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特許拒絶査定不服審判

2023-017751

洗濯機

審判番号
2023-017751
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-050284外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2023年10月19日
審決日
2025年09月19日
公報発行日
2025年12月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (D06F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2019-50284「洗濯機」拒絶査定不服審判事件〔令和2年9月24日出願公開、特開2020-151036〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 この出願(以下、「本願」という。)は、平成31年3月18日の出願であって、その手続の経緯は、以下のとおりである。 令和4年 8月29日付け 拒絶理由通知書 令和4年10月28日 意見書、手続補正書の提出 令和5年 3月 6日付け 拒絶理由通知書 令和5年 4月 3日 意見書、手続補正書の提出 令和5年 7月18日付け 拒絶査定 令和5年10月19日 審判請求書の提出 令和6年10月25日付け 拒絶理由通知書 令和6年12月16日 意見書、手続補正書の提出 令和7年 2月14日付け 拒絶理由通知書(最後) 令和7年 4月16日 意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1~6に係る発明は、令和7年4月16日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「本体内に設けられ洗濯水が溜められる水槽と、 給水源からの水を給水経路を通して前記水槽に供給するための給水弁と、 洗濯処理剤を貯留するタンク及びそのタンクから洗濯処理剤を汲み上げるポンプを有し、前記給水経路の途中の供給部に対し前記タンクから所定量の洗濯処理剤を供給する自動投入装置と、 前記給水経路の途中に設けられ1回分の洗濯に用いられる洗濯処理剤を収容可能な手動用収容部とを備え、 前記本体の上部には、後部から前部に向けて、前記給水弁、前記手動用収容部、前記タンク、がその順に配置されており、 前記タンクは、前後方向に細長い矩形タンク状に形成され、 前記ポンプは、前記タンクの後ろ寄りであって、前記タンクの左右方向の側方又は下方に配置され、 前記自動投入装置は、前記本体の上面に設けられた出し入れ口から、前記タンクを上方に取出し可能に備えている洗濯機。」 第3 拒絶の理由の概要 令和7年2月14日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)のうち、理由3(進歩性)は、次の理由を含むものである。 本願の請求項1に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、以下の引用文献1に記載された発明、引用文献2、引用文献3に示される周知の技術及び慣用手段に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:韓国公開特許第10-2010-0081235号公報 引用文献2:特開2000-350894号公報 引用文献3:特開2017-74081号公報 第4 引用文献の記載及び引用発明 1.引用文献1の記載及び引用発明 (1)当審拒絶理由で引用された引用文献1には、図面とともに、次の記載がある(日本語訳及び下線は、当審で付加した。以下、同様である。)。 ア 「 [図:0001429360000001.jpg] 」 ([0001]本発明は、ドラム洗濯機に関するもので、特に、大量の液体洗剤を貯留し、洗濯動作が開始されるたびに自動的に液体洗剤を供給し、洗剤の漏れを防ぐドラム洗濯機用の洗剤投入装置に関するものである。) イ 「 [図:0001429360000002.jpg] [図:0001429360000003.jpg] 」 ([0002]一般的なドラム洗濯機は、キャビネットと、キャビネット内部に設置され洗濯水が貯留されるタブ、タブ内部に回転可能に設置され洗濯物が収納されるドラム、タブに設置されドラムと接続されてドラムを回転させる駆動装置、タブに接続され洗濯水を供給する給水装置、タブからキャビネット外部に延長され、洗濯動作を行った洗濯水がキャビネット外部に排水されるようにする排水装置を含む。 [0003]ここで、給水装置はキャビネットの外部から挿入され、タブに接続される給水管が備わっており、給水管の一側には洗剤を収納する洗剤ケースが設置される。 [0004]洗剤ケースには、本洗濯前に実施される予備洗濯用の洗剤を収納する第1収納部、本洗濯用の洗剤を収納する第2収納部、およびすすぎ動作が開始される前にタブとドラムに供給される繊維柔軟剤を貯留する第3収納部が形成されており、各収納部には時間間隔を置いて洗濯水が供給される。) ウ 「 [図:0001429360000004.jpg] 」 ([0005]従来の技術に基づくドラム洗濯機は、洗剤ケースに形成される収納部の空間が、1回の洗濯動作を行う際に必要な洗剤を投入できる程度の大きさで構成されているため、洗濯動作を行うたびに使用者が洗剤を投入しなければならないという問題点がある。 [0006]従来の技術に基づくドラム洗濯機は、粉末洗剤用洗剤ケースと液体洗剤用洗剤ケースのいずれか一方のみが設置されているため、使用者の好みに応じて洗剤の種類を変更して投入できないという問題点がある。) エ 「 [図:0001429360000005.jpg] 」 ([0008]本発明は、複数回の洗濯作業を行うのに十分な量の洗剤を貯留し、洗濯作業を行う際に、1回の洗濯作業に必要な量の洗剤を容易に供給できるドラム洗濯機用の洗剤投入装置を提供することを目的とする。 [0009]また、本発明は、使用者の好みに応じて洗剤の種類を選択して投入できるドラム洗濯機用の洗剤投入装置を提供することを目的としている。 [0010]また、本発明は、液体洗剤の供給が容易に行われ、清掃および交換作業を容易に行うことができるドラム洗濯機用の洗剤投入装置を提供することを目的としている。) オ 「 [図:0001429360000006.jpg] 」 ([0022]図1は、本発明の一実施例に従った洗剤投入装置が設置されたドラム洗濯機を示した斜視図であり、図2は、本発明の一実施例に従ったドラム洗濯機用の洗剤投入装置を示した斜視図であり、図3は、本発明の一実施例に従ったドラム洗濯機用の洗剤投入装置を示した平面図である。 [0023]また、図4は、本発明の一実施例に従ったドラム洗濯機用洗剤投入装置の洗剤箱が示された分解斜視図である。図5は、本発明の一実施例に従ったドラム洗濯機用洗剤投入装置の洗剤箱装着構造が示された分解断面図である。図6は、本発明の一実施例によるドラム洗濯機用洗剤投入装置の洗剤箱装着構造が示された断面図であり、図7は、本発明の一実施例によるドラム洗濯機用洗剤投入装置のポンプが示された分解斜視図である。) カ 「 [図:0001429360000007.jpg] 」 ([0024]図1から図7を参照すると、本発明の一実施例に従うドラム洗濯機用洗剤投入装置(100)は、液体添加剤が保管される保存部(22、24)と粉末洗剤が収納される収納部(70)を備える保存ブロック(20)と、保存ブロック(20)に備えられ、保存部(22、24)と連通して液体添加剤の供給を行うポンプ(50)と、タブ(図示省略)に供給される洗剤の種類を決定する選択キー(80:図7参照)と、選択キー(80)の操作の有無に応じてポンプ(50)の駆動の有無および収納部(70)への洗濯水供給の有無を決定する制御部(90)を含む。 [0025]使用者は洗濯物を収納し、洗濯を開始する前に洗剤の種類を選択することになる。キャビネット(10)の外壁に設置される選択キー(80)を操作して液体洗剤を選択し、洗濯動作を開始すると、洗濯水がタブに供給される際にポンプ(50)が駆動され、保存部(22)に保管された液体洗剤がタブに供給される。 [0026]使用者が粉末洗剤を選択した後、洗濯動作を開始すると、ポンプ(50)が駆動されていない状態で洗濯水が収納部(70)を通過してドラムに供給されるため、収納部(70)に投入された粉末洗剤が洗濯水と共にドラムに供給される。 [0027]ここで、保存ブロック(20)は、液体洗剤が保管される第1保存部(22)と、繊維柔軟剤が保管される第2保存部(24)と、予備洗濯用粉末洗剤が収納される第1収納部(72)と、本洗濯用粉末洗剤が収納される第2収納部(74)を含む。 [0028]第1保存部(22)には、液体洗剤が保存される第1洗剤箱(32)が着脱可能に設置され、第2保存部(24)には繊維柔軟剤が保存される第2洗剤箱(34)が着脱可能に設置されているため、洗剤箱(30)を保存ブロック(20)から取り外すと、液体添加剤、すなわち液体洗剤または繊維柔軟剤を容易に洗剤箱(30)に投入でき、洗剤箱(30)を容易に清掃できるようになる。 [0029]ここで、洗剤箱(30)は、複数回の洗濯動作を行うのに十分な量の液体添加剤を貯留されるサイズで構成されており、ポンプ(50)の駆動時間は制御部(90)によって調整されるため、1回の洗濯動作が進行中である間は、ポンプ(50)の駆動時間を調節し、1回の洗濯動作に必要とされる量の液体添加剤をタブに供給するようにする。 [0030]これにより、使用者は大量の液体添加剤を投入した後、追加の液体添加剤の投入なしに複数回の洗濯動作を行うことが可能となる。) キ 「 [図:0001429360000008.jpg] [図:0001429360000009.jpg] 」 ([0031]保存部(22、24)と洗剤箱(30)には、洗剤箱(30)が保存部(22、24)に固定された後に再挿入される結合部(60)が備わっているため、洗剤箱(30)が保存部(22、24)に固定されると、洗剤箱(30)の吐出口(31b)と保存部(22、24)の間の隙間から液体添加剤が漏れるのを防ぎ、その後、洗剤箱(30)が再挿入されると吐出口(31b)が開くようにし、洗剤箱(30)とポンプ(50)が連通する。 [0032]このように吐出口(31b)と保存部(22、24)の間の隙間が密封された後、洗剤箱(30)の吐出口(31b)が開くため、吐出口(31b)を通じて排出される液体添加剤が洗剤箱(30)と保存部(22、24)間の隙間へ流出するのを抑制される。) ク 「 [図:0001429360000010.jpg] 」 ([0039]このように、洗剤箱(30)の吐出口(31b)が開く前に、バルブキャップ(39)と保存部(22、24)の間の隙間が密封されるため、洗剤箱(30)の吐出口(31b)が開く瞬間に液体添加剤が漏れ出すのを抑制することができる。 [0040]吐出口(31b)にはバルブ(33)が設置され、保存部(22、24)にはバルブ(33)を開くブラケット(35)が設置されているため、洗剤箱(30)が保存部(22、24)に固定された後に再挿入されると、ブラケット(35)がバルブ(33)を開き、洗剤箱(30)の吐出口(31b)が開く。 [0041]ここで、ブラケット(35)はポンプ(50)と連通しているため、洗剤箱(30)の吐出口(31b)が開くと、洗剤箱(30)から排出される液体添加剤はブラケット(35)を通過し、ポンプ(50)を経由してタブに流入する。) ケ 「 [図:0001429360000011.jpg] [図:0001429360000012.jpg] 」 ([0047]その後、使用者が洗剤箱(30)を回転させて、再び保存部(22、24)内側に挿入すると、中空軸(35a)が流動軸(37)を吐出口(31b)内側に押し込むため、開閉部材(37a)と吐出口(31b)の間に隙間が形成され、吐出口(31b)の開通が実現される。 [0048]洗剤箱(30)とポンプ(50)の間の流路には、洗剤箱(30)の水位を検出するセンシング部(75)が設置されている。これは着脱可能に設置される洗剤箱(30)内部の水位を検出するためのものであり、洗剤箱(30)に別途センサーを設置する必要がないため、洗剤箱(30)の製造が容易になり、洗剤箱(30)の取り付け構造が簡素化される効果が生じる。) コ 「 [図:0001429360000013.jpg] 」 ([0054]第1保存部(22)の一側には第1ポンプ(52)が設置され、第2保存部(24)の一側には第2ポンプ(54)が設置されるため、第1ポンプ(52)が駆動されると、第1洗剤箱(32)に貯留された液体洗剤がタブに供給され、第2ポンプ(54)が駆動されると、第2洗剤箱(34)に貯留された繊維柔軟剤がタブに供給される。) サ 「 [図:0001429360000014.jpg] 」 ([0059]第1収納部(72)と第2収納部(74)の上部には、それぞれ収納部(70)に時間的な間隔を置いて選択的に洗濯水を供給する分配ブロック(76)が設置されており、これにより、洗濯水が供給される収納部(70)に収納された粉末洗剤が洗濯水と共にタブに供給される。) シ 「 [図:0001429360000015.jpg] 」 ([0062]図1から図9を参照すると、本発明の一実施例に従ったドラム洗濯機用洗剤投入装置(100)の制御方法は、選択キー(80)の操作の有無に応じて、タブに供給される洗濯添加剤の種類を決定する判断段階(S10)と、液体添加剤が選択された場合、保存ブロック(20)に設置されたポンプ(50)を駆動させて、保存ブロック(20)の保存部(22、24)に保管されている液体洗剤をタブに供給する駆動段階(S24)を含む。) ス 「 [図:0001429360000016.jpg] 」 ([0065]上記の方法により、判断段階(S10)で粉末洗剤が選択されると、給水装置(12)のバルブが駆動され、分配ブロック(76)に洗濯水を供給する給水段階(S22)が進行する。分配ブロック(76)に供給される洗濯水の方向に応じて、時間的な間隔を置いて第1収納部(72)にまず洗濯水が供給され予備洗濯が行われ、その後第2収納部(74)に洗濯水が供給され本洗濯が行われる。 [0066]第1収納部(72)および第2収納部(74)に供給された洗濯水は、粉末洗剤と共にタブに供給され、洗濯動作を行う。 [0067]判断段階(S10)で液体洗剤が選択されると、第1ポンプ(52)が時間的な間隔を置いて複数回駆動され、予備洗濯と本洗濯が行われる。すすぎ動作が進行中に、第2ポンプ(54)が駆動され、繊維柔軟剤をタブに供給する。 [0068]このとき、制御部(90)によってポンプ(50)の駆動時間が調節されるため、1回の洗濯動作に必要な量の液体洗剤と柔軟剤が供給され、洗剤箱(30)に貯留される液体添加剤を使用して、複数回の洗濯動作を行うことが可能となる。) セ 「 [図:0001429360000017.jpg] 」 ([0070]このような信号により、使用者が洗剤箱(30)を保存部(22、24)から分離し、流入口(31a)に設置されるキャップ(31c)を開けて液体添加剤を補充した後、洗剤箱(30)を保存部(22、24)に挿入すると、吐出口(31b)が保存部(22、24)のホール部(21)に挿入され、シール部材(35b)がバルブキャップ(39)の周囲面の外壁に密着する。) ソ 「 [図:0001429360000018.jpg] [図:0001429360000019.jpg] 」 ([0077]図1から図7、図9、および図10を参照すると、本発明の他の実施例に従ったドラム洗濯機用洗剤投入装置(100)は、液体添加剤が保管される保存部(22、24)および粉末洗剤が収納される収納部(70)を備える保存ブロック(20)と、保存ブロック(20)に備えられ洗剤箱(30)と連通して液体添加剤の供給を行うポンプ(50)と、収納部(70)に備えられ、粉末洗剤の投入の有無を検出するセンサー(180)と、センサー(180)から送信される信号に応じてポンプ(50)の駆動の有無と収納部(70)への洗濯水の供給の有無を決定する制御部(90)を含む。 [0078]これにより、使用者が洗濯を開始する前に収納部(70)に粉末洗剤を投入すると、センサー(180)によって粉末洗剤が検出され、使用者が洗濯を開始すると、ポンプ(50)の駆動が開始されない状態で収納部(70)に洗濯水が供給され、粉末洗剤と洗濯水がタブに供給されて洗濯が実行される。 [0079]逆に、使用者が洗濯を開始する前に粉末洗剤を投入しない場合、センサー(180)によって検出される粉末洗剤が存在しなくなるため、制御部(90)の信号に従ってポンプ(50)が駆動され、液体洗剤がタブに供給される。時間間隔を置いて段階的に液体洗剤が供給され、予備洗濯、本洗濯が進行し、すすぎ動作中は繊維柔軟剤が供給される。) タ 引用文献1には、以下の図面が示されている。 「(図1) [図:0001429360000020.jpg] (図2) (図3) [図:0001429360000021.jpg] (図4) (図5) (図6) [図:0001429360000022.jpg] (図7) [図:0001429360000023.jpg] (図8) (図9) (図10) [図:0001429360000024.jpg] 」 チ 段落0002~0003(前記イを参照)には、一般的なドラム洗濯機のキャビネット内部に、タブに接続された洗濯水を供給する給水装置を備えること、また、給水装置がキャビネット外部から挿入されてタブに接続される給水管を備えることが示されている。また、洗濯機の技術常識から、タブに洗濯水が溜められることは明らかである。さらに、段落0065(前記スを参照)には、給水装置がバルブを備えることが示されており、また、洗濯機の技術常識も勘案すると、引用文献1に示されるドラム洗濯機が、給水源からの水を供給する給水バルブを有することは、明らかである。 ツ 段落0003(前記イを参照)には、給水装置の給水管の一側には洗剤が収納される洗剤ケースが設けられることが示され、また、段落0026(前記カを参照)には、洗濯水が収納部70を通過して、粉末洗剤が洗濯水と共にドラムに供給されること、つまりタブに供給されることが示されていることから、収納部70が給水装置の途中に設けられていることは、明らかである。 テ 図1~3の記載から、キャビネットの上部には、後部から前部に向けて、収納部70、洗剤箱30がその順に配置されていることが看取される。 ト 段落0028~0030(前記カを参照)、段落0070(前記セを参照)及び図1の記載から、保存部22、24は、キャビネット10の上面に設けられた出し入れ口から、洗剤箱30を上方に取出し可能に備えていることが示されているといえる。 (2)引用文献1の前記ア~トで示された内容を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「キャビネット10内に設けられ洗濯水が貯留されるタブと、 給水源からの水を給水装置を通して前記タブに供給するための給水バルブと、 液体洗剤を貯留する洗剤箱30及びその洗剤箱30から液体洗剤を汲み上げる第1及び第2ポンプ52、54を有し、前記タブに対し前記洗剤箱30から1回の洗濯動作に必要な量の液体洗剤を供給する保存部22、24と、 前記給水装置の途中に設けられ粉末洗剤を収納する収納部70とを備え、 前記キャビネット10の上部には、後部から前部に向けて、前記収納部70、前記洗剤箱30がその順に配置されており、 前記第1及び第2ポンプ52、54は、前記保存部22、24の一側に設置され、 前記保存部22、24は、前記キャビネット10の上面に設けられた出し入れ口から、前記洗剤箱30を上方に取出し可能に備えているドラム洗濯機。」 2.引用文献2の記載 当審拒絶理由で引用された前記引用文献2には、図面とともに、次の記載がある。 (1)「【0002】 【従来の技術】従来、洗濯機は、図6に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。 【0003】図6に示すように、洗濯兼脱水槽1は、底面に攪拌翼2を回転自在に配設し、この洗濯兼脱水槽1の外側に水受け槽3を設けている。水受け槽3の底面には洗濯兼脱水槽1と攪拌翼2を駆動するモータ4を取り付け、駆動部の切り替えを行うクラッチ装置5を介して洗濯兼脱水槽1または攪拌翼2を駆動するように構成している。また、水受け槽3は、外郭6にサスペンション7を介して防振支持している。洗濯兼脱水槽1の上部には、液体を内封した流体バランサー8を固定し、水受け槽3の上面は、水受け槽カバー9によって覆われている。 【0004】水受け槽3を収納している外郭6の上部は、制御装置10、給水弁11、給水経路12等を収納した外郭カバー13によって覆われている。外郭カバー13の略中央には、衣類の出し入れを行う穴部を有し、この穴部には、蓋体14を開閉自在に配設している。」 (2)「【0026】(実施例1)図1に示すように、外郭カバー15は、外郭6の上部を覆い、給水弁11、給水経路12、制御装置16などを設けている。この外郭カバー15内に、少なくとも2回の洗濯に使用できる量の液体洗剤17を収容した洗剤タンク18を設けている。洗剤投入装置19は、洗剤タンク18内の液体洗剤17を液体洗剤排出口18aを介して洗濯兼脱水槽1内に投入するものである。ここで、洗剤タンク18の液体洗剤排出口18aは給水経路12の近傍に設けている。」 (3)引用文献2には以下の図が示されている。 「【図1】 【図6】 [図:0001429360000025.jpg] 」 3.引用文献3の記載 当審拒絶理由で引用された前記引用文献3には、図面とともに、次の記載がある。 (1)「【0022】 <給水電磁弁> 洗剤投入口25に投入された粉末洗剤、柔軟剤、ないし液体洗剤を水槽17内に供給する際には、給水電磁弁12を開くことで給水栓7から、給水電磁弁12と洗剤投入口25とを接続した第一の給水管9を経由して、水道水を洗剤投入口25のうち例えば液体洗剤投入部25bに給水して液体洗剤を溶かし、洗剤投入口25から下降しつつ水槽17と接続された第一の洗剤供給管14を通って水槽17の内部に供給される。」 (2)「【0024】 <洗濯処理液自動投入手段> 洗濯機本体4の上面には、詳細は後述する洗濯処理液自動投入手段30が設けられ、その上面には開閉式のタンク蓋体31が設けられている。タンク蓋体31の下部には少なくとも1つ以上の洗濯処理液タンクが設けられており、一例として洗濯処理液タンクを2式設け、その一方は複数回の洗濯を行うことができる量の液体洗剤を保持できる容量を備えた洗剤タンク32であり、他方は複数回の洗濯を行うことができる量の例えば柔軟剤を保持できる容量を備えた柔軟剤タンク33とすることができる。 【0025】 タンク蓋体31を開いた状態においては、タンク蓋体31を開いた開口から洗剤タンク32と柔軟剤タンク33とを上方に引き抜くことができ、また再度セットすることができる。」 (3)「【0030】 <洗濯処理液自動投入手段詳細> 図5から図12を用いて、本実施例による洗濯処理液自動投入手段30について説明する。図5は本実施形態による洗濯処理液自動投入手段30の構成を示す斜視図、図6は洗濯処理液タンクの構成を示す斜視図、図7は洗濯処理液自動投入手段30の構成を示すB-B断面図、図8は洗濯処理液自動投入手段30のポンプ部の構成を示す斜視図、図9は図8のC-C断面図、図10はD-D断面図、図11は洗濯処理液自動投入手段の上面図であり、モータを正転して洗剤タンク32から洗剤を供給している状態、図12は洗濯処理液自動投入手段の上面図であり、モータを逆転して柔軟剤タンクから柔軟剤を供給している状態を示している。 【0031】 <収納容器> タンク収納容器34は上面が開放された略箱体形状をしており、洗濯機本体4に設けられており、洗剤タンク32、柔軟剤タンク33を収納することができる。洗剤タンク32と柔軟剤タンク33とは、それぞれ互いに第一の隔壁35で前後方向に分割された洗剤タンク収納領域37と、柔軟剤タンク収納領域38とを備えている。タンク収納容器34の左側側面には洗剤タンク収納領域37と柔軟剤タンク収納領域38とから第二の隔壁36によって隔てられた投入領域39が備えられている。投入領域39の後方側面には、給水電磁弁12に一端を接続された第二の給水管40の他端が接続されており、給水電磁弁12を開弁した際には、水は第二の給水管40を経由して投入領域39内に給水される。 【0032】 投入領域39の下面には第二の洗剤供給管41の一端が接続されており、第二の洗剤供給管41の他端は第一の洗剤供給管14に接続されている。すなわち、投入領域39の内部に投入された洗剤ないし柔軟剤は、給水された水とともに、第二の洗剤供給管41を経由して第一の洗剤供給管14の内部に流出する構成である。」 (4)「【0041】 <縦長タンク> 洗剤タンク32と柔軟剤タンク33は、前後方向の奥行きと、左右方向の幅、上下方向の高さ寸法のうち、奥行き寸法が最小になるように構成されている。このように構成することで、タンク内部の洗剤ないし柔軟剤がタンク内の空気と接する面積を小さくすることができるので、洗剤ないし柔軟剤の表面から水分が蒸発して表面の粘度が高くなったり固化する影響を最小にして、後述するポンプ手段47による供給動作を確実に行うことができる、という効果がある。 【0042】 <タンク前後配置とタンク深さ> 洗剤タンク32と柔軟剤タンク33の配置、寸法と容積の好適な関係について説明する。ここでは、洗剤タンク32の容量が柔軟剤タンク33の容量よりも大であることが望ましい場合について説明する。これは例えば、一般的に市販されている洗剤と柔軟剤のそれぞれの容器寸法や、詰め替え用として販売されている販売単位が、洗剤の方が柔軟剤よりも大である場合に相当する。 【0043】 本実施形態においては、図4に示すように水槽17は手前の蓋体3側が高く、後方に従って低くなるよう傾斜して配置している。この場合、水槽17と洗濯機本体4の上面との隙間は、前方ほど小さく、後方ほど大となる。したがって、洗剤タンク32と柔軟剤タンク33とを前後方向に併置する場合には、後方に容量の大なるタンクを配置すれば上下方向の深さを大とすることができるので好適である。手前側には深さの小なる容量の小さいタンクを配置するものとし、本実施形態においては後方に洗剤タンク32、前方に柔軟剤タンク33を配置するのが好適である。」 (5)「【0141】 図18は第三の実施形態に係る洗濯処理液自動投入手段の構成を示す上面図であり、図19はE-E断面図である。図20はポンプ部の構成を示す斜視図であり、図21はF-F断面図である。 【0142】 <基本配置> 第三の実施形態が第一の実施形態と異なるところは、タンク32、33を洗剤投入口25の後部に左右に併置して設け、洗剤タンク32と洗剤投入口25との間および柔軟剤タンク33と洗剤投入口25との間にポンプを設け、タンク32、33から洗剤投入口25に洗剤ないし柔軟剤を供給するよう構成したことである。 【0143】 第三の実施形態においては、例えば洗剤投入口25がユーザからみて左側から粉末洗剤投入部25a、液体洗剤投入部25b、柔軟剤投入部25c、の順に配置されているものとすれば、左側の液体洗剤投入部25bの後部に洗剤タンク32、右側の柔軟剤投入部25cの後部に柔軟剤タンク33を配置すれば、洗剤タンク32と液体洗剤投入部25bは互いに近接して配置され、柔軟剤タンク33と柔軟剤投入部25cは互いに近接して配置されるので、洗濯処理液自動投入手段30を小型に構成できるので好適である。」 (6)引用文献3には以下の図が示されている。 「【図1】 【図2】 [図:0001429360000026.jpg] 【図4】 【図5】 [図:0001429360000027.jpg] 【図18】 [図:0001429360000028.jpg] 」 第5 対比・判断 1.対比 以下、本願発明と引用発明とを対比する。 (1)引用発明の「キャビネット10」は、その作用、機能からみて、本願発明の「本体」に相当し、同様に、「貯留される」は「溜められる」に、「タブ」は「水槽」に、「給水装置」は「給水経路」に、「給水バルブ」は「給水弁」に、「液体洗剤」は「洗濯処理剤」に、「洗剤箱30」は「タンク」に、「第1及び第2ポンプ52、54」は「ポンプ」に、「1回の洗濯動作に必要な量」は「所定量」に、「保存部22、24」は「自動投入装置」に、「収納する」は「収容可能な」に、「収納部70」は「手動用収容部」に、「設置」は「配置」に、「ドラム洗濯機」は「洗濯機」に、それぞれ相当する。 (2)そして、引用発明の「液体洗剤を貯留する洗剤箱30及びその洗剤箱30から液体洗剤を汲み上げる第1及び第2ポンプ52、54を有し、前記タブに対し前記洗剤箱30から1回の洗濯動作に必要な量 の液体洗剤を供給する保存部22、24」と、本願発明の「洗濯処理剤を貯留するタンク及びそのタンクから洗濯処理剤を汲み上げるポンプを有し、前記給水経路の途中の供給部に対し前記タンクから所定量の洗濯処理剤を供給する自動投入装置」とは、「洗濯処理剤を貯留するタンク及びそのタンクから洗濯処理剤を汲み上げるポンプを有し、前記タンクから所定量の洗濯処理剤を供給する自動投入装置」の点で共通する。 (3)また、引用文献1の段落0065~0066、0078及び図9(前記第4の1(1)ス、ソ、タを参照)の記載によれば、引用発明の「粉末洗剤」は、1回の洗濯で使い切るものであると理解できるから、引用発明において、「粉末洗剤」が「収納部70」に投入される量が1回分の洗濯に用いられる量であることは、明らかである。そうすると、引用発明の「粉末洗剤」は、本願発明の「1回分の洗濯に用いられる洗濯処理剤」に相当する。 (4)また、引用発明の「前記キャビネット10の上部には、後部から前部に向けて、前記収納部70、前記洗剤箱30がその順に配置されており」と、本願発明の「前記本体の上部には、後部から前部に向けて、前記給水弁、前記手動用収容部、前記タンク、がその順に配置されており」とは、「前記本体の上部には、後部から前部に向けて、前記手動用収容部、前記タンク、がその順に配置されており」の点で共通する。 (5)また、引用発明の「洗剤箱30」は、「保存部22、24」に収容されるものであるから(引用文献1の段落0070、図1~3、5、6(前記第4の1(1)セ、タ)を参照)、引用発明の「前記第1及び第2ポンプ52、54は、前記保存部22、24の一側に設置され、」は、「前記第1及び第2ポンプ52、54は、前記洗剤箱30の一側に設置され、」ともいうことができ、そして、本願発明の「前記ポンプは、前記タンクの後ろ寄りであって、前記タンクの左右方向の側方又は下方に配置され、」とは、「前記ポンプは、前記タンクの近傍に配置され、」の点で共通するといえる。 (6)そうすると、本願発明と引用発明とは、 「本体内に設けられ洗濯水が溜められる水槽と、 給水源からの水を給水経路を通して前記水槽に供給するための給水弁と、 洗濯処理剤を貯留するタンク及びそのタンクから洗濯処理剤を汲み上げるポンプを有し、前記タンクから所定量の洗濯処理剤を供給する自動投入装置と、 前記給水経路の途中に設けられ1回分の洗濯に用いられる洗濯処理剤を収容可能な手動用収容部とを備え、 前記本体の上部には、後部から前部に向けて、前記手動用収容部、前記タンク、がその順に配置されており、 前記ポンプは、前記タンクの近傍に配置され、 前記自動投入装置は、前記本体の上面に設けられた出し入れ口から、前記タンクを上方に取出し可能に備えている洗濯機。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1] 自動投入装置による洗濯処理剤の供給について、本願発明は、「給水経路の途中の供給部に対し」て行うのに対し、引用発明は、タブに対して行う点。 [相違点2] 給水弁、手動用収容部、タンク及びポンプの配置に関して、本願発明は、「前記本体の上部には、後部から前部に向けて、前記給水弁、前記手動用収容部、前記タンク、がその順に配置されており、」また、「前記ポンプは、前記タンクの後ろ寄りであって、前記タンクの左右方向の側方又は下方に配置され」ているのに対し、 引用発明は、キャビネット10の上部には、後部から前部に向けて、前記収納部70、前記洗剤箱30がその順に配置されているものの、給水バルブの配置について明らかでなく、また、第1及び第2ポンプ52、54は、前記保存部22、24の一側に設置されるものの、洗剤箱30の後ろ寄りであって、洗剤箱30の左右方向の側方又は下方に配置されるものであるのか、明らかでない点。 [相違点3] タンクの形状について、本願発明は、「前後方向に細長い矩形タンク状に形成され」るのに対し、引用発明はそのような形状に形成されていない点。 2.判断 (1)相違点について 以下、相違点について検討する。 ア 相違点1について 洗濯機において、自動投入装置による洗濯処理剤の供給を給水経路の途中の供給部に対して行うことは、当業者にとって従来周知の技術(例えば、引用文献2の段落0026、図1(前記第4の2(2)、(3))を、また、引用文献3の段落0030~0032、図4~5(前記第4の3(3)、(6))を参照)であり、洗濯処理剤を給水と混ぜて共に水槽に供給するように構成することは、当業者が適宜設定し得た設計事項にすぎない。 そうすると、引用発明において、上記周知の技術を適用し、本願発明の相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 イ 相違点2について 洗濯機において、給水弁を、洗濯機の上部であって、外郭背面近くの後部に設けることは、当業者にとって従来慣用手段(例えば、引用文献2の段落0004、0026、図1、6(前記第4の2(1)~(3))を、また、引用文献3の段落0031、図1、4(前記第4の3(3)、(6))を参照)である。 そして、引用発明において、給水バルブを洗濯機の上部であって、外郭背面近くの後部に設けることは、当業者が普通になし得たことであるところ、給水バルブをそのように配置すると、引用発明の「収納部70」、「洗剤箱30」と、「給水バルブ」とは、自ずと、後部から前部に向けて、給水バルブ、収納部70、洗剤箱30がその順に配置されたものとなる。 また、自動投入装置のポンプの配置は、機器のコンパクト化や設置スペースに応じて適宜選択すべき設計事項に過ぎないところ、例えば、引用文献1の図3に、第2ポンプ54が、洗濯箱30の後方であって、左右方向の側方に配置していることが示されていることも勘案すると、引用発明において、第1及び第2ポンプ52、54を洗剤箱30の後ろ寄りであって、洗剤箱30の左右方向の側方又は下方に配置することは、当業者が適宜設定し得たことである。 以上によれば、引用発明において、本願発明の相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 ウ 相違点3について 洗濯機において、洗濯処理剤を貯留するタンクの形状は、当業者が適宜設定すべき設計事項にすぎないところ、洗濯処理剤を貯留するタンクの形状を、「前後方向に細長い矩形タンク状に形成」することは、例えば、引用文献3の段落0142、図18(前記第4の3(5)、(6)を参照)、また、当審拒絶理由で引用された引用文献5(特開2002-331194号公報)の、段落0028~0029、0046~0049、図5、7に示されるように、当業者にとって従来周知の技術にすぎない。 したがって、引用発明において、上記周知の技術に倣って洗濯箱30の形状を設定し、本願発明の相違点3に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、令和7年4月16日に提出した意見書(以下、単に「意見書」という。)において、「本願発明は、洗濯処理剤の補充のための作業性を良好にすることを課題視したもので、このような課題を解決するための手段として、「前記本体の上部には、後部から前部に向けて、前記給水弁、前記手動用収容部、前記タンク、がその順に配置されており、前記タンクは、前後方向に細長い矩形タンク状に形成され、前記ポンプは、前記タンクの後ろ寄りであって、前記タンクの左右方向の側方又は下方に配置され、」という構成を備えています。このような構成は、引用文献1-5には開示されていない、本願発明に独自の構成です。そして、このような本願発明によれば、「タンクを前後方向に大きくできるため、ユーザにとってタンクが取出しやすくなり、タンクに対する洗濯処理剤の補充作業を容易に行うことができる」、といった引用文献に対する有利な作用効果を奏します。」(意見書「3.(2)」)と主張する。 しかしながら、本願明細書の発明の詳細な説明には、例えば、段落0038に「自動投入装置11のタンク30、31が手前側に位置しており、且つ、タンク30、31を上方に取出すことが可能なので、後部に配置される場合と比べて、タンク30、31を簡単に取出すことができ、タンク30、31に対する洗剤、柔軟仕上剤の補充作業を容易に行うことができる。」と記載され、また、段落0040に「本実施形態では、自動投入装置11にあって、ポンプ28をタンク30、31(タンクケース27)の側方に配置するように構成した。これにより、ポンプ28をタンクケース27の前後いずれかに配置する場合と比べて、給水弁ユニット10、主要ケース13、自動投入装置11の三者を、前後方向にコンパクトに配置できる。言い換えれば、タンク30、31を前後方向に大きくすることができる。」と記載され、更に、段落0053に「本実施形態では、ポンプ53は、タンクケース52の下側に配置され、吸込口がタンクケース52の後部に配置されている。これにより、ポンプ53をタンクケース52の前後左右いずれかに配置する場合と比べて、給水弁ユニット10、収容ケース13、自動投入装置51の三者を、前後方向及び左右方向にコンパクトに配置できる。言い換えれば、タンク54、55を前後方向又は左右方向に大きくすることができる。」と記載されているものの、請求人が前記主張する「タンクを前後方向に大きくできるため、ユーザにとってタンクが取出しやすくな」ることは、発明の詳細な説明には何ら示されておらず、また、タンクを前後方向に大きくする際に、設置スペースによっては、必ずタンクが手前に延びるものになるとはいえず、タンクが後方に延びるものもあり、そのような場合、ユーザは洗濯機の前方からタンクの取り出しを行うことに鑑みると、タンクを前後方向に大きくすると、タンクの重心が後方にずれ、むしろタンクは取出しにくくなるともいえる。そうすると、請求人が主張する前記作用効果は、本願明細書の記載に基づくものではなく、また、タンクを前後方向に大きくすることで必然的に生じる作用効果でもない。 したがって、請求人の前記主張は採用できない。 イ また、請求人は意見書において、「引用文献1は、「多量の液体洗剤を淡水して洗濯作動が開示される度に自動で液体洗剤を供給して、洗剤の流失を防止する」ことを課題視したものであり、「洗濯処理剤の補充のための作業性を良好にする」ことを課題視していないため、洗剤箱30を前後方向に長い矩形タンク状に形成し、ポンプ50を洗剤箱30の後ろ寄りであって、洗剤箱30の左右方向の側方又は下方に配置する必然性は存在しません。」(意見書「3.(2)」)と主張する。 しかしながら、引用文献1に示されたドラム洗濯機は、「液体洗剤の供給が容易に行われ、清掃および交換作業を容易に行うことができるドラム洗濯機用の洗剤投入装置を提供すること」(前記第4の1(1)エの段落0010を参照。)も課題としており、すなわち、「洗濯処理剤の補充のための作業性を良好にする」ことも課題としたものである。 したがって、請求人の前記主張は採用できない。 (3)本願発明の作用効果について 本願発明の作用効果は、引用発明、周知の技術及び慣用手段から、当業者が予測できる範囲のものであって、格別顕著なものではない。 3.まとめ したがって、本願発明は、引用発明、周知の技術及び慣用手段に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、この出願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-017751

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