特許異議申立
2025-700822
ホットスタンピング部品及びその製造方法
- 審判番号
- 2025-700822
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2022-575419
- 登録番号
- 7631381
- 請求日
- 2025年08月13日
- 審決日
- 2025年11月04日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】ヒュンダイ スチール カンパニー
- 【権利者代理人】宮嶋 学
- 【権利者代理人】堀田 幸裕
- 【権利者代理人】石川 大策
- 【異議申立人】谷口 充弘
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 貴雄
- 審判官 山田 康孝
- 審判官 田々井 正吾
- 分類
- P1651.537-Y (B21D) / P1651.536-Y (B21D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第4項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7631381号発明「ホットスタンピング部品及びその製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7631381号の請求項1~11に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7631381号の請求項1~11に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、2022年(令和4年)1月26日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2021年10月29日 (KR)大韓民国)を国際出願日とする国際特許出願である特願2022-575419であって、令和7年2月7日にその特許権の設定登録がされ、同月18日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許に対し、令和7年8月13日に特許異議申立人谷口充弘(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。
第2 本件特許発明
本件特許の請求項1~11に係る発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」~「本件特許発明11」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~11に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
加熱炉内にブランクを投入する段階と、
前記ブランクを加熱する段階と、
前記加熱されたブランクを前記加熱炉から金型に移送する段階と、を含み、
前記ブランクを移送する段階での前記ブランクの空冷時間λtを、加熱炉取出温度及び大気温度補正係数at、加熱温度Tt、素材成分補正係数bt、素材厚さt、及び高温素材厚さ敏感度補正係数ctを考慮して、下記数式1を満足するように制御し、
前記数式1において、
前記atは、0.0160以上0.0165以下であり、Ttは、Ac3以上1000℃以下であり、btは、-10以上0.5以下であり、tは、1mm以上2.6mm以下であり、ctは、0.7以上0.9以下であり、
前記数式1において、
λtは、5s以上20s以下である、ホットスタンピング部品の製造方法。
【数1】
[図:0001429052000001.jpg]
(この際、λtは、空冷時間(s)、atは、前記ブランクの加熱炉取出温度及び大気温度補正係数、Ttは、鋼板を加熱する加熱温度(℃)、btは、素材成分補正係数、tは、素材厚さ(mm)、ctは、高温素材厚さ敏感度補正係数)。
【請求項2】
前記ブランクを移送する段階において、
前記加熱されたブランクは、常温で空冷される、請求項1に記載のホットスタンピング部品の製造方法。
【請求項3】
前記ブランクを加熱する段階は、
前記ブランクを段階的に加熱する多段加熱段階と、
前記ブランクをAc3~1000℃の温度で加熱する均熱加熱段階と、を含む、請求項1に記載のホットスタンピング部品の製造方法。
【請求項4】
前記ブランクを加熱する段階において、
前記ブランクの加熱時間λnを、加熱炉熱損失補正係数an、加熱温度Tn、Ac3温度補正係数bn、素材厚さt、及び高温素材厚さ敏感度係数cnを考慮して、下記数式2を満足するように制御し、
前記数式2において、
前記anは、-0.60以上-0.55以下であり、Tnは、Ac3以上1000℃以下であり、bnは、700以上900以下であり、tは、1mm以上2.6mm以下であり、cnは、0.7以上0.9以下であり、
前記数式2において、
λnは、100s以上900s以下である、請求項3に記載のホットスタンピング部品の製造方法。
【数2】
[図:0001429052000002.jpg]
(この際、λnは、加熱時間(s)、anは、加熱炉熱損失補正係数、Tnは、前記鋼板を加熱する加熱温度(℃)、bnは、Ac3温度補正係数、tは、素材厚さ(mm)、cnは、高温素材厚さ敏感度係数)。
【請求項5】
前記加熱炉は、互いに異なる温度範囲を有する複数の区間を具備する、請求項3に記載のホットスタンピング部品の製造方法。
【請求項6】
前記複数の区間で前記ブランクが多段加熱される区間の長さと前記ブランクが均熱加熱される区間の長さとの比は、1:1~4:1を満足する、請求項5に記載のホットスタンピング部品の製造方法。
【請求項7】
前記ブランクを移送する段階以後に、
前記移送されたブランクを前記金型で加圧して成形体を成形する段階と、
前記成形された成形体を冷却する段階と、をさらに含む、請求項1に記載のホットスタンピング部品の製造方法。
【請求項8】
前記成形体を成形する段階において、
前記ブランクの成形開始温度は、500℃以上700℃以下である、請求項7に記載のホットスタンピング部品の製造方法。
【請求項9】
前記成形された成形体を冷却する段階は、
前記金型内でなされる、請求項7に記載のホットスタンピング部品の製造方法。
【請求項10】
前記成形体冷却段階において、
前記金型内で前記成形体が冷却される金型冷却時間λqを、金型熱伝導補正係数aq、加圧力P、素材硬化能補正係数bq、素材厚さt、及び低温素材厚さ敏感度係数cqを考慮して、下記数式3を満足するように制御し、
前記数式3において、
前記aqは、-1.0以上-0.2以下であり、Pは、0.1MPa以上5MPa以下であり、bqは、11以上15以下であり、tは、1mm以上2.6mm以下であり、cqは、1.00以上1.05以下であり、
前記数式3において、
λqは、6s以上40s以下である、請求項9に記載のホットスタンピング部品の製造方法。
【数3】
[図:0001429052000003.jpg]
(この際、λqは、金型冷却時間(s)、aqは、金型熱伝導補正係数、加圧力Pは、前記金型内で前記成形体が冷却されるときに、金型がブランクに加える加圧力の最小値(MPa)、bqは、素材硬化能補正係数、tは、素材厚さ(mm)、cqは、低温素材厚さ敏感度係数)。
【請求項11】
前記成形体冷却段階において、
前記冷却段階が終了する金型冷却終了温度は、常温以上約200℃以下である、請求項7に記載のホットスタンピング部品の製造方法。」
第3 申立ての理由
1 特許異議申立書における申立ての理由の概要
(1)理由A(明確性)
本件特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
(2)理由B(実施可能要件)
本件特許は、発明の詳細な説明の記載が不備のため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
2 証拠方法
申立人が特許異議申立書に添付して提出した証拠は、次の(1)~(3)のとおりである。
(1)甲第1号証:特表2011-512455号公報
(2)甲第2号証:特表2013-545890号公報
(3)韓国公開特許第10-2021-0080166号公報
以下、甲第○号証を「甲○」という。
第4 当審の判断
1 理由A(明確性)の申立ての理由について
(1)理由の概要
ア ブランクの空冷時間λtの値について
請求項1に記載したブランクの空冷時間λtを算出する数式1
[図:0001429052000004.jpg]
について、各パラメータの数値範囲は次のとおりである。
at:0.0160以上0.0165以下
bt:-10以上0.5以下
ct:0.7以上0.9以下
Tt:Ac3以上1000℃以下
t:1mm以上2.6mm以下
である。
ここで、ブランクの空冷時間λtの最小値λt(min)及び最大値λt(max)は、それぞれ、次のとおりである。
λt(min)=(0.0160×Tt-10)×t0.7 ・・・(式α)
λt(max)=(0.0165×Tt+0.5)×t0.9・・・(式β)
ここで、本件の発明の詳細な説明の段落0058、0064、及び0068の記載から、Acの具体的な数値は830℃であるから、
Ttの最小値(Ac3)は830℃、最大値は1000℃
tの最小値は1mm、最大値は2.6mm以下
である。
そして上記ブランクの空冷時間λtの最小値λt(min)及びλtの最大値λt(max)を、式α及び式βのそれぞれのTt及びtに、下記の4通りの条件で上記Tt及びtの最小値及び最大値を代入して、算出する。
[条件1]Ttの最小値(830℃)とtの最小値(1mm)
[条件2]Ttの最大値(1000℃)とtの最小値(1mm)
[条件3]Ttの最小値(830℃)とtの最大値(2.6mm)
[条件4]Ttの最大値(1000℃)とtの最大値(2.6mm)
この算出結果は
[条件1]λt(min)=3.3、λt(max)=14.2
すなわち、λtは3.3s以上、14.2s以下
[条件2]λt(min)=6.0、λt(max)=17.0
すなわち、λtは6.0s以上、17.0s以下
[条件3]λt(min)=6.4、λt(max)=33.5
すなわち、λtは6.4s以上、33.5s以下
[条件4]λt(min)=11.7、λt(max)=40.2
すなわち、λtは11.7s以上、40.2s以下
また、請求項1においては、式α及び式βから算出される値とは別途、ブランクの空冷時間λtの値について、5s以上20s以下の数値範囲(以下、この数値範囲を「規定の数値範囲」という。)であることが規定されている。
イ 本件特許発明1~11が明確でない理由について
以上の上記アの内容からみて、本件特許発明1は以下の点で明確でない。
(ア)「数式1」に従って条件1~条件4で算出されたブランクの空冷時間λtのうち条件1、3~4については、多くの場合に上記「規定の数値範囲」(0,5s以上20s以下)を外れる一方で、「数式1」による条件1~4の数値範囲が、「規定の数値範囲」の大半を占めるにもかかわらず、空冷時間λtの制御に数式1を用いることは、その技術的意味を理解できない。
(イ)数式1に従って加熱温度Tt及び素材厚さtに基づきブランクの空冷時間λtを算出するにあたり、各補正係数at、bt、及びctが請求項1に記載した数値範囲からどのようにして決定されるのかが、本件の発明の詳細な説明(段落0096~0101等)の記載を参酌しても理解できず、数式1においては、各補正係数at、bt、及びctの数値が決定されなければ、ブランクの空冷時間λtを算出することができないという技術常識を考慮すると、請求項1において、数式1中の各補正係数at、bt、及びctの数値を決定する方法を理解するための事項が不足していることが明らかである。
(2)上記(1)の理由の検討
ア 上記(1)イ(ア)の理由について
上記(1)イ(ア)は、請求項1にブランクの空冷時間λtの値に関して、「数式1」と「規定の数値範囲」の両方が記載されていながら、
(a)前者の数式1で算出される数値が必ずしも後者の数値範囲に入らないことから、両者の関係が明確でない
という一方で、
(b)前者の数式1で算出される数値の大半が後者の数値範囲に入ることから、請求項1における前者の数式1の技術的意義が理解できない
という内容であると解される。
請求項1における「数式1」は、本件の発明の詳細な説明の段落0093~0100(当該段落においては請求項1に記載した「数式1」は「数式2」とされている。)に記載されているとおり、段落0095記載の移送段階でのブランクの空冷時間を調整することの必要性に応じてこの時間を算出するための、特に、段落0093~0094、図6により説明されている当該空冷時間、素材の厚さ、及びブランクの加熱温度の関係を反映させた式である。
これに対して、「規定の数値範囲」については、本件の発明の詳細な説明の段落0101に「空冷時間λtが5s未満である場合、ブランクの成形が開始される成形開始温度が過度に高く、ブランクの成形が高い温度で進められて製造されたホットスタンピング部品にシワ(または、屈曲)が発生し、設備上、5s未満の空冷時間λtを具現し難い。一方、空冷時間λtが20s超過である場合、生産性が低下するだけではなく、ブランクが移送される過程においてブランクで相変態が発生してブランクの成形性が低下し、製造されたホットスタンピング部品が所望の材質を有しない。したがって、空冷時間λtが約5s以上約20s以下の範囲を満足する場合、ブランクの成形性及び工程の生産性を向上させ、製造されたホットスタンピング部品が所望の材質を持たせる。」と記載されている。
そうすると、「数式1」が、ブランクの空冷時間を、当該空冷時間、素材の厚さ、及びブランクの加熱温度の関係に基づいて算出するのに対して、「規定の数値範囲」は、空冷時間の長さを、このような関係とは別の観点である設備上の問題や、生産性、ブランクの成形性という別の観点からその上限と下限を設定しているものである。
したがって、仮に「数式1」で算出した値が「規定の数値範囲」に全く含まれないというのであれば、請求項1の内容に矛盾が生じるから不明確となるが、上記(1)アのとおり、「数式1」で算出した値の少なくとも一部は「規定の数値範囲」に含まれるのであるから、ブランクの空冷時間λtを「数式1」と「規定の数値範囲」の両者で定めることに技術的な齟齬はなく、むしろ両者による独立した観点で定められることになるから、ブランクの空冷時間λtをより適切な値を算出できることが期待される。
また、「数式1」については、段落0112に記載されているように、「数式2」及び「数式3」と協働して、「素材厚さ、加熱時間、空冷時間及び金型冷却時間を媒介変数として導出された」図8のプロセスウィンドウを導出することができるものであることから見ても、「規定の数値範囲」とは別個の機能を備えることが把握されるものである。
したがって、上記(1)イ(ア)のように、「数式1」に従って算出されたブランクの空冷時間λtが多くの場合に「規定の数値範囲」を外れる一方で、当該「規定の数値範囲」の大半を占めることについては、両者が上記のとおり独立の観点からブランクの空冷時間λtを定めるものであるから、明確であり、数式1の技術的意味も理解されるから、本件特許発明1、及び請求項1を引用する本件特許発明2~11が、上記(1)イ(ア)により明確でないとはいえない。
イ 上記(1)イ(イ)の理由について
本件の発明の詳細な説明の段落0097~0099には、それぞれ、数式1のatが、加熱されたブランクの加熱炉取出温度及び大気温度を考慮した補正係数であり、s/(℃xmm)の単位を有すること、btが、各素材の成分が互いに異なる場合を考慮した補正係数であって、s/mmの単位を有すること、及びctが、高温における素材の厚さによる熱伝逹量差を考慮した補正係数であることが説明されているほかに、段落0100には、加熱温度Ttと素材厚さtについて説明されている。
そして、段落0096には、請求項1の空冷時間を容易に制御することができる数式1(発明の詳細な説明では「数式2」と記載。)について、「反復実験」を経て導出したことが記載されている。
これらの記載からみて、直接測定することが可能なブランクの空冷時間λt、ブランクの加熱温度Tt、及び素材厚さtのデータを反復実験によって相当数収集することが理解される。
そして、本件の発明の詳細な説明の段落0005に記載された「ブランクの素材、ブランクの厚さ、加熱温度など多様なパラメータを考慮して加熱時間、空冷時間、及び金型冷却時間を制御することで、製造されたホットスタンピング部品の品質を向上」させるという課題からみて、ブランクの空冷時間λtを算出する「数式1」に関して、上記の反復実験によって相当数収集した情報を基に、発明の詳細な説明の段落0097~0099に記載された上記のブランクの加熱炉取出温度及び大気温度、各素材の成分、あるいは高温における素材の厚さによる熱伝逹量差という客観的に把握できる指標を考慮しつつ各補正係数at、bt、及びctを調整した「数式1」を導出することが理解されるし、各補正係数は請求項1において数値範囲が定められていることで、試行錯誤の範囲も限定されることが把握される。
したがって、請求項1、及び請求項1を引用する請求項2~11において、「数式1」中の各補正係数at、bt、及びctの数値を決定する方法を理解するための事項は不足しておらず、本件特許発明1~11が、上記(1)イ(ア)により明確でないとはいえない。
ウ 甲1~3に記載された周知技術について
なお、申立ての理由において、上記(1)イ(ア)~(イ)とは別途、「規定の数値範囲」に関し、甲1~3(上記第3の2)を引用して、ブランクの空冷時間λtを5s以上20s以下とすることは周知技術である旨の記載(特許異議申立書第13ページ)がされているが、このような周知技術の存在により請求項に係る発明の明確性が否定されることはないし、甲1~3には、「数式1」について何ら開示がされていないことが明らかであるから、これらの文献に基づいて、本件の各請求項に係る発明の新規性や進歩性が否定されないことも明らかである。
(3)理由A(明確性)のまとめ
したがって、請求項1、及び請求項1を引用する請求項2~11に関し、上記(1)イ(ア)~(イ)の理由、及びウの甲1~3による理由によっては、本件の特許請求の範囲に、理由A(明確性)の不備を見いだすことはできない。
2 理由B(実施可能要件)の申立ての理由について
(1)理由の概要
本件の発明の詳細な説明の段落0096~0101には、請求項1に記載される数式1に関する説明がされているが、上記1(1)イ(イ)の理由と同じく、これらの内容を参酌しても、本件特許発明1において、数式1中の各補正係数at、bt、及びctの数値がどのように決定されるか理解することができない。
(2)上記(1)の理由について
既に上記1(2)イで、上記1(1)イ(イ)の理由について検討したとおり、本件の発明の詳細な説明の段落0097~0099、0100、0096、0005等の記載からみて、ブランクの空冷時間λtを算出する「数式1」に関して、反復実験によって相当数収集した情報(直接測定することが可能なブランクの空冷時間λt、ブランクの加熱温度Tt、及び素材厚さtのデータ)を基に、ブランクの加熱炉取出温度及び大気温度、各素材の成分、あるいは高温における素材の厚さによる熱伝逹量差という客観的に把握できる指標を考慮しつつ各補正係数at、bt、及びctを調整した「数式1」を導出することが理解され、各補正係数は請求項1において数値範囲が定められていることで、試行錯誤の範囲も限定されることが把握される。
したがって、本件特許発明1、及び請求項1を引用する本件特許発明2~11において、発明の詳細な説明を参酌しても、数式1中の各補正係数at、bt、及びctの数値がどのように決定されるか理解することができないとはいえない。
(3)理由B(実施可能要件)のまとめ
したがって、請求項1、及び請求項1を引用する請求項2~11に関し、上記(1)の理由によっては、本件の発明の詳細な説明に、理由B(実施可能要件)の不備を見いだすことはできない。
3 小括
上記1~2より、本件特許発明1~11に係る特許請求の範囲の記載、及び発明の詳細な説明の記載に関して、検討した申立ての理由によっては、特許法第36条第6項第2号(明確性)、及び特許法第36条第4項第1号(実施可能要件)のいずれに規定する要件にも不備があるとはいえず、本件特許は、これらの要件を満たしていない特許出願に対してされたものではないから、同法第113条第4号に該当しない。
第5 むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件特許(本件の請求項1~11に係る特許)を取り消すことはできない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2025-700822