商標その他
2025-500001
ミッズ、エムアイデイエス
- 審判番号
- 2025-500001
- 法域
- 商標
- 審判種別
- その他(補正却下不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-071157
- 請求日
- 2025年06月23日
- 審決日
- 2025年10月09日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】医療法人社団博施会
- 【請求人代理人】弁理士法人平和国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 須田 亮一
- 審判官 真鍋 伸行
- 分類
- T17 .1 -W (W3544)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法16条の2第1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第10条第1項、商標法第16条の2第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024-71157において、令和6年12月20日受付でした手続補正に対してされた補正却下決定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原決定を取り消す。
理由
理 由
1 手続経緯
本願は、令和5年8月30日に登録出願された商願2023-101355(以下「原商標登録出願」という。)に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(以下「分割出願」という。)として、同6年7月2日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年11月11日付け:拒絶理由通知書
令和6年12月20日受付:手続補正書、意見書、上申書
令和7年 3月18日付け:補正の却下の決定
令和7年 6月23日 :審判請求書
2 本願商標
本願商標は、「M I D S」の文字を標準文字で表してなり(字間に1文字分の空間(スペース)が設けられている)、第35類及び第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、令和5年8月30日に登録出願された原商標登録出願に係る分割出願として登録出願されたが、本願商標の態様が原商標登録出願の商標の態様と相違することから、本願は同項の規定による商標登録出願とは認められない旨、同6年11月11日付け拒絶理由通知書で通知がされた。
その後、本願商標について、「MIDS」の文字を標準文字で表したものに補正する手続補正書(以下「本件手続補正」という。)が、同年12月20日受付で提出されたものである。
3 原決定の理由の要点
原審において、令和6年12月20日受付の手続補正書に表示された補正に係る商標は「MIDS」(標準文字)の文字からなるところ、本願商標は「M I D S」(標準文字)の文字からなるものであって、その構成態様を異にすることから、この補正は、この商標登録出願について、その要旨を変更するものである旨認定し、商標法第16条の2第1項の規定に基づき、同7年3月18日付けで補正の却下の決定をしたものである。
4 当審の判断
願書に記載した商標登録を受けようとする商標についてした補正が、その商標の要旨を変更する補正に当たるかどうかは、当該補正が、出願された商標につき商標としての同一性を実質的に損ない、競願者等の第三者に不測の不利益を及ぼすおそれがあるものと認められるかどうかによって決せられるべきものであるが、その判断は、当該補正前の商標と補正後の商標との外観、称呼、観念等を総合的に比較検討して、全体的な考察の下になされることを要するものというべきである(東京高等裁判所 平成9年(行ケ)第39号、同年7月16日判決参照)。
これを本件についてみると、上記2のとおり、本願商標(以下「補正前の商標」という。)は、「M I D S」の文字を標準文字で横書きして表してなり、その4つの欧文字の字間に1文字分の空間(スペース)を設けた構成からなる一方、本件手続補正に係る商標(以下「補正後の商標」という。)は、「MIDS」の文字を標準文字で横書きして表してなり、字間に1文字分の空間(スペース)を設けることなく、一連に続けて等間隔に配置した構成からなるものである。
そして、両商標は、いずれも「M」「I」「D」「S」の4つの欧文字を同じ文字の配列(綴り)からなる構成であって、かつ、その欧文字の書体は同じ(標準文字)であり、字間の幅(1文字分の空間の有無)に違いはあるものの、同じ大きさの文字が等間隔で横書きされたものであることが認められる。
そうすると、補正前の商標と補正後の商標とは、外観において、字間の幅が異なることから、外観上同一であるとはいえないが、構成する文字及びその書体が同じであって、同じ大きさの文字が等間隔に横書きされたものであるなど、字間の幅以外は共通にするものであるから、外観上極めて酷似した印象を与えるものである。
また、補正前の商標及び補正後の商標は、いずれも「MIDS」の文字の配列(綴り)からなるところ、その構成文字に相応して、「エムアイデイエス」の称呼を生じ得るが、「MIDS」の文字は、一般的な辞書に載録がないものであって、特定の意味合いを認識、理解させるものとはいえず、字間の幅が異なるという補正前の商標と補正後の商標との差異が、両商標から生ずる称呼及び観念に影響を及ぼすものとは認められない。
そうすると、補正前の商標と補正後の商標とは、称呼において、「エムアイデイエス」の称呼を共通にするものであるが、いずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
さらに、本願は、原商標登録出願に係る分割出願として登録出願されたものであるところ、本件事件に係る審判請求書並びに原審における上記1の意見書及び上申書によれば、令和6年11月11日付け拒絶理由通知書において、本願の商標の態様が原商標登録出願の商標の態様と相違するから、本願は商標法第10条第1項の規定による商標登録出願とは認められない旨が通知されたことを受けて、請求人(出願人)は、誤記として願書に記載された本願商標(補正前の商標)を原商標登録出願の商標(補正後の商標)に訂正する意図をもって本件手続補正をしたものであると認められる。
そして、分割出願は、原商標登録出願と同一の商標であることを前提として、「二以上の商品又は役務を指定商品又は指定役務とする商標登録出願の一部を一又は二以上の新たな商標登録出願とすることができる。(商標法第10条第1項)」とした制度であるところ、本願は、分割出願として登録出願されたものであって、出願時に記載された商標(補正前の商標)についても、原商標登録出願の商標(補正後の商標)とは、上記のとおり、字間の幅以外は共通にするものであることから、その願書の記載及び手続の経緯からも、出願時において、原商標登録出願の商標と同一の構成からなる補正後の商標をもって本願を出願する意思があったことは明らかであって、本件手続補正が、本願商標(補正前の商標)の上記の誤記を訂正するものとして、行われたことも明らかである。
以上のとおり、補正前の商標と補正後の商標とは、観念上比較できないものであるとしても、称呼を共通にするとともに、外観上極めて酷似した印象を与えるものであり、また、補正前の商標と補正後の商標との相違は、字間の幅の違いという点に限られるものであって、この差異が両商標から生ずる称呼及び観念に影響を及ぼすものとは認められないとともに、本願は、分割出願として、出願時より原商標登録出願の商標と同一の構成からなる補正後の商標をもって出願する意思があり、かつ、本件手続補正が本願商標(補正前の商標)の誤記を訂正するものとして行われたことが、上記のとおり、明らかであることも併せて考慮すれば、その外観、称呼及び観念等を総合して考察した場合において、両者の同一性を実質的に損なうものとはいえず、第三者に不測の不利益を及ぼすおそれがあるものということはできない。
したがって、本願商標について、令和6年12月20日受付の手続補正書による商標の補正は、本願商標の要旨を変更するものではないから、これを商標法第16条の2第1項の規定により却下した原決定は、妥当なものでなく取消しを免れない。
よって、結論のとおり審決する。
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