特許拒絶査定不服審判
2023-014129
洗浄器
- 審判番号
- 2023-014129
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-026653
- 請求日
- 2023年08月23日
- 審決日
- 2025年01月15日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】シャープ株式会社
- 【請求人代理人】井上 知哉
- 【請求人代理人】加藤 浩二
- 審判長/審判官
- 審判長 北村 英隆
- 審判官 関口 哲生
- 審判官 長馬 望
- 分類
- P18 .55 -WZ (D06F) / P18 .121-WZ (D06F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022- 26653「洗浄器」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 5月 9日出願公開、特開2022- 68333〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
この出願(以下、「本願」という。)は、2017年(平成29年)1月30日(優先権主張 平成28年7月19日 平成28年7月19日)を国際出願日とする出願である特願2018-528387号の一部を、令和4年2月24日に新たな特許出願(特願2022-26653号)としたものであって、その手続の経緯は、以下のとおりである。
令和4年 3月25日 上申書、手続補正書の提出
令和5年 2月28日付け 拒絶理由通知書
令和5年 4月28日 意見書、手続補正書の提出
令和5年 5月12日付け 拒絶査定
令和5年 8月23日 審判請求書、手続補正書(以下、この手続補正書による補正を「本件補正1」という。)の提出
令和6年 8月 9日付け 拒絶理由通知書
令和6年10月18日 意見書、手続補正書(以下、この手続補正書による補正を「本件補正2」という。)の提出
第2 拒絶の理由の概要
令和6年8月9日付け拒絶理由通知書により当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は、以下のとおりのものである。
理由1(新規事項)
本件補正1は、願書に最初に添付した明細書(以下、「当初明細書」という。)、特許請求の範囲又は図面(以下、まとめて「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
本件補正1により、請求項1に係る発明は、「上記収容部材は、上記断面視において、上記長手方向と交差する方向からみて上記バッテリと重なる領域が上記把持部の内周面全体に接する」という事項が特定されることとなったが、当初明細書の発明の詳細な説明には、「収容部材」について何ら記載はなく、また、当初明細書等の図3以外の図面にも「収容部材」に該当すると看取できる部材は示されていない。そして、この図3には、審判請求書の図Aで主張する「収容部材」に該当する箇所が看取されるものの、図3は、洗浄器のある切断線に沿った断面図に過ぎない(なお、図面の簡単な説明によると図3は、「図1の洗浄器の上面図」([0008])とされているが、図3の形状からみて、図2のIII-III線に沿った断面図と解するのが合理的である)。そうすると、当初明細書等には、収容部材の図3に示される部分以外について、把持部との関係は何ら示されておらず、「上記バッテリと重なる領域が上記把持部の内周面全体に接する」ことが記載されているとはいえない。
また、下記の引用文献1に示されるように、洗浄器において、把持部の内周面に部分的に接するものの内周面全体には接していない構成が普通にあることに鑑みると、上記事項が当初明細書等に記載された事項から自明の事項であるともいえない。
よって、本件補正1は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術事項を導入しないものであるとはいえないから、当初明細書等に記載した事項の範囲においてするものとはいえない。
理由2(進歩性)
この出願の請求項1~5に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:中国特許出願公開第105755728号明細書
引用文献2:特開2008-212200号公報(周知技術を示す文献)
第3 当審の判断
1 理由1について
(1)本件補正1の請求項1
本件補正1後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおりである。(下線は当審で付した。以下同様。)
「断面が多角形状の棒状に形成される本体部と、
上記本体部内に設けられ、振動を発生させる振動発生部と、
上記本体部内に設けられ、一部が上記本体部の一端から露出した状態で配置されていると共に、上記振動発生部で発生した振動を被洗浄物に伝達する振動伝達部と、
上記本体部内に設けられ、上記振動発生部に振動を発生させるための電力を供給するバッテリと、
上記本体部の一端に着脱可能に取り付けられ、上記振動発生部を覆う蓋体部と、
を備え、
上記蓋体部が上記本体部の一端に取り付けられた状態で上記本体部の各側面が上記蓋体部の各側面に連続するように、上記蓋体部の断面は上記本体部の断面と同一の上記多角形状に形成され、
上記本体部は、把持部と、上記本体部における長手方向に沿った断面視において、上記把持部の一端部から他端部にわたって上記把持部の内周面に接するように上記把持部の内周面に沿って延びる収容部材と、を有し、
上記把持部は、金属で形成され、かつ上記収容部材は、上記断面視において、上記長手方向と交差する方向からみて上記バッテリと重なる領域が上記把持部の内周面全体に接することを特徴とする洗浄器。」
(2)本件補正2の請求項1
本件補正2により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のように補正された。
「断面が多角形状の棒状に形成される本体部と、
上記本体部内に設けられ、振動を発生させる振動発生部と、
上記本体部内に設けられ、一部が上記本体部の一端から露出した状態で配置されていると共に、上記振動発生部で発生した振動を被洗浄物に伝達する振動伝達部と、
上記本体部内に設けられ、上記振動発生部に振動を発生させるための電力を供給するバッテリと、
上記バッテリが接続される回路基板と、
上記本体部の一端に着脱可能に取り付けられ、上記振動発生部を覆う蓋体部と、
を備え、
上記蓋体部が上記本体部の一端に取り付けられた状態で上記本体部の各側面が上記蓋体部の各側面に連続するように、上記蓋体部の断面は上記本体部の断面と同一の上記多角形状に形成され、
上記本体部は、把持部と、上記本体部における長手方向の中心線に沿い、かつ上記回路基板に垂直な方向に沿った断面視において、上記把持部の一端部から他端部にわたって上記把持部の内周面に接するように上記把持部の内周面に沿って延びる収容部材と、を有し、
上記把持部は、金属で形成され、かつ上記収容部材は、上記断面視において、上記中心線を間に挟んで上記回路基板と反対側で、かつ上記回路基板に垂直な方向に上記バッテリと重なる領域が上記把持部の内周面全体に接する洗浄器。」
(3)当審拒絶理由で指摘した事項について
本件補正1後の請求項1に記載された
「上記本体部における長手方向に沿った断面視」及び「上記把持部は、金属で形成され、かつ上記収容部材は、上記断面視において、上記長手方向と交差する方向からみて上記バッテリと重なる領域が上記把持部の内周面全体に接する」という事項は、
本件補正2により、前者に「の中心線に沿い、かつ上記回路基板に垂直な方向」という事項を追加し、また、後者の「上記長手方向と交差する方向からみて」という事項を「上記中心線を間に挟んで上記回路基板と反対側で、かつ上記回路基板に垂直な方向に」という事項に代えて、
「上記本体部における長手方向の中心線に沿い、かつ上記回路基板に垂直な方向に沿った断面視」及び「上記把持部は、金属で形成され、かつ上記収容部材は、上記断面視において、上記中心線を間に挟んで上記回路基板と反対側で、かつ上記回路基板に垂直な方向に上記バッテリと重なる領域が上記把持部の内周面全体に接する」という事項に補正された。
(4)判断
上記(3)で示した補正事項について検討する。
ア 本件補正2の上記(3)で示した補正事項について、請求人は令和6年10月18日付け意見書で、段落0012、0015及び図3に基づくものである旨主張している。
段落0012には、「本体部10は、図2および図3に示すように、使用者により把持される把持部11と、内部に超音波ホーン20が位置する先端部12とで構成され、Y方向に交差する方向の断面が、四角形状を有している。この本体部10は、Y方向に延びる中心線CLに対して対照に設けられている。」と、また、段落0015には「把持部11内の中心部には、図3に示すように、収容部112が設けられ、この収容部112にバッテリ30が収容されている。収容部112のZ方向右側には、マイコンを有するメイン回路基板17が設けられ、Y方向下側には、トランス18が設けられている。メイン回路基板17には、超音波ホーン20、バッテリ30、トランス18、および、押しボタンスイッチ16の各々が接続され、図示しないマイコンにより制御されるようになっている。」と記載され、図3として以下の図面が示されている。
「【図3】
[図:0001420913000001.jpg]
」
また、審判請求書には、図3に基づき説明を追加した、以下の図Aが示されている。
「[図A]
[図:0001420913000002.jpg]
」
イ しかしながら、当審拒絶理由でも示したように、そもそも、当初明細書の発明の詳細な説明には、「収容部材」について何ら記載はなく、また、当初明細書等の図3以外の図面にも「収容部材」に該当すると看取できる部材は示されていない。そして、この図3には、審判請求書の図Aで主張する「収容部材」に該当する箇所が看取されるものの、図3は、洗浄器のある切断線に沿った断面図に過ぎない。そして、図面の簡単な説明によると図3は、「図1の洗浄器の上面図」(段落0008)とされているが、図3の形状からみて、図2のIII-III線に沿った断面図と解するのが合理的である。
一方、本件補正2により「収容部材は、上記断面視(審決注:「上記本体部における長手方向の中心線に沿い、かつ上記回路基板に垂直な方向に沿った断面視」のこと)において、上記中心線を間に挟んで上記回路基板と反対側で、かつ上記回路基板に垂直な方向に上記バッテリと重なる領域が把持部の内周面全体に接する」と特定されていることから、「収容部材」は「把持部」と「線」ではなく「面」で接触していることを特定していることが分かる。そうすると、本件補正2により特定される「上記本体部における長手方向の中心線に沿い、かつ上記回路基板に垂直な方向に沿った断面視」の「断面」には、中心線を通る断面以外の、中心線と平行な断面も含むと解するのが合理的である。以上によれば、本件補正2により特定された「上記本体部における長手方向の中心線に沿い、かつ上記回路基板に垂直な方向に沿った断面視」には、図2のIII-III線に沿った断面図である図3以外の、例えば、図3断面と平行な断面における断面視も含まれるところ、そのような断面視について、当初明細書等には何ら記載も示唆もされていないため、その際の、収容部材やバッテリや回路基板がそれぞれどのように形成され位置しているのか当然不明である。
ウ また、当初明細書等には、収容部材に関し、バッテリと重なる領域が把持部の内周面全体に接することについて、また、その効果について、何ら記載されていない。当初明細書等の図3においては、把持部と収容部材とが接しているようにも見えるものの、図3以外の断面においてもその関係が維持されている、すなわち、把持部と収容部材とが接している状態のままである、とまではいえない。そうすると、当初明細書等に、「収容部材は」「バッテリと重なる領域が把持部の内周面全体に接する」ことが示されているとはいえない。
エ そうすると、当初明細書等には、収容部材の図3に示される部分以外について、把持部との関係は何ら示されておらず、「上記把持部は、金属で形成され、かつ上記収容部材は、」「上記本体部における長手方向の中心線に沿い、かつ上記回路基板に垂直な方向に沿った断面視」において、「上記中心線を間に挟んで上記回路基板と反対側で、かつ上記回路基板に垂直な方向に上記バッテリと重なる領域が上記把持部の内周面全体に接する」という事項が記載されているとはいえない。
オ また、洗浄器において、把持部の内周面に部分的に接するものの内周面全体には接していない構成が普通にある(例えば、上記第2の「理由2」で示した引用文献1を参照。)ことに鑑みると、本件補正2により特定された上記事項が当初明細書等に記載された事項から自明の事項であるともいえない。
(5)まとめ
以上によれば、本件補正2は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術事項を導入しないものであるとはいえず、当初明細書等に記載した事項の範囲においてするものとはいえないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
2 理由2について
(1)本願発明
本願の請求項1~5に係る発明は、本件補正2により補正された特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は、上記1(2)に記載されたとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項等
ア 引用文献1の記載
当審拒絶理由で引用された引用文献1には、図面とともに、次の記載がある(日本語訳は、当審で付加した。以下、同様である。)。
(ア)「
[図:0001420913000003.jpg]
」
(技術分野
[0001] 本発明は洗濯処理技術分野に関し、更に具体的に、携帯式の超音波洗浄装置に関する。)
(イ)「
[図:0001420913000004.jpg]
」
([0034] 携帯式の超音波洗浄装置100;
[0035] ハウジング10;設置室101;動作開口102;充電開口103;固定孔104;操作開口105;支持板106; 組立用貫通孔1061;差込み1062;フロントケース11;リアケース12;中ケース13;
[0036] 電気制御板20;タクトスイッチ21;
[0037] 超音波振動子30;環状フランジ301;放射する作業ヘッド31、取付フランジ32、圧電性結晶33、後マッチングブロック34、施錠ネジ35;
[0038] 給電手段40;
[0039] 操作開閉器50;押圧部51、節度部52;接続部53;支持部531;鉤部532;誘導面5320;カードレバー5321;チャック5322;
[0040] 防塵栓60;
[0041] ダンパーパッド70;振動減衰バンプ71;環状溝72;固定用貫通孔73;ループ状のバーリング74;
[0042] ループ状のクリップ80;平板固定用穿孔81;
[0043] 取付ブラケット90;上ブラケット91;下ブラケット92;プラグ901;スロット902;左の位置決リブ904;右位置決リブ905;上位置決リブ906;下位置決リブ907;
[0044] 充電接続部110;ネジ部品120;リード線130;指示灯140;リングシール150。)
(ウ)「
[図:0001420913000005.jpg]
」
([0048] 具体的には、ハウジング10内に設置室101が限定であることがあり得、ハウジング10上に動作開口102を設けることができ、動作開口102と設置室101は貫通する。電気制御板20は設置室101内に置くことができ、電気制御板20上で駆動回路とタクトスイッチ21を設けることができる。給電手段40は設置室101内に置くことができ、給電手段40は駆動回路とタクトスイッチ21の制御下で導通あるいは遮断されてよい。タクトスイッチ21が開ける時、給電手段40は駆動回路に電気的に接続されることができ、駆動回路に対することで給電する;タクトスイッチ21が閉じる時、給電手段40は駆動回路を遮断し、再び駆動回路に給電しない。
[0049] 超音波振動子30は設置室101内に置くことができ、そして超音波振動子30の放射作業ヘッド31は動作開口102内から延出することができ、駆動回路の励起で機械的共振を生成することで、超音波振動子30は駆動回路に電気的に接続されることができる。これにより、タクトスイッチ21が開ける時、動作開口102の放射作業ヘッド31を延出して駆動回路の下で機械的共振を生成することができ、放射作業ヘッド31が洗浄液中に入る時、超音波のキャビテーション効果により洗浄液に無数キャビテーション気泡を生成することができ、気泡の破裂により瞬時に大気圧の1000倍の圧力を発生させ、水流を率いて衣服上のステインを水で洗い流すことができ、これによって衣服上ステインを洗浄する目的に達し、局部が洗浄した効果に達し、このような洗浄衣服の方法効率は高く、洗浄効果はよい。)
(エ)「
[図:0001420913000006.jpg]
」
([0050] 給電手段40は電源電池とすることができ、例えば、給電手段40は低圧バッテリとすることができ、電子回路中を駆動して昇圧トランスを設けることができる。これにより、昇圧トランスが低圧バッテリを提供することができる少し低い電圧は昇圧し、超音波振動子30を保証することで正常に作動することができ、同時に低圧バッテリ寸法は比較的に小さいため携帯式の超音波洗浄装置100の体積を比較的に小さくし、更に持ち運びしやすく、同時に安全性は比較的高い。)
(オ)「
[図:0001420913000007.jpg]
」
([0052] 超音波振動子30は入力した電力を機械動力(すなわち超音波)に変換して送信する部品であり、電力自体の消費はごくわずかであり、超音波振動子30の構造は多種で、例えば、図12に示すように、超音波振動子30は放射する作業ヘッド31を含むこと以外に、また取付フランジ32、圧電性結晶33、後マッチングブロック34、施錠ネジ35、電極シートなどを含むことができ、これらは当技術分野の技術者に公知でありここで詳細描写しない。)
(カ)「
[図:0001420913000008.jpg]
」
([0054] 本発明の複数のより好ましい実施例に、給電手段40は充電式バッテリとすることができ、電気制御板20上でまた充電回路を設けることができ、図1、図2と図9に示すように、ハウジング10上に充電開口103を設けることができ、充電開口103は設置室101と貫通することができ、設置室101内に充電接続部110を設けることができ、充電接続部110は充電開口103に対応してその上充電回路に電気的に接続されることができる。これにより、充電装置の充電コネクタは充電開口103内に入ることができて、充電接続部110と電気的に接続して、且つ充電回路によって充電式バッテリに対した充電を実現し、充電式バッテリを繰り返し用いさせる。
[0055] これにより、ハウジング10に充電開口103を設置することによって、且つハウジング10内で充電式バッテリ及び充電回路を設置することによって、充電式バッテリを繰り返し充電を得させて用いることができ、電池を頻繁に交換する手間を省くことができ、使い勝手が良く、使用コストを抑えることができる。)
(キ)「
[図:0001420913000009.jpg]
」
([0060] 任意に、ハウジング10は細長い形状に形成することができる。これにより、携帯式の超音波洗浄装置100を把持することと更に持ち運びしやすい。ここで、細長い形状とは、長さが幅及び厚さよりも大きい構造として理解することができ、ハウジング10の横断面形に対して特に限定されず、例えば、ハウジング10の横断面は円形、楕円形または多角形などとして形成することができる。例えば、図1に示すように、ハウジング10は概ね円筒形として形成することができ、ハウジング10の前端はネッキング構造として形成することができ、後端面は円滑な形状表面とすることができ、この構造外形美観は優れていて、携帯し使用しやすい。)
(ク)「
[図:0001420913000010.jpg]
」
([0062] また、本発明実施例の携帯式の超音波洗浄装置100によってまた保護用カバーを含むことができ、保護用カバーはハウジング10に置く一端に可動に被せることができ、保護用カバーは放射作業ヘッド31を保護することができる。可動カバーは、この装置を用いて洗浄操作を行う前に、可動カバーを開けることができ、放射作業ヘッド31を露出させ、そして使用が完了した後、放射作業ヘッド31を覆うために可動カバーを閉じることができる。携帯に持ち運び中の埃の侵入や超音波振動子30の損傷を避けるためである。任意に、可動カバーはハウジング10と取外し可能に接続することができて、可動カバーを開ける時可動カバーとハウジング10の完全分離を、便利に洗浄操作を行う。)
(ケ)「
[図:0001420913000011.jpg]
」
([0068] 本発明の複数の実施例によって、携帯式の超音波洗浄装置100はまた取付ブラケット90を取り付けることを含むことができ、図4~図9及び図13に示すように、取付ブラケット90を取り付けてハウジング10と接続することができてその上設置室101内に置き、電気制御板20は取付ブラケット90上を取り付けることに置くことができる。これにより、電気制御板20は取付ブラケット90によってハウジング10内に取り付けることができ、取り付ける時まず電気制御板20を取付ブラケット90にプリインストールすることができ、再び取付ブラケット90を配置することはハウジング10内で、着脱は便利であるばかりかその上、電気制御板20の装着強度を高めることができ、有効に電気制御板20の単独で組み立てる時が損壊が発生するのを防止し、電気制御板20は堅固を取り付け、装置作動性能は更に確実である。
[0069] 任意に、取付ブラケット90を取り付けて上ブラケット91と下ブラケット92を含むことができて、上ブラケット91と下ブラケット92はそれぞれハウジング10にスナップ結合して、電気制御板20の少なくとも一部は上ブラケット91と下ブラケット92の間に限定できる。これにより、上ブラケット91と下ブラケット92を容易に着脱することができ、そして上ブラケット91と下ブラケット92によって電気制御板20に固定をすることができて、比較的に大きい効率のものは設置スペースで、大容量の電気制御板20を限定空間内に可能性になることに取り付けさせて、そして実装固定効果はよく、同時に上ブラケット91と下ブラケット92は電気制御板20に保護作用を果たすことができ、電気制御板20の損壊が発生するのを防止する。)
(コ)「
[図:0001420913000012.jpg]
」
([0070] 図1~図3に示すように、ハウジング10はフロントケース11、中ケース13とリアケース12を含むことができ、中ケース13内に限定で取り付けチャネルがあり、取り付けチャネルは中ケース13の軸方向に沿うように中ケース13を貫通し、フロントケース11は中ケース13に置く前端に被せ、リアケース12は中ケース13に置く後端に被せ、中ケース13はフロントケース11とリアケース12にしっかり停止固定されることができ、フロントケース11の前端は動作開口102を設け、フロントケース11、中ケース13とリアケース12は協働して設置室101を画定している。図9及び図13に示すように、上ブラケット91と下ブラケット92は設置室101内に配置され、フロントケース11は、上ブラケット91とスナップ結合され、フロントケース11は、下ブラケット92とスナップ結合され、リアケース12は、上ブラケット91とスナップ結合され、リアケース12は同じく、下ブラケット92とスナップ結合する。
[0071] これにより、上ブラケット91と下ブラケット92はそれぞれハウジング10と少なくとも2カ所の係止構造があり、係止効果はよく、そして組み立てる時中ケース13の任意の片側から組み立てることができ、その後再びフロントケース11とリアケース12を中ケース13上に蓋をすればよく、便宜を着脱し、そして装置全体外観は比較的に整然としていて、意匠効果はよい。
[0072] 任意に、図9と図13に示すように、上ブラケット91とフロントケース11及びリアケース12の係止の構造、下ブラケット92とフロントケース11及びリアケースは12の係止の構造はそれぞれ溝とすることができて嵌合した構造を引っ掛けることと、同じく嵌合を引っ掛ける構造として、具体的に必要に応じて設置する。)
(サ)「
[図:0001420913000013.jpg]
」
([0100] タクトスイッチ21が機械的スイッチとする時、タクトスイッチ21を考慮して設置室101内に位置し、タクトスイッチ21に対したコントロールを実現するため、ハウジング10にホールを開設する必要があり、便宜の指で設置室101内に入ってスイッチ操作を実行する。便利に操作するため、本発明の複数のより好ましい実施例に、ハウジング10上に操作開口105を設置することができ、図13に示すように、ハウジング10がフロントハウジング11、中ケース13とリアケース12を含む時、操作開口105は中ケース13に設置することができる。携帯式の超音波洗浄装置100はまた操作開閉器50を含むことができ、タクトスイッチ21の開閉を制御することで、操作開閉器50は操作開口105内にその上タクトスイッチ21と接続することにアクティブ的に置くことができる。これにより、操作開閉器50によってタクトスイッチ21に対したコントロールを実現することができ、手入れの操作開口105内で制御する必要がなく、操作が簡単である。)
(シ)引用文献1には、以下の図面が示されている。
「(図1)
[図:0001420913000014.jpg]
(図2)
[図:0001420913000015.jpg]
(図3)
[図:0001420913000016.jpg]
(図5)
[図:0001420913000017.jpg]
(図6)
[図:0001420913000018.jpg]
(図9)
[図:0001420913000019.jpg]
(図10)
[図:0001420913000020.jpg]
(図11)
[図:0001420913000021.jpg]
(図13)
[図:0001420913000022.jpg]
」
(ス)上記(キ)の記載から、引用文献1に開示される超音波洗浄装置は、「断面が多角形状の細長い形状に形成されるハウジング10」を備えているといえる。
(セ)上記(ウ)の記載から、引用文献1に開示される超音波洗浄装置は、「ハウジング10内に設けられ、振動を発生させる超音波振動子30」を備えているといえる。
(ソ)上記(ウ)並びに図1~3、9及び10の記載から、引用文献1に開示される超音波洗浄装置は、「ハウジング10内に設けられ、一部が上記ハウジング10の動作開口102から露出した状態で配置されていると共に、超音波振動子30で発生した振動を被洗浄物に伝達する放射作業ヘッド31」を備えていえるといえる。
(タ)上記(エ)及び(カ)並びに図5及び6の記載から、引用文献1に開示される超音波洗浄装置は、「ハウジング10内に設けられ、超音波振動子30に振動を発生させるための電力を供給する電源電池」を、また、「電源電池が接続される電気制御板20」を備えているといえる。
(チ)上記(ク)の記載から、引用文献1に開示される超音波洗浄装置は、「ハウジング10の一端に着脱可能に取り付けられ、放射作業ヘッド31を覆う保護用カバー」を備えているといえる。
(ツ)上記(ケ)及び図5の記載から、取付ブラケット90は、上ブラケット91及び下ブラケット92を含むものであることが分かる。そして、上記図13は、上記図3のb-b断面図であるところ、「ハウジング10における長手方向の中心線に沿い、かつ上記電気制御板20に垂直な方向に沿った断面視」された際の図であるといえる。また、上記図13の記載から、取付ブラケット90(上ブラケット91及び下ブラケット92)が、中ケース13の一端部から他端部にわたって上記中ケース13の内周面に接するように上記中ケース13の内周面に沿って延びることが看取できる。
そして、上記(ケ)及び(コ)並びに図3、5、6及び13の記載から、引用文献1に開示される超音波洗浄装置は、「ハウジング10は、中ケース13と、上記ハウジング10における長手方向の中心線に沿い、かつ上記電気制御板20に垂直な方向に沿った断面視において、上記中ケース13の一端部から他端部にわたって上記中ケース13の内周面に接するように上記中ケース13の内周面に沿って延びる取付ブラケット90」を備えているといえる。
(テ)上記(ケ)及び(コ)並びに図3、5、6及び13の記載から、引用文献1に開示される超音波洗浄装置は、「取付ブラケット90は、上記断面視において、上記中心線を間に挟んで上記電気制御板20と反対側で、かつ上記電気制御板20に垂直な方向に上記電源電池と重なる領域が上記中ケース13の内周面に部分的に接する」構成を備えているといえる。
イ 引用発明
引用文献1の前記ア(ア)~(テ)の記載内容を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「断面が多角形状の細長い形状に形成されるハウジング10と、
上記ハウジング10内に設けられ、振動を発生させる超音波振動子30と、
上記ハウジング10内に設けられ、一部が上記ハウジング10の動作開口102から露出した状態で配置されていると共に、上記超音波振動子30で発生した振動を被洗浄物に伝達する放射作業ヘッド31と、
上記ハウジング10内に設けられ、上記超音波振動子30に振動を発生させるための電力を供給する電源電池と、
上記電源電池が接続される電気制御板20と、
上記ハウジング10の一端に着脱可能に取り付けられ、上記放射作業ヘッド31を覆う保護用カバーと、
を備え、
上記ハウジング10は、中ケース13と、上記ハウジング10における長手方向の中心線に沿い、かつ上記電気制御板20に垂直な方向に沿った断面視において、上記中ケース13の一端部から他端部にわたって上記中ケース13の内周面に接するように上記中ケース13の内周面に沿って延びる取付ブラケット90と、を有し、
上記取付ブラケット90は、上記断面視において、上記中心線を間に挟んで上記電気制御板20と反対側で、かつ上記電気制御板20に垂直な方向に上記電源電池と重なる領域が上記中ケース13の内周面に部分的に接する超音波洗浄装置。」
ウ 引用文献2の記載
当審拒絶理由で引用された前記引用文献2には、図面とともに、次の記載がある。
(ア)「【0010】
本発明の実施形態として電動歯ブラシAには、その本体1の先端から超音波振動を発振させ、ブラシ部2を介して使用者の歯と歯茎及びその周囲の口腔組織へ向け伝播される超音波歯ブラシや、内蔵したモーターなどの作動でブラシ部2を往復運動又は回転運動させる振動歯ブラシや、その他の構造の電動歯ブラシが含まれる。
【0011】
そして、この電動歯ブラシAは、図1及び図2に示す如く、その本体1と、それに配置されたブラシ部2及び操作スイッチ3と、この本体1に対し着脱自在に取り付けられてブラシ部2を覆うキャップ4とを備え、このキャップ4による本体1の被覆部分1aに、操作スイッチ3を配置して、該キャップ4の取り付け状態では操作スイッチ3がキャップ4内に収納されるようにしている。」
(イ)「【0012】
詳しく説明すれば、上記本体1は棒状に形成され、その先端(図面では上端)にブラシ部2を突出させて配設し、それよりも基端側の外面には、電動機能部を作動制御するための操作スイッチ3と、上記キャップ4を取り付けるための第一取付部5が夫々所定位置に配設されている。
【0013】
このキャップ4は、上記ブラシ部2の周囲を覆う円筒状又は角筒状などに形成され、その一部を上記本体1の第一取付部5に係合させることにより、上記ブラシ部2と操作スイッチ3を覆うように取り付けられる。
【0014】
また、上記本体1の基端側には、上記キャップ4を取り付けるための第二取付部6が配設され、上記キャップ4の一部と係合させて着脱自在に取り付け可能とすると共に、充電器7と係合して、該本体1に内蔵される蓄電池8を充電することが好ましい。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。」
(ウ)「【0015】
この実施例1は、図1(a)(b)~図2に示す如く、前記電動歯ブラシAが超音波歯ブラシであり、その本体1を略円柱状に形成し、その先端側へ向け徐々に小径にしてブラシ部2を着脱自在に取り付けると共に、この本体1の先端側部分を覆う有底筒状に前記キャップ4が形成され、該キャップ4の開口側内周面4aと嵌め合う第一取付部5を、本体1の外周面に周設し、この開口側内周面4aを嵌挿して第一取付部5に圧接させることにより、本体1の第一取付部5に対してキャップ4が着脱自在に挿着されるものである。
【0016】
上記本体1は、前記キャップ4による被覆部分1aと隣り合う軸方向中途部分に、その外径が最大径となる露出部分1bを形成し、この露出部分1bよりも基端側の外周面には、該キャップ4の開口側内周面4aと嵌め合う第二取付部6を周設し、上記第一取付部5と同様に、この開口側内周面4aの嵌挿で第二取付部6に圧接させることにより、本体1の第二取付部6に対してキャップ4が着脱自在に挿着される。
【0017】
上記第一取付部5と第二取付部6は、図1(a)(b)に示す如く、本体1の露出部分1bの最大径よりも該キャップ4の厚さ分だけ小径となるように形成して、これら第一取付部5又は第二取付部6にキャップ4の開口側内周面4aが挿着された状態で、該キャップ4の外周面4bと本体1の露出部分1bの外周面とを略面一状に連続させることが好ましい。」
(エ)「【0022】
一方、前記本体1の内部には、超音波歯ブラシの機能部を構成する電子回路基板10aと、本体1の先端に埋設される超音波振動子10bが内蔵され、該電子回路基板10aを上述した操作スイッチ3の手動操作により通電して、本体1先端の超音波振動子10bとから超音波振動を発振させ、ブラシ部2を介して使用者の歯と歯茎及びその周囲の口腔組織へ向け伝播される。
【0023】
なお、図1(b)において符号10cは、前記本体1の少なくとも先端部を機械的に振動させる手段として設けた機械的振動発生用の偏心重り付きモーターであり、符号10dは、作動時や充電時に点灯する例えばLEDなどからなる表示灯である。」
(オ)引用文献2には以下の図が示されている。
「【図1】
[図:0001420913000023.jpg]
」
(3)対比
以下、本願発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「細長い形状」は、その作用、機能からみて、本願発明の「棒状」に相当し、同様に、「ハウジング10」は「本体部」に、「超音波振動子30」は「振動発生部」に、「動作開口102」は「一端」に、「放射作業ヘッド31」は「振動伝達部」に、「電源電池」は「バッテリ」に、「電気制御板20」は「回路基板」に、「取付ブラケット90」は「収容部材」に、「超音波洗浄装置」は「洗浄器」に、それぞれ相当する。
また、引用発明の「保護用カバー」はハウジング10の一端を覆うものであるから、本願発明の「蓋体部」と、「覆いカバー」の点で共通する。
さらに、上記(2)ア(サ)の記載及び上記(2)ア(シ)に示す図面の記載から、中ケース13は手でもって使用されるものであるといえるため、引用発明の「中ケース13」と本願発明の「把持部」とは、「把持部分」の点で共通する。
加えて、本願発明の「上記把持部の内周面全体に接する」と引用発明の「上記中ケース13の内周面に部分的に接する」とは、「上記把持部の内周面に接する」という限りで一致する。
そうすると、本願発明と引用発明とは、
「断面が多角形状の棒状に形成される本体部と、
上記本体部内に設けられ、振動を発生させる振動発生部と、
上記本体部内に設けられ、一部が上記本体部の一端から露出した状態で配置されていると共に、上記振動発生部で発生した振動を被洗浄物に伝達する振動伝達部と、
上記本体部内に設けられ、上記振動発生部に振動を発生させるための電力を供給するバッテリと、
上記バッテリが接続される回路基板と、
上記本体部の一端に着脱可能に取り付けられた覆いカバーと、
を備え、
上記本体部は、把持部分と、上記本体部における長手方向の中心線に沿い、かつ上記回路基板に垂直な方向に沿った断面視において、上記把持部分の一端部から他端部にわたって上記把持部分の内周面に接するように上記把持部分の内周面に沿って延びる収容部材と、を有し、
上記収容部材は、上記断面視において、上記中心線を間に挟んで上記回路基板と反対側で、かつ上記回路基板に垂直な方向に上記バッテリと重なる領域が上記把持部分の内周面に接する洗浄器。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1]
覆いカバーについて、本願発明1は、「上記振動発生部を覆う」もので、また、「上記本体部の一端に取り付けられた状態で上記本体部の各側面が上記蓋体部の各側面に連続するように、上記蓋体部の断面は上記本体部の断面と同一の上記多角形状に形成され」るものであるのに対し、
引用発明は、放射作業ヘッド31を覆うものの、超音波振動子30を覆うか明らかでなく、また、保護用カバーの形状が明らかでない点。
[相違点2]
把持部分について、本願発明1は、「上記把持部は、金属で形成され」ているのに対し、
引用発明は、中ケース13の材質が明らかでない点。
[相違点3]
収容部材について、上記断面視において、上記中心線を間に挟んで上記回路基板と反対側で、かつ上記回路基板に垂直な方向に上記バッテリと重なる領域に関し、本願発明1は、「上記把持部の内周面全体に接する」のに対し、
引用発明は、上記中ケース13の内周面に部分的に接する点。
(4)判断
ア 相違点1について
引用文献2には、電動歯ブラシにおいて、機械的振動発生用の偏心重り付きモーター10cをキャップ4で覆い、また、本体1の第一取付部5又は第二取付部6にキャップ4の開口側内周面4aが挿着された状態で、該キャップ4の外周面4bと本体1の露出部分1bの外周面とを略面一状に連続させることが示されている(上記(2)ウを参照。)ところ、引用文献2に例示されるように、振動発生部を有する電気機器において、振動発生部を蓋体部で覆い、また、蓋体部を、本体部の一端に取り付けられた状態で上記本体部の各側面が上記蓋体部の各側面に連続するように、上記蓋体部の断面は上記本体部の断面と同一の形状に形成することは、当業者にとって従来周知の技術である。
したがって、引用発明において、保護用カバーに上記周知の技術を適用し、本願発明1の上記相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 相違点2について
電気機器において、強度やデザイン性等を加味して、外装ハウジングを金属で形成することは、当業者にとって従来普通に行われていることであるところ、引用発明において、ハウジングである中ケース13を金属で形成することは、当業者が適宜選択し得た設計事項にすぎない。
よって、引用発明において、本願発明1の上記相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
ウ 相違点3について
引用文献1には、例えば、図5、6、13の記載によれば、下ブラケット92が、給電手段40(電源電池)を左右方向(ハウジング10における長手方向)全体にわたって支え、また、中ケース13の内周面とも、隙間なくではない(部分的である)ものの、左右方向(ハウジング10における長手方向)全体にわたって接している構造が示されているといえる。
また、上記構造において、下ブラケット92が中ケース13の内周面と部分的に接する箇所は、給電手段40(電源電池)が配置される箇所の左右方向(ハウジング10における長手方向)全体にわたって、一定間隔で設けられていることから、給電手段40(電源電池)が配置される箇所に対して、高い強度を有した構造が示されているともいえる。
そのような下ブラケット92及び中ケース13について、下ブラケット92を中ケース13とどの程度接する構造とするかは、当業者が適宜設定し得た設計事項にすぎない。
したがって、引用発明において、本願発明1の上記相違点3に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
エ 以上によれば、本願発明1は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易になし得たものである。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は、令和6年10月18日に提出した意見書(以下、単に「意見書」という。)において、「本願発明によれば、例えば、次のような顕著な効果を奏することもできます。本体部10は、金属で形成された把持部11を有します。把持部11が金属で形成されることによって、把持部11の強度を向上することができます。以上のように、把持部11が金属で形成される場合、例えば、バッテリ30からの熱が金属製の把持部11に伝わることによって把持部11の温度が高まりすぎて、ユーザに不快感を与える可能性があります。そこで、本願発明では、例えば、収容部材のうち、バッテリ30と重なる領域が把持部11の内周面全体に接するものです(例えば、当初明細書等の図3参照)。これにより、把持部11の強度を十分に確保しつつ、バッテリ30からの熱が把持部11に直接伝達されることを抑制できるため、仮に、バッテリ30が高温になった場合であっても、ユーザに不快感を与えることを低減できます。」(意見書3頁22~31行)と主張する。
しかしながら、請求人の上記主張は請求項の記載に基づく主張ではなく採用できない。
請求人の上記主張は、収容部材の断熱性が高いこと、また、バッテリからの熱が把持部以外に分散されることを前提としたものであると理解されるところ、収容部材の熱特性について、本願発明に何ら特定されておらず、また、本願明細書の発明の詳細な説明にも、何ら記載も示唆もされていない。また、収容部材の熱特性に係る効果についても、何ら記載も示唆もされていない。
そうすると、請求人の上記主張は、請求項の記載に基づくものではなく、また、本願明細書の発明の詳細な説明に基づくものでもない。
また、請求人の上記主張によれば、バッテリの熱が金属製の把持部に伝わり、把持部の温度が高まりすぎるため、バッテリが収まる収容部材を、把持部の内周面全体に接するように構成することで、バッテリからの熱が把持部に直接伝達されることを抑制できるとしたものであるところ、バッテリの熱は、収容部材を介して把持部11に伝達されると理解できる。
そうすると、空気の熱伝導率がかなり小さいことに鑑みると、バッテリの熱を伝達する収容部材と把持部との接触面積が増加するほど、むしろ把持部への熱の移動は大きくなると考えられるため、熱の伝達が抑制されるとする請求人の主張は技術的に理解できない。
また、仮に、把持部とバッテリとの間に収容部材を配置した構成により、把持部への熱の伝達が抑制されるといった効果を奏するのであれば、上記の引用発明も、そのような構成を有するものであるから、把持部への熱の伝達が抑制される効果を有するものであるといえ、上記効果は、収容部材と把持部との接触面積を増加させたことによる効果とはいえない。
よって、請求人の上記主張は採用できない。
(6)本願発明の作用効果について
本願発明の作用効果は、引用発明及び周知技術から、当業者が予測できる範囲のものであって、格別顕著なものではない。
(7)まとめ
したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
第4 むすび
以上のとおり、本件補正2は、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
また、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、この出願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2023-014129