特許拒絶査定不服審判
2015-020044
購入者、POS端末を識別するための方法、および、購入者、POS端末を識別するためのシステム
- 審判番号
- 2015-020044
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2013-555395外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2015年11月06日
- 審決日
- 2016年10月31日
- 公報発行日
- 2017年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】セキュア グループ アーベー
- 【請求人代理人】▲吉▼川 俊雄
- 分類
- P18 .121-Z (G06Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項、特許法第17条の2第5項第3号、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2013-555395「購入者、POS端末を識別するための方法、および、購入者、POS端末を識別するためのシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 4月 4日国際公開、WO2013/048322、平成26年 6月 5日国内公表、特表2014-513825〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成24年9月27日(優先権主張 2011年9月27日 欧州、2011年9月27日 米国、2012年2月3日 スウェーデン、2012年2月10日 スウェーデン、2012年2月16日 スウェーデン)を国際出願日とする出願であって、平成26年8月18日付けで拒絶の理由が通知され、これに対して、平成27年2月26日に意見書及び誤訳訂正書が提出されたが、平成27年6月30日付けで拒絶査定がなされ、同査定の謄本は同年7月7日に請求人に送達された。これに対して、同年11月6日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされ、平成28年3月30日付けで前置報告書が作成されたものである。
第2 平成27年11月6日にされた手続補正の検討
1. 本件補正について
(1)平成27年11月6日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲は、次のとおり補正された(下線部が補正箇所を示す。)。
「【請求項1】
取引システム(3)を用いて小売店業者(2)における購入者(1)、POS(店舗販売時点情報管理)端末(21、24)を識別するための方法であって、
前記購入者(1)と前記小売業者(2)との間で安全な電子決済を行い、前記購入者(1)は、購入を行うために利用されるカメラ、無線周波受信機および無線周波送信機のうち少なくとも1つを備える携帯デバイス(11)を有しており、
前記POS端末(21、24)および前記購入者の両方からの通信を受け取る、前記購入者(1)および前記小売業者(2)の口座の情報が登録されている取引システム(3)であって、異なる通信チャネルを通して通信されることにより、前記購入者(1)から前記小売業者(2)への決済の移動を精算し、前記POS端末から有線の第1の通信チャネルおよび無線の第1の通信チャネルのうち少なくとも一方を通した通信を受け取り、前記携帯デバイスからの無線周波数による第2のチャネルを介した無線での通信を受け取り、前記取引システム(3)を含み、
前記取引システム(3)は、前記購入のそれぞれに、固有の参照IDを提供し、
前記取引システム(3)は、前記携帯デバイス(11)により生成され、伝送された、少なくとも1つの署名されたメッセージを、前記第2のチャネルを通して受け取り、前記メッセージは、視覚的に認識され、前記携帯デバイス(11)によって読み取られたタグ(24’)から得られる前記POS端末(21、24)のIDおよび前記携帯デバイス(11)のIDを備え、
前記取引システム(3)は、前記POS端末(21、24)により自動的に促されることによって生成され、伝送された、少なくとも1つのメッセージであって、前記第2のチャネル上で前記携帯デバイスから前記取引システム(3)に伝送された前記携帯デバイスのメッセージとは独立した、少なくとも1つのメッセージを前記第1のチャネル上で受け取り、前記少なくとも1つのメッセージが、少なくとも、前記POS端末(12、24)のID、および前記購入者(1)により支払われるべき金額を備えており、
前記第1のチャネルを通して前記POS端末(21、24)から伝送された前記少なくとも1つのメッセージを、前記第2のチャネルを通して前記携帯デバイス(11)から伝送された前記メッセージと、前記取引システムにより照合して、前記POS端末(21、24)の前記IDにより類似性を判定し、
前記取引システム(3)は、支払われるべき金額の購入者(1)の承認を含む、前記携帯デバイスによって伝送された開始の許可の信号を受け取り、
前記購入者の詳細が前記POS端末(21、24)に対して匿名ではあるが、前記POS端末(21、24)のIDも前記購入者(1)のIDも前記取引システム(3)により知られ、前記取引システム(3)が、前記購入者(1)からの決済を引き出し、かつ単一の購入に提供される前記固有の参照IDに対して前記POS端末(3)に関連する口座の貸方に記入することにより前記決済を精算すること
を備えることにより特徴づけられる方法。
【請求項2】
前記取引システム(3)が、前記購入者(1)が前記携帯デバイス(11)上で個人コードを利用して、支払われるべき前記金額を承認させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タグ(24’)は、バーコード、クイック・レスポンス・コード、データマトリックス、RFIDタグ、および独自のコードのうち少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ポータブルデバイスがPOS端末(21、24)として機能し、しかも2者が、すなわち、パーソナルデバイスの所有者および携帯デバイス(11)を持っている前記購入者が、前記デバイスを利用して、前記購入者から前記POS端末のデバイスの前記所有者に資金を移動し、前記デバイスは、前記取引システムにアクセスできるデバイスであり、それにより、前記POS端末(21、24)は、携帯電話、スマートホン、ラップトップコンピュータ、タッチパッド、および固定されたコンピュータのうち少なくとも1つである、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記POS端末はレジであり、前記レジによりメッセージを生成している、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記取引システム(3)が、前記POS端末に、前記購入者に対して領収書(32)を生成させる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記POS端末は仮想的なPOS端末である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記POS端末はインターネット上で利用可能なオンラインショップである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記POS端末は、前記小売業者(2)に関連するサーバであり、前記取引システム(3)が、前記サーバによって生成された少なくとも1つのメッセージを受け取り、前記サーバへのメッセージを生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
小売店業者(2)における購入者(1)、POS(店舗販売時点情報管理)端末(21、24)を識別するように適合されたシステム(A)であって、
前記購入者(1)および前記小売業者(2)の間で安全な電子決済を行っており、それにより、前記購入者が、購入を行うために利用されるカメラ、無線周波受信機および無線周波送信機のうち少なくとも1つを備える携帯デバイス(11)を有し、
前記POS端末(21、24)および前記購入者(1)の両方と通信するために利用される、前記購入者(1)および前記小売業者(2)の口座の情報が登録されている取引システム(3)であって、異なる通信チャネルを通して通信されることにより、前記購入者(1)から前記小売業者(2)への決済の移動を精算し、それにより、前記POS端末(21、24)が有線の第1の通信チャネルおよび無線の第1の通信チャネルのうち少なくとも一方を通して通信し、前記携帯デバイス(11)が無線による第2のチャネルを介して無線で通信する取引システム(3)、
それぞれの購入に、固有の参照IDを提供するように適合された取引システム内の手段、
前記適合された携帯デバイス(11)が、前記単一のPOS端末を固有に識別する、前記POS端末(21、24)に配置されたタグ(24’)を写真に撮るカメラおよび読み取る無線周波受信機のうち前記少なくとも一方を用いて、前記POS端末(21、24)を識別するように、前記購入者(1)により動作させられること、
前記携帯デバイス(11)により、少なくとも1つの署名されたメッセージを生成し、かつ前記第2のチャネルを通して前記取引システム(3)に伝送するように適合されたソフトウェアであって、前記メッセージは、前記写真に撮られたタグ(24’)および前記読み取られたタグ(24’)のうち少なくとも一方をソフトウェアが処理することにより得られる前記POS端末(21、24)のIDおよび前記携帯デバイスの前記IDを備えるソフトウェア、
自動的に促すことにより、前記POS端末(21、24)により少なくとも1つのメッセージを生成するように適合され、前記第2のチャネル上で前記携帯デバイスから前記取引システムに伝送された前記メッセージと時間に関して独立に区別される前記少なくとも1つのメッセージを前記第1のチャネル上で前記取引システム(3)に転送し、前記少なくとも1つのメッセージは、少なくとも、前記POS端末(21、24)の前記ID、および前記購入者(1)により支払われるべき金額を備えること、
前記第1のチャネルを通して前記POS端末(21、24)から伝送された前記少なくとも1つの暗号化されたメッセージを、前記第2のチャネルを通して前記携帯デバイス(11)から伝送された前記少なくとも1つのメッセージと、取引システム(3)により照合して、前記POS端末(21、24)の前記IDにより類似性を判定するように適合されたソフトウェア照合手段、および
前記照合により、前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルを介して伝送された前記POS端末(21、24)のID間の類似性が判定された場合、前記購入者(1)が、開始の許可を前記取引システム(3)に伝送するように前記携帯デバイス(11)を促すことにより、支払われるべき前記金額を承認する、承認するための手段であって、したがって、前記購入者(1)の詳細が前記POS端末に対して匿名ではあるが、前記POS端末のIDも前記購入者のIDも前記取引システム(3)により知られ、前記取引システム(3)が、前記購入者(1)から決済を引き出し、かつ単一の購入に提供される前記固有の参照IDに対して前記POS端末(21、24)に関連する口座の貸方に記入することにより前記決済を精算する、承認するための手段
を備えることにより特徴づけられるシステム(A)。
【請求項11】
前記購入者(1)が前記携帯デバイス(11)に入力された個人コードを利用して、支払われるべき前記金額を承認する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記タグ(24’)は、バーコード、クイック・レスポンス・コード、データマトリックス、RFIDタグ、および独自のコードのうち少なくとも1つである、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
ポータブルデバイスがPOS端末(21、24)として機能するように適合し、2者が、すなわち、パーソナルデバイスの所有者および携帯デバイス(11)を持っている前記購入者(1)が、前記デバイス(11)を利用して、前記購入者(1)から前記POS端末のデバイス(21、24)の前記所有者に資金を移動し、前記デバイスは、前記取引システム(3)にアクセスできるデバイスであり、それにより、前記POS端末は、携帯電話、スマートホン、ラップトップコンピュータ、タッチパッド、および固定されたコンピュータのうち少なくとも1つである、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記POS端末はレジであり、前記レジによりメッセージを生成するように適合される、請求項10記載のシステム。
【請求項15】
前記POS端末が前記購入者に領収書(32)を生成するように適合される、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記POS端末は仮想的なPOS端末である、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記POS端末はインターネット上で利用可能なオンラインショップである、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記POS端末は前記小売業者に関連するサーバであり、しかも前記サーバが、前記取引システム(3)への少なくとも1つのメッセージを生成し、かつ前記取引システムからメッセージを受け取るように適合される、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
コンピュータプログラムであって、携帯デバイス(11)により実行されたときに、カメラおよび無線周波受信機のうち少なくとも1つを備える前記携帯デバイスが、
場面を撮るカメラ、および前記IDを読み取る無線周波受信機のうち前記少なくとも一方を用いて、単一のPOS端末で前記携帯デバイス内のソフトウェアによりIDを読み取るステップ
を行うことが可能になるコンピュータ・プログラム・コードを備えるコンピュータプログラム。
【請求項20】
前記携帯デバイス(11)に関連する適切な部分が、プログラムコードで請求項1~13の前記方法を行う、請求項19に記載のコンピュータプログラム。
【請求項21】
コンピュータプログラムであって、単一のPOS端末(21、24)により実行されたときに、前記POS端末に関連する適切な部分がプログラムコードで請求項1~13の方法ステップを行う前記POS端末が、
前記伝送を行うように前記POS端末を促すことにより、前記POS端末のIDを伝送するステップ、および
前記購入者(1)および前記小売業者(2)の口座の情報が登録されている取引システム(3)に前記IDを伝送するステップ、および
決済確認または拒否を要求するステップ
を行うことを可能にするコンピュータ・プログラム・コードを備えるコンピュータプログラム。
【請求項22】
コンピュータプログラムであって、前記購入者(1)および前記小売業者(2)の口座の情報が登録されている取引システム(3)により実行されたときに、前記システムが、プログラムコードで請求項1~13の前記方法ステップの適切な部分を行って:
携帯デバイスおよびPOS端末から伝送されたIDを照合するステップ、
携帯デバイスおよびPOS端末の間での購入において口座を精算するステップ、および
メッセージを前記POS端末および前記携帯デバイスに伝送するステップ
を行うことを可能にするコンピュータ・プログラム・コードを備えるコンピュータプログラム。」
(2)本件補正前の、平成27年2月26日付の誤訳訂正書による特許請求の範囲の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
取引システム(3)を用いて購入者(1)および小売業者(2)を識別するための方法であって、前記購入者が、前記小売業者(2)のPOS(店舗販売時点情報管理)端末(21、24)の前におり、前記購入者(1)および前記小売業者(2)の間で安全な電子決済を行っており、それにより、前記購入者(1)が、購入を行うために利用されるカメラ、無線周波受信機および無線周波送信機のうち少なくとも1つを備える携帯デバイス(11)を有し:
前記POS端末(21、24)も前記購入者の携帯デバイス(11)も、前記購入者(1)および前記小売業者(2)の口座の情報が登録されている取引システム(3)と通信し、前記取引システム(3)が、異なる通信チャネルを通して通信されることにより、前記購入者(1)から前記小売業者(2)への決済の移動を精算し、それにより、前記POS端末が有線の第1の通信チャネルおよび無線の第1の通信チャネルのうち少なくとも一方を通して通信し、前記携帯デバイスが無線周波数による第2のチャネルを介して無線で通信すること;
それぞれの単一の購入に、前記取引システムにより固有の取引信用照会が提供されること;
前記携帯デバイス(11)が、前記単一のPOS端末を固有に識別する、前記POS端末(3)に配置されたタグ(24’)を写真に撮るカメラおよび読み取る無線周波受信機のうち前記少なくとも一方を用いて前記POS端末(3)を識別するように前記購入者(1)により動作させられること;
前記携帯デバイス(11)により、少なくとも1つの署名されたメッセージを生成し、前記第2のチャネルを通して前記取引システム(3)に伝送し、前記メッセージは、写真に撮られたタグ(24’)および読み取られたタグ(24’)のうち少なくとも一方をソフトウェアが処理することにより得られる前記POS端末(21、24)のIDおよび前記携帯デバイス(11)の前記IDを備えること;
自動的に促すことにより、前記POS端末(21、24)により少なくとも1つのメッセージを生成し、前記第2のチャネル上で前記携帯デバイスから前記取引システム(3)に伝送された前記メッセージと時間に関して独立に区別される前記少なくとも1つのメッセージを前記第1のチャネル上で前記取引システム(3)に転送し、前記少なくとも1つのメッセージが、少なくとも、前記POS端末の前記ID、および前記購入者(1)により支払われるべき金額を備えること;
前記第1のチャネルを通して前記POS端末(21、24)から伝送された前記少なくとも1つのメッセージを、前記第2のチャネルを通して前記携帯デバイス(11)から伝送された前記メッセージと、前記取引システムにより照合して、前記POS端末(21、24)の前記IDにより類似性を判定すること;および
前記照合により、前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルを介して伝送された前記POS端末(21、24)のID間の類似性が判定された場合、前記購入者(1)が、開始の許可を前記取引システムに伝送するように前記携帯デバイスを促すことにより、支払われるべき金額を許可し、したがって、前記購入者の詳細が前記POS端末(21、24)に対して匿名ではあるが、前記POS端末(21、24)のIDも前記購入者(1)のIDも前記取引システム(3)により知られ、前記取引システム(3)が、前記購入者(1)からの決済を引き出し、かつ単一の購入に提供される前記固有の取引信用照会に対して前記POS端末(3)に関連する口座の貸方に記入することにより前記決済を精算すること
を備えることにより特徴づけられる方法。
【請求項2】
前記購入者(1)が前記携帯デバイス(11)上で個人コードを利用して、支払われるべき前記金額を承認する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タグ(24’)は、バーコード、クイック・レスポンス・コード、データマトリックス、RFIDタグ、および独自のコードのうち少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ポータブルデバイスがPOS端末(21、24)として機能し、しかも2者が、すなわち、パーソナルデバイスの所有者および携帯デバイス(11)を持っている前記購入者が、前記デバイスを利用して、前記購入者から前記POS端末のデバイスの前記所有者に資金を移動し、前記デバイスは、前記取引システムにアクセスできるデバイスであり、それにより、前記POS端末(21、24)は、携帯電話、スマートホン、ラップトップコンピュータ、タッチパッド、および固定されたコンピュータのうち少なくとも1つである、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記POS端末はレジであり、前記レジによりメッセージを生成している、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記POS端末が前記購入者に領収書(32)を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記POS端末は仮想的なPOS端末である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記POS端末はインターネット上で利用可能なオンラインショップである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記POS端末は、前記小売業者(2)に関連するサーバであり、しかも前記サーバが、前記取引システム(3)への少なくとも1つのメッセージを生成し、前記取引システム(3)からメッセージを受け取る、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
購入者(1)および小売業者(2)を識別するように適合されたシステム(A)であって、前記購入者が、前記小売業者(2)のPOS端末の前におり、前記購入者(1)および前記小売業者(2)の間で安全な電子決済を行っており、それにより、前記購入者が、購入を行うために利用されるカメラ、無線周波受信機および無線周波送信機のうち少なくとも1つを備える携帯デバイス(11)を有し:
前記POS端末(21、24)および前記購入者(1)の両方と通信するために利用される、前記購入者(1)および前記小売業者(2)の口座の情報が登録されている取引システム(3)であって、異なる通信チャネルを通して通信されることにより、前記購入者(1)から前記小売業者(2)への決済の移動を精算し、それにより、前記POS端末(21、24)が有線の第1の通信チャネルおよび無線の第1の通信チャネルのうち少なくとも一方を通して通信し、前記携帯デバイス(11)が無線による第2のチャネルを介して無線で通信する取引システム(3);
それぞれの単一の購入に、固有の取引信用照会を提供するように適合された取引システム内の手段;
前記適合された携帯デバイス(11)が、前記単一のPOS端末を固有に識別する、前記POS端末(21、24)に配置されたタグ(24’)を写真に撮るカメラおよび読み取る無線周波受信機のうち前記少なくとも一方を用いて、前記POS端末(21、24)を識別するように、前記購入者(1)により動作させられること;
前記携帯デバイス(11)により、少なくとも1つの署名されたメッセージを生成し、かつ前記第2のチャネルを通して前記取引システム(3)に伝送するように適合されたソフトウェアであって、前記メッセージは、前記写真に撮られたタグ(24’)および前記読み取られたタグ(24’)のうち少なくとも一方をソフトウェアが処理することにより得られる前記POS端末(21、24)のIDおよび前記携帯デバイスの前記IDを備えるソフトウェア;
自動的に促すことにより、前記POS端末(21、24)により少なくとも1つのメッセージを生成するように適合され、前記第2のチャネル上で前記携帯デバイスから前記取引システムに伝送された前記メッセージと時間に関して独立に区別される前記少なくとも1つのメッセージを前記第1のチャネル上で前記取引システム(3)に転送し、前記少なくとも1つのメッセージは、少なくとも、前記POS端末(21、24)の前記ID、および前記購入者(1)により支払われるべき金額を備えること;
前記第1のチャネルを通して前記POS端末(21、24)から伝送された前記少なくとも1つの暗号化されたメッセージを、前記第2のチャネルを通して前記携帯デバイス(11)から伝送された前記少なくとも1つのメッセージと、取引システム(3)により照合して、前記POS端末(21、24)の前記IDにより類似性を判定するように適合されたソフトウェア照合手段;および
前記照合により、前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルを介して伝送された前記POS端末(21、24)のID間の類似性が判定された場合、前記購入者(1)が、開始の許可を前記取引システム(3)に伝送するように前記携帯デバイス(11)を促すことにより、支払われるべき前記金額を承認する、承認するための手段であって、したがって、前記購入者(1)の詳細が前記POS端末に対して匿名ではあるが、前記POS端末のIDも前記購入者のIDも前記取引システム(3)により知られ、前記取引システム(3)が、前記購入者(1)から決済を引き出し、かつ単一の購入に提供される前記固有の取引信用照会に対して前記POS端末(21、24)に関連する口座の貸方に記入することにより前記決済を精算する、承認するための手段
を備えることにより特徴づけられるシステム(A)。
【請求項11】
前記購入者(1)が前記携帯デバイス(11)に入力された個人コードを利用して、支払われるべき前記金額を承認する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記タグ(24’)は、バーコード、クイック・レスポンス・コード、データマトリックス、RFIDタグ、および独自のコードのうち少なくとも1つである、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
ポータブルデバイスがPOS端末(21、24)として機能するように適合し、2者が、すなわち、パーソナルデバイスの所有者および携帯デバイス(11)を持っている前記購入者(1)が、前記デバイス(11)を利用して、前記購入者(1)から前記POS端末のデバイス(21、24)の前記所有者に資金を移動し、前記デバイスは、前記取引システム(3)にアクセスできるデバイスであり、それにより、前記POS端末は、携帯電話、スマートホン、ラップトップコンピュータ、タッチパッド、および固定されたコンピュータのうち少なくとも1つである、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記POS端末はレジであり、前記レジによりメッセージを生成するように適合される、請求項10記載のシステム。
【請求項15】
前記POS端末が前記購入者に領収書(32)を生成するように適合される、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記POS端末は仮想的なPOS端末である、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記POS端末はインターネット上で利用可能なオンラインショップである、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記POS端末は前記小売業者に関連するサーバであり、しかも前記サーバが、前記取引システム(3)への少なくとも1つのメッセージを生成し、かつ前記取引システムからメッセージを受け取るように適合される、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
コンピュータプログラムであって、携帯デバイス(11)により実行されたときに、カメラおよび無線周波受信機のうち少なくとも1つを備える前記携帯デバイスが:
場面を撮るカメラ、および前記IDを読み取る無線周波受信機のうち前記少なくとも一方を用いて、単一のPOS端末で前記携帯デバイス内のソフトウェアによりIDを読み取るステップ
を行うことが可能になるコンピュータ・プログラム・コードを備えるコンピュータプログラム。
【請求項20】
前記携帯デバイス(11)に関連する適切な部分が、プログラムコードで請求項1~13の前記方法を行う、請求項19に記載のコンピュータプログラム。
【請求項21】
コンピュータプログラムであって、単一のPOS端末(21、24)により実行されたときに、前記POS端末に関連する適切な部分がプログラムコードで請求項1~13の方法ステップを行う前記POS端末が:
前記伝送を行うように前記POS端末を促すことにより、前記POS端末のIDを伝送するステップ;および
前記購入者(1)および前記小売業者(2)の口座の情報が登録されている取引システム(3)に前記IDを伝送するステップ;および
決済確認または拒否を要求するステップ
を行うことを可能にするコンピュータ・プログラム・コードを備えるコンピュータプログラム。
【請求項22】
コンピュータプログラムであって、前記購入者(1)および前記小売業者(2)の口座の情報が登録されている取引システム(3)により実行されたときに、前記システムが、プログラムコードで請求項1~13の前記方法ステップの適切な部分を行って:
携帯デバイスおよびPOS端末から伝送されたIDを照合するステップ;
携帯デバイスおよびPOS端末の間での購入において口座を精算するステップ;および メッセージを前記POS端末および前記携帯デバイスに伝送するステップ
を行うことを可能にするコンピュータ・プログラム・コードを備えるコンピュータプログラム。」
(3)本件補正の内容
ア 請求項1について
(ア)請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「取引システム(3)を用いて購入者(1)および小売業者(2)を識別するための方法であって」について、「取引システム(3)を用いて小売店業者(2)における購入者(1)、POS(店舗販売時点情報管理)端末(21、24)を識別するための方法であって」として、取引システムを用いた方法であることが明確になるように、方法の主体が購入者ではなく、取引システムとなるように表現の修正を行ったものであり、当該補正は、平成26年8月18日付け拒絶理由通知に係る拒絶の理由2(特許法第36条第6項第2号)および理由3(特許法第29条第1項柱書)に示す事項について、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
(イ)請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記購入者が、前記小売業者(2)のPOS(店舗販売時点情報管理)端末(21、24)の前におり、前記購入者(1)および前記小売業者(2)の間で安全な電子決済を行っており、それにより、前記購入者(1)が、購入を行うために利用されるカメラ、無線周波受信機および無線周波送信機のうち少なくとも1つを備える携帯デバイス(11)を有し:」について、「前記購入者(1)と前記小売業者(2)との間で安全な電子決済を行い、前記購入者(1)は、購入を行うために利用されるカメラ、無線周波受信機および無線周波送信機のうち少なくとも1つを備える携帯デバイス(11)を有しており、」として、取引システムを用いた方法であることが明確になるように、方法の主体が購入者ではなく、取引システムとなるように表現の修正を行ったものであり、当該補正は、前記(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
(ウ)請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記POS端末(21、24)も前記購入者の携帯デバイス(11)も、前記購入者(1)および前記小売業者(2)の口座の情報が登録されている取引システム(3)と通信し、前記取引システム(3)が、異なる通信チャネルを通して通信されることにより、前記購入者(1)から前記小売業者(2)への決済の移動を精算し、それにより、前記POS端末が有線の第1の通信チャネルおよび無線の第1の通信チャネルのうち少なくとも一方を通して通信し、前記携帯デバイスが無線周波数による第2のチャネルを介して無線で通信すること;」について、「前記POS端末(21、24)および前記購入者の両方からの通信を受け取る、前記購入者(1)および前記小売業者(2)の口座の情報が登録されている取引システム(3)であって、異なる通信チャネルを通して通信されることにより、前記購入者(1)から前記小売業者(2)への決済の移動を精算し、前記POS端末から有線の第1の通信チャネルおよび無線の第1の通信チャネルのうち少なくとも一方を通した通信を受け取り、前記携帯デバイスからの無線周波数による第2のチャネルを介した無線での通信を受け取り、」として、取引システムを用いた方法であることが明確になるように、方法の主体が購入者ではなく、取引システムとなるように表現の修正を行ったものであり、当該補正は、前記(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
(エ)請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「それぞれの単一の購入に、前記取引システムにより固有の取引信用照会が提供されること;」について、「前記取引システム(3)を含み、前記取引システム(3)は、前記購入のそれぞれに、固有の参照IDを提供し、」として、取引システムを用いた方法であることが明確になるように、方法の主体が購入者ではなく、取引システムとなるように表現の修正を行ったものであり、また、「固有の取引信用照会」を、出願時の「固有の参照ID」に戻し、「固有の参照ID」が、購入者によって行われる購入を識別するために、取引システム(3)によって購入ごとに与えられるIDであることを明確にしたものであり、当該補正は、前記(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
(オ)請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記携帯デバイス(11)が、前記単一のPOS端末を固有に識別する、前記POS端末(3)に配置されたタグ(24’)を写真に撮るカメラおよび読み取る無線周波受信機のうち前記少なくとも一方を用いて前記POS端末(3)を識別するように前記購入者(1)により動作させられること;」について、削除して、取引システムを用いた方法であることが明確になるように、方法の主体が購入者ではなく、取引システムとなるように表現の修正を行ったものであり、当該補正は、前記(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
(カ)請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記携帯デバイス(11)により、少なくとも1つの署名されたメッセージを生成し、前記第2のチャネルを通して前記取引システム(3)に伝送し、前記メッセージは、写真に撮られたタグ(24’)および読み取られたタグ(24’)のうち少なくとも一方をソフトウェアが処理することにより得られる前記POS端末(21、24)のIDおよび前記携帯デバイス(11)の前記IDを備えること;」について、「前記取引システム(3)は、前記携帯デバイス(11)により生成され、伝送された、少なくとも1つの署名されたメッセージを、前記第2のチャネルを通して受け取り、前記メッセージは、視覚的に認識され、前記携帯デバイス(11)によって読み取られたタグ(24’)から得られる前記POS端末(21、24)のIDおよび前記携帯デバイス(11)のIDを備え、」として、取引システムを用いた方法であることが明確になるように、方法の主体が購入者ではなく、取引システムとなるように表現の修正を行ったものであり、当該補正は、前記(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
(キ)請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「自動的に促すことにより、前記POS端末(21、24)により少なくとも1つのメッセージを生成し、前記第2のチャネル上で前記携帯デバイスから前記取引システム(3)に伝送された前記メッセージと時間に関して独立に区別される前記少なくとも1つのメッセージを前記第1のチャネル上で前記取引システム(3)に転送し、前記少なくとも1つのメッセージが、少なくとも、前記POS端末の前記ID、および前記購入者(1)により支払われるべき金額を備えること;」について、「前記取引システム(3)は、前記POS端末(21、24)により自動的に促されることによって生成され、伝送された、少なくとも1つのメッセージであって、前記第2のチャネル上で前記携帯デバイスから前記取引システム(3)に伝送された前記携帯デバイスのメッセージとは独立した、少なくとも1つのメッセージを前記第1のチャネル上で受け取り、前記少なくとも1つのメッセージが、少なくとも、前記POS端末(12、24)のID、および前記購入者(1)により支払われるべき金額を備えており、」として、取引システムを用いた方法であることが明確になるように、方法の主体が購入者ではなく、取引システムとなるように表現の修正を行ったものであり、当該補正は、前記(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
(ク)請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記第1のチャネルを通して前記POS端末(21、24)から伝送された前記少なくとも1つのメッセージを、前記第2のチャネルを通して前記携帯デバイス(11)から伝送された前記メッセージと、前記取引システムにより照合して、前記POS端末(21、24)の前記IDにより類似性を判定すること;および」について、「前記第1のチャネルを通して前記POS端末(21、24)から伝送された前記少なくとも1つのメッセージを、前記第2のチャネルを通して前記携帯デバイス(11)から伝送された前記メッセージと、前記取引システムにより照合して、前記POS端末(21、24)の前記IDにより類似性を判定し、」として、取引システムを用いた方法であることが明確になるように、方法の主体が購入者ではなく、取引システムとなるように表現の修正を行ったものであり、当該補正は、前記(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
(ケ)請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記照合により、前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルを介して伝送された前記POS端末(21、24)のID間の類似性が判定された場合、前記購入者(1)が、開始の許可を前記取引システムに伝送するように前記携帯デバイスを促すことにより、支払われるべき金額を許可し、」について、「前記取引システム(3)は、支払われるべき金額の購入者(1)の承認を含む、前記携帯デバイスによって伝送された開始の許可の信号を受け取り、」として、取引システムを用いた方法であることが明確になるように、方法の主体が購入者ではなく、取引システムとなるように表現の修正を行ったものであり、当該補正は、前記(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
(コ)請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「したがって、前記購入者の詳細が前記POS端末(21、24)に対して匿名ではあるが、前記POS端末(21、24)のIDも前記購入者(1)のIDも前記取引システム(3)により知られ、前記取引システム(3)が、前記購入者(1)からの決済を引き出し、かつ単一の購入に提供される前記固有の取引信用照会に対して前記POS端末(3)に関連する口座の貸方に記入することにより前記決済を精算すること」について、「前記購入者の詳細が前記POS端末(21、24)に対して匿名ではあるが、前記POS端末(21、24)のIDも前記購入者(1)のIDも前記取引システム(3)により知られ、前記取引システム(3)が、前記購入者(1)からの決済を引き出し、かつ単一の購入に提供される前記固有の参照IDに対して前記POS端末(3)に関連する口座の貸方に記入することにより前記決済を精算すること」として、取引システムを用いた方法であることが明確になるように、方法の主体が購入者ではなく、取引システムとなるように表現の修正を行ったものであり、また、「固有の取引信用照会」を、出願時の「固有の参照ID」に戻し、「固有の参照ID」が、購入者によって行われる購入を識別するために、取引システム(3)によって購入ごとに与えられるIDであることを明確にしたものであり、当該補正は、前記(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
イ 請求項2について
請求項2に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記購入者(1)が前記携帯デバイス(11)上で個人コードを利用して、支払われるべき前記金額を承認する」について、「前記取引システム(3)が、前記購入者(1)が前記携帯デバイス(11)上で個人コードを利用して、支払われるべき前記金額を承認させる」として、取引システムを用いた方法であることが明確になるように、方法の主体が購入者ではなく、取引システムとなるように表現の修正を行ったものであり、当該補正は、前記ア(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
ウ 請求項6について
請求項6に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記POS端末が前記購入者に領収書(32)を生成する」について、「前記取引システム(3)が、前記POS端末に、前記購入者に対して領収書(32)を生成させる」として、取引システムを用いた方法であることが明確になるように、方法の主体が購入者ではなく、取引システムとなるように表現の修正を行ったものであり、当該補正は、前記ア(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
エ 請求項9について
請求項9に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記POS端末は、前記小売業者(2)に関連するサーバであり、しかも前記サーバが、前記取引システム(3)への少なくとも1つのメッセージを生成し、前記取引システム(3)からメッセージを受け取る」について、「前記POS端末は、前記小売業者(2)に関連するサーバであり、前記取引システム(3)が、前記サーバによって生成された少なくとも1つのメッセージを受け取り、前記サーバへのメッセージを生成する」として、取引システムを用いた方法であることが明確になるように、方法の主体が購入者ではなく、取引システムとなるように表現の修正を行ったものであり、当該補正は、前記ア(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
オ 請求項10について
(ア)請求項10に記載した発明を特定するために必要な事項である「購入者(1)および小売業者(2)を識別するように適合されたシステム(A)であって」について、「小売店業者(2)における購入者(1)、POS(店舗販売時点情報管理)端末(21、24)を識別するように適合されたシステム(A)であって」として、システム(A)の構成が明確になるように、表現の修正を行ったものであり、当該補正は、前記ア(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
(イ)請求項10に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記購入者が、前記小売業者(2)のPOS端末の前におり、前記購入者(1)および前記小売業者(2)の間で安全な電子決済を行っており、それにより、前記購入者が、購入を行うために利用されるカメラ、無線周波受信機および無線周波送信機のうち少なくとも1つを備える携帯デバイス(11)を有し:」について、「前記購入者(1)および前記小売業者(2)の間で安全な電子決済を行っており、それにより、前記購入者が、購入を行うために利用されるカメラ、無線周波受信機および無線周波送信機のうち少なくとも1つを備える携帯デバイス(11)を有し、」として、末尾の「:」を「、」へと誤記を修正したものであり、特許法第17条の2第5項第3号に規定する誤記の訂正を目的とするものに該当する。
(ウ)請求項10に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記POS端末(21、24)および前記購入者(1)の両方と通信するために利用される、前記購入者(1)および前記小売業者(2)の口座の情報が登録されている取引システム(3)であって、異なる通信チャネルを通して通信されることにより、前記購入者(1)から前記小売業者(2)への決済の移動を精算し、それにより、前記POS端末(21、24)が有線の第1の通信チャネルおよび無線の第1の通信チャネルのうち少なくとも一方を通して通信し、前記携帯デバイス(11)が無線による第2のチャネルを介して無線で通信する取引システム(3);」について、「前記POS端末(21、24)および前記購入者(1)の両方と通信するために利用される、前記購入者(1)および前記小売業者(2)の口座の情報が登録されている取引システム(3)であって、異なる通信チャネルを通して通信されることにより、前記購入者(1)から前記小売業者(2)への決済の移動を精算し、それにより、前記POS端末(21、24)が有線の第1の通信チャネルおよび無線の第1の通信チャネルのうち少なくとも一方を通して通信し、前記携帯デバイス(11)が無線による第2のチャネルを介して無線で通信する取引システム(3)、」として、末尾の「;」を「、」へと誤記を修正したものであり、前記(イ)と同様、誤記の訂正を目的とするものである。
(エ)請求項10に記載した発明を特定するために必要な事項である「それぞれの単一の購入に、固有の取引信用照会を提供するように適合された取引システム内の手段;」について、「それぞれの購入に、固有の参照IDを提供するように適合された取引システム内の手段、」として、「固有の取引信用照会」を、出願時の「固有の参照ID」に戻し、「固有の参照ID」が、購入者によって行われる購入を識別するために、取引システム(3)によって購入ごとに与えられるIDであることを明確にしたものであり、当該補正は、前記ア(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。さらに、末尾の「;」を「、」へと誤記を修正したものであり、前記(イ)と同様、誤記の訂正を目的とするものである。
(オ)請求項10に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記適合された携帯デバイス(11)が、前記単一のPOS端末を固有に識別する、前記POS端末(21、24)に配置されたタグ(24’)を写真に撮るカメラおよび読み取る無線周波受信機のうち前記少なくとも一方を用いて、前記POS端末(21、24)を識別するように、前記購入者(1)により動作させられること;」について、「前記適合された携帯デバイス(11)が、前記単一のPOS端末を固有に識別する、前記POS端末(21、24)に配置されたタグ(24’)を写真に撮るカメラおよび読み取る無線周波受信機のうち前記少なくとも一方を用いて、前記POS端末(21、24)を識別するように、前記購入者(1)により動作させられること、」として、末尾の「;」を「、」へと誤記を修正したものであり、前記(イ)と同様、誤記の訂正を目的とするものである。
(カ)請求項10に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記第1のチャネルを通して前記POS端末(21、24)から伝送された前記少なくとも1つの暗号化されたメッセージを、前記第2のチャネルを通して前記携帯デバイス(11)から伝送された前記少なくとも1つのメッセージと、取引システム(3)により照
合して、前記POS端末(21、24)の前記IDにより類似性を判定するように適合されたソフトウェア照合手段;」について、「前記携帯デバイス(11)により、少なくとも1つの署名されたメッセージを生成し、かつ前記第2のチャネルを通して前記取引システム(3)に伝送するように適合されたソフトウェアであって、前記メッセージは、前記写真に撮られたタグ(24’)および前記読み取られたタグ(24’)のうち少なくとも一方をソフトウェアが処理することにより得られる前記POS端末(21、24)のIDおよび前記携帯デバイスの前記IDを備えるソフトウェア、」として、末尾の「ソフトウェア照合手段;」を「ソフトウェア、」へと誤記を修正したものであり、前記(イ)と同様、誤記の訂正を目的とするものである。
(キ)請求項10に記載した発明を特定するために必要な事項である「自動的に促すことにより、前記POS端末(21、24)により少なくとも1つのメッセージを生成するように適合され、前記第2のチャネル上で前記携帯デバイスから前記取引システムに伝送された前記メッセージと時間に関して独立に区別される前記少なくとも1つのメッセージを前記第1のチャネル上で前記取引システム(3)に転送し、前記少なくとも1つのメッセージは、少なくとも、前記POS端末(21、24)の前記ID、および前記購入者(1)により支払われるべき金額を備えること;」について、「自動的に促すことにより、前記POS端末(21、24)により少なくとも1つのメッセージを生成するように適合され、前記第2のチャネル上で前記携帯デバイスから前記取引システムに伝送された前記メッセージと時間に関して独立に区別される前記少なくとも1つのメッセージを前記第1のチャネル上で前記取引システム(3)に転送し、前記少なくとも1つのメッセージは、少なくとも、前記POS端末(21、24)の前記ID、および前記購入者(1)により支払われるべき金額を備えること、」として、末尾の「;」を「、」へと誤記を修正したものであり、前記(イ)と同様、誤記の訂正を目的とするものである。
(ク)請求項10に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記第1のチャネルを通して前記POS端末(21、24)から伝送された前記少なくとも1つの暗号化されたメッセージを、前記第2のチャネルを通して前記携帯デバイス(11)から伝送された前記少なくとも1つのメッセージと、取引システム(3)により照合して、前記POS端末(21、24)の前記IDにより類似性を判定するように適合されたソフトウェア照合手段;」について、「前記第1のチャネルを通して前記POS端末(21、24)から伝送された前記少なくとも1つの暗号化されたメッセージを、前記第2のチャネルを通して前記携帯デバイス(11)から伝送された前記少なくとも1つのメッセージと、取引システム(3)により照合して、前記POS端末(21、24)の前記IDにより類似性を判定するように適合されたソフトウェア照合手段、」として、末尾の「;」を「、」へと誤記を修正したものであり、前記(イ)と同様、誤記の訂正を目的とするものである。
(ケ)請求項10に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記照合により、前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルを介して伝送された前記POS端末(21、24)のID間の類似性が判定された場合、前記購入者(1)が、開始の許可を前記取引システム(3)に伝送するように前記携帯デバイス(11)を促すことにより、支払われるべき前記金額を承認する、承認するための手段であって、したがって、前記購入者(1)の詳細が前記POS端末に対して匿名ではあるが、前記POS端末のIDも前記購入者のIDも前記取引システム(3)により知られ、前記取引システム(3)が、前記購入者(1)から決済を引き出し、かつ単一の購入に提供される前記固有の取引信用照会に対して前記POS端末(21、24)に関連する口座の貸方に記入することにより前記決済を精算する、承認するための手段」について、「前記照合により、前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルを介して伝送された前記POS端末(21、24)のID間の類似性が判定された場合、前記購入者(1)が、開始の許可を前記取引システム(3)に伝送するように前記携帯デバイス(11)を促すことにより、支払われるべき前記金額を承認する、承認するための手段であって、したがって、前記購入者(1)の詳細が前記POS端末に対して匿名ではあるが、前記POS端末のIDも前記購入者のIDも前記取引システム(3)により知られ、前記取引システム(3)が、前記購入者(1)から決済を引き出し、かつ単一の購入に提供される前記固有の参照IDに対して前記POS端末(21、24)に関連する口座の貸方に記入することにより前記決済を精算する、承認するための手段」として、「固有の取引信用照会」を、出願時の「固有の参照ID」に戻し、「固有の参照ID」が、購入者によって行われる購入を識別するために、当該補正は、前記ア(ア)と同様、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
カ 請求項19について
請求項19に記載した発明を特定するために必要な事項である「携帯デバイス(11)により実行されたときに、カメラおよび無線周波受信機のうち少なくとも1つを備える前記携帯デバイスが:」について、「携帯デバイス(11)により実行されたときに、カメラおよび無線周波受信機のうち少なくとも1つを備える前記携帯デバイスが、」として、末尾の「:」を「、」へと誤記を修正したものであり、前記オ(イ)と同様、誤記の訂正を目的とするものである。
キ 請求項21について
(ア)請求項21に記載した発明を特定するために必要な事項である「単一のPOS端末(21、24)により実行されたときに、前記POS端末に関連する適切な部分がプログラムコードで請求項1~13の方法ステップを行う前記POS端末が:」について、「単一のPOS端末(21、24)により実行されたときに、前記POS端末に関連する適切な部分がプログラムコードで請求項1~13の方法ステップを行う前記POS端末が、」として、末尾の「:」を「、」へと誤記を修正したものであり、前記オ(イ)と同様、誤記の訂正を目的とするものである。
(イ)請求項21に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記伝送を行うように前記POS端末を促すことにより、前記POS端末のIDを伝送するステップ;」について、「前記伝送を行うように前記POS端末を促すことにより、前記POS端末のIDを伝送するステップ、」として、末尾の「;」を「、」へと誤記を修正したものであり、前記オ(イ)と同様、誤記の訂正を目的とするものである。
(ウ)請求項21に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記購入者(1)および前記小売業者(2)の口座の情報が登録されている取引システム(3)に前記IDを伝送するステップ;」について、「前記購入者(1)および前記小売業者(2)の口座の情報が登録されている取引システム(3)に前記IDを伝送するステップ、」として、末尾の「;」を「、」へと誤記を修正したものであり、前記オ(イ)と同様、誤記の訂正を目的とするものである。
ク 請求項22について
(ア)請求項22に記載した発明を特定するために必要な事項である「携帯デバイスおよびPOS端末から伝送されたIDを照合するステップ;」について、「携帯デバイスおよびPOS端末から伝送されたIDを照合するステップ、」として、末尾の「;」を「、」へと誤記を修正したものであり、前記オ(イ)と同様、誤記の訂正を目的とするものである。
(イ)請求項22に記載した発明を特定するために必要な事項である「携帯デバイスおよびPOS端末の間での購入において口座を精算するステップ;」について、「携帯デバイスおよびPOS端末の間での購入において口座を精算するステップ、」として、末尾の「;」を「、」へと誤記を修正したものであり、前記オ(イ)と同様、誤記の訂正を目的とするものである。
ケ したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の要件を満たしている。
また、本件補正は、新規事項を追加するものではないから特許法第17条の2第3項の要件を満たしている。
第3 本願発明の特許要件についての検討
1.本願発明
本件補正後の本願の請求項19には、以下の通り記載されている(下線部は、当審で付加した。)。
「【請求項19】
コンピュータプログラムであって、携帯デバイス(11)により実行されたときに、カメラおよび無線周波受信機のうち少なくとも1つを備える前記携帯デバイスが、
場面を撮るカメラ、および前記IDを読み取る無線周波受信機のうち前記少なくとも一方を用いて、単一のPOS端末で前記携帯デバイス内のソフトウェアによりIDを読み取るステップ
を行うことが可能になるコンピュータ・プログラム・コードを備えるコンピュータプログラム。」
ここで、「前記ID」に対応する「ID」がそれ以前の記載中に見当たらないため、意味が不明瞭となっている。
本願に対応する国際公開公報WO2013/048322の対応するclaim 19には、以下のように記載されている(下線部は、当審で付加した。)。
「19. A computer program product comprising computer program code, which, when executed by a mobile device (11) enables said mobile device, comprising at least one of a camera, and a radio frequency receiver, to perform the steps of:
reading an identity by software in said mobile device at a single point of sale by means of said at least one of a camera taking a footage, and a radio frequency receiver reading said identity. 」
つまり、「the steps of: reading an identity by software in said mobile device at a single point of sale」に対応する日本語訳「単一のPOS端末で前記携帯デバイス内のソフトウェアによりIDを読み取るステップ」と、「by means of said at least one of a camera taking a footage, and a radio frequency receiver reading said identity. 」に対応する日本語訳「場面を撮るカメラ、および前記IDを読み取る無線周波受信機のうち前記少なくとも一方を用いて、」とが、英文での出現順序と、日本語訳での出現順序が逆になっているため、単純に直訳してしまうと、「前記ID」が指し示す「ID」の方が後に出現することとなり、不明瞭になっていると推察される。
したがって、本願の請求項19に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、2つの「ID」同じものであることを日本語として明瞭になるように、以下の通りのものとして取り扱う(下線部が、変更箇所を示している。)。
「【請求項19】
コンピュータプログラムであって、携帯デバイス(11)により実行されたときに、カメラおよび無線周波受信機のうち少なくとも1つを備える前記携帯デバイスが、
場面を撮るカメラ、およびIDを読み取る無線周波受信機のうち前記少なくとも一方を用いて、単一のPOS端末で前記携帯デバイス内のソフトウェアにより前記IDを読み取るステップ
を行うことが可能になるコンピュータ・プログラム・コードを備えるコンピュータプログラム。」
2.引用例
(1) 引用例1
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2007-34980号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付加した。)
ア「【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗において経済財を購入する際に用いる通信端末、店舗においてユーザが経済財を購入する際に決済を行う決済サーバ、それらを利用する決済システム、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来クレジットカードを用いて経済財(商品、サービス等)を購入する場合、ユーザは自身のクレジットカード番号といった自己を特定する情報を店舗に渡し、店舗はそのクレジットカード番号や店舗を特定する情報等と共に経済財の対価といった情報をクレジットカード会社の決済サーバへ送信する。そして、決済サーバでは受信した情報に基づいて決済処理を行い、その結果を送信元の店舗端末へ返送している。
【0003】
具体的に例を挙げて説明すると、商品を購入するユーザは、商品を販売する店舗又はインターネットのサイトに対して、クレジットカード番号、有効期限、及び氏名といったユーザ情報を通知する。この通知には、クレジットカードをカードリーダに通したり、クレジットカード番号等をウェブサイトへ送信したりすることで行われていた。店舗又はウェブサイトは、得られたユーザ情報をクレジットカード会社へ送信し、クレジットカード会社にて与信(決済)を行った結果を受信していた。この与信(決済)結果が販売可能であるとのものであれば、店舗又はウェブサイトはユーザに商品を渡し、店舗又はウェブサイトはクレジットカード会社から商品代金を受け取っていた。またユーザは、後日クレジットカード会社へ商品代金を支払っていた。尚、このような決済スキームは文献公知発明に係るものではないので、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のクレジットカード決済スキームでは、クレジットカード番号といったユーザを特定する情報を店舗に受け渡すこととしている。従って、悪意の第三者によってそのクレジットカード番号が読み取られてしまう可能性がある。
【0005】
具体的に例を挙げて説明すると、ユーザが店舗でクレジットカードを用いる場合、そのクレジットカードを店舗のカードリーダにスワイプしてクレジットカードの情報を店舗に受け渡す。その後、カードリーダにて読み取った情報をクレジットカード会社まで送信する。従って、クレジットカードリーダとクレジットカード会社までの間にその情報を盗み取る装置を設置した場合や、店舗の関係者によってその情報が盗み取られる場合もある。
【0006】
そこで本発明では、クレジットカード番号といったユーザを特定する情報を悪意の第三者に読み取られる可能性を効果的に減少させることが可能な通信端末、決済サーバ、それらを利用した決済システム、及び情報処理装置を提供することを目的とする。」
イ「【0024】
本発明の実施形態である決済システムについて図1を参照しながら説明する。図1は決済システム1の構成を示す図である。決済システム1は、携帯電話機10(通信端末、移動局)と、店舗端末20と、決済サーバ30とを備えている。引き続いて、決済システム1の各構成要素について説明する。
【0025】
まず、携帯電話機10について説明する。携帯電話機10は、この決済システム1を利用して経済財(商品、サービス等)を購入する際にユーザが用いるものである。携帯電話機10は、通話機能やデータ通信機能といった通常の携帯電話機としての機能を果たすための物理的な構成要素に加えて、赤外線通信手段やニアフィールド通信手段としての非接触ICリーダといった短距離通信手段も備えている。携帯電話機10は機能的な構成要素として、情報受信部101(情報受信手段)と、情報送信部102(情報送信手段)と、ユーザ情報格納部150とを備えている。引き続いて、携帯電話機10の各構成要素について説明する。
【0026】
情報受信部101は、購入しようとする経済財を取り扱っている店舗を特定する店舗特定情報を受信する部分である。より具体的には、後述する店舗端末20から送信される店舗特定情報を受信し、この受信した店舗特定情報を情報送信部102に出力する部分である。また、店舗端末20から送信される情報としては店舗特定情報の他に、購入しようとする経済財を特定する財特定情報(例えば、商品のJANコード情報、商品ID等)、購入しようとする経済財の対価を示す対価情報、店舗特定情報が発行された時刻に相当するアクセス情報(例えば、発行された時刻や、発行された時刻から一定時間経過後の時刻)が含まれている。これら財特定情報、対価情報、及びアクセス情報も、情報受信部101が受信して情報送信部102に出力する。
【0027】
情報送信部102は、情報受信部101が受信した店舗特定情報等と、携帯電話機10のユーザを特定するユーザ特定情報とを関連付けて、決済サーバ30へ送信する部分である。より具体的には、情報受信部101から店舗特定情報等が出力されると、ユーザ情報格納部150に格納されているユーザ特定情報を取り出して、店舗特定情報と関連付けて決済サーバ30に送信する。このユーザ特定情報とは、クレジットカード番号といったユーザ個々に一意に割り当てられた情報である。また、このユーザ特定情報には、ユーザの氏名やクレジットカードの期限といった情報が含まれていてもよい。また、決済サーバ30にユーザ特定情報及び店舗特定情報を送信する場合には、ユーザが毎回送信先を設定してもよく、移動体通信網Nにおいて携帯電話機10と決済サーバ30とが関連付けられていて、携帯電話機10においてメニュー選択することで決済サーバ30に自動的に送信されるようにしてもよい。
【0028】
情報送信部102は、情報受信部101から財特定情報、対価情報、アクセス情報が出力された場合は、これらの情報も併せて決済サーバに送信する。情報送信部102が送信する店舗特定情報、ユーザ特定情報、財特定情報、対価情報、及びアクセス情報は、移動体通信網Nを介して決済サーバ30に送信される。
【0029】
次に、店舗端末20について説明する。店舗端末20は物理的には、CPU、メモリ、通信インタフェイス、短距離通信手段(赤外線通信手段、非接触ICといったニアフィールド通信手段)、ディスプレイ、キーパッド、キーボードといったものを備えるコンピュータである。店舗端末20は機能的な構成要素として、店舗情報送信部201(店舗情報送信手段)と、決済受信部202(決済受信手段)と、結果表示部203と、店舗情報格納部250と、を備えている。引き続いて、店舗端末20の各構成要素について説明する。
【0030】
店舗情報送信部201は、この店舗端末20が設置されている店舗を特定する店舗特定情報を店舗情報格納部250から取り出して、携帯電話機10へ送信する部分である。店舗情報送信部201が店舗特定情報を送信する際には、携帯電話機10のユーザが購入しようとしている経済財を特定するための財特定情報、その経済財の対価を示す対価情報、及びアクセス情報を関連付けて送信する。
【0031】
決済受信部202は、後述する決済サーバ30から送信される決済結果を受信する部分である。決済サーバ30との間の情報送受信は専用線を介して行われてもよく、同等のセキュリティが保たれた公衆回線を介して行われてもよい。決済受信部202は受信した決済結果を結果表示部203に出力する。
【0032】
結果表示部203は、決済受信部202が受信した決済結果を表示する部分である。
【0033】
次に、決済サーバ30について説明する。決済サーバ30は物理的には、CPU、メモリ、通信インタフェイス、入出力装置といったものを備えるコンピュータ又はコンピュータシステムである。決済サーバ30は機能的な構成要素として、受信部301(受信手段)と、判断部302(判断手段)と、送信部303(送信手段)と、送信先切り替え部304(送信先切り替え手段)とを備えている。引き続いて、決済サーバ30の各構成要素について説明する。
【0034】
受信部301は、送信元端末から店舗特定情報及びユーザ特定情報を受信する部分である。より具体的には、送信元端末は、店舗に設置されている端末(本実施形態では店舗端末20)でも、ユーザが使用する端末(本実施形態では携帯電話機10)でもよい。本実施形態では店舗特定情報及びユーザ特定情報を携帯電話機10から受信している。また、携帯電話機10から財特定情報、対価情報、アクセス情報が送信された場合には、受信部301はそれらの情報も受信する。更に受信部301は、携帯電話機10を識別する機体識別情報(例えば、電話番号や機体番号)も受信する。受信部301は受信した店舗特定情報、ユーザ特定情報、財特定情報、対価情報、アクセス情報、機体識別情報を判断部302及び送信先切り替え部304に出力する。
【0035】
判断部302は、受信部301が受信した店舗特定情報及びユーザ特定情報に基づいて、ユーザによる経済財の購入の可否を判断する部分である。より具体的には、ユーザ特定情報に基づいてユーザを特定し、経済財の購入が可能な信用力があるか否かを判断する。また、受信部301が、財特定情報、対価情報を併せて受信した場合には、それらの情報にも基づいて購入可否を判断する。また、受信部301がアクセス情報を受信した場合には、そのアクセス情報が示す時刻から所定時間内に限り購入可否を判断する。判断部302は、判断結果を送信部303に出力する。
【0036】
送信部303は、判断部302の判断結果を、原則として、受信部301に対して店舗特定情報及びユーザ特定情報を送信してきた送信元端末に対して送信する部分である。また、送信部303は、送信先切り替え部304から判断結果の送信先を切り替える指示が出力された場合にはその指示に従って送信先を切り替えて判断結果を送信する。
【0037】
送信先切り替え部304は、受信部301に対して店舗特定情報及びユーザ特定情報を送信してきた送信元端末が、ユーザが使用する携帯電話機といった通信端末である場合には、判断部302の判断結果を店舗に設置されている店舗端末に送信するように送信部303に指示を出力する部分である。本実施形態の場合、受信部301に店舗特定情報及びユーザ特定情報を送信してくるのはユーザが使用する携帯電話機10であるから、送信先切り替え部304は判断結果の送信先を店舗端末20にするように指示を送信部303に出力する。従って、送信部303は判断結果を店舗端末20に送信する。
【0038】
引き続いて、本実施形態の決済システム1を利用した決済方法について図2を参照しながら説明する。図2は、決済システム1を利用した決済方法を説明するためのシーケンス図である。尚、以下の説明においては適宜図1を参照する。
【0039】
経済財を購入しようとするユーザは、携帯電話機10を所持して店舗を訪問する。ユーザはその店舗で購入する商品やサービスといった経済財を選択し、店舗のレジに向かう。店舗のレジには店舗端末20が設置されている。ここで、店舗端末20に、ユーザが購入しようとする経済財を特定する財特定情報や、その経済財の対価を示す対価情報が入力される。そして、店舗端末20が設置されている店舗を特定するための店舗特定情報と共に、入力された財特定情報、対価情報が店舗端末20の店舗情報送信部201から携帯電話機10に送信される(ステップS01)。この送信の際には、店舗特定情報が発行された時刻に相当するアクセス情報が併せて送信される。
【0040】
店舗端末20から送信された店舗特定情報、財特定情報、対価情報、及びアクセス情報は携帯電話機10の情報受信部101が受信し、情報送信部102に出力する。情報送信部102は、これら受信した情報にユーザ情報格納部150に格納されているユーザ特定情報(クレジットカード番号等)及び機体識別情報を付加する(ステップS02)。情報送信部102は、店舗特定情報、ユーザ特定情報、財特定情報、対価情報、アクセス情報、及び機体識別情報を関連付けて決済サーバ30に送信する(ステップS03)。
【0041】
携帯電話機10から送信された店舗特定情報、ユーザ特定情報、財特定情報、対価情報、アクセス情報、及び機体識別情報は、決済サーバ30の受信部301が受信する。受信部301は、受信した店舗特定情報、ユーザ特定情報、財特定情報、対価情報、アクセス情報、及び機体識別情報を、判断部302と送信先切り替え部304とのそれぞれに出力する。
【0042】
判断部302は、アクセス情報に基づいて、店舗特定情報が店舗端末20において発行されてから所定時間が経過していないか確認する(ステップS04)。確認の結果、所定時間が経過していれば処理を終了する。所定時間が経過していない場合、判断部302は、店舗特定情報、ユーザ特定情報、財特定情報、及び対価情報に基づいて、ユーザがその経済財を購入することができるか決済処理を行う(ステップS05)。判断部302はこの処理の結果を判断結果として送信部303に出力する。
【0043】
送信先切り替え部304は、機体識別情報に基づいて、送信先の切り替えが必要か判断する(ステップS06)。本実施形態の場合、機体識別情報は携帯電話機10がユーザが使用する通信端末を示すものであるから、送信先切り替え部304は判断結果の送信先を店舗端末20へ切り替えることが必要と判断し、指示を送信部303に出力する。
【0044】
送信部303は送信先切り替え部304からの指示に従い、判断部302の判断結果を店舗端末20に送信する(ステップS07)。
【0045】
店舗端末20に送信された判断結果は決済受信部202が受信し、結果表示部203に表示される(ステップS08)。従って、店舗端末20によって携帯電話機10を使用するユーザが経済財を購入可能か否かが確認できる。」
ウ「【0049】
本実施形態では、店舗特定情報を店舗端末20から送信するようにしているけれども、QRコード等を利用して携帯電話機10に通知してもよい。」
以上のア~ウの記載によれば、引用例1には以下の事項を含む発明(以下「引用例1発明」という。)が開示されていると認められる。
「決済システム1は、携帯電話機10(通信端末、移動局)と、店舗端末20と、決済サーバ30とを備えており、
携帯電話機10は、通話機能やデータ通信機能といった通常の携帯電話機としての機能を果たすための物理的な構成要素に加えて、ニアフィールド通信手段としての非接触ICリーダといった短距離通信手段も備えており、機能的な構成要素として、情報受信部101と、情報送信部102と、ユーザ情報格納部150とを備えており、
情報受信部101は、購入しようとする経済財を取り扱っている店舗を特定する店舗特定情報を受信する部分であって、店舗端末20から送信される店舗特定情報を受信し、この受信した店舗特定情報を情報送信部102に出力する部分であり、
情報送信部102は、情報受信部101が受信した店舗特定情報等と、携帯電話機10のユーザを特定するユーザ特定情報とを関連付けて、決済サーバ30へ送信する部分であり、
店舗端末20は物理的には、CPU、メモリ、通信インタフェイス、短距離通信手段(非接触ICといったニアフィールド通信手段)、ディスプレイ、キーパッド、キーボードといったものを備えるコンピュータであって、機能的な構成要素として、店舗情報送信部201と、決済受信部202と、結果表示部203と、店舗情報格納部250と、を備えており、
店舗情報送信部201は、この店舗端末20が設置されている店舗を特定する店舗特定情報を店舗情報格納部250から取り出して、携帯電話機10へ送信する部分であり、
決済受信部202は、決済サーバ30から送信される決済結果を受信する部分であり、
決済受信部202は、後述する決済サーバ30から送信される決済結果を受信する部分であり、
決済サーバ30は物理的には、CPU、メモリ、通信インタフェイス、入出力装置といったものを備えるコンピュータ又はコンピュータシステムであって、機能的な構成要素として、受信部301と、判断部302と、送信部303と、送信先切り替え部304とを備えており、
受信部301は、送信元端末から店舗特定情報及びユーザ特定情報を受信する部分であって、店舗特定情報及びユーザ特定情報を携帯電話機10から受信しており、
判断部302は、受信部301が受信した店舗特定情報及びユーザ特定情報に基づいて、ユーザによる経済財の購入の可否を判断する部分であり、
送信部303は、判断部302の判断結果を、原則として、受信部301に対して店舗特定情報及びユーザ特定情報を送信してきた送信元端末に対して送信する部分であって、送信先切り替え部304から判断結果の送信先を切り替える指示が出力された場合にはその指示に従って送信先を切り替えて判断結果を送信するものであり、
送信先切り替え部304は、受信部301に対して店舗特定情報及びユーザ特定情報を送信してきた送信元端末が、ユーザが使用する携帯電話機といった通信端末である場合には、判断部302の判断結果を店舗に設置されている店舗端末に送信するように送信部303に指示を出力する部分であって、受信部301に店舗特定情報及びユーザ特定情報を送信してくるのはユーザが使用する携帯電話機10であるから、送信先切り替え部304は判断結果の送信先を店舗端末20にするように指示を送信部303に出力し、送信部303は判断結果を店舗端末20に送信しており、
決済システム1を利用した決済方法においては、
経済財を購入しようとするユーザは、携帯電話機10を所持して店舗を訪問し、ユーザはその店舗で購入する商品やサービスといった経済財を選択し、店舗のレジに向い、店舗のレジには店舗端末20が設置されており、
店舗端末20から送信された店舗特定情報は携帯電話機10の情報受信部101が受信し、情報送信部102に出力し、情報送信部102は、これら受信した情報にユーザ情報格納部150に格納されているユーザ特定情報を付加し、情報送信部102は、店舗特定情報、ユーザ特定情報を関連付けて決済サーバ30に送信し、
携帯電話機10から送信された店舗特定情報、ユーザ特定情報は、決済サーバ30の受信部301が受信し、受信部301は、受信した店舗特定情報、ユーザ特定情報を、判断部302と送信先切り替え部304とのそれぞれに出力し、
判断部302は、店舗特定情報、ユーザ特定情報に基づいて、ユーザがその経済財を購入することができるか決済処理を行い、処理の結果を判断結果として送信部303に出力し、
送信先切り替え部304は判断結果の送信先を店舗端末20へ切り替えることが必要と判断し、指示を送信部303に出力し、
送信部303は送信先切り替え部304からの指示に従い、判断部302の判断結果を店舗端末20に送信し、
店舗端末20に送信された判断結果は決済受信部202が受信し、結果表示部203に表示され、店舗端末20によって携帯電話機10を使用するユーザが経済財を購入可能か否かが確認できる決済システム。」
3.対比
(1)そこで、本願発明と引用例1発明とを対比する。
ア 引用例1発明は、店舗において経済財を購入する際に用いる通信端末を利用する決済システムに関するものであって、ユーザを特定する情報を悪意の第三者に読み取られる可能性を効果的に減少させることが可能な携帯電話等の通信端末を利用した決済システムを提供することを目的としている。
一方、本願発明は、購入者が小売業者のPOS端末の前におり、購入者および小売業者の間で安全な電子決済を行い、それにより、購入者が、購入を行うために利用されるカメラまたはRFIDまたはWiFiならびに類似の無線周波数受信機および/または送信機を備えるスマートホンなどの携帯デバイス(段落0001、0005)において、実行されるコンピュータプログラムであり、購入者が、個人IDコード(PIN)などの秘密情報をPOS端末に提供しなければならないことが問題であり、POS端末のレジ係がこのような秘密情報を読み取ることはできないが、このような秘密情報がPOS端末(POS)から伝送され、盗聴または操作される可能性があることから(段落0009)、購入者がPOS端末により決して識別されない、すなわち、購入者がPOS端末を運営している小売業者に対して完全に匿名であることを提供している(段落0022)。
ここで、引用例1発明の「携帯電話等の通信端末」、「ユーザを特定する情報」は、本願発明の「スマートホンなどの携帯デバイス」、「個人IDコード(PIN)などの秘密情報」に対応している。
したがって、本願発明と引用例1発明とは、 購入を行うために利用される携帯デバイスという共通する技術分野に属しており、個人IDなどの情報を店舗を運営している小売業者に対して、提供しないという課題で共通しているといえる。
しかし、本願発明では、携帯デバイスで処理を実行する際に、コンピュータプログラムを用いているのに対して、引用例1発明では、コンピュータプログラムを用いているのか否か明らかでない点で相違している。
イ 引用例1発明の「携帯電話機10は、通話機能やデータ通信機能といった通常の携帯電話機としての機能を果たすための物理的な構成要素に加えて、ニアフィールド通信手段としての非接触ICリーダといった短距離通信手段も備えて」いる。
ここで、引用例1発明の「ニアフィールド通信手段」は、「NFC(Near Field Communication)規格」を意味しており、NFCは無線による短距離通信の規格であるから、引用例1発明の「携帯電話機10」が備える「短距離通信手段(非接触ICといったニアフィールド通信手段)」は、本願発明の「携帯デバイス」が備える「無線周波受信機」に相当する。
したがって、本願発明との引用例1発明とは、無線周波受信機を備える携帯デバイスという点で共通している。
ウ 引用例1発明の「携帯電話機10は、通話機能やデータ通信機能といった通常の携帯電話機としての機能を果たすための物理的な構成要素に加えて、ニアフィールド通信手段としての非接触ICリーダといった短距離通信手段も備えており、機能的な構成要素として、情報受信部101と、情報送信部102と、ユーザ情報格納部150とを備えており、情報受信部101は、購入しようとする経済財を取り扱っている店舗を特定する店舗特定情報を受信する部分であって、店舗端末20から送信される店舗特定情報を受信し」ている。一方、引用例1発明の「店舗端末20は物理的には、CPU、メモリ、通信インタフェイス、短距離通信手段(非接触ICといったニアフィールド通信手段)、ディスプレイ、キーパッド、キーボードといったものを備えるコンピュータであって、機能的な構成要素として、店舗情報送信部201と、決済受信部202と、結果表示部203と、店舗情報格納部250と、を備えており、店舗情報送信部201は、この店舗端末20が設置されている店舗を特定する店舗特定情報を店舗情報格納部250から取り出して、携帯電話機10へ送信」している。
つまり、引用例1発明の「携帯電話機10」と「店舗端末20」とは、「物理的な構成要素」として「短距離通信手段(非接触ICといったニアフィールド通信手段)」を共に備えていて、「店舗端末20」の「機能的な構成要素」である「店舗情報送信部201」で「店舗を特定する店舗特定情報」を送信し、「携帯電話機10」の「機能的な構成要素」である「情報受信部101」で「店舗を特定する店舗特定情報」を受信している。ここで、引用例1発明の「携帯電話機10」と「店舗端末20」とが共通して備えている「物理的な構成要素」である「短距離通信手段(非接触ICといったニアフィールド通信手段)」の特に「ニアフィールド通信手段」は、「NFC(Near Field Communication)規格」を意味しており、NFCは無線による短距離通信の規格である。そして、NFCは、無線によって、NFC無線機を備えた機器同士の通信に使われるから、「ニアフィールド通信手段」が「店舗端末20」の「機能的な構成要素」である「店舗情報送信部201」および「携帯電話機10」の「機能的な構成要素」である「情報受信部101」として機能し、「店舗を特定する店舗特定情報」を「店舗端末20」から「携帯電話機10」に送信および受信していることは、当業者にとって自明である。
そして、引用例1発明の「店舗を特定する店舗特定情報」は、店舗IDといえ、本願発明の「ID」に対応している。しかし、本願発明の「ID」がPOS端末のIDであるのに対して、引用例1発明の「店舗ID」は、店舗のIDである点で相違している。
また、引用例1発明の「店舗端末20」は、「店舗のレジには店舗端末20が設置されて」ているとされ、「店舗のレジ」に設置された端末であるから、引用例1発明の「店舗端末20」と、本願発明の「POS端末」とは、店舗のレジに設置された端末である点で共通している。しかし、本願発明の店舗のレジに設置された端末は、「POS端末」であるのに対して、引用例1発明の店舗のレジに設置された端末は、「POS端末」であるか否か不明な点で相違している。
したがって、本願発明との引用例1発明とは、無線周波受信機を用いて、単一のPOS端末で携帯デバイスによりIDを読み取りを行っている点で共通している。
しかし、本願発明の「ID」がPOS端末のIDであるのに対して、引用例1発明の「店舗ID」は、店舗のIDである点、および、本願発明では、IDの読み取りに際して、携帯デバイス内のソフトウェアにより行っているのに対して、引用例1発明では、ソフトウェアにより行っているか否か明らかでない点で相違している。
(2)一致点、相違点
上記(1)ア~によると、両者は、以下の点で一致し、また、相違している。
[一致点]
「無線周波受信機を備える携帯デバイスが、
無線周波受信機を用いて、単一の店舗のレジに設置された端末で携帯デバイスによりIDを読み取っている
携帯デバイス。」
[相違点1]
本願発明では、携帯デバイスでIDの読み取りを実行する際に、コンピュータプログラムであって、携帯デバイス内のソフトウェアであるコンピュータ・プログラム・コードを用いているのに対して、引用例1発明では、コンピュータプログラムを用いているのか否か明らかでない点。
[相違点2]本願発明の「ID」がPOS端末のIDであるのに対して、引用例1発明の「店舗ID」は、店舗のIDである点。
[相違点3]本願発明の店舗のレジに設置された端末は、「POS端末」であるのに対して、引用例1発明の店舗のレジに設置された端末は、「POS端末」であるか否か不明な点。
4.判断
[相違点1について]
携帯電話機の技術分野において、携帯電話機内にコンピュータ・プログラム・コードを備えておいて、NFC無線機による通信などの各種処理を実行することは、本願の優先日前に周知の技術にすぎない。
したがって、引用例1発明において、当該周知技術を採用して、携帯デバイスでIDの読み取りを実行する際に、コンピュータプログラムであって、携帯デバイス内のソフトウェアであるコンピュータ・プログラム・コードを用いる構成とすることは、本願の出願日前に当業者が容易に想到し得たものである。
[相違点2について]
引用例1発明において、「判断部302は、店舗特定情報、ユーザ特定情報に基づいて、ユーザがその経済財を購入することができるか決済処理を行い、処理の結果を判断結果として送信部303に出力し、送信先切り替え部304は判断結果の送信先を店舗端末20へ切り替えることが必要と判断し、指示を送信部303に出力し、送信部303は送信先切り替え部304からの指示に従い、判断部302の判断結果を店舗端末20に送信し、店舗端末20に送信された判断結果は決済受信部202が受信し、結果表示部203に表示され、店舗端末20によって携帯電話機10を使用するユーザが経済財を購入可能か否かが確認できる」とされている。すなわち、購入できるか否かの「判断結果」が、「携帯電話機10を使用するユーザが」向かった「店舗のレジ」に設置された「店舗端末20」に送信されて、表示され、「店舗端末20によって携帯電話機10を使用するユーザが経済財を購入可能か否かが確認できる」のであるから、引用例1発明の店舗特定情報(ID)も単に店舗を特定しているだけでなく、「携帯電話機10を使用するユーザが」向かった「店舗のレジ」に設置された「店舗端末20」を特定して、「判断結果」を送信しているといえる。
したがって、引用例1発明において、店舗特定情報として、端末のIDを含む構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。
[相違点3について]
店舗のレジに設置する端末として、「POS端末」を用いることは、本願の優先日前に周知の技術にすぎない。
したがって、引用例1発明において、当該周知技術を採用して、店舗のレジに設置された端末として、「POS端末」を用いる構成とすることは、本願の出願日前に当業者が容易に想到し得たものである。
また、本願発明の効果についてみても、上記構成の採用に伴って、当然に予測される程度のものに過ぎず、格別顕著なものがあるとは認められない。
したがって、本願発明は、引用例1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2015-020044