特許訂正審判
2024-390060
ストラドルドビークル
- 審判番号
- 2024-390060
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2022-550242
- 登録番号
- 7261944
- 請求日
- 2024年06月07日
- 審決日
- 2024年10月15日
- 公報発行日
- 2025年01月31日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ヤマハ発動機 株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人ATEN
- 審判長/審判官
- 審判長 河端 賢
- 審判官 八木 誠
- 審判官 倉橋 紀夫
- 分類
- P141 .853-Y (F02D) / P141 .852-Y (F02D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7261944号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7261944号の明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7261944号の請求項1~3に係る特許についての出願は、2021年(令和3年)12月2日を国際出願日とする出願であって、令和5年4月12日にその特許権の設定登録がされ、同年4月20日に特許掲載公報が発行され、その後、令和6年6月7日に訂正審判(以下「本件訂正審判」という。)の請求がされ、同年8月14日に手続補正書(方式)が提出されたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第7261944号の明細書及び図面を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 本件訂正の内容
請求人が求めている訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、願書に添付した明細書及び図面の記載を、以下のとおり訂正するものである(下線部分は訂正箇所である。以下同様。)。
1 訂正事項1
明細書の段落【0030】、【0034】及び【0035】に「最低速段」と記載されているのを、「最低速段(最高変速比)」に訂正する。
2 訂正事項2
明細書の段落【0030】及び【0034】に「最低速段の変速比より高い変速比」と記載されているのを、「最低速段(最高変速比)の変速比より低い変速比」に訂正する。
また、明細書の段落【0031】に「最低変速比よりも高い変速比で維持し、その後徐々に高変速比に移行する」と記載されているのを、「最高変速比よりも低い変速比で維持し、その後徐々に低変速比に移行する」に訂正する。
また、明細書の段落【0031】に「クリープ速度に至るまで、変速装置130は、最低変速比よりも高い変速比で変速比が維持されている」と記載されているのを、「クリープ速度に至るまで、変速装置130は、最高変速比よりも低い変速比で変速比が維持されている」に訂正する。
また、明細書の段落【0031】及び【0033】に「最低変速比から徐々に高変速比に移行する」と記載されているのを、「最高変速比から徐々に低変速比に移行する」に訂正する。
また、明細書の段落【0033】及び【0034】に「最低変速比よりも高い変速比から徐々に高変速比に移行する」と記載されているのを、「最高変速比よりも低い変速比から徐々に低変速比に移行する」に訂正する。
また、明細書の段落【0034】に「最低変速比よりも高い変速比で維持され、その後徐々に高変速比に移行する」と記載されているのを、「最高変速比よりも低い変速比で維持され、その後徐々に低変速比に移行する」に訂正する。
また、明細書の段落【0035】に「最低速段の変速比から徐々に高変速比に移行する」と記載されているのを、「最低速段(最高変速比) の変速比から徐々に低変速比に移行する」に訂正する。
また、明細書の段落【0035】に「最低変速比よりも高い変速比」と記載されているのを、「最高変速比よりも低い変速比」に訂正する。
3 訂正事項3
図1、3及び6に「Low」と記載されているのを、「High」に訂正する。
また、図1、3及び6に「High」と記載されているのを、「Low」に訂正する。
4 訂正事項4
図2に「High」と記載されているのを、「低変速比」に訂正し、「Low」と記載されているのを、「高変速比」に訂正する。
5 訂正事項5
明細書の段落【0011】に「クリープモード中に、ライダーによるブレーキ操作子、ブレーキ操作子、およびクラッチ操作子の少なくともいずれかに対する操作入力があると」と記載されているのを、「クリープモード中に、ライダーによるアクセル操作子、ブレーキ操作子、およびクラッチ操作子の少なくともいずれかに対する操作入力があると」に訂正する。
6 訂正事項6
明細書の段落【0032】に「制御装置130」と記載されているのを、「制御装置6」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項1の「最低速段(最高変速比)」との事項に特定する訂正は、最低速段と変速比との関係を明確化するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
変速装置では変速段が低いほど変速比が高くなり、変速装置における複数の変速段のうちの最低速段の変速比が最も高いことは技術常識(例えば、https://www.bikebros.co.jp/vb/kiso/bk/bk-15/等参照。)であり、該技術常識を参照すれば、明細書の段落【0030】、【0034】及び【0035】に記載された「最低速段」を「最低速段(最高変速比)」に訂正する訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について
訂正事項1は、明細書の段落【0030】、【0034】及び【0035】に記載された「最低速段」と変速比との関係を明確化するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、同法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項2の訂正事項1と同じ内容の訂正は、上記1(1)で示したとおり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、訂正事項2のその他の訂正は、明細書の段落【0030】、【0031】、【0033】~【0035】に記載された「高い変速比」、「最低変速比」及び「高変速比」をそれぞれ「低い変速比」、「最高変速比」及び「低変速比」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
訂正事項2のうち、訂正事項1と同じ内容である訂正は、上記1(2)で説示したとおり、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
また、訂正事項2のうちの明細書の段落【0030】、【0031】、【0033】~【0035】に記載された「高い変速比」、「最低変速比」及び「高変速比」をそれぞれ「低い変速比」、「最高変速比」及び「低変速比」に訂正する訂正は、変速装置において変速段が低いほど変速比が低くなるという事項を上記1(2)で示した技術常識に基づいて訂正するものと、請求項1の「クリープモード時の変速比が走行モード時の同じ車速に対する変速比よりも小さくなるように」との記載や本件明細書等の「制御装置6が、ライダーRがアクセル操作子7を操作していないクリープモード時の変速比が走行モード時の同じ車速に対する変速比よりも小さくなるように変速装置130を制御する・・・」(段落【0038】)との記載等に整合するよう訂正するものであり、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであると認められる。
したがって、訂正事項2は特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について
訂正事項2は、明細書の段落【0030】、【0034】及び【0035】に記載された「最低速段」と変速比との関係を明確化するものと、明細書の段落【0030】、【0031】、【0033】~【0035】の誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項2のうちの訂正事項1と同じ内容の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、同法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。
また、訂正事項2のうちのその他の訂正は、明細書の誤記を訂正するものであり、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないから、同法第126条第7項の規定に適合する。
3 訂正事項3について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項3は、図1、3及び6において、「Low」を「High」に訂正し、「High」を「Low」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
訂正事項3は、図1、3及び6の記載を本件明細書等の記載(例えば、段落【0030】の「図1・・・の場合において、クリープモード時の変速比は走行モード時の同じ車速に対する変速比と同じか小さいが、クリープモード時の変速比の変化度合は、走行モード時の同じ車速変化に対する変速比の変化度合より低い。」や段落【0033】の「図3(e)の場合において、・・・クリープモード時の変速比が走行モード時の同じ車速に対する変速比よりも小さい。」等。)に整合するよう訂正するものであり、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであると認められるから、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について
訂正事項3は、図1、3及び6の誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項3は、図1、3及び6の誤記を訂正するものであり、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないから、特許法第126条第7項の規定に適合する。
4 訂正事項4について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項4は、図2において、「High」を「低変速比」に訂正し、「Low」を「高変速比」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
訂正事項4は、図2の記載を本件明細書等の記載(例えば、段落【0030】の「図2(a)(c)の場合において、クリープモード時の変速比は走行モード時の同じ車速に対する変速比と同じか小さいが、クリープモード時の変速比の変化度合は、走行モード時の同じ車速変化に対する変速比の変化度合より低い。」や段落【0031】の「図2(d)の場合において、クリープモード時の変速比は走行モード時の同じ車速に対する変速比より小さく、クリープモード時の変速比の変化度合は、走行モード時の同じ車速変化に対する変速比の変化度合より低い。」等。)に整合するよう訂正するものであり、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであると認められるから、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について
訂正事項4は、図2の誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項4は、図2の誤記を訂正するものであり、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないから、特許法第126条第7項の規定に適合する。
5 訂正事項5について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項5は、明細書の段落【0011】に記載された「ライダーによるブレーキ操作子、ブレーキ操作子、およびクラッチ操作子」を「ライダーによるアクセル操作子、ブレーキ操作子、およびクラッチ操作子」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
訂正事項5は、実質的に明細書の段落【0011】に記載された「クリープモード中に、ライダーによるブレーキ操作子、ブレーキ操作子、およびクラッチ操作子の少なくともいずれかに対する操作入力があると、クリープモードが解除されて走行モードに移行する。」を「クリープモード中に、ライダーによるアクセル操作子、ブレーキ操作子、およびクラッチ操作子の少なくともいずれかに対する操作入力があると、クリープモードが解除されて走行モードに移行する。」に訂正するものであり、本件明細書等の段落【0059】の「制御装置6は、クリープモード中に、アクセル操作子7、ブレーキ操作子8およびクラッチ操作子9の少なくともいずれかに対する操作入力があると(ステップS4:NO)、クリープモードを解除して走行モードに移行させる(ステップS5)。」との記載等に整合するよう訂正するものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について
訂正事項5は、明細書の段落【0011】の誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項5は、明細書の段落【0011】の誤記を訂正するものであり、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないから、特許法第126条第7項の規定に適合する。
6 訂正事項6について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項6は、明細書の段落【0032】に記載された「制御装置130」を「制御装置6」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
訂正事項6は、明細書の段落【0032】に記載された「制御装置130」を本件明細書等に記載された「制御装置6」(例えば、段落【0028】、【0032】等。)に訂正するものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について
訂正事項6は、明細書の段落【0032】の誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項6は、明細書の段落【0032】の誤記を訂正するものであり、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないから、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同法同条第5項~第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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