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特許異議申立

2025-700254

管接続部材撤去装置

審判番号
2025-700254
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2023-073129
登録番号
7543479
請求日
2025年02月28日
審決日
2025年06月30日
公報発行日
2025年08月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】コスモ工機株式会社
  • 【権利者代理人】重信 和男
  • 【権利者代理人】石川 好文
  • 【権利者代理人】秋庭 英樹
  • 【権利者代理人】林 道広
  • 【異議申立人】西内 大生
審判長/審判官
  • 審判長 石井 孝明
  • 審判官 山田 由希子
  • 審判官 小川 恭司
分類
P1651.121-Y (F16L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7543479号発明「管接続部材撤去装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7543479号の請求項1~6に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯の概略 特許第7543479号の請求項1~6に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和元年5月23日に出願した特願2019-97057号の出願の一部を、令和5年4月27日に新たな特許出願としたものであって、手続の経緯は、概ね、次のとおりである。 令和 6年 8月23日 特許権の設定登録 令和 6年 9月 2日 特許掲載公報 令和 7年 2月28日 特許異議申立人西内大生(以下「特許異議申立人」という。)による特許異議の申立て 第2 本件発明 特許第7543479号の請求項1~6に係る発明(以下「本件発明1」などという。)は、特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定される次のとおりである。 【請求項1】 既設の流路構成部材の本管部から一体に分岐される分岐管部の首部に固定される分割構造のベース部材と、前記ベース部材に密封状に組み付けられるケース部材と、を備える作業用ケースにより前記分岐管部に取付けられた管接続部材を密封状に囲い、該作業用ケース内で前記管接続部材を不断流状態で撤去する管接続部材撤去装置であって、 前記ベース部材は、前記分岐管部の首部を囲うように形成され、前記本管部の管頂部に載置される平板状の環状板部と、該環状板部の下方に延設され前記本管部の外周面に沿って湾曲形成され、前記本管部の管頂部を周方向に挟んで該本管部に載置される基礎部と、を備え、前記環状板部の内周面に、前記分岐管部の首部を密封する密封部が設けられるとともに、前記密封部よりも前記分岐管部の外径側かつ前記環状板部の上面に、前記ベース部材と前記ケース部材との間を密封する環状の密封リングが配設されることを特徴とする管接続部材撤去装置。 【請求項2】 前記密封部は、前記ベース部材の前記ケース部材側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の管接続部材撤去装置。 【請求項3】 前記ベース部材に、前記密封部としてのシールリングを押圧する押輪が装着可能となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の管接続部材撤去装置。 【請求項4】 前記首部は、該首部の軸方向に沿って延び前記シールリングに当接する直線部を有していることを特徴とする請求項3に記載の管接続部材撤去装置。 【請求項5】 前記分岐管部と前記管接続部材との脱着をガイドするガイドボルトと、該ガイドボルトに螺合するナットとの回転を防止する回転防止座金が配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の管接続部材撤去装置。 【請求項6】 前記分岐管部と前記管接続部材との脱着をガイドするガイドボルトと、前記ベース部材との間には、前記ガイドボルトの落下を防止する落下防止手段が配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の管接続部材撤去装置。 第3 申立理由の概要 1 特許異議申立人が主張する申立理由 特許異議申立人は、主たる証拠として甲第1号証及び甲第5号証、従たる証拠として甲第2号証~甲第4号証を提出し、請求項1~6に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1~6に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。 2 証拠方法 特許異議申立人提出の証拠方法は以下のとおりである。 甲第1号証:特開平6-249386号公報 甲第2号証:特開2016-161083号公報 甲第3号証:特開2016-95020号公報 甲第4号証:特開2015-121280号公報 甲第5号証:特開2019-39475号公報 以下、甲第1号証を「甲1」などという。 第4 証拠の記載事項 1 甲1について (1)甲1の記載事項 甲1には、図面とともに次の記載がある(下線は当審合議体が付したもの。以下同様。)。 「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、既設管に対してフランジ連結される管継手やバルブ等の管接続部材を、当該既設管に対して管内流体の流れを断たない不断流状態で装脱着する管接続部材装脱着装置に関する。」 「【0005】 【作用】管接続部材を不断流状態で既設管から脱着するときは、密閉ケース外側から付与される操作力で押圧具を押圧位置に維持して、管接続部材と既設管とを押圧具で押圧固定してから、フランジどうしを連結している連結ボルトを外した後、管接続部材がそのフランジと共に密閉ケースで囲繞されている状態で、密閉ケース外側から付与されている操作力を除去して押圧具を押圧解除位置に移動し、押圧具による管接続部材と既設管との押圧固定を解除して、管接続部材をその連結位置から移動し、不断流状態で密閉ケースから取り出す。」 「【0007】 【実施例】 〔第1実施例〕図1は、既設管の一例である地中に埋設されている水道管Aの分岐管Bに対してフランジ連結される管接続部材の一例である空気弁Cを、当該分岐管Bに対して水道水の流れを断たない不断水状態で装脱着する管接続部材装脱着装置を示し、空気弁Cを連結ボルト・ナット23で連結されているフランジ1,2と共に密閉状態で囲繞可能な密閉ケース3に、不断水状態で空気弁Cを出し入れ可能な開閉機構4と、空気弁Cを分岐管Bに対して連結位置に着脱可能な着脱機構5と、空気弁Cと分岐管Bとを連結位置で押圧固定する押圧位置と押圧固定を解除する押圧解除位置とに亘って移動可能な押圧具6と、密閉ケース3外側から付与される操作力で押圧具6を押圧位置に維持する押圧維持機構7とが設けられている。前記密閉ケース3は、本管側フランジ2の下面側に着脱自在に固定される分岐管径方向で二つ割りの底板8と、空気弁Cを覆う上下二つの円筒ケース9,10と、上部円筒ケース9上端を塞ぐ天蓋11とを分離可能にボルト連結して構成され、底板8と本管側フランジ2との間に、密閉ケース3と分岐管Bとの上下方向相対移動を規制するスペーサー12が設けられているとともに、上部円筒ケース9と下部円筒ケース10との間に作業用仕切弁4をボルト連結して前記開閉機構が構成されている。前記着脱機構5は、天蓋11に水密状態で昇降自在に貫通されている昇降操作軸を設けて構成され、この昇降操作軸5の下端に空気弁Cが着脱自在に連結されるとともに、昇降操作軸5の昇降ストローク量を調節することにより、空気弁Cを分岐管Bに対する連結位置に着脱移動できるよう構成されている。」 「【0010】 次に、この管接続部材装脱着装置を使用して、空気弁Cを不断水状態で取り替える工法について説明する。図3に示すように、空気弁Cと本管側フランジ2とを底板8と下部円筒ケース10とで覆い、螺軸18の各々を手動或いは油圧モーター,電動モーター等のアクチュエーターで回転させて、押圧具6を押圧位置に維持し、両フランジ1,2を連結している連結ボルト・ナット23を外しておく。次に、昇降操作軸5の下端に空気弁Cを連結した状態で、図1に示すように、密閉ケース3を組み立てる。次に、水密状態を確認してから押圧具6を押圧解除位置に移動させて、昇降操作軸5の上昇移動で空気弁Cを上部円筒ケース9内に移動し、図4に示すように、作業用仕切弁4を閉じて、空気弁Cを天蓋11ごと上部円筒ケース9から取り出す。次に、昇降操作軸5の下端に本管側フランジ2のフランジ表面に付着しているシール材等を掻き取るスイーパー24を連結し、天蓋11を上部円筒ケース9に固定してから作業用仕切弁4を開いて、図5に示すように、スイーパー24を本管側フランジ2に当て付け、昇降操作軸5を回転させて本管側フランジ表面を清掃する。次に、空気弁Cの場合と同様の手順で、スイーパー24を上部円筒ケース9から取り出して、弁側フランジ1にシール材が予め接着固定されている新たな空気弁Cを昇降操作軸5の下端に連結し、空気弁Cを上部円筒ケース9から取り出した場合と逆の手順で、空気弁Cを下部円筒ケース10内に移動して本管側フランジ2の上面に載置状態で装着し、昇降操作軸5で空気弁Cを本管側フランジ2に押圧しながら、螺軸18を回転させて押圧部材13の周溝14内に両フランジ1,2を入り込ませ、図1に示すように、押圧具6を押圧位置に維持する。次に、密閉ケース3内の水を排出した後、図3に示すように、天蓋11を開放して両フランジ1,2を連結ボルト・ナット23で連結固定し、押圧具6を押圧解除位置に移動させて密閉ケース3を撤去する。」 「 図1 [図:0001425788000001.jpg] 」 (2)【0010】における「図3に示すように、空気弁Cと本管側フランジ2とを底板8と下部円筒ケース10とで覆い」との記載、図1から、底板8は前記分岐管Bの一部を覆うように形成されていると理解される。また、底板8はその名称から板状材であると理解される。 (3)図1から、底板8と水道管Aとの間に、前記水道管Aの軸方向に沿った鉛直断面が四角形の部材を備えていることが看取される。 (4)甲1発明 上記(1)~(3)を総合すると、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「既設管である水道管Aの分岐管Bの本管側フランジ2の下面側に固定される二つ割りの底板8と、前記底板8にボルト連結される上下二つの円筒ケース9、10と上部円筒ケース9上端を塞ぐ天蓋11と、から構成される密閉ケース3により前記分岐管Bに対してフランジ連結される管接続部材を前記密閉ケース3で囲繞し、該密閉ケース3内で前記管接続部材を不断流状態で既設管から脱着する管接続部材装脱着装置であって、 前記底板8は、前記分岐管Bの一部を覆うように形成され、前記分岐管Bの本管側フランジ2との間に前記分岐管Bとの上下方向相対移動を規制するスペーサ12が設けられている板状材であり、前記底板8と水道管Aとの間に、前記水道管Aの軸方向に沿った鉛直断面が四角形の部材を備える、管接続部材装脱着装置。」 2 甲2について (1)甲2の記載事項 甲2には、図面とともに次の記載がある。 「【0018】 図1に示すように、仕切弁装置3は、管路部本体4と弁本体部11とから構成されている。管路部本体4は、流体管2,2’に連通する管部5と、管部5の管軸と異なる方向に突出された筒状の首部8と、から構成されている。管部5の両端部は、流体管2,2’の端部を挿入可能な受口部9,9’と成っており、この受口部9,9’には、受口部9,9’内に流体管2,2’を挿入する際において、流体管2,2’の引き込みに用いられる一対の鍔部70,70(装設部)がそれぞれ設けられている。一対の鍔部70,70は、首部8を挟んだ周方向の両側に対向するように配置され、受口部9及び受口部9’の外周面から径方向外側に略水平に突出している(図2参照)。首部8は、管部5から上方に延びる延設管部6と、延設管部6の上端に設けられた管路部フランジ7と、から成る。また、首部8は、管路部フランジ7から前記受口部9,9’に延びるリブ71,71(装設部)を備えており、このリブ71,71により管路部本体4の強度が高くなっている。尚、流体管2,2’と仕切弁装置3における管路部本体4の管部5とは、流体管路を構成しており、本実施例では、これらを総称して管路構成部と定義する。」 「【0020】 図2に示されるように、弁体撤去装置1は、弁本体部11を管路部本体4から撤去するものであり、仕切弁装置3の一部を密封状に囲う作業用ケース21と、作業用ケース21内に備えられるとともに作業用ケース21の外部からの操作により作業用ケース21の内部空間を密封状に仕切ることが可能な作業弁22と、弁本体部11を作業用ケース21内で移動を可能とする弁吊移動工具33(弁移動手段)と、作業用ケース21を下方側から支持する支持装置43と、から構成されている。 【0021】 作業用ケース21は、分割式取付部材23と、合いフランジ26と、作業弁装置27と、円筒部材28と、上蓋29と、から主に構成される。」 「【0024】 また、分割構造体25には、上下方向に伸縮可能なジャッキ部74が設けられている。ジャッキ部74は下方に突出する凸部を有し、高さ調整可能な構造をしており、分割構造体24,25が組み合わされて成る分割式取付部材23を含む作業用ケース21の荷重を、支持装置43に伝える支承部として機能する。 なお、ジャッキ部74は分割構造体24,25のいずれか一方のみに設けられてもよいし、あるいは、分割構造体24,25のいずれにも設けられてもよい。また、ジャッキ部74が支持装置43に設けられていてもよい。 【0025】 図6の部分拡大図に示されるように、分割式取付部材23は、分割構造体24,25が首部8に対して周方向から近接されることにより、分割構造体24,25の内周面にそれぞれ設けられた密封部材30が管路部フランジ7に圧接されて密封状に取付けられている。尚、密封部材として、断面が円形の丸ゴムパッキン、略C字状または方形状または、リップ付きのゴムパッキンを使用してもよい。」 「【0029】 図2及び図4に示されるように、支持装置43は、管部5の受口部9,9’の外周面上側に、首部8よりも外径側の位置にそれぞれ配置されている。これによれば、支持装置43が、作業用ケース21の下方側を首部8よりも外径側の位置から安定的に支持することができる。また、支持装置43は、受口部9,9’の外周面上側に取付けられるため、受口部9,9’の外周面上側が露出する程度に埋設地盤を掘削するのみで支持装置43を設置することができ、掘削作業にかかる時間や労力を削減できるようになっている。なお、支持装置43は、作業用ケース21の下方側を支持するものに限らず、作業用ケース21の上方側や中央側を支持してもよい。 【0030】 詳しくは、図2及び図3に示されるように、本実施例に係る作業用治具である支持装置43は、受口部9の外周面を周方向に跨ぎ、管路構成部材に保持される被保持部である脚部44と、脚部44上部に設けられ、荷重支持部である一対の支持部45,45と、本実施例では下流側の流体管2’側に張り出すように端部に設けられた補助荷重受け75と、から主に構成されている。脚部44は略同一形状のベース部材44a,44aを図3(a)の図示左右対称に対向配置した状態で締結部44bにより管軸方向に締結され構成されている。また脚部44は、受口部9の外周面に面当接可能な凹曲面形状の当接面44cを備えており、当接面44cは、ゴム等の弾性部材72により構成されている。」 「【0032】 更に、脚部44には管路部本体との固定手段である固定部44dを備えており、本実施例では固定部44dは貫通孔と止めねじにより構成されている。後述の通り、この固定部44dにより脚部44が管路部本体に締結固定されることで、作業用ケース21の荷重を支持した際に位置ずれすることなく固定されることになる。 【0033】 また、脚部44の上部には、支持部45,45が設けられている。ここで、支持装置43は管路構成部の上部に管軸の中央に軸対称となるように配置されている。さらに、図3の部分拡大図に示されるように、支持部45,45は載置面45bと壁部45cで構成される凹部45a(位置決め手段)を有しており、後述の通り、分割式取付部材23のジャッキ部74と凹凸嵌合することで、分割式取付部材23を含む作業用ケース21の位置を正確に固定することができる。 さらに、図3及び図8に示されるように、支持装置43の補助荷重受け75は、主に管路構成部である流体管2,2’および管部5が傾いている場合に、後述の通りその傾きにより発生するモーメント荷重を、伸縮により長さ調整可能な伸縮部材76と共に受けるために設けられている。」 「【0044】 そして、分割構造体24,25をさらに近接させ、分割構造体24,25の接合端部同士を重ね合わせ、ボルト・ナット41,50で締め付け、分割構造体24,25から補助プレート47,47を取付けたままでもよいが、ここでは取外すとともに、ジャッキ部74を支持装置43の支持部45に設けられた凹部45aと凹凸嵌合させながら位置決めし、載置面45bに設置する。ここで、凹部45aの壁部45cが分割構造体24,25から成る分割式取付部材23の位置決めをしながら、載置面45bに載置するまでの案内として働くため、作業用ケース21をクレーンで吊り下げた不安定な状態であっても、容易に所定の位置に設置することが可能である。 この時、各ジャッキ部74の上下方向の長さを所望の長さに調整しておく。この所望の長さとは、各支持部45,45の載置面45bの高さ位置に対して、弁装置3の首部8に取付く分割式取付部材23を適切な位置で支持できる長さである。このように、地上から吊り下げた分割構造体24,25から成る分割式取付部材23を首部8よりも外径側の位置で支持することにより首部8の取付け面で支持するよりも安定して支持することができると共に、弁装置3の首部8にて作業用ケース21の全荷重を支持する必要が無いため、首部8に作業用ケース21を取付ける際の固定手段であるボルトのサイズを大きくしたり、ボルトの数量を増やしたりせずとも安定した状態で作業用ケース21を取付けることができる。」 「【0045】 このように、接続位置にて分割構造体24,25同士が接続固定されることにより、管路部本体4の首部8の管路部フランジ7に対して分割式取付部材23が各密封部材30を介して密封状に固定されるため、分割式取付部材23の密封取付け作業が極めて容易である。尚、図2に示されるように、別体の補助ジャッキ60,60を追加して配置し、分割式取付部材23をより安定的に支持するようにしてもよい。」 「 図2 [図:0001425788000002.jpg] 図3 [図:0001425788000003.jpg] 」 (2)甲2に記載された技術的事項 上記(1)を総合すると、甲2には次の技術的事項が記載されていると認められる。 「分割式取付部材23と合いフランジ26と作業弁装置27と円筒部材28と上蓋29とから主に構成される作業用ケース21と、前記作業用ケース21を下方側から支持する支持装置43と、を含む弁体撤去装置1であって、 前記分割式取付部材23は管部5から突出された首部8の管路部フランジ7に密封状に取付けられ、 前記支持装置43の支持部45は、ジャッキ部74の長さが分割式取付部材23を適切な位置で支持できる長さに調整されて、前記作業用ケース21のうち前記分割式取付部材23の下面側を下方側から支持するものであり、前記支持装置43は前記管部5の受口部9の外周面に面当接可能な曲面形状の当接面44cを備えている、弁体撤去装置1。」 3 甲3について (1)甲3の記載事項 甲3には、図面とともに次の記載がある。 「【0018】 図1に示すように、仕切弁装置3は、管路部本体4と弁本体部11とから構成されている。管路部本体4は、流体管2,2’に連通する管部5と、管部5の管軸と異なる方向に突出された筒状の首部8と、から構成されている。管部5の両端部は、流体管2,2’の端部を挿入可能な受口部9,9’と成っており、この受口部9,9’には、受口部9,9’内に流体管2,2’を挿入する際において、流体管2,2’の引き込みに用いられる一対の鍔部70,70(装設部)がそれぞれ設けられている。」 「【0020】 図2に示されるように、弁体撤去装置1は、弁本体部11を管路部本体4から撤去するものであり、仕切弁装置3の一部を密封状に囲う作業用ケース21と、作業用ケース21内に備えられるとともに作業用ケース21の外部からの操作により作業用ケース21の内部空間を密封状に仕切ることが可能な作業弁22と、弁本体部11を作業用ケース21内で移動を可能とする弁吊移動工具33(弁移動手段)と、作業用ケース21を下方側から支持する支持装置43,43’(図4参照)と、から構成されている。 【0021】 作業用ケース21は、分割式取付部材23と、合いフランジ26と、作業弁装置27と、円筒部材28と、上蓋29と、から主に構成される。」 「【0024】 図8の部分拡大部に示されるように、分割式取付部材23は、分割構造体24,25が首部8に対して周方向から近接されることにより、分割構造体24,25の内周面にそれぞれ設けられた密封部材30が管路部フランジ7に圧接されて密封状に取付けられている。尚、密封部材として、断面が円形の丸ゴムパッキン、略C字状または方形状または、リップ付きのゴムパッキンを使用してもよい。」 「【0028】 図2及び図4に示されるように、支持装置43,43’は、管部5の受口部9,9’の外周面上側における首部8よりも外径側の位置にそれぞれ配置されている。これによれば、支持装置43,43’が、作業用ケース21の下方側を首部8よりも外径側の位置から安定的に支持することができる。また、支持装置43,43’は、受口部9,9’の外周面上側に取付けられるため、受口部9,9’の外周面上側が露出する程度に埋設地盤を掘削するのみで支持装置43,43’を設置することができ、掘削作業にかかる時間や労力を削減できるようになっている。なお、支持装置43,43’は、作業用ケース21の下方側を支持するものに限らず、作業用ケース21の上方側や中央側を支持してもよい。 【0029】 詳しくは、図2及び図3に示されるように、支持装置43は、受口部9の外周面を周方向に跨ぐ脚部44と、脚部44上部に設けられた一対の支持部45,45と、から主に構成されている。脚部44は、受口部9の外周面に面当接可能な曲面形状の当接面44aを備えており、当接面44aには、ゴム等の弾性部材72が固着されている(特に図3(b)参照)。これによれば、弾性部材72が受口部9の外周面と支持装置43の当接面44aとの間に介在しているため、受口部9または支持装置43の損傷が防止される。また、受口部9の外径にバラつきが生じている場合であっても、弾性部材72が弾性変形して受口部9の外周面と支持装置43の当接面44aとの隙間を埋めるため、前記バラつきをある程度許容できる。尚、弾性部材72は、支持装置43と別体であってもよい。」 「【0036】 また、受口部9,9’の外周面上に支持装置43,43’を取り付ける。支持装置43,43’を受口部9,9’に取り付けた際には、各支持部45,45の上面45a,45aを予め決められた高さ位置に配置するように調整しておく。この予め決められた高さ位置とは、各支持部45,45の各上面45a,45aが、管路部本体4の首部8に対して適正な高さ位置で形成された分割式取付部材23の下面側を支持できる位置である。」 「 図2 [図:0001425788000004.jpg] 図3 [図:0001425788000005.jpg] 」 (2)甲3に記載された技術的事項 上記(1)を総合すると、甲3には次の技術的事項が記載されていると認められる。 「分割式取付部材23と合いフランジ26と作業弁装置27と円筒部材28と上蓋29とから主に構成される作業用ケース21と、前記作業用ケース21を下方側から支持する支持装置43と、を含む弁体撤去装置1であって、 前記分割式取付部材23は管部5から突出された首部8の管路部フランジ7に密封状に取付けられ、 前記支持装置43の支持部45は予め決められた高さ位置に調整されて、作業用ケース21のうち前記分割式取付部材23の下面側を下方側から支持するものであり、前記支持装置43は前記管部5の受口部9の外周面に面当接可能な曲面形状の当接面44aを備えている、弁体撤去装置1。」 4 甲4について (1)甲4の記載事項 甲4には、図面とともに次の記載がある。 「【0016】 図1に示されるように、仕切弁装置3は、管路部本体11と弁本体部12とから構成されている。管路部本体11は、流体管2,2’に連通する管部13と、管部13に一体に形成されたフランジ部14,14’と、管部13の管軸と異なる方向に突出された筒状の弁箱部15と、管路部フランジ16と、から構成される。」 「【0020】 図3及び図4に示されるように、それぞれの支持装置4,4’は、接続管21,21’における管路部21a,21a’の外周面に面当接可能な曲面形状の支持面26aを有する脚部26と、脚部26上部に設けられ、上方に伸縮自在に延出する一対の支持部27,27’と、支持部27,27’同士に架け渡されるように載置される板体28と、から主に構成されている。」 「【0022】 続いて、図5及び図8に示されるように、支持装置4,4’における板体28,28’の上に作業用ケース5の一部を構成する第1の分割ケースである分割構造体31,32を載置する。 【0023】 後述するが、図10に示されるように、作業用ケース5は、分割構造体31,32と、合いフランジ49と、作業弁装置50と、円筒52と、上蓋54と、から主に構成されている。図6及び図7に示されるように、分割構造体31,32の上部には、円形のフランジ部44が形成されており、後述する作業弁等が取付け可能となっている。尚、分割構造体31,32及びフランジ部44は円筒形状に限らず、断面形状及び平面形状が略小判形、略楕円、略角形などの筒部材でもよい。」 「【0026】 分割構造体31の内周面には、管路部フランジ16の外周面形状に沿った、略半円形状の密封ゴム35が固着されており、同様に分割構造体32の内周面にも、管路部フランジ16の外周面形状に沿った、略半円形状の密封ゴム35が固着されており、これら密封ゴム35,35同士は、ボルト33a,33a,…及びナット33b,33b,…による分割構造体31,32同士の締付けによりその端部同士が密封状に当接するようになっている。図5に示されるように、密封ゴム35は、管路部フランジ16の側面16bに亘り当接し、図示しないものの、分割構造体32における密封ゴム35も同様に、管路部フランジ16の側面16bに亘り当接して、分割構造体31,32下側からの流体の漏出を防止するようになっている。加えて、分割構造体31,32同士の接合面にはパッキン36,36が固着され、分割構造体31,32間の密封性が高められている。上記したような密封工程により、分割構造体31,32は、分割構造体31,32同士の締付けにより弁本体部12から弁蓋フランジ18及びに管路部フランジ16にかけて密封状に接続されることになる。尚、密封ゴム35とパッキン36とは、一体に形成されてもよい。更に尚、密封ゴム35は、管路部フランジ16の側面16bに亘り当接するものに限らず、管路部本体11の一部を囲うようにして分割構造体31,32下側からの流体の漏出を防止するようにしてもよい。」 「【0031】 図8に示されるように、分割構造体31,32は、突出片34,34の下面34b,34bが支持装置4,4’の板体28,28の上面28a,28a上に仮置きされ、その荷重が一部支持された状態となる。次いで、図5に示されるように、作業用ボルト25a,25a,…の下面に形成された雌ネジ部(図示略)に対して、複数本の固定ネジ65,65,…を貫通孔64,64,…を介して螺合させ、作業用ボルト25a,25a,…を分割構造体31,32に保持させるとともに、本実施例で作業用ボルト25a,25a,…と管路部フランジ16との間に介在させたシールワッシャー(図示略)の密封性を確実なものとする。 【0032】 仕切弁装置3への分割構造体31,32の保持方法としては、フランジ下部固定ボルト42,42,…及びフランジ上部固定ボルト43,43,…を締込操作し、それぞれ先端部42a,42a,…、先端部43a,43a,…を管路部フランジ16の下部16a及び弁蓋フランジ18の上部18aに当接させ、管路部フランジ16と弁蓋フランジ18とを挟み込んで、仕切弁装置3に分割構造体31,32を保持させる。 【0033】 続いて、支持装置4,4’の高さ調整部材30,30,…を更に回転させ、支持装置4,4’におけるそれぞれの板体28,28の上面28a,28aが突出片34,34の下面34b,34bと当接し、かつ板体28,28の上面28a,28aが脚部26と平行になるように再度支持装置4,4’の高さを調整する。」 「【0042】 また、支持装置4,4’は、接続管21,21’(管路構成部材)の管外周面と略同曲率の曲面形状の支持面26aを有していることから、管路構成部材の外周面上側と支持装置4,4’の曲面形状の支持面26aとが大面積で接触し、管路構成部材に局所的な負荷を与えないばかりか、設置位置を自在に設定できる。」 「 図5 [図:0001425788000006.jpg] 図8 [図:0001425788000007.jpg] 」 (2)甲4に記載された技術的事項 上記(1)を総合すると、甲4には次の技術的事項が記載されていると認められる。 「分割構造体31、32と合いフランジ49と作業弁装置50と円筒52と上蓋54とから主に構成される作業用ケース5と、前記分割構造体31、32を載置する支持装置4、4’と、を含む弁体撤去装置であって、 前記分割構造体31、32は管路部本体11の管路部フランジ16に流体の漏出を防止するよう当接し、 前記分割構造体31、32の突出片34の下面を前記支持装置4、4’の板体28の上面に置き、前記支持装置4、4’の高さ調整部材30の高さが調整されて、前記支持装置4、4’に前記分割構造体31、32が載置されるものであり、前記支持装置4、4’は管路構成部材の管外周面と略同曲率の曲面形状の支持面26aを備えている、弁体撤去装置。」 5 甲5について (1)甲5の記載事項 甲5には、図面とともに次の記載がある。 「【0015】 図1に示されるように、流路構成部材としての水平方向に配設された既設流体管1(以下、単に流体管1と称する)は、垂直上方に分岐する分岐管2(分岐部)を備えており、分岐管2の上端部には分岐管フランジ部3(フランジ部)が形成されている。この分岐管フランジ部3には、環状のパッキン7を介在させることで、既設の管接続ユニットU1(管接続部材)が密封状に接続されている。この管接続ユニットU1は、分岐管フランジ部3に対し既設のボルト・ナット10で締結されたフランジ部4aを下部に備える人孔蓋4と、該人孔蓋4の上部に取付けられる空気弁6と、から構成されている。尚、本実施例では流体管内の流体は上水であるが、本実施例の上水に限らず、例えば工業用水や農業用水、下水の他、ガスやガスと液体との気液混合体であっても構わない。」 「【0017】 以降、本実施例における管接続部材の撤去装置(以降、単に「撤去装置」と記載することもある)を用いて、分岐管フランジ部3から管接続ユニットU1を不断流状態で撤去し、且つ後述する新しい管接続ユニットU2に交換する態様について説明する。」 「【0023】 次に、図4に示されるように、流体管1に基礎台座93を取付ける。基礎台座93は、後述する、本発明における筐体を取付けるための基礎部となる。流体管1の周囲の井桁状の基礎91上に井桁状の基礎台座93を配設し、該基礎台座93上にジャッキ92を配置する。尚、基礎91に替えて例えばコンクリート基礎を設けてもよく、既設流体管の周囲の地盤の状況、既設流体管の上に設置する作業用ケースの大きさに応じて、掘削した地面に鉄板、材木を敷いてもよいし、好適な深さ位置まで掘削した地面を使用してもよいし、流体管1の管体を利用してもよい。 【0024】 次に、分割クランプ21をジャッキ92の上に設置し、分岐管フランジ部3の下方位置における分岐管2に取付ける。このとき、図5に示されるように、分割クランプ21の下面部と前述したように清掃された分岐管2の外周部分2a(図1参照)との間に密封用のクランプ用パッキン21eを配置し、分割クランプ21の下方に設置される押輪21aを分割クランプ21に向かって進出させるボルト21bで押し上げることで、分割クランプ21の下端部と分岐管2との間がクランプ用パッキン21eによりシールされる。 【0025】 また、分割クランプ21を上下方向に貫通する雌ネジ部に密封状に螺合されている位置出しボルト21cは、分割クランプ21の上端面よりも上方に突出する寸法に応じて分割クランプ21と分岐管フランジ部3との間の上下方向の離間寸法を取ることができるため、ジャッキ92と合わせて分割クランプ21を取付ける際の位置決めを行うことができる。これにより、分割クランプ21の上に取付けられる係止部材用ケース11の高さ位置を想定して、位置出しボルト21cとジャッキ92を操作することによって分割クランプ21の高さ位置を決めることができる。加えて、高さ位置の変更が容易であるため、移動させることで清掃時等の妨げとなり難い。 【0026】 また、図4に示されるように、分割クランプ21は、流体管1の分岐管フランジ部3の周囲に容易に取付けられるように2分割された一対のクランプ片からなり、該クランプ片はボルト・ナット21gにより一体環状に組み立てられる。尚、分割クランプ21は、2分割に限らず3分割以上であってもよい。さらに尚、分割クランプ21は、クランプ用パッキン21eを介して流体管1の分岐管2の外周を密封しているが、流体管のフランジ部外周面や分岐管フランジ部3の下面部を密封してもよい。その際、フランジボルト孔はシール付きの作業用ボルト・ナットを用いるとよい。またシールワッシャーを用いてもよい。 【0027】 次に、図4,図5に示されるように、係止部材用ケース11を分割クランプ21の上に設置する。係止部材用ケース11は、分岐管フランジ部3の径方向に進退する係止部材15が該係止部材用ケース11の周方向に離間して複数取付けられている。このとき、係止部材用ケース11と分割クランプ21とは、係止部材用ケース11と分割クランプ21との間に密封用のパッキン21dによってシールされた状態で、図示しない連結部材によって連結されている。以下、撤去装置の主な構成要素である係止部材用ケース11と、係止部材15と、について説明する。」 「【0052】 次に、下部作業用ケース22の上に作業弁装置23、該作業弁装置23の上に上部作業用ケース24、該上部作業用ケース24の上に駆動機取付用ケース25を組立て、該駆動機取付用ケース25に駆動機26を取付ける。このとき、下部作業用ケース22、作業弁装置23、上部作業用ケース24、駆動機取付用ケース25及び駆動機26における各接続面は、図示しないパッキン材によって密封状に組立てられている。ここで、本発明において、分割クランプ21、係止部材用ケース11、下部作業用ケース22、作業弁装置23、上部作業用ケース24、駆動機取付用ケース25及び駆動機26が本発明の筐体を構成するが、これに限らず、少なくとも管接続部材を密封状に囲繞可能に構成されるものであれば、分割構造の態様等は適宜に設定される。」 「 図4 [図:0001425788000008.jpg] 図5 [図:0001425788000009.jpg] 」 (2)【0027】の記載及び図5から、クランプ用パッキン21eよりも分岐管2の外径側かつ分割クランプ21の上に、前記分割クランプ21と係止部材用ケース11との間をシールするパッキン21dが設けられていることがわかる。 (3)甲5発明 上記(1)(2)を総合すると、甲5には、次の発明(以下、「甲5発明」という。)が記載されていると認められる。 「流体管1から垂直上方に分岐する分岐管2の分岐管フランジ部3の下方位置に取り付けられる分割クランプ21と、前記分割クランプ21に密封状に組み立てられる係止部材用ケース11、下部作業用ケース22、作業弁装置23、上部作業用ケース24、駆動機取付用ケース25及び駆動機26と、から構成される筐体により前記分岐管フランジ部3に結合される管接続部材を密封状に囲繞し、該筐体内で前記管接続部材を不断流状態で撤去する撤去装置であって、 前記分割クランプ21の下面部は前記分岐管2の外周部分2aの周囲に配置され、流体管1の周囲の井桁状の基礎91上に井桁状の基礎台座93を配設し、前記基礎台座93上にジャッキ92を配置し、前記ジャッキ92の上に分割クランプ21を設置し、ジャッキ92を操作することによって分割クランプ21の高さ位置を決めることができ、前記分割クランプ21の下端部と分岐管2との間がクランプ用パッキン21eによりシールされ、前記クランプ用パッキン21eよりも前記分岐管2の外径側かつ前記分割クランプ21の上に、前記分割クランプ21と前記係止部材用ケース11との間をシールするパッキン21dが設けられている管接続部材の撤去装置。」 第5 当審における判断 1 甲1を主引例とする場合 (1)本件発明1について 本件発明1と甲1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、後者の「既設管である水道管Aの分岐管B」は前者の「既設の流路構成部材の本管部から一体に分岐される分岐管部」に相当し、以下同様に、「分岐管B」は「分岐管部」に、「本管側フランジ2の下面側」は「首部」に、「二つ割りの底板8」は「分割構造のベース部材」に、それぞれ相当する。 後者では、底板8と上下二つの円筒ケース9、10と天蓋11とで密閉ケース3を構成していることから、上下二つの円筒ケース9、10と天蓋11が密閉状に組み付けられることは明らかである。したがって、後者の「ボルト連結される上下二つの円筒ケース9、10と上部円筒ケース9上端を塞ぐ天蓋11」は前者の「密封状に組み付けられるケース部材」に相当し、以下同様に、「から構成される」という事項は「を備える」という事項に、「密閉ケース3」は「作業用ケース」に、「前記分岐管Bに対してフランジ連結される」という事項は「前記分岐管部に取付けられた」という事項に、「前記密閉ケース3で囲繞し」という事項は「密封状に囲い」という事項に、「不断流状態で既設管から脱着する」という事項は「不断流状態で撤去する」という事項に、「管接続部材装脱着装置」は「管接続部材撤去装置」に、「前記分岐管Bの一部を覆う」という事項は「前記分岐管部の首部を囲う」という事項に、それぞれ相当する。 したがって、本件発明1と甲1発明とは、次の一致点で一致し、相違点1~3で相違する。 <一致点> 既設の流路構成部材の本管部から一体に分岐される分岐管部の首部に固定される分割構造のベース部材と、前記ベース部材に密封状に組み付けられるケース部材と、を備える作業用ケースにより前記分岐管部に取付けられた管接続部材を密封状に囲い、該作業用ケース内で前記管接続部材を不断流状態で撤去する管接続部材撤去装置であって、 前記ベース部材は、前記分岐管部の首部を囲うように形成される板部を備える、管接続部材撤去装置。 <相違点1> 本件発明1のベース部材は、「前記本管部の管頂部に載置される平板状の環状」の板部を備えているのに対し、甲1発明の底板8は板状部材であるものの、前記分岐管Bの本管側フランジ2との間に前記分岐管Bとの上下方向相対移動を規制するスペーサ12が設けられていることから、分岐管Bの本管側フランジ部2に対して位置決めされるものであって、水道管Aの管頂部に載置されておらず、板状部材の形状も(図1に示されている断面形状以外は)明らかでない点。 <相違点2> 本件発明1の「ベース部材は、」「該環状板部の下方に延設され前記本管部の外周面に沿って湾曲形成され、前記本管部の管頂部を周方向に挟んで該本管部に載置される基礎部」を備えているのに対し、甲1発明では、前記底板8と水道管Aとの間に部材を備えているものの、当該部材と底板8との関係は明らかではなく、前記水道管Aの軸方向に沿った鉛直断面が四角形である以外は形状も明らかではない点。 <相違点3> 本件発明1は「前記環状板部の内周面に、前記分岐管部の首部を密封する密封部が設けられるとともに、前記密封部よりも前記分岐管部の外径側かつ前記環状板部の上面に、前記ベース部材と前記ケース部材との間を密封する環状の密封リングが配設され」ているのに対し、甲1発明では密封部や密封リングの位置や形状が明らかではない点。 事案に鑑み、相違点2について検討する。 甲2~4に記載された技術的事項における支持装置は、管部の外周面と略同じ曲率の当接面や支持面を備えているものの、当該支持装置と分岐管部に密封状に取り付けられる分割式取付部材や分割構造体とは別体であって、支持装置は分割式取付部材や分割構造体を下方側から支持するものであるから、甲2~4には、分岐管の首部を囲う部材の下方に延設される基礎部を備えたベース部材は記載されていない。 また、甲2~4における支持装置は、分割式取付部材や分割構造体との間に、高さを調整する構成を有しているから、支持装置が分割式取付部材や分割構造体の下方に延設する構造となるように変更することが設計的事項であるとは認められず、むしろ、分割式取付部材や分割構造体の下方に支持装置を延設させたら、分割式取付部材や分割構造体と支持装置との間に、高さを調整する構成を備えられなくなるから、そのような改変には阻害要因がある。 よって、本件発明1は、甲1発明及び甲2~4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明2~6について 本件発明2~6は、本件発明1の発明特定事項を全て含む発明であるから、上記(1)と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 甲5を主引例とする場合 (1)本件発明1について 本件発明1と甲5発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、後者の「流体管1から垂直上方に分岐する分岐管2」は前者の「既設の流路構成部材の本管部から一体に分岐される分岐管部」に相当し、以下同様に、「分岐管フランジ部3の下方位置」は「首部」に、「取り付けられる」という事項は「固定される」という事項に、「分割クランプ21」は「分割構造のベース部材」に、「組み立てられる」という事項は「組み付けられる」という事項に、「係止部材用ケース11、下部作業用ケース22、作業弁装置23、上部作業用ケース24、駆動機取付用ケース25及び駆動機26」は「ケース部材」に、「から構成される」という事項は「を備える」という事項に、「筐体」は「作業用ケース」に、「前記分岐管フランジ部3に結合される管接続部材」は「前記分岐管部に取付けられた管接続部材」に、「囲繞し」という事項は「囲い」という事項に、「撤去装置」は「管接続部材撤去装置」に、「前記分割クランプ21の下面部は前記分岐管2の外周部分2aの周囲に配置され」という事項は「前記ベース部材は、前記分岐管部の首部を囲うように形成され」という事項に、「流体管1の周囲の井桁状の基礎91上に井桁状の基礎台座93を配設し、前記基礎台座93上にジャッキ92を配置し」という事項は「該本管部に載置される基礎部」「を備え」という事項に、それぞれ相当する。 後者の「前記分割クランプ21の下端部と分岐管2との間がクランプ用パッキン21eによりシールされ」という事項と前者の「前記環状板部の内周面に、前記分岐管部の首部を密封する密封部が設けられるとともに」という事項とは、「前記ベース部材の内周面に、前記分岐管部の首部を密封する密封部が設けられるとともに」という点で共通する。 後者の「前記クランプ用パッキン21eよりも前記分岐管2の外径側かつ前記分割クランプ21の上に、前記分割クランプ21と前記係止部材用ケース11との間をシールするパッキン21dが設けられている」という事項と前者の「前記密封部よりも前記分岐管部の外径側かつ前記環状板部の上面に、前記ベース部材と前記ケース部材との間を密封する環状の密封リングが配設される」という事項とは、「前記密封部よりも前記分岐管部の外径側かつ前記ベース部材の上面に、前記ベース部材と前記ケース部材との間を密封する環状の密封リングが配設される」という点で共通する。 したがって、本件発明1と甲5発明とは、次の一致点で一致し、相違点4~6で相違する。 <一致点> 既設の流路構成部材の本管部から一体に分岐される分岐管部の首部に固定される分割構造のベース部材と、前記ベース部材に密封状に組み付けられるケース部材と、を備える作業用ケースにより前記分岐管部に取付けられた管接続部材を密封状に囲い、該作業用ケース内で前記管接続部材を不断流状態で撤去する管接続部材撤去装置であって、 前記ベース部材は、前記分岐管部の首部を囲うように形成され、該本管部に載置される基礎部を備え、前記ベース部材の内周面に、前記分岐管部の首部を密封する密封部が設けられるとともに、前記密封部よりも前記分岐管部の外径側かつ前記ベース部材の上面に、前記ベース部材と前記ケース部材との間を密封する環状の密封リングが配設される管接続部材撤去装置。」 <相違点4> 本件発明1のベース部材は、「前記本管部の管頂部に載置される平板状の環状板部」を備えているのに対し、甲5発明の分割クランプ21は、そのような構成を備えていない点。 <相違点5> 本件発明1の「ベース部材は、」「該環状板部の下方に延設され前記本管部の外周面に沿って湾曲形成され、前記本管部の管頂部を周方向に挟んで該本管部に載置される基礎部と、を備え」ているのに対し、甲5発明は基礎91、基礎台座93、ジャッキ92を備えているものの、分割クランプ21がこれらの構成を備えているわけではない点。 <相違点6> 密封部及び密封リングが設けられている「ベース部材」に関し、本件発明1では「前記環状板部」であるのに対し、甲5発明では「前記分割クランプ21」であって、その形状が明らかではない点。 事案に鑑み、相違点5について検討する。 相違点5は、上記1(1)において検討した相違点2と同じ相違点であるから、上記説示したとおりである。 また、甲1発明が相違点2を有することから、甲1にも相違点5に係る構成が記載されていないことは明らかである。 よって、本件発明1は、甲5発明及び甲1~4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明2~6について 本件発明2~6は、本件発明1の発明特定事項を全て含む発明であるから、上記(1)と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 特許異議申立人の主張について 特許異議申立人は、特許異議申立書において次の主張をしている。 甲第5号証について、「基礎台座93は、流体管1の外周面に安定して支持される必要がある。基礎台座93が安定して支持されるためには、基礎台座93の形状は、流体管1の外周面に沿って湾曲形成され、本管部の管頂部を周方向に挟んで本管部に載置されるものであることが当然に想定され、基礎台座93の形状は必然的に定まる。」(28頁8~12行)と主張している。 また、本件発明1と甲5発明との対比の結果、唯一の相違点として「甲5発明の構成要件B5は、環状板部が本管部の管頂部に載置されていない点で本件特許発明1に係る構成要件Bと相違する。」(35頁14~15行)と主張している。 上記主張について検討する 甲5の基礎台座93については、【0023】に「次に、図4に示されるように、流体管1に基礎台座93を取付ける。基礎台座93は、後述する、本発明における筐体を取付けるための基礎部となる。流体管1の周囲の井桁状の基礎91上に井桁状の基礎台座93を配設し、該基礎台座93上にジャッキ92を配置する。」と記載されるにとどまり、基礎台座93の形状については記載されていない。また、図4は一方向から見た側面図(又は断面図)であって、図面の奥行き方向の形状を看取することはできない。さらに、基礎台座93は分割クランプ21から延設されたものでもない。 したがって、甲5の記載から基礎台座93の形状を特定することはできないし、本件発明1と甲5発明との相違点は「環状板部が本管部の管頂部に載置されていない点」のみではないから、上記主張を採用することはできない。 第6 むすび したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~6に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700254

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決50件(コスモ工機株式会社、西内 大生)
  • 2023-701200異議申立 / 2026-02-04 / 請求成立(取消)弁本体の設置方法
    同じ当事者: コスモ工機株式会社、西内 大生
  • 2023-701179異議申立 / 2024-10-31 / 訂正認容管接続部材撤去装置および管接続部材撤去方法
    同じ当事者: コスモ工機株式会社、西内 大生
  • 2024-700218異議申立 / 2024-06-28 / 維持制流体の設置装置の組立方法
    同じ当事者: コスモ工機株式会社、西内 大生
  • 2025-701033異議申立
    同じ当事者: コスモ工機株式会社、西内 大生
  • 2026-700460異議申立 / 2026-09-16
    同じ当事者: コスモ工機株式会社
同じ論点・分野の審決(審決分類)212件(121・F16L)
  • 2023-700750異議申立 / 2025-11-26 / 訂正認容バリア層を有する接着剤移送ホース及び使用方法
    共通の審決分類: 121・F16L
  • 2023-701301異議申立 / 2025-10-06 / 訂正認容可撓管
    共通の審決分類: 121・F16L
  • 2025-700188異議申立 / 2025-09-26 / 訂正認容熱伝達抑制シート及びその製造方法、並びに組電池
    共通の審決分類: 121・F16L
  • 2024-701177異議申立 / 2025-04-23 / 維持保護カバー装置、及び保護カバーに対する外嵌部材の位置決め構造
    共通の審決分類: 121・F16L
  • 2023-701168異議申立 / 2025-04-21 / 請求成立(取消)管路構造
    共通の審決分類: 121・F16L

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