特許訂正審判
2022-390153
抗ガレクチン-9抗体及びその使用
- 審判番号
- 2022-390153
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2021-067477
- 登録番号
- 7092317
- 請求日
- 2022年08月31日
- 審決日
- 2022年11月18日
- 公報発行日
- 2023年02月24日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ニューヨーク ユニバーシティ
- 【請求人代理人】特許業務法人みのり特許事務所
- 【請求人】ピュアテック ヘルス エルエルシー
- 【請求人代理人】特許業務法人みのり特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 岡崎 美穂
- 審判官 冨永 みどり
- 審判官 齋藤 恵
- 分類
- P141 .852-Y (A61K) / P141 .853-Y (A61K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7092317号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7092317号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件特許第7092317号の請求項1~20に係る特許についての出願は、平成30年10月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2017年10月27日 (US)米国、外2件)を国際出願日として出願した特願2019-569320号の一部を、令和3年4月13日に新たな特許出願としたものであって、令和4年6月20日に特許権の設定登録がなされ、その後、令和4年8月31日に本件の訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
1 請求の趣旨
本件請求の趣旨は、特許第7092317号の明細書を、本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
2 訂正の内容
請求人が求めている訂正の内容は、以下のとおりである。
(1)訂正事項1
明細書の段落【0343】に、
「IL2シグナル配列(MYRMQLLSCIALSLALVTNS; 配列番号29)は、可変領域のN-末端に位置する。」
と記載されているのを、
「IL2シグナル配列(MYRMQLLSCIALSLALVTNS; 配列番号469)は、可変領域のN-末端に位置する。」
に訂正する。
(2)訂正事項2
明細書の段落【0344】に、
「
[図:0001393961000001.jpg]
[図:0001393961000002.jpg]
[図:0001393961000003.jpg]
[図:0001393961000004.jpg]
」
と記載されているのを、
「
[図:0001393961000005.jpg]
[図:0001393961000006.jpg]
[図:0001393961000007.jpg]
[図:0001393961000008.jpg]
」
に訂正する。
(3)訂正事項3
配列表の最後に、以下の配列番号469を追加する。
「
[図:0001393961000009.jpg]
」
(4)訂正事項4
配列表の配列番号29に、
「
[図:0001393961000010.jpg]
[図:0001393961000011.jpg]
」
と記載されているのを、
「
[図:0001393961000012.jpg]
[図:0001393961000013.jpg]
」
に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1、3及び4について
(1)訂正の目的について
願書に添付した明細書の段落【0014】には、「いくつかの実施形態において、単離された抗ガレクチン9抗体、又はその抗原結合部分は、重鎖及び軽鎖可変領域を含み、軽鎖可変領域は、配列番号29、13、34、36、38、40、42、44、46、48、34、54、58、61、63、65、73、67、69、及び71から選択されるアミノ酸配列を含む。」(下線は合議体が付与した。)と記載されるように、配列番号29は、軽鎖可変領域のアミノ酸配列として記載されている。
また、段落【0135】の表にも、配列番号29の配列は、G9.2-1クローンの軽鎖可変領域の配列番号として記載されている。
しかしながら、訂正前の段落【0343】において、配列番号29は、IL2シグナルの配列「MYRMQLLSCIALSLALVTNS」に付されて記載されており、明細書の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている。
本来、IL2シグナル配列である「MYRMQLLSCIALSLALVTNS」には、別の配列番号が割り当てられるべきであるといえるところ、訂正事項3により、このアミノ酸配列を新たに「配列番号469」として配列表に追加するとともに、訂正事項1により、段落【0343】における、「MYRMQLLSCIALSLALVTNS」とのアミノ酸配列に付された「配列番号29」との記載を「配列番号469」と訂正し、さらに、訂正事項4により、配列表の配列番号29のアミノ酸配列を段落【0135】の表に記載されたG9.2-1クローンの軽鎖可変領域のアミノ酸配列に訂正することは、それ自体の記載内容が他の記載との関係において不合理を生じている記載を訂正し、その本来の意を明らかにするものである。
したがって、訂正事項1、3及び4は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の追加について
願書に添付した明細書の段落【0343】に記載された、IL2シグナル配列である「MYRMQLLSCIALSLALVTNS」とのアミノ酸配列を「配列番号469」として配列表に追加し、段落【0343】において、「MYRMQLLSCIALSLALVTNS」に付された「配列番号29」との記載を「配列番号469」と訂正するとともに、配列表の配列番号29のアミノ酸配列を段落【0135】に記載されたG9.2-1のアミノ酸配列に訂正する訂正事項1、3及び4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、訂正事項1及び3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で述べたとおり、訂正事項1、3及び4は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、G9.1-8m13のhIgG1、hIgG1LALA、hIgG4、hIgG4FabArm交換変異体の軽鎖配列に付された「配列番号108」という記載を「配列番号95」に訂正するものである。
願書に最初に添付された明細書の段落【0134】の表1には、G9.1-8m13の上記4つの構築物の軽鎖アミノ酸配列の配列番号は、すべてにおいて「95」と記載されている。
[図:0001393961000014.jpg]
[図:0001393961000015.jpg]
また、訂正前の段落【0344】に記載されたG9.1-8m13の4つの構築物の軽鎖アミノ酸配列は、すべて同一のものであるところ、そのアミノ酸配列である
[図:0001393961000016.jpg]
は、配列表の配列番号95に示されたアミノ酸配列である、
「
[図:0001393961000017.jpg]
[図:0001393961000018.jpg]
[図:0001393961000019.jpg]
」
と一致するものである。
一方、訂正前の段落【0344】に記載された「配列番号108」は、段落【0138】に記載されるように、G9.2-17の軽鎖アミノ酸配列である。
このように、訂正前の段落【0344】におけるG9.1-8m13の4つの構築物の軽鎖アミノ酸配列に付された「配列番号108」という記載は、「配列番号95」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加について
上記(1)で述べたとおり、訂正事項2は、G9.1-8m13の4つの構築物における軽鎖アミノ酸配列について、誤りである「配列番号108」との記載を、正しい記載である「配列番号95」に訂正するものであるから、「願書に最初に添付した特許請求の範囲、明細書又は図面(外国語書面出願に係る特許にあっては、外国語書面)」に記載した事項の範囲内の訂正であることは、明らかである。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で述べたとおり、訂正事項2は、誤記を訂正するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正後の特許請求の範囲の請求項1~16に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見出せないから、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号及び第3号に規定する事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-390153