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特許無効審判

2024-800074

単位遮光生地及びその製造方法

審判番号
2024-800074
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2020-546252外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
7014916
請求日
2024年05月30日
審決日
2025年11月27日
公報発行日
2026年07月31日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P1113.113-ZDA(E06B) / P1113.121-ZDA(E06B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法123条1項2号特許法169条2項民事訴訟法64条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第134条の2第9項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第134条の2第1項、特許法第120条の5第4項、特許法第169条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の特許第7014916号発明「単位遮光生地及びその製造方法」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第7014916号の特許請求の範囲を令和7年6月19日に提出された訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-4〕について訂正することを認める。 特許第7014916号の請求項1~3に係る発明についての特許を無効とする。 特許第7014916号の請求項4に係る発明についての審判請求は、成り立たない。 審判費用は、その4分の1を請求人の負担とし、4分の3を被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 請求の趣旨及び答弁の趣旨 1 請求の趣旨 特許第7014916号の請求項1~4に記載された発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。 2 答弁の趣旨 「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求める。 第2 手続の経緯 1 本件特許の出願から設定登録までの経緯 本件無効審判の請求に係る特許第7014916号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、2018年(平成30年)11月12日を国際出願日とする外国語特許出願であって(パリ条約による優先権主張日 2018年(平成30年)1月26日 韓国(KR))、令和4年1月24日に特許権の設定登録がなされた。 2 本件無効審判の手続の経緯 本件無効審判における手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和 6年 5月30日 :審判請求書の提出 同年10月 8日 :審判事件答弁書の提出 同年11月18日付け:審理事項通知 同年12月12日 :口頭審理陳述要領書の提出(請求人) 令和 7年 1月10日 :口頭審理陳述要領書の提出(被請求人) 同年 1月30日 :口頭審理 同年 3月14日付け:審決の予告 同年 6月19日 :審判事件答弁書及び訂正請求書の提出(被 請求人) 同年 9月19日 :審判事件弁駁書の提出(請求人) 第3 訂正の適否 1 訂正請求の趣旨 被請求人が令和7年6月19日にした訂正の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~4について訂正することを求めるものである。 2 訂正の内容 被請求人が令和7年6月19日にした訂正の請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のとおりである(下線は、訂正箇所である。)。 (1)訂正事項1 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に「不透過性生地からなる二つの遮蔽部(110)」と記載されているのを、「不透光織物からなる二つの遮蔽部(110)」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2~3も同様に訂正する。)。 (2)訂正事項2 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項4に「請求項1または2に記載の単位遮光生地を製造する方法」と記載されているのを、「不透過性生地からなる二つの遮蔽部(110)と、前記二つの遮蔽部(110)の間に位置し、前記遮蔽部(110)と長さ方向に沿って重ねられた形で付着する透過部(120)と、を含み、前記透過部(120)は、前記遮蔽部(110)のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って付着されることを特徴とする単位遮光生地を製造する方法」に訂正する。 3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否について (1)訂正事項1 ア 訂正の目的 訂正事項1に係る訂正は、「二つの遮蔽部(110)」について、本件訂正前の請求項1においては、「不透過性生地からなる」ものと特定されていたのを、「不透光織物からなる」ものとしたものであり、「生地」を「織物」に特定して限定するとともに、透過されずに遮蔽されるものが「光」であることを特定して限定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件明細書」といい、願書に添付した図面及び特許請求の範囲と併せて「本件明細書等」という。)の段落【0020】には、「前述した遮光生地100を製造するために、遮蔽部110は、光と風の流通が少なくて室内の遮蔽が可能な生地を使用することができ、不透光織物などの生地を使用することができる。」と記載されている。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項1に係る訂正は、上記アで検討したように、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことは明らかであり、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的 訂正事項2に係る訂正は、本件訂正前の請求項4において、「請求項1または2に記載の単位遮光生地を製造する方法」と記載されていたものを、請求項2を引用しないものとし、請求項1について、引用関係を解消して独立形式請求項とするものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮及び同第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 イ 新規事項の有無 訂正事項2に係る訂正は、上記アのとおり、本件訂正前の請求項1または2を引用していた請求項4について、請求項2を引用しないものとするとともに、請求項1について請求項間の引用関係を解消するものであり、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項に係る訂正2は、上記アのとおり、特許請求の範囲を減縮するとともに、請求項間の引用関係を解消するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)独立特許要件について 全ての請求項に対して特許無効審判が請求されているので、訂正事項1~4に関し、特許法第134条の2第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項に規定される要件(独立特許要件)は適用されない。 (4)訂正単位について 訂正前の請求項1~4について、請求項2~4は、請求項1を直接又は間接的に引用する関係にあり、それぞれ、訂正事項1に係る訂正により訂正される請求項1に連動して訂正されるから、訂正前の請求項〔1-4〕は、一群の請求項であり、本件訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項〔1-4〕について請求されている。 (5)請求人の主張について ア 請求人の主張の概要 請求人は、令和7年9月19日提出の審判事件弁駁書(以下、単に「弁駁書」という。)において、被請求人がした本件訂正請求は、以下の理由により、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから認められないと主張する。 「被請求人は、本件訂正請求における訂正事項1は、請求項1における「不透過性生地」について「不透光織物」であることを特定することにより、織物であることによる輸送される際のシワ防止、耐久性向上、あるいはブラインドの開け閉めにおける非撓み・形状維持強度増加という技術的意義があることを主張し、そして、このような技術的意義が存在することにより、甲第2、第3号証から訂正特許発明1を容易に想到することはできないと主張している。 しかしながら、そのような技術上の意義を有する発明は、本件明細書等に記載されていないし、自明であるということもできない。 したがって本件訂正請求は、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、認められるべきでない。」 イ 主張の検討 上記アを要約すると、請求人は、被請求人が令和7年6月19日提出の審判事件答弁書(以下「答弁書(2)」という。)において、訂正事項1に係る訂正によって請求項1における「不透過性生地」が「不透光織物」であることを特定することによる技術的意義を主張したことについて、「そのような技術上の意義を有する発明は、本件明細書等に記載されていないし、自明であるということもできない」ことを理由に訂正事項1に係る訂正が第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから認められないことを主張している。 しかし、特許法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項は、特許請求の範囲は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしなければならない旨規定しており、訂正の適否は、当該規定に沿って判断されるべきであって、答弁書において被請求人がした主張によって特許請求の範囲の訂正が願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたか否かが判断されるものではない。 そして、訂正事項1に係る訂正が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであることは、上記(1)イに示したとおりであり、被請求人の答弁書(2)を参酌することにより、上記(1)に示した訂正の要件についての判断が左右されるものではない。 よって、被請求人の答弁書(2)による主張を根拠とした請求人の主張によって上記(1)の判断が左右されるものではない。 4 訂正の適否についてのむすび 以上のとおり、本件訂正は、訂正の要件を全て満たすものであるから、これを認める。 第4 本件特許発明 上記第3のとおり、本件訂正の請求による請求項1~4の訂正は認められるから、本件特許の請求項1~4に係る発明(以下、請求項の番号に従って「本件特許発明1」等といい、また、これらを総称して「本件特許発明」という。)は、それぞれ、訂正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである(分説記号A~Kは、当審で付した。)。 「【請求項1】 A 不透光織物からなる二つの遮蔽部(110)と、 B 前記二つの遮蔽部(110)の間に位置し、前記遮蔽部(110)と長さ方向に沿って重ねられた形で付着する透過部(120)と、を含み、 C 前記透過部(120)は、前記遮蔽部(110)のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って付着されることを特徴とする、単位遮光生地。 【請求項2】 D 前記遮蔽部(110)と前記透過部(120)とはホットメルトまたは接着剤で付着できることを特徴とする、請求項1に記載の単位遮光生地。 【請求項3】 E 前記遮蔽部(110)と前記透過部(120)とはミシンまたは超音波融着で付着できることを特徴とする、請求項1に記載の単位遮光生地。 【請求項4】 F 不透過性生地からなる二つの遮蔽部(110)と、前記二つの遮蔽部(110)の間に位置し、前記遮蔽部(110)と長さ方向に沿って重ねられた形で付着する透過部(120)と、を含み、前記透過部(120)は、前記遮蔽部(110)のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って付着されることを特徴とする単位遮光生地を製造する方法であって、 G (a)ロール状に巻き取られた二つの遮蔽部の生地を繰り出して織物加工装置に投入する第1投入ステップと、 H (b)前記二つの遮蔽部の生地が前記織物加工装置のガイド部に沿って移動し、前記二つの遮蔽部の生地のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って接着剤を塗布する塗布ステップと、 I (c)前記塗布ステップで接着剤が塗布された二つの遮蔽部の生地の間に重ねられるようにロール状に巻き取られたメッシュ織物を繰り出して織物加工装置に水平配列して投入する第2投入ステップと、 J (d)前記織物加工装置のガイド部に沿って前記塗布ステップで接着剤が塗布された二つの遮蔽部の生地と前記第2投入ステップで投入されたメッシュ織物とを付着させて遮光生地を製造する製造ステップと、 K (e)前記製造ステップで製造された遮光生地をロール状に巻き取らせる巻取ステップと、を含んでなる、単位遮光生地の製造方法。」 第5 請求人の主張及び証拠方法 1 請求人の主張の概要 請求人が主張する無効理由は、審判請求書(以下「請求書」という。)、請求人陳述要領書及び口頭審理を総合すると、次のとおりのものである(第1回口頭審理調書)。 (1)無効理由1(新規性、進歩性) 本件特許発明1~3は、甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。 本件特許発明4は、甲第4号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。 または、本件特許発明1~4は、甲第1号証及び甲第4号証に記載された発明に基いて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (2)無効理由2(新規性、進歩性) 本件特許発明1及び2は、甲第2号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。 または、本件特許発明1及び2は、甲第2号証及び甲第3号証に記載された発明に基いて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 本件特許発明3は、甲第2号証及び甲第3号証に記載された発明に基いて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 本件特許発明4は、甲第3号証及び甲第4号証に記載された発明、又は、甲第2号証、甲第3号証及び甲第4号証に記載された発明に基いて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 2 証拠方法 請求人より提出された証拠は、以下のとおりである。 (「甲第1号証」、「甲第2号証の1」等は、以下、その数字に従って「甲1」、「甲2-1」等と称することがある。) 請求書の「8.証拠方法」の「(2)書証の表示」の「韓国実用新案登録20-0261897号公報」は、「韓国登録実用新案第20-0261897号公報」の誤記と認める。 甲第1号証 :特開2002-70458号公報 甲第2号証の1:韓国登録実用新案第20-0261897号公報 甲第3号証の1:米国特許第6311755号明細書 甲第4号証 :特許第3006801号公報 甲第5号証 :特許第7014916号公報(本件特許の特許掲載公報) また、請求人が提出した甲第2号証の2及び甲第3号証の2(以下、それぞれ、「甲参考資料1」及び「甲参考資料2」という。)は、参考資料とし、証拠として扱わないとした(第1回口頭審理調書)ものであるが、それぞれ、甲2-1の一部の翻訳及び甲3-1の一部の翻訳である。 甲参考資料1:甲2-1の一部の翻訳 甲参考資料2:甲3-1の一部の翻訳 第6 被請求人の主張及び証拠方法 1 被請求人の主張の概要 被請求人は、請求人の主張する理由及び提出した証拠によっては、本件特許発明を無効にすることはできないと主張している(令和6年10月18日提出の審判事件答弁書(以下、単に「答弁書」という。)、被請求人陳述要領書、第1回口頭審理調書参照。)。 2 証拠方法 被請求人より提出された証拠は、以下のとおりである。 また、答弁書に添付して提出された証拠説明書の「4 証拠の説明」の「韓国実用新案登録20-0261897号公報明細書」は、「韓国登録実用新案第20-0261897号公報」の誤記と認める。 乙第1号証:韓国登録実用新案第20-0261897号公報(甲2-1) 乙第2号証:甲2-1の技術説明 乙第3号証:広辞苑第7版、2556頁(「不織布」の欄)、岩波書店 また、被請求人が提出した乙第1号証の翻訳文の部分(以下「乙参考資料1」という。)は、参考資料とし、証拠として扱わないとした(第1回口頭審理調書)ものであるが、甲2-1の翻訳である。 乙参考資料1:甲2-1の翻訳 第7 当審の判断 1 証拠の記載事項 (1)甲1 ア 甲1に記載された事項 本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲1には、次の記載がある。 (ア)【0004】 「【0004】公知の垂直ブラインドは、一般的に、個々の回転可能なハンガーが設けられている天井の梁機構(overhead traverse mechanism)から垂直方向に吊り下がっている遮光性材料からなる細長いストリップ又はよろい板を含んでいる。いつくかの垂直ブラインド製品は、シーア(sheer:透けるほど薄い織物)を回転可能な遮光性の垂直よろい板と組み合わせて、遮光性のよろい板間に入り込む光を分散させるばかりでなく、まぶしい外部からビルの内部がよく見えるのを見え難くすることによりプライバシーをも付加する。」 (イ)【0017】 「【0017】ウィンドウブラインド10は、一以上のベーン12を含んでおり、各ベーン12は、光制御部材を形成している比較的不透明な部分すなわちストリップ14(より厚く図示されている)と、光散乱部材を形成している比較的半透明のシーアすなわちストリップ16(より薄く図示されている)と、からなる一体化された複合部材を含んでいる。ベーン12は、以下に説明するように、種々の織物若しくは編み物によって、又は一端を壁に接するか若しくは巻き付けるかに拘わらず、それらの共通の端縁に沿った接着、溶接、縫合又はその他の手段によって不透明で且つシーア材料の似ていないストリップを接合することによって、形成することができる。別の方法として、シーア部分16は、ベーン12の全幅を横切って延びることができ、不透明な部分14が、シーア部分16の一部分に被覆されるか又は塗られる(液体形態で適用される)。」 (ウ)【0030】 「【0030】図10ないし12は、本発明の複合ベーン12内において使用するための薄板からなる不透明部分のもう一つ別の実施形態14”を示している。この実施形態においては、複合ベーン12の不透明部分14”は、以前の不透明部分14,14’と異なり、第1のストリップ62と、第1のストリップ62とほぼ同じ幅を有している第2のストリップ64と、を含んでいる。ストリップ62,64は、たるんだ又は弾性の材料によって作られていても良く且つ異なる厚みを有してもよい。例えば、第1のストリップ62及び/又は第2のストリップ64は、カラー繊維等で作られてもよい。2つのストリップ62,64の両方の端縁又は自由端51,53は、結合部54を形成するために、接着、溶接、縫合又はその他の取り付け手段によって相互に結合されている。」 (エ)【図1】 「 [図:0001436882000001.jpg] 」 イ 認定事項 (ア)【0017】の「シーア部分16は、ベーン12の全幅を横切って延びることができ、不透明な部分14が、シーア部分16の一部分に被覆される」との記載を踏まえると、図1から、シーア部分16の一端は、不透明な部分14の全幅で長さ方向に沿って被覆されることが看てとれる(以下「認定事項1」という。)。 (イ)【0017】の「ベーン12は、」「種々の織物若しくは編み物によって、」「不透明で且つシーア材料の似ていないストリップを接合することによって、形成することができる。」の記載、不透明部分14の別の実施形態14”に関する【0030】の「複合ベーン12の不透明部分14”は、」「第1のストリップ62と、第1のストリップ62とほぼ同じ幅を有している第2のストリップ64と、を含んでいる。」「例えば、第1のストリップ62及び/又は第2のストリップ64は、カラー繊維等で作られてもよい。」の記載からみて、「ベーン12の不透明な部分14」はカラー繊維等で作られると解することができる(以下「認定事項2」という。)。 ウ 甲1発明及び甲1記載技術 以上を総合すると、甲1には次の発明及び技術的事項(以下「甲1発明」及び「甲1記載技術」という。)が記載されているものと認められる。 なお、【0017】の「シーア16」との記載は、【0017】の「シーア部分16」との記載を踏まえ、「シーア部分16」と記載を統一した。 <甲1発明> 「一以上のベーン12を含むウィンドウブラインド10のベーン12であって(【0017】)、 ベーン12は、比較的不透明な部分すなわちストリップ14と、比較的半透明のシーア部分16と、からなる一体化された複合部材を含み(【0017】)、 ベーン12の不透明な部分14はカラー繊維等で作られ(「認定事項2」)、 シーアは、透けるほど薄い織物であり(【0004】)、 ベーン12は、接着、溶接、縫合又はその他の手段によって不透明で且つシーア材料の似ていないストリップを接合することによって、形成することができ(【0017】)、 シーア部分16の一端は、不透明な部分14の全幅で長さ方向に沿って被覆される(「認定事項1」)、 ベーン12(【0017】)。」 <甲1記載技術> 「一以上のベーン12を含むウィンドウブラインド10において(【0017】)、 ベーン12は、比較的不透明な部分すなわちストリップ14と、比較的半透明のシーア部分16と、からなる一体化された複合部材を含み(【0017】)、 不透明な部分14はカラー繊維等で作られ(「認定事項2」)、 シーアは、透けるほど薄い織物であり(【0004】)、 ベーン12は、接着、溶接、縫合又はその他の手段によって不透明で且つシーア材料の似ていないストリップを接合することによって、形成することができ(【0017】)、 シーア部分16の一端は、不透明な部分14の全幅で長さ方向に沿って被覆されること(「認定事項1」)。」 (2)甲2-1 ア 甲2-1に記載された事項 本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲2-1には、次の記載がある(括弧書きの翻訳文は、当審が作成した。以下同様。)。 (ア)[0004] 「 [図:0001436882000002.jpg] 」 ([0004]一般的に、建物の窓の内側に設置され、手動で操作されるか、モーターを利用した自動化装置によって動作されるブラインドは、日光が室内に入らないようにしたり、室内の状態が外部に露出しないように遮断してくれる。) (イ)[0008]~[0011] 「 [図:0001436882000003.jpg] 」 ([0008]この問題を解決するために、私は図1aおよび図1bに示すような縦型ブラインド(1:実用新案登録第222937号)を提案した。 [0009]これは、両面が広告面5となり、上端にはレールのトラベラー(具体的に図示せず)に取り付けられるように、上側クリップ(8)が上端に結合されるブラインド(2)の一端面に挿入口(4)が外側に開放された結束片(3)を一体に形成し、結束片(3)の内部には遮蔽膜(6)を挿入させた状態で結束棒(7)を結合させているからである。ブラインド2を正逆に回転させても室内に向かう不一致する広告が連続的に連結される遮蔽膜6によって遮断されるようになったものである。 [0010]しかし、このようになった縦型ブラインド(1)は、ブラインドの結束片(3)に遮蔽膜(6)を挿入させなければならず、この状態で結束棒(7)を結合させなければならない作業を実施しなければならないので作業空間を多く占めるようになり、作業が煩わしいだけでなく容易に行うことができず生産性が低下し、人件費すなわち製造コストが高くなり、結束片(3)に挿入される遮蔽膜(6)の幅(間隔)を一定かつ均一に維持させて周期が容易でなく、遮蔽膜(6)の幅が互いに均一でなく、ブラインド(2)がねじれたり遮蔽膜(6)にしわが生じるなどの問題があった。 [0011]特に、ブラインド(2)の結束片(3)に遮蔽膜(6)を挿入させ、この状態で結束棒(7)を結合させる際に作業空間を多く占めて作業が煩わしいので、縦型ブラインド(1)を設置する現場で直接組み立て作業を行うことが容易にできず、組み立て作業を完全に行って移動させることができない問題があった。) (ウ)[0022]~[0026] 「 [図:0001436882000004.jpg] 」 ([0022]本考案に基づくカーテン兼用縦型ブラインド(10)は、カーテンブラインド(17)、上側クリップ(20)、および下側クリップ(30)で大きく構成される。 [0023]カーテンブラインド(17)は、カーテンバンド(15)とブラインド(11)で構成される。 [0024]カーテンバンド(15)は、通常のカーテンとして使用できる一般的な網目をはじめ、ネット、レース、布地、合成樹脂シートなどを含み、一定の幅と長さで製造(裁断)されるが、幅はブラインド(11)が干渉することなく自由に正逆回転できる程度の幅を維持し、長さは設置したい窓の長さに適したものに設定される。 [0025]ブラインド(11)は、一般的に使用されるブラインドと同様に所定の幅を維持し、長さはカーテンバンド(15)と同じに保たれる。 [0026]カーテンバンド(15)の両側にブラインド(11)を一体的に接着してカーテンブラインド(17)を形成する場合、図5aないし図8bに示されているように、通常の接着剤(16)を使用して接着される。) (エ)[0028] 「 [図:0001436882000005.jpg] 」 ([0028]図6aおよび図6bに示されているカーテンブラインド(17)は、ブラインド(11)の片面(12-1)の全面に接着剤(16)を塗布し、片面(12-1)の外側端とカーテンバンド(15)の外側端とを一致させて接着させて、カーテンバンド(15)が片面(12-1)の全体を覆うようになったものである。) (オ)[0031] 「 [図:0001436882000006.jpg] 」 「([0031]このように形成されたカーテンブラインド(17)を並列に設置する際に、隣接するブラインド(11)は、接着剤(16)が塗布された片面(12-1)を互いに当接させて後に具体的に説明する上側クリップ(20)と下側クリップ(30)により上端と下端を一体型的に結合させる。) (カ)[0034] 「 [図:0001436882000007.jpg] 」 ([0034]このようにそれぞれ個別に形成されたカーテンブラインド(17)と上側クリップ(20)及び下側クリップ(30)を互いに分離させた状態で所定の設置場所に移動させて設置することになるが、このようにカーテンブラインド(17)と上側クリップ(20)及び下側クリップ(30)とを互いに分離させてくれたので容易に取り扱うことができる。) (キ)[0036] 「 [図:0001436882000008.jpg] 」 ([0036]規格化されているカーテンブラインド(17)は、両側に接着されている各ブラインド(11)の他方の一面を広告面(12)として活用することができ、広告面(12)が互いに対向するようにすると、カーテンバンド15は自然に折り曲げられる。) (ク)[0041] 「 [図:0001436882000009.jpg] 」 ([0041]このように並列に結合させたカーテン兼用バーチカルブラインド(10)は、各カーテンブラインド(11)を連結させる各上側クリップ(20)の吊り片(23)をレールに設けられたトラベラー(具体的には図示せず)に締め付けることで取付を完了することになる。レールの片側に設けられた動力装置の作動により連結接着されたブラインド(11)と共にカーテンバンド(15)を折り畳んで展開して一般的なカーテンとして使用することができ、連接接着されたブラインド(11)のみを180度ずつ正逆に回転させながら広告面(12)に印刷された広告または絵を展開させることもできるようになるのである。) (ケ)図2 「 [図:0001436882000010.jpg] 」 (コ)図6a 「 [図:0001436882000011.jpg] 」 (サ)図6b 「 [図:0001436882000012.jpg] 」 イ 認定事項 [0004]の「ブラインドは、日光が室内に入らないようにしたり、室内の状態が外部に露出しないように遮断してくれる」との記載及び[0025]の「ブラインド(11)は、一般的に使用されるブラインドと同様に所定の幅を維持し、長さはカーテンバンド(15)と同じに保たれ」との記載を併せてみると、「ブラインド(11)」は、一般的に使用されるブラインドと同様に、日光が室内に入らないようにしたり、室内の状態が外部に露出しないように遮断するものと認められる(以下「認定事項3」という。)。 ウ 甲2発明及び甲2記載技術 以上を総合すると、甲2-1には次の発明及び技術的事項(以下「甲2発明」及び「甲2記載技術」という。)が記載されているものと認められる。 <甲2発明> 「カーテン兼用縦型ブラインド(10)を構成するカーテンブラインド(17)であって([0022])、 カーテンブラインド(17)は、カーテンバンド(15)とブラインド(11)で構成され([0023])、 カーテンバンド(15)は、通常のカーテンとして使用できる一般的な網目をはじめ、レースなどを含み([0024])、 ブラインド(11)は、一般的に使用されるブラインドと同様に所定の幅を維持し、長さはカーテンバンド(15)と同じに保たれ([0025])、 ブラインド(11)は、日光が室内に入らないようにしたり、室内の状態が外部に露出しないように遮断し(「認定事項3」)、 カーテンバンド(15)の両側にブラインド(11)を一体的に接着してカーテンブラインド(17)を形成する場合、通常の接着剤(16)を使用して接着され([0026])、 カーテンブラインド(17)は、ブラインド(11)の片面(12-1)の全面に接着剤(16)を塗布し、片面(12-1)の外側端とカーテンバンド(15)の外側端とを一致させて接着させて、カーテンバンド(15)が片面(12-1)の全体を覆うようになったものである([0028])、 カーテンブラインド(17)([0022])。」 <甲2記載技術> 「カーテンブラインド(17)、上側クリップ(20)、および下側クリップ(30)で構成されるカーテン兼用縦型ブラインド(10)において([0022])、 カーテンブラインド(17)は、カーテンバンド(15)とブラインド(11)で構成され([0023])、 カーテンバンド(15)は、通常のカーテンとして使用できる一般的な網目をはじめ、レースなどを含み([0024])、 ブラインド(11)は、日光が室内に入らないようにしたり、室内の状態が外部に露出しないように遮断すること(「認定事項3」)。」 (3)甲3-1 ア 甲3-1に記載された事項 本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲3-1には、次の記載がある。 (ア)3欄42~50行 「How these and other features of the present invention are accomplished will be described in the following detailed description of the preferred embodiment, taken in conjunction with the drawings. Generally, however, they are provided by a product and manufacturing method which begins with the creation of a three component elongate strip which may optionally be made in advance and at a different location from the place where the actual blinds with curtain are made. 」 (本発明のこれらおよび他の特徴は、達成される好ましい実施形態の以下の詳細な説明に記載され、図面に関連してなされるであろう。しかし、一般的に、それらは、3成分の細長いストリップの作成から始まる製品および製造方法により提供され、当該ストリップは、必要に応じて事前に、実際のカーテン付きブラインドが製造される場所とは異なる場所で製造されることができる。) (イ)4欄52行~5欄18行 「Before proceeding to the detailed description of the preferred embodiment, several general comments should be made about the applicability and the scope of the present invention. ・・・ The other major starting material will be the "vane material", typically a lesser cost and more opaque material. Fabrics are preferred for both the curtain and the vane material, but the fabrics may be selected from a wide variety of woven and non-woven materials. If sonic welding will be used to join the two portions of vane material to the center portion of curtain material, one or both of the materials must be thermoplastic to allow a heat seal to form. Other techniques, however, may be used for joining the curtain and vane materials, such as sewing or the use of various types of adhesives. In addition the vane material may be, and preferably should be, stiffer than the curtain material. The stiffening may be accomplished by using stiff material to begin with or by adding stiffening compounds.」 (好ましい実施形態の詳細な説明に進む前に、本発明の応用性および範囲について、いくつかの一般的な見解が示されるべきである。 ・・・ 他の主要な出発材料は、典型的には、より少ないコスト、より不透明な材料であるは「ベーン材料」であり得る。布地は、カーテン、ベーン材料の両方に好適であるが、布地は、様々な織布及び不織布材料から選択することができる。超音波溶接を使用してベーン材料の2つの部分をカーテン素材の中心部に接合する場合、材料の一方又は両方は、ヒートシールを形成するのを可能にする熱可塑性でなければならない。しかしながら、カーテンと材料を接合するために、縫合、又は様々なタイプの接着剤の使用などの他の技術を使用することができる。さらに、ベーン材料は、カーテン材料より硬くてもよく、好ましくは、カーテン材料より硬くなければならない。硬くすることは、もとより硬い材料を使用すること、または、硬化化合物を添加することによって達成することができる。) (ウ)6欄25~44行 「Unlike the bead and socket curtain attachment technique described in the aforementioned Ruggles, et al. '881 patent, or the vane and fabric sheet attachment systems described in the Colson or Colson, et al. patents described above, the present invention employs an elongate strip 30 of material to form one half of a first vane, the curtain material extending between a pair of vanes and one-half of an adjacent vane. FIG. 3 illustrates, in a schematic way, such elongate strip material 30. It is comprised of three longitudinally extending portions 31-33. Portions 31 and 33 are vane material, and for purposes of the description of the preferred embodiment, are opaque, non-woven and relatively inexpensive polyester material. On the other hand, portion 32 is illustrated as being a woven fabric which may be relatively more expensive. This is usually acceptable since it will be visible to the user of the blind. FIG. 3 also shows a pair of seal lines 35 and 37 extending the length of strip 30. For purposes of this illustration, each of seal lines 35 and 37 can be considered to be adhesive seal lines. These seals can be created at high speeds, allowing the strip 30 to be made "on-line".」 (上述したRugglesらの'881号特許、又はColsonまたは、Colsonらの特許に記載されたベーンと布シートの取付システムにおいて説明したビード及びソケットをカーテン取付け技法とは異なり、本発明は、第1のベーンの半分と、一対のベーンの間に延在するカーテン材料と、隣接するベーンを形成するための材料の細長いストリップ30を使用する。図3は、そのような細長いストリップ材(30)を概略的に示す。それは、3つの長手方向に延在する部分31-33から構成される。部分31および33は、ベーン材料であり、好ましい実施形態の説明の目的のために、不透明で、不織布でかつ比較的安価なポリエステル材料である。一方、部分32は、比較的高価である可能性がある織布として示されている。これは、視覚障碍者のユーザーに見えるため、通常は許容される。また、図3は、ストリップ30の長さ方向に延びる一対のシール線35および37を示している。この説明の目的のために、シール線35および37の各々は、接着シール線と考えることができる。これらシールは、高い速度で生成され、ストリップ30は「オンライン」で行うことが可能となる。) (エ)6欄65行~7欄19行 「With reference to FIG. 4, a device for preparing a blind with curtain according to the preferred embodiment of the invention is shown in schematic form. The three component strip 30 is first prepared starting with rolls 42 and 44 of vane material 31 and 33 respectively and roll 46 of curtain material 32. In the illustrated process, adhesive is placed on the materials in four locations. A first bead is placed on the inner edge 31A and 33B of portions 31 and 33 just prior to overlapping them with the curtain material portion 32, at which point bonding occurs under the nip rollers 46 and 47. An adhesive application station is generally illustrated at 45. Adhesive is also applied to the upwardly facing surfaces of vane material portions 31 and 33, along the outer edges 31B and 33B thereof. Adhesive may also be applied to areas between the outer and inner edges of the vane material portions, such as by bead application, spraying, brushing, the use of a doctor blade or the like. The combination strip 30 proceeds along the process area 49 until it approaches a rotary cut-off knife 50 which may be of the same design as the knife used in the preparation of cellular blinds known to the art. Combination strip 30 may include a signalling hem strip area periodically along its length (see reference number 36 in FIG. 3) if photocells are used to activate the knife 50.」 (図4を参照すると、本発明の好ましい実施形態に係るカーテン付きブラインドを製造するための装置が概略的に示されている。3成分ストリップ30は、まずベーン材料31および33のロール42、44と、カーテン材料32のロール46から出発して製造される。図示のプロセスでは、接着剤は、材料上に4カ所配置される。第1のビードがカーテン材料32の一部と重なる直前の、部分31及び33の内側縁31a、33b上に載置され、ニップローラー46及び47の下で点接合が行われる。接着剤塗布ステーションは、一般的に45で示される。接着剤はまた、ベーン材料31および33の一部の上向きの表面にも、その外側の端縁31b,33bに沿って塗布される。接着剤はまた、ベーン材料の外縁部と内縁部との間の領域に、ビード塗布、噴霧、ブラッシング、ドクターブレードなどによって塗布してもよい。当該技術分野に知られているセルラーブラインドの製造に用いられるナイフと同じ設計の回転式切断ナイフ50に接近するまで、複合ストリップ30は、処理エリア49に沿って進む。光電池がナイフ50を活性化するために使用される場合、複合ストリップ30は、その長さ(図3の参照番号36を参照)に沿って周期的に信号用の縁のストリップの領域を含んでいてもよい。) (オ)8欄56行~9欄7行 「In connection with the adhesives, it will be clear at this point that if only a single bead of adhesive is applied to the outer edges 31B and 33B of the vane material, together with the application of the adhesive at the inner edges 31A and 33A thereof, the vane which will result for the final product made by the method of the present invention will be hollow, i.e. attached at the longitudinal edges thereof, but that if adhesive is applied across the entire faces of portions 31 and 33, a unitary vane comprised of two overlapping layers of material will be formed. A cross-section taken horizontally through a blind with curtain 10 made according to the present invention is illustrated in FIG. 7, which FIGURE represents the latter of the previous two examples, i.e. where there is uniform adhesive application across the surfaces of the vane portions 31 and 33. Cutting the length to the size required for a particular application, and the attachment of the vanes to deployment hardware will complete the preparation of a blind with curtain 10 made according to the present invention.」 (接着剤に関しては、この時点で明らかなように、接着剤の単一のビーズをベーン材料の外縁31Bおよび33Bに塗布し、その内縁31Aおよび33Aに接着剤を塗布した場合、本発明の方法によって製造される最終製品のベーンは中空、すなわちその長手方向の縁に接着されるが、接着剤を部分31および33の全面に塗布した場合、2つの重なり合った材料層からなる一体型のベーンが形成される。本発明に従って製造されたカーテン付きブラインド10の水平方向の断面を図7に示す。図7は、前の2つの例のうち後者、すなわち、ベーン部分31および33の表面全体に均一に接着剤が塗布されている例を示している。特定の用途に必要なサイズに長さを切断し、ベーンを展開ハードウェアに取り付けると、本発明に従って作られたカーテン付きブラインド10の製造が完了する。) (カ)図3 「 [図:0001436882000013.jpg] 」 (キ)図4 「 [図:0001436882000014.jpg] 」 イ 認定事項 (ア)図4より、ベーン材料31、33及びカーテン材料32がロール42、44、46ら供給されて、案内されて移動することが看てとれる(以下「認定事項5」という。)。 (イ)図3より、6欄32~44行の「シール線35および37の各々は、接着シール線と考えることができる。」との記載及び4欄52行~5欄18行の「カーテンと材料を接合するために、縫合、又は様々なタイプの接着剤の使用などの他の技術を使用することができる。」との記載を併せてみると、ベーン材料31,33は、それぞれシール線35および37によって、カーテン材料32と接着されると解することができる(以下「認定事項6」という。)。 (ウ)図3より、6欄25~44行の「部分32は、比較的高価である可能性がある織布として示されている。」との記載を併せてみると、部分32は、網目を有する織布であると解することができる(以下「認定事項7」という。)。 ウ 甲3発明及び甲3記載技術 以上を総合すると、甲3-1には次の発明及び以下の2の技術的事項(以下、それぞれ、「甲3発明」、「甲3記載技術1」及び「甲3記載技術2」という。)が記載されているものと認められる。 <甲3発明> 「第1のベーンの半分と、一対のベーンの間に延在するカーテン材料と、隣接するベーンを形成するための材料の細長いストリップ30を製造する方法であって(6欄25~44行)、 ベーン材料31、33及びカーテン材料32がベーン材料31および33のロール42、44とカーテン材料32のロール46から供給されて、案内されて移動し(「認定事項5」)、 ベーン部分31および33の表面全体に均一に接着剤が塗布され、(8欄56行~9欄7行)、 細長いストリップ材(30)は、3つの長手方向に延在する部分31-33から構成され、部分31および33は、ベーン材料であり、不透明で、不織布でかつ比較的安価なポリエステル材料であり、部分32は、比較的高価である可能性がある網目を有する織布であり(6欄25~44行、「認定事項7」)、 ベーン材料31,33は、それぞれシール線35および37によって、カーテン材料32と接着される(「認定事項6」)、 ストリップ30を製造する方法(6欄25~44行)。」 <甲3記載技術1> 「第1のベーンの半分と、一対のベーンの間に延在するカーテン材料と、隣接するベーンを形成する細長いストリップ30において(6欄25~44行)、 3つの長手方向に延在する部分31-33から構成され、部分31および33は、ベーン材料であり、不透明で、不織布でかつ比較的安価なポリエステル材料であり、部分32は、比較的高価である可能性がある織布であり(6欄25~44行)、 超音波溶接を使用してベーン材料の2つの部分をカーテン素材の中心部に接合する場合、材料の一方又は両方は、ヒートシールを形成するのを可能にする熱可塑性であり、カーテンと材料を接合するために、縫合、又は様々なタイプの接着剤の使用などの他の技術を使用することができること(4欄52行~5欄18行)。」 <甲3記載技術2> 「一般的な見解として、布地は、ベーン材料に好適であるが、布地は、様々な織布及び不織布材料から選択することができること(4欄52行~5欄18行)。」 (4)甲4 ア 甲4に記載された事項 本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲4には、次の記載がある。 (ア)7頁右欄49行~8頁左欄16行 「好ましい実施例の説明 最初に図1を参照すると、本発明の布32を採用している建築物の開口部(図示せず)用の遮蔽体30が示されている。本発明を開示するために、遮蔽体30は、窓用ブラインドすなわち窓ブラインドと呼ぶが、遮蔽体は、ドア、アーチ道、天窓等の他の建築上の用途に用いることができることを理解する必要がある。また、以下の記載においては、布32に使用されるベーン(羽根)36は垂直方向に配列されているが、そのようなベーンは、水平方向に配列することもでき、布が建築用の遮蔽装置に採用される場合には、別の作動システムを用いる必要がある。 窓ブラインド30は、一般的に、窓の開口部に隣接する壁又は天井から懸架可能なヘッドレール34と、該ヘッドレールに接続されていて、垂直方向に伸長する複数のベーン36を懸架するようになされている作動システム(図示せず)とを備えており、上記複数のベーンは、ある材料の面シートすなわち面シート材料38によって、垂直方向において平行な関係で相互接続されている。」 (イ)8頁左欄36~45行 「ベーン36は種々の形態を取ることができるが、後に説明する態様でベーンを面シート38に取り付けることを容易にするために、ベーンの一方の側縁部に沿って長手方向に伸長するフラップ42(図1A及び図3A)を含む、管状の形態であるのが好ましい。図1A及び図2Aに最も良く示されるように、ベーン36の1つの形態においては、ベーンは、実質的に翼板の形態を有する細長い管に形成された可撓性材料(布すなわち織物であるのが好ましい)から成る単一のシートから形成される。」 (ウ)8頁右欄12~24行 「従って、シート材料の各々の側縁部46に隣接して、このエッジ部分にフラップ42が形成され、1つのフラップが、短い側壁及び長い側壁に関連して設けられる。各々の壁部のフラップは、矩形状の形態を有していて、ベーンの長さに沿って伸長する2つの長辺と、直角な2つの短辺とを有しており、これら短辺の一方は、ベーンの頂部にあり、他方は、ベーンの底部にある。矩形状のフラップは、約7インチの幅を有するストリップ材料から形成された場合には、平面で見た時に、1/4インチから1/2インチの範囲の幅を有するのが好ましい。換言すれば、各々のフラップは、ベーンが形成されるストリップの全幅の約5%であるのが好ましい。」 (エ)9頁左欄3~18行 「ベーン36が形成される材料は、変動する特性を有しているが、ベーンは、不透明又は実質的に不透明の材料から形成され、上記閉位置において、ブラインドが光線及び像を実質的に阻止することができるようにすることが望ましい。ベーンが製造される材料は、その上に押印されたあるいは形成された装飾的なデザインを有することができるが、単純な単一色の材料から形成することもできる。 ベーンを相互接続する面シート(図1乃至図6)38も、可撓性の布材料から形成することができ、そのような面シートは、該面シートの折り曲げ部54(図2A及び図21)を各ベーン36のフラップの間に挿入してそのようなフラップを互いに固定し、これにより、面シートをフラップの間に捕捉することにより、垂直方向において平行に隔置された取り付け線に沿ってベーンの後方部に固定される。」 (オ)9頁左欄44~48行 「面シート38は、幾つかの織物を使用することができるが、編布であるのが好ましい。また、ベーン36と所望の機能的な及び美観的な協働作用を行うために、面シート38は、ある種の構成及び像を通過させるような透明又は半透明であるのが好ましい。」 (カ)10頁右欄26行~11頁左欄20行 「上述の布32を製造するための装置60が、図7及び図7Aに図解的に示されている。この装置は、ベーン形成セクション62と、布形成セクションすなわち結合セクション64とを備えている。図7から分かるように、ベーン形成セクション62は、ベーン布すなわちシート材料68の細長いストリップの供給ロール66を備えており、上記ストリップは、原材料94の原料ロール94から特定の幅(例えば、約7インタ)に、予め切断されている。ベーンシート材料は、種々のステーションにおいてシート材料に連続的に結合するローラ及びベルトによって、本装置のベーン形成セクション62の種々の作動ステーションを通って前進される。 ベーンシート材料68は、最初に、布調整ユニット70を通って前進する。上記布調整ユニットは、実質的には、布材料すなわち織物材料の皺又は湾曲を除去する加熱ローラ72の形態のストレートナである。シート材料のストリップ68は、直線化された後に、第1の接着剤線を塗布するための第1の接着剤アプリケータ74を含む装置を通って、水平方向に下流側に前進する。次に、シート材料のストリップ68は、選択に応じて、ストリップ材料68の所望の箇所に襞を形成するための第1及び第2のクリーサ76、77に通される。ラインの次の装置は、フォルダーであって、このフォルダーは、水平方向に配列されたシート材料を折り曲げて、シート材料の側縁部46を互いに接近させる。次に、第2の接着剤アプリケータ80が、ベーンの短い壁部及び長い壁部48、50が接合される箇所に第2の接着剤線82を塗布し、次に、ストリップ材料は、コンプレッサ84に供給され、該コンプレッサは、ベーンの短い壁部及び長い壁部を第2の接着剤線82に沿って互いに圧接する。最後に、カッター86が設けられており、このカッターは、シート材料のストリップを、布32のベーン36を形成するため所定の長さに切断する。そのようなベーンは、その後、装置の布形成セクション64に前進する。 布形成セクション64(図7及び図7A)においては、インサーターブレード88が、面シート材料38の一部すなわち折り曲げ部を予形成されたベーン36のフラップ42の間の空間に押し込み、シート材料がテンショナー(緊張装置)89で横方向に緊張された後に、第2のコンプレッサ90が、第1の接着剤アプリケータ74によって塗布された接着剤線をフラップに沿って活性化し、これにより、面シートをフラップの間にシールする。このようにして、ベーンをシート材料に順次接続した後に、その結果生じた布32は、蓄積ロール又は搬送ロール92に巻き取ることができる。」 (キ)11頁左欄42~44行 「アプリケータ74は、ストリップの各々の側縁部46の頂面に沿って、第1の細長い連続的な接着剤ビード98を塗布する。」 (ク)12頁右欄25~35行 「次に、ベーン36は、図7及び図7Aに示す本装置の布形成セクションすなわち結合ステーション64に前進する。このセクションにおいては、ベーン36は、最初に、面シート材料38のロール110に横方向において整合して位置決めされる。面シート材料38のロール110は、ローラに貯蔵されており、布32を設けるべき窓の高さに従って、ある幅に予め切断されている。面シート材料は、一連の駆動ローラから与えられる張力すなわちテンションによるローラから取り出される。これらローラは、面シート材料を装置の布形成セクションすなわち結合セクションに通す。」 (ケ)【第7図】 「 [図:0001436882000015.jpg] 」 (コ)【第7A図】 「 [図:0001436882000016.jpg] 」 イ 甲4発明及び甲4記載技術 以上を総合すると、甲4には次の発明及び技術的事項(以下「甲4発明」及び「甲4記載技術」という。)が記載されているものと認められる。 <甲4発明> 「窓ブラインドと呼ばれる建築物の開口部用の遮蔽体30に採用される布32を製造する方法であって(7頁右欄49行~8頁左欄16行)、 布32は、ベーンをシート材料に順次接続して生じるものであり(10頁右欄26行~11頁左欄20行)、 ベーンは、不透明の材料から形成され(9頁左欄3~18行)、 ベーンを相互接続する面シート38も、可撓性の布材料から形成することができ、そのような面シートは、該面シートの折り曲げ部54を各ベーン36のフラップの間に挿入してそのようなフラップを互いに固定し(9頁左欄3~18行)、 各々のフラップは、ベーンが形成されるストリップの全幅の約5%であり(8頁右欄12~24行)、 面シート38は編布であり、ある種の構成及び像を通過させるような透明又は半透明であり(9頁左欄44~48行)、 布32を製造するための装置60は、ベーン形成セクション62と、布形成セクション64とを備え(10頁右欄26行~11頁左欄20行) ベーン形成セクション62は、シート材料68の細長いストリップの供給ロール66を備え、ベーンシート材料は、種々のステーションにおいてシート材料に連続的に結合するローラ及びベルトによって、本装置のベーン形成セクション62の種々の作動ステーションを通って前進され、ベーンシート材料68は、最初に、布調整ユニット70を通って前進して、布材料すなわち織物材料の皺又は湾曲を除去され、シート材料のストリップ68は、直線化された後に、第1の接着剤線を塗布するための第1の接着剤アプリケータ74を含む装置を通って、水平方向に下流側に前進し、次の装置は、フォルダーであって、このフォルダーは、水平方向に配列されたシート材料を折り曲げて、シート材料の側縁部46を互いに接近させ、次に、第2の接着剤アプリケータ80が、ベーンの短い壁部及び長い壁部48、50が接合される箇所に第2の接着剤線82を塗布し、次に、ストリップ材料は、コンプレッサ84に供給され、該コンプレッサは、ベーンの短い壁部及び長い壁部を第2の接着剤線82に沿って互いに圧接し、最後に、カッター86が設けられており、このカッターは、シート材料のストリップを、布32のベーン36を形成するため所定の長さに切断し、ベーンは、その後、装置の布形成セクション64に前進し(10頁右欄26行~11頁左欄20行)、 布形成セクション64においては、インサーターブレード88が、面シート材料38の一部すなわち折り曲げ部を予形成されたベーン36のフラップ42の間の空間に押し込み、シート材料がテンショナー(緊張装置)89で横方向に緊張された後に、第2のコンプレッサ90が、第1の接着剤アプリケータ74によって塗布された接着剤線をフラップに沿って活性化し、これにより、面シートをフラップの間にシールし、このようにして、ベーンをシート材料に順次接続した後に、その結果生じた布32は、蓄積ロール又は搬送ロール92に巻き取ることができ(10頁右欄26行~11頁左欄20行)、 アプリケータ74は、ストリップの各々の側縁部46の頂面に沿って、第1の細長い連続的な接着剤ビード98を塗布し(11頁左欄42~44行)、 布形成セクション64においては、ベーン36は、最初に、面シート材料38のロール110に横方向において整合して位置決めされ、面シート材料は、一連の駆動ローラから与えられる張力すなわちテンションによるローラから取り出され、これらローラは、面シート材料を装置の布形成セクションに通す(12頁右欄25~35行)、 布32を製造する方法(7頁右欄49行~8頁左欄16行)。 <甲4記載技術> 「窓ブラインドと呼ばれる建築物の開口部用の遮蔽体30に採用される布32において(7頁右欄49行~8頁左欄16行)、 布32は、ベーンをシート材料に順次接続して、蓄積ロール又は搬送ロール92に巻き取るものであり(10頁右欄26行~11頁左欄20行)、 ベーンは、不透明の材料から形成され(9頁左欄3~18行)、 ベーンを相互接続する面シート38も、可撓性の布材料から形成することができ、そのような面シートは、該面シートの折り曲げ部54を各ベーン36のフラップの間に挿入してそのようなフラップを互いに固定し(9頁左欄3~18行)、 各々のフラップは、ベーンが形成されるストリップの全幅の約5%であり(8頁右欄12~24行)、 面シート38は編布であり、ある種の構成及び像を通過させるような透明又は半透明であること(9頁左欄44~48行)。」 2 無効理由1(新規性、進歩性)について (1)甲1を主引例とした無効理由1 ア 本件特許発明1について (ア)本件特許発明1の「単位遮光生地」について 対比にあたり、本件特許発明1の「単位遮光生地」の技術的意味について、次のように解することができる。 a 本件明細書の記載 本件明細書には、「単位遮光生地」に関する直接的な記載はないが、「遮光生地」に関し、次の記載がある。 (a)【0019】 「【0019】 図1を参照すると、本発明に係る遮光生地100は、不浸透性生地からなる二つの遮蔽部110と、前記二つの遮蔽部110の間に位置し、前記遮蔽部110のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って重ねられた形で付着するメッシュ織物からなる透過部120とを含む遮光生地であって、隣接する前記遮光生地を連続的に結合させることによりブラインドへの使用が可能である。」 (b)【0031】 「【0031】 前述した遮光生地100は、さまざまな方法で結合させることができる。一例として、図9を参照すると、ブラインドを設置することができるように錐または穴開け機(punching machine)を用いて、前記遮光生地100に複数の設置孔130を形成させる。前述した設置孔130は、隣接した二つの遮光生地100が結合できるように対応する位置に形成させ、設置孔130に着脱可能な固定手段140を用いて、それぞれの遮光生地100と隣接する遮光生地100とを相互連結する方法によって結合させることができる。」 (c)【図9】 「 [図:0001436882000017.jpg] 」 b 「単位遮光生地」の技術的意味について (a)様々な技術分野において、同じ構造が繰り返す場合に、繰り返し構造の1つ分を一単位として、「~単位」や「単位~」と表記することは、本件特許の優先日時点で一般的に行われていることである。 (b)上記(a)で示したとおり、本件明細書には、二つの遮蔽部110と透過部120からなる一つの部材からなる「遮光生地」に関して、隣接する「遮光生地」を連続的に結合させることでブラインドを形成することが記載されており、同じ構造の「遮光生地」が繰り返してブラインドを形成していると解することができる。 そうすると、上記(a)を踏まえ、本件明細書全体を総合すると、「単位遮光生地」は本件明細書に記載された、繰り返してブラインドを形成する「遮光生地」を意味するものと解することができる。 (イ)対比 本件特許発明1と甲1発明とを対比する。 a 本件特許発明1の「不透光織物」と甲1発明の「カラー繊維等から作られ」る「不透明な部分14」とは、いずれも、「不透過性生地」であるといえるから、本件特許発明1の「不透光織物からなる二つの遮蔽部(110)」と、甲1発明の「カラー繊維等から作られ」る「不透明な部分14」とは、「不透過性生地からなる」「遮蔽部」である点で共通する。 b 甲1発明の「透けるほど薄い織物であ」る「シーア部分16」は、本件特許発明1の「透過部(120)」に相当する。 c 甲1発明において、「シーア部分16」が「不透明な部分14」で「長さ方向に沿って被覆され」るところ、「不透明で且つシーア材料の似ていないストリップ」は、「接着、溶接、縫合又はその他の手段によって」「接合」されることから、「シーア部分16」と「不透明な部分14」とは、接着、溶接、縫合又はその他の手段によって接合されることが明らかであることから、甲1発明の「シーア部分16」が「不透明な部分14」で「長さ方向に沿って被覆され」、接着、溶接、縫合又はその他の手段によって接合されることは、本件特許発明1の「透過部(120)」が「前記遮蔽部(110)と長さ方向に沿って重ねられ付着される」ことに相当する。 d 本件特許発明1の「前記透過部(120)は、前記遮蔽部(110)のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って付着される」とは、「透過部」と「遮蔽部のいずれか一面」との付着面積について特定していると解することができる。 そして、「前記遮蔽部(110)のいずれか一面の半分以上の位置」とは、その後に続く「長さ方向に沿って付着される」との記載を併せてみると、「前記遮蔽部(110)のいずれか一面の」幅方向における「半分以上の位置」であると解することができる。 してみると、甲1発明の「シーア部分16の一端は、不透明な部分14の全幅で長さ方向に沿って被覆される」ことは、本件特許発明1の「前記透過部(120)は、前記遮蔽部(110)のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って付着されること」に相当する。 e 以上を総合すると、本件特許発明1と甲1発明は、次の一致点1で一致し、相違点1及び2で相違する。 <一致点1> 「不透過性生地からなる遮蔽部(110)と、 前記遮蔽部(110)と長さ方向に沿って重ねられた形で付着する透過部(120)と、を含み、 前記透過部(120)は、前記遮蔽部(110)のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って付着される、単位遮光生地。」 <相違点1> 本件特許発明1では、「不透過性生地」が「不透光織物」であり、「遮蔽部(110)」が「二つ」であるのに対し、甲1発明では、「不透過性生地」が「カラー繊維等から作られ」る「不透明な部分14」であって、「不透明な部分14」が一つである点。 <相違点2> 本件特許発明1では、「透過部(120)」が「二つの遮蔽部(110)の間に位置」するのに対し、甲1発明では、「シーア16の一端」は、「不透明な部分14」に「被覆される」点。 (ウ)判断 a 新規性について 上記相違点1及び2に係る本件特許発明1の構成は、甲1発明から自明な事項とはいえないから、実質的な相違点である。 b 進歩性について 甲4記載技術は、上記1(4)イで示したとおり、複数の「ベーン」を一つの「シート材料」に「順次接続し」て生じる「布32」を開示するものであるが、甲4記載技術は、「二つの遮蔽部」「の間に」「透過部」が位置する技術ではなく、そのような技術を示唆するものでもない。 したがって、甲1発明に、甲4記載技術を適用しても、本件特許発明1とすることができない。 (エ)請求人の主張について a ベーン12が二つの遮蔽部を具備するかについて 請求人は、甲1発明1を次のとおり認定している。 「【甲1発明1】 (甲1-A)比較的不透明な部分からなる二つのストリップ14と、 (甲1-B)前記二つのストリップ14の間に位置し、前記ストリップ14と長さ方向に沿って重ねられた形で付着する比較的半透明のシーア部分16と、を含み、 (甲1-C)前記シーア部分16は、前記ストリップ14のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って接合されることを特徴とする、 ベーン12。」(請求書10頁15~22行) b 請求人は、被請求人の「甲1発明では1つのストリップ14がシーア16の長手方向に沿って取り付けられているにすぎず、透過部を間に挟んだ二つの遮蔽部110を具備する本件特許発明の単位遮光生地を開示していない」との主張に対して、次のとおり反論している。 「甲1では、ストリップ14として様々な形態の実施例が示されており、例えば図10に示された実施形態においてストリップ14”は、段落【0030】で説明されているように、第1ストリップ62と第2ストリップ64とから成っている。これら第1ストリップ62と第2ストリップ64はそれぞれの自由端51,53において、結合部54で結合されているが、それぞれ別の構成要素である。 [図:0001436882000018.jpg] このようなストリップ14”において、図2に示されているような形態で、ストリップ14”間に一つのシーア16が取り付けられた場合、透過部であるシーア16の一方には第1ストリップ62が、他端には第2ストリップ64が接続することになるので、ベーン12は第1ストリップ62と第2ストリップ64の、二つの遮蔽部を具備する構成となる。すなわち、単位遮光生地であるベーン12は、透過部を間に挟んだ二つの遮蔽部を有する構成となる。」(口頭審理陳述要領書(請求人)5頁22行~6頁10行) (オ)請求人の主張についての判断 a ベーン12が二つの遮蔽部を具備するかについて 本件特許発明の「単位遮光生地」は、上記(ア)で示したとおり、一つの部材である「遮光生地」がブラインドを形成する一単位を意味するものである。 してみると、甲1発明において、「不透明な部分14」と「シーア部分16」により一つの部材を構成する「ベーン12」が「ウィンドウブラインド10」を形成する一単位であり、「不透明な部分14」のいずれの実施例においても、「不透明な部分14」は一つであり、ベーン12が、透過部を間に挟んだ二つの遮蔽部を有する構成とはいえない。 したがって、透過部であるシーア16の一方にベーン12の第1ストリップ62が、シーア16の他端に隣接するベーン12の第2ストリップ64が接続するものを単位遮光生地とする請求人の上記主張は妥当ではない。 よって、請求人の上記主張は上記(ウ)に示した判断を左右するものでなく、採用できない。 (カ)小括 したがって、本件特許発明1は、甲1発明ではない。 また、本件特許発明1は、甲1発明及び甲4記載技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件特許発明2及び3について 本件特許発明2及び3は、本件特許発明1を全て含み、さらに限定を加えた発明であるから、上記(1)で検討した理由と同じ理由により、甲1発明ではなく、また、甲1発明及び甲4記載技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)甲4を主引例とした無効理由1 ア 本件特許発明4 (ア)対比 本件特許発明4と甲4発明とを対比する。 a 甲4発明の「窓ブラインドと呼ばれる建築物の開口部用の遮蔽体30に採用される布32を製造する方法」は、本件特許発明4の「単位遮光生地を製造する方法」と、「遮光生地を製造する方法」という点で共通している。 b 甲4発明の「不透明の材料から形成され」る「ベーン」は、本件特許発明4の「遮蔽部」に相当する。 c 甲4発明において、「シート材料のストリップ」を、「カッター」で「布32のベーン36を形成するため所定の長さに切断」することから、「シート材料のストリップ」が「ベーン36」の生地であると解することができ、上記bを踏まえると、甲4発明の「シート材料68の細長いストリップの供給ロール66」は、本件特許発明4の「ロール状に巻き取られた二つの遮蔽部の生地」と、「ロール状に巻き取られた」「遮蔽部の生地」という点で共通している。 d 甲4発明において、「供給ロール66」の「ベーンシート材料」を「ベーン形成セクション62の種々の作動ステーションを通って前進」させることは、本件特許発明4の「遮蔽部の生地を繰り出して織物加工装置に投入する」ことに相当する。 e 甲4発明の「ベーンシート材料は、種々のステーションにおいてシート材料に連続的に結合するローラ及びベルトによって、」「前進され」ることは、本件特許発明4の「遮蔽部の生地が前記織物加工装置のガイド部に沿って移動」することに相当する。 f 甲4発明において、「シート材料のストリップ68は、」「第1の接着剤線を塗布するための第1の接着剤アプリケータ74を含む装置を通って、水平方向に下流側に前進」し、「アプリケータ74は、ストリップの各々の側縁部46の頂面に沿って、第1の細長い連続的な接着剤ビード98を塗布」するところ、「第1の接着剤アプリケータ74」が「シート材料のストリップ68」の各々の「側縁部46の頂面に沿って」、シート材料のストリップ68の長さ方向に沿って接着剤を塗布すると解することができることから、甲4発明の「シート材料のストリップ68」の「各々の側縁部46の頂面」に長さ方向に沿って「第1の細長い連続的な接着剤ビード98を塗布」することは、本件特許発明4の「遮蔽部の生地のいずれか一面」に「長さ方向に沿って接着剤を塗布する」ことに相当する。 g 甲4発明の「編布であり、ある種の構成及び像を通過させるような透明又は半透明であ」る「面シート38」は、本件特許発明4の「メッシュ織物」に相当する。 h 上記gを踏まえると、甲4発明の「面シート材料38のロール110」の「面シート材料38」が「一連の駆動ローラ」により「取り出され」、「布形成セクションに通」されることは、本件特許発明4の「ロール状に巻き取られたメッシュ織物を繰り出して織物加工装置に」「投入する」ことに相当する。 i 甲4発明の「布形成セクション64においては、インサーターブレード88が、面シート材料38の一部すなわち折り曲げ部を予形成されたベーン36のフラップ42の間の空間に押し込」むことは、本件特許発明4の「遮蔽部の生地」に「重ねられるように」「メッシュ織物」を「投入する」ことに相当する。 j 甲4発明の「布形成セクション64においては」、「ベーン36」は、「面シート材料38のロール110に横方向において整合して位置決めされ」ることは、本件特許発明4の「ロール状に巻き取られたメッシュ織物」と「織物加工装置」を「水平配列」することに相当する。 k 上記g~jを踏まえると、甲4発明は、本件特許発明4と、「接着剤が塗布された」「遮蔽部の生地」に「重ねられるようにロール状に巻き取られたメッシュ織物を繰り出して織物加工装置に水平配列して投入する」点で共通する。 l 上記f及びkを踏まえると、甲4発明の「第2のコンプレッサ90が、第1の接着剤アプリケータ74によって塗布された接着剤線をフラップに沿って活性化し、これにより、面シートをフラップの間にシールし、このようにして、ベーンをシート材料に順次接続した後に、その結果」「布32」が「生じ」ることは、本件特許発明4の「前記織物加工装置のガイド部に沿って前記塗布ステップで接着剤が塗布された二つの遮蔽部の生地と前記第2投入ステップで投入されたメッシュ織物とを付着させて遮光生地を製造する」ことに相当する。 m 甲4発明の「布32は、蓄積ロール又は搬送ロール92に巻き取ること」は、本件特許発明4の「製造された遮光生地をロール状に巻き取らせる」ことに相当する。 n 以上を総合すると、本件特許発明4と甲4発明は、次の一致点2で一致し、相違点3、4、4-1、4-2、4-3及び5で相違する。 <一致点2> 「遮光生地を製造する方法であって、 ロール状に巻き取られた遮蔽部の生地を繰り出して織物加工装置に投入する第1投入ステップと、 前記遮蔽部の生地が前記織物加工装置のガイド部に沿って移動し、前記遮蔽部の生地のいずれか一面に長さ方向に沿って接着剤を塗布する塗布ステップと、 前記塗布ステップで接着剤が塗布された遮蔽部の生地に重ねられるようにロール状に巻き取られたメッシュ織物を繰り出して織物加工装置に水平配列して投入する第2投入ステップと、 前記織物加工装置のガイド部に沿って前記塗布ステップで接着剤が塗布された遮蔽部の生地と前記第2投入ステップで投入されたメッシュ織物とを付着させて遮光生地を製造する製造ステップと、 前記製造ステップで製造された遮光生地をロール状に巻き取らせる巻取ステップと、を含んでなる、遮光生地の製造方法。」 <相違点3> 本件特許発明4は、「不透過性生地からなる二つの遮蔽部(110)と、前記二つの遮蔽部(110)の間に位置し、前記遮蔽部(110)と長さ方向に沿って重ねられた形で付着する透過部(120)と、を含み、前記透過部(120)は、前記遮蔽部(110)のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って付着されることを特徴とする単位遮光生地」を製造するのに対し、甲4発明は、窓ブラインド30に採用される一枚の布32を製造するものであり、「単位遮光生地」を製造することが特定されていない点。 <相違点4> 本件特許発明4は、「ロール状に巻き取られた二つの遮蔽部の生地を繰り出して織物加工装置に投入する」のに対し、甲4発明は、「シート材料68の細長いストリップの供給ロール66」は一つであり、「二つの遮蔽部の生地」を繰り出すことが特定されていない点。 <相違点4-1> 本件特許発明4は、「前記二つの遮蔽部の生地が前記織物加工装置のガイド部に沿って移動し、前記二つの遮蔽部の生地」に「接着剤を塗布する」のに対し、甲4発明は、1枚の「ベーンシート材料」が「前進され」て、接着剤が塗布されるものであり、「二つの遮蔽部の生地」が「移動し」、「接着剤を塗布」されることが特定されていない点。 <相違点5> 本件特許発明4は、「遮蔽部の生地のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って接着剤を塗布する」のに対し、甲4発明は、「第1の接着剤アプリケータ74によって塗布された接着剤線」が沿う「各々のフラップは、ベーンが形成されるストリップの全幅の約5%であり」、接着剤を塗布する範囲が、「遮蔽部の生地のいずれか一面の半分以上の位置」であることが特定されていない点。 <相違点4-2> 本件特許発明4は、「二つの遮蔽部の生地の間に重ねられるようにロール状に巻き取られたメッシュ織物を繰り出」すのに対し、甲4発明は、「面シート材料38の一部すなわち折り曲げ部を予形成されたベーン36のフラップ42の間の空間に押し込」むものであり、「二つの遮蔽部の生地の間に重ねられるようにロール状に巻き取られたメッシュ織物を繰り出」すことが特定されていない点。 <相違点4-3> 本件特許発明4は、「二つの遮蔽部の生地」と「メッシュ織物」とを「付着させて遮光生地を製造する」のに対し、甲4発明は、複数の「ベーン」を一つの「シート材料に順次接続した」「結果」「布32」が生じるものであり、「二つの遮蔽部の生地」と「メッシュ織物」とを「付着させ」ることが特定されていない点。 (イ)判断 a 新規性について 上記相違点3、4、4-1、4-2、4-3及び5に係る本件特許発明4の構成は、甲4発明から自明な事項とはいえないから、実質的な相違点である。 b 進歩性について 各相違点について検討する。 (a)相違点3及び5について 甲4発明は、「単位遮光生地」の製造方法ではなく、「単位遮光生地」である「ベーン12」に関する甲1記載技術と組み合わせる動機付けがない。 また、甲4発明は、「面シート材料38の一部すなわち折り曲げ部を予形成されたベーン36のフラップ42の間の空間に押し込」んで、「接着剤線をフラップに沿って活性化」して接着するものであり、「シーア部分16の一端」と「不透明な部分14の全幅」とを接合する甲1記載技術と組み合わせる動機付けがない。 (b)相違点4、4-1、4-2及び4-3について 甲1記載技術は、上記1(1)ウで示したとおり、「比較的不透明な部分すなわちストリップ14と、比較的半透明のシーア部分16と、からなる一体化された複合部材を含」む「ベーン12」を含むものであるが、甲1記載技術には、「二つの遮蔽部」「の間に」「透過部」が位置する技術が記載されておらず、これを示唆するものでもない。 (c)したがって、甲4発明に、甲1記載技術を適用しても、本件特許発明4とすることができない。 (ウ)請求人の主張について a 「ロール状に巻き取られた二つのベーン布36」について (a)請求人は、甲4発明の(甲4-G)について、次のとおり認定している。 「(甲4-G)(a)ロール状に巻き取られた二つのベーン布36を繰り出して布32を製造するための装置60に投入する第1投入ステップと、」(請求書13頁3~4行) (b)請求人は、当審が通知した審理事項通知書の3(1)イの「請求書13頁3行における、「(甲4-G)ロール状に巻き取られた二つのベーン布36」との甲4発明の認定について、甲4において、ベーン布とはシート材料68であり、また、ベーンに付されている符号は36であることから、「ロール状に巻き取られた二つのベーン布36」が、甲4に記載されたどの部材を意味するのかが不明です。」との合議体の暫定的な見解に対して、次のとおり説明している。 「(2)「ロール状に巻き取られた二つのベーン布36」が意味する部材について 審判請求書13頁の(甲4-G)の認定において、「ロール状に巻き取られた二つのベーン布36」とは、供給ロール66に巻き取られているベーン布を意味する。これは、甲4明細書の10頁右欄29~31行に「図7から分かるように、ベーン形成セクション62は、ベーン布すなわちシート材料68の細長いストリップの供給ロール66を備えており」との記載を根拠にしている。 [図:0001436882000019.jpg] ベーン36は、典型的には【第1図A】に示されているように、長い壁部48と短い壁部50の二つの布の部位から構成されている。甲4の実施例ではフォルダーが配置されており、一つの布を折り曲げてベーンを形成する例が示されているが、長い壁部48と短い壁部50をそれぞれ別個の布とみることが可能なこと、またわざわざフォルダーを設置することなく、別々の布を供給しても良いことが自明なことから、二つのベーン布36と称呼したものである。」(口頭審理陳述要領書(請求人)3頁22行~4頁6行) b 接着剤の塗布範囲について (a)請求人は、甲4発明の(甲4-H)について、次のとおり認定している。 「(甲4-H)(b)前記二つのベーン布36が前記布32を製造するための装置60のベーン形成セクション62に沿って移動し、前記二つのベーン布36のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って接着剤を塗布する塗布ステップと、」(請求書13頁5~8行) (b)請求人は、当審が通知した審理事項通知書の3(1)ウの「請求書13頁6~8行における、「前記二つのベーン布36のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って接着剤を塗布する塗布ステップ」との甲4発明の認定において、接着剤の塗布範囲が、甲4の記載又は図面のどのような記載等に基づいているかが不明です。」との合議体の暫定的な見解に対して、次のとおり説明している。 「(3)甲4発明の認定におけるベーン布36への接着剤の塗布範囲について 審判請求書11~12頁で摘記したとおり、ベーン布となるシート材料68は、ローラ及びベルトによって前進させられながら、第1の接着剤アプリケータ74及び第2の接着剤アプリケータ80を通過しながら接着剤が塗布される。したがって、ベーン布の長さ方向全長に沿って接着剤が塗布されることになる。 この甲4発明の認定は、本件特許発明4の構成要件(H)における「二つの遮蔽部の生地のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って接着剤を塗布する塗布ステップ」に沿って認定したものであるが、この本件特許発明4の特定には問題がある。すなわち、素直に読むと、「遮蔽部を構成する生地の一面に長さ方向に沿って半分以上の範囲に接着剤を塗布する」ことを特定していると解釈されることになる。 甲4発明では、上述のとおり、長さ方向全長に沿って接着剤が塗布されるのだから、この構成要件(H)に対応する構成が示されているといえる。 以上のとおり、「前記二つのベーン布36のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って接着剤を塗布する塗布ステップ」は、審判請求書11~12頁で摘記した、ベーン布の送りと、接着剤アプリケータによる接着剤の塗布の仕方を根拠として認定したものであり、本件特許発明4との関係において、この認定に誤りはない。」(口頭審理陳述要領書(請求人)4頁7~24行) c 「二つの遮蔽部とその間に設けた透過部とを具備する単位遮光生地」について (a)請求人は、甲4発明の(甲4-K)について、次のとおり認定している。 「(甲4-K)(e)前記製造ステップで製造された布32をロール状に巻き取らせる巻取ステップと、を含んでなる、単位遮光生地の製造方法。」(請求書13頁17~18行) (b)請求人は、被請求人の「甲4発明は、本件特許発明1の二つの遮蔽部とその間に設けた透過部とを具備する単位遮光生地を開示しておらず、当然に単位遮光生地を製造する方法を開示していない。」との主張に対して、次のとおり反論している。 「○1(「○1」等は丸数字を表す。)について 前述の3)(4)でも述べたことだが、甲4発明の「布32」は、全体としてみると一つの透明な面シート38に多数のベーン36が取り付けられた構成であるが、詳細に見ると、二つの不透明なベーン36間に透明な面シート38が配置され、これが多数連接された構成となっている。この二つの不透明なベーン36間に透明な面シート38が配置された構成は、まさに二つの遮蔽部とその間に設けられた透過部を具備する単位遮光生地に相当する。 したがって、被請求人の主張は理由がない。」(口頭審理陳述要領書(請求人)6頁25行~7頁6行) d 甲4発明への甲1記載技術の適用について (a)請求人は、甲4発明への甲1記載技術の適用について、次のとおり主張している。 「なお、本件特許発明4における構成要件Fは、請求項1または2に記載の単位遮光生地を引用しているところ、当該構成は甲1発明も有するものである。 甲1発明及び甲4発明に示されているように、遮光部分と透光部分を備えた布地の製造方法は窓覆いの分野でよく知られており、甲1には、遮光生地の製造方法及び布帛加工装置が開示されていないが、甲1の製造手段として甲4を採用することは、当業者が適宜行うことでもある。」(請求書15頁1~6行) (b)請求人は、当審が通知した審理事項通知書の3(1)エの「請求書15頁1~6行における、「本件特許発明4における構成要件Fは、請求項1または2に記載の単位遮光生地を引用しているところ、当該構成は甲1発明も有するものである。甲1発明及び甲4発明に示されているように、遮光部分と透光部分を備えた布地の製造方法は窓覆いの分野でよく知られており、甲1には、遮光生地の製造方法及び布帛加工装置が開示されていないが、甲1の製造手段として甲4を採用することは、当業者が適宜行うことでもある。」との主張において、甲1発明1の「ベーン12」と甲4発明の「布32」は異なる構造を備えると考えられるところ、甲1発明1の「ベーン12」の製造手段として、甲4発明をどのように適用できるのかが不明です。」との合議体の暫定的な見解に対して、次のとおり説明している。 「(4)甲1発明1のベーン12の製造手段として、甲4発明の適用について 貴合議体ご指摘のように、甲1発明1の「ベーン12」は、二つの不透明の部分14間に半透明なストリップ16が配置された構成であるのに対し、甲4発明の「布32」は、一つの透明な面シート38に多数のベーン36が取り付けられた構成であり、全体として見ると構成が異なるといえる。 しかしながら、甲4について詳細に見ると、二つの不透明なベーン36間に透明な面シート38が配置され、これが多数連設された構成となっている。この不透明なベーン36間に透明な面シートが配置された構成は、まさに甲1発明1の「ベーン12」と同じ構成になる。 甲4発明では、結果的に、この「ベーン12」を多数連接したロールを巻き取るものであるが、当該ロール中には「ベーン12」が存在するのであるから、甲1発明1の「ベーン12」の製造手段として甲4発明を用いることができるとした審判請求書の主張に誤りはない。」(口頭審理陳述要領書(請求人)5頁1~13行) (エ)請求人の主張についての判断 a 「ロール状に巻き取られた二つのベーン布36」について 甲4の「折り曲げ作業の後に、ストリップの側縁部46を互いに接近させて、比較的平坦な短い側壁48と、外方に向かって凸状の長い側壁50とを形成する」の記載(8頁右欄6~9行)から、ベーン36を構成する長い壁部48と短い壁部50は一体のものと解することができるものの、長い壁部48と短い壁部50をそれぞれ別個の布と解することが可能なことや、フォルダーを設置せずに別々の布を供給することは記載されておらず、また、甲4に記載された事項から自明であるともいえない。 したがって、請求人による「(甲4-G)ロール状に巻き取られた二つのベーン布36」との甲4発明の認定は妥当とはいえない。 b 接着剤の塗布範囲について 上記(ア)dで示したとおり、本件特許発明の「前記遮蔽部(110)のいずれか一面の半分以上の位置」とは、「前記遮蔽部(110)のいずれか一面の」幅方向における「半分以上の位置」であると解することができる。 してみると、上記(ア)nで示したとおり、甲4発明は、「第1の接着剤アプリケータ74によって塗布された接着剤線」が沿う「各々のフラップは、ベーンが形成されるストリップの全幅の約5%であり」、接着剤を塗布する範囲が、「遮蔽部の生地のいずれか一面の半分以上の位置」であることが特定されていない。 よって、請求人による「前記二つのベーン布36のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って接着剤を塗布する塗布ステップ」との甲4発明の認定は妥当とはいえない。 c 「二つの遮蔽部とその間に設けた透過部とを具備する単位遮光生地」について 本件特許発明の「単位遮光生地」について、上記1(2)で示したとおり、一つの部材である「遮光生地」がブラインドを形成する一単位であり、当該「遮光生地」が「単位遮光生地」である。 甲4発明は、複数の「ベーン」を一つの「シート材料に順次接続した」「結果」「布32」が生じるものであるが、2つの「ベーン」とその間の「シート材料」の一部が一つの部材を構成しないので、甲4発明は、「単位遮光生地」の製造方法であるとはいえない。 d 甲4発明への甲1記載技術の適用について 上記(イ)bで示したとおり、甲1には、「比較的不透明な部分すなわちストリップ14と、比較的半透明のシーア部分16と、からなる一体化された複合部材を含」む「ベーン12」が記載されているが、甲1には、「二つの遮蔽部」「の間に」「透過部」が位置する技術が記載されておらず、示唆するものでもない。 また、甲4発明は、「単位遮光生地」の製造方法ではなく、「単位遮光生地」である「ベーン12」に関する甲1記載技術と組み合わせる動機付けもない。 したがって、甲4発明に、甲1記載技術を適用しても、本件特許発明4とすることができない。 よって、請求人の上記主張を採用できない。 (オ)小括 したがって、本件特許発明4は、甲4発明ではない。 また、本件特許発明4は、甲4発明及び甲1記載技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)無効理由1についてのまとめ したがって、本件特許発明1~3は、甲1発明ではない。 また、本件特許発明4は、甲4発明ではない。 そして、本件特許発明1~4は、甲1発明及び甲4記載技術、また、甲4発明及び甲1記載技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 無効理由2(新規性、進歩性)について (1)甲2―1を主引例とした無効理由2 ア 本件特許発明1について (ア)対比 本件特許発明1と甲2発明とを対比する。 a 甲2発明の「日光が室内に入らないように」「遮断してくれ」る「ブラインド(11)」は、本件特許発明1の「不透光」の「遮蔽部(110)」に相当する。 b 甲2発明において、「カーテンバンド(15)の両側にブラインド(11)を一体的に接着」することから、「ブラインド(11)」が2つあることは明らかであり、甲2発明の「ブラインド(11)」が2つあることは、本件特許発明1の「遮蔽部(110)」が「二つ」であることに相当する。 c 甲2発明において、「カーテンバンド(15)」が「レースなどを含」むところ、「レース」が透過性を有することは明らかであるから、甲2発明の「カーテンバンド(15)」は、本件特許発明1の「透過部(120)」に相当する。 d 甲2発明の「カーテンバンド(15)の両側にブラインド(11)を一体的に接着」することは、本件特許発明1の「透過部(120)」が「前記二つの遮蔽部(110)の間に位置し」て「付着する」ことに相当する。 e 甲2発明において、「ブラインド(11)の片面(12-1)」の「外側端とカーテンバンド(15)の外側端とを一致させて接着させて、カーテンバンド(15)が片面(12-1)の全体を覆う」ことから、「ブラインド(11)」と「カーテンバンド(15)」が長さ方向に沿って重なることは明らかであり、甲2発明の「ブラインド(11)」と「カーテンバンド(15)」が長さ方向に沿って重なることは、本件特許発明1の「透過部(120)」が「前記遮蔽部(110)と長さ方向に沿って重ねられ」ることに相当する。 f 上記c~eを総合すると、甲2発明の「カーテンバンド(15)」は、本件特許発明1の「透過部(120)」と、「前記二つの遮蔽部(110)の間に位置し、前記遮蔽部(110)と長さ方向に沿って重ねられた形で付着する」点で一致する。 g 甲2発明において、「ブラインド(11)の片面(12-1)の全面に接着剤(16)を塗布し、片面(12-1)の外側端とカーテンバンド(15)の外側端とを一致させて接着させて、カーテンバンド(15)が片面(12-1)の全体を覆う」ことから、「カーテンバンド(15)」が「ブラインド(11)の片面(12-1)の全面」と接着することが明らかであり、甲2発明の「カーテンバンド(15)」が「ブラインド(11)の片面(12-1)の全面」と接着することは、本件特許発明1の「前記透過部(120)は、前記遮蔽部(110)のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って付着される」ことに相当する。 h 甲2発明において、「カーテンブラインド(17)」は、「カーテンバンド(15)」と「ブラインド(11)」で構成される一つの部材を構成し、当該「カーテンブラインド(17)」が「カーテン兼用縦型ブラインド(10)」を構成するところ、上記1(2)の本件特許発明における「単位遮光生地」の認定を踏まえると、甲2発明の「カーテンブラインド(17)」は、本件特許発明1の「単位遮光生地」に相当する。 i 以上を総合すると、本件特許発明1と甲2発明は、次の一致点3で一致し、相違点6で相違する。 <一致点3> 「不透光である二つの遮蔽部と、 前記二つの遮蔽部(110)の間に位置し、前記遮蔽部(110)と長さ方向に沿って重ねられた形で付着する透過部(120)と、を含み、 前記透過部(120)は、前記遮蔽部(110)のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って付着される、単位遮光生地。」 <相違点6> 本件特許発明1の「遮蔽部(110)」は「不透光織物からなる」のに対し、甲2発明の「ブラインド(11)」は不透光であるが、「織物」であることが特定されていない点。 (イ)判断 a 新規性について 上記相違点6に係る本件特許発明1の構成は、甲2発明から自明な事項とはいえないから、実質的な相違点である。 b 進歩性について 相違点6について検討する。 (a)本件特許発明1の「不透光織物からなる二つの遮蔽部(110)」と、甲3記載技術1の「ベーン材料であり、不透明で、不織布で」ある「部分31および33」は、「不透過性生地からなる二つの遮蔽部(110)」である点で共通する。 (b)甲2発明と甲3記載技術1は、共に2つの不透明な部分と、その間のカーテンからなる部材が繰り返されてブラインドを構成するものであり、技術分野が共通している。 したがって、甲2発明に甲3記載技術1を適用して、「ブラインド(11)」の材料として、「不透過性生地」を採用することは、当業者が容易になし得たことである。 (c)ここで、本件特許発明1は、二つの遮蔽部を「不透光織物」からなるものと特定している。この「不透光織物」について、本件明細書の段落【0020】に「前述した遮光生地100を製造するために、遮蔽部110は、光と風の流通が少なくて室内の遮蔽が可能な生地を使用することができ、不透光織物などの生地を使用することができる。」と記載されるが、この記載や他の記載において、「遮蔽部」を「不透光織物」とすることについて、格別の技術的意義を示す記載や示唆を示すものや、格別の作用・効果を示す記載や示唆もない。 (d)そして「一般的な見解として、布地は、ベーン材料に好適であるが、布地は、様々な織布及び不織布材料から選択することができる」(甲3記載技術2)ように、ベーン材料の布地として、織布または不織布材料を用いることは、いずれも周知技術である(以下「周知技術1」という)。 (e)そうすると、甲2発明に甲3記載技術1を適用して、「ブラインド(11)」の材料として、「不透過性生地」を採用するに際し、「ブラインド(11)」の「不透過性生地」として「織布」を選択し、相違点6に係る本件特許発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (ウ)被請求人の主張について a 甲2発明における接着剤の塗布範囲について (a)被請求人は、甲2発明における接着剤の塗布範囲について、次のように主張している。 「また、甲2の段落0013において『一定の幅と長さのカーテンバンドの両側方にブラインドを接着固定してカーテンブラインドを形成し、このように形成されたカーテンブラインドを並列に設置し、隣接するカーテンブラインドのブラインド同士を当接させた状態で、それらの上下を上側クリップと下側クリップで結束させるようにしたカーテン兼用縦型ブラインドを提供する』と記載されている(下線は被請求人が付した。)。 さらに、甲2の図5b、図6b及び図8bの平面図において、接着剤16は幅方向にのみ示されており、接着剤はブラインドの長さ方向には塗布されていない。すなわち、甲2発明においては、接着剤16はカーテンブラインド17の頂部のみに塗布され、ブラインドの残りの部分には塗布されていないのであり、カーテンバンド15はブラインドの頂部のみに取り付けられる。言い換えれば、甲2発明においては、カーテンバンド15は、ブラインド11の上部から下部まで連続して取り付けられていない。 [図:0001436882000020.jpg] そのため、甲2発明では、カーテンブラインド17(単位遮光生地)同士を連結するために、上側クリップ20と下側クリップ30で結束結合する必要がある。特に、図2に示すように、カーテンスバンド15を、互いに取り付けられていないブラインド11の下部に固定するために、下側クリップ30を使用しなければならない。したがって、甲2発明の構成では、隣接するカーテンブラインド17やカーテンバンド15を下側から下側クリップ30に誤って固定すると、カーテンブラインド17やカーテンバンド15が中間位置で垂直に直立せずに撓み(折れ曲がり)、カーテンブラインド間に隙間が生じるおそれがある。このため、隙間から光が入り込み、美観に悪影響を及ぼす。 一方、本件特許発明1は、透過部120は、遮蔽部110のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って付着される構成であるため、上から下まで特定の領域に連続して付着されていることを意味しており、上側クリップ20と下側クリップ30を必要としない。 [図:0001436882000021.jpg] 」(答弁書37頁10行~38頁13行) (b)被請求人は、当審が通知した審理事項通知書の3(2)アの「答弁書37頁16~17行における、「甲2の図5b、図6b及び図8bの平面図において、接着剤16は幅方向にのみ示されており、接着剤はブラインドの長さ方向には塗布されていない。」旨の指摘において、甲2の図5b、図6b及び図8bの平面図では、接着剤がブラインドの長さ方向においてどのような範囲で塗布されているのか描かれていないことは見てとれますが、当該図のどのような点等を根拠として「接着剤はブラインドの長さ方向には塗布されていない。と」いえるか否かが不明です。」との合議体の暫定的な見解に対して、次のように説明しています。 「甲2の図5b、図6b及び図8bの平面図からでは、ブラインドの長さ方向(天地・上下方向)のどの位置にまで接着剤が塗布されているかどうかについては不明であり、通常の平面図から判断して頂部のみに接着剤が塗布されているものと理解できます。 さらに、甲2(乙1)の【0003】において「これをもう少し詳しく説明すると、一定の幅と長さのカーテンバンドの両側面にブラインドを接着固定してカーテンブラインドを形成し、カーテンブラインドを並列に設置し、隣接するカーテンブラインドのブラインド同士を当接させた状態で、その上下を上側クリップと下側クリップで結束させ、上側クリップはガイドレールに沿って移動する通常のトラベラーに結束できるようにしたものである。」と記載されており、「一定の幅と長さのカーテンバンドの両側面にブラインドを接着固定してカーテンブラインドを形成」することは記載されているものの、接着剤16がブラインドの幅方向にのみ示されており、ブラインドの長さ方向(天地・上下方向)のどの位置にまで接着剤が塗布されているかどうかについては明示されていません。むしろ、「その上下を上側クリップと下側クリップで結束させ」ていることから、接着剤がブラインドの長さ方向(天地・上下方向)において全体的に塗布される必要性がないものと理解できます。 甲2(乙1)の【0013】において「本考案は、一定の幅と長さのカーテンバンドの両側方にブラインドを接着固定してカーテンブラインドを形成し、このように形成されたカーテンブラインドを並列に設置し、隣接するカーテンブラインドのブラインド同士を当接させた状態で、それらの上下を上側クリップと下側クリップで結束させるようにしたカーテン兼用縦型ブラインドを提供することを目的とする。」と記載されており、「一定の幅と長さのカーテンバンドの両側面にブラインドを接着固定してカーテンブラインドを形成」することは記載されているものの、接着剤16がブラインドの幅方向にのみ示されており、ブラインドの長さ方向(天地・上下方向)のどの位置にまで塗布されているかどうかについては明示されていません。むしろ、「その上下を上側クリップと下側クリップで結束させ」ていることから、接着剤がブラインドの長さ方向(天地・上下方向)において全体的に塗布される必要性がないものと理解できます。 甲2(乙1)の【0018】において「一定の幅と長さのカーテンバンド(15)の両側にブラインド(11)を接着固定してカーテンブラインド(17)を形成」することは記載されているものの、接着剤16がブラインドの幅方向にのみ示されており、ブラインドの長さ方向(天地・上下方向)のどの位置にまで塗布されているかどうかについては明示されていません。 甲2(乙1)の【0027】において「図5a及び図5bに例示されたカーテンブラインド(17)は、ブラインド(11)の一面(12-1)の一方の側に接着剤(16)を塗布し、一方の面(12-1)の外側端とカーテンバンド(15)の外側端を一致させて接着して、カーテンバンド(15)が片面(12-1)の全体を覆うようになったものである。」と記載されており、「カーテンブラインド(17)は、ブラインド(11)の一面(12-1)の一方の側に接着剤(16)を塗布し、一方の面(12-1)の外側端とカーテンバンド(15)の外側端を一致させて接着」することは記載されているものの、ブラインドの長さ方向(天地・上下方向)のどの位置まで接着剤16が塗布されているのかについては明示されていません。 甲2(乙1)の【0010】において「縦型ブラインド(1)は、ブラインドの結束片(3)に遮蔽膜(6)を挿入させなければならず、この状態で結束棒(7)を結合させなければならない作業実施しなければならないため、作業スペースを多く占有することになり、作業が面倒であるだけでなく、容易に実施することができず、生産性が低下し、人件費すなわち、製造原価が高くなり、結束片(3)に挿入される遮蔽膜(6)の幅(間隔)を一定かつ均一に維持させることが容易ではなく、遮蔽膜(6)の幅が互いに均一でないため、ブラインド(2)が歪んだり、遮蔽膜(6)にしわが生じるなどの問題があった」、【0011】において「ブラインド(2)の結束片(3)に遮蔽膜(6)を挿入させ、この状態で結束棒(7)を結合させる際に、作業スペースを多く占有し、作業が煩雑であるため、縦型ブラインド(1)を設置することになる現場で直接組立作業を行うことが容易ではなく、組立作業を完全に行って移動させようとする際には、体積が非常に大きくなるため、容易に移動させることができないという問題があった」と記載されています。 この問題を解決すべく、甲2では、規格化されたカーテンブラインド(17)を工場で製造し、設置場所へ移動させるときには、搬送性を考慮して、カーテンブラインド(17)を上下方向に沿って巻き取ります。しかしながら、カーテンバンド(15)とブラインド(11)を上から下まで連続的に接着して巻き取ると、巻き取った内側の面にしわが発生します。しわはカーテンブラインドの広告面の品質を低下させる原因になります。接着剤が頂部のみに塗布されていれば、しわ発生を大幅に抑えることができます。 一方、カーテンバンド(15)とブラインド(11)とを頂部において接着していなければ、巻き取り時に巻き取りずれが生じ、梱包時にしわが発生します。また、設置現場でカーテンバンド(15)とブラインド(11)を組み立てる際に、上下左右の位置ずれが生じ、組み立てが大幅に遅れるという問題も生じます。 以上のような問題もあることから、甲2(乙1)では、カーテンバンド(15)とブラインド(11)を上から下まで連続的に接着するのではなく、頂部のみを接着(固定)する構造を採用しているものと思料致します。 工場において、頂部のみを接着した状態のカーテンブラインド(17)を巻き取り、設置場所まで搬送します。巻き取りを解除して、カーテンブラインドを並列に設置し、上部を上側クリップで固定し、ブラインドの広告面を垂直に合わせ、下部を下側クリップで固定してカーテンブラインドの設置が完了します。 すなわち、甲2(乙1)において、頂部のみの固定は、カーテンバンド(15)とブラインド(11)の正しい配置のための基準点として機能し、設置場所への運搬に便利な一貫した巻取りを保証しています。 答弁書38頁下から10~13行において、「甲2発明では、カーテンブラインド17(単位遮光生地)同士を連結するために、上側クリップ20と下側クリップ30で結束結合する必要がある。特に、図2に示すように、カーテンスバンド15を、互いに取り付けられていないブラインド11の下部に固定するために、下側クリップ30を使用しなければならない。」と説明しているとおり、「上側クリップと下側クリップで結束させ」ていることから、接着剤がブラインドの長さ方向(天地・上下方向)において全体的に塗布されていないと理解できると思料致します。」(口頭審理陳述要領書(被請求人)3頁14行~6頁1行) b 甲2発明への甲3記載技術1の適用について 被請求人は、甲2発明への甲3記載技術1の適用について、次のとおり主張している。 「しかしながら、甲2発明は、そもそも広告用に使用できるブラインドであることから、そのようなブラインドに代替して、不透過性生地を採用しようとする動機付けはない。」(答弁書44頁21~23行) c 訂正後の本件特許発明1について 被請求人は、答弁書(2)に添付して乙第3号証を提出し、訂正により本件特許発明1の発明特定事項となった「不透光織物」について、次のように主張している。 「訂正後の請求項1では「不透光織物からなる二つの遮蔽部(110)」であるのに対し、甲2発明では「ブラインド(11)」が不透過性であるものの「生地」であることが特定されていない点が新たな相違点となる。 一方甲3技術では「ベーン材料であり、不透明で、不織布で」ある「部分31および33」を開示しているにすぎない。 甲第3号証の2 US6311755B1抄訳の第2段落において「図3は・・・部分31および33は羽根材料であり・・不透明で不織布の比較的安価なポリエステル材料である。一方、部分32は、比較的高価である可能性がある織布として示されている。・・・(第6欄32~43行)」と説明されている。これは、「部分31および33」が「遮蔽部(110)」に相当し、「部分32」が「透過部(120)」に相当している。 部分31と33を構成する「不透明の不織布」は、一般的なたて糸とよこ糸を所定の織り製法(平織、綾織り、パイル組織)で組織したものではなく、繊維集合体から糸への段階を経ずに、短繊維を機械的、熱的、化学的な手段で接着または交絡させてシート状またはウェブ構造を形成したものである(乙第3号証)。 織物は不織布よりも、単位遮光生地がロール状に巻かれて輸送される際にシワが生じ難く、傷み難く耐久性にも優れている。また、遮蔽部(110)は、ブラインドの開け閉め調整の際に、非撓み・形状維持強度が要求されるため、織物の方が不織布よりも優れている。図4では、遮蔽部(110)が直線で伸び湾曲したり撓んでいないことから、非撓み・形状維持強度が要求されることが認められる。 [図:0001436882000022.jpg] 以上の検討のとおり、訂正後の請求項1の「不透光織物からなる二つの遮蔽部(110)」は、甲2発明および甲3技術の「不透明の不織布」とは相違しており、さらに「不透明の不織布」をよりも「不透光織物」を「遮蔽部(110)」に採用した方が顕著に優れた効果を奏するものであることが認められる。これらの効果は、甲2発明および甲3技術からは容易に予測できるものではない。 よって、訂正後の請求項1に係る発明は、無効理由はなく、進歩性を有するものである。」(答弁書(2)4頁17行~5頁7行) (エ)被請求人の主張についての判断 a 甲2発明における接着剤の塗布範囲について 上記1(2)ア(エ)で示したとおり、甲2-1の[0028]には、ブラインド(11)の片面(12-1)の全面に接着剤(16)を塗布し、カーテンバンド(15)が片面(12-1)の全体を覆うことが記載されている。 b 甲2発明への甲3記載技術1の適用について (a)上記1(2)ア(イ)で示したとおり、甲2-1の[0008]~[0011]には、従来の縦型ブラインドには、ブラインドの結束片(3)に遮蔽膜(6)を挿入し、この状態で結束棒(7)を結合する構造であるため、作業空間が必要であるなどの問題があることが記載されており、当該問題は従来の縦型ブラインドの構造に起因するものであり、広告用途にのみ起因するものではないと解することができる。 (b)上記1(2)ア(キ)及び(ク)で示したとおり、甲2-1の[0036]及び[0041]には、ブラインド(11)の一面を広告面(12)として活用することができることが記載されており、ブラインド(11)の一面が広告面(12)であることが必須の構成ではないと解することができる。 また、仮に被請求人の主張するように、ブラインド(11)の一面が広告面(12)であることが必須の構成であるとしても、広告は印刷等で形成されるものであるところ、不織布ないし織布に対して捺染やインクジェット等により印刷を施すことは、本件特許の優先日時点で広く行われていることであるから、ブラインド(11)の一面が広告面(12)であることが、「ブラインド(11)」の材料として、「不織布」ないし「織布」を採用することに対する阻害要因であるとはいえない。 (c)以上を総合すると、甲2発明において、ブラインド(11)の一面が広告面(12)であることが必須の構成ではないことから、上記(イ)bで示したとおり、甲2発明に甲3記載技術1を適用して、「ブラインド(11)」の材料として、「不織布」を採用することに阻害要因は見いだせない。また、ベーン材料の布地として、織布または不織布材料を用いることは周知技術1であるから、甲2発明、甲3記載技術1及び周知技術1から、「ブラインド(11)」の材料として、「織布」を採用することにも、阻害要因は見いだせない。 c 訂正後の本件特許発明1について (a)相違点6の想到容易性について 上記(イ)bにおいて検討したとおり、ベーン材料の布地として、織布または不織布材料を用いることは周知技術1であり、甲2発明において「透光性織布」とすることは、甲2発明、甲3記載技術1及び周知技術1から容易になし得たことである。 (b)本件特許発明1の「遮蔽部(110)」が「透光性織布」であることの効果について 被請求人が主張する「織物は不織布よりも、単位遮光生地がロール状に巻かれて輸送される際にシワが生じ難く、傷み難く耐久性にも優れている」効果は、織布の奏する効果である。そうすると、本件特許発明1の「遮蔽部(110)」が「透光性」の「織布」であることによる効果は、「遮蔽部(110)」に不織布よりもシワが生じ難く、傷み難く耐久性にも優れている「織布」を採用することにより奏する効果にすぎず、本件特許発明1に特有の顕著に優れた効果ではない。 d 以上のとおりであるから、被請求人の主張は、いずれも、上記(イ)bの判断を左右するものではなく採用できない。 (オ)小括 したがって、本件特許発明1は、甲2発明、甲3記載技術1及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 イ 本件特許発明2について (ア)対比、判断 本件特許発明2と甲2発明とを対比する。 a 甲2発明の「カーテンバンド(15)の両側にブラインド(11)を一体的に接着」することは、本件特許発明2の「前記遮蔽部(110)と前記透過部(120)とは」「接着剤で付着できる」ことに相当する。 b したがって、本願特許発明2で新たに特定した事項は、甲2発明との対比において新たな相違点を生じさせるものではない。 (イ)小括 したがって、本件特許発明2は、甲2発明、甲3記載技術1及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 なお、本件特許発明2の「ホットメルト」の構成についても、甲2発明の「カーテンバンド(15)」に「ブラインド(11)を」「接着」する際、「通常の接着剤(16)を使用して接着され」ることや、甲3記載技術1の「カーテンと材料を接合するために」、「様々なタイプの接着剤の使用などの他の技術を使用することができる」ことを踏まえると、例示するまでもなく周知のホットメルト型の接着剤を用いることは、当業者の通常の創作能力の範囲で設計し得る程度のことである。 ウ 本件特許発明3について (ア)対比 本件特許発明3と甲2発明とを対比すると、上記ア(ア)の相違点6に加えて、次の相違点7で相違し、その余の点で一致する。 <相違点7> 本件特許発明3は、「前記遮蔽部(110)と前記透過部(120)とはミシンまたは超音波融着で付着できる」のに対し、甲2発明は、「カーテンバンド(15)」に「ブラインド(11)」を「接着剤を使用して接着」する点。 (イ)判断 a 甲3記載技術1の「超音波溶接を使用してベーン材料の2つの部分をカーテン素材」「に接合する」ことは、本件特許発明3の「前記遮蔽部(110)と前記透過部(120)とは」「超音波融着で付着できること」に相当する。 b 甲3記載技術1の「カーテンと材料を接合するために、縫合」「などの他の技術を使用すること」は、本件特許発明3の「前記遮蔽部(110)と前記透過部(120)とはミシン」「で付着できること」に相当する。 c 甲2発明と甲3記載技術1は、共に2つの不透明な部分と、その間のカーテンが接合した複合材料でブラインドを構成するものであり、技術分野が共通している。 したがって、甲2発明に甲3記載技術1を適用して、「カーテンバンド(15)」に「ブラインド(11)」を結合する構成にとして、「接着剤」に代えて「超音波溶接」や「縫合」を採用して、相違点7に係る本件特許発明3の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (ウ)被請求人の主張について a 結合方法として、縫製や超音波溶着を採用することについて 被請求人は、結合方法として、縫製や超音波溶着を採用することについて、次のとおり主張している。 「また、ブラインドと生地との結合方法では、縫製あるいは音波溶着(超音波溶着)をすることはできない。仮に縫製する場合にはブラインドに小孔を穿つ必要があるし、超音波溶着は熱可塑性樹脂同士での接着方法である。」(答弁書44頁24~26行) (エ)被請求人の主張についての判断 a 結合方法として、縫製や超音波溶着を採用することについて 甲3記載技術1の「カーテンと材料を接合するために、縫合」「などの他の技術を使用する」ことを踏まえると、甲2発明に甲3記載技術1を適用して、「ブラインド(11)」の材料として、「不織布」を採用した場合、「レースなど」である「カーテンバンド(15)」と「ブラインド(11)」は、縫合することができる素材であることは明らかである。このことは、甲2発明、甲3記載技術1及び周知技術1から、「ブラインド(11)」の材料として、「織布」を採用した場合においても、同様である。 なお、甲3記載技術1の「超音波溶接を使用してベーン材料の2つの部分をカーテン素材の中心部に接合する場合、材料の一方又は両方は、ヒートシールを形成するのを可能にする熱可塑性であ」ることを踏まえると、甲2発明において「ブラインド(11)」の材料として、「織布」を採用する際、「カーテンバンド(15)」や「ブラインド(11)」の材料を熱可塑性とすることは明らかである。 よって、被請求人の上記主張を採用できない。 (オ)小括 したがって、本件特許発明3は、甲2発明、甲3記載技術1及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (2)甲3を主引例とした無効理由2 ア 本件特許発明4について (ア)対比 本件特許発明4と甲3発明とを対比する。 a 甲3発明の「不透明で、不織布で」ある「ベーン材料31、33」は、光を遮断することが明らかであることから、本件特許発明4の「二つの遮蔽部の生地」に相当する。 b 上記aを踏まえると、甲3発明の「ベーン材料31、33」が「ベーン材料31および33のロール42、44」から「供給されて、案内されて移動」することは、本件特許発明4の「ロール状に巻き取られた二つの遮蔽部の生地を繰り出して織物加工装置に投入」し、「前記二つの遮蔽部の生地が前記織物加工装置のガイド部に沿って移動」することに相当する。 c 甲3発明の「ベーン部分31および33の表面全体に均一に接着剤が塗布され」ることは、本件特許発明4の「前記二つの遮蔽部の生地のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って接着剤を塗布する」ことに相当する。 d 甲3発明の「比較的高価である可能性がある網目を有する織布であ」る「カーテン材料32」は、本件特許発明4の「メッシュ織物」に相当する。 e 甲3発明の「カーテン材料32」が「カーテン材料32のロール46から供給され」ることは、本件特許発明4の「ロール状に巻き取られたメッシュ織物を繰り出」すことに相当する。 f 甲3発明において、「カーテン材料」が「一対のベーンの間に延在する」ものであるところ、「カーテン材料32」が「案内されて移動」することを踏まえると、「カーテン材料32」が、「ベーン材料31、33」と水平に並ぶように「案内されて移動」することが明らかであるから、甲3発明の「カーテン材料32」が、「ベーン材料31、33」と水平に並ぶように「案内されて移動」することは、本件特許発明4の「接着剤が塗布された二つの遮蔽部の生地の間に」「メッシュ織物を繰り出して織物加工装置に水平配列して投入する」ことに相当する。 g 甲3発明の「ベーン材料31,33は、それぞれシール線35および37によって、カーテン材料32と接着され」ることは、本件特許発明4の「前記織物加工装置のガイド部に沿って前記塗布ステップで接着剤が塗布された二つの遮蔽部の生地と前記第2投入ステップで投入されたメッシュ織物とを付着させ」ることに相当する。 h 甲3発明の「3つの長手方向に延在する」「ベーン材料31,33」と「カーテン材料32」「から構成され」る「ストリップ30」は、本件特許発明4の「単位遮光生地」及び「遮光生地」に相当する。 また、甲3発明の「ストリップ30を製造する方法」は、本件特許発明4の「単位遮光生地を製造する方法」に相当する。 i 以上を総合すると、本件特許発明4と甲3発明は、次の一致点4で一致し、相違点8、8-1、9で相違する。 <一致点4> 「単位遮光生地を製造する方法であって、 ロール状に巻き取られた二つの遮蔽部の生地を繰り出して織物加工装置に投入する第1投入ステップと、 前記二つの遮蔽部の生地が前記織物加工装置のガイド部に沿って移動し、前記二つの遮蔽部の生地のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って接着剤を塗布する塗布ステップと、 前記塗布ステップで接着剤が塗布された二つの遮蔽部の生地の間に重ねられるようにロール状に巻き取られたメッシュ織物を繰り出して織物加工装置に水平配列して投入する第2投入ステップと、 前記織物加工装置のガイド部に沿って前記塗布ステップで接着剤が塗布された二つの遮蔽部の生地と前記第2投入ステップで投入されたメッシュ織物とを付着させて遮光生地を製造する製造ステップと、 を含んでなる、単位遮光生地の製造方法。」 <相違点8> 本件特許発明4は、「不透過性生地からなる二つの遮蔽部(110)と、前記二つの遮蔽部(110)の間に位置し、前記遮蔽部(110)と長さ方向に沿って重ねられた形で付着する透過部(120)と、を含み、前記透過部(120)は、前記遮蔽部(110)のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って付着されることを特徴とする単位遮光生地を製造する方法」であり、「単位遮光生地」の「透過部(120)」が「遮蔽部(110)と長さ方向に沿って重ねられた形で付着」し、「遮蔽部(110)のいずれか一面の半分以上の位置に長さ方向に沿って付着される」のに対し、甲3発明では、「カーテン材料32」が「ベーン材料31、33」と重ねられることが特定されていない点。 <相違点8-1> 本件特許発明4では、「メッシュ織物」が「前記塗布ステップで接着剤が塗布された二つの遮蔽部の生地の間に重ねられる」のに対し、甲3発明では、「カーテン材料32」が「ベーン材料31、33」と重ねられることが特定されていない点。 <相違点9> 本件特許発明4は、「前記製造ステップで製造された遮光生地をロール状に巻き取らせる」のに対し、甲3発明では、「ストリップ30」をロール状に巻き取らせることが特定されていない点。 (イ)判断 事案に鑑み、相違点8,8-1及び9についてまとめて検討する。 甲2記載技術のカーテン兼用縦型ブラインド(10)は、カーテンブラインド(17)、上側クリップ(20)、及び下側クリップ(30)で構成されるものである。 一方、甲3には、個別の「ストリップ30」を逆U字状のマンドレル74で受け入れて、マンドレル74上で「ストリップ30」を接着させてカーテン付きブラインドの製造を完了する一連の工程が記載されており、「ストリップ30」を単独で製造する具体的な工程については、記載されていない。 したがって、甲3発明の「ストリップ30を製造する方法」を用いて、甲2記載技術の「カーテンブラインド(17)」を製造する動機付けはない。 また、甲2には、「カーテンブラインド(17)」をロール状に巻き取らせる技術が記載されておらず、示唆するものでもない。 さらに、甲4記載技術の「布32」は、「ベーンをシート材料に順次接続して、蓄積ロール又は搬送ロール92に巻き取るもの」であり、「単位遮光生地」を巻き取らせるものではない。 したがって、甲3発明に、甲2記載技術及び甲4記載技術を適用しても、本件特許発明4とすることができない。 (ウ)請求人の主張について a 遮光生地をロール状に巻き取らせる巻取ステップについて (a)請求人は、遮光生地をロール状に巻き取らせる巻取ステップについて、次のとおり主張している。 「本件特許発明4と甲3発明4は、構成要件Kに関して、本件特許発明4では遮光生地をロール状に巻き取らせる巻取ステップを含む点で相違する。 しかしながら、この構成は、同じ遮光生地を製造する方法に関する甲4発明に開示されており、この構成を甲3発明4において適用することは、当業者にとって容易である。」(請求書26頁16~20行) (b)請求人は、被請求人の「甲4発明は、構成要件F、H、I、Jを開示されておらず、甲4発明の一部構成を甲3にそのまま適用する動機付けはない」との主張に対して、次のとおり反論している。 「○2 について 甲4に構成要件F、H、I、Jを開示されていないとの被請求人の主張については、前述(2)(イ)で述べたとおりであり、理由がない。 その点を措くとしても、甲4発明から甲3発明に適用する際に参照される構成は、遮光生地のようなブラインドカーテンを構成する部材を最終的にロール状に巻き取る構成である。その他の構成要素において甲3発明と甲4発明の間に多少の差異があるとしても、甲3発明においても製品について何らかの最終処理を行う必要があるのだから、同様の製品に係る甲4発明の最終的な処理手段を参考にすることは、当業者にとって容易である。 なお、甲3では、ベーン材料二つとカーテン材料からなる三成分構造のストリップから、図5に示されるように直接ブラインドカーテンを製造する実施例が示されている。もちろんこのブラインドカーテンを甲4発明に示されたように巻き取ることが可能であるが、甲3には次の記載がある。 「How these and other features of the present invention are accomplished will be described in the following detailed description of the preferred embodiment, taken in conjunction with the drawings. Generally, however, they are provided by a product and manufacturing method which begins with the creation of a three component elongate strip which may optionally be made in advance and at a different location from the place where the actual blinds with curtain are made.(本発明のこれら及び他の特徴がどのように達成されるかは、図面に併せて、好ましい実施形態の以下の詳細な説明において説明される。しかし、一般的には、三成分型の細長いストリップを形成することから始まる製品と製造方法によって提供され、オプションで事前に、カーテン付きの実際のブラインドが作られる場所とは異なる場所で製造されることができる。)」(第3欄50~55行) すなわち、必ずしも三成分構造のストリップから直接ブラインドカーテンを製造する必要があるわけではなく、いったん先に細長い構造のストリップを製造してもよいものである。そのような細長い構造のストリップは、甲3においてもロール42、44、46からベーン材31、33、カーテン材32が繰り出し供給されているように、巻き取ったロールの形でハンドリングすることがいわば技術常識である。甲4発明においてもこのような技術常識に沿ってロール状に巻き取る処理を行うことが示されているのだから、甲3発明に示された三成分型のストリップを巻き取るように処理することは、当業者にとって容易ともいえる。」(口頭審理陳述要領書(請求人)14頁4行~15頁3行) (エ)請求人の主張についての判断 a 遮光生地をロール状に巻き取らせる巻取ステップについて (a)甲4には、「ベーンをシート材料に順次接続した後に、その結果生じた布32は、蓄積ロール又は搬送ロール92に巻き取る」ことは記載されているが、「単位遮光生地」及び「単位遮光生地をロール状に巻き取らせる」ことは記載されておらず、また、甲4に記載された事項から自明であるともいえない。 (b)「細長い構造のストリップは、甲3においてもロール42、44、46からベーン材31、33、カーテン材32が繰り出し供給されているように、巻き取ったロールの形でハンドリングすることがいわば技術常識である」との主張について、甲3の「ストリップ30」は、ベーン材31、33、カーテン材32を接着した後に、ナイフ50により小片に切断されたものであり、ナイフ50により小片に切断された「ストリップ30」を巻き取ったロールの形でハンドリングすることが技術常識であるとはいえない。 したがって、請求人の上記主張は採用できない。 (オ)小括 したがって、本件特許発明4は、甲3発明及び甲4記載技術、また、甲3発明、甲2記載技術及び甲4記載技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)無効理由2についてのまとめ したがって、本件特許発明1~3は、甲2発明、甲3記載技術1及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明4は、甲3発明及び甲4記載技術、また、甲3発明、甲2記載技術及び甲4記載技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第8 むすび 以上のとおり、本件特許発明1~3についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し無効とすべきものである。 また、本件特許発明4についての特許は、請求人の主張及び証拠方法によっては、無効とすることはできない。 審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第64条の規定により、その4分の1を請求人の負担とし、4分の3を被請求人の負担とする。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-800074

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