特許拒絶査定不服審判
2025-012023
メディアファイル処理方法、装置、デバイス、可読記憶媒体および製品
- 審判番号
- 2025-012023
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2023-578782
- 請求日
- 2025年08月01日
- 審決日
- 2026年04月28日
- 公報発行日
- 2026年05月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】北京字跳▲網▼絡技▲術▼有限公司
- 【請求人代理人】弁理士法人ITOH
- 審判長/審判官
- 審判長 富澤 哲生
- 審判官 米倉 明日香
- 審判官 梅本 章子
- 分類
- P18 .113-WY (G06F) / P18 .121-WY (G06F) / P18 .561-WY (G06F) / P18 .572-WY (G06F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第3項特許法17条の2第5項特許法53条1項特許法159条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項第1号、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第5項第3号、特許法第17条の2第5項第4号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2023-578782「メディアファイル処理方法、装置、デバイス、可読記憶媒体および製品」拒絶査定不服審判事件〔令和 5年 2月 9日国際公開、WO2023/011318、令和 6年 8月 6日国内公表、特表2024-529251、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2022年(令和4年)7月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2021年8月4日、中国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、概略以下のとおりである。
令和5年12月20日 :手続補正書の提出
令和6年 9月10日付け:拒絶理由通知書
令和6年12月17日 :意見書、手続補正書の提出
令和7年 3月25日付け:拒絶査定
令和7年 8月 1日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和7年8月1日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、以下の(1)に示す、本件補正前である令和6年12月17日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1を、以下の(2)に示す、本件補正後である令和7年8月1日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1のとおりに補正することを含むものである(なお、下線は当審において付した。以下同様。)。
(1)「メディアコンテンツ処理方法であって、
第2ユーザによって送信された素材を受信すること、
第1ユーザが前記素材の受信インターフェースにおいてトリガーしたメディアファイル描画命令に応答して、前記第1ユーザに描画素材を提供し、ここで、前記描画素材は前記第2ユーザから前記第1ユーザに送信された前記素材であること、
前記第1ユーザによってアップロードされた融合すべき素材を取得し、合成モード情報を決定し、前記合成モード情報は前記第1ユーザによって選択されるか、または前記合成モード情報は前記描画素材に基づいて予め設定されること、
前記合成モード情報に従って、前記描画素材および前記融合すべき素材に対して融合操作を行い、ターゲットメディアファイルを取得すること、
前記ターゲットメディアファイルを投稿すること、を含む、方法。」
(2)「メディアコンテンツ処理方法であって、
第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの間の会話を可能にするように構成された会話インタフェースを表示するステップと、
前記第2のオブジェクトのメッセージを前記会話インタフェースに表示するステップであって、前記メッセージは第1のリソースを含む、ステップと、
前記第1のオブジェクトによってキャプチャまたは選択された第2のリソースを取得し、合成モード情報を決定するステップであって、前記合成モード情報は、前記第1のオブジェクトによって決定されるように、または前記第1のリソースに基づいて事前定義されるように構成される、ステップと、
前記合成モード情報に基づいて前記第1のリソースと前記第2のリソースとの統合をトリガして、ターゲットメディアコンテンツを取得するステップと、を含み、
第2のリソースを取得する前記ステップが、
キャプチャコマンドに応答して、第1のメディアリソースをキャプチャして、前記第2のリソースを取得するステップ、又は
選択コマンドに応答して、前記選択コマンドに基づいて第2のメディアリソースを取得するステップを含む、方法。」
2 補正の適否
(1)新規事項の追加についての検討
本件補正が、特許法第17条の2第3項の規定を満たすものであるか否か、すなわち、本件補正が、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるか否かについて検討する。
ア 本願の当初明細書等の記載
本願の当初明細書等には、少なくとも、本件補正後の請求項1の「第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの間の会話」、「キャプチャコマンド」および「選択コマンド」に関する記載を見出すことはできない。
例えば、段落【0063】には、図4を参照して、「表示インターフェース41上において対話方式で第1ユーザと対話する。」との記載はあるが、「第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの間の会話」に関する記載とは認められない。
イ 判断
上記アによれば、「第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの間の会話」、「キャプチャコマンド」および「選択コマンド」については当初明細書等には記載も示唆もなく、技術常識から自明であるとする合理的な理由もない。
そうすると、本件補正は、「第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの間の会話を可能にするように構成された会話インタフェースを表示する」という新たな技術的事項、および「キャプチャコマンドに応答して、第1のメディアリソースをキャプチャして、前記第2のリソースを取得するステップ、又は選択コマンドに応答して、前記選択コマンドに基づいて第2のメディアリソースを取得するステップを含む」という新たな技術的事項を導入するものといえる。
したがって、本件補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるとはいえない。
(2)補正の目的要件についての検討
上記のとおり、本件補正はいわゆる新規事項の追加に該当する事項を含む不適法なものであるが、本件補正の目的について検討する。
ア 特許請求の範囲の限定的減縮(特許法第17条の2第5項第2号)について
本件補正前の請求項1には、「第2ユーザによって送信された素材を受信すること」、「受信インターフェース」、「メディアファイル描画命令」、「融合すべき素材」が「前記第1ユーザによってアップロードされた」ものであること、及び「前記ターゲットメディアファイルを投稿すること」との各発明特定事項が記載されているところ、本件補正後の請求項1においては、当該各発明特定事項についての記載が実質的に削除されている(同じ概念又は下位概念の記載が存在しない)ものと解される。
よって、本件補正は、特許請求の範囲の限定的減縮(特許法第17条の2第5項第2号)を目的とするものではない。
イ その他の目的(特許法第17条の2第5項第1号、第3号、第4号)について
また、本件補正は、請求項の削除(特許法第17条の2第5項第1号)、誤記の訂正(特許法第17条の2第5項第3号)、明りょうでない記載の釈明(特許法第17条の2第5項第4号)を目的とするものでもないことは明らかである。
ウ むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項各号に掲げるいずれを目的とするものでもない。
3 審判請求人の主張
審判請求人は、審判請求書において、「補正の根拠は、本願明細書全体及び図面に見出すことができます。」と主張しているが、上記2(1)イのとおり、当初明細書等に「第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの間の会話」、「キャプチャコマンド」および「選択コマンド」については記載も示唆もなく、技術常識から自明ともいえないから、審判請求人の主張は採用できない。
なお、補正の目的要件に関しては、審判請求書において何ら主張されていない。
4 補正の却下の決定のむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
また、特許法第17条の2第5項の規定に違反するから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1-15に係る発明は、令和6年12月17日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-15に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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