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特許訂正審判

2025-390008

半導体装置および半導体装置の製造方法

審判番号
2025-390008
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2018-219144外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
7334407
請求日
2024年12月26日
審決日
2025年03月17日
公報発行日
2025年06月27日
結論
訂正認容
審判長/審判官
分類
P141 .852-Y (H10D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項特許法126条5項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7334407号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第7334407号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔5~7、9~12〕について訂正することを認める。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件訂正審判に係る特許第7334407号(以下、「本件特許」という。)は、平成30年11月22日(優先権主張 平成29年12月28日)に出願され、令和5年8月21日に特許権の設定登録(請求項の数28)がされ、その後、令和6年12月26日に本件訂正審判の請求がされたものである。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項5~7、9~12について訂正することを認める、との審決を求めるものである。 第3 訂正の内容 本件訂正審判の請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、次のとおりである。(下線は訂正箇所を示すために当審において付した。) 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項5に 「第1導電型のドリフト領域と、 前記ドリフト領域と前記半導体基板の前記下面との間に設けられ、前記ドリフト領域よりも高濃度の第1導電型のバッファ領域と を備え、」 とあるのを、 「第2導電型のドリフト領域と、 前記ドリフト領域と前記半導体基板の前記下面との間に設けられ、前記ドリフト領域よりも高濃度の第2導電型のバッファ領域と を備え、」 に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項9~12も同様に訂正する。)。 2 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項6に 「第1導電型のドリフト領域と、 前記ドリフト領域と前記半導体基板の前記下面との間に設けられ、前記ドリフト領域よりも高濃度の第1導電型のバッファ領域と を備え、」 とあるのを、 「第2導電型のドリフト領域と、 前記ドリフト領域と前記半導体基板の前記下面との間に設けられ、前記ドリフト領域よりも高濃度の第2導電型のバッファ領域と を備え、」 に訂正する(請求項6の記載を引用する請求項9~12も同様に訂正する。)。 3 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項7に 「第1導電型のドリフト領域と、 前記ドリフト領域と前記半導体基板の前記下面との間に設けられ、前記ドリフト領域よりも高濃度の第1導電型のバッファ領域と を備え、」 とあるのを、 「第2導電型のドリフト領域と、 前記ドリフト領域と前記半導体基板の前記下面との間に設けられ、前記ドリフト領域よりも高濃度の第2導電型のバッファ領域と を備え、」 に訂正する(請求項7の記載を引用する請求項9~12も同様に訂正する。)。 第4 当審の判断 1 一群の請求項について 訂正前の請求項5~7、9~12について、請求項9~12は、それぞれ請求項5~7を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1~3により訂正される請求項5~7に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項5~7、9~12に対応する訂正後の請求項〔5~7、9~12〕は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。 2 訂正事項1について (1)訂正の目的 請求人は、訂正事項1(なお、訂正事項2及び3も同じ。)について、誤記の訂正を目的とするものであると主張するところ、「誤記の訂正」とは、本来その意であることが明細書、特許請求の範囲又は図面の記載などから明らかな内容の字句、語句に正すことをいい、訂正前の記載が当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるものでなければならないと解される。 したがって、以下、それを前提に検討する。 ア 本件特許の設定登録時の明細書及び図面の記載 本件特許の設定登録時の明細書及び図面には、次の記載がある。 (ア)段落0029「図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置100の上面視図である。・・・」 (イ)段落0041「図2は、図1のA‐A断面を示す図である。・・・」 (ウ)段落0045「・・・メサ部60は、N+型のエミッタ領域12、P+型のコンタクト領域15、P-型のベース領域14およびN+型の蓄積領域16を有してよい。・・・」 (エ)段落0055「・・・FWD領域80におけるベース領域14は、ダイオードにおけるアノード領域として機能してよい。・・・」 (オ)段落0058「本実施形態においては、N+型のフィールドストップ(Field Stop:以下、FSと略記する)領域20、P型のフローティング領域84、P+型のコレクタ領域22およびN+型のカソード領域82を含む構造を、下面構造118と称する。・・・」 (カ)段落0088「・・・ドリフト領域18およびFS領域20は、N型領域であるので、電子が多数キャリアとなる領域である。・・・」 (キ)「【図2】 [図:0001423414000001.jpg] 」 (ク)「【図7】 [図:0001423414000002.jpg] 」 (ケ)上記(ア)~(ク)の記載によれば、本件特許の設定登録時の明細書及び図面には、半導体装置について((ア)、(イ)、(キ))、ダイオードにおけるアノード領域として機能するベース領域14がP型であること((ウ)、(エ))、カソード領域82がN型であること((オ))、ドリフト領域18及びFS領域20が、カソード領域82と同じN型の導電型であること((オ)、(カ))、また、FS領域20が、ドリフト領域18と半導体基板10の下面64との間に設けられるものであること((キ)、(ク))が記載されている。 イ 本件特許の設定登録時の特許請求の範囲の記載 本件特許の設定登録時の特許請求の範囲の請求項5には、上記アを参酌すると、P型のベース領域14に対応する「第1導電型のベース領域」、N型のカソード領域82に対応する「第2導電型のカソード領域」、N型のドリフト領域18に対応する「第1導電型のドリフト領域」、N型のFS領域20に対応する「第1導電型のバッファ領域」が記載されている。 そして、当該N型のFS領域20は、上記ア(ケ)で述べたとおり、ドリフト領域18と半導体基板10の下面64との間に設けられることから、請求項5の「前記ドリフト領域と前記半導体基板の前記下面との間に設けられ」る「バッファ領域」に対応するものである。 ウ 判断 上記アで述べたとおり、本件特許の設定登録時の明細書及び図面には、ドリフト領域18及びFS領域20が、カソード領域82(「第2導電型のカソード領域」)と同じN型の導電型であることが記載されているところ、ドリフト領域18及びFS領域20が、カソード領域82と異なるP型の導電型であることは、一切記載されていない。 (なお、半導体基板の下面に露出したカソード領域、及び、ドリフト領域と半導体基板の下面との間に設けたバッファ領域を備えた半導体装置のダイオード領域においては、ドリフト領域及びバッファ領域が、カソード領域と同じ導電型であることが一般的であり、本件特許の設定登録時の明細書及び図面もこれを前提としたものと解される。) これに対し、上記イのとおり、本件特許の設定登録時の特許請求の範囲の請求項5には、上述の領域について、「第2導電型のカソード領域」の「導電型」とは異なる「第1導電型のドリフト領域」及び「第1導電型のバッファ領域」が発明特定事項として記載されており、当該記載は、本件特許の設定登録時の明細書及び図面と矛盾していることが理解できる。 したがって、本件特許の設定登録時の明細書及び図面の記載によれば、本件特許の設定登録時の請求項5において、「第1導電型のドリフト領域」及び「第1導電型のバッファ領域」と記載されているのは、正しくは「第2導電型のドリフト領域」及び「第2導電型のバッファ領域」の誤記であることが明らかである(請求項5に連動して訂正される請求項9~12も同じ。)。 エ 小括 以上によれば、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 (2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて 訂正事項1は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の明らかな誤記を本来の意に正す訂正であるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであるといえる。 よって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないことについて 訂正事項1は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の明らかな誤記を本来の意に正す訂正であるから、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 よって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (4)独立特許要件について 訂正事項1は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の明らかな誤記を本来の意に正す訂正であって、訂正事項1による訂正後の特許請求の範囲の請求項5及び請求項5を引用する請求項9~12に係る発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができないとする理由はない。 よって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 (5)小活 以上のとおり、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。 3 訂正事項2について (1)訂正の目的 訂正事項2は、上記2で検討した訂正事項1と同様に、訂正前の請求項6に存在していた明らかな誤記を本来の意に正す訂正であると認められる(請求項6に連動して訂正される請求項9~12も同じ。)。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 (2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて 訂正事項2は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の明らかな誤記を本来の意に正す訂正であるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであるといえる。 よって、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないことについて 訂正事項2は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の明らかな誤記を本来の意に正す訂正であるから、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 よって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (4)独立特許要件について 訂正事項2は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の明らかな誤記を本来の意に正す訂正であって、訂正事項2による訂正後の特許請求の範囲の請求項6及び請求項6を引用する請求項9~12に係る発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができないとする理由はない。 よって、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 (5)小活 以上のとおり、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。 4 訂正事項3について (1)訂正の目的 訂正事項3は、上記2で検討した訂正事項1と同様に、訂正前の請求項7に存在していた明らかな誤記を本来の意に正す訂正であると認められる(請求項7に連動して訂正される請求項9~12も同じ。)。 したがって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 (2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて 訂正事項3は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の明らかな誤記を本来の意に正す訂正であるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであるといえる。 よって、訂正事項3は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないことについて 訂正事項3は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の明らかな誤記を本来の意に正す訂正であるから、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 よって、訂正事項3は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (4)独立特許要件について 訂正事項3は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の明らかな誤記を本来の意に正す訂正であって、訂正事項3による訂正後の特許請求の範囲の請求項7及び請求項7を引用する請求項9~12に係る発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができないとする理由はない。 よって、訂正事項3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 (5)小活 以上のとおり、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。 第5 むすび 以上のとおりであるから、訂正事項1~3に係る本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。

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2025-390008

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