特許無効審判
2014-800187
噴出ノズル管の製造方法並びにその方法により製造される噴出ノズル管
- 審判番号
- 2014-800187
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 無効審判(無効の審決)
- 出願番号
- 特願2011-127906外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2014年11月17日
- 審決日
- 2018年06月11日
- 公報発行日
- 2019年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P1113.152-ZC (B05B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法123条1項6号特許法169条2項民事訴訟法64条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第123条第1項第6号、特許法第123条、特許法第169条第2項、特許法第156条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
上記当事者間の特許第4958194号「噴出ノズル管の製造方法並びにその方法により製造される噴出ノズル管」の特許無効審判事件についてされた平成27年 9月25日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において請求項1、3に係る発明に対する部分の審決取消しの判決(平成27年(行ケ)第10230号、平成29年1月25日)があったので、審決が取り消された部分の請求項に係る発明についてさらに審理のうえ、次のとおり審決する。
結論
特許第4958194号の請求項1及び3に係る発明についての特許を無効とする。
特許第4958194号の請求項2に係る発明についての審判請求は、成り立たない。
審判費用は、その3分の1を請求人の負担とし、3分の2を被請求人の負担とする。
理由
第1 手続の経緯
1 平成27年9月25日付け審決(以下、「一次審決」という。)までの経緯
特許第4958194号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし3に係る発明(以下、「本件発明1」ないし「本件発明3」という。)についての出願は、平成23年6月8日に出願され、平成24年3月30日に特許権の設定登録がなされたものである。
その後、平成26年11月14日付け(同年11月17日差出し)で請求人より本件発明1ないし3についての特許の無効審判が請求され、平成26年12月11日付けで手続補正指令書(方式)による方式上の不備についての指令がされ、平成27年1月14日付けで請求人より、手続補正書(方式)並びに証人尋問申出書及び尋問事項書が提出された。
その後、平成27年1月20日付けで答弁指令がされ、平成27年3月23日差出しの審判事件答弁書(以下、「答弁書」ともいう。)が、被請求人より提出された。
その後、平成27年5月11日付けで審理事項通知がされ、平成27年5月24日付け(同年5月25日差出し)で被請求人より上申書が提出され、平成27年6月15日付けで被請求人より口頭審理陳述要領書が提出され、平成27年6月22日差出しで請求人より口頭審理陳述要領書が提出された。
そして、平成27年7月6日に第1回口頭審理及び証拠調べがされ、平成27年7月14日付けで請求人より上申書が提出され、平成27年7月21日付けで被請求人より上申書が提出され、平成27年9月25日付けで、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。」との審決がされた。
2 一次審決後の経緯
一次審決に対し、請求人は、平成27年10月29日に審決取消訴訟を提起し、知的財産高等裁判所において平成27年(行ケ)第10230事件として審理された結果、平成29年1月25日に、一次審決のうち、特許第4958194号の請求項1及び3に係る部分を取り消す旨の判決(以下、「本件判決」という。)が言い渡され、その後、被請求人により、平成29年2月9日に上告受理の申立て(平成29年(行ノ)第10003号)がされ、最高裁判所第一小法廷において平成29年(行ヒ)第181号事件として審理された結果、平成29年11月16日に、上告審として受理しない旨の決定があったので、さらに審理の結果、当審において平成30年1月23日付けで審決の予告(以下、「本件予告」という。)をした。
その後、被請求人より平成30年2月20日付け(同年2月21日差出し)で証拠説明書が提出され、平成30年2月23日付け(同年2月26日受付)で上申書(1)が提出され、さらに、被請求人より平成30年3月29日付け(同年3月30日差出し)で上申書(2)及び証拠説明書が提出された。当審において平成30年5月18日付けで審理終結を通知したところ、被請求人より平成30年5月24日付けで審理再開申立書が提出された。
第2 本件発明
本件特許の本件発明1ないし本件発明3は、本件特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「本件特許明細書」という。)の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
熱可塑性を有する合成樹脂素材により製造されたノズル管本体から弁機能を備える噴出ノズル管を製造するための方法であって、
ノズル管本体の中空部内に所定径幅を有する針材を差込み配置する工程と、
ノズル管本体の所定位置を所定長さだけ加熱して軟化させる工程と、
加熱により軟化された箇所をノズル管本体の外径に変化がないように押さえつつノズル管本体の長さ方向における両端側から押し込む工程と、
加熱された箇所を冷却して固化する工程と、
固化後に針材を引き抜く工程と、
から成ることを特徴とする噴出ノズル管の製造方法。
【請求項2】
熱可塑性を有する合成樹脂素材により製造されたノズル管本体から弁機能を備える噴出ノズル管を製造するための方法であって、
ノズル管本体の中空部内に所定径幅を有する針材を差込み配置する工程と、
ノズル管本体の外周における所定位置に所定長さの熱収縮チューブを嵌合する工程と、
熱収縮チューブが嵌合された箇所を加熱してノズル管本体を軟化させるとともに該熱収縮チューブを収縮させる工程と、
加熱された箇所を冷却して固化する工程と、
固化後に針材を引き抜く工程と、
から成ることを特徴とする噴出ノズル管の製造方法。
【請求項3】
前記請求項1または請求項2に記載の方法により製造される噴出ノズル管であって、
ノズル管本体の中空部内に、該ノズル管本体の内径よりも小径の貫通孔を有する弁が備えられていることを特徴とする噴出ノズル管。」
第3 請求人の主張
1 主張の概要
本件特許にかかる本件発明1ないし3は、請求人が発明したものであるにもかかわらず、被請求人がその名義で出願したものであるから、特許法第123条第1項第6号に該当し、無効とすべきである(審判請求書2ページ15ないし17行)。
2 証拠方法
(1)書証
甲第1号証:2011年3月1日付メール
甲第2号証:加熱成型_GateFormingのファイル(甲第1号証のメールに添付されたファイル)
甲第3号証:熱可塑性樹脂チューブ加熱図のファイル(甲第1号証のメールに添付されたファイル)
甲第4号証:ノズル加工実施例のファイル(甲第1号証のメールに添付されたファイル)
甲第5号証:2011年3月4日付メール
甲第6号証:NozzleDesignChartのファイル(甲第5号証のメールに添付されたファイル)
甲第7号証:ゲート径による緒元との関係のファイル(甲第5号証のメールに添付されたファイル)
甲第8号証:2011年3月4日付メール
甲第9号証:Gate_Nozzle_End形成01-05のファイル(甲第8号証のメールに添付されたファイル)
甲第10号証:2011年3月4日付メール
甲第11号証:Gate_Nozzle_End形成06-10のファイル(甲第10号証のメールに添付されたファイル)
甲第12号証:2011年3月4日付メール
甲第13号証:Gate_Nozzle_End形成11-12のファイル(甲第12号証のメールに添付されたファイル)
甲第14号証:ゲート形成行程のファイル(甲第12号証のメールに添付されたファイル)
甲第15号証:2011年3月8日付メール
甲第16号証:ゲート形成行程のファイル(甲第15号証のメールに添付されたファイル)
甲第17号証:ゲート形成行程_1のファイル(甲第15号証のメールに添付されたファイル)
甲第18号証:Gate_Nozzle_End形成行程のファイル(甲第15号証のメールに添付されたファイル)
甲第19号証:2011年3月16日付メール
甲第20号証:ゲートノズル立体図についてのファイル(甲第19号証のメールに添付されたファイル)
甲第21号証:2011年4月1日付メール
甲第22号証:スプレー缶・ノズル特性試験についてのファイル(甲第21号証のメールに添付されたファイル)
甲第23号証:特許出願書類
甲第24号証:手続補正書
甲第25号証:特許公報
甲第26号証:平成22年10月6日付メール
甲第27号証:平成22年10月10日付メール
甲第28号証:写真撮影報告書
甲第29号証:納品書
甲第30号証の1ないし5:ノズル製造機設計図
甲第31号証:ノズル製造機図説
甲第32号証の1及び2:ノズル製造機3D図
(2)当事者尋問
請求人本人
氏名 佐々木 勉
第4 被請求人の主張
1 主張の概要
本件発明1ないし3は、本件特許出願前に被請求人が自ら発明をし、完成させたものに相違なく、請求人は開発段階において、補助者として関係したに過ぎず、無効理由として主張する冒認出願には該当しない(答弁書20ページ15ないし18行)。
2 証拠方法
(1)書証
乙第1号証:平成25年9月3日付ファクシミリ
乙第2号証:平成25年9月3日付内容証明郵便
乙第3号証:平成26年9月24日付内容証明郵便
乙第4号証:特許原簿
乙第5号証:倉持秀基氏書証
乙第6-1号証:福田信雄弁理士書証
乙第6-1-1号証:本件特許出願代理人事務所受任包袋写真(表面)
乙第6-1-2号証:本件特許出願代理人事務所受任包袋写真(裏面)
乙第6-2号証:福田信雄弁理士書証
乙第6-2-1号証:福田信雄弁理士本件受任時メモ(表面)の写真
乙第6-2-2号証:福田信雄弁理士本件受任時メモ(裏面)の写真
乙第7号証:日本インテグレーテッドワークス株式会社定款
乙第8号証:日本インテグレーテッドワークス株式会社履歴事項全部証明書
乙第9号証:無効2014-800186号審判事件で請求人が提出した証拠(甲第8号証)
乙第10号証:被請求人の手帳
乙第11号証:無効2014-800186号事件「証人等の陳述を記載した書面」
乙第12号証:実験データ
乙第13号証:倉持秀基氏へ被請求人が送付したメール
乙第14号証:倉持秀基氏へ被請求人が送付したメール
乙第15-1号証:被請求人から日本インテグレーテッドワークス株式会社の役員宛メール
乙第15-2号証:乙第15-1号証のメールに記載された押しボタン写真
乙第16-1号証:福田信雄弁理士書証
乙第16-1-1号証:福田信雄弁理士図面作成関係資料
乙第17号証:被請求人代理人から請求人代理人への通知並びに回答等
乙第18号証:平成23年6月3日付被請求人から請求人に送付したメール
乙第20-1号証:福田信雄弁理士本件受任時メモ(表面)の原本の写し
乙第20-2号証:福田信雄弁理士本件受任時メモ(裏面)の原本の写し
乙第21号証:反訳書
乙第22号証:パイロットジェット構造図
乙第23号証:ディーゼル車の排気ガスのスモークテスト結果
乙第24号証:仕様書
乙第25号証:電子メール(2009年12月25日)
乙第26号証:電子メール(2010年4月6日付)
乙第27号証:誓約書(平成28年1月11日付)
乙第28号証:電子メール(2010年4月12日)
乙第29号証:誓約書(平成28年1月9日)
乙第30号証:電子メール(2010年9月15日)
乙第31の1号証:電子メール(2010年9月28日)
乙第31の2号証:電子メール(2010年9月28日)
乙第32の1号証:手帳
乙第32の2号証:ノズル管のプライヤーによる加工方法
乙第33の1号証:特許発明を実証する実験について
乙第33の2号証:DVD-R(事実実験映像)
乙第34の1号証:電子メール(2011年5月18日)
乙第34の2号証:御見積書
乙第35号証:株式会社ハギテックホームページ
乙第36号証:甲6のデータ名称「Nozzle design Chart.xls」に関する、Microsoft社製表計算プログラム「Excel」のデータ
乙第37の1号証:事実実験公正証書
乙第37の2号証:DVD-R
乙第37の3号証:同上
乙第37の4号証:CD-R
乙第38号証:手帳
乙第39号証:写真
乙第40号証:陳述書
乙第41号証:ご連絡(平成29年11月24日)
乙第42号証:電子メール(2017年12月20日)
乙第43号証:電子メール(2012年6月13日)
乙第44号証:CD-R(平成24年6月10日)
乙第45号証:CD-R(平成24年7月28日)
乙第46号証:手帳
乙第47号証:手帳
乙第48号証:反訳書
乙第49号証:反訳書
乙第50号証:公開特許公報(2014年8月14日)
乙第51号証:誓約書及び手帳
乙第52号証:電子メール(2006年11月18日~2012年11月5日)
乙第53号証:手続補正書(方式)
乙第54号証:手帳
乙第55号証:通知書(平成24年11月29日)
乙第56号証:通知書(平成25年5月15日)
乙第57号証:ご連絡(平成29年2月24日)
乙第58号証:見積り用図面
乙第59号証:オートメカニック誌記事(2011年1月11日付け勝田悟氏作成メール添付)
乙第60号証:手帳及び写真(カレンダー)
乙第61号証:仕訳日記帳
乙第62号証:試作品ノズル作成再現報告書
乙第63号証の1:検証実験報告書(パイプ端部分を加熱した場合)
乙第63号証の2:検証実験報告書(パイプ中心部分を加熱した場合)
乙第64号証:陳述書(平成28年5月17日)
乙第65号証:陳述書(平成28年5月17日)
なお、乙第21号証ないし乙第40号証は、平成30年2月20日付け(同年2月21日差出し)の証拠説明書に添付されたものであり、乙第41号証ないし乙第65号証は、平成30年3月29日付けの証拠説明書に添付されたものである。
(2)参考資料
乙第19号証:平成22年4月5日付メール
第5 当審の判断
本件判決は、「本件のように、冒認出願(平成23年法律第63号による改正前の特許法123条1項6号)を理由として請求された特許無効審判において、『特許出願がその特許に係る発明の発明者又は発明者から特許を受ける権利を承継した者によりされたこと』についての主張立証責任は、特許権者が負担するものと解するのが相当である。もっとも、そのような解釈を採ることが、すべての事案において、特許権者が発明の経緯等を個別的、具体的、かつ詳細に主張立証しなければならないことを意味するものではない。むしろ、先に出願したという事実は、出願人が発明者又は発明者から特許を受ける権利を承継した者であるとの事実を推認させる上でそれなりに意味のある事実であることをも考え合わせると、特許権者の行うべき主張立証の内容、程度は、冒認出願を疑わせる具体的な事情の内容及び無効審判請求人の主張立証活動の内容、程度がどのようなものかによって左右されるものというべきである。すなわち、仮に無効審判請求人が冒認を疑わせる具体的な事情を何ら指摘することなく、かつ、その裏付けとなる証拠を提出していないような場合は、特許権者が行う主張立証の程度は比較的簡易なもので足りるのに対し、無効審判請求人が冒認を裏付ける事情を具体的に指摘し、その裏付けとなる証拠を提出するような場合は、特許権者において、これを凌ぐ主張立証をしない限り、主張立証責任が尽くされたと判断されることはないものと考えられる。以上を踏まえ、本件における取消事由(発明者の認定の誤り)の有無を判断するに当たっては、特許権者である被告(審決注:「被請求人」)において、自らが本件各発明の発明者であることの主張立証責任を負うものであることを前提としつつ、まずは、冒認を主張する原告(審決注:「請求人」)が、どの程度それを疑わせる事情(すなわち、被告ではなく、原告が本件各発明の発明者であることを示す事情)を具体的に主張し、かつ、これを裏付ける証拠を提出しているかを検討し、次いで、被告が原告の主張立証を凌ぎ、被告が発明者であることを認定し得るだけの主張立証をしているか否かを検討することとする。」(判決書28ページ10行~29ページ10行)と判示する。
そして、原告の主張立証について、「以上の検討によれば、原告は、本件発明1(及び本件発明3のうち、本件発明1の方法に係る部分)については、原告がその発明者であることを示す具体的な事情(すなわち、冒認を疑わせる具体的な事情)を主張し、かつ、これを裏付ける証拠を提出しているものといえる。他方、原告は、本件発明2(及び本件発明3のうち、本件発明2の方法に係る部分)については、原告がその発明者であることを示す具体的な事情を主張しておらず、これを裏付ける証拠も提出していない。そして、原告が、本件発明1に関しては発明者であることを示す事情を具体的に説明している(それが可能であった)にもかかわらず、本件発明2については、そのような事情を一切説明していないことは、原告が本件発明2を発明したことを積極的に疑わせる事情であるといわざるを得ない。」(判決書35ページ19行~36ページ3行)と判示する。
他方、被告の主張立証について、本件発明1に関して「以上の検討によれば、被告が本件発明1を完成させたものとする被告の主張にはこれを裏付けるに足りる十分な証拠がないというべきであり、被告は、本件発明1の発明者が原告ではなく、被告であることについて、原告の前記主張立証を凌ぐだけの主張立証をしているものとはいえない。」(判決書43ページ26行~44ページ4行)と判示し、本件発明2に関して「してみると、被告は、被告が本件発明2の方法を着想しこれを具体化したことについて、その具体的な事情を主張し、これを裏付ける一応の証拠も提出しているものといえるから、少なくとも上記で述べた程度を満たすだけの主張立証をしているものということができる。」(判決書45ページ5行~45ページ8行)と判示し、本件発明3に関して「しかるところ、本件発明3は、本件発明1の方法により製造されるゲート構造を備えた噴出ノズル管と本件発明2の方法により製造される同様の噴出ノズル管の双方をその内容とする発明であるから、被告は、請求項3によって特定される本件発明3の全体について、被告がその発明者であることを認めるに足りる主張立証をしているとはいえないことになる。」(判決書45ページ14行~45ページ18行)と判示する。
そして、本件判決は、「以上の検討を総合すれば、本件各発明のうち、本件発明2については、その発明者が被告であると認めることができるが、本件発明1及び3については、その発明者が被告であると認めることはできない。」(判決書45ページ19行~45ページ21行)と判示する。
ここで、本件の再度の審理には、行政事件訴訟法33条1項の規定により、取消判決の拘束力が及ぶ。そして、この拘束力は、判決主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断にわたるものであるから、再度の審理において、当事者が、本件判決の拘束力の及ぶ判決理由中の認定判断につきこれを誤りであるとして従前と同様の主張を繰り返すこと、あるいは上記主張を裏付けるための新たな立証をすることは認められない。
被請求人は、本件判決の認定判断は誤りであると主張し、これを裏付けるための新たな立証として、本件予告後に上申書(1)及び上申書(2)並びに乙第21号証ないし乙第65号証を提出するが、当該主張立証は、一次審決に係る審判手続及びその審決取消訴訟において既に行われたもの、あるいはこれを行うことができたはずのもの、又は従前と同様の主張を繰り返すものであって、上記拘束力により採用することができないものである。
以上のことから、当審は、本件判決に従い、本件各発明のうち、本件発明2については、その発明者が被請求人であると認めることができるが、本件発明1及び3については、その発明者が被請求人であると認めることはできないものと判断する。
また、本件発明1及び3については、その発明について被請求人が発明者から特許を受ける権利を承継しているとも認められない。
したがって、本件発明1及び3に係る特許は、その特許が発明者でない者であってその発明について特許を受ける権利を承継しない者の特許出願に対してされたものであるから、平成23年法律第63号による改正前の特許法第123条第1項第6号に該当し、無効にすべきものである。
また、本件判決のとおり、本件発明2に係る特許は、その発明者が被請求人であるから、無効にすることはできない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第64条の規定により、その3分の1を請求人の負担とし、3分の2を被請求人の負担とするものとする。
よって、結論のとおり審決する。
なお、被請求人は、平成30年5月24日付け(平成30年5月25日差出し)で、審理再開申立書を提出しているが、当審においては、平成30年1月23日付けで審決の予告をし、その指定期間内に被請求人が訂正の請求をしなかったので、特許法第156条第2項の規定により、審理の終結を通知した。そして、当審において、審理再開の必要性を慎重に検討したが、その必要を認めない。
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