特許訂正審判
2026-390032
無線通信システムにおける多重ユーザ送受信のための方法及びこのための装置
- 審判番号
- 2026-390032
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2022-183298
- 登録番号
- 7508527
- 請求日
- 2026年02月20日
- 審決日
- 2026年03月30日
- 公報発行日
- 2026年07月31日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
- 【請求人代理人】青木 篤
- 【請求人代理人】三橋 真二
- 【請求人代理人】南山 知広
- 【請求人代理人】河合 章
- 【請求人代理人】竹本 実
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 洋
- 審判官 鈴木 圭一郎
- 審判官 衣鳩 文彦
- 分類
- P141 .852-Y (H04L) / P141 .841-Y (H04L) / P141 .854-Y (H04L) / P141 .855-Y (H04L) / P141 .856-Y (H04L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7508527号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7508527号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔3、4〕、5、6について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第7508527号は、2015年(平成27年)11月2日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年10月31日 アメリカ合衆国(US)、2014年12月11日 アメリカ合衆国(US)、2014年12月18日 アメリカ合衆国(US)、2015年3月24日 アメリカ合衆国(US)、2015年5月18日 アメリカ合衆国(US)、2015年6月8日 アメリカ合衆国(US)、2015年6月15日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2017-523397号の一部を令和2年1月10日に新たな特許出願(特願2020-3231号)とし、さらにその一部を令和4年11月16日に新たな特許出願としたものであって、その請求項1~6に係る発明について、令和6年6月21日に特許権の設定登録がされたものである。
そして、令和8年2月20日に本件訂正審判の請求がされた。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第7508527号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項3~4、5、6について訂正することを認める、との審決を求めるものであり、その訂正の内容は、次の訂正事項1~3のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。)
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項3に「前記第1又は前記第2の106トーン資源ユニットに含まれる106トーンはインデックス0から105に連続して位置し」と記載されているのを、「前記第1又は前記第2の106トーン資源ユニットに含まれる106個のトーンはインデックス0から105に連続して位置し」に訂正する。(請求項3の記載を引用する請求項4も同様に訂正する。)
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項5に「物理プリアンブル(physical preamble)及びデータフィールドを含むフィジカルプロトコルデータユニット(PPDU:Physical Protocol Data Unit)を受信するステップを含み、
第1及び第2の106トーン資源ユニットを含む前記PPDUは20MHzの特定の帯域幅内で送信され」と記載されているのを、「物理プリアンブル(physical preamble)及びデータフィールドを含むフィジカルプロトコルデータユニット(PPDU:Physical Protocol Data Unit)を受信するステップを含み、
第1及び第2の106トーン資源ユニットを含む前記PPDUは20MHzの特定の帯域幅内で受信され」に訂正する。
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項6に「前記第1又は前記第2の106トーン資源ユニットに含まれる106トーンはインデックス0から105に連続して位置し」と記載されているのを、「前記第1又は前記第2の106トーン資源ユニットに含まれる106個のトーンはインデックス0から105に連続して位置し」に訂正する。
第3 当審の判断
1 一群の請求項について
訂正前の請求項4は請求項3を引用しているものであって、訂正事項1に係る訂正によって記載が訂正される請求項3と連動して訂正されるものである。したがって、請求項3、4は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
そして、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第3項の規定に基づき一群の請求項ごとに請求されたものである。
2 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項3に「前記第1又は前記第2の106トーン資源ユニットに含まれる106トーンはインデックス0から105に連続して位置し」と記載されているのを、「前記第1又は前記第2の106トーン資源ユニットに含まれる106個のトーンはインデックス0から105に連続して位置し」に訂正するものである。
訂正前の請求項3は、「106トーンはインデックス0から105に連続して位置」することが特定されるものであり、「106トーン」という「トーン」が「インデックス0から105に連続して位置」するという、技術的に整合しない記載となっている。
一方、本件特許の願書に添付した明細書には、以下の記載がある。(下線は、強調のため、当審にて付与したものである。)
「【0018】
また、前記106トーン資源ユニットに含まれた106個のトーンが0~105のインデックスに順次位置する場合、前記第1のパイロットトーンは、前記インデックス6に位置し、前記第2のパイロットトーンは、前記インデックス32に位置し、前記第3のパイロットトーンは、前記インデックス74に位置し、及び前記第4のパイロットトーンは、前記インデックス100に位置し得る。」
そうすると、訂正前の請求項3の「106トーン」は、本件特許の明細書の【0018】の記載との関係において、「106個のトーン」の意であることは明らかである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
本件特許の願書に最初に添付した明細書において前記(1)と同様の記載がされているから、訂正事項1に係る訂正は、本件特許の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないかについて
訂正事項1に係る訂正は、前記(1)のとおり誤記の訂正を目的とするものであり、その訂正により実質上特許請求の範囲は変わらないから、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
訂正後の請求項3に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
また、訂正後の請求項3の記載を引用する請求項4の訂正についても同様である。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
3 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項5に「受信するステップを含み、・・・送信され」と記載されているのを、「受信するステップを含み、・・・受信され」に訂正するものである。
訂正前の請求項5は「受信するステップ」で「送信」するという、整合しない構成が特定されているものであり、「送信され」との記載が、「受信され」の誤記であることは、明らかである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
本件特許の願書に最初に添付した明細書には、次の記載がある。(下線は、強調のため当審にて付与したものである。)
「【0045】
APは、関連したSTAに対してWMを介してDSへのアクセスを可能にし、STA機能性を有する個体を意味する。APを介してBSS及びDS間のデータ移動が行われることができる。例えば、図1に示すSTA2及びSTA3は、STAの機能性を有し、かつ関連したSTA(STA1及びSTA4)がDSにアクセスするようにする機能を提供する。また、すべてのAPは、基本的にSTAに該当するので、すべてのAPは、アドレス可能な個体である。WM上での通信のために、APによって使用されるアドレスとDSM上での通信のために、APによって使用されるアドレスは、必ず同様である必要はない。」
「【0050】
WLANシステムにおけるSTAは、IEEE 802.11の媒体接続制御(MAC:Medium Access Control)/PHY規定にしたがい動作する装置である。STAの機能がAPと個別的に区分されない限り、STAは、AP STAと非-AP STA(non-AP STA)を含むことができる。ただし、STAとAPとの間に通信が行われるとするとき、STAは、non-AP STAと理解されることができる。図1の例示において、STA1、STA4、STA5及びSTA6は、non-AP STAに該当し、STA2及びSTA3は、AP STAに該当する。
【0051】
Non-AP STAは、ラップトップパソコン、移動電話機のように、一般にユーザが直接扱う装置に該当する。以下の説明において、non-AP STAは、無線装置(wireless device)、端末(terminal)、ユーザ装置(UE:User Equipment)、移動局(MS:Mobile Station)、移動端末(Mobile Terminal)、無線端末(wireless terminal)、無線送受信ユニット(WTRU:Wireless Transmit/Receive Unit)、ネットワークインタフェース装置(network interface device)、MTC(Machine-Type Communication)装置、M2M(Machine-to-Machine)装置などと呼ぶことができる。
【0052】
また、APは、他の無線通信分野での基地局(BS:Base Station)、ノード-B(Node-B)、発展したノード-B(eNB:evolved Node-B)、基底送受信システム(BTS:Base Transceiver System)、フェムト基地局(Femto BS)などに対応する概念である。
【0053】
以下、本明細書においてダウンリンク(DL:downlink)は、APからnon-AP STAへの通信を意味し、アップリンク(UL:uplink)は、non-AP STAからAPへの通信を意味する。ダウンリンクにおける送信機は、APの一部で、受信機は、non-AP STAの一部でありうる。アップリンクにおける送信機は、non-AP STAの一部で、受信機は、APの一部でありうる。」
「【0121】
上述のように、様々なPPDUのフォーマットが混合して使用されるから、STAは、受信したPPDUのフォーマットを区分できなければならない。
【0122】
ここで、PPDUを区分するという意味(またはPPDUフォーマットを区分するという意味)は、様々な意味を有することができる。例えば、PPDUを区分するという意味は、受信したPPDUがSTAによりデコード(または解釈)が可能なPPDUであるかどうかに対して判断するという意味を含むことができる。また、PPDUを区分するという意味は、受信したPPDUがSTAにより支援可能なPPDUであるかどうかに対して判断するという意味でありうる。また、PPDUを区分するという意味は、受信したPPDUを介して送信された情報がいかなる情報であるかを区分するという意味としても解釈できる。」
上記記載において、「STAの機能がAPと個別的に区分されない限り、STAは、AP STAと非-AP STA(non-AP STA)を含む」(【0050】)ものであるから、【0121】の「STA」は、AP STA、非-AP APの両方を含むSTAであると解される。
そうすると、「AP装置のデータ受信方法」に係る発明である訂正前の請求項5について、AP装置(すなわち、AP STA)において、PPDUを受信することは、本件特許の願書に最初に添付した明細書に記載されていたものと認められる。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないかについて
訂正事項2に係る訂正は、前記(1)のとおり誤記の訂正を目的とするものであり、その訂正により実質上特許請求の範囲は変わらないから、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
訂正後の請求項5に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
4 訂正事項3について
(1)訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項6に「前記第1又は前記第2の106トーン資源ユニットに含まれる106トーンはインデックス0から105に連続して位置し」と記載されているのを、「前記第1又は前記第2の106トーン資源ユニットに含まれる106個のトーンはインデックス0から105に連続して位置し」に訂正するものである。
訂正前の請求項6は、「106トーンはインデックス0から105に連続して位置」することが特定されるものであり、「106トーン」という「トーン」が「インデックス0から105に連続して位置」するという、技術的に整合しない記載となっている。
一方、本件特許の願書に添付した明細書には、以下の記載がある。(下線は、強調のため、当審にて付与したものである。)
「【0018】
また、前記106トーン資源ユニットに含まれた106個のトーンが0~105のインデックスに順次位置する場合、前記第1のパイロットトーンは、前記インデックス6に位置し、前記第2のパイロットトーンは、前記インデックス32に位置し、前記第3のパイロットトーンは、前記インデックス74に位置し、及び前記第4のパイロットトーンは、前記インデックス100に位置し得る。」
そうすると、訂正前の請求項6の「106トーン」は、本件特許の明細書の【0018】の記載との関係において、「106個のトーン」の意であることは明らかである。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
本件特許の願書に最初に添付した明細書において前記(1)と同様の記載がされているから、訂正事項3に係る訂正は、本件特許の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないかについて
訂正事項3に係る訂正は、前記(1)のとおり誤記の訂正を目的とするものであり、その訂正により実質上特許請求の範囲は変わらないから、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
訂正後の請求項6に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、特許法第126条第3項、第5項~第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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