うように取り付けられている(図4参照)。この整流カバー21は、ドラム8と同一材であるステンレス(例えばSUS403)により平板状に形成されており、ドラム8の凹部8cの形状よりも一回り大きい形状に形成されている。この整流カバー21の中心部には、前記シャフト10等を挿通させるための貫通孔21aが形成されている。
上記整流カバー21をドラム8の端板部8bに取り付けると、端板部8bと整流カバー21とが略面一になるように構成されている。尚、整流カバー21はドラム8の端板部8bに設けられた孔12を利用してねじ止めにより固定されている。」
「【0019】
また、上記実施例においては、整流カバー21とドラム8とが、同一材として例えばステンレス(SUS403)で形成されているので、異種材料で形成する構成に比べて、隙間腐食を抑制することができる。」
【図2】
【図3】
これらの記載によれば、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「水槽の内部には、円筒状のステンレス製のドラムが収容され、
中央部分と、この中央部分から放射状且つ等間隔に延びる3個の突出部分とから構成され、アルミダイキャストで形成されているドラム支えを備え、
ドラムの端板部には、ドラム支えを収容する凹部がドラムの内方へ向けて膨出するように形成され、ドラム支えを上記凹部内に収容すると共に、ドラム支えの3個の突出部分の各先端部をドラムの周壁部にねじ止めすると共に、かしめることによりドラム支えをドラムに取付け固定している
ドラム式洗濯乾燥機。」
2 当審の拒絶の理由に引用された特開2000-212797号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な高耐食性アルミニウムダイカスト材とその陽極酸化方法及び用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミダイカストの生産量は近年、自動車用途の急激な伸びをはじめ、ますます増加する傾向にある。これは主として、次に示すようなアルミダイカストの特徴によるものである。
【0003】(1) 軽量である。
【0004】(2) 鋳造性に優れ、薄肉・複雑な形状にも適する。
【0005】(3) 寸法精度が良い。
【0006】(4) 生産性が良い。
【0007】合金種類別では、Al-Cu-Si系合金のADC12が生産量の大部分を占めている。ADC12は、耐摩耗性,ダイカスト性の向上及び熱膨張率低下のためにSiを9.6~12重量%、また機械的性質向上のためにCuを1.5~3.5重量%含んでおり、表1にその合金組成を示した。一般に、産業機械,計測機及び輸送機器のハウジングやカバー及び支持材といった各種部品に広く使用されているものである。」
「【0042】(実施例2)図2は、本発明の耐食性皮膜処理を施した全自動洗濯機の断面図である。鋼板製で且つ箱形の外枠1内には、吊り棒2及び防振ばね3によってポリプロピレン等の合成樹脂製の外槽4が防振支持されている。外槽4の側壁には、防振ばね3を介して吊り棒2を係合するリブ4aが突設されている。
【0043】外槽4内には水平断面形状が略円形で且つステンレス鋼板製の洗濯兼脱水槽5が設けられる。」
「【0048】洗濯兼脱水槽5は、図3に示すように、ステンレス鋼板製で円筒状の胴部5bの下端縁とステンレス鋼板製で椀状の底部5cの上端縁をはぜ折り加締めにより締結して構成されている。底部5cは、胴部5bと結合される上端部が下部流体バランスリング8を嵌め込む下部よりも大径となるような段付きに絞り加工され、外側底面はねじ止めされたJIS規格のADC12のダイキャスト鋳物からなるフランジ5dによって補強され、前記クラッチ機構部16の2重出力軸16bの外側軸が該フランジ5dに結合される。」
【図2】
【図3】
3 当審の拒絶の理由に引用された特開平10-219484号公報(以下「引用例3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0003】一般的なステンレス鋼配管構造では、バルブや機器フランジなどには鉄製品が多く用いられているが、配管の施工の際、ステンレス鋼配管との異種金属接合部は、接触する金属の電位差から生じるガルバニック腐食を防止するために絶縁処理が施されている。ステンレス鋼は比較的貴な金属であるため、接触すると腐食電位列の差から電池を構成し、卑な電位を持つ金属が陽極となり腐食する。したがって、それを防止するために、異種金属接触部には絶縁を施す必要がある。」
4 当審の拒絶の理由に引用された特開2006-35294号公報(以下「引用例4」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0006】
一般に異種金属が接触する部位では、水などを媒体として異種金属間で所謂電池が形成され、異種金属間の電子移動により電位の低い側の金属が選択的に腐食される、異種金属接触腐食(ガルバニック腐食ともいう)という現象が生じる。
【0007】
従来、亜鉛系合金めっき鋼板とステンレス鋼板とを接合する場合には、亜鉛めっきとステンレス鋼とが接合または接触する部位では、これらの異種金属間で局部的な接触腐食が生じるため、亜鉛系合金めっきとステンレス鋼との接合または接触部に絶縁物を介在させたり、ステンレス鋼を亜鉛系合金めっき鋼板に代替し、異種金属間の接合または接触を回避する方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。」
5 当審の拒絶の理由に引用された特開2010-242195号公報(以下「引用例5」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0002】
近年、自動車や鉄道車両などの輸送分野を始めとして、鉄鋼材とアルミニウム合金材との組み合わせなど、異種の金属材を接触させた状態で、溶接などにより部分的に接合一体化した部材・部品を用いる要望が高揚している。しかしながら、異種の金属材を接触させた場合には、異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)が発生するケースが多いことが知られている。異種金属接触腐食は、腐食電位が卑な金属材がアノード、貴な金属材がカソードとなって電池を構成し、卑な金属材の方の腐食が促進される現象である。例えば、鉄鋼材とアルミニウム合金材とを接触させた場合には、アルミニウム合金材の腐食が促進される。その場合の腐食速度は、アルミニウム合金材を単独で使用する場合よりも極めて大きくなって、早期に穴あきなどの損傷を引き起こす。従って、異種の金属材を接触させた部材・部品を用いる場合には、このような異種金属接触腐食を防止する必要がある。
【0003】
異種金属接触腐食を防止する方法としては、異種の金属材の間に絶縁物を介して電気的に絶縁することが有効である。しかし、この方法は、構造上や製造上の制約があって困難な場合が多いし、異種金属間の接合強度の面で優位な溶接による接合には適用できないという問題がある。」
第4 対比
技術常識も勘案すれば、引用発明の「水槽」は、本願発明の「水を受ける」「水受槽」に相当し、引用発明の「円筒状のステンレス製のドラム」は、本願発明の「前記水受槽内に設けられ、一端部が開放され且つ他端部が閉鎖された筒状をなすものであって当該一端部を通して衣類が投入されるステンレス鋼製の洗濯槽」に相当する。
引用発明の「ドラム支え」は、ドラム(洗濯槽)の端板部に形成された凹部内に収容し、ドラム(洗濯槽)に取付け固定したものであるから、ドラム(洗濯槽)に設けられ、ドラム(洗濯槽)を機械的に補強するといえるので、本願発明の「前記洗濯槽に設けられ、前記洗濯槽を機械的に補強する」「洗濯槽支え」に相当する。
引用発明の「ドラム支え」が「中央部分と、この中央部分から放射状且つ等間隔に延びる3個の突出部分とから構成され」ていることは、本願発明の「前記洗濯槽支えは、中央支えおよび前記中央支えから突出する支え脚を有し」に相当する。
引用発明の「アルミダイキャストで形成されているドラム支え」と、本願発明の「Al-Si-Cu系のアルミニウム合金をダイキャストしてなる洗濯槽支え」は、「アルミダイキャストで形成されている洗濯槽支え」の限りで共通する。
引用発明の「ドラム式洗濯乾燥機」は、本願発明の「洗濯機」に相当する。
よって、本願発明と引用発明との一致点、相違点は以下のとおりである。
[一致点]
水を受ける水受槽と、
前記水受槽内に設けられ、一端部が開放され且つ他端部が閉鎖された筒状をなすものであって当該一端部を通して衣類が投入されるステンレス鋼製の洗濯槽と、
前記洗濯槽に設けられ、前記洗濯槽を機械的に補強するものであってアルミダイキャストで形成されている洗濯槽支えを備え、
前記洗濯槽支えは、中央支えおよび前記中央支えから突出する支え脚を有している
洗濯機。
[相違点1]
水受槽(水槽)について、本願発明は「非導電性」であることが特定されているのに対し、引用発明はそのように特定されていない点。
[相違点2]
洗濯槽支え(ドラム支え)が、本願発明は「Al-Si-Cu系のアルミニウム合金をダイキャストしてなる」ものであるのに対し、引用発明は「アルミダイキャストで形成されている」ものである点。
[相違点3]
本願発明は「前記中央支えおよび前記支え脚の表面のうち前記洗濯槽の表面に接触する部分に、前記洗濯槽支えを前記洗濯槽に対して電気的に遮断する非導電性の非導電層が設けられている」のに対し、引用発明はそのような非導電層が設けられていない点。
第5 判断
1 相違点1について
洗濯機において水受槽を合成樹脂製とすることは、例えば引用例2(【0042】合成樹脂製の外槽4参照。)にも示されるように、周知である。合成樹脂は一般に非導電性である。そして、引用発明において、水槽の材質に特段の制約は認められないから、これを一般的な合成樹脂製とし、「非導電性」のものとすること、すなわち相違点1に係る本願発明の構成となすことは、当業者が容易に想到し得たことである。
2 相違点2について
アルミダイカスト材として、Al-Si-Cu系のアルミニウム合金は、例えば引用例2(【0007】)にも示されるように、周知であって、一般に広く使用されているものであり、引用例2には、当該合金を洗濯機の洗濯槽を補強する部材(フランジ5d)に用いることも示されている(【0048】)。そうすると、引用発明のアルミダイキャストで形成されているドラム支えに、上記一般に広く使用されているAl-Si-Cu系のアルミニウム合金を採用し、相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
3 相違点3について
一般に、異種金属が接触する部分において、異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)が生じることは技術常識である(引用例3【0003】、引用例4【0006】、引用例5【0002】参照。)。そして、当該腐食を防止するための手段として、異種金属が接触する部分に絶縁物を介在させる等により電気的に絶縁することは周知技術である(引用例3【0003】、引用例4【0007】、引用例5【0003】参照。)。
加えて、引用例1には、「整流カバー21とドラム8とが、同一材として例えばステンレス(SUS403)で形成されているので、異種材料で形成する構成に比べて、隙間腐食を抑制することができる。」(【0019】)との記載があることから、異種金属が接触する部分において腐食を生じる旨の示唆があるといえる。また、当該記載は、ドラム支え付近の環境が、腐食を生じ得るものであることも示唆しているといえる。
よって、上記技術常識を踏まえると、引用発明のステンレス製のドラムとアルミダイキャストのドラム支えが接触する部分において、異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)が生じることを、当業者は容易に認識でき、当該腐食を防止するために、上記周知技術を採用し、その接触する部分に絶縁物を介在させる等により電気的に絶縁することは当業者が容易に想到し得たことである。なお、上記接触する部分とは、引用発明のドラム支え(洗濯槽支え)を構成する中央部分(中央支え)および突出部分(支え脚)の表面のうちドラム(洗濯槽)の表面に接触する部分であることは明らかである。そして、電気的に絶縁する手段として、ドラム支えの表面に「非導電性の非導電層」を設けることは、単なる設計事項にすぎない。
請求人は、平成29年7月18日付け意見書において、「引用例1から「ドラム8」と「ドラム支え11」との間の腐食を抑制するという課題が生じたとしても、その解決手段としては、整流カバー21と同様に、ドラム8とドラム支え11とを「同一材」で形成するという手段が導き出され得るだけであり、ドラム8とドラム支え11との間に非導電層を設けるという手段が導き出される余地はありません。しかも、脱水時に高速回転するドラム8とそれを支えるドラム支え11を、ステンレスやアルミダイカストの「同一材」で形成することは、重量や強度の面を考慮すると非現実です。そのため、重量や強度を当然考慮する当業者であれば「ドラム支え11」に目が向く可能性すらないと言え、よって、「ドラム8」と「ドラム支え11」との関係で腐食を抑制しようとする課題は、そもそも、この引用例1からは発生し得ないものと思料します。」と主張する。
しかし、上述のとおり、技術常識を踏まえると、引用発明のステンレス製のドラムとアルミダイキャストのドラム支えが接触する部分において、異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)が生じることは明らかであり、該腐食を抑制する課題は当業者が容易に認識し得たといえるから、上記請求人の主張は採用できない。
また、請求人は、同意見書において、「何れの引用例3~5も、このような腐食を抑制するために異種金属間に絶縁物を設けるとよいことを単に漠然と開示する程度にとどまり、絶縁物を設ける部位を具体的に選定することについて何ら開示も示唆もしていません。また、引用例3~5は、何れも、「洗濯機」を対象とするものではありません。よって、仮に、これら引用例3~5に基づいて絶縁物を設ける部位を具体的に選定できたとしても、「洗濯機」の一構成要素である「洗濯槽支え」を選定することは困難であり、まして、その洗濯槽支えの「中央支え」および「支え脚」を選定することは極めて困難であると思料します。」と主張する。
しかし、引用例3~5に示される異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)は、異種金属が接触する部分一般について知られている技術常識であり、引用例1には、上述のとおり、ドラム支え付近が、腐食を生じ得る環境であることも示唆されているから、引用発明のドラムとドラム支えが接触する部分を具体的に選定して、当該部分を電気的に絶縁することに困難性は認められず、上記請求人の主張は採用できない。
したがって、相違点3に係る本願発明の構成は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に想到し得たものである。
4 むすび
本願発明の効果も、引用発明及び周知技術から予測できる範囲内のものであって格別顕著なものとはいえない。
したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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